特開2020-85890(P2020-85890A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-85890カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-85890(P2020-85890A)
(43)【公開日】2020年6月4日
(54)【発明の名称】カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/30 20060101AFI20200508BHJP
   G01N 27/48 20060101ALI20200508BHJP
【FI】
   G01N27/30 B
   G01N27/48 301
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-167939(P2019-167939)
(22)【出願日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】201811365038.3
(32)【優先日】2018年11月16日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519292730
【氏名又は名称】肇▲慶▼学院
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲艶▼清
(72)【発明者】
【氏名】汪洪武
(72)【発明者】
【氏名】姚夙
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼▲銘▼▲華▼
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カルボキシル化カーボンナノシート/カルボキシル化グラフェン複合膜が修飾された電極と、この修飾電極を用いた電気化学センサにより、微量フィプロニルの測定方法を提供する。
【解決手段】カルボキシル化カーボンナノシート/カルボキシル化グラフェン複合膜により、ガラス状炭素電極を修飾し修飾電極を得る。修飾電極を、フィプロニルが含まれる試料溶液に浸漬し、電位を印加してフィプロニルを電極上に濃縮する。次に、この修飾電極を作用電極とした三電極システムを構築し、フィプロニルを測定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの測定方法であって,
ガラス状炭素電極(Φ=3mm)を0.05μmのγ−アルミナで研磨し、二次水を利用して超音波洗浄した後、室温で乾燥して用意して置くというガラス状炭素電極の処理工程Aと、
一定量のカルボキシル化グラフェン分散液滴を電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化グラフェン修飾電極を得るというカルボキシル化グラフェン修飾電極の構築工程Bと、
一定量の超音波電気分解法で得られたカルボキシル化カーボンナノシートを、電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極を得るというカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極の構築工程Cと、
一定量のカルボキシル化グラフェンおよびカルボキシル化カーボンナノシートをそれぞれ電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極を得るというカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極の構築工程Dと、
カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極を一定の濃度のPBS緩衝溶液に入れ、安定になるまで示差パルスボルタンメトリーにより走査し、走査時の電位範囲は?0.7V〜1.2Vであり、二回の走査間の間隔は1minであり、次いで、1000rpmで磁力を利用して撹拌しながら、電位範囲が?0.4V〜0.7V、濃縮時間が0〜40minである定電位濃縮を実施するという電気化学センサの構築工程Eと、
作用電極がカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極であり、対極が中空チタン棒であり、参照電極が飽和カロメル電極であるという三電極システムを採用する電気化学試験を容積が25mLである自製の電解槽で行い、試験するたびに電解液を容積20mL充填し、マグネチックスターラーで撹拌し、電解液はPBS緩衝液であり、それを使用する前にその中の溶存酸素が十分に除去されるように高純度窒素ガスを3min導入するというフィプロニルの検出工程Fとを含む、ことを特徴とするカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの測定方法。
【請求項2】
前記工程Dにおいて、前記カルボキシル化カーボンナノシートと前記カルボキシル化グラフェンの使用量はそれぞれ2μLと2μLである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程Eにおいて、前記電解槽における溶液はpH=8.0に調節される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記工程Eにおいて、前記電解槽における溶液緩衝溶液PBSの濃度は0.2Mである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記工程Eにおいて、前記濃縮電位は0.3Vである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記工程Eにおいて、前記濃縮時間は5minである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規機能性材料および電気化学センシング検出の技術分野に属し、フィプロニルの検出方法に関し、特にカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィプロニル(fipronil)は、化学名(R、S)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−a、α、α−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリルであり、1987年にフランスのローヌ・プーランクアグリケミカル会社によって開発されたフェニルピラゾール系の新規な高活性殺虫剤である。この薬品は殺虫の範囲が広く、害虫に対して胃に毒性があり、接触と体内吸収作用を兼ねて、アブラムシ、ヨコバイ、ウンカ類、鱗翅類の幼虫、ハエ類と甲虫類などの重要な害虫に対して非常に高い殺虫活性を持ち、しかも作物に毒性がない。しかしながら、フィプロニルは薬剤耐性、残留物および生態学的リスクを生じやすいため、多くの国がそれを禁止薬物として分類している。
【0003】
長期間使用すると、フィプロニルは人体内に濃縮され蓄積され、慢性中毒や癌さえも引き起こしてしまい、人の健康に対して隠れた安全上問題をもたらすことが研究によって示される。現在、一部の先進国では、家禽および水産物中のフィプロニルの最大残留限度について厳しい規制を設けているが、中国では、家禽および水産物にフィプロニルを使用することを禁じている。したがって、迅速、便利、高感度および低検出限界で微量のフィプロニルを検出する方法を見出すことは非常に重要である。
【発明の概要】
【0004】
現在、様々な複雑なマトリックス中のフィプロニルを測定する分析方法は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法(LC-MS-MS)などが主にある。これらの方法は高い感度と精度を有するが、大型で高価な機器装置および複雑な試料精製調製手順を必要とし、分析手順が複雑であり、検出期間が長く、検出コストが高く、しかも専門技術者で実行することを必要とし、検出技術レベルへの要件が高く、末端機構で押し広めにくく、家禽および水産物の養殖、加工および流通段階を全面的に監視することが難しい。そのために、簡単で、迅速で、経済的でかつ現場での検出に適する方法の開発は、従来におけるフィプロニル残留物の基準値を超えている問題を解決するのに有効な方法の一つである。
【0005】
電気化学センサは、電気化学反応の原理に基づいて標的物質を検出するようなタイプのセンサであり、それは電極をセンサ変換素子として、電極上に修飾された材料を感度素子として使用し、感度素子を被検出物質のイオンまたは分子と接触させて化学反応または変化を発生させ、変換素子により、この反応または変化を直接または間接的に電気信号に変換し、標的物質の濃度、組成などの化学量と出力電気信号との間の関係を構築し、それによって標的物質に対する定量的検出を達成する装置である。電気化学センサは、その優れた感度と選択性を有し、操作が簡単で、検出が迅速で、小型化にすることが容易でおよび複雑なシステムにおけるオンラインモニタリングひいては生体分析などの優位性により、電気分析化学において非常に活発な研究分野となっており、しかも臨床試験、食品や医薬分析、環境モニタリング、ライフサイエンスなどの分野で幅広く活用されている。
【0006】
カルボキシル化グラフェン材料は、比表面積が高く、貯蔵が容易で、導電性が改善されるという利点を有し、電極材料に共有結合させて溶媒中によりよく分散させることができる。カーボンナノシートは、豊かな表面および優れた導電性も有し、しかも異なる場合によって二次元カーボンナノ構造に対する要件も異なり、多くの分野において同じくその重要な応用価値が示されている。しかしながら、カルボキシル化グラフェンとカルボキシル化カーボンナノシートとの複合応用はまだ報道されていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の欠点を解決するために、本発明は、カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの測定方法を提供し、この方法はカルボキシル化カーボンナノシートとカルボキシル化グラフェンの二重増幅効果を利用して、微量フィプロニルを高感度に検出するために用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサを用いた微量フィプロニルの測定方法は、
【0009】
ガラス状炭素電極(Φ=3mm)を0.05μmのγ−アルミナで研磨し、二次水を利用して超音波洗浄した後、室温で乾燥して用意して置くというガラス状炭素電極の処理工程Aと、
【0010】
一定量のカルボキシル化グラフェン分散液滴を電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化グラフェン修飾電極を得るというカルボキシル化グラフェン修飾電極の構築工程Bと、
【0011】
一定量の超音波電気分解法で得られたカルボキシル化カーボンナノシートを、電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極を得るというカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極の構築工程Cと、
【0012】
一定量のカルボキシル化グラフェンおよびカルボキシル化カーボンナノシートをそれぞれ電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極を得るというカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極の構築工程Dと、
【0013】
カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極を一定の濃度のPBS緩衝溶液に入れ、安定になるまで示差パルスボルタンメトリーにより走査し、走査時の電位範囲は-0.7V〜1.2Vであり、二回の走査間の間隔は1minであり、次いで、1000rpmで磁力を利用して撹拌しながら、電位範囲が-0.4V〜0.7V、濃縮時間が0〜40minである定電位濃縮を実施するという電気化学センサの構築工程Eと、
【0014】
作用電極がカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極であり、対極が中空チタン棒であり、参照電極が飽和カロメル電極であるという三電極システムを採用する電気化学試験を容積が25mLである自製の電解槽で行い、試験するたびに電解液を容積20mL充填し、マグネチックスターラーで撹拌し、電解液はPBS緩衝液であり、それを使用する前にその中の溶存酸素が十分に除去されるように高純度窒素ガスを3min導入するというフィプロニルの検出工程Fとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明に記載の電気化学センサのさらなる特徴によれば、前記工程Dにおいて、前記カルボキシル化カーボンナノシートと前記カルボキシル化グラフェンの使用量はそれぞれ2μLと2μLである。
【0016】
本発明に記載の電気化学センサのさらなる特徴によれば、前記工程Eにおいて、前記電解槽における溶液はpH=8.0に調節される。
【0017】
本発明に記載の電気化学センサのさらなる特徴によれば、前記工程Eにおいて、前記電解槽における溶液緩衝溶液PBSの濃度は0.2Mである。
【0018】
本発明に記載の電気化学センサのさらなる特徴によれば、前記工程Eにおいて、前記濃縮電位は0.3Vである。
【0019】
本発明に記載の電気化学センサのさらなる特徴によれば、前記工程Eにおいて、前記濃縮時間は5minである。
【0020】
本発明による微量フィプロニルを検出するための電気化学センサは、従来技術におけるフィプロニル検出時に方法が面倒であり、工程が複雑であるという欠点を克服し、検出の感度を更に向上させ、微量のフィプロニルに対する検出の自動化が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】中国特許出願公開第109752531号明細書。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】異なる電極の微分パルスボルタンメトリー曲線であり、ここでは、(a)は裸電極であり、(b)はカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極であり、(c)はカルボキシル化グラフェン修飾電極であり、(d)はカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン修飾電極である。
図2】本発明によるセンサの標準吸収曲線である。
図3】本発明によるセンサの選択性を示すグラフである。ここでは、横軸において加えられる干渉物質である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例1:本発明による微量フィプロニルを検出するための電気化学センサの構築
【0024】
カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜による電気化学センサによる微量フィプロニルの検出方法であって、
【0025】
ガラス状炭素電極(Φ=3mm)を0.05μmのγ−アルミナで研磨し、二次水を利用して超音波洗浄した後、室温で乾燥して用意して置くというガラス状炭素電極の処理工程(1)と、
【0026】
一定量のカルボキシル化グラフェン分散液滴を電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化グラフェン修飾電極を得るというカルボキシル化グラフェン修飾電極の構築工程(2)と、
【0027】
一定量の超音波電気分解法で得られたカルボキシル化カーボンナノシートを、電極の表面に塗布し、赤外線ランプ下で乾燥させてカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極を得るというカルボキシル化カーボンナノシート修飾電極の構築工程(3)と、
【0028】
一定量のカルボキシル化グラフェンおよびカルボキシル化カーボンナノシートをそれぞれ電極の表面に塗布し、赤外光下で乾燥させてカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極を得るというカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極の構築工程(4)と、
【0029】
カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極を一定の濃度のPBS緩衝溶液に入れ、安定になるまで示差パルスボルタンメトリーにより走査し、走査時の電位範囲は-0.7V〜1.2Vであり、二回の走査間の間隔は1minであり、次いで、1000rpmで磁力を利用して撹拌しながら、電位範囲が-0.4V〜0.7V、濃縮時間が0〜40minである定電位濃縮を実施するという電気化学センサの構築工程(5)と、
【0030】
作用電極がカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン複合膜修飾電極であり、対極が中空チタン棒であり、参照電極が飽和カロメル電極であるという三電極システムを採用する電気化学試験を容積が25mLである自製の電解槽で行い、試験するたびに電解液を容積20mL充填し、マグネチックスターラーで撹拌し、電解液はPBS緩衝液であり、それを使用する前にその中の溶存酸素が十分に除去されるように高純度窒素ガスを3min導入するというフィプロニルの検出工程(6)とを含む。
【0031】
実施例2:本発明による微量フィプロニルを検出するための電気化学センサの示差パルスボルタンメトリーキャラクタリゼーション
【0032】
示差パルスボルタンメトリーによって、裸電極(a)、カルボキシル化グラフェン(b)、カルボキシル化カーボンナノシート(c)およびカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン(d)修飾電極上でのフィプロニルの電気化学反応を観察する。図1に示すように、裸電極において,2μMのフィプロニルエタノール溶液のピーク電流は0.3307μAであることに対し,カルボキシル化グラフェンで電極を修飾した後に、酸化還元が全然なく、ピークはカルボキシル化カーボンナノシートの修飾下で生じ、ピーク電流は3.486pAに達することができ,ピーク電流は10倍増大する。同一の条件で,改めてカルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェンで修飾すると、ピーク電流は6.611μAに達することができ,裸電極に対して20倍増大する。
【0033】
実施例3:線形範囲および検出限界実験
【0034】
カルボキシル化カーボンナノシート@カルボキシル化グラフェン(d)修飾電極のフィプロニルの電解還元に対する非常に強い電極触媒作用に基づいて、フィプロニルに対する超高感度の電気化学検出方法を確立することができる。フィプロニルは10nM〜700.0nMの濃度範囲にあるとき、電気化学的信号応答はフィプロニルの濃度と良い線形関係を示し(図2参照)、その線形回帰式は/(μA)=−0.0218C(nM)+2.1439,R=0.9992であり,検出限界は3.7nMである。本発明によって、フィプロニルの検出感度が著しく向上し、低濃度のフィプロニルへの検出の自動化が容易になる。
【0035】
実施例4:干渉物質の影響
【0036】
選択的実験に示すように、この実験では、センサのピーク対電流比(I/IO)を比較することによって干渉実験を行い、図3に示すように、フィプロニル濃度が50nMの場合、100倍の濃度のグルコース、アスコルビン酸、リボフラビン、ニテンピラム、チアメトキサム、ビタミンAアセテート、チアミン塩酸塩などの干渉物質はそれに対していずれも干渉しないことになる。
【0037】
実施例5:実試料の測定
【0038】
実試料を処理した後、抽出物を取り、それに対して電気化学的測定を行い、測定結果を表1に示す。表1から、この方法の回収率は89.75%〜105.38%であり、相対標準偏差は9.87〜4.23%であることが分かる。
【0039】
【表1】
図1
図2
図3