【解決手段】車両に対する装着の向きが指定された空気入りタイヤにおいて、一対のショルダー主溝33,34のタイヤ幅方向外側WDoに形成された一対のショルダー陸部38,39が、タイヤ周方向CDにおいてに対して交差する方向に延びる複数のスリット43,48と、タイヤ周方向CDで隣り合うスリット43,48の間に設けられ、スリット43,48より溝幅が狭い複数のサイプ44,49と、ショルダー主溝33,34に隣接して設けられ、スリット43,48及びサイプ44,49により分断されることなくタイヤ周方向CDに連続して延びる連続部45,50とを備え、車両外側に位置するショルダー陸部38に設けられたサイプ44の数を、車両内側に位置するショルダー陸部39に設けられたサイプ49より少なく設定する。
前記複数のサイプのタイヤ幅方向内側端から前記複数のスリットの前記タイヤ幅方向内側端までのタイヤ幅方向の長さが3mm以上である請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
なお、以下の説明において、タイヤ接地時とは、空気入りタイヤを正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えた時のことである。接地面とは、タイヤ接地時において、空気入りタイヤと路面とが接触する面のことである。接地端とは、タイヤ接地時において、路面に接地するトレッド面のタイヤ幅方向端部のことである。接地幅とは、タイヤ幅方向両側の接地端の幅(間隔)のことである。サイプとは、タイヤ接地時に接地面への開口部が閉じる溝のことであり、例えば、幅が2mm未満の狭い溝のことを意味する。周方向溝及びスリットは、サイプより幅が広く、タイヤ接地時に接地面への開口部が閉じない溝のことであり、例えば、幅が2mm以上の溝のことを意味する。
【0015】
また、以下の説明における空気入りタイヤの特徴や各種寸法は、特に記載が無い場合は、正規リムに装着され正規内圧が充填された空気入りタイヤの無負荷状態でのものである。
【0016】
ここで、正規リムとは、JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、又はETRTO規格における「Measuring Rim」のことである。また、正規内圧とは、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、又はETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」のことである。正規荷重とは、JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、又はETRTO規格における「LOAD CAPACITY」のことである。
【0017】
図1及び
図2に示す本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤは、左右一対のビード部1と、ビード部1からタイヤ径方向外方に延びる左右一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向外方端同士を繋いで接地面を構成するトレッド部3とを備える。この空気入りタイヤは、車両への装着の向きが指定されたタイヤであり、すなわち、車両に装着する際の車両外側に装着される面と車両内側に装着される面とが予め定められている。
図1及び
図2の左側が車両装着姿勢において車両外側に配置され、
図1の右側が車両装着姿勢において車両内側に配置される。
【0018】
なお、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図において符号RDで示す。タイヤ径方向内側RDiとはタイヤ回転軸に近づく方向であり、タイヤ径方向外側RDoとはタイヤ回転軸から離れる方向である。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図において符号WDで示す。タイヤ幅方向内側WDiとはタイヤ赤道面CLに近づく方向であり、タイヤ幅方向外側WDoとはタイヤ赤道面CLから離れる方向である。タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心とした円周上の方向であり、図において矢印CDで示す。
【0019】
ビード部1には、ゴム被覆したビードワイヤを積層巻回した収束体よりなる環状のビードコア11が埋設されている。そのビードコア11のタイヤ径方向外側RDoには、ビードフィラー12が配置されている。
【0020】
空気入りタイヤは、一対のビード部1間に跨がってトロイダル状に延びるカーカス層4を備える。カーカス層4は、トレッド部3から両側のサイドウォール部2を経てビード部1に至り、ビード部1においてビードコア11の周りにタイヤ幅方向内側WDiから外側WDoに折り返されることにより、カーカス層4の両端部が係止されている。カーカス層4は、有機繊維コードからなるカーカスコードをタイヤ周方向CDに対して実質上直角になるように配列しゴムで被覆してなる少なくとも1枚のカーカスプライからなる。
【0021】
サイドウォール部2では、カーカス層4の外側に、空気入りタイヤの外壁面を構成するサイドウォールゴム6が設けられている。サイドウォールゴム6のタイヤ径方向内側RDiには、少なくともリムフランジに接触する部分にリムストリップゴムを設けてもよい。
【0022】
カーカス層4の内側には、空気入りタイヤTの内周面を構成するインナーライナー部材5が設けられている。すなわち、インナーライナー部材5は、トレッド部3からその左右両側のサイドウォール部2を経てビード部1に至る、タイヤ内面の全体を覆うように設置されている。
【0023】
トレッド部3では、カーカス層4の外周側にベルト7が設けられている。ベルト7は、スチールコードやアラミド繊維などのベルトコードをタイヤ周方向CDに対して10°〜35°の傾斜角度で配列した、少なくとも2枚の交差ベルトプライからなる。ベルト7の外周側には、接地面を構成するトレッドゴム8が設けられている。
【0024】
図2に示されるように、トレッド部3の表面には、タイヤ周方向CDに延びる3本の周方向溝が、タイヤ幅方向WDに間隔をおいて設けられている。3本の周方向溝は、タイヤ赤道面CLに位置するセンター主溝32と、最も車両外側に設けられた外側ショルダー主溝33と、最も車両内側に設けられた内側ショルダー主溝34である。本実施形態では、外側ショルダー主溝33及び内側ショルダー主溝34が、センター主溝32のタイヤ幅方向外側WDoに設けられた一対のショルダー主溝である。
【0025】
トレッド部3は、上記3本の周方向溝32,33,34により形成された複数の陸部36、37、38、39を備える。
【0026】
具体的には、トレッド部3は、センター主溝32と外側ショルダー主溝33との間に形成されたセンター陸部36と、センター主溝32と内側ショルダー主溝34との間に形成されたセンター陸部37と、外側ショルダー主溝33と車両外側の接地端40との間に形成された外側ショルダー陸部38と、内側ショルダー主溝34と車両内側の接地端41との間に形成された内側ショルダー陸部39とを備える。本実施形態では、外側ショルダー陸部38及び内側ショルダー陸部39が、一対のショルダー主溝33,34のタイヤ幅方向外側WDoに形成された一対のショルダー陸部である。
【0027】
センター陸部36,37には、周方向溝32,33,34に交差する方向に延びる複数の横溝42がタイヤ周方向CDに間隔をあけて設けられている。
【0028】
車両外側の外側ショルダー陸部38は、タイヤ周方向CDに交差する方向に延びる複数のスリット43と、タイヤ周方向CDに交差する方向に延びる複数のサイプ44と、複数の陸部要素46からなる陸部要素列47と、タイヤ周方向CDに連続する連続部45とを備える。
【0029】
スリット43は、一定の幅で車両外側の接地端40からタイヤ幅方向内側WDiへ延び、外側ショルダー主溝33へ貫通することなく、外側ショルダー陸部38内で終端している。このようなスリット43は、タイヤ周方向CDに一定の間隔を開けて複数設けられている。タイヤ周方向CDに隣り合うスリット43の間には陸部要素46が形成されている。複数の陸部要素46は、外側ショルダー陸部38の接地端40側において、スリット43を挟んでタイヤ周方向CDに並べて配置された陸部要素列47を構成する。
【0030】
サイプ44は、陸部要素46(周方向に隣接するスリット43の間)に設けられている。サイプ44は、外側ショルダー陸部38をタイヤ幅方向WDに貫通することなく、タイヤ幅方向WDの両端部が、外側ショルダー陸部38内に配置されている。本実施形態では、1つの陸部要素46に対して1つのサイプ44が設けられている。
【0031】
また、サイプ44のタイヤ幅方向内側端44aは、スリット43のタイヤ幅方向内側端43aよりタイヤ幅方向内側WDiへ延びてもよい。その場合、サイプ44のタイヤ幅方向内側端44aからスリット43のタイヤ幅方向内側端43aまでのタイヤ幅方向WDに沿った長さCoが3mm以上であることが好ましい。
【0032】
連続部45は、陸部要素列47と外側ショルダー主溝33との間に設けられている。連続部45は、スリット43やサイプ44によって分断されることなく、タイヤ周方向CDに連続して延びる陸部である。
【0033】
このような連続部45のタイヤ幅方向WDに沿った長さ、つまり、サイプ44のタイヤ幅方向内側端44aから内側ショルダー主溝34までのタイヤ幅方向WDに沿った長さAoと、トレッド部3の接地幅Wとの比σo(=Ao/W)が、0.05以上0.15以下であることが好ましい。
【0034】
車両内側の内側ショルダー陸部39は、タイヤ周方向CDに交差する方向に延びる複数のスリット48と、タイヤ周方向CDに交差する方向に延びる複数のサイプ49と、複数の陸部要素51からなる陸部要素列52と、タイヤ周方向CDに連続する連続部50とを備える。
【0035】
内側ショルダー陸部39は、外側ショルダー陸部38に設けられたサイプ44の総数より多くのサイプ49が設けられている点で外側ショルダー陸部38と異なるが、その他の構成は基本的に外側ショルダー陸部38と同一である。
【0036】
すなわち、スリット48は、一定の幅で車両内側の接地端41からタイヤ幅方向内側WDiへ延び、内側ショルダー主溝34へ貫通することなく、内側ショルダー陸部39内で終端している。このようなスリット48は、外側ショルダー陸部38のスリット43と同じ間隔でタイヤ周方向CDに一定の間隔を開けて複数設けられている。タイヤ周方向CDに隣り合うスリット48の間には陸部要素51が形成されている。複数の陸部要素51は、内側ショルダー陸部39の接地端41側において、スリット48を挟んでタイヤ周方向CDに並べて配置された陸部要素列52を構成する。
【0037】
サイプ49は、陸部要素51(周方向に隣接するスリット48の間)に設けられている。サイプ49は、内側ショルダー陸部39をタイヤ幅方向WDに貫通することなく、タイヤ幅方向WDの両端部が、内側ショルダー陸部内39に配置されている。本実施形態では、1つの陸部要素51に対して2つのサイプ49が設けられている。
【0038】
また、サイプ49のタイヤ幅方向内側端49aは、スリット48のタイヤ幅方向内側端48aよりタイヤ幅方向内側WDiへ延びてもよい。その場合、サイプ49のタイヤ幅方向内側端49aからスリット48のタイヤ幅方向内側端48aまでのタイヤ幅方向WDに沿った長さCiが3mm以上であることが好ましい。
なお、本実施形態において、サイプ49のタイヤ幅方向内側端49aからスリット48のタイヤ幅方向内側端48aまでの長さCiは、サイプ44のタイヤ幅方向内側端44aからスリット43のタイヤ幅方向内側端43aまでの長さCoと同じ長さに設定されている。
【0039】
連続部50は、陸部要素列52と内側ショルダー主溝34との間に設けられている。連続部50は、スリット48やサイプ49によって分断されることなく、タイヤ周方向CDに連続して延びる陸部である。
【0040】
このような連続部50のタイヤ幅方向WDに沿った長さ、つまり、サイプ49のタイヤ幅方向内側端49aから内側ショルダー主溝34までのタイヤ幅方向WDに沿った長さAiと、トレッド部3の接地幅Wとの比σi(=Ai/W)が、0.05以上0.15以下であることが好ましい。
【0041】
なお、本実施形態において、内側ショルダー陸部39に設けられた連続部50のタイヤ幅方向WDに沿った長さAiは、外側ショルダー陸部38に設けられた連続部45のタイヤ幅方向WDに沿った長さAoと同じ長さに設定されている。
【0042】
以上のような本実施形態の空気入りタイヤでは、内側ショルダー陸部39に設けられたサイプ49の数より少ない数のサイプ44が外側ショルダー陸部38に設けられているため、ピッチピークを分散させてピッチノイズを低減することができるとともに、車両旋回時などに比較的大きさ荷重を受ける外側ショルダー陸部38の剛性低下を抑えることができ、操縦安定性能を向上することができる。
【0043】
また、本実施形態では、外側ショルダー陸部38及び内側ショルダー陸部39が連続部45,50を備えているため、路面との接触面積を確保することができ、操縦安定性能及び制動性能を向上することができる。しかも、連続部45,50は、サイプ44、49によるショルダー陸部38、39の剛性低下を抑えるため、ピッチノイズの低減を図るためにサイプ44,49の数を増やしてもショルダー陸部38、39の剛性低下を抑えることができる。そのため、ピッチノイズの低減と、操縦安定性能の確保とを両立することができる。
【0044】
また、本実施形態のように、ショルダー陸部38、39に設けられたサイプ44,49のタイヤ幅方向内側端44a、49aが、スリット43、48のタイヤ幅方向内側端43a、48aよりタイヤ幅方向内側WDiへ延びている場合、ショルダー陸部38の剛性をタイヤ幅方向内側WDiから外側WDoへ段階的に低下させることでき、ショルダー陸部38、39の接地性を改善することができる。特に、サイプ44、49のタイヤ幅方向内側端44a、49aからスリット43,48のタイヤ幅方向内側端43a,48aまでのタイヤ幅方向WDに沿った長さCo、Ciが3mm以上であると、ショルダー陸部38、39の接地性を顕著に改善することができ、操縦安定性能を向上することができる。
【0045】
(変更例)
上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0046】
上記実施形態では、外側ショルダー陸部38に設けられた複数の陸部要素46の全てに1つずつサイプ44を設け、内側ショルダー陸部39に設けられた複数の陸部要素51の全てに2つずつサイプ49を設ける場合について説明したが、内側ショルダー陸部39に設けられたサイプ49の総数が、外側ショルダー陸部38に設けられたサイプ44より多ければ、各陸部要素46,51に設けるサイプ44,48の数は特に限定されない。
【0047】
例えば、外側ショルダー陸部38において複数の陸部要素46の全てに2つずつサイプ44を設け、内側ショルダー陸部39において複数の陸部要素51の全てに3つずつサイプ49を設けてもよい。
【0048】
あるいは、外側ショルダー陸部38において陸部要素46の全てに1つずつサイプ44を設け、内側ショルダー陸部39において陸部要素51の一部に対して2つずつサイプ49を設け、残りに1つずつサイプ49を設ける場合のように、タイヤ幅方向WDに対向する位置において、陸部要素46に設けられたサイプ44の数と、陸部要素51に設けられたサイプ49の数とが局所的に同一であってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、3本の周方向溝をトレッド部3に設けた場合について説明したが、主溝の本数は3本には限定されず、例えば、4本や5本でもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、内側ショルダー陸部39に設けられた連続部50のタイヤ幅方向WDに沿った長さAiを、外側ショルダー陸部38に設けられた連続部45のタイヤ幅方向WDに沿った長さAoと同じ長さに設定したが、連続部50の長さAiを連続部45の長さAoより大きく設けてもよい。このように内側ショルダー陸部39において連続部50の長さAiを大きくすることで、内側ショルダー陸部39の陸部要素46に多くのサイプ49を設けても、内側ショルダー陸部39の剛性を確保しやすくなるため、ピッチノイズの低減と操縦安定性能の向上を図ることができる。
【0051】
また、内側ショルダー陸部39に設けられた連続部50の長さAiを外側ショルダー陸部38に設けられた連続部45の長さAoより小さく設けてもよい。このように外側ショルダー陸部38において連続部45の長さAoを大きくすることで、外側ショルダー陸部38の剛性を確保しやすくなり、操縦安定性能を向上することができる。
また、上記実施形態では、サイプ49のタイヤ幅方向内側端49aからスリット48のタイヤ幅方向内側端48aまでの長さCiを、サイプ44のタイヤ幅方向内側端44aからスリット43のタイヤ幅方向内側端43aまでの長さCoと同じ長さに設定したが、内側ショルダー陸部39における長さCiを外側ショルダー陸部38における長さCoより大きく設定したり、あるいは、内側ショルダー陸部39における長さCiを外側ショルダー陸部38における長さCoより小さく設定してもよい。
【実施例】
【0052】
上記実施形態の効果を確認するために、実施例および比較例のタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15、空気圧:220kPa、リムサイズ:15X6.0)について、ノイズ性能及び操縦安定性能を評価した。
【0053】
比較例1のタイヤは、
図3(a)に示すように、外側ショルダー陸部に設けられた陸部要素の全てに2つずつサイプが設けられ、内側ショルダー陸部に設けられた陸部要素の全てに2つずつサイプが設けられており、外側ショルダー陸部と内側ショルダー陸部のサイプの総数が同一である。なお、比較例1のその他の構成は実施例1と同一である。
【0054】
比較例2のタイヤは、
図3(b)に示すように、内側ショルダー陸部のサイプの総数が外側ショルダー陸部より多いが、外側ショルダー陸部及び内側ショルダー陸部に設けられたスリット及びサイプがショルダー主溝に連通しており、外側ショルダー陸部及び内側ショルダー陸部が連続部を備えていない。
【0055】
実施例1〜5のタイヤは、基本的な構成は上記実施形態で説明した通りであり、下記表1に示すように各諸元を設定した。
【0056】
各評価方法は以下の通りである。
【0057】
・ノイズ性能:試作タイヤを試験車両に装着し、車室内運転席の耳の位置にマイクロフォンを設置し、乾燥状態の平坦なアスファルト路面を80km/hで走行した時の音圧を測定した。評価結果は測定値の逆数を用い、比較例1の値を100とする指数で示した。指数が大きいほどロードノイズ低減効果が大きく良好である。
【0058】
・操縦安定性能:試作タイヤを試験車両に装着し、実車による官能評価を行った。評価は、乾燥状態のハンドリング試験路(アスファルト舗装路)を走行し、連続したコーナーでの切り返し及びコーナリングを行ったときの車両の安定性を評価した。比較例1を100とした指数で表示した。指数が大きいほど操縦安定性が良好であることを示す。
【0059】
【表1】
【0060】
結果は、表1に示す通りである。外側ショルダー陸部及び内側ショルダー陸部においてサイプの総数が同一に設定された比較例1に対して、比較例2では、外側ショルダー陸部に比べて内側ショルダー陸部においてサイプの総数を多く設定することによりノイズ性能が向上したが、操縦安定性能が低下した。
【0061】
これに対して、実施例1〜5では、外側ショルダー陸部に比べて内側ショルダー陸部においてサイプの総数を多く設定し、かつ、外側ショルダー陸部及び内側ショルダー陸部に連続部を設けたことにより、ノイズ性能と操縦安定性能とを両立することができた。