【解決手段】搬送対象物の搬送状況情報を出力する搬送対象物用センサ13を有し、制御部14が、搬送対象物用センサ13の出力信号を受信して所定の制御を行う。例えば、搬送状況情報に応じて、走行体11の走行制御や搬送対象物支持部12における搬送対象物の支持位置制御を行う。搬送対象物用センサ13を取り付けている部位、例えば、木材Tの後端T2付近が、走行体11よりも左右に大きくずれた位置に存在していたりする等の状況に応じ、走行体11の走行方向等の調整を行うことで安定した搬送が可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2、3の開示によれば、特許文献1の技術と比較して、大型重機を持ち込む必要がなく、専用の山道を造る必要がないという利点がある。しかし、木材(丸太)を伐採する山間地は、地面は根などによって平坦ではなく、また、多数の立木や切株があるため、直線的に走行することができない。特許文献2のようにトラクタなどの車両で木材を牽引する場合、立木等を避けながら運転することは、搬送対象の木材が長尺であるため容易ではない。特許文献3は、丸太の中間付近を保持して両端を浮き上がらせた状態で搬送する構成であるのの、丸太の長さが長い場合には、車体から丸太が大きくはみ出し、やはり立木などが邪魔になり走行が困難である。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、搬送対象物の搬送状況を把握しながら走行でき、搬送対象物の搬送状況に対応して各種制御を行うことで、平坦でない場所やカーブの多い場所でも安定した搬送が可能であり、長尺物、特に、木材を山間地から安定して搬送するのに適する搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の搬送装置は、
走行体と、
前記走行体に設けられる搬送対象物を支持するための搬送対象物支持部と、
前記搬送対象物の搬送状況情報を検出して出力する搬送対象物用センサと、
前記走行体及び前記搬送対象物支持部の少なくとも一方に設けられ、前記搬送対象物用センサからの出力信号を受信して所定の制御を行う制御部と
を有することを特徴とする。
【0007】
前記搬送対象物支持部が前記搬送対象物の先端付近を支持すると共に、
前記搬送対象物のうち、前記先端付近から後端方向に離間した部位を支持する補助搬送部をさらに備え、
前記搬送対象物が前記走行体と前記補助搬送部とを結ぶフレームを構成している構造とすることができる。
【0008】
前記搬送対象物用センサが、前記搬送対象物における前記走行体から所定距離離間した部位に取り付けられ、その取り付けられた部位の搬送状況情報を検出して出力し、
前記制御部は、前記搬送状況情報を受信し、前記走行体の走行制御、及び、前記搬送対象物支持部における前記搬送対象物の支持位置制御のうち、少なくとも一つを制御する構成とすることができる。
【0009】
前記搬送対象物用センサが、前記補助搬送部に取り付けられ、その取り付けられた部位の搬送状況情報を検出して出力し、
前記制御部は、前記搬送状況情報を受信し、前記走行体の走行制御、及び、前記搬送対象物支持部における前記搬送対象物の支持位置制御のうち、少なくとも一つを制御する構成とすることができる。
【0010】
前記走行体がクローラーであることが好ましい。
前記搬送対象物が長尺物であることが好ましく、特に、前記長尺物が木材であり、前記搬送装置は、集材用として用いられるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送対象物の搬送状況情報を出力する搬送対象物用センサを有し、制御部が、搬送対象物用センサの出力信号を受信して所定の制御を行う。好ましくは、搬送状況情報に応じて、走行体の走行制御、及び、搬送対象物支持部における搬送対象物の支持位置制御のうちの少なくとも一つを制御する。これにより、搬送対象物のうち、搬送対象物用センサを取り付けている部位、例えば、搬送対象物の後端付近が、走行体から所定以上離れていたり、走行体よりも左右に大きくずれた位置に存在していたり、あるいは、地面の凹凸によって走行体の走行している地面の高さとは大きく異なる高さに位置していたりといった状況に応じて、走行体の走行方向、速度、前後左右の姿勢等の調整、あるいは、搬送対象物支持部の前後位置の調整等を行って、搬送対象物を平坦でない場所やカーブの多い場所でも安定して搬送できる。従って、搬送対象物として、搬送方向後端の位置が走行体から離れることになる長尺物の搬送に適し、なかでも、立木等の障害物や凹凸の多い地面を走行しなければならない、山間地から木材を運び出す集材用として適している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一の実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2(a)は、上記実施形態に係る搬送装置の正面図であり、
図2(b)は、上記実施形態に係る搬送装置の動きを説明するための図である。
【
図3】
図3(a)〜(c)は、上記実施形態に係る搬送装置に木材を載置する方法を説明するための図である。
【
図4】
図4(a)は、上記実施形態に係る搬送装置の搬送時の状態を示す図であり、
図4(b)は、搬送対象物支持部として連結用紐部材を用いたときの搬送時の状態を示した図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
【
図6】
図6(a),(b)は、
図5の実施形態に係る搬送装置における木材の支持位置調整を行う例を説明するための図である。
【
図7】
図7(a)〜(d)は、クローラーの他の態様を示した図であり、このうち、(a)は斜視図を、(b)は平坦な地面を走行している状態を、(c)は凸部のある地面を走行している状態を、(d)は凹部のある地面を走行している状態を示した図である。
【
図8】
図8は、
図7のクローラーの構造を説明するため、クローラーを下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
図1及び
図2は、本発明の一の実施形態に係る搬送装置10を示したものである。この搬送装置10は、走行体11、搬送対象物支持部12、搬送対象物用センサ13、制御部14等を有して構成される。
【0014】
走行体11としては、タイヤを用いることも可能であるが、搬送対象物が伐採した木材である場合、凹凸の多い不整地を走行することになるため、クローラー(無限軌道)を用いることが好ましい。履板(シュー)11aは、金属製、ゴム製等のいずれでもよく、走行する場所、木材等の搬送対象物の大きさや重さ等を考慮して適宜のものが用いられ、また、履板11aを左右2枚からなるダブルとするか、シングルとするかといったクローラー自体の構造は何ら限定されるものではない。
【0015】
但し、本実施形態の走行体11は、このようなクローラーを一組のみ用いた一条構成としている。後述の実施形態のように、クローラーを左右一対用いた二条とすることも可能であるが、コストを重視する場合には、一条とすることが好ましい。一条とする場合、方向転換の手段が課題の一つとなるが、この点については後述する。
【0016】
走行体11は、モーター、エンジン等の駆動部11cを有している。本実施形態では、履板11a内に、駆動用の車輪11bと共に配設している。これにより、コンパクトな走行体11とすることができる。駆動部11cの取り付け位置はこれに限定されるものではなく、走行体11の上部にフレーム(図示せず)を設け、このフレーム上に駆動部を配置することもできる。
【0017】
搬送対象物支持部12は、走行体11に設けられる。搬送対象物支持部12は、例えば、略半環状に形成され、下部121a,121aを中心として上部121b,121b側が離接する2個一対の挟持部121,121を有してなるクランプ120から構成することができる。クランプ120は、走行体11の上部に取り付けフレーム111を設け、この取り付けフレーム111に、下部121a,121a側を支持させて配設される。上部121b,121b側が離れた状態において搬送対象物である木材Tの先端T1付近を挟持部121,121間に挿入し、その後、上部121b,121b側を近接させれば、木材Tの先端T1付近を挟持することができる。この場合、下部121a,121a間に、くさび部121dを設けておき、木材Tの自重がかかると、該くさび部121dが下降することで、下部121a,121a同士が離間し、上部121b,121b側が近接する構成とすることができる(
図2(a)参照)。
【0018】
なお、クランプ120は、下部121a,121a付近を中心として走行体11に対して略水平に旋回可能に設けられていることが好ましい。これにより、走行体11が一条であっても、木材の荷重を利用して、クランプ120を旋回させ、走行体11を走行方向を転換することが可能となる(
図2(b)参照)。
【0019】
また、木材Tをクランプ120の挟持部121,121間に持ち上げる手段としては、例えば、
図3(a)〜(c)に示したように、角部122aを中心として回転可能に走行体11に付設した略L字形のてこ部材122から構成することができる。地面寄りに位置する短辺部122bに木材Tの先端T1を連結した後(
図3(a)参照)、端部に伸縮式のハンドル122dが接続された長辺部122cを回転させれば(
図3(b)参照)、木材Tの先端T1を所定の高さまで容易に持ち上げることができる。なお、木材Tを持ち上げた後は、長辺部122c内にハンドル122dを収納し、長辺部122c全体の長さを短くした状態で走行体11に付設してそのまま走行できるようにすることができる(
図3(c)参照)このほか、別部材としてのジャッキ等を用いて持ち上げるようにしてもよい。
【0020】
搬送対象物支持部12としては、上記のほか、例えば連結用紐部材125から構成することもできる(
図4(b)参照)。連結用紐部材125を用いる場合は、走行体11の取り付けフレーム111に一端125aを接続しておき、他端125bを木材Tの先端T1付近に巻き付ければ連結することができる。
【0021】
クランプ120や連結用紐部材125等から構成される搬送対象物支持部12に、搬送対象物として長尺な木材Tの先端T1を連結支持した場合、後端T2は、走行体11乃至搬送対象物支持部12から所定の距離離間することになる。よって、走行体11を走行させた際、木材Tの後端T2が走行体11等からどの程度離れているのか、走行体11の走行方向に対して左右いずれに寄った位置にいるのか、寄っているとすればどの程度か、地面の凹凸によって走行体11との高さ関係がどのようになっているのか等の搬送状況情報を把握し、その情報に応じて、走行体11の走行の制御や搬送対象支持部12における支持位置の制御を行うようにすれば、木材Tのような長尺物を搬送する場合でも走行体11は安定して走行、運搬することが可能である。
【0022】
そのため、本実施形態では、搬送対象物の搬送状況情報を検出する搬送対象物用センサ13が設けられる。搬送対象物用センサ13は、搬送対象物が走行体11若しくは搬送対象物支持部12から所定の距離離間した位置に設けることが好ましく、本実施形態のように木材Tを搬送する場合には、後端T2付近に設けることが好ましい。搬送対象物用センサ13としては、GPSと通信して位置情報を検知するセンサ、後端T2の方位や傾きなどを検出する方位センサや角度センサ等を用いることができる。なお、ここでいう搬送対象物用センサ13には、周辺状況を撮影して静止画像や動画像を得るイメージセンサを内蔵したカメラ等も含まれるものとする。
【0023】
制御部14は、走行体11及び搬送対象物支持部12のいずれか一方あるいは両方に設けられる。走行体11又は搬送対象物支持部12における取り付け位置は全く限定されるものではない。制御部14は、搬送対象物用センサ13により検出された搬送状況情報を受信したならば、走行体11や搬送対象物支持部12の駆動系に所定の制御信号を出力する。
【0024】
例えば、搬送対象物支持部12が連結用紐部材125であって、木材Tの後端T2の位置が走行体11に近づいたり、遠ざかったりした情報を得たならば、駆動部であるモーターの回転数を増減するように制御したりすることができる。走行体11が方向転換位置に至った場合には、木材Tの後端T2との距離に応じた内輪差を考慮した方向転換が可能となる。また、クランプ120の取り付けフレーム111に対する左右の取り付け高さを調整可能とすることで、木材Tの後端T2が傾いていることを検知した場合に、それに応じて高さ調整することで、走行体11の走行姿勢を安定させることができる。また、地面の凹凸等によって、木材Tの後端T2の高さが変化し、後端T2が地面に接した状態で引きずりながら走行することが困難となった場合には、クランプ120の挟持部121,121の内面に設けた送りローラー121e,121eを駆動させ、木材Tを例えば前方に位置調整し、すなわち木材Tの支持位置を制御して、後端T2を地面から一時的に浮き上がらせたりする調整も可能である。
【0025】
本実施形態によれば、搬送対象物用センサ13により検出した搬送状況情報を制御部14が受信して、走行体11の走行制御や搬送対象支持部12の支持位置制御等を行う構成である。このため、搬送対象物用が本実施形態のような長尺な木材Tであり、かつ、走行体11が一条であっても、安定した走行が可能である。また、本実施形態では走行体11が一条であるため、低コストで製造可能である。
【0026】
なお、上記説明においては、走行体11の方向転換を搬送対象物である木材Tの荷重を利用して行う例について説明しているが、走行体11の前後左右のいずれか少なくとも一箇所に補助輪を設け、この補助輪を旋回可能として、左右に方向転換する構成としてもよい。また、重量のある木材Tを山間地からおろすにあたり、搬送装置10の走行体11は、無線により無人で走行する構成とすることが好ましい。搬送対象物用センサ13として設けたGPSセンサ、また、このGPSセンサとは別にあるいはこのGPSセンサと共に、走行体11側にGPSセンサを設け、走行体11を無線操縦することなく、位置を把握しながら、適切な場所に移動していく構成とすることもできる。また、走行体11に少なくとも前方範囲の動画像を撮影するカメラを設置しておくことが好ましい。遠隔操作する際、撮影される動画像を確認しながら走行体11を走行させることができる。但し、必要に応じて、走行体11に作業員の乗車スペースを設けた構成とすることも可能であり、さらに、走行体11にハンドル等を設け、作業員が操作して走行体11を走行させることも可能である。
【0027】
図5は、本発明の他の実施形態に係る搬送装置20を示した図である。本実施形態の搬送装置20は、左右一対の走行体21,21を備えている。走行体21,21は、いずれも上記実施形態の走行体11と同様にクローラーから構成される。なお、走行体21,21の駆動部は、走行体21,21に内蔵させることもできるし、走行体21,21に設けたフレームに取り付けたりすることができることは上記実施形態と同様である。
【0028】
搬送対象物支持部22は、左右の走行体21,21の内側に軸部材21a,21aを介して回動可能に取り付けられた脚部フレーム21b,21bに連結され、略円弧状の2個一対の挟持部221,221を有するクランプ220から構成される。各挟持部221,221は、脚部フレーム21b,21bに軸部材22a,22aを介して連結されるため、該軸部材22a,22aを中心として左右に開閉可能となっている。また、挟持部221,221の内周部には、木材を挟持部221,221間に挟んだ状態で、前後に送り出しができる送りローラー221a,221aが設けられている。
【0029】
本実施形態の搬送装置20は、さらに補助搬送部30を有している。補助搬送部30は、搬送対象物である木材Tのうち、先端T1付近から後端T2方向に所定距離離間した部位、好ましくは後端T2付近を支持する。補助搬送部30は、左右一対の補助走行体31,31と、補助走行体31,31に取り付けられる搬送対象補助支持部32とを有している。補助走行体31,31は、走行体21,21と同様にクローラーから構成してもよいし、車輪から構成してもよい。補助走行体31,31は、走行体21,21の走行によって牽引されて走行するため、駆動部を設ける必要はない。但し、搬送対象物である木材Tの大きさ、重量等によっては、補助走行体31,31にも駆動部を設けることはもちろん可能である。
【0030】
搬送対象補助支持部32の構成は、上記搬送対象物支持部22と同様であり、補助走行体31,31に取り付けられる脚部フレーム31b,31bに、軸部材32a,32aを介して開閉可能に設けられる挟持部321,321を有してなる。また、挟持部321,321の内周面には、送りローラー(図示せず)が設けられる。
【0031】
本実施形態では、このように補助搬送部30を有しているため、搬送対象物支持部22と搬送対象補助支持部32とにより、木材Tの先端T1付近及び後端T2付近が支持される。よって、搬送対象物の木材T自体が、前後の搬送対象物支持部22及び搬送対象補助支持部32とを結ぶフレームとして機能する。その結果、例えば特許文献3のように、地面に接触しないように木材Tを所定の高さの位置で保持する構造とする場合、木材Tを安定して保持するためにはその保持用フレームが前後に所定の長さを有している必要があるが、本実施形態によれば、木材T自体にフレームの機能をもたせているため、そのような所定長さの保持用フレームを設ける必要がない。
【0032】
搬送対象物用センサ23は、本実施形態では、補助搬送部30のいずれかの箇所に設けることができる。上記実施形態と同様に木材Tに設けてよいが、補助搬送部30として、搬送対象物用センサ23が取り付けられたものを用いれば、現場において、搬送対象物用センサ23を木材Tに装着したりする必要がなく、作業の簡素化を図ることができる。なお、搬送対象物用センサ23を構成するセンサの種類は上記実施形態と同様である。
【0033】
制御部24は、上記実施形態と同様に、搬送対象物用センサ23から送信される搬送状況情報を受信し、走行体21,21の走行制御や搬送対象支持部22における木材Tの支持位置制御等を行う制御信号を出力する。なお、本実施形態では、補助搬送部30を有しており、該補助搬送部30に、補助走行体31,31の駆動部や搬送対象補助支持部32の送りローラーを動作させる機構などを設けている場合には、それらに対して制御信号を送信可能に設けられることが好ましい。
【0034】
本実施形態によれば、搬送対象物支持部22の挟持部221,221及び搬送対象補助支持部32の挟持部321,321をそれぞれ開き、上記実施形態と同様に、例えばジャッキやてこ部材を用いて、木材Tの先端T1付近を挟持部221,221間に、後端T2付近を挟持部321,321間にそれぞれ配置して各挟持部を閉じる。搬送装置20は、制御部24が、搬送対象物用センサ23からの搬送状況情報を受信し、上記のように走行制御や支持位置制御を行いながら木材Tを搬送する。本実施形態では、走行体21,21を左右に一対有している。よって、左右の走行体21,21を構成するクローラーの回転数などを制御することで、方向転換を容易に行うことができる。
【0035】
また、例えば、
図6(a)に示したように、前方に位置する走行体21,21と、後方に位置する補助搬送部30の補助走行体31,31との間に地面が盛り上がっている凸部が位置し、搬送対象物用センサ23から送られる検出信号により、木材Tの後端T2付近の搬送状況情報としてそのような位置関係になっていることを受信したならば、例えば、搬送対象支持部22の送りローラー221a,221aを回転させ、木材Tに対して、搬送対象支持部22と搬送対象補助支持部32が離間するように支持位置を調整する。それにより、そのような凸部があっても、補助搬送部30が容易に乗り越えることができ、長尺な木材Tを容易にかつ安定して搬送することができる。逆に、
図6(b)に示したような谷部に位置したことが検出したならば、搬送対象支持部22の送りローラー221a,221aを回転させ、搬送対象支持部22と搬送対象補助支持部32が接近間するように支持位置を調整し、谷部での走行を円滑にさせる。
【0036】
本発明の搬送装置は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、
図1〜
図4に示した実施形態において、走行体11を構成するクローラーとして、
図7及び
図8に示したよう構造のものを採用することもできる。このクローラー40は、前後に離間させて複数(
図7及び
図8の例では2つ)のモーター41,42を設け、各モーター41,42挟んだ位置に、それぞれ車輪411,412,421,422が配設されている。各車輪411,412,421,422は、各モーター41,42の回転軸41a,42aにギヤ等を介して連係されることにより回転可能となっている。これにより、一方のモーター41側と他方のモーター42側とにおいて、それぞれ車輪ユニット40A,40Bが構成されている。この車輪ユニット40A,40B同士を、取り付けフレーム111を介して連結する。また、車輪ユニット40A,40B同士の外周に沿って、一組の履板47が巻回されるように配置される。
【0037】
このクローラー40によれば、2つの車輪ユニット40A,40Bが、取り付けフレーム111に支持されるため、搬送路が平坦な場合(
図7(b)参照)、搬送路に凸部が存在する場合(
図7(c)参照)、搬送路に凹部が存在する場合(
図7(d)参照)等のいずれの場合でも、走行する地面状況に追従した動きが容易となる。このため、
図7及び
図8に示したクローラー40を用いた場合には、伐採した木材Tを山間地から搬送がより容易かつ安定して行うことが可能となる。なお、
図7及び
図8に示したクローラー40は、
図5及び
図6に示した2条の走行体21,21若しくは補助走行体31,31において用いることも可能であることはもちろんである。
【0038】
なお、本発明は、搬送対象物の搬送状況情報を常に把握しつつ走行するため、山間地から運び出される木材のような長尺物の搬送に適していることは上記のとおりであるが、他の搬送対象物の搬送に用いることも可能である。