(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-94333(P2020-94333A)
(43)【公開日】2020年6月18日
(54)【発明の名称】ドレーン材の接合構造及び接続金具
(51)【国際特許分類】
E02D 3/10 20060101AFI20200522BHJP
【FI】
E02D3/10 103
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-230781(P2018-230781)
(22)【出願日】2018年12月10日
(11)【特許番号】特許第6503130号(P6503130)
(45)【特許公報発行日】2019年4月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000236610
【氏名又は名称】株式会社不動テトラ
(71)【出願人】
【識別番号】591039953
【氏名又は名称】株式会社ソイルテクニカ
(71)【出願人】
【識別番号】390032942
【氏名又は名称】太平商工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591159675
【氏名又は名称】錦城護謨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】山下 祐司
(72)【発明者】
【氏名】新川 直利
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 忍
(72)【発明者】
【氏名】前田 忠良
(72)【発明者】
【氏名】小薄 学
(72)【発明者】
【氏名】吉川 雅史
(72)【発明者】
【氏名】山内 義文
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043CA04
2D043DA09
2D043DC00
2D043DD08
2D043DD10
2D043EB04
(57)【要約】
【課題】鉛直ドレーン材と水平ドレーン材の重合部を圧潰させることなく簡単に接続できて、通水性を確実に確保できるドレーン材の接合構造を提供する。
【解決手段】鉛直ドレーン材20の上端20aを水平ドレーン材30に重ね合わせて、両ドレーン材の重合部Aを一対の接続金具40,50を介して通水可能に接続するドレーン材の接合構造10において、一対の接続金具の一方の接続金具40は、先端側に爪部43を形成し、基部側に間隔規制部を形成している少なくとも一対の係止片を有し、他方の接続金具50は、一対の係止片を差し込む係合孔51を一対有し、係止片を係合孔に差し込んで折り曲げることで、鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30との重合部Aを通水可能に接続する際に、係止片の間隔規制部が他方の接続金具50に当接して差し込みが規制されることで、一対の接続金具40,50間に所定の隙間が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟弱地盤又は浚渫土中に打設された鉛直ドレーン材の上端を前記軟弱地盤又は浚渫土の地表側に配置された水平ドレーン材の所定位置に重ね合わせて、前記両ドレーン材の重合部を一対の接続金具を介して通水可能に接続するドレーン材の接合構造において、
前記一対の接続金具の一方の接続金具は、先端側に爪部を形成すると共に、基部側に間隔規制部を形成している少なくとも一対の係止片を有した金属板からなり、
前記一対の接続金具の他方の接続金具は、前記一対の係止片を差し込む係合孔を一対有した金属板からなり、
前記一方の接続金具の一対の係止片を前記他方の接続金具の一対の係合孔に差し込んで折り曲げることで、前記鉛直ドレーン材の上端と前記水平ドレーン材の所定位置の重合部を通水可能に接続する際に、
前記一方の接続金具の一対の係止片の各間隔規制部が前記他方の接続金具に当接して差し込みが規制されることで、前記一対の接続金具間に所定の隙間が形成されることを特徴とするドレーン材の接合構造。
【請求項2】
請求項1記載のドレーン材の接合構造であって、
前記一対の係止片は、相対向するように切り起こし形成され、
前記一対の係止片の各爪部は、先端頂部が三角形の幅狭矩形状に形成され、
前記一対の係止片の各間隔規制部は、両側上部に前記各爪部側に向かって狭まるように傾斜したテーパ部を有する幅広矩形状に形成され、
前記一対の係止片が前記一対の係合孔に差し込まれた際に、前記各間隔規制部のテーパ部が前記各係合孔の縁部に突き当たって差し込みが規制されることで、前記一対の接続金具間に少なくとも前記水平ドレーン材の厚み分の隙間が形成されることを特徴とするドレーン材の接合構造。
【請求項3】
軟弱地盤又は浚渫土中に打設された鉛直ドレーン材の上端を前記軟弱地盤又は浚渫土の地表側に配置された水平ドレーン材の所定位置に重ね合わせて、前記両ドレーン材の重合部を通水可能に接続する接続金具において、
一対の接続金具を有し、その一方の接続金具は、先端側に爪部を形成すると共に、基部側に間隔規制部を形成している少なくとも一対の係止片を有した金属板からなり、
他方の接続金具は、前記一対の係止片を差し込む係合孔を一対有した金属板からなり、
前記一方の接続金具の一対の係止片を前記他方の接続金具の一対の係合孔に差し込んで折り曲げることで、前記鉛直ドレーン材の上端と前記水平ドレーン材の所定位置の重合部を通水可能に接続する際に、
前記一方の接続金具の一対の係止片の各間隔規制部が前記他方の接続金具に当接して差し込みが規制されることで、前記一対の接続金具間に所定の隙間が形成されることを特徴とする接続金具。
【請求項4】
請求項3記載の接続金具であって、
前記一対の係止片は、相対向するように切り起こし形成され、
前記一対の係止片の各爪部は、先端頂部が三角形の幅狭矩形状に形成され、
前記一対の係止片の各間隔規制部は、両側上部に前記各爪部側に向かって狭まるように傾斜したテーパ部を有する幅広矩形状に形成され、
前記一対の係止片が前記一対の係合孔に差し込まれた際に、前記各間隔規制部のテーパ部が前記各係合孔の縁部に突き当たって差し込みが規制されることで、前記一対の接続金具間に少なくとも前記水平ドレーン材の厚み分の隙間が形成されることを特徴とする接続金具。
【請求項5】
請求項3または4記載の接続金具であって、
前記一方の接続金具を、前記一対の係止片を下にして接続装置の上板の収容凹溝部に着磁によりセットし、
前記他方の接続金具を、前記接続装置の下板の収容凹溝部にセットし、
前記他方の接続金具上に前記鉛直ドレーン材の上端を重ねるようにセットし、該セットされた鉛直ドレーン材の上端に前記水平ドレーン材の対応部を重ねるようにセットし、
前記上板と前記下板の少なくとも一方を他方の側に平行移動させて、前記一方の接続金具の一対の係止片を前記他方の接続金具の一対の係合孔に差し込んで折り曲げることで前記鉛直ドレーン材の上端と前記水平ドレーン材との重合部を接続するようにしたことを特徴とする接続金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、圧密促進工法等において、鉛直ドレーン材と水平ドレーン材とを接続するドレーン材の接合構造及び接続金具に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良のうち、軟弱地盤の土中間隙水を除去する工法として、軟弱地盤内に打設された鉛直ドレーン材の上端(地表側突出端)を、地表側に配置された帯状の水平ドレーン材の所定位置に接続した後、水平ドレーン材の一端を真空吸引ポンプに接続し、該ポンプの稼働により、軟弱地盤中の間隙水を吸引すると共に、負圧を作用させることで地盤の圧密を促進する工法がある。この圧密促進工法においては、水平ドレーン材がサンドマットの代替材となり、また、浚渫土処分場等では、サンドマットが不要な分だけ受入土量を増大できる利点がある。ところで、この工法において、鉛直ドレーン材と水平ドレーン材との接続構造としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
このドレーン材の接合構造は、
図10に示すように、鉛直ドレーン材1の上端部1aを適宜長さ折り曲げて、水平ドレーン材2の一側面2aの所定位置に重ね合わせ、この重合部の表裏両側に一対の止め金具5,6を当てがい、一方の止め金具に設けた図示しない切り起こし片を重合部越しに他方の止め金具に設けた図示しない孔に入れて曲げ止めすることで、両ドレーン材1,2同士を接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−275880号公報
【特許文献2】特開2006−112037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のドレーン材の接合構造では、一対の止め金具5,6の締め付け度合いによっては、両ドレーン材1,2の重合部が一対の止め金具5,6によって圧潰されて、その通水性に支障をきたすおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、鉛直ドレーン材と水平ドレーン材の重合部を圧潰させることなく簡単に接続することができて、通水性を確実に確保することができるドレーン材の接合構造及び接続金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、軟弱地盤又は浚渫土中に打設された鉛直ドレーン材の上端を前記軟弱地盤又は浚渫土の地表側に配置された水平ドレーン材の所定位置に重ね合わせて、前記両ドレーン材の重合部を一対の接続金具を介して通水可能に接続するドレーン材の接合構造において、前記一対の接続金具の一方の接続金具は、先端側に爪部を形成すると共に、基部側に間隔規制部を形成している少なくとも一対の係止片を有した金属板からなり、前記一対の接続金具の他方の接続金具は、前記一対の係止片を差し込む係合孔を一対有した金属板からなり、前記一方の接続金具の一対の係止片を前記他方の接続金具の一対の係合孔に差し込んで折り曲げることで、前記鉛直ドレーン材の上端と前記水平ドレーン材の所定位置の重合部を通水可能に接続する際に、前記一方の接続金具の一対の係止片の各間隔規制部が前記他方の接続金具に当接して差し込みが規制されることで、前記一対の接続金具間に所定の隙間が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一方の接続金具の少なくとも一対の係止片の各間隔規制部が他方の接続金具に当接して差し込みが規制されることで、一対の接続金具間に所定の隙間が常に形成されることで、鉛直ドレーン材と水平ドレーン材との重合部を圧潰させることなく簡単に接続することができて、通水性を確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態のドレーン材の接合構造の接続状態を示す斜視図である。
【
図2】(a)は上記ドレーン材の接合構造に用いられる一方の接続金具の平面図、(b)は同接続金具の正面図、(c)は同接続金具の底面図、(d)は同図(b)中Y−Y線に沿う断面図である。
【
図3】(a)は上記ドレーン材の接合構造に用いられる他方の接続金具の平面図、(b)は同図(a)中X−X線に沿う断面図、(c)は同図(a)中Y−Y線に沿う断面図である。
【
図4】上記ドレーン材の接合構造の接続前の状態を示す斜視図である。
【
図5】上記ドレーン材の接合構造の接続途中の状態を一部断面で示す側面図である。
【
図6】上記ドレーン材の接合構造の接続途中の状態を示す正面図である。
【
図7】上記ドレーン材の接合構造の接続状態を示す正面図である。
【
図8】上記ドレーン材の接合構造に用いられる鉛直ドレーン材の断面図である。
【
図9】上記ドレーン材の接合構造に用いられる水平ドレーン材の断面図である。
【
図10】従来の鉛直ドレーン材と水平ドレーン材の接続状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態のドレーン材の接合構造の接続状態を示す斜視図、
図2(a)は同ドレーン材の接合構造に用いられる一方の接続金具の平面図、
図2(b)は同接続金具の正面図、
図2(c)は同接続金具の底面図、
図2(d)は
図2(b)中Y−Y線に沿う断面図、
図3(a)はドレーン材の接合構造に用いられる他方の接続金具の平面図、
図3(b)は
図3(a)中X−X線に沿う断面図、
図3(c)は
図3(a)中Y−Y線に沿う断面図、
図4はドレーン材の接合構造の接続前の状態を示す斜視図、
図5はドレーン材の接合構造の接続途中の状態を一部断面で示す側面図、
図6はドレーン材の接合構造の接続途中の状態を示す正面図、
図7はドレーン材の接合構造の接続状態を示す正面図、
図8はドレーン材の接合構造に用いられる鉛直ドレーン材の断面図、
図9はドレーン材の接合構造に用いられる水平ドレーン材の断面図である。
【0012】
図1、
図7に示すように、ドレーン材の接合構造10は、泥上や水深の浅い軟弱地盤11中に所定間隔毎に一列に複数打設された鉛直ドレーン材20の上端20aを軟弱地盤11の地表側に配置された水平ドレーン材30の対応部(所定位置)に重ね合わせて、これら両ドレーン材20,30の重合部Aを一対の接続金具40,50を介して通水可能に接続する構造であり、
図4、
図6に示す接続装置としての圧着機60を用いて接続される。
【0013】
図8に示すように、鉛直ドレーン材20は、合成樹脂製のプラスチックボードであり、通水路を形成する凹凸を有する帯状の芯体21と、この芯体21の両側面に貼付された通水性の一対のフィルタ材22,22と、を備えている。
【0014】
図9に示すように、水平ドレーン材30は、合成樹脂製のプラスチックボードであり、通水路を形成する凹凸を有する帯状の芯体31と、この芯体31の両側面に貼付された通水性の一対のフィルタ材32,32と、を備えている。
【0015】
図2(a)〜(d)に示すように、一対の接続金具40,50のうちの一方の接続金具40は、先端側に爪部43を形成すると共に、基部側に間隔規制部44を形成している一対の係止片42,42を有した矩形の金属板からなる。また、
図3(a)〜(c)に示すように、他方の接続金具50は、一対の係止片42,42が差し込まれる係合孔51,51を一対有した矩形の金属板からなる。
【0016】
図2(a)〜(d)に示すように、一方の接続金具40の中央には、長手方向Lに延びる矩形の切欠き孔41が形成されており、この切欠き孔41の相対向する両側に一対の係止片42,42が切り起こし形成されている。この各係止片42は、先端頂部43aが三角形の幅狭矩形状に形成された爪部43と、両側上部において爪部43側に向かって狭まるように傾斜した一対のテーパ部44a,44aを有する幅広矩形状に形成された間隔規制部44と、を備えている。
【0017】
図3(a)〜(c)に示すように、他方の接続金具50は、一方の接続金具40と同厚及び同サイズに形成されており、一方の接続金具40の一対の係止片42,42に対向する位置に一対の係合孔51,51が形成されている。この各係合孔51は、長手方向Lと直交する方向Rに延びるように矩形に形成されており、その幅Wは、係止片42の爪部43の幅Waよりも大きく、かつ、係止片42の間隔規制部44の幅Wbより小さくなっている(Wa<W<Wb)。これにより、一方の接続金具40の一対の係止片42,42を他方の接続金具50の一対の係合孔51,51に差し込んで折り曲げることで、鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30の対応部(所定位置)との重合部Aを通水可能に接続する際に、即ち、一方の接続金具40の一対の係止片42,42が他方の接続金具50の一対の係合孔51,51に差し込まれた際に、
図5に示すように、各係止片42の間隔規制部44のテーパ部44aが各係合孔51の縁部51aに突き当たって差し込みが規制されることで、一対の接続金具40,50間に所定の隙間Hが形成されるようになっている。詳述すると、一対の接続金具40,50間の所定の隙間Hは、鉛直ドレーン材20と水平ドレーン材30の合計の厚みQよりも若干薄く(狭く)なるように設定されており(H<Q)、少なくとも水平ドレーン材30の厚み分以上の隙間が形成されるようになっている。
【0018】
図4、
図6に示すように、鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30の対応部(重合部A)を接続する圧着機(接続装置)60は、一方の接続金具40を保持する収容凹溝部61aを有した可動板としての上板61と、他方の接続金具50を保持する収容凹溝部63aを有した固定板としての下板63と、上板61を昇降動させる駆動手段としての油圧シリンダ64と、これらが取り付けられている昇降可能な支持部材65と、を備えている。
【0019】
上板61の収容凹溝部61aは、収容されて保持される一方の接続金具40の板厚と同じ深さの凹みに形成されている。そして、この上板61の収容凹溝部61a内には、一方の接続金具40の一対の係止片42,42を下にしてセットされるようになっている。また、収容凹溝部61a内には、一方の接続金具40をセットした時に、一方の接続金具40が落下しないように一対の磁石62,62が取り付けられている。
【0020】
また、下板63の収容凹溝部63aは、収容されて保持される他方の接続金具50の板厚と同じ深さの凹みに形成されている。また、下板63の収容凹溝部63aには、セットされた他方の接続金具50の一対の係合孔51,51に対向する位置に他方の接続金具50の一対の係合孔51,51に貫通した一方の接続金具40の一対の係止片42,42の各爪部43を互いに対向する方向に折り曲げることができるように加締め用凹部63bが設けられている。
【0021】
図6に示すように、支持部材65は、起立部65aと上部65bと下部65cとで、側面コ字状の形成されており、上部65bの中央に、油圧シリンダ64が取り付けられている。そして、油圧シリンダ64のシリンダロッド64aの先端に上板61が取り付けられている。また、支持部材65の下部65cには、下板63が固定されている。
【0022】
尚、
図1に示すように、水平ドレーン材30の一端30a側は、U字状に折り曲げられ、かつ粘着テープTで覆われていて、水平ドレーン材30の一端30a側が泥水等に汚れたり、泥水や海水等の水が内部に浸入しないようにしてある。
【0023】
以上実施形態のドレーン材の接合構造10によれば、
図1に示すように、軟弱地盤11中に打設されてその地表側に露出した鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30の対応部とを接続する場合に、まず、圧着機60の上板61の収容凹溝部61aに磁石62を介して一方の接続金具40を一対の係止片42,42を下にして着磁させてセットし、次に、下板63の収容凹溝部63aに他方の接続金具50をセットする。
【0024】
そして、他方の接続金具50上に鉛直ドレーン材20の上端20aの下面を重ねるようにセットし、このセットされた鉛直ドレーン材20の上端20aの上面に水平ドレーン材30の対応部の下面を重ねるようにセットする。
【0025】
次に、
図6に示すように、上板61を下降させて、一方の接続金具40の一対の係止片42,42を他方の接続金具50の一対の係合孔51,51に差し込んで貫通させ、上板61を更に下降させることで、一方の接続金具40の一対の係止片42,42の各爪部43を下板63の一対の加締め用凹部63b.63aで互いに対向する方向に折り曲げることにより、
図7に示すように、鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30の対応部とを一対の接続金具40,50間で接続する。
【0026】
このように、鉛直ドレーン材20を下側にして該鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30の対応部とを一対の接続金具40,50間で挟み込んで接続するので、鉛直ドレーン材20と水平ドレーン材30との重合部Aが外れることがない。
【0027】
また、一方の接続金具40の一対の係止片42,42の各間隔規制部44のテーパ部44aが他方の接続金具50の各係合孔51の縁部51aに当接して差し込みが規制されることで、一対の接続金具40,50間に少なくとも水平ドレーン材30の厚み分以上の隙間Hが常に形成されるため、鉛直ドレーン材20と水平ドレーン材30との重合部Aを締め付けすぎずに簡単に接続することができて、通水性を確実に確保することができる。
【0028】
さらに、間隔規制部44のテーパ部44aが係合孔51の縁部51aに当接するため、例えば、何らかの要因により、鉛直ドレーン材20と水平ドレーン材30との合計の厚みにバラ付きが生じてもテーパ部44aで確実に吸収することができる。即ち、一対の接続金具40,50間の隙間Hを両ドレーン材20,30が圧潰・圧損しない間隔になるように常に形成することができる。これにより、鉛直ドレーン材20と水平ドレーン材30との重合部Aの圧潰・圧損を確実に防止することができ、通水性を簡単かつ確実に確保することができる。
【0029】
さらに、鉛直ドレーン材20の上端20aと水平ドレーン材30の対応部とを接続する際に、油圧で上板61を下板63に昇降動させる簡単な構造の圧着機60を用いるので、両ドレーン材20,30を短時間で効率的に接続することができる。
【0030】
尚、前記実施形態によれば、一方の接続金具に一対の係止片を形成したが、二対の係止片を形成しても良く、また、圧着機の下板側に鉛直ドレーン材をセットし、その上に水平ドレーン材をセットしたが、圧着機の下板側に水平ドレーン材をセットし、その上に鉛直ドレーン材をセットしても良い。
【0031】
また、前記実施形態によれば、圧着機の上板を可動させ、下板を固定させたが、下板を可動させ、上板を固定させたり、上下板を可動させるようにしても良い。
【0032】
さらに、前記実施形態によれば、泥上や水深の浅い軟弱地盤中に打設された鉛直ドレーン材の上端と軟弱地盤の地表側に配置された水平ドレーン材の接続について説明したが、浚渫土中に打設された鉛直ドレーン材の上端と浚渫土の地表側に配置された水平ドレーン材の接続に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
10 ドレーン材の接合構造
11 軟弱地盤
20 鉛直ドレーン材
20a 上端
30 水平ドレーン材
40,50 一対の接続金具
40 一方の接続金具
42,42 一対の係止片
43 爪部
43a 先端頂部
44 間隔規制部
44a テーパ部
50 他方の接続金具
51,51 一対の係合孔
60 圧着機(接続装置)
61 上板(可動板)
61a 収容凹溝部
63 下板(固定板)
63a 収容凹溝部
H 一対の接続金具間の隙間