【解決手段】空気入りタイヤの製造装置は、口金28を有し、ゴム材料を口金28から押し出して帯状のストリップゴム26に成形する押出機27と、押出機27から供給されたストリップゴム26を巻きつける第1ドラム21と、ストリップゴム26を第1ドラム21に対して螺旋状に部分的に重複して巻きつけるために、第1ドラム21とストリップゴム供給機22との相対的な位置関係を第1ドラム21の軸心方向に変化させる駆動手段22aと、ストリップゴム26の第1ドラム21に押し付けられる側の面にエア抜き溝36を形成するエア抜き溝形成部28bとを備える。
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴム供給機と前記ドラムとの間に配置され、前記ストリップゴムの外面を押圧することによりエア抜き溝を形成する、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造装置。
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴムの供給方向に平行に筋状のエア抜き溝を形成するように配置構成されている、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造装置。
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴムの供給方向に垂直に筋状のエア抜き溝を形成するように配置構成されている、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造装置。
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴム同士の重複する部分のみに前記エア抜き溝を形成する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造装置。
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴムの幅方向において前記ストリップゴムの両端部よりも中心に近い位置にエア抜き溝を形成する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造装置。
ゴム材料を口金から押し出して帯状のストリップゴムに成形し、前記ストリップゴムをドラムに対して螺旋状に部分的に重複して巻きつけるリボン巻き工法によって空気入りタイヤを製造する方法であって、
前記ストリップゴムの前記ドラムに押し付けられる側の面にエア抜き溝を形成する、空気入りタイヤの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、巻き付けるストリップゴムの間に空気が混入する、いわゆるエア入りが発生しやすい。
【0005】
本発明は、空気入りタイヤの製造装置および製造方法において、エア入りを効果的に防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、口金を有し、ゴム材料を前記口金から押し出して帯状のストリップゴムに成形するストリップゴム供給機と、前記ストリップゴム供給機から供給された前記ストリップゴムを巻きつけるドラムと、前記ストリップゴムが前記ドラムに対して螺旋状に部分的に重複して巻きつけられるように前記ドラムと前記ストリップゴム供給機との相対的な位置関係を前記ドラムの軸心方向に変化させる移動部と、前記ストリップゴムの前記ドラムに押し付けられる側の面にエア抜き溝を形成するエア抜き溝形成部とを備える、空気入りタイヤの製造装置を提供する。
【0007】
この構成によれば、ストリップゴムの重複部分に空気が残留しようとしても、エア抜き溝を介して空気をスムーズに排出することができる。従って、簡易な構成でエア入りを効果的に防止することができる。
【0008】
前記エア抜き溝形成部は、前記口金の内面に設けられた突起部であってもよい。
【0009】
この構成によれば、ゴム材料を口金から押し出して帯状のストリップゴムを成形すると同時にエア抜き溝を形成することができる。また、エア抜き溝を形成するための他の追加装置を要せず、既存の空気入りタイヤの製造装置の口金を加工して突起部を設けるだけでよい。
【0010】
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴム供給機と前記ドラムとの間に配置され、前記ストリップゴムの外面を押圧することによりエア抜き溝を形成してもよい。
【0011】
この構成によれば、ストリップゴムの外面を押圧することによって簡単にエア抜き溝を形成することができる。エア抜き溝形成部としては、例えば、ストリップゴムに切れ目を入れるワッシャーやエア抜き溝の形状を転写する転写ローラなどが採用されてもよい。特に、ストリップゴムの外面を押圧することによりエア抜き溝を形成する構成は、エア抜き溝の形状を様々に形成することができるため、汎用性が高い。
【0012】
例えば、前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴムの供給方向に平行に筋状のエア抜き溝を形成するように配置構成されてもよい。また、前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴムの供給方向に垂直に筋状のエア抜き溝を形成するように配置構成されてもよい。また、前記エア抜き溝形成部は、網目状のエア抜き溝を形成するように配置構成されてもよい。
【0013】
これらの構成によれば、設計に応じた任意の方向にエア抜き溝を形成できる。特に網目状のエア抜き溝では、様々な方向に空気を排出することができ、エア入りをより一層効果的に防止できる。
【0014】
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴム同士の重複する部分のみに前記エア抜き溝を形成してもよい。
【0015】
この構成によれば、ストリップゴムの重複部分に残留する空気を効率的にエア抜きすることができる。特に、空気の残留は、ストリップゴムの重複部分において生じやすい。これは、外表面が変形しやすいストリップゴム同士を重ねた際に空気が残留し易いことによる。即ち、ストリップゴム同士を部分的に重複して巻きつけるリボン巻き工法において生じる特有の課題であり、上記構成は当該課題に対して効率的に解決策を提供するものである。
【0016】
前記エア抜き溝形成部は、前記ストリップゴムの幅方向において前記ストリップゴムの両端部よりも中心に近い位置にエア抜き溝を形成してもよい。
【0017】
この構成によれば、ストリップゴムの幅方向の両端部付近にエア抜き溝が形成されないため、ストリップゴムの両端部の形状を保つことができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、ゴム材料を口金から押し出して帯状のストリップゴムに成形し、前記ストリップゴムをドラムに対して螺旋状に部分的に重複して巻きつけるリボン巻き工法によって空気入りタイヤを製造する方法であって、前記ストリップゴムの前記ドラムに押し付けられる側の面にエア抜き溝を形成する、空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、空気入りタイヤの製造装置および製造方法において、ストリップゴムのドラムに押し付けられる側の面にエア抜き溝を形成することによってエア入りを効果的に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの製造装置(図示せず)によって形成されるグリーンタイヤ1の子午線部分断面図を示す。また、
図2は、このグリーンタイヤ1を加硫成型することにより得られる製品タイヤ2の子午線半断面図を示す。
【0023】
グリーンタイヤ1は、タイヤケース3のサイド部13にサイドウォール4を一体化したものである。
【0024】
タイヤケース3は、ケース本体5とトレッドリング6とからなる。
【0025】
ケース本体5は、ビードコア7、ビードフィラー8、カーカスプライ9、インナーライナー10及びリムストリップゴム11を備える。ケース本体5は、全体として円筒状となっており、外周部分を構成するクラウン部12と、その両側面部のサイド部13とを備える。
【0026】
ビードコア7は、複数本のワイヤを束ねたものを環状とし、左右に間隔を空けて配置されている(
図1では、一方のビードコア7のみ図示)。ビードフィラー8は、ビードコア7に連接され、この部分の剛性を高める役割を果たす。カーカスプライ9はトロイド状で、金属製のカーカスコードをゴムで被覆した少なくとも1枚のプライで構成されている。カーカスプライ9の両側部はビードコア7及びビードフィラー8に巻き上げられている。インナーライナー10は、カーカスプライ9の内側に配置されている。リムストリップゴム11は、ビードコア7及びビードフィラー8の外側に配置されている。クラウン部12には、トレッドリング6が一体化される。
【0027】
トレッドリング6は、内周側からベルト14及びベルト補強層15を備え、外周部にはトレッドゴム16が配置されている。トレッドリング6は、ケース本体5のクラウン部12の外周面に一体化される。
【0028】
サイドウォール4は、第1サイドウォール部17と第2サイドウォール部18とからなる。第1サイドウォール部17は、
図3に示す第1サイドウォール形成装置19によって形成される。第2サイドウォール部18は、詳細については図示しないが、第2サイドウォール形成装置20(
図6参照)によって形成される。
【0029】
図3を参照して、第1サイドウォール形成装置19は、第1ドラム21、ストリップゴム供給機22、圧着部材23、およびステッチャー41等を備える。
【0030】
第1ドラム21は、軸心Oを中心とする円筒状に形成されている。第1ドラム21の外周面は径方向に拡縮可能な金属セグメントやブラダー等で構成されている。また第1ドラム21は、図示しないモータ等の駆動手段によって軸心Oを中心として、
図3中、反時計回り方向に回転する。
【0031】
ストリップゴム供給機22は帯状のストリップゴム26を供給するためのもので、押出機27の先端部分に口金28を備える。口金28には、ストリップゴム26を押し出すための開口28aが形成されている。また、ストリップゴム供給機22は、概念的に図示するモータ等を含む駆動手段(移動部)22aによって第1ドラム21の外周面に対して口金28を第1ドラム21の径方向に接離し、第1ドラム21の軸心方向に沿って往復移動する。これにより、ストリップゴム26は、第1ドラム21に対して螺旋状に部分的に重複して巻きつけられる。ただし、駆動手段(移動部)22aの態様は、特に限定されず、第1ドラム21をその軸心O方向に移動させるものであってもよく、即ち第1ドラム21とストリップゴム供給機22との位置関係を軸心O方向に相対的に移動させるものであればよい。
【0032】
図4を参照して、口金28の開口28aの断面形状は、幅方向の中央部から両端に向かって高さ方向の幅寸法が徐々に小さくなった扁平な三角形状である。これにより、口金28から押し出されるストリップゴム26は、全体としては扁平状であるが、厳密には、中央部分が最も厚く、両端に向かうに従って徐々に薄くなる横断面三角形状に形成される。また、口金28の開口28aの内面には、3つの突起部(エア抜き溝形成部)28bが設けられている。この突起部28bにより、ストリップゴム26の下面(ドラムに押し付けられる側の面)には、ストリップゴム26の送り方向に平行な3筋の溝が形成される。
【0033】
好ましくは、本実施形態のように、突起部28bは、口金28の開口28aの幅方向中央に全幅の半分以内の領域S1に設けられている。従って、ストリップゴム26の横断面幅方向において中央に全幅の半分以内の領域S2(
図5参照)にエア抜き溝36が形成される。換言すれば、エア抜き溝36は、ストリップゴム26の幅方向においてストリップゴム26の両端部よりも中心に近い位置に形成される。これにより、ストリップゴム26の両端部付近にエア抜き溝36が形成されないため、ストリップゴム26の両端部の形状を保つことができる。なお、突起部28bの数、即ち対応するエア抜き溝36の数は特に限定されない。
【0034】
図3を再び参照して、圧着部材23は、シリンダ30によって進退可能なピストン31の先端に回転軸32aを中心として、円筒状の圧着ローラ32を回転可能に取り付けたものである。圧着ローラ32は、その回転軸32aの軸心方向が第1ドラム21の軸心方向と平行となるように配置される。シリンダ30を駆動してピストン31を前進させることにより、圧着ローラ32の外周面で、ストリップゴム供給機22から供給されたストリップゴム26をタイヤケース3の外面に押し付けて貼り付けることができるようになっている。
【0035】
ステッチャー41は、実質的に圧着部材23と同様の構成を有している。タイヤケース3の外面に貼り付けられたストリップゴム26は、ステッチャー41によってさらに押し付けられてより強固に貼り付けられる。
【0036】
第2サイドウォール形成装置20(
図6参照)は、第2ドラム(シェーピングドラム)40を備えるとともに、ストリップゴム供給機22、圧着部材23、およびステッチャー41等の第1サイドウォール形成装置19の構成部品と同様の構成を備える。なお、第2サイドウォール形成装置20の構成は、ドラム部分を除いて第1サイドウォール形成装置19の構成と実質的に同じであるため、詳細な説明及び図示を省略する。
【0037】
(グリーンタイヤ1の形成方法)
次に、グリーンタイヤ1の形成方法について説明する。グリーンタイヤ1の形成は、ケース本体5を形成する第1工程および第2工程、第1サイドウォール部17を形成する第3工程、トレッドリング6を形成する第4工程、ケース本体5および第1サイドウォール部17にトレッドリング6を合体してタイヤケース3とする第5工程、および、タイヤケース3に第2サイドウォール部18を形成する第6工程により行う。以下、これらの各工程について説明する。
【0038】
(第1工程)
まず、
図1,2を参照して、バンドドラム(図示せず)の外周面にインナーライナー10、次いでカーカスプライ9を巻き付けて円筒状とする。ここで円筒状にされた部材は、バンドドラムから第1ドラム21(
図3参照)に受け渡される。
【0039】
(第2工程)
図1〜3を参照して、第1ドラム21では、カーカスプライ9およびインナーライナー10を含む上記円筒状の部材に対し、カーカスプライ9の幅方向両側にビードコア7及びビードフィラー8を配置する。そして、カーカスプライ9の両端部を折り返して(ターンアップして)、ビードコア7及びビードフィラー8の外面を覆う。折り返し部分を含む領域にリムストリップゴム11を貼り付けてケース本体5が得られる。
【0040】
(第3工程)
続いて、
図3に示すように、第1ドラム21に、ゴム供給部22からストリップゴム26を供給し、ケース本体5上に第1サイドウォール部17を形成する。
【0041】
ストリップゴム26は、第1ドラム21に対して螺旋状に巻き付けられる。このとき、圧着部材23によりストリップゴム26をケース本体5(
図3では不図示)の外面に押し付ける。ストリップゴム26の1周目の巻付では、第1ドラム21は軸心方向には移動させずに回転方向と平行に行う。ストリップゴム26の2周目以降の巻付では、ゴム供給部22を第1ドラム21の軸心方向の一方に向かって所定の送り速度で移動させる。ここでは、
図5に示すように、ゴム供給部22の送り量がストリップゴム26の幅寸法の1/2程度の値となるように1回転当たりの送り量を決定する。つまり、本実施形態では、先に巻き付けたストリップゴム26aの中央位置Cと、次に巻き付けるストリップゴム26bの一方の側縁位置Eとを一致させた状態で螺旋状に巻回する。ただし、ストリップゴム26の重複量は本実施形態のものに限定されず、適宜変更さえ得る。
【0042】
第1ドラム21に巻き付けられ、圧着部材23によって押し付けられたストリップゴム26は、順次、部分的に重なるように巻き付けられる。巻き付ける2巻き目のストリップゴム26に圧着部材23を押し付けると、1巻き目のストリップゴム26に圧着する。2巻き目には1巻き目との重複部分にエア抜き溝36(
図5参照)が形成されているため、重複部分の空気はエア抜き溝36を介して外部へと排出され、行き場を失ってエア溜まりを発生させることがない。また、エア抜き溝36に空気が残留したとしても、後述する加硫成型時には金型内が真空引きされているため、残留したままとなることはなく、確実に排出することができる。このようにして所定位置までストリップゴム26が巻き付けられれば、トレッドゴム16をタイヤ径方向の同一円周上に1周巻き付ける。これにより、いわゆるリボン巻き工法によって第1サイドウォール部17が形成される。
【0043】
(第4工程)
上記のケース本体5および第1サイドウォール部17とは別に、ベルトドラム(図示せず)の外周面にベルト14およびベルト補強層15を巻き付ける。そして、ベルト補強層15の外周面にトレッドゴム16を形成することにより円筒状のトレッドリング6を得る。トレッドゴム16は、例えば、帯状のストリップゴム26をタイヤ周方向に沿って螺旋状に複数回巻き付けるリボン巻き工法により形成できる。
【0044】
(第5工程)
第1サイドウォール部17が形成されたケース本体5を第1ドラム21から第2ドラム40(
図6参照)に受け渡し、トレッドリング6をベルトドラムから第2ドラム40に受け渡し、それぞれを第2ドラム40の外周側に配置する。このとき、トレッドリング6をケース本体5の外周側に配置する。この状態で、第2ドラム40によってケース本体5を外径側に拡張し、その外周面をトレッドリング6の内周面に密着させて変形させる。これにより、
図6に示すように、ケース本体5に対して、トレッドリング6が形成され、即ちタイヤケース3が形成され、第2サイドウォール部18を除くグリーンタイヤ1の主要部分が得られる。
【0045】
(第6工程)
第2ドラム40を回転させながら、図示しないゴム供給部からストリップゴム26を供給する。ここでのストリップゴム26の巻き付け方は、第1サイドウォール部17の場合と実質的に同じである。このようにして得られた第2サイドウォール部18には、さらにステッチャーを押し付ける。このようにして、グリーンタイヤ1(
図1参照)が完成する。
【0046】
上記工程により形成されたグリーンタイヤ1は、次のような特徴を有する。
【0047】
図5に示すように、ストリップゴム26にエア抜き溝36を形成しているため、ストリップゴム26の重複部分に空気が残留しようとしても、エア抜き溝36を介して空気をスムーズに排出することができる。
【0048】
口金28に突起部28bを形成しているため、ゴム材料を口金28から押し出して帯状のストリップゴム26を成形すると同時にエア抜き溝36を形成することができる。また、エア抜き溝36を形成するための他の追加装置を要せず、既存の空気入りタイヤの製造装置の口金28を加工するだけでよい。
【0049】
本実施形態の変形例として、口金28の突起部(エア抜き溝形成部)28bは、ストリップゴム26同士の重なる部分のみにエア抜き溝36を形成するように設けられていてもよい。本実施形態では、ストリップゴム26同士の重複量をストリップゴム26の幅寸法の半分程度と設定しているため、当該半分の領域のみ突起部28bを形成してもよい(
図7,8参照)。
【0050】
本変形例によれば、ストリップゴム26の重複部分に残留する空気を効率的にエア抜きすることができる。特に、空気の残留は、ストリップゴム26の重複部分において生じやすい。これは、外表面が変形しやすいストリップゴム同士を重ねた際に空気が残留し易いことによる。即ち、ストリップゴム26同士を重ねて巻きつけるリボン巻工法において生じる特有の課題であり、本変形例の構成は当該課題に対して効率的に解決策を提供するものである。なお、本変形例の構成は以降の実施形態でも採用され得る。
【0051】
(第2実施形態)
図9に示す本実施形態の空気入りタイヤの製造装置では、第1サイドウォール形成装置19によるエア抜き溝36の形成方法が異なる。本実施形態では、口金は第1実施形態のような突起部28b(
図4参照)を備えておらず、第1サイドウォール形成装置19がワッシャーを備えている。本実施形態は、エア抜き溝36の形成に関する構成以外は、第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態にて示した構成と同様の部分については説明を省略する場合がある。
【0052】
本実施形態では、ストリップゴム供給機22と第1ドラム21との間に配置され、ストリップゴム26にエア抜き溝36となる筋状の切れ目を入れるワッシャー(エア抜き溝形成部)50が設けられている。ワッシャー50は、ストリップゴム26の供給方向に平行に筋状のエア抜き溝36を形成するように配置構成されている。具体的には、ワッシャー50は、支持部材51によって回転可能に軸支されるとともにストリップゴム26に接触するように配置され、ストリップゴム26の外面を押圧することによってエア抜き溝36を形成する。なお、エア抜き溝36の形状は、第1実施形態と実質的に同じとなり得る。
【0053】
本実施形態によれば、ワッシャー50によって簡単にエア抜き溝36を形成することができる。特にワッシャー50は、エア抜き溝36の形状を様々に形成することができるため、汎用性が高い。
【0054】
図10を参照して、本実施形態の第1変形例として、ワッシャー50は、ストリップゴム26の供給方向に垂直に筋状のエア抜き溝36を形成するように配置されてもよい。従って、エア抜き溝36もまたストリップゴム26の供給方向に垂直に形成される。本変形例は、ストリップゴム26の幅方向にエア抜きを行いたい場合に有効である。
【0055】
図11を参照して、本実施形態の第2変形例として、ワッシャー50の代わりに網目状の外表面を有する転写ローラ(エア抜き溝形成部)52を使用してもよい。
図11では、転写ローラ52の正面図が破線円内に拡大して示されている。転写ローラ52は、支持部材53によって回転可能に軸支されるとともにストリップゴム26に接触するように配置され、ストリップゴム26の外面を押圧することによってエア抜き溝36を形成する。本変形例によれば、転写ローラ52によって網目状のエア抜き溝36を形成することができる。この網目状のエア抜き溝36によって種々の方向に空気を排出することができ、エア入りをより一層効果的に防止できる。なお、詳細を図示しないが、転写ローラ52に代えて、ワッシャー50をストリップゴム26の供給方向に傾斜して複数配置し、同様の網目状のエア抜き溝36を形成するようにしてもよい。また、
図9,10に示すワッシャー50も転写ローラ52に置換されてもよい。
【0056】
以上より、本発明の具体的な実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、個々の実施形態や変形例の内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
【0057】
本実施形態では、サイドウォール4を構成するストリップゴム26に対してエア抜き溝36を形成しているが、エア抜き溝36を形成するストリップゴム26の対象は特に限定されない。例えば、トレッドゴム16を構成するストリップゴム26に対して同様のエア抜き溝を形成してもよい。