(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-88098(P2020-88098A)
(43)【公開日】2020年6月4日
(54)【発明の名称】コイル基板
(51)【国際特許分類】
H01F 5/00 20060101AFI20200508BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20200508BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20200508BHJP
【FI】
H01F5/00 Z
H01L21/90 Z
H01F5/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-218428(P2018-218428)
(22)【出願日】2018年11月21日
(11)【特許番号】特許第6624702号(P6624702)
(45)【特許公報発行日】2019年12月25日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)平成29年12月29日に株式会社七沢研究所にてゼロ磁場コイル基板が内蔵された特定周波数発生装置を販売した。 (2)平成30年5月1日にロゴストロン株式会社にてゼロ磁場コイル基板が内蔵された特定周波数発生装置を用いて製造した「別天水」を販売した。 (3)平成30年6月1日に株式会社七沢研究所にてゼロ磁場コイル基板が内蔵された特定周波数発生装置(LOGOSTRON M■bius Tablet BETTEN)を特定会員に対してモニター販売を開始した。 (4)平成30年9月25日にアドレス「https://www.nanasawa.com/report」「https://docs.google.com/document/d/1gzrMApTe2em5xwzp3p3UQj−FpFJz48xrwgG2cMjEhSA/edit」で公開されているLOGOSTRON Tech Lab Report 003 2018/9/25において、「ゼロ磁場コイル基板及びその使用方法」の概要を公開した。 (5)平成30年10月5日発行の刊行物『ウォーターデザイン』、和器出版株式会社、久保田昌治、七沢研究所 著 七沢賢治 監修において、「ゼロ磁場コイル基板の使用方法」の実験データを公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】518356844
【氏名又は名称】neten株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七沢 賢治
(72)【発明者】
【氏名】七沢 智樹
【テーマコード(参考)】
5F033
【Fターム(参考)】
5F033VV00
5F033VV07
(57)【要約】
【課題】コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板を得る。
【解決手段】隣り合う導線2,2’に逆方向の電流が流れる3つ以上のゼロ磁場コイル3b〜3kが、絶縁層4を介して上下方向に積層され、最上層又は最下層のコイルパッド5に接続されている。好ましくは、それぞれのゼロ磁場コイル3b〜3kは、隣り合う導線2,2’が中心に向かって螺旋状に巻かれて中心で接続されており、上下に隣り合う上記ゼロ磁場コイル3b〜3kの導線2,2’には、逆方向の電流が流れるようになっている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う導線に逆方向の電流が流れるゼロ磁場コイルが、絶縁層を介して上下方向に積層され、最上層又は最下層のコイルパッドに接続されている
ことを特徴とするゼロ磁場コイル基板。
【請求項2】
請求項1に記載のゼロ磁場コイル基板において、
上記ゼロ磁場コイルは、隣り合う導線が中心に向かって螺旋状に巻かれて中心で接続された複数のコイルよりなり、
上下に隣り合う上記ゼロ磁場コイルの導線には、逆方向の電流が流れるようになっている
ことを特徴とするゼロ磁場コイル基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゼロ磁場コイル基板において、
上下に隣り合う上記ゼロ磁場コイルは、並列に接続されている
ことを特徴とするゼロ磁場コイル基板。
【請求項4】
上下方向に積層された絶縁層間に、逆方向の電流が流れる一対の隣り合う導線が、
各層において、正六角形を半分に切った等脚台形状となるように、一方の脚から他方の脚に向かって延びた後、絶縁層を通過し、
他の層において、折り返され、該層における等脚台形の一方の脚から他方の脚へ向かって延びるようにして順次各絶縁層を通過しながら配線され、
上方から透視して重なり合う等脚台形が正六角形状となるように積層されている
ことを特徴とするゼロ磁場コイル基板。
【請求項5】
請求項4に記載のゼロ磁場コイル基板において、
最上層には、上方から透視した正六角形状の外形に合わせて立方体形状のコイル模様が印刷されており、
最上層又は最下層には、上記一対の導線が繋がるコイルパッドが設けられている
ことを特徴とするゼロ磁場コイル基板。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載のゼロ磁場コイル基板の使用方法において、
特定周波数の信号を含む電流を流し、水に対して該特定周波数の信号の情報を転写する
ことを特徴とするゼロ磁場コイル基板の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼロ磁場コイル基板及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電磁波の無い状態の無極性磁場(以下、ゼロ磁場という)空間にする無極性磁場発生コイルが知られている(例えば、特許文献1参照)。このゼロ磁場コイルでは、縦軸の対のコイルが逆向きに巻かれている場合には同方向に電流を流し、縦軸の対のコイルが同方向に巻かれている場合には逆方向に電流を流すようにしている。
【0003】
また、特許文献2のように、電流が流されると互いに打ち消し合うような磁場を発生する、巻回方向が互いに逆の一対のコイル状導電回路をプリントパターン化して設けたカード式ゼロ磁場発生装置が知られている。
【0004】
一方、ゼロ磁場コイルではないが、絶縁層を介して積層されている3つ以上の導電層を有するコイル基板が知られている(例えば特許文献3)。このコイル基板では、その板厚方向における一端側の最外の導電層を含みかつ、他端側の最外の導電層を含まない一部複数の導電層に渦巻形のコイル部が形成され、それらコイル部が板厚方向に並んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−156324号公報
【特許文献2】特開2003−69184号公報
【特許文献3】特開2018−18868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、ゼロ磁場コイル基板の用途が広がっている。このため、コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板のニーズが増えてきている。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、複数層よりなる1枚の基板にゼロ磁場コイルを設けた。
【0009】
なお、本明細書で、明確化のために、ゼロ磁場コイル基板の板厚方向の表面側の層を最上層とし、裏面側の層を最下層と規定しているが、表面層が上下左右のどちらの方向で用いられてもよい。
【0010】
具体的には、第1の発明では、隣り合う導線に逆方向の電流が流れるゼロ磁場コイルが、絶縁層を介して上下方向に積層され、最上層又は最下層のコイルパッドに接続されている。
【0011】
上記の構成によると、隣り合う導線で磁場を打ち消し合ってゼロ磁場を形成するゼロ磁場コイル(無誘導コイル)が上下方向(板厚方向)に積層された状態で形成されているので、コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板が得られる。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記ゼロ磁場コイルは、隣り合う導線が中心に向かって螺旋状に巻かれて中心で接続された複数のコイルよりなり、
上下に隣り合う上記ゼロ磁場コイルの導線には、逆方向の電流が流れるようになっている。
【0013】
上記の構成によると、水平方向に隣り合う導線だけでなく、上下方向に隣り合う導線との間でも磁界を打ち消し合うので、さらにゼロ磁場コイルとしての性能が向上する。
【0014】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上下に隣り合う上記ゼロ磁場コイルは、並列に接続されている。
【0015】
上記の構成によると、各層に配置したゼロ磁場コイルに最上層又は最下層のコイルパッドから電流を一気に流すことができるので、パルス信号、特定周波数等の信号を含む電流を流すような場合に、磁場を打ち消し合う効果が向上する。
【0016】
第4の発明では、上下方向に積層された絶縁層間に、逆方向の電流が流れる一対の隣り合う導線が、
各層において、正六角形を半分に切った等脚台形状となるように、一方の脚から他方の脚に向かって延びた後、絶縁層を通過し、
他の層において、折り返され、該層における等脚台形の一方の脚から他方の脚へ向かって延びるようにして順次各絶縁層を通過しながら配線され、
上方から透視して重なり合う等脚台形が正六角形状となるように積層されている。
【0017】
上記の構成によると、板厚の薄い1枚の基板の内部にゼロ磁場コイルが折り畳まれたような状態で効率よく収容される。
【0018】
第5の発明では、第4の発明において、
最上層には、上方から透視した正六角形状の外形に合わせて立方体形状のコイル模様が印刷されており、
最上層又は最下層には、上記一対の導線が繋がるコイルパッドが設けられている。
【0019】
上記の構成によると、表面となる最上層に外観にも優れたコイル模様が施され、最上層又は最下層に接続のためのコイルパッドが設けられるので、見映えがよく使用しやすいゼロ磁場コイル基板が得られる。
【0020】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、
特定周波数の信号を含む電流を流し、水に対して該特定周波数の信号の情報を転写する構成とする。
【0021】
ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなり、6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものである。上記の構成によると、多層化されたゼロ磁場コイル基板から発生される低周波電磁波等が水分子の水素結合に吸収され、水の物理特性が変化することで、特定周波数の信号の情報が転写される。なお、ゼロ磁場コイルは、理論的には電磁波を発生しない構成となっているが、実際には電磁波をある程度は発生させている。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態1に係るゼロ磁場コイル基板を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係るゼロ磁場コイル基板を示し、(a)が第二層を示す平面図で、(b)が最下面を示す底面図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係るゼロ磁場コイル基板の回路図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るゼロ磁場コイル基板の層構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板を示す平面図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板の第2層を示す平面図である。
【
図7】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板の各層を示す平面図であり、(a)は第3層で、(b)は第4層である。
【
図8】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板の各層を示す平面図であり、(a)は第5層で、(b)は第6層である。
【
図9】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板の各層を示す平面図であり、(a)は第7層で、(b)は第8層である。
【
図10】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板の回路図である。
【
図11】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板の層構造を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板のビア位置を示す平面図である。
【
図13】本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板を用いた実験データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(実施形態1)
図1〜
図4は、本発明の実施形態1のゼロ磁場コイル基板1を示す。このゼロ磁場コイル基板1は、例えば、直径265mmのリジット基板よりなり、厚さが2mmで層数は、12層である。
図2(a)に代表として第2層1bを示すように、第2層1bから第11層1kまで、隣り合う導線2,2’に逆方向の電流が流れるゼロ磁場コイル3b〜3kが、絶縁層4を介して上下方向に積層され、最下層1lのコイルパッド5に接続されている。導線2,2’の線幅は、1mm程度で各導線2,2’間の距離は0.5mmである。各絶縁層4に導線2,2’を印刷して積層する方法自体は、例えば公知の多層基板の製造方法を用いるとよい。
【0026】
それぞれの上記ゼロ磁場コイル3b〜3kは、隣り合う導線2,2’が中心に向かって螺旋状に巻かれており、その中心の折り返し部2’’(
図2(a)に示す)で接続されている。言い換えれば、導線2が間隔を空けて螺旋状に巻かれ、折り返し部2’’で折り返し、この間隔を通って他方の導線2’が戻ってくるように、導線2,2’が印刷されている。この構成により、1つのコイル内で電流を流すと、隣り合う導線2,2’で理論上、磁界が打ち消し合ってゼロ磁場コイル(無誘導コイル)となる。なお、このゼロ磁場コイルにおいて、電流信号が流れる行きの導線2と帰りの導線2’との間では、どうしてもおよそ導線2,2’の直径分だけ離れたところに電流が流れるので、インダクタンスは必ずしもゼロにはならず、コイルは完全なゼロ磁場にはならない。つまり、両方の導線2,2’から等間隔で磁界がキャンセルされる箇所は限定されるので、等距離にならないところが至る所に存在することになり、電流信号から発生する磁界が完全にはキャンセルされない。また、このゼロ磁場コイルを使用することで、外来の磁気雑音をキャンセルして微弱な磁界(磁束密度)の正確な測定をすることも可能である。
【0027】
ゼロ磁場コイル3b〜3kは、各層を構成する絶縁層4の表面に同様に印刷されており、
図3及び
図4に模式的に示すように、上下に隣り合うゼロ磁場コイル3b〜3kは、並列に接続されている。上下に隣接する各コイルの導線2,2’の接続を交互にすることで、上下に隣り合う上記ゼロ磁場コイル3b〜3kの導線2,2’には、逆方向の電流が流れるようになっている。
【0028】
なお、
図1に示す最上層(第1層1a)には、各層のゼロ磁場コイル3b〜3kと同じ円形螺旋状のパターン印刷8が施されている。すなわち、この第1層1aは、外観だけで実際には導線2,2’が配線されておらず、電流は流れない。また、第1層1aには、例えば一対のLED6が設けられており、
図4に示すように、各絶縁層4を通過して最下層である第12層1lのLEDパッド7にLED用配線6aによって接続されている。LED6の色、光量、数等は特に限定されない。これにより、LED6の点灯の有無によってゼロ磁場コイル3b〜3kに電流が流れているかどうかが容易に認識できるようになると共に、外観もよくなっている。
【0029】
本実施形態では、隣り合う導線2,2’で磁場を打ち消し合ってゼロ磁場を形成するゼロ磁場コイル3b〜3kが上下方向(板厚方向)に積層されているので、コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板1が得られる。
【0030】
しかも、本実施形態では、水平方向に隣り合う導線2,2’だけでなく、上下方向に隣り合う導線2,2’との間でも磁界を打ち消し合うので、さらにゼロ磁場コイル基板1としての性能が向上する。
【0031】
また、ゼロ磁場コイル3b〜3kがそれぞれ並列に接続されているので、各層に配置したゼロ磁場コイル3b〜3kに最下層のコイルパッド5から電流を一気に流すことができる。このため、特定周波数の信号、パルス信号等を含む電流を流すような場合に、隣り合う導線との間での時間差が最小限となり、磁場を打ち消し合う効果が向上する。
【0032】
したがって、本実施形態によると、コンパクトな形状で、できるだけ効率のよいゼロ磁場コイル基板1が得られる。
【0033】
(実施形態2)
図5〜
図12は本発明の実施形態2に係るゼロ磁場コイル基板101を示し、特にゼロ磁場コイル103の構成等が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、本実施形態では、
図1〜
図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図6〜
図9においては、各層間での導線102,102’の繋がりをわかりやすくするために裏面に設けた部分も上方から見た平面図としている。
【0034】
本実施形態のゼロ磁場コイル基板101は、例えば、直径265mmのリジット基板よりなり、厚さが2mmで層数は、8層である。各絶縁層104に導線102,102’を印刷して積層する方法自体は、例えば公知のビルドアップ方式を用いるとよい。
【0035】
図5並びに
図6〜
図9(b)に各層の構成を示すように、本実施形態のゼロ磁場コイル103は、1本の導線102,102’が連続して巻かれた(一筆書きの)1つのコイルよりなる。導線102,102’は、中間点(
図7(a)に拡大して示す折り返し部102’’)で折り返され、その線幅は1mm程度で、各導線102,102’間の距離は0.5mmで、ビア径は、1.0mmである。
図10にも示すように、1本の導線102,102’に電流が流れるようになっている。
【0036】
つまり、上下方向に積層された絶縁層104間に、逆方向の電流が流れる一対の隣り合う導線102,102’が、第2層101bから第7層101gにおいて、正六角形を半分に切った等脚台形状となるように、一方の脚から他方の脚に向かって延びた後、絶縁層104を通過し、他の層において、折り返され、その層における等脚台形の一方の脚から他方の脚へ向かって延びるようにして順次各絶縁層104を通過しながら配線され、上方から透視して重なり合う等脚台形が正六角形状となるように積層されている。
【0037】
図11を用いて各層の構成を見ながら具体的に説明すると、
図9(b)の最下層である第8層101hには、上記実施形態1と同様にコイルパッド105とLEDパッド107とが設けられている。一対のコイルパッド105は、折り返し部102’’で接続された導線102,102’の一対の端部にそれ接続されている。平行な導線102,102’は、
図9(a)で第7層101gを平面視したときに、平行を保ったまま等脚台形の上辺の中央に向かって延び、垂直に曲がって等脚台形の脚に設けたビアAを介して
図8(b)に示す第6層101fの等脚台形の底辺に繋がる。
【0038】
その後、他方の脚に設けたビアBへ延び、ビアBを介して
図8(a)に示す第5層101eの等脚台形の上辺に繋がり、他方の脚に設けたビアCへ延び、ビアCを介して
図7(b)に示す第4層101dの等脚台形の底辺に繋がる。
【0039】
その後、他方の脚に設けたビアDへ延び、ビアDを介して
図7(a)に示す第3層101cの等脚台形の上辺に繋がり、他方の脚に設けたビアEへ延び、ビアEを介して
図6に示す第2層101bの等脚台形の底辺に繋がる。
【0040】
その後、他方の脚に設けたビアFへ延び、ビアFを介し、各絶縁層4を通過して
図9(a)に示す第7層101gに戻り、最初にコイルパッド105から延びてきた導線102,102’の下を通って再びビアAに到達する。
【0041】
同様の配線を各層で等脚台形が完成するまで行う。なお、
図7(a)に一部拡大して示すように、第3層101cに折り返し部102’’が設けられている。
【0042】
すると、
図5に平面視で第1層101aにパターン印刷108を施したような外形の輪郭が正六角形状の配線が完成する。この第1層101aのパターン印刷は、見映えがよくなるように、上方から透視した正六角形状の外形に合わせて立方体形状のコイル模様が印刷されている。第1層101aには、例えば一対のLED106が設けられ、第8層101hのLEDパッド107に対してLED用配線106aに接続されている。
【0043】
このように、本実施形態では、板厚の薄い1枚のゼロ磁場コイル基板101の内部に6層の等脚台形で構成された一筆書きのゼロ磁場コイル3b〜3kが折り畳まれたような状態で効率よく収容される。
【0044】
本実施形態では、表面となる最上層(第1層101a)に外観にも優れたコイル模様が施され、最下層(第8層101h)に接続のためのコイルパッド5が設けられるので、見映えがよく使用しやすいゼロ磁場コイル基板101が得られる。
【0045】
−ゼロ磁場コイル基板の使用方法−
上記実施形態1及び2のゼロ磁場コイル基板1,101の使用方法は、特に限定されないが、その使用方法の一例について実験データを用いて説明する。
【0046】
この使用方法では、実施形態2のゼロ磁場コイル基板101を内蔵した特定周波数発生装置(図示省略)を用いた。この特定周波数発生装置の上面にゼロ磁場コイル基板101が設けられている。この特定周波数発生装置を用いてゼロ磁場コイル基板101上に特定周波数の信号を含む電流を流し、その上方に載置した容器に入れられた水に対して特定周波数の信号の情報を転写した。「特定低周波数」の基本周波数は、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなり、6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものである。例えば、地球と電離層との間に存在するシューマン波に相当する約7.8Hzの波長を含むを持つ電気信号を含む電流をゼロ磁場コイル基板101に流した。このようなシューマン波を水に与えると、その低周波電磁波が水の水素結合に吸収され、その結合角度が104.5度から108度に変化することがわかっている。本実験では、上記特定低周波数として発信された言語エネルギーを水に加波した。
【0047】
その後、ラマン散乱スペクトルの比較を行った。測定試料として、原水と上記加波後の処理水とを用い、それぞれNRS−5000型レーザラマン分光光度計で計測した結果を
図13に示す。
【0048】
原水、処理水ともに複数回数測定を行い、再現性を確認した。再現測定の結果、水のO−H伸縮振動に由来する3400cm−l、3250cm−l間で原水に比べ、処理水にスペクトルの減少傾向が認められた。水の構造化、つまりO−H伸縮振動が抑制されていることが見て取れる。
【0049】
このように、本実施形態では、多層化されたゼロ磁場コイル基板101から発生される低周波電磁波が水分子の水素結合に吸収され、水の物理特性が変化することで、特定周波数の信号の情報を転写できることがわかった。
【0050】
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0051】
すなわち、上記各実施形態では、コイルパッド5,105を最下層(第12層1l,第8層101h)に設けたが、第1層1a,101aに設けてもよい。また、上記各実施形態では、寸法の一例を示したが、それよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。さらに、実施形態1のゼロ磁場コイルの層数は、8層、12層など層数を変えてもよい。
【0052】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 ゼロ磁場コイル基板
1 基板
1a〜1l 第1層(最上層)〜第12層(最下層)
2,2’ 導線
2’’ 折り返し部
3b〜3k ゼロ磁場コイル
4 絶縁層
5 コイルパッド
6 LED
6a LED用配線
7 LEDパッド
8 パターン印刷
101 ゼロ磁場コイル基板
101a〜101h 第1(最上層)〜8層(最下層)
102,102’ 導線
102’’ 折り返し部
103 ゼロ磁場コイル
104 絶縁層
105 コイルパッド
106 LED
106a LED用配線
107 LEDパッド
108 パターン印刷
【手続補正書】
【提出日】2019年9月17日
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視正六角形状の各辺のうち、互いに他の辺を挟んで配置される三辺にそれぞれビアを有し、
上下方向に積層された絶縁層間に、逆方向の電流が流れる一対の隣り合う導線が、
各層において、正六角形を半分に切った等脚台形状となるように、一方の脚を構成する一方のビアから他方の脚を構成する他方のビアに向かって延びた後、該他方のビアにおいて絶縁層を通過し、
他の層において、折り返され、該層における等脚台形の一方の脚を構成する上記他方のビアから他方の脚を構成するビアへ向かって延びるようにして順次各絶縁層を通過しながら配線され、
上方から透視して重なり合う等脚台形が正六角形状となるように積層されている
ことを特徴とするコイル基板。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル基板において、
最上層には、上方から透視した正六角形状の外形に合わせて立方体形状のコイル模様が印刷されており、
最上層又は最下層には、上記一対の導線が繋がるコイルパッドが設けられている
ことを特徴とするコイル基板。