(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-9222(P2020-9222A)
(43)【公開日】2020年1月16日
(54)【発明の名称】ワークフローシステム及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20191213BHJP
【FI】
G06Q10/06ZIT
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-130481(P2018-130481)
(22)【出願日】2018年7月10日
(11)【特許番号】特許第6565106号(P6565106)
(45)【特許公報発行日】2019年8月28日
(71)【出願人】
【識別番号】518245663
【氏名又は名称】株式会社ミトリ
(74)【代理人】
【識別番号】100199668
【弁理士】
【氏名又は名称】林 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】石見 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】園田 将志
(72)【発明者】
【氏名】君島 繁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】紙書式の帳票類と違和感が無い様式を取り入れ、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行うことができるワークフローシステム及びそのプログラムを提供することにある。
【解決手段】ワークフローを管理するワークフローサーバ100と、インターネットを介して接続された複数の端末装置200,300,400,500からなり、予め設定登録されたユーザー組織情報や各担当に関する情報、さらには文書を回覧する承認ルートに従って処理されるワークフローシステムであって、帳票データ入力画面に表示するユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段600と、読み込んだ画像データを前記端末装置200,300,400,500の表示画面の仕様に応じた画面領域に表示し、前記画像データに対応したデータ入力領域、項目選択ボタンや捺印表示欄などを自在に編集し得る編集手段とを有する構成が含まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め決められた流れに従って処理されるワークフローシステムであって、表示画面に表示する紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段と、読み込んだ画像データを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に表示し前記画像データに対応したデータ入力領域や項目選択ボタンの追加あるいは削除を自在に編集し得る編集手段とを有することを特徴とするワークフローシステム。
【請求項2】
ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め決められた流れに従って処理されるワークフローシステムであって、表示画面に表示する予め準備された複数のテンプレートを選択する選択手段と、前記選択したテンプレートを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に表示すると共にデータ入力領域や項目選択ボタンの追加あるいは削除を自在に編集し得る編集手段とを有することを特徴とするワークフローシステム。
【請求項3】
前記ワークフローシステムにおいて、最終決済済み文書はユーザーが変更や削除を行なえない制限手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワークフローシステム。
【請求項4】
ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め決められた流れに従って処理されるワークフローシステムであって、前記端末装置のセンサが発信する信号を前記ワークフローサーバが受信し、前記ワークフローサーバが予め設定された異常値と判断した場合には登録された担当者に点検指令の通知をする通知手段を有することを特徴とするワークフローシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワークフローシステムの各手段をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを利用したワークフローシステム及びそのプログラムに関し、特に、電子化された帳票類の承認業務や周辺機器等の管理を効率的に行うことができるワークフローシステム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス内における紙書式の図面や文書等の記録物を、電子化し管理するペーパーレス化が進められていた。記録物を電子化しパーソナルコンピューターで管理することで、保管スペースが削減でき、また、その保管した記録物を容易に検索することができる効果が得られた。
【0003】
さらに、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行う方法として、ネットワークを介して接続されている複数の情報処理端末間で、電子化された帳票を受け渡し、業務処理を実行させるワークフローシステムがある。しかし、この様なワークフローシステムにおいては、文書の表示方法を固定した文書表示欄に、各種データを項目毎に羅列し、入力する方法がとられていた。
【0004】
また、情報処理端末の種類や文書の種類に対応し、構造化文書データを文書フォームに変換して表示する際に、文書画面フレーム設定工程を有する構造化文書ワークフロー処理方法の技術が特許文献1には開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−245396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の文書画面フレームによる表示画面では、従来ユーザーが使用していた紙書式の帳票類と表示画面のフォーマットが大きく変わってしまい、逆に業務に支障が生じる恐れもあり、効率化が上手く進まない問題があった。加えて、近年、決裁済み文章の改竄・改変が問題となっており、決裁済み文書の改竄・改変防止機能を取り入れたシステムの必要性も増している。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その具体的目的は、ユーザーが従来使用していた紙書式の帳票類と違和感が無い表示画面のフォーマットを取り入れ、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行うことができると共に、最終決済がなされた文書は容易に改竄・改変できない機能を有するワークフローシステムであって、さらには、オフィス周辺機器などの管理も同時に行うことができる、ワークフローシステム及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置からなり、予め設定登録されたユーザーの組織情報や各担当に関する情報、さらには文書を回覧する承認ルートに従って処理されるワークフローシステムであって、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面に表示するユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段と、読み込んだ画像データを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に表示し、前記画像データに対応したデータ入力領域、項目選択ボタンや捺印表示欄などを自在に編集し得る編集手段とを有する構成が含まれる。
【0009】
本発明のワークフローシステムは、ユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして取り込み、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面における背景画面として使用し、その背景画面に合わせて入力領域や捺印表示欄などからなるGUI(Graphical User Interface)を構築する編集機能を有するので、ユーザーが所望する画面表示に設定できることから、紙書式の帳票から電子化することへのユーザーの違和感が少なくスムーズに電子化へ移行できる効果がある。
【0010】
本発明には、ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め設定登録されたユーザー組織情報や各担当に関する情報、さらには文書を回覧する承認ルートに従って処理されるワークフローシステムであって、帳票データ入力画面などの表示画面に表示するために予め準備された複数のテンプレートよりユーザーが所望するテンプレートを選択する選択手段と、前記選択したテンプレートを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に表示し、データ入力領域、項目選択ボタン、捺印表示欄、罫線などの追加、削除あるいは移動をユーザーが任意に編集可能とする編集手段とを有する構成が含まれる。
【0011】
本発明のワークフローシステムは、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面をユーザーが所望するフォーマットに設定するため予め準備された複数のテンプレートから選択したテンプレートに対し、データ入力領域、項目選択ボタン、捺印表示欄、罫線などの追加、削除あるいは移動をユーザーが任意に編集し、GUIを構築する編集機能を有するので、新規に必要となった帳票も、ユーザーの会社で違和感のない表示画面のフォーマットを容易に設定できる効果がある。
【0012】
本発明には、前記ワークフローシステムにおいて、最終決済済み文書はその後にユーザーでは、変更や削除を一切できないようにする制限手段を有する構成が含まれる。
【0013】
本発明のワークフローシステムは、最終決済済み文書は、ユーザーが変更あるいは削除などができないことから、文書の改竄や改変が禁止されている文書の管理に使用できる効果がある。
【0014】
本発明には、ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め決められた流れに従って処理されるワークフローシステムであって、例えば、前記端末装置がオフィスなどの空気調整装置であり、その空気調整装置の温度センサが発信する信号を前記ワークフローサーバが受信し、前記ワークフローサーバに予め設定された異常値と判断した場合には、登録された担当者に点検指令の通知をする通知手段を有する構成が含まれる。
【0015】
本発明のワークフローシステムは、電子化された帳票類の承認業務以外に、複数の周辺機器などの管理も、同じワークフローシステムに組み込むことができる効果がある。
【0016】
また、本発明のプログラムは、前述のような電子化された帳票類の承認業務、最終決済済み文書はその後にユーザーでは変更や削除を一切できないようにする制限手段や、さらに周辺機器などの管理を行うワークフローシステムを実行するためのプログラムであって、インターネットを介してワークフローサーバと接続しアクセスすることで使用可能となり、本発明のワークフローの処理を、パーソナルコンピューター(PC)を含むワークフローシステムを使用して容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のワークフローシステムを使用すると、ユーザーが従来使用していた紙書式の帳票類と視覚的に違和感が無いフォーマットを帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面に取り入れることで、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行うことができる。また、最終決済がなされた文書は容易に変更できないことで、文書の改竄や改変が禁止されている文書の管理にも有効である。さらに、複数のオフィス周辺機器などの管理も、同じワークフローシステムに組み込むことができることから、事務効率化においてより一層の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態によるワークフローシステムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図1に係るワークフローシステムの機能ブロック図である。
【
図3】ワークフローシステムの各種設定の流れを示すフローチャートである。
【
図9】申請及び承認の流れを示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態の周辺機器管理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるワークフローシステムの全体概略の一例を示す図である。
【0020】
実施形態におけるワークフローシステムは、ワークフローサーバ100、システム管理者端末200、申請者端末300、承認者端末400、周辺機器端末として空気調整機器端末500がインターネットを介して接続されている。画像スキャナ600はシステム管理者端末200に接続され運用されている。
【0021】
システム管理者端末200は、パーソナルコンピューター(PC)などのコンピューター装置であり、
図2に示すように、ウェブブラウザ201、通信インタフェース(通信I/F)202、入力装置203、表示装置204、制御部205、記憶部206などで構成される。
【0022】
申請者端末300及び承認者端末400は、パーソナルコンピューター(PC)もしくは、携帯情報端末やスマートフォンなど、ユーザーが携帯して使用する端末であって、無線LAN機能および短距離無線通信機能を備え、さらに、ウェブブラウザ301,401、通信I/F302,402、入力装置303,403、表示装置304,404、制御部305,405、記憶部306,406などで構成される。
【0023】
ウェブブラウザ201,301,401は、設定ページの提供や画像形成のユーザインタフェースのシミュレーションを実行するためにウェブベースで表示をするためやワークフロー進行の要求に使用される。
通信I/F202,302,402は、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)などを使用して通信される。
【0024】
入力装置203,303,403は、ハードキーのキーボードやソフトウェアキーのタッチパネルなどで構成し、表示装置204,304,404は、液晶表示装置LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置などで構成される。
制御部205,305,405は、中央処理装置、いわゆるCPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部206,306,406は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。
【0025】
システム管理者端末200、申請者端末300及び承認者端末400のウェブブラウザ201,301,401は、制御部205,305,405のCPUが記憶部206,306,406に格納されるプログラムをRAM上にロードして実行することで実現される。
【0026】
画像スキャナ600は、スキャナ部601、制御部602、記憶部603、通信I/F604などを備えるスキャナ装置や複合機などであって、データを走査し処理するための様々な後処理サービスを有する。例えば、スキャナ部601は、CCD等の光学的な読み取り装置を備え、紙媒体を光学的に走査して電子的な画像データとして読み取る機能を持つ。
【0027】
空気調整機器端末500は、HTTPクライアント501、通信I/F502、制御部503、温度センサ504などを備える。また、温度センサ504は、公知のセンサであって、周囲の環境状態を検出し、その環境状態を示す情報を出力する。さらに、HTTPクライアント501は、以下に述べるHTTPサーバ104へHTTPメッセージを送信し、また当該HTTPサーバ104からHTTPメッセージを受信する。
【0028】
ワークフローサーバ100は、制御部101、記憶部102、通信I/F103、HTTPサーバ104、SMTPサーバ105などを備える一般的なコンピューターであって、インターネットを介して他の装置とデータの送受信を実行することで、このワークフローシステムで処理すべき全てのワークフローを管理する。
【0029】
制御部101は、中央処理装置いわゆるCPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部102に記憶された各種プログラムとそれに用いられる制御データとによって各種の処理を実行する。
【0030】
記憶部102は、制御部101で実行されるOS(Operating System)を始め、ワークフロー実行プログラムなど各種プログラム、及びそれらのプログラムに用いられるデータを記憶する記憶デバイスであって、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などで構成されている。
【0031】
また、記憶部102には、ワークフローシステムにおいて申請された申請書データ、システム管理者によって登録された各種マスタデータ、ワークフローシステムを実行するためのワークフロー実行プログラムやAPI(Application Programming Interface)、JAVA(登録商標)の言語で記述されたプログラムなども併せて記憶する。
【0032】
図3は、
図1に示したワークフローシステムを使用開始するための各種設定の流れを示すフローチャートである。
【0033】
本実施形態のワークフローシステムでは、システム管理者端末200を用いて、
図3に示すように各種設定を行う。まず、システム管理者端末200よりウェブブラウザ201を介して本システムにアクセスすると、表示部204に表示される
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面においてシステム管理者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS001)。
【0034】
最初に、本実施形態に係るワークフローシステムを使用するユーザー設定を行います。
図5に示す管理者メニューは表示装置204に表示され、「組織とユーザー」ボタン50Aを入力装置203で押下し、「基本設定」タブでユーザーID、ユーザー名、パスワード、権限、印影などをシステム管理者が設定する(ステップS002)。
【0035】
次に、システム管理者が「組織・役職設定」タブで各ユーザーの役職や担当を設定します。システム管理者、承認者、申請者の区別や役職を登録することで、ワークフローシステムを使用する会社の組織を設定する(ステップS003)と、ワークフロー管理サーバの記憶部102にマスタデータとして登録される。
【0036】
さらに帳票毎に帳票データ入力画面などの表示画面のフォーマットを設定します。
図5に示す管理者メニューの「フォーマット」ボタン50Bを押下することで、
図6に示すフォーマット選択画面に移行します。フォーマット選択画面では、請求項1に記載の発明である、紙書式の帳票を画像データとして読み込んだものを使用する場合は「新しいフォーマットを作成」ボタン60Aを、請求項2に記載の発明である、予め準備された複数のテンプレートより選択し使用する場合は、「テンプレートを取り込む」ボタン60Bを押下する(ステップS004)。
【0037】
ここで、請求項2に記載の発明の一部である、本実施形態の予め準備された複数のテンプレートは、ごく一般的な汎用のテンプレート、また、例えば医療業界で使用される業種別テンプレート、さらには、例えば総務部や営業部で使用される業務別テンプレートなど、多種多様のテンプレートが準備されている。ユーザーはそれらの中から所望するものに近いテンプレートを選択する(ステップS005)。
【0038】
図7に示すフォーマットの編集画面に移行し、選択したテンプレートのフォーマット編集をする。まず、ステップS005で選択したテンプレートが、フォーマットフィールド70Aに表示される。
さらに、ユーザーが所望するフォーマットにテンプレートを編集するために、項目メニュー70Bから必要項目をドラックアンドドロップでテンプレート上70Cに配置し、拡大、縮小、移動、削除など微調整してテンプレートにフィットする(ステップS006)。
このような操作によって、ウェブブラウザ上でテンプレートの入力領域(htmlフォーム)などを追加や削除、形成の追加削除など各種変更が実行されることで、GUI(Graphical User Interface)を構築する。
【0039】
上記編集したフォーマットに対する設定として、「設定」ボタン70Dからアラート、捺印欄の数、承認ルート、各種権限などの設定を行います(ステップS007)。
最終的にユーザーが所望するフォーマットが完成したら、「登録」ボタン70Eを押下することで、ワークフロー管理サーバ100の記憶部102内マスタデータに記憶される。
【0040】
一方、ステップS004で「新しいフォーマットを作成」ボタン60Aを選択した場合は、請求項1に記載の発明である、紙書式の帳票を画像データとして読み込む操作(ステップS008)に進む。
まず、
図8に示すユーザーが従来使用していた紙書式の帳票などから、複合機などの画像スキャナ600で帳票画像データ(pngやjpgなどの形式)を作成し、画像ファイルのサイズを縦1100ピクセル、横750ピクセルに変更する。横長の場合は縦750ピクセル、横1100ピクセルに変更する。
【0041】
次に、
図7に示すフォーマット編集画面に移行し、「設定」ボタン70Dから「背景画像」項目で上記サイズ変更した画像ファイルを指定して、ワークフロー管理サーバ100の記憶部102内マスタデータにアップロードする(ステップS009)。この時ウェブブラウザとワークフロー管理サーバ間の通信は、HTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)、SSLプロトコルで行われる。
【0042】
さらに、ステップS006と同様に、
図7に示すフォーマットフィールド70AにステップS009でアップロードした画像データが背景画面として表示され、ユーザーが所望するフォーマットに編集する。項目メニュー70Bから必要項目を背景画面上70Cにドラックアンドドロップで配置して、拡大、縮小、移動、削除など微調整をして背景画面にフィットする(ステップS010)。
上記の操作で、ウェブブラウザ上でテンプレートの入力領域(htmlフォーム)を背景画像の上位レイヤに追加や削除など各種変更が実行され、GUI(Graphical User Interface)を構築することができる。
【0043】
図9に示すのは、本実施形態に係るワークフローシステムの申請及び承認の流れを示すフローチャートである。
【0044】
本実施形態のワークフローシステムでは、最初に申請者が申請者端末300よりウェブブラウザ301を介して本システムにアクセスすると、表示部304に表示がされる
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面において申請者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS101)。
【0045】
図10に示す「新規作成」ボタン10Aを押下し、利用するフォーマットをプルダウンメニューから選択する(ステップS102)。入力装置303を用いフォーマットの入力域(htmlフォーム)に申請内容を入力する(ステップS103)。必要があれば、「添付資料の追加」ボタン10Bを押下して資料を添付し、コメントなどを追加して「申請」ボタン10Cを押下し申請データをワークフローサーバ100へ送信する(ステップS104)。
【0046】
承認者端末400に対してワークフローサーバ100より、申請がされた旨、申請者、フォーマット、申請書番号、件名などが電子メールで承認依頼通知として送信される(ステップS105)。承認者は、承認者端末400よりウェブブラウザ401を介して本システムにアクセスすると、表示部404に表示がされる
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面において、システム管理者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS106)。
【0047】
承認者は、
図11に示す申請書一覧から承認対象の申請書行11Aを押下し、申請書を開く(ステップS107)。承認者は、
図5に示される申請書の内容を確認した後に「承認」ボタン50C、「否認」ボタン50D、「差戻し」ボタン50Eなどを押下し、申請データをワークフローサーバ100へ送信する(ステップS108)。
【0048】
一方、申請者に対してワークフローサーバ100より、申請結果、申請者、フォーマット、申請書番号、件名などが電子メールで申請結果通知として送信される。申請結果が差戻しの場合には、申請者は必要に応じて申請内容など適宜見直しコメントを加えて再申請を行う(ステップS109)か、終了するかを判断する。
【0049】
また、請求項3に記載の発明を実行するために、前述した本実施形態に係るワークフローシステムでは、申請及び承認の状況に合わせて、各申請データに随時ステータス情報が付加されている。その情報により、本実施形態に係るワークフローシステムでは、ユーザーがデータの変更あるいは削除などができないように制限されている。因みに、ステータスが「下書き」、「申請中」、「承認中」の場合は変更などが行えるが、それ以外のステータスの場合は、データの変更あるいは削除などができないように制限される。
【0050】
さらに、
図12に示す周辺機器管理フローチャートの流れによって、請求項4に記載の発明を実行する。
システム管理者端末200よりウェブブラウザ201を介して本システムにアクセスすると、表示部204に表示される
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面において、システム管理者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS201)。
【0051】
図5に示す図の左側に位置する管理者メニューの、「組織とユーザー」ボタン50Aを押下し、「基本設定」タブで空気調整機器端末500のユーザーID、ユーザー名、パスワード、権限、などをシステム管理者が設定する(ステップS202)。
【0052】
次に、システム管理者が「組織・役職設定」タブで各ユーザーの役職や担当を設定します。空気調整機器端末500を申請者とし、空気調整機器の管理担当者を承認者として登録することで、本実施形態のワークフローシステム上で管理できるように設定する(ステップS203)。このように設定することで、ワークフローサーバの記憶部102にマスタデータとして登録される。
【0053】
空気調整機器端末500の温度センサ部504が発信する信号を、HTTPクライアント501はHTTPサーバ104へメッセージとして送信し(ステップS204)、ワークフローサーバ100が受信し、予め設定された異常値と判断した場合には(ステップS205)、ワークフローシステムで申請があった場合と同様に、担当者に対してワークフローサーバ100より、点検依頼通知が電子メールで通知がされる(ステップS206)。
以上により請求項4に記載の発明を実行することができる。
【0054】
上述した以外に、本実施形態のワークフローシステムでは、IPアドレスを利用したアクセス制限や、パスワードの有効期限設定、パスワード間違い回数の制限などによりセキュリティーを強化する機能も有する。
【0055】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、上記記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
したがって、本発明は、上記の情報処理装置、ワークフローシステム、ワークフローの実行方法のみならず、その方法を実行するためのコンピューター可読なプログラムや、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【0056】
上記実施形態では、空気調整機器端末の管理例を記載したが、それらに限定するものではなく、例えば、プリンター機器、照明機器、あるいは複合機の管理を行っても良い。
【0057】
また、上記実施形態では、各端末を1台として記載したが、当然複数台の端末を利用しても良いし、さらに、上記実施形態では、承認者が1名の場合の説明を記載したが、それらに限定するものではなく、複数人の承認者を設定することもできる。
【符号の説明】
【0058】
100 ワークフローサーバ
101 制御部
102 記憶部
103 通信I/F
104 HTTPサーバ
105 SMTPサーバ
200 システム管理者端末
201 ウェブブラウザ
203 入力装置
204 表示装置
300 申請者端末
400 承認者端末
500 空気調整機器端末
501 HTTPクライアント
504 温度センサ部
600 画像スキャナ
601 スキャナ部
【手続補正書】
【提出日】2018年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め決められた流れに従って処理されるワークフローシステムであって、表示画面の背景に表示する紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段と、読み込んだ画像データを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に背景画像として使用するためにサイズを変更し画像ファイルとして記録する変更記録手段と、前記画像ファイルを選択する選択手段と、前記背景画像に対応したフロント画面にデータ入力領域や項目選択ボタンの追加あるいは削除を自在に編集し得る編集手段と、前記編集手段で作成した前記フロント画面と前記背景画像とを固定しフォーマットとして記録する記録手段とを有することを特徴とするワークフローシステム。
【請求項2】
前記ワークフローシステムにおいて、最終決済済み文書は、前記ワークフローシステムを使用する会社の全ユーザーのいずれもが変更や削除を行なえない制限手段を有することを特徴とする請求項1に記載のワークフローシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のワークフローシステムの各手段をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを利用したワークフローシステム及びそのプログラムに関し、特に、電子化された帳票類の承認業務や周辺機器等の管理を効率的に行うことができるワークフローシステム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス内における紙書式の図面や文書等の記録物を、電子化し管理するペーパーレス化が進められていた。記録物を電子化しパーソナルコンピューターで管理することで、保管スペースが削減でき、また、その保管した記録物を容易に検索することができる効果が得られた。
【0003】
さらに、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行う方法として、ネットワークを介して接続されている複数の情報処理端末間で、電子化された帳票を受け渡し、業務処理を実行させるワークフローシステムがある。しかし、この様なワークフローシステムにおいては、文書の表示方法を固定した文書表示欄に、各種データを項目毎に羅列し、入力する方法がとられていた。
【0004】
また、情報処理端末の種類や文書の種類に対応し、構造化文書データを文書フォームに変換して表示する際に、文書画面フレーム設定工程を有する構造化文書ワークフロー処理方法の技術が特許文献1には開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−245396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の文書画面フレームによる表示画面では、従来ユーザーが使用していた紙書式の帳票類と表示画面のフォーマットが大きく変わってしまい、逆に業務に支障が生じる恐れもあり、効率化が上手く進まない問題があった。加えて、近年、決裁済み文章の改竄・改変が問題となっており、決裁済み文書の改竄・改変防止機能を取り入れたシステムの必要性も増している。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その具体的目的は、ユーザーが従来使用していた紙書式の帳票類と違和感が無い表示画面のフォーマットを取り入れ、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行うことができると共に、最終決済がなされた文書は容易に改竄・改変できない機能を有するワークフローシステム
及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置からなり、予め設定登録されたユーザーの組織情報や各担当に関する情報、さらには文書を回覧する承認ルートに従って処理されるワークフローシステムであって、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面
の背景に表示するユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段と、読み込んだ画像データを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に
背景画像として使用するためにサイズを変更し画像ファイルとして記録する変更記録手段と、前記画像ファイルを選択する選択手段と、前記
背景画像に対応した
フロント画面にデータ入力領域や項目選択ボタンの追加あるいは削除を自在に編集し得る編集手段と、
前記編集手段で作成した前記フロント画面と前記背景画像とを固定しフォーマットとして記録する記録手段とを有する構成が含まれる。
【0009】
本発明のワークフローシステムは、ユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして取り込み、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面における背景画面として使用し、その背景画面に合わせて
フロント画面に入力領域や捺印表示欄などからなるGUI(Graphical User Interface)を構築する編集機能を有するので、ユーザーが所望する画面表示に設定できることから、紙書式の帳票から電子化することへのユーザーの違和感が少なくスムーズに電子化へ移行できる効果がある。
【0010】
本発明には、前記ワークフローシステムにおいて、最終決済済み文書はその後に
本ワークフローシステムを使用する会社の全ユーザーである、システム管理者、承認者、申請者のいずれもが、変更や削除を一切できないようにする制限手段を有する構成が含まれる。
【0011】
本発明のワークフローシステムは、最終決済済み文書は、
全ユーザーが変更あるいは削除などができないことから、文書の改竄や改変が禁止されている文書の管理に使用できる効果がある。
【0012】
また、本発明のプログラムは、前述のような電子化された帳票類の承認業務、最終決済済み文書はその後にユーザーでは変更や削除を一切できないようにする制限手段
を実行するためのプログラムであって、インターネットを介してワークフローサーバと接続しアクセスすることで使用可能となり、本発明のワークフローの処理を、パーソナルコンピューター(PC)を含むワークフローシステムを使用して容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のワークフローシステムを使用すると、ユーザーが従来使用していた紙書式の帳票類と視覚的に違和感が無いフォーマットを帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面に取り入れることで、電子化された帳票類の承認業務を効率的に行うことができる。また、最終決済がなされた文書は容易に変更できないことで、文書の改竄や改変が禁止されている文書の管理にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態によるワークフローシステムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図1に係るワークフローシステムの機能ブロック図である。
【
図3】ワークフローシステムの各種設定の流れを示すフローチャートである。
【
図9】申請及び承認の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるワークフローシステムの全体概略の一例を示す図である。
【0016】
実施形態におけるワークフローシステムは、ワークフローサーバ100、システム管理者端末200、申請者端末300、承認者端末400
がインターネットを介して接続されている。画像スキャナ600はシステム管理者端末200に接続され運用されている。
【0017】
システム管理者端末200は、パーソナルコンピューター(PC)などのコンピューター装置であり、
図2に示すように、ウェブブラウザ201、通信インタフェース(通信I/F)202、入力装置203、表示装置204、制御部205、記憶部206などで構成される。
【0018】
申請者端末300及び承認者端末400は、パーソナルコンピューター(PC)もしくは、携帯情報端末やスマートフォンなど、ユーザーが携帯して使用する端末であって、無線LAN機能および短距離無線通信機能を備え、さらに、ウェブブラウザ301,401、通信I/F302,402、入力装置303,403、表示装置304,404、制御部305,405、記憶部306,406などで構成される。
【0019】
ウェブブラウザ201,301,401は、設定ページの提供や画像形成のユーザインタフェースのシミュレーションを実行するためにウェブベースで表示をするためやワークフロー進行の要求に使用される。
通信I/F202,302,402は、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)などを使用して通信される。
【0020】
入力装置203,303,403は、ハードキーのキーボードやソフトウェアキーのタッチパネルなどで構成し、表示装置204,304,404は、液晶表示装置LCD(
Liquid Crystal Display)や有機EL(
Electroluminescence)表示装置などで構成される。
制御部205,305,405は、中央処理装置、いわゆるCPU(
Central Processing Unit)で構成され、記憶部206,306,406は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。
【0021】
システム管理者端末200、申請者端末300及び承認者端末400のウェブブラウザ201,301,401は、制御部205,305,405のCPUが記憶部206,306,406に格納されるプログラムをRAM上にロードして実行することで実現される。
【0022】
画像スキャナ600は、スキャナ部601、制御部602、記憶部603、通信I/F604などを備えるスキャナ装置や複合機などであって、データを走査し処理するための様々な後処理サービスを有する。例えば、スキャナ部601は、CCD等の光学的な読み取り装置を備え、紙媒体を光学的に走査して電子的な画像データとして読み取る機能を持つ。
【0023】
ワークフローサーバ100は、制御部101、記憶部102、通信I/F103、HTTPサーバ104、SMTPサーバ105などを備える一般的なコンピューターであって、インターネットを介して他の装置とデータの送受信を実行することで、このワークフローシステムで処理すべき全てのワークフローを管理する。
【0024】
制御部101は、中央処理装置いわゆるCPU(
Central Processing Unit)で構成され、記憶部102に記憶された各種プログラムとそれに用いられる制御データとによって各種の処理を実行する。
【0025】
記憶部102は、制御部101で実行されるOS(
Operating System)を始め、ワークフロー実行プログラムなど各種プログラム、及びそれらのプログラムに用いられるデータを記憶する記憶デバイスであって、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(
Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(
Solid State Drive)などで構成されている。
【0026】
また、記憶部102には、ワークフローシステムにおいて申請された申請書データ、システム管理者によって登録された各種マスタデータ、ワークフローシステムを実行するためのワークフロー実行プログラムやAPI(
Application Programming Interface)、JAVA(登録商標)の言語で記述されたプログラムなども併せて記憶する。
【0027】
図3は、
図1に示したワークフローシステムを使用開始するための各種設定の流れを示すフローチャートである。
【0028】
本実施形態のワークフローシステムでは、システム管理者端末200を用いて、
図3に示すように各種設定を行う。まず、システム管理者端末200よりウェブブラウザ201を介して本システムにアクセスすると、表示部204に表示される
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面においてシステム管理者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS001)。
【0029】
最初に、本実施形態に係るワークフローシステムを使用するユーザー設定を行います。
図5に示す管理者メニューは表示装置204に表示され、「組織とユーザー」ボタン50Aを入力装置203で押下し、「基本設定」タブでユーザーID、ユーザー名、パスワード、権限、印影などをシステム管理者が設定する(ステップS002)。
【0030】
次に、システム管理者が「組織・役職設定」タブで各ユーザーの役職や担当を設定します。システム管理者、承認者、申請者の区別や役職を登録することで、ワークフローシステムを使用する会社の組織を設定する(ステップS003)と、ワークフロー管理サーバの記憶部102にマスタデータとして登録される。
【0031】
さらに帳票毎に帳票データ入力画面などの表示画面のフォーマットを設定します。
図5に示す管理者メニューの「フォーマット」ボタン50
Bを押下することで、
図6に示すフォーマット選択画面に移行します。フォーマット選択画面では、請求項1に記載の発明である、紙書式の帳票を画像データとして読み込んだものを使用する場合は「新しいフォーマットを作成」ボタン60
Aを、
参考例にある予め準備された複数のテンプレートより選択し使用する場合は、「テンプレートを取り込む」ボタン60
Bを押下する(ステップ
S004)。
【0032】
ここで、
参考例である予め準備された複数のテンプレートは、ごく一般的な汎用のテンプレート、また、例えば医療業界で使用される業種別テンプレート、さらには、例えば総務部や営業部で使用される業務別テンプレートなど、多種多様のテンプレートが準備されている。ユーザーはそれらの中から所望するものに近いテンプレートを選択する(ステップ
S005)。
【0033】
図7に示すフォーマットの編集画面に移行し、選択したテンプレートのフォーマット編集をする。まず、ステップ
S005で選択したテンプレートが、フォーマットフィールド70
Aに表示される。
さらに、ユーザーが所望するフォーマットにテンプレートを編集するために、項目メニュー70
Bから必要項目をドラックアンドドロップでテンプレート上70
Cに配置し、拡大、縮小、移動、削除など微調整してテンプレートにフィットする(ステップ
S006)。
このような操作によって、ウェブブラウザ上でテンプレートの入力領域(htmlフォーム)などを追加や削除、形成の追加削除など各種変更が実行されることで、GUI(Graphical User Interface)を構築する。
【0034】
上記編集したフォーマットに対する設定として、「設定」ボタン70Dからアラート、捺印欄の数、承認ルート、各種権限などの設定を行います(ステップS007)。
最終的にユーザーが所望するフォーマットが完成したら、「登録」ボタン70Eを押下することで、ワークフロー管理サーバ100の記憶部102内マスタデータに記憶される。
【0035】
一方、ステップS004で「新しいフォーマットを作成」ボタン60
Aを選択した場合は、請求項1に記載の発明である、紙書式の帳票を画像データとして読み込む操作(ステップS008)に進む。
まず、
図8に示すユーザーが従来使用していた紙書式の帳票などから、複合機などの画像スキャナ600で帳票画像データ(pngやjpgなどの形式)を作成し、画像ファイルのサイズを縦1100ピクセル、横750ピクセルに変更する。横長の場合は縦750ピクセル、横1100ピクセルに変更する。
【0036】
次に、
図7に示すフォーマット編集画面に移行し、「設定」ボタン70Dから「背景画像」項目で上記サイズ変更した画像ファイルを指定して、ワークフロー管理サーバ100の記憶部102内マスタデータにアップロードする(ステップS009)。この時ウェブブラウザとワークフロー管理サーバ間の通信は、HTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)、SSLプロトコルで行われる。
【0037】
さらに、ステップS006と同様に、
図7に示すフォーマットフィールド70
Aにステップ
S009でアップロードした画像データが背景画面として表示され、ユーザーが所望するフォーマットに編集する。項目メニュー70
Bから必要項目を背景画面上70Cにドラックアンドドロップで配置して、拡大、縮小、移動、削除など微調整をして背景画面にフィットする(ステップ
S010)。
上記の操作で、ウェブブラウザ上でテンプレートの入力領域(htmlフォーム)を背景画像の上位レイヤ
であるフロント画面に追加や削除など各種変更が実行され、GUI(Graphical User Interface)を構築することができる。
【0038】
図9に示すのは、本実施形態に係るワークフローシステムの申請及び承認の流れを示すフローチャートである。
【0039】
本実施形態のワークフローシステムでは、最初に申請者が申請者端末300よりウェブブラウザ301を介して本システムにアクセスすると、表示部304に表示がされる
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面において申請者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS101)。
【0040】
図10に示す「新規作成」ボタン10Aを押下し、利用するフォーマットをプルダウンメニューから選択する(ステップS102)。入力装置303を用いフォーマットの入力域(htmlフォーム)に申請内容を入力する(ステップS103)。必要があれば、「添付資料の追加」ボタン10Bを押下して資料を添付し、コメントなどを追加して「申請」ボタン10Cを押下し申請データをワークフローサーバ100へ送信する(ステップS104)。
【0041】
承認者端末400に対してワークフローサーバ100より、申請がされた旨、申請者、フォーマット、申請書番号、件名などが電子メールで承認依頼通知として送信される(ステップS105)。承認者は、承認者端末400よりウェブブラウザ401を介して本システムにアクセスすると、表示部404に表示がされる
図4に示すワークフローシステムへのログイン画面において、システム管理者のユーザーID40Aとパスワード40Bを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する(ステップS106)。
【0042】
承認者は、
図11に示す申請書一覧から承認対象の申請書行11Aを押下し、申請書を開く(ステップS107)。承認者は、
図5に示される申請書の内容を確認した後に「承認」ボタン50C、「否認」ボタン50D、「差戻し」ボタン50Eなどを押下し、申請データをワークフローサーバ100へ送信する(ステップS108)。
【0043】
一方、申請者に対してワークフローサーバ100より、申請結果、申請者、フォーマット、申請書番号、件名などが電子メールで申請結果通知として送信される。申請結果が差戻しの場合には、申請者は必要に応じて申請内容など適宜見直しコメントを加えて再申請を行う(ステップS109)か、終了するかを判断する。
【0044】
また、請求項
2に記載の発明を実行するために、前述した本実施形態に係るワークフローシステムでは、申請及び承認の状況に合わせて、各申請データに随時ステータス情報が付加されている。その情報により、本実施形態に係るワークフローシステムでは、
本システムを使用する会社の全ユーザーすなわち、システム管理者、承認者、申請者のいずれもがデータの変更あるいは削除などができないように制限されている。因みに、ステータスが「下書き」、「申請中」、「承認中」の場合は変更などが行えるが、それ以外のステータスの場合は、データの変更あるいは削除などができないように制限される。
【0045】
上述した以外に、本実施形態のワークフローシステムでは、IPアドレスを利用したアクセス制限や、パスワードの有効期限設定、パスワード間違い回数の制限などによりセキュリティーを強化する機能も有する。
【0046】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、上記記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
したがって、本発明は、上記の情報処理装置、ワークフローシステム、ワークフローの実行方法のみならず、その方法を実行するためのコンピューター可読なプログラムや、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【0047】
また、上記実施形態では、各端末を1台として記載したが、当然複数台の端末を利用しても良いし、さらに、上記実施形態では、承認者が1名の場合の説明を記載したが、それらに限定するものではなく、複数人の承認者を設定することもできる。
【符号の説明】
【0048】
100 ワークフローサーバ
101 制御部
102 記憶部
103 通信I/F
104 HTTPサーバ
105 SMTPサーバ
200 システム管理者端末
201 ウェブブラウザ
203 入力装置
204 表示装置
300 申請者端末
400 承認者端末
600 画像スキャナ
601 スキャナ部
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2019年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置とからなり、予め決められた流れに従って処理されるワークフローシステムであって、表示画面の背景に表示する紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段と、読み込んだ画像データを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に背景画像として使用するためにサイズを変更し画像ファイルとして記録する変更記録手段と、前記背景画像の上位レイヤであるフロント画面にデータ入力領域や項目選択ボタンの追加あるいは削除を自在に編集し得る編集手段と、前記編集手段で作成した前記フロント画面と前記背景画像とを固定し帳票データ入力画面や申請書の表示画面に使用するフォーマットとして記録する記録手段とを有することを特徴とするワークフローシステム。
【請求項2】
前記ワークフローシステムにおいて、最終決済済み文書は、前記ワークフローシステムを使用する会社の全ユーザーのいずれもが変更や削除を行なえない制限手段を有することを特徴とする請求項1に記載のワークフローシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のワークフローシステムの各手段をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、ワークフローを管理するワークフローサーバと、インターネットを介して接続された複数の端末装置からなり、予め設定登録されたユーザーの組織情報や各担当に関する情報、さらには文書を回覧する承認ルートに従って処理されるワークフローシステムであって、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面の背景に表示するユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして読み込む読み込み手段と、読み込んだ画像データを前記端末装置の表示画面の仕様に応じた画面領域に背景画像として使用するためにサイズを変更し画像ファイルとして記録する変更記録手段
と、前記背景画像
の上位レイヤであるフロント画面にデータ入力領域や項目選択ボタンの追加あるいは削除を自在に編集し得る編集手段と、前記編集手段で作成した前記フロント画面と前記背景画像とを固定し
帳票データ入力画面や申請書の表示画面に使用するフォーマットとして記録する記録手段とを有する構成が含まれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明のワークフローシステムは、ユーザー固有の紙書式の帳票を画像データとして取り込み、帳票データ入力画面や承認対象の申請書などの表示画面における背景画面として使用し、その背景画面
の上位レイヤであるフロント画面に入力領域や捺印表示欄などからなるGUI(Graphical User Interface)を構築する編集機能を有するので、ユーザーが所望する画面表示に設定できることから、紙書式の帳票から電子化することへのユーザーの違和感が少なくスムーズに電子化へ移行できる効果がある。