【解決手段】レンズ体をその光軸方向へ移動させる合焦ユニット2と、レンズ体を通して入射する光の受光面を備えている撮像素子19又は合焦ユニットの少なくとも一方を移動させて撮像素子に入射する光の振れを補正する手振れ補正ユニット3と、光軸方向の前側にハウジング前側壁4aを備えていて、合焦ユニット及び手振れ補正ユニットの外側に配置されたハウジング4と、を備え、合焦ユニットは、光軸方向の前側に合焦ユニット前側壁を備え、合焦ユニット前側壁5aは、レンズ体に光が入射するための挿通孔の周囲に設けられた露出部5cと露出部に対して光軸方向の後側に向けて窪む窪み部9を備えており、窪み部とハウジング前側壁の光軸方向の後側面が対向している手振れ補正装置。
前記合焦ユニットは、前記窪み部で前記ハウジングに固定されており、前記手振れ補正ユニットは、前記合焦ユニットに対して前記撮像素子を前記光軸と直交する方向に移動させる
請求項1記載の手振れ補正装置。
前記窪み部と前記ハウジングとは所定の隙間を空けて配置されているとともに、前記撮像素子は前記ハウジングと固定的に結合されており、前記手振れ補正ユニットは、前記撮像素子に対して前記合焦ユニットを前記光軸と直交する方向に移動させる
請求項1記載の手振れ補正装置。
前記窪み部と前記ハウジングとは所定の隙間を空けて配置されているとともに、前記撮像素子と前記合焦ユニットは固定的に結合されており、前記手振れ補正ユニットは、前記レンズ体の光軸を傾ける
請求項1記載の手振れ補正装置。
前記合焦ユニットは、合焦ユニットハウジングを有し、前記合焦ユニットハウジングは、前記レンズ体を収容するための収容空間部を形成しているとともに、前記挿通孔、前記露出部及び前記窪み部を有している
請求項1記載の手振れ補正装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。
【0011】
[第一実施形態]
本第一実施形態の手振れ補正装置1Aは、
図1〜
図3に示すように、合焦ユニット2と、手振れ補正ユニット3と、ハウジング4と、を備えている。ハウジング4は後述する光軸方向23の前側にハウジング前側壁4aを有し、ハウジング4の光軸方向23の後側に底板20が配置されている。ハウジング4は、ハウジング前側壁4aと底板20との間に空間部を構成し、この中に合焦ユニット2と手振れ補正ユニット3を収容している。合焦ユニット2は、レンズ体(不図示)をその光軸方向へ移動させるためのものである。手振れ補正ユニット3は、本第一実施形態では前記レンズ体を通して入射する光の受光面を備えている撮像素子19を前記光軸方向に直交する方向に移動させる。
【0012】
本第一実施形態の合焦ユニット2は、
図2、
図3に示すように、合焦ユニットハウジング5、底板10、合焦用コイル部7、合焦用磁石部8、及び図示しないレンズ支持体と図示しない板ばねを備えている。
【0013】
本第一実施形態の手振れ補正ユニット3は、
図2、
図3に示すように、導線11、スプリング12、磁石固定板13、手振れ補正用磁石部14、手振れ補正用コイル部15、ワイヤ部材16、回路基板17、基板18、撮像素子19を備えている。
【0014】
以下、
図1に示すように、図示しないレンズ体の光軸方向と撮像素子19の受光面の法線方向は実質的に一致しており、これを光軸方向23とし、光軸方向23に直交すると共に互いに直交する方向をX軸方向24及びY軸方向25としている。また、光軸方向23で光が入射してくる側(
図1の上側)を前側、結像する側(
図1の下側)を後側としている。撮像素子19の受光面は、X軸方向24及びY軸方向25に広がる平面である。
【0015】
本第一実施形態の合焦ユニット2では、合焦ユニットハウジング5は、光軸方向23の前側に配置された合焦ユニット前側壁5aと合焦ユニット前側壁5aの外側縁から後側へ伸びる外周壁5bとを有し、光軸方向23から見て四角形状の箱状に形成されている。合焦ユニットハウジング5は、磁性体又は非磁性体で形成することができる。また、底板10は、光軸方向23から見て四角形状の板状に形成されている。底板10の外側縁に合焦ユニットハウジング5の外周壁5bの後端が取り付けられて内側の収容空間部が形成される。この収容空間部内に前記レンズ体を支持しているレンズ支持体(不図示)が収容されている。
【0016】
合焦ユニットハウジング5の合焦ユニット前側壁5aの中央側には、前記レンズ体に向かう光が通る挿通孔6が設けられている。また、合焦ユニット前側壁5aの挿通孔6の周囲には、露出部5cと露出部5cから光軸方向23の後側に向けて窪む窪み部9が形成されている。本第一実施形態では、窪み部9は、
図2に示すように、合焦ユニット前側壁5aの前記四角形状の各角部に形成されている。収容空間部において、各窪み部9の後側面には、図示しない板ばねが取り付けられていて、レンズ支持体を光軸方向23に移動可能に支持している。
【0017】
合焦用磁石部8は、4個の磁石片8aからなり、各磁石片8aは、合焦ユニットハウジング5の内周壁に所定の間隔を空けて配置されている。
【0018】
合焦用コイル部7は、合焦用磁石部8の内周形状に合わせて環状に形成されており、前記レンズ支持体の外周壁に各磁石片8aと間隔を空けて配置されている。合焦用コイル部7に通電することで、合焦用コイル部7に発生する電磁力によって合焦ユニット2が備えている前記レンズ支持体が光軸方向23へ移動可能となる。
【0019】
ハウジング4は、光軸方向23の前側に配置されたハウジング前側壁4aとハウジング前側壁4aの外側縁から後側へ伸びる外周壁4bとを有し、光軸方向23から見て四角形状の箱状に形成されている。ハウジング4は、磁性体又は非磁性体で形成することができる。また、底板20は、光軸方向23から見て四角形状の板状に形成されている。底板20の外側縁にハウジング4の外周壁4bの後端が取り付けられて内側の空間部が形成される。ハウジング4のハウジング前側壁4aの中央側には、合焦ユニット2の合焦ユニット前側壁5aの露出部5cが露出する挿通孔4cが設けられている。挿通孔4cは、光軸方向23から見て八角形状に形成されている。ハウジング4のハウジング前側壁4aの前記四角形状の各角部は、三角形状の天板部22が設けられている。天板部22は窪み部9の形成位置に対応して形成されている。また、ハウジング前側壁4aの各天板部22の間には、天板部22よりも後側に凹んだ天板間部26が設けられている。
【0020】
ハウジング4と合焦ユニット2は、合焦ユニット2の窪み部9と、ハウジング前側壁4aの後側面が対向するように組み合わされる。すなわち、合焦ユニット2の窪み部9の前側面と、ハウジング4の天板部22の後側面とが対向する。
【0021】
次に、手振れ補正ユニット3について説明する。
図2、
図3に示すように、天板間部26の後側の面に、手振れ補正ユニット3の金属製のスプリング12と、FPC(Flexible Printed Circuits)からなる導線11とが取り付けられている。導線11を介して手振れ補正用コイル部15への給電が行われる。
【0022】
スプリング12は、四角環状の薄板状に形成され、各辺の中央部には幅広部が設けられている。また、各角部にはワイヤ部材16を固定するための固定用孔が設けられている。
【0023】
導線11もスプリング12と同様に、四角環状の薄板状に形成され、各辺の中央部には幅広部が設けられている。各角部にはワイヤ部材16を取り付けるための取り付け部である固定用孔が設けられている。図示していないが、幅広部からコイル接続部が光軸方向23の後方へ伸びており、前記コイル接続部はハウジング4の側壁の後端から露出する。
【0024】
スプリング12の幅広部は導線11の幅広部を介してハウジング4の天板間部26の後側の面に固定される。従って、幅広部以外のスプリング12及び導線11は宙に浮いた状態となる。
【0025】
回路基板17は、FPCで構成され、外部と撮像素子19とを電気的に接続するものであり、
図2、
図3に示すように、平板17aと側板17bを有する。本第一実施形態では、側板17bは、平板17aの対向する二つの辺のそれぞれから光軸方向23の前側へ立上り、X軸方向24及びY軸方向25に伸びている。各側板17bの端部17dは、ハウジング4の側壁の内側に取り付けられ、
図1に示すように、ハウジング4の側壁の後端から外部に露出している。導線11を用いずに、手振れ補正用コイル部15への給電も回路基板17によって行ってもよい。
【0026】
撮像素子19が実装されている基板18は
図3に示すように、平板17aの前側面に固定され、各側板17bを介して通電される。また、基板18の後側面に金属板17cが取り付けられている。金属板17cは、回路基板17の放熱を行う。
【0027】
手振れ補正用コイル部15は、
図3に示すように、光軸方向23から見て環状で四角形状の板状体であり、撮像素子19の周囲である基板18の前側面に取り付けられている。本第一実施形態では、手振れ補正用コイル部15は、撮像素子19を間に挟んで、一組の第一コイル15a、15aと、一組の第二コイル15b、15bと、が配置されて構成される。各第一コイル15aと第二コイル15bは、撮像素子19の中心を中心として90度の間隔で交互に配置されている。さらに、各辺に配置される第一コイル15aと第二コイル15bはそれぞれ二つのコイル片で構成されている。手振れ補正用コイル部15の四つの角部にはそれぞれ、
図3に示すように、ワイヤ部材16を固定するための固定用孔が設けられている。この固定用孔は基板18の外側に位置するように設けられる。
【0028】
手振れ補正用磁石部14は、各第一コイル15aに対向する第一磁石14aと、各第二コイル15bに対向する第二磁石14bとを備えている。本第一実施形態では、手振れ補正用磁石部14は、光軸方向23から見て四角形状の棒状体の一組の第一磁石14a、14aと、一組の第二磁石14b、14bと、を備え、磁石固定板13の後側面に固定されている。第一磁石14aは光軸方向23で第一コイル15aに対向し、第二磁石14bは光軸方向23で第二コイル15bに対向している。また、各第一磁石14aと各第二磁石14bは、撮像素子19の中心を中心として90度の間隔で交互に配置されている。
【0029】
第一コイル15aに通電することで、第一コイル15aに発生する電磁力によって撮像素子19を実装した基板18をY軸方向25へ移動させる駆動力が生成される。第二コイル15bに通電することで、第二コイル15bに発生する電磁力によって撮像素子19を実装した基板18をX軸方向24へ移動させる駆動力が生成される。また、各第一コイル15aと各第二コイル15bの二つのコイル片に、逆向きの電磁力が発生するように電流を印加することにより、光軸方向23を軸方向にして撮像素子19を実装した基板18を回動させる駆動力が生成される。
【0030】
本第一実施形態では、
図3に示すように、各ワイヤ部材16の光軸方向23の前側の端部が導線11の前記固定用孔と、スプリング12の前記固定用孔に嵌められ固定されている。この際、ワイヤ部材16は導線11と電気的に接続されるが、スプリング12とは電気的に接続されないようにする。また、各ワイヤ部材16の光軸方向23における後側の端部が、手振れ補正用コイル部15の前記固定用孔に嵌められて固定され、ワイヤ部材16は手振れ補正用コイル部15と電気的に接続される。各ワイヤ部材16は、ハウジング4と、撮像素子19を実装した基板18とを連結し、撮像素子19を実装した基板18をハウジング4に対してX軸方向24、Y軸方向25へ移動可能に支持する。
【0031】
本第一実施形態では、合焦ユニット2の各窪み部9の前側面が、ハウジング4の各天板部22の後側面に固定される。また、手振れ補正ユニット3の磁石固定板13の前側面が、合焦ユニット2の底板10に固定される。即ち、手振れ補正装置1Aは、合焦ユニット2が、窪み部9でハウジング4に固定されており、手振れ補正ユニット3は、合焦ユニット2に対して撮像素子19を光軸と直交する方向に移動させるように構成されている。
【0032】
これによって、本第一実施形態の手振れ補正装置1Aは、露出部5cと窪み部9の段差の分と、従来設けていたハウジングと合焦ユニットとの間の隙間の分だけ、ハウジング4のハウジング前側壁4aの位置を後側に設けることができる。これによって、露出部5cの前側面と天板部22の前側面とが、
図1及び
図3に示すように、ほぼ面一となるようにすることもできる。このとき、露出部5cと窪み部9の段差とハウジング4の厚さはほぼ同じである。このため、手振れ補正装置1Aの光軸方向23の寸法を小さくでき、スマートフォン等の厚さが薄い電子機器に搭載可能な薄型の手振れ補正装置1Aが実現できる。
【0033】
次に、
図4を参照して本第一実施形態の変形例の手振れ補正装置1Bについて説明する。なお、
図4〜
図6において、合焦ユニット2は、挿通孔6以外の内部構造は省略して描かれている。この変形例においては、手振れ補正用磁石部14、手振れ補正用コイル部15、及びワイヤ部材16は用いられずに、SMAワイヤ29が用いられる。SMAワイヤ29は、形状記憶合金(Shape Memory Alloy)製の伸縮可能な線材であり、電流の印加による温度変化に伴って伸長、収縮する。その他の構成については、手振れ補正装置1Aと同様である。
【0034】
図4に示すように、ハウジング4は、底板20の外縁部に固定され、合焦ユニット2は、その窪み部9の前側面がハウジング4のハウジング前側壁4aの後側面と対向し固定される。合焦ユニット2の後端部に手振れ補正ユニット3が固定される。手振れ補正ユニット3は、合焦ユニット2の後端部に固定される固定側ベース28と、固定側ベース28上を滑動する載置台27と、固定側ベース28と載置台27とを連結する4本のSMAワイヤ29と、を有する。固定側ベース28は、四角形状の載置台27よりも大きい四角形状をなしており、SMAワイヤ29は、この四角形状の各辺に配置されている。即ち、固定側ベース28の前側面の外周端部にSMAワイヤ29の一端が固定され、載置台27の外縁にSMAワイヤ29の他端が固定されている。4本のSMAワイヤ29は、90度の間隔を空けて配置される。撮像素子19を実装した基板18が載置台27の前側面に固定される。
【0035】
通電によって各SMAワイヤ29が伸縮すると、基板18に実装された撮像素子19は、載置台27とともに、固定側ベース28に対してX軸方向24、Y軸方向25へ直進移動し、及び光軸方向23を軸方向として回動する。
【0036】
これによって、この変形例の手振れ補正装置1Bは、露出部5cと窪み部9の段差の分と、従来設けていたハウジングと合焦ユニットとの間の隙間の分だけ、ハウジング4のハウジング前側壁4aの位置を後側に設けることができる。このため、手振れ補正装置1Bの光軸方向23の寸法を小さくでき、スマートフォン等の厚さが薄い電子機器に搭載可能な薄型の手振れ補正装置1Bが実現できる。
【0037】
[第二実施形態]
図5を参照して本第二実施形態を説明する。第一実施形態と共通する構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
本第二実施形態の合焦ユニット2は、第一実施形態の合焦ユニット2と同形状である。手振れ補正ユニット3は、手振れ補正装置1Bの手振れ補正ユニット3と同様のSMAワイヤ29を用いて、撮像素子19に対して合焦ユニット2を光軸方向23に直交する方向に移動させる。ハウジング4は、第一実施形態のハウジング4とほぼ同様形状である。但し、天板間部26については、設けなくてもよいし、天板部22との間に段差を設けなくてもよい。
【0039】
ハウジング4は、底板20の外縁部に固定され、撮像素子19が実装されている基板18は、底板20の前側面に固定される。また、合焦ユニット2は、手振れ補正ユニット3の前側に固定され、手振れ補正ユニット3は、底板20の前側面に固定される。その結果、窪み部9とハウジング4とは所定の隙間を空けて配置される。本第二実施形態では、窪み部9の前側面とハウジング前側壁4aの後側面とが所定の隙間を空けて対向し、ハウジング前側壁4aは、合焦ユニットハウジング5の露出部5cと窪み部9との間の段差部とも所定の隙間を空けて配置されている。また、撮像素子19はハウジング4と固定的に結合されることになる。
【0040】
手振れ補正ユニット3は、固定側ベース28と、固定側ベース28上を滑動する載置台27と、を有し、載置台27と固定側ベース28を4本のSMAワイヤ29が連結している。載置台27は、環状の薄板状に形成され、中央に撮像素子19に向かう光が通る挿通孔27aが設けられている。載置台27の前側面に合焦ユニット2が固定されている。固定側ベース28は、中央に撮像素子19に向かう光が通る挿通孔28aが設けられた箱状の形状をしており、箱状の後側端部が底板20に固定されている。
【0041】
固定側ベース28の前側面の外周端部にSMAワイヤ29の一端が固定され、載置台27の外縁にSMAワイヤ29の他端が固定されている。4本のSMAワイヤ29は、90度の間隔を空けて配置される。
【0042】
通電によって各SMAワイヤ29が伸縮すると、載置台27に固定された合焦ユニット2は載置台27とともに、撮像素子19に対してX軸方向24、Y軸方向25へ移動する。
【0043】
本第二実施形態では、合焦ユニット2の窪み部9と、露出部5cと窪み部9の段差部とに、ハウジング4の天板部22が光軸方向23、X軸方向24及びY軸方向25に所定の隙間を空けて配置されて手振れ補正装置1Cを構成している。光軸方向23の隙間は、合焦ユニット2が移動する際にハウジング4と接触しないようにするための隙間であり、X軸方向24及びY軸方向25の隙間は、この中で合焦ユニット2が移動するための隙間である。
【0044】
これによって、本第二実施形態の手振れ補正装置1Cは、露出部5cと窪み部9の段差の分だけ、ハウジング4のハウジング前側壁4aの位置を後側に設けることができる。このため、手振れ補正装置1Cの光軸方向23の寸法を小さくでき、スマートフォン等の厚さが薄い電子機器に搭載可能な薄型の手振れ補正装置1Cが実現できる。
【0045】
[第三実施形態]
図6を参照して本第三実施形態を説明する。第一実施形態及び第二実施形態と共通する構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
本第三実施形態では、撮像素子19と合焦ユニット2は固定的に結合されており、手振れ補正ユニット3は、撮像素子19と一緒に合焦ユニット2を、光軸を傾けるように回動させる。手振れ補正ユニット3は底板20に固定され、ハウジング4も底板20に固定される。そのとき、窪み部9とハウジング4とは所定の隙間を空けて配置される。本第三実施形態では、第二実施形態と同様に、窪み部9の前側面とハウジング前側壁4aの後側面とが所定の隙間を空けて対向し、ハウジング前側壁4aは、合焦ユニットハウジング5の露出部5cと窪み部9との間の段差部とも所定の隙間を空けて配置されている。
【0047】
合焦ユニット2は、第一実施形態の合焦ユニット2と同形状である。合焦ユニット2は、撮像素子19を実装した基板18に固定される。
【0048】
手振れ補正ユニット3は、手振れ補正用磁石部14、手振れ補正用コイル部15、及び2軸傾斜支持体30を備えている。2軸傾斜支持体30は、底板20に対して基板18を傾き可能に支持するもので、いわゆるジンバル等がその概念に含まれる。
【0049】
2軸傾斜支持体30は、後側が底板20に固定され、前側が基板18に固定され、基板18を底板20に対して、X軸方向24回り及びY軸方向25回りに回動自在に支持する。手振れ補正用磁石部14が基板18の後側面に固定され、手振れ補正用コイル部15が底板20の前側面に、手振れ補正用磁石部14と対向するように固定されている。
【0050】
手振れ補正用コイル部15に通電すると、光軸方向23の電磁力が生成され、2軸傾斜支持体30を中心として合焦ユニット2と撮像素子19が一緒に、光軸が傾くように回動する。
【0051】
本第三実施形態では、撮像素子19と合焦ユニット2は固定的に結合されている。また、ハウジング4の底板20に固定されている手振れ補正ユニット3が、撮像素子19と一緒に合焦ユニット2を、光軸を傾けるように回動させる。そして、合焦ユニット2の窪み部9と、露出部5cと窪み部9の段差部とに、ハウジング4の天板部22が光軸方向23、X軸方向24及びY軸方向25に所定の隙間を空けて配置されて手振れ補正装置1Dを構成している。光軸方向23、X軸方向24及びY軸方向25の隙間は、合焦ユニット2が回動するための隙間である。
【0052】
これによって、本第三実施形態の手振れ補正装置1Dは、露出部5cと窪み部9の段差の分だけ、ハウジング4のハウジング前側壁4aの位置を後側に設けることができる。このため、手振れ補正装置1Dの光軸方向23の寸法を小さくでき、スマートフォン等の厚さが薄い電子機器に搭載可能な薄型の手振れ補正装置1Dが実現できる。
【0053】
なお、第一〜第三実施形態において、手振れ補正ユニット3の駆動力として、手振れ補正用磁石部14と手振れ補正用コイル部15による電磁力や、SMAワイヤ29の伸縮を例示したが、圧電素子を利用するようなものであってもよい。また、手振れ補正ユニット3の支持案内機構として、ワイヤ部材16、SMAワイヤ29、ジンバルのような2軸傾斜支持体30を例示したが、ボール等の転動部材を用いるものや案内軸を用いるものでもよい。また、単なるピボットなどでもよい。
【0054】
また、合焦ユニット2の駆動力として、合焦用コイル部7と合焦用磁石部8による電磁力を例示したが、圧電素子やSMAを用いたようなものであっても構わない。また、合焦用磁石部8と手振れ補正用磁石部14とを共用するような構成であってもよい。
【0055】
また、合焦ユニット2の窪み部9は、合焦ユニット前側壁5aの前記四角形状の各角部に設けたが、例えば、全周にわたって設けてもよい。それに伴って、この窪み部9に対向するハウジング4のハウジング前側壁4aも全周にわたって設けてもよいし、例えば、各角部のみに設けてもよい。
【0056】
[カメラ装置、電子機器の実施形態]
上述した各実施形態の手振れ補正装置1A、1B、1C、1Dは、カメラ装置やスマートフォン等の電子機器に組み込まれる。各手振れ補正装置は、合焦ユニット2と、手振れ補正ユニット3と、ハウジング前側壁4aを有するハウジング4と、を備え、合焦ユニット2は、光軸方向23の前側に合焦ユニット前側壁5aを備え、合焦ユニット前側壁5aは、レンズ体に光が入射するための挿通孔6の周囲に設けられた露出部5cと露出部5cに対して光軸方向23の後側に向けて窪む窪み部9を備えており、窪み部9とハウジング前側壁4aが対向している。そのため、露出部5cと窪み部9の段差の分だけ、ハウジング4のハウジング前側壁4aの位置を後側に設けることができるので、手振れ補正装置の光軸方向23の寸法を小さくでき、スマートフォン等の厚さが薄い電子機器に搭載可能な薄型の手振れ補正装置が実現できる。本実施形態のカメラ装置や、スマートフォン等の電子機器は、これらの手振れ補正装置を採用することができるので、薄型化を実現できる。
【0057】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。