【解決手段】積層セラミック電子部品は、誘電体層111及び誘電体層を挟んで互いに対向するように配置される複数の内部電極121、122をむセラミック本体110と、セラミック本体の外側に配置される外部電極131、132と、を含む。セラミック本体は、誘電体層を挟んで互いに対向するように配置される複数の内部電極を含んだ活性部Aと、活性部の上部及び下部に形成されたカバー部C1、C2と、を含む。外部電極は、内部電極と電気的に連結される電極層131a、132aと、電極層上に配置された導電性樹脂層131b、132bと、を含む。導電性樹脂層は、セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置され、セラミック本体の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された導電性樹脂層の厚さTbの比率が2〜29%を満たす。
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで互いに対向するように配置される複数の内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面〜第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含むセラミック本体と、
前記セラミック本体の外側に配置され、且つ前記内部電極と電気的に連結される外部電極と、を含み、
前記セラミック本体は、前記誘電体層を挟んで互いに対向するように配置される複数の内部電極を含んで容量が形成される活性部と、前記活性部の上部及び下部に形成されたカバー部と、を含み、
前記外部電極は、前記内部電極と電気的に連結される電極層と、前記電極層上に配置された導電性樹脂層と、を含み、前記導電性樹脂層は、前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置され、
前記セラミック本体の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された導電性樹脂層の厚さTbの比率が2〜29%を満たす、積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された導電性樹脂層の厚さTbは、前記導電性樹脂層の厚さのうち最も厚い厚さである、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の長さ方向のマージン部の長さLmは、前記セラミック本体の第3面及び第4面から前記活性部に配置された複数の内部電極が重なる領域の端部までの長さである、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
前記電極層は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上の導電性金属を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記導電性樹脂層は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上の導電性金属とベース樹脂を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで互いに対向するように配置される複数の第1及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面〜第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含むセラミック本体と、
前記セラミック本体の外側に配置され、且つ前記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記セラミック本体は、前記誘電体層を挟んで互いに対向するように配置される複数の第1及び第2内部電極を含んで容量が形成される活性部と、前記活性部の上部及び下部に形成されたカバー部と、を含み、
前記第1及び第2外部電極は、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結される第1及び第2電極層と、前記第1及び第2電極層上に配置された第1及び第2導電性樹脂層と、を含み、前記第1及び第2導電性樹脂層は、前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置され、
前記第1及び第2導電性樹脂層が前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された領域の長さは、前記第1及び第2電極層が前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された領域の長さよりも長く、
前記セラミック本体の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された第1及び第2導電性樹脂層の厚さTbの比率が2〜29%を満たす、積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置された導電性樹脂層の厚さTbは、前記導電性樹脂層の厚さのうち最も厚い厚さである、請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の長さ方向のマージン部の長さLmは、前記セラミック本体の第3面及び第4面から前記活性部に配置された複数の内部電極が重なる領域の端部までの長さである、請求項9または10に記載の積層セラミック電子部品。
前記電極層は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上の導電性金属を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記導電性樹脂層は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上の導電性金属とベース樹脂を含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で表示される要素は同一要素である。
【0014】
さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
そして、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、明細書全体において類似する部分に対しては類似する図面符号を付ける。
【0016】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す斜視図である。
【0018】
図2は本発明の一実施形態によるセラミック本体を示す模式図である。
【0019】
図3は
図1のI−I'線に沿った断面図である。
【0020】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、誘電体層111及び上記誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される複数の内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1面S1及び第2面S2、上記第1面S1及び第2面S2と連結され、第2方向に対向する第3面S3及び第4面S4、上記第1面〜第4面と連結され、第3方向に対向する第5面S5及び第6面S6を含むセラミック本体110と、上記セラミック本体110の外側に配置され、且つ上記複数の内部電極121、122と電気的に連結される外部電極131、132と、を含み、上記セラミック本体110は、上記誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される複数の内部電極121、122を含んで容量が形成される活性部Aと、上記活性部Aの上部と下部に形成されたカバー部C1、C2と、を含む。
【0021】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明し、特に、積層セラミックキャパシタに対して説明するが、これに制限されるものではない。
【0022】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、「長さ方向」は
図1の「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで「厚さ方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち「積層方向」と同一の概念として用いることができる。
【0023】
本発明の一実施形態におけるセラミック本体110は、形状において特に制限はないが、図示のように六面体状であることができる。
【0024】
上記セラミック本体110は、第1方向に対向する第1面S1及び第2面S2、上記第1面S1及び第2面S2と連結され、第2方向に対向する第3面S3及び第4面S4、上記第1面〜第4面と連結され、第3方向に対向する第5面S5及び第6面S6を含むことができる。
【0025】
上記第1面S1及び第2面S2は、第1方向であるセラミック本体110の厚さ方向に向かい合う面、上記第3面S3及び第4面S4は、第2方向である長さ方向に向かい合う面と定義することができ、上記第5面S5及び第6面S6は、第3方向である幅方向に向かい合う面と定義することができる。
【0026】
上記セラミック本体110の内部に形成された複数個の内部電極121、122は、セラミック本体の第3面S3又は第4面S4に一端が露出する。
【0027】
上記内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1内部電極121及び第2内部電極122を一対にすることができる。
【0028】
第1内部電極121の一端は第3面S3に露出し、第2内部電極122の一端は第4面S4に露出することができる。
【0029】
上記第1内部電極121及び第2内部電極122の他端は、第4面S4又は第3面S3から一定の間隔を置いて形成される。これに対するより具体的な事項は後述する。
【0030】
上記セラミック本体の第3面S3及び第4面S4には、第1及び第2外部電極131、132が形成されて、上記内部電極と電気的に連結されることができる。
【0031】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り、特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、又はチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。
【0032】
上記誘電体層111を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などのパウダーに、本発明の目的に応じて、様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0033】
かかるセラミック本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性部Aと、上下マージン部として、活性部Aの上下部にそれぞれ形成された上部カバー部C1及び下部カバー部C2で構成されることができる。
【0034】
上記活性部Aは、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0035】
上記上部カバー部C1及び下部カバー部C2は、内部電極を含まないことを除き、誘電体層111と同一の材料及び構成を有することができる。
【0036】
即ち、上記上部カバー部C1及び下部カバー部C2は、セラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系セラミック材料を含むことができる。
【0037】
上記上部カバー部C1及び下部カバー部C2は、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を活性部Aの上下面にそれぞれ上下方向に積層して形成することができる。また、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0038】
上記第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち1つ以上の物質を含む導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0039】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記第1内部電極121と電気的に連結された第1外部電極131と、上記第2内部電極122と電気的に連結された第2外部電極132と、を含むことができる。
【0040】
上記第1及び第2外部電極131、132は、静電容量の形成のために上記第1及び第2内部電極121、122と電気的に連結されることができ、上記第2外部電極132は、上記第1外部電極131と異なる電位に連結されることができる。
【0041】
上記第1及び第2外部電極131、132は、上記セラミック本体110の第2方向である長さ方向の第3面S3及び第4面S4にそれぞれ配置され、且つ上記セラミック本体110の第1方向である厚さ方向の第1面S1及び第2面S2に延長配置されることができる。
【0042】
上記外部電極131、132は、上記セラミック本体110の外側に配置され、且つ上記内部電極121、122と電気的に連結される電極層131a、132aと、上記電極層131a、132a上に配置された導電性樹脂層131b、132bと、を含むことができる。
【0043】
具体的に、上記第1外部電極131は、上記セラミック本体110の第2方向である長さ方向の第3面S3に配置され、且つ第1内部電極121と電気的に連結される第1電極層131aと、上記第1電極層131a上に配置された第1導電性樹脂層131bと、を含むことができる。
【0044】
また、上記第2外部電極132は、上記セラミック本体110の第2方向である長さ方向の第4面S4に配置され、且つ上記第2内部電極122と電気的に連結される第2電極層132aと、上記第2電極層132a上に配置された第2導電性樹脂層132bと、を含むことができる。
【0045】
上記電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含むことができる。
【0046】
上記電極層131a、132aに用いられる導電性金属は、静電容量の形成のために上記内部電極と電気的に連結できる材料であれば特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上であることができる。
【0047】
上記電極層131a、132aは、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して用意した導電性ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されることができる。
【0048】
上記導電性樹脂層131b、132bは、電極層131a、132a上に形成され、電極層131a、132aを完全に覆う形態で形成されることができる。
【0049】
上記導電性樹脂層131b、132bに含まれるベース樹脂は、接合性及び衝撃吸収性を有し、導電性金属粉末と混合してペーストを作ることができるものであれば特に制限されず、例えば、エポキシ系樹脂を含むことができる。
【0050】
上記導電性樹脂層131b、132bに含まれる導電性金属は、電極層131a、132aと電気的に連結できる材料であれば特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上を含むことができる。
【0051】
上記導電性樹脂層131b、132bは、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置され、上記導電性樹脂層131b、132bの一端部から上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に配置された他端部までの距離BWに対するカバー部C1、C2の厚さtcの比率が20〜60%を満たす。
【0052】
上記導電性樹脂層131b、132bは、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置され、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2〜29%を満たす。
【0053】
本発明の一実施形態によると、上記導電性樹脂層131b、132bは、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置され、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2〜29%を満たすことにより、積層セラミックキャパシタの曲げ強度を向上させることができる。
【0054】
上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbは、上記導電性樹脂層131b、132bの厚さのうち最も厚い厚さであることができる。
【0055】
一方、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmは、上記セラミック本体110の第3面S3及び第4面S4から上記活性部Aに配置された複数の内部電極121、122が重なる領域の端部までの長さであることができる。
【0056】
一般的に、積層セラミックキャパシタの曲げ強度特性において、内部電極が印刷された誘電体層の積層数と、外部電極のうち2次電極である導電性樹脂層の塗布程度は、曲げ強度を保証するための重要な要素となる。
【0057】
特に、積層数が増加するほど内部電極の分率が高くなって曲げ強度が上昇し、逆に内部電極の分率が低い場合、曲げ強度は弱い構造となり得る。
【0058】
一方、内部電極の分率が積層セラミックキャパシタの強度向上に影響を与えるとしたら、外部電極のうち2次電極である導電性樹脂層は、外部作用に対する応力を吸収又は解消するための装置として適用されているため、最近では塗布量を増加させることにより一定レベルの曲げ強度を実現している。
【0059】
本発明の一実施形態では、セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbと、セラミック本体110の内部において内部電極の分率が低い領域である長さ方向のマージン部の長さの比率を調節することにより、積層セラミックキャパシタの曲げ強度を改善する。
【0060】
即ち、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2〜29%を満たすように調節することにより、積層セラミックキャパシタの曲げ強度を改善することができる。
【0061】
上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2%未満の場合には、5mmで曲げ強度を測定する際に不良が発生して曲げ強度の向上効果がない。
【0062】
上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が29%を超える場合には、外部電極の厚さが相対的に高いため、完成品の外観不良や導電性樹脂層内に発生するボイド(Void)などによって信頼性が低下することがある。
【0063】
図4は
図3におけるB領域の拡大図である。
【0064】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品において、上記誘電体層111の厚さtdと上記内部電極121、122の厚さteは、td>2×teを満たすことができる。
【0065】
即ち、本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111の厚さtdは、上記内部電極121、122の厚さteの2倍よりも大きいことを特徴とする。
【0066】
一般的に、高電圧電装用電子部品は、高電圧環境下で絶縁破壊電圧の低下による信頼性の問題が主要な問題となる。
【0067】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、高電圧環境下で絶縁破壊電圧の低下を防ぐために、上記誘電体層111の厚さtdを上記内部電極121、122の厚さteの2倍よりも大きくして内部電極間の距離である誘電体層の厚さを増加させることにより、絶縁破壊電圧特性を向上させることができる。
【0068】
上記誘電体層111の厚さtdが上記内部電極121、122の厚さteの2倍以下である場合には、内部電極間の距離である誘電体層の厚さが薄くて、絶縁破壊電圧が低下することがある。
【0069】
上記内部電極の厚さteは1μm未満であることができ、上記誘電体層の厚さtdは2.8μm未満であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0070】
本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品100は、誘電体層111及び上記誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される複数の第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1面S1及び第2面S2、上記第1面S1及び第2面S2と連結され、第2方向に対向する第3面S3及び第4面S4、上記第1面〜第4面と連結され、第3方向に対向する第5面S5及び第6面S6を含むセラミック本体110と、上記セラミック本体110の外側に配置され、且つ上記複数の第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ電気的に連結される第1及び第2外部電極131、132と、を含み、上記セラミック本体110は、上記誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される複数の第1及び第2内部電極121、122を含んで容量が形成される活性部Aと、上記活性部Aの上部及び下部に形成されたカバー部C1、C2と、を含み、上記第1及び第2外部電極131、132は、上記第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ電気的に連結される第1及び第2電極層131a、132aと、上記第1及び第2電極層131a、132a上にそれぞれ配置された第1及び第2導電性樹脂層131b、132bと、を含み、上記第1及び第2導電性樹脂層131b、132bは、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置され、上記第1及び第2導電性樹脂層131b、132bが上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された領域の長さは、上記第1及び第2電極層131a、132aが上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された領域の長さよりも長く、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2〜29%を満たす。
【0071】
上記本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品に関する説明のうち、上述の本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品に関する説明と同一の部分は、説明の重複を避けるためにここでは省略する。
【0072】
本発明の他の実施形態によると、上記第1及び第2導電性樹脂層131b、132bが上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された領域の長さは、上記第1及び第2電極層131a、132aが上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された領域の長さよりも長い。
【0073】
即ち、上記第1及び第2導電性樹脂層131b、132bはそれぞれ、第1及び第2電極層131a、132a上に形成され、第1及び第2電極層131a、132aを完全に覆う形態で形成されることができる。
【0074】
したがって、上記第1及び第2導電性樹脂層131b、132bが上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された領域の長さは、上記第1及び第2電極層131a、132aが上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された領域の長さよりも長くなるように配置される。
【0075】
一方、上記第1及び第2外部電極131、132は、上記セラミック本体110の外側に配置され、且つ第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ電気的に連結される第1及び第2電極層131a、132aと、上記第1及び第2電極層131a、132a上にそれぞれ配置された第1及び第2導電性樹脂層131b、132bと、を含むことができる。
【0076】
具体的に、上記第1外部電極131は、上記セラミック本体110の第2方向である長さ方向の第3面S3に配置され、且つ第1内部電極121と電気的に連結される第1電極層131aと、上記第1電極層131a上に配置された第1導電性樹脂層131bと、を含むことができる。
【0077】
また、上記第2外部電極132は、上記セラミック本体110の第2方向である長さ方向の第4面S4に配置され、且つ上記第2内部電極122と電気的に連結される第2電極層132aと、上記第2電極層132a上に配置された第2導電性樹脂層132bと、を含むことができる。
【0078】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法について説明するが、これに制限されるものではない。
【0079】
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法は、まず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックグリーンシートを用意することによって誘電体層を形成することができる。
【0080】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することで製造することができる。
【0081】
次に、ニッケル粒子の平均サイズが0.1〜0.2μmであり、40〜50重量部のニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを用意することができる。
【0082】
上記セラミックグリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、内部電極パターンが配置されたグリーンシートを積層してセラミック本体110を製作した。
【0083】
次に、上記セラミック本体の外側には、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上の導電性金属及びガラスを含む電極層を形成することができる。
【0084】
上記ガラスは、特に制限されるものではなく、一般的な積層セラミックキャパシタの外部電極を製作するのに用いられるガラスと同一の組成の物質が用いられることができる。
【0085】
上記電極層は、上記セラミック本体の上下面及び端部に形成されることにより、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0086】
上記電極層は、導電性金属に対してガラスを5体積%以上含むことができる。
【0087】
次に、上記電極層131a、132a上に導電性樹脂組成物を塗布した後、硬化させて導電性樹脂層131b、132bを形成することができる。
【0088】
上記導電性樹脂層131b、132bは、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上の導電性金属及びベース樹脂を含み、上記ベース樹脂はエポキシ樹脂であることができる。
【0089】
本発明の一実施形態によると、上記導電性樹脂層は、上記セラミック本体の第1面及び第2面に延長されて配置され、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2〜29%を満たす。
【0090】
上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbは、上記導電性樹脂層131b、132bの厚さのうち最も厚い厚さであることができる。
【0091】
一方、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmは、上記セラミック本体110の第3面S3及び第4面S4から上記活性部Aに配置された複数の内部電極121、122が重なる領域の端部までの長さであることができる。
【0092】
以下、表1では、上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率による曲げクラックの発生頻度を測定した。
【0093】
曲げクラックの発生頻度を測定するに当たり、基板上に積層セラミックキャパシタのサンプルを実装した後、曲げる際に押圧力を受ける中心部からの距離をそれぞれ5mmと設定して各60個の試料を対象に5回ずつ測定し、5mmで曲げ強度が保証されるかどうかを観察した。
【0095】
上記表1を参照すると、セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2〜29%を満たす、本発明の一実施形態によるサンプル2〜5は、5mmの距離まで曲げ強度特性を満たすことが分かる。
【0096】
セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が2%未満である比較例1は、5mmで曲げ強度を測定する際に不良が発生し、曲げ強度の向上効果がないことが分かる。
【0097】
上記セラミック本体110の長さ方向のマージン部の長さLmに対する、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2に延長されて配置された導電性樹脂層131b、132bの厚さTbの比率が29%を超える比較例6は、曲げ強度特性は満たすが、外部電極の厚さが相対的に高いため、完成品の外観不良や導電性樹脂層内に発生するボイド(Void)などによって信頼性が低下することがある。
【0098】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定する。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。