(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-86421(P2020-86421A)
(43)【公開日】2020年6月4日
(54)【発明の名称】鼻歌、自動演奏キーボード
(51)【国際特許分類】
G10H 1/00 20060101AFI20200508BHJP
H04R 1/08 20060101ALI20200508BHJP
【FI】
G10H1/00 B
H04R1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-235896(P2018-235896)
(22)【出願日】2018年11月29日
(71)【出願人】
【識別番号】515235643
【氏名又は名称】岩田 愼一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 愼一
【テーマコード(参考)】
5D017
5D478
【Fターム(参考)】
5D017BE10
5D478CC31
5D478DF03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、今までキーボード等鍵盤楽器を弾ける人しか楽器の様々な音色の音楽を響かせることができなかった問題を解決するため、誰でもできる鼻歌等の音声によって、これを使うことによって、キーボードの様々な音色の音楽を響かせること、すなわち鼻歌の音声に対応して、キーボードの自動演奏を行うことを目的とする。
【解決の手段】 マイクロフォン5から入る音声の音高を特定するための装置3とその特定した音高に当たるキーボード1の鍵盤のキーに電流を流すためのスイッチ装置4を持つ。
これによってマイクロフォン5から入る音声に対して、それに当たる音高のキーボード1の鍵盤のキーに電流が流され、その鍵盤のキーが押されていく機構を持つことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻歌等の音声をリアルタイムに等しいレベルで、楽器のキーボード等の鍵盤楽器の自動演奏に変換しようとするキーボード等の鍵盤楽器。
【請求項2】
鼻歌等の音声が、外部に漏れて、キーボード等の鍵盤楽器から流れる音やサウンドを妨げないようにマイクロフォンに筒状のカバーをつけたマイクロフォン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻歌などの音声をリアルタイムに等しいレベルで、楽器のキーボードへの自動演奏に変換していこうとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロフォンから入力された音声データを周波数解析した結果をもとに、採譜する装置があった(特許文献1参照)。
また、楽器のキーボード等を含め鍵盤楽器と自動演奏するものもあった。
ただ、従来において、この前述の2つを組み合わせたものがなかった。
そのため、あくまで、キーボード等、鍵盤楽器は弾かねばならず、弾かなくても鼻歌等の音声によってキーボードの様々な楽器の音色に変換しながら自動演奏を行うものがなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−59258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、従来の楽器のキーボード等、鍵盤楽器において、あくまで、楽器としてのキーボード等、鍵盤楽器を弾かねばならず、そのため、楽器の音としての音楽を響かせるためには、既存の曲を弾く場合等においても相当な訓練、熟練を必要としていた。
そのため、バイエル等、何年も習わなければ楽器としての音として音楽を響かせることは、容易にできるものではなかった。
数年、あるいは、数十年前から楽器のキーボードにおいて鍵盤を光らせて演奏を容易にしようとしたものが売り出されたが、やはり演奏しなければならない点、すぐに簡単に容易に音サウンドとしての音楽を響かせることができるものではなかった。
鍵盤楽器においてすぐに容易に、演奏者が曲やメロディーを弾けない理由は、端的に言って鍵盤楽器を弾くことに慣れていないため、言い変えれば、それに慣れるほどまでに訓練を積んで鍵盤楽器を弾いたことがないためである。
ところが、私たちは声として曲を歌ったり口ずさんだりすることにおいて、ほとんど一度その曲を聴いただけですぐにそれを再生することができる。
誰もが、この能力を持っている理由の最大のものは、私たちは生まれたときから声を発生し、音の高低をとることにものすごく、そのことに訓練と熟練を積んでいるという一つの理由による。
それゆえ、この声、それを音楽として口ずさむものとして容易にしたものが鼻歌であると考え、これを用い、利用し、これをキーボードで生み出せる各種の楽器の音色のサウンドに変換し、鼻歌にリアルタイムに近いレベルで自動演奏させることによって、鼻歌にすぎない音楽をキーボードで生み出せるピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等の各種の音色の音、サウンドとして音楽を響かせようとすること、いままでキーボード等、鍵盤楽器において演奏者が、かなりの訓練をもって弾かねば、容易に楽器として音楽を響かせることができなかった問題点を鼻歌等の音声によって解決し、誰もが鼻歌等の音声で、様々な楽器の音色による音楽を響かせ、それによる音楽活動を容易に行えるようにしようとするのが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
まず、音階の音高に対しての周波数のデータを音階の音高の分、音階データとしてあらかじめ用意している。
次にマイクロフォンから入力された音声から推定した音高の基本周波数を、その音階データの周波数と照合し、それによってマイクロフォンから入力された音声の音高が、どの音階の音高に当たるのかを特定する。
その特定した音階の音高に、対応しているキーボードの鍵盤のキーに電流を流すことによって、物理的動作を生じさせ、鍵盤のキーが押される状態を作り出す。
この特定することに対して、電流を流す部分を次のように行う。
電源から、電流を流すために音階の音高の数の分だけあるスイッチを用意し、その音階の音高の数の分だけあるスイッチのうち、前述によって特定された音高に対するスイッチをONにする動作を行っていく。
このスイッチを、ONにすることによって、それに対応する鍵盤のキーに電流を流す。
これによってマイクロフォンから入力される音高に対し、その音高を特定し、その音高に対応するスイッチをONにし、それによって、その音高のキーボードの鍵盤のキーに電流を流し、物理的動作を生じさせ、キーボードの鍵盤のキーが押される状態を作っていく。
このことがマイクロフォンから入ってくる音高に対応して順次行われマイクロフォンからの音高に対して順次キーボードの鍵盤のキーが押されていく。
そのことによって、マイクロフォンから入る音高に対応して、キーボードが自動演奏を行っていくことを実現する。
つまり、マイクロフォンからの音高に対応して、それを、リアルタイムに等しいレベルで、キーボードの自動演奏に変換していくことを行う。
【発明の効果】
【0006】
鼻歌がキーボードにおいて自動演奏されるのを、視覚的に見て楽しむことができる。
また、音としても、キーボードで設定した音色で鼻歌のメロディーを楽器演奏したものを開くことができる。
そのことにより、なにより楽器としての鍵盤楽器の演奏ができなくても鼻歌さえできれば楽器演奏したのと同じような音色の音楽世界を生み出すことができる。
また、即興で鼻歌を歌ってもそのとおりにピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等、各種の楽器の音色で音楽ができるということが実現できる。
これは、自分の思うままの音やメロディーをすぐにピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等の各種の楽器の音色に変えられるということをも示している。
また、これは楽譜が読めなくても鼻歌で曲を歌うならば、ピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等の種の楽器の音色による演奏の音楽を実現できることも意味している。
また、声が悪くて歌がヘタクソな人でも、いわゆる音痴でなければ、鼻歌を歌うことによってピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等各種の音色で作ったと同じサウンドの音楽世界を実現できる。
また、左手を使って和音を押さえていくならば、それだけで伴奏のついたピアノの演奏曲や、ストリングスの演奏曲の音楽を響かせ、あたかもピアノの演奏を聞いているようなストリングスの演奏曲を聴いているような音楽を聴くことができる。
さらに、左手、指1本を使いあらゆる和音のバリエーションの伴奏をつけるものがかなり前からすでに存在している。
これによって、指1本と鼻歌だけで演奏のついたまさにピアノ曲、ストリングス等の演奏によるのと同じ音楽を響かせ、聴くことができる。
また、自分で作曲をする場合、指1本で和音を鳴らしながら、それに対して鼻歌を歌っていくならば鼻歌を歌っているのに過ぎないのに、それが、ピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等でできあがった音楽となって聴くことができそればかりでなく、それをただちに録音しデモテープを作ることができる。
また、アーティストとして音楽活動に参加したい場合、鼻歌だけで楽器を演奏したのと同じ効果が得られるので、楽譜が読めなくても、または、歌うときの声が悪くても、鼻歌を歌うことによって曲のメロディーやパートをピアノ、ストリングス、ブラス、シンセ等でそれに参加し、音楽活動を簡単に容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】 本発明の構造をわかりやすくするために、その構造を示した図である。
【
図2】 本発明の平面図である。なお、
図1で構造を示すために2つに分けた部分は、1つのキーボードの中に内蔵している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
キーボード1の音階の鍵盤の数の分のキーの1つ1つに対して、電流の流れる線がつながっている。
キーボード1の鍵盤のキーの1つ1つに電流が流れたとき、物理的動作を生じさせるものを備えておく。
例えば、電磁石等をキーにとりつける等。
これによって電流が鍵盤のキーに流れたとき、その鍵盤のキーが押された状態を作り出すことができる。
また、この電流を流すために電源2を備えている。
このキーボード1の鍵盤のキーが鼻歌の音声の音高に対応して押されていく必要がある。
そのために、マイクロフォン5から入ってくる音声の音高から推定した基本周波数を、あらかじめ用意してあった音階データの周波数と照合し、それによってマイクロフォン5から入力された音高がどの音階の音高にあたるのかを特定する装置3を備えている。
この特定した音高にあたるキーボード1の鍵盤のキーに電流を流すためにキーボード1の音階の鍵盤のキーのそれぞれに対応する部分に、スイッチをスイッチ装置4の中に設けている。
このスイッチ装置4のスイッチのON、OFFによって電流を流すことを管理する。
マイクロフォン5からの音声に対して、その音高を特定する装置3を通してスイッチ装置4の、どのスイッチをONにするか、特定し、それによってキーボード1の鍵盤のキーに電流を流していく。
キーボード1の鍵盤のキーに電流が流れることによって、キーボード1の鍵盤のキーが押されていく。
また、マイクロフォン5において、音声が外部に漏れることによってキーボード1から流れるサウンドを、妨げるおそれがあるので、マイクロフォン5に筒状のカバーをとりつけたものを備えておく。
【符号の説明】
【0009】
1 キーボード
2 電源
3 マイクロフォンからの音声に対してその音高を特定する装置
4 スイッチ装置
5 マイクロフォン