(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-94489(P2020-94489A)
(43)【公開日】2020年6月18日
(54)【発明の名称】排水口用ヘアキャッチャー
(51)【国際特許分類】
E03C 1/264 20060101AFI20200522BHJP
【FI】
E03C1/264
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-45527(P2020-45527)
(22)【出願日】2020年3月16日
(62)【分割の表示】特願2016-161854(P2016-161854)の分割
【原出願日】2016年7月6日
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】橋村 明
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA02
2D061DE15
(57)【要約】
【課題】毛髪、ごみ等を捕捉し得る排水口用ヘアキャッチャーを提供する。
【解決手段】椀状の凹陥部2の上端縁全周にフランジ部3を設けている。凹陥部2の底面2bの周囲から上方に立ち上がる周壁面2cは、内径が徐々に拡開した擂鉢状に形成されている。凹陥部2の底面2bの中央部から内部を空胴とし、例えば円錐状とした筒部4が上方に向けて立ち上げられ、その頂部4aはフランジ部3よりも高く形成され、頂部4a上には摘み部5が設けられている。凹陥部2の周壁面2c、底面2b、筒部4の周面4bには、多数個の通水孔6が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口の金具に取り付け、排水中に含まれる毛髪又はごみを捕捉する排水口用ヘアキャッチャーであって、
上面を開放する椀状の凹陥部と、該凹陥部の上周縁に外方に張り出すフランジ部と、前記凹陥部の底面の中央部から上方に前記フランジ部よりも高く立ち上げた中空状の筒部と、該筒部の頂部に設けた摘み部とから成り、前記凹陥部の周壁面、底面、前記筒部の周面には排水用の多数の通水孔を形成し、
前記摘み部は、前記筒部に対して取り外し可能であって、前記凹陥部の径より大きい径を有する円盤体であることを特徴とする排水口用ヘアキャッチャー。
【請求項2】
前記周壁面に縦枠と円環状の横枠とを格子状に配置し、前記縦枠は上下方向に沿って互いが等間隔に配置されており、前記縦枠と前記横枠間が前記通水孔とされていることを特徴とする請求項1に記載の排水口用ヘアキャッチャー。
【請求項3】
前記縦枠は、前記凹陥部の半径方向に幅広である縦枠と、幅狭である縦枠とが交互に配列されていることを特徴とする請求項2に記載の排水口用ヘアキャッチャー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台等の排水口に取り付け、排水と共に排水口へ流れ込む毛髪、ごみ等を捕捉し、排水管の詰まりを防止するための排水口用ヘアキャッチャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗面台等の排水口には排水口金具が取り付けられ、排水口金具は排水管と接続されている。従来からも、この排出口に特許文献1のようなヘアキャッチャーを取り付けて、毛髪、ごみ等を捕捉することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1464380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来のヘアキャッチャーは、捕捉した毛髪、ごみ等を除去するには、ヘアキャッチャーを排水口から取り外さなければならず、取り外しの手間を要する問題点がある。
【0005】
また、使用中にヘアキャッチャーの内部が毛髪、ごみ等で満杯になると、水が通過し難くなって排水が困難となり、洗面台内に水が溜ってしまうという問題点もある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、排水口等から取り外し易く、しかも毛髪、ごみ等で満杯となっても、排水が可能な排水口用ヘアキャッチャーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る排水口用ヘアキャッチャーは、排水口の金具に取り付け、排水中に含まれる毛髪又はごみを捕捉する排水口用ヘアキャッチャーであって、上面を開放する椀状の凹陥部と、該凹陥部の上周縁に外方に張り出すフランジ部と、前記凹陥部の底面の中央部から上方に前記フランジ部よりも高く立ち上げた中空状の筒部と、該筒部の頂部に設けた摘み部とから成り、前記凹陥部の周壁面、底面、前記筒部の周面には排水用の多数の通水孔を形成し、前記摘み部は、前記筒部に対して取り外し可能であって、前記凹陥部の径より大きい径を有する円盤体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る排水口用ヘアキャッチャーは、筒部の通水孔の上部は毛髪やごみにより覆われることがないので使用中に排水不能となる虞れも少ない。取り外し可能であって、凹陥部の径より大きい径を有する円盤状の摘み部を採用することで、凹陥部内に溜まった毛髪、ごみ等が気にならなくなり、不快に感じることがない。また、摘み部を持つことにより排水口からの取り外しが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例の排水口用ヘアキャッチャーを上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は排水口用ヘアキャッチャーを上方から見た斜視図、
図2は下方から見た斜視図、
図3は断面図である。
【0011】
この排水口用ヘアキャッチャー1は、例えば合成樹脂材料により一体成型されており、大きさは直径4cm、高さ1.5cm程度であり、適宜のサイズのものを用意し、排水口の径の大きさに応じたサイズのものを使用することになる。
【0012】
ヘアキャッチャー1は上面を開放した椀状の凹陥部2の上端周縁2aに、外側方に張り出すフランジ部3が設けられており、このフランジ部3は周縁が低くなる伏皿状の平坦面に形成されている。
【0013】
凹陥部2の底面2bの周囲から上方に立ち上がる周壁面2cは、内径が徐々に拡開した擂鉢状に形成されている。そして、周壁面2cの下端に連続する底面2bの中央部から、例えば円錐状の内部を空胴とした筒部4が上方に向けて立ち上げられ、その頂部4aはフランジ部3よりも高く形成され、頂部4a上には摘み部5が設けられている。なお、筒部4の形状は、円錐状以外にも円柱状等の適宜の形状を採択することができる。
【0014】
凹陥部2の周壁面2c及び底面2bは、縦枠2eと円環状の横枠2fとを格子状に配置した網構造をしている。縦枠2eは、凹陥部2の周壁面2c、底面2bに渡って、上下方向に沿って互いが等間隔に設けられている。そして、周壁面2cの縦枠2eは、凹陥部2の半径方向に幅広である縦枠と、幅狭である縦枠とが交互に等間隔で配列されている。
【0015】
また、縦枠2eを連結するように円環状の複数本の横枠2fが、水平方向に等間隔に設けられており、これらの縦枠2eと横枠2f間に多数の通水孔6が配置されることになる。
【0016】
また、底面2bの円環枠2dから筒部4の周面4bに、上下方向に沿って複数本の縦枠4cが配列され、更に円環状の複数本の横枠4dが形成され、縦枠4eと横枠4d間が通水孔6とされている。なお、縦枠4eは横枠4dを超えて上方にゆくにつれ、その本数は少なくなっている。
【0017】
通水孔6の形状は、毛髪、ごみ等を捕捉し、水を濾過する作用を有すればよく、実施例では縦長で横幅の狭小な長溝としているが、その形状は他の形状であってもよい。
【0018】
本発明に係る排水口用ヘアキャッチャーを使用するには、洗面台の底部の排水口に嵌め込んだ排水口金具の上端縁に、このヘアキャッチャー1のフランジ部3の下面を載置し、凹陥部2は排水口金具内の空間部内に位置し、筒部4の上部及び摘み部5はフランジ部3よりも上方に突出されている。
【0019】
上方からヘアキャッチャー1内に落下した水は、凹陥部2に流れ込み、水に含まれる毛髪、ごみ等が凹陥部2内で捕捉され、水は周壁面の周壁面2c、底面2b、筒部4の周面4bに設けられた通水孔6を通過して濾過され、下方の排水管に排水される。
【0020】
周壁面2c内に或る程度の毛髪、ごみ等が溜まったら、摘み部5を手で持って、ヘアキャッチャー1を排水口から持ち上げて取り出し、逆さにして凹陥部2の内側の毛髪、ごみ等を落下させて除去し、元に戻せばよい。
【0021】
使用中に、凹陥部2内の縦枠2eに貼り付くように毛髪、ごみ等が溜まった場合でも、交互に配置した周壁面2cの幅広の縦枠と幅狭の縦枠の構造によって、通水孔6手前の空隙が確保され、排水がし易くなる。
【0022】
更に、使用を継続することで凹陥部2内が毛髪、ごみ等により満杯になって、前述の通水孔6手前の空隙を含む凹陥部2での排水処理では、排水が追いつかなくなった場合においても、筒部4はフランジ部3よりも高い位置にあるので、この筒部4の上部の通水孔6は毛髪やごみにより覆われることなく、筒部4内に水が流れ込むので、ヘアキャッチャー1が排水不能の状態になることはない。
【0023】
なお、摘み部5は蓋部を有する円柱体を図示しているが、円柱体以外にもキャラクタ等のマスコット体を摘み部5として採用してもよい。更には、筒部4に対して取り外し可能な凹陥部2の径より大きい径を有する円盤体を摘み部5として採用することもできる。この円盤体を有する摘み部5を筒部4に取り付けることで、凹陥部2内に溜まった毛髪、ごみ等が気にならなくなり、不快に感じることがない。
【符号の説明】
【0024】
1 排水口用ヘアキャッチャー
2 凹陥部
2b 底面
2c 周壁面
3 フランジ部
4 筒部
4a 頂部
4b 周面
5 摘み部
6 通水孔