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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-96159(P2020-96159A)
(43)【公開日】2020年6月18日
(54)【発明の名称】破損検出機構
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20200522BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20200522BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20200522BHJP
   B23Q 17/09 20060101ALI20200522BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20200522BHJP
【FI】
   H01L21/78 F
   B24B49/12
   B24B27/06 M
   B23Q17/09 C
   B23Q17/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-116789(P2019-116789)
(22)【出願日】2019年6月24日
(11)【特許番号】特許第6661109号(P6661109)
(45)【特許公報発行日】2020年3月11日
(31)【優先権主張番号】特願2018-228254(P2018-228254)
(32)【優先日】2018年12月5日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596117887
【氏名又は名称】株式会社テクノホロン
(74)【代理人】
【識別番号】100141955
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100211465
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100085419
【弁理士】
【氏名又は名称】大垣 孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 知行
(72)【発明者】
【氏名】三浦 元
【テーマコード(参考)】
3C029
3C034
3C158
5F063
【Fターム(参考)】
3C029DD04
3C029DD20
3C029EE20
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB93
3C034CA22
3C034DD18
3C158AA03
3C158AC02
3C158BA09
3C158CA01
3C158CB06
5F063AA21
5F063AA48
5F063DD20
5F063DE11
5F063DE23
5F063DE32
5F063DE36
(57)【要約】
【課題】従来と比べて良好な検出感度及びSN比で、回転ブレードの破損を検出できる破損検出機構を提供する。
【解決手段】制御部と、発光部と、出射側光ファイバと、照射範囲変換部と、入射側レンズと、入射側光ファイバと、受光部とを備えている。入射側レンズは、回転ブレードを挟んで、照射範囲変換部と対向する位置に配置されている。発光部は、検査光を出力する。出射側光ファイバは、検査光を照射範囲変換部へ送る。照射範囲変換部は、回転ブレードの径に沿って細長く絞られた状態で、検査光を出射する。入射側レンズは、照射範囲変換部を経て出射された検査光を集光し、入射側光ファイバに送る。入射側光ファイバは、検査光を受光部に送る。受光部は、検査光を受光量に応じた強度の電気信号に変換する。制御部は、受光部から送られる電気信号に基づいて回転ブレードの破損を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイシング装置が備える、対向する第1主面及び第2主面を含み、かつ第1主面及び第2主面の平面形状が円形状の平板状体である回転ブレードの破損を検出する破損検出機構であって、
制御部と、発光部と、出射側光ファイバと、照射範囲変換部と、入射側レンズと、入射側光ファイバと、受光部とを備え、
前記入射側レンズは、前記回転ブレードを挟んで、前記照射範囲変換部と対向する位置に配置されており、
前記発光部は、検査光を出力し、
前記出射側光ファイバは、前記発光部から出力される前記検査光を前記照射範囲変換部へ送り、
前記照射範囲変換部は、回転ブレードの径に沿って細長く絞られた状態で、前記検査光を出射し、
前記入射側レンズは、前記出射側光ファイバから前記照射範囲変換部を経て出射された前記検査光を集光して、前記入射側光ファイバに送り、
前記入射側光ファイバは、前記検査光を前記受光部に送り、
前記受光部は、前記入射側光ファイバから送られる前記検査光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して、前記制御部に送り、
前記制御部は、前記受光部から送られる電気信号に基づいて、前記回転ブレードの破損を検出する
ことを特徴とする破損検出機構。
【請求項2】
前記照射範囲変換部として、出射側レンズを備え、
前記出射側レンズは、シリンドリカルレンズであり、
前記出射側レンズは、当該出射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの第1主面に沿い、かつ前記回転ブレードの径に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の破損検出機構。
【請求項3】
前記入射側レンズは、シリンドリカルレンズであり、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に沿い、かつ前記出射側レンズの長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の破損検出機構。
【請求項4】
前記照射範囲変換部として、前記出射側光ファイバの出射端に該出射端の全体を被覆して取り付けられた照射範囲変換アタッチメントを備え、
前記照射範囲変換アタッチメントには、当該照射範囲変換アタッチメントを貫通する、細長い長方形状のスリットが形成されており、
前記照射範囲変換アタッチメントは、前記スリットの長手方向が、前記回転ブレードの第1主面に沿い、かつ前記回転ブレードの径に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の破損検出機構。
【請求項5】
前記入射側レンズは、シリンドリカルレンズであり、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に沿い、かつ前記スリットの長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の破損検出機構。
【請求項6】
出射端に向かって先細となるように成形された、前記出射側光ファイバの出射端部として、前記照射範囲変換部が構成されており、
前記出射端の面形状は、細長い長方形状に成形されており、
前記照射範囲変換部を含む前記出射側光ファイバは、前記出射端の長手方向が、前記回転ブレードの第1主面に沿い、かつ前記回転ブレードの径に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の破損検出機構。
【請求項7】
前記入射側レンズは、シリンドリカルレンズであり、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に沿い、かつ前記出射端の長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の破損検出機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイシング装置が備える回転ブレードの破損を検出する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデバイスが形成されたウエハは、例えば、回転ブレードを備えるダイシング装置で切削加工され、各デバイスに対応する複数のチップに分割される。回転ブレードは、円形状であり、回転するスピンドルの先端部分に装着される。回転ブレードの外周部分は、ダイヤモンドなどの砥粒を結合材料で結合して形成された切れ刃となっている。回転ブレードを回転させてウエハに切り込ませることで、ウエハが切削される。
【0003】
回転ブレードは、切削時の負荷によって欠け等の破損が発生することがある。破損した回転ブレードを使用し続けると、切削中に被加工物を破損させる恐れがある。このため、このような回転ブレードの不具合を検出するための機構が必要となる。
【0004】
回転ブレードの破損を検出する機構(破損検出機構)としては、光ファイバを利用する技術がある(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示された破損検出機構は、発光部と接続された光ファイバ(出射側光ファイバ)と、受光部と接続された光ファイバ(入射側光ファイバ)を備える。発光部からの光を出射する出射側光ファイバの出射端と、出射側光ファイバから出射された光が入射する入射側光ファイバの入射端とは、回転ブレードを挟んで、対向して配置される。
【0005】
特許文献1に開示された破損検出機構では、回転ブレードに破損がない場合には、出射側光ファイバから出射される光の少なくとも一部が切れ刃で遮られる。このため、入射側光ファイバに入射され、受光部で受光される光の受光量は小さくなる。一方、回転ブレードに欠け等の破損がある場合には、遮られていた光が入射側光ファイバに到達するため受光量が増大する。受光部は、受光した光を電気信号に変換する。この電気信号を検出し、例えばCPU(Central Processing Unit)で処理することによって、受光量の増大に基づく回転ブレードの破損が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−159064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、光ファイバを用いた破損検出機構の特性として、出射側光ファイバの出射端から放出される光は、光ファイバの内面反射を繰り返した結果として例えば1:1.5の屈折率で広角な光となって出射される。対応する入射側光ファイバは、出射側光ファイバと同じ外径寸法の光ファイバを用いるので、入射側光ファイバは円錐状に拡散した光のうち、入射端の径分しか受け取ることができない。
【0008】
このため、回転ブレードには広い範囲で光が当たる一方で、入射側光ファイバにはその一部しか入射されない。このため、従来の破損検出機構では、例えば微少な欠け等を検出する場合、検出アンプの利得を上げる必要がある。この結果、利得を上げれば応答周波数が落ちるというアンプ特性に起因して、従来の破損検出機構では、微少な欠け等を高感度で検出することが難しかった。
【0009】
また、出射側光ファイバ及び入射側光ファイバ間において、回転ブレードの外周を通過する光は、切削水により散乱又は反射されて、破損の検出に寄与しないノイズとなる。従来の破損検出機構では、上述したように、出射側光ファイバから円錐状に拡散して光が出射されるため、光が拡散した分だけ外乱ノイズが増す要因となる。このため、上述した受光部において受光される光、及びこれを変換した電気信号のSN比には改善の余地があった。
【0010】
そこで、この発明の目的は、従来と比べて良好な検出感度及びSN比で、回転ブレードの破損を検出できる破損検出機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、この発明による破損検出機構は、ダイシング装置が備える、対向する第1主面及び第2主面を含み、かつ第1主面及び第2主面の平面形状が円形状の平板状体である回転ブレードの破損を検出する破損検出機構であって、制御部と、発光部と、出射側光ファイバと、照射範囲変換部と、入射側レンズと、入射側光ファイバと、受光部とを備えて構成される。
【0012】
入射側レンズは、回転ブレードを挟んで、照射範囲変換部と対向する位置に配置されている。発光部は、検査光を出力する。出射側光ファイバは、発光部から出力される検査光を照射範囲変換部へ送る。照射範囲変換部は、回転ブレードの径に沿って細長く絞られた状態で、検査光を出射する。入射側レンズは、出射側光ファイバから照射範囲変換部を経て出射された検査光を集光して、入射側光ファイバに送る。入射側光ファイバは、検査光を受光部に送る。受光部は、入射側光ファイバから送られる検査光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して、制御部に送る。制御部は、受光部から送られる電気信号に基づいて、回転ブレードの破損を検出する。
【発明の効果】
【0013】
この発明による破損検出機構では、照射範囲変換部を設けることにより、検査光の照射範囲が、回転ブレードの径に沿って細長く絞られる。このため、検出アンプの利得を上げなくても、十分な強度の検査光を回転ブレードに照射することができる。この結果、検出アンプの利得を上げる必要が生じないため、応答周波数の低下が生じない。従って、この発明による破損検出機構では、回転ブレードの破損を高感度で検出することができる。
【0014】
また、この発明による破損検出機構では、検査光の照射範囲が細長く絞られることにより、回転ブレード一回転当たりの検出分解能が向上するため、微細な破損の検出が可能となる。
【0015】
さらに、検査光の照射範囲が細長く絞られることにより、破損の検出に寄与しない外乱ノイズが小さくなるため、受光部において受光される光、及びこれを変換した電気信号のSN比が向上する。
【0016】
また、この発明による破損検出機構では、上述したように出射された検査光の照射範囲が、回転ブレードの径に沿って細長く絞られるため、破損検出の方向を、回転ブレードの径に沿った方向に限定できる。この結果、検出感度が向上する。従って、この発明による破損検出機構では、微少な欠け等であっても確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の破損検出機構を示す概略図である。
図2】(A)及び(B)は、図1に示す破線で囲った領域を拡大して示した概略図である。
図3図1に示す破線で囲った領域を拡大して示した概略図である。
図4】(A)は、回転ブレードを第1主面側から見た概略図であり、(B)は、(A)に示す回転ブレードを検査対象とした場合において、制御部に送られる電気信号の強度を示す図である。
図5】照射範囲変換部として、照射範囲変換アタッチメントを設ける場合の構成例を示す図である。
図6】(A)及び(B)は、図5に示す照射範囲変換アタッチメントの概略図であり、(C)及び(D)は、出射側光ファイバの出射端部に、出射側光ファイバの一部として照射範囲変換部を作り込む場合の構成例を示す図である。
図7】(A)は、スリットが形成された回転ブレードを第1主面側から見た概略図であり、(B)は、(A)に示す回転ブレードを検査対象とした場合において、制御部に送られる電気信号の強度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0019】
(構成)
図1図2及び図3を参照して、この発明の破損検出機構の構成について説明する。図1は、破損検出機構を示す概略図である。図2(A)及び(B)並びに図3は、図1に示す破線で囲った領域を拡大して示した図であり、後述する出射側レンズ及び入射側レンズ並びに検査対象の回転ブレードの配置関係を示す概略図である。図2(A)は、出射側レンズ及び入射側レンズ並びに回転ブレードを、入射側レンズの長手方向に直交する面から見た図であり、図2(B)は、出射側レンズ及び入射側レンズ並びに回転ブレードを、出射側レンズの長手方向に直交する面から見た図である。図3は、出射側レンズ及び入射側レンズ並びに回転ブレードを、回転ブレードの第2主面側から見た図である。
【0020】
破損検出機構100は、制御部10、駆動部(DRIVER)20、発光部30、出射側光ファイバ40、照射範囲変換部としての出射側レンズ50、入射側レンズ60、入射側光ファイバ70、受光部80及び増幅部(AMP)90を備えて構成される。
【0021】
また、破損検出機構100において、検査対象の回転ブレード200は、出射側レンズ50と入射側レンズ60との間に配置される。回転ブレード200は、対向する第1主面200a及び第2面200bを含み、かつこれら第1主面200a及び第2面200bの平面形状が円形状の平板状体である。
【0022】
回転ブレード200は、ダイシング装置(図示せず)において、スピンドル250の先端部分に装着されている。スピンドル250は、回転ブレード200の第1主面200a又は第2主面200bの一方の側の中心に、これら第1主面200a及び第2主面200bに直交する方向から、回転ブレード200に接続されている。スピンドル250の回転に連動して、回転ブレード200は、スピンドル250との接続部分を回転軸として回転可能となっている。
【0023】
なお、以下の説明では、回転ブレード200の第1主面200a及び第2主面200bに沿った平面をY軸−Z軸平面とし、第1主面200a及び第2主面200bに直交する方向をX軸方向とする。
【0024】
駆動部20は、制御部10からの指示に基づき、発光部30に駆動信号を送る。
【0025】
発光部30は、駆動部20から送られる駆動信号に基づき、検査光を出力する。発光部30としては、例えばLD(Laser Diode)等の任意好適な発光素子を用いることができる。
【0026】
出射側光ファイバ40は、一端40a側で発光部30と接続されている。また、出射側光ファイバ40の他端40bは、出射側レンズ50と光学的に接続されている。出射側光ファイバ40は、発光部30から出力される検査光を伝播させる。そして、出射側光ファイバ40は、検査光を他端40bから出射側レンズ50へ送る。
【0027】
出射側レンズ50及び入射側レンズ60は、所謂シリンドリカルレンズである。シリンドリカルレンズとしては、円筒形状、半円筒形状、又は円筒を高さ方向に沿った平面で切り取った形状のものを用いることができる。図2(A)及び(B)では、それぞれ半円筒形状の出射側レンズ50及び入射側レンズ60を備える構成例を示している。従って、ここでは、出射側レンズ50は、長手方向(円筒形の高さ方向)に沿った平面50aと、この平面50aに曲率中心が存在する曲面50bとを含んでいる。また、入射側レンズ60は、長手方向に沿った平面60aと、この平面60aに曲率中心が存在する曲面60bとを含んでいる。
【0028】
出射側レンズ50の長手方向が、回転ブレード200の第1主面200aに沿い(Y軸−Z軸平面に沿い)、かつ回転ブレード200の径に沿うように、当該出射側レンズ50は設けられている。なお、ここでは、出射側レンズ50は、長手方向がZ軸方向に沿うように設けられている。
【0029】
そして、出射側レンズ50は、平面50a側で、出射側光ファイバ40の他端40bと光学的に接続されている。また、曲面50bが回転ブレード200の第1主面200aと対向するように、出射側レンズ50は配置される。さらに、出射側レンズ50は、Y軸−Z軸平面視において、回転ブレード200と重なる位置であって、かつ半円筒形の一方の底面側の一部が回転ブレード200の外周からはみ出す位置に、位置決めされる。
【0030】
入射側レンズ60は、回転ブレード200を挟んで、出射側レンズ50と対向する位置に配置されている。また、入射側レンズ60の長手方向が、回転ブレード200の第2主面200bに沿い(Y軸−Z軸平面に沿い)、かつ出射側レンズ50の長手方向に直交する方向に沿って、当該入射側レンズ60は設けられている。上述したように、ここでは、出射側レンズ50の長手方向がZ軸方向に沿っているため、入射側レンズ60は、長手方向が、Y軸方向に沿うように設けられている。
【0031】
そして、入射側レンズ60は、平面60a側で、入射側光ファイバ70の一端70aと光学的に接続されている。また、曲面60bが回転ブレード200の第2主面200bと対向するように、入射側レンズ60は配置される。さらに、入射側レンズ60は、Y軸−Z軸平面視において、回転ブレード200と重なる位置に、位置決めされる。
【0032】
上述した関係で出射側レンズ50及び入射側レンズ60を配置することによって、Y軸−Z軸平面視において、出射側レンズ50の長手方向と入射側レンズ60の長手方向とが、直交する。回転ブレード200の破損を検出するに際しては、これら直交する出射側レンズ50及び入射側レンズ60の交差する部分が、Y軸−Z軸平面視において、回転ブレード200の外周部付近と重なる位置に位置決めされるのが好ましい。
【0033】
入射側光ファイバ70の一端70aは、入射側レンズ60と光学的に接続されている。また、入射側光ファイバ70は、他端70b側で受光部80と接続されている。入射側光ファイバ70には、入射側レンズ60が集光した検査光が送られる。入射側光ファイバ70は、検査光を伝播させて受光部80に送る。
【0034】
受光部80は、入射側光ファイバ70から送られる検査光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して、増幅部90に送る。受光部80としては、例えばPD(Photo Diode)等の任意好適な受光素子を用いることができる。
【0035】
増幅部90は、所謂検出アンプであり、受光部80から送られる電気信号を増幅して制御部10に送る。
【0036】
制御部10は、例えばCPUによって構成されており、破損検出機構100全体の動作を制御する。制御部10は、所定の制御プログラムに従って各種処理を実行する。これら処理の結果等は、適宜RAM等の記憶手段に格納される。
【0037】
制御部10は、駆動部20に指示を送ることによって、発光部30からの検査光の出力を制御する。また、制御部10は、受光部80から増幅部90を経て送られる電気信号に基づいて、回転ブレード200の破損を検出する。
【0038】
(動作)
破損検出機構100では、発光部30が出力する検査光が、出射側光ファイバ40を経て出射される。出射側光ファイバ40から出射された検査光は、出射側レンズ50を経て、回転ブレード200に照射される。
【0039】
上述したように出射側レンズ50は、長手方向が回転ブレード200の径に沿うように設けられている。このため、検査光は、回転ブレード200の径に沿った方向(ここではZ軸方向)にのみ集光される。一方で、出射側レンズ50の曲面50bの作用により、検査光は、出射側レンズ50の長手方向に直交する方向(ここではY軸方向)に集光された状態で、回転ブレード200に照射される。
【0040】
また、入射側レンズ60は、長手方向が、出射側レンズ50の長手方向に直交する方向に沿って設けられている。このため、出射側レンズ50によって、回転ブレード200の径に沿った方向(ここではZ軸方向)に拡大された検査光を、効率良く入射させることができる。
【0041】
入射側レンズ60に入射した検査光は、入射側光ファイバ70を経て、受光部80に送られる。受光部80に入力された検査光は、電気信号に変換される。電気信号の強度は、受光部80に入力された検査光の強度(受光量)に対応する。電気信号は、増幅部90によって増幅されて、制御部10に送られる。制御部10は、この電気信号に基づいて、回転ブレード200の破損を検出する。
【0042】
回転ブレード200に不具合がない場合には、出射側レンズ50から出射される検査光は、回転ブレード200で遮られるため、回転ブレード200の外側を通過する一部を除いて、入射側レンズ60に到達しない。
【0043】
これに対して、回転ブレード200に欠けや割れ等の破損が生じている場合には、この破損箇所を通過することによって、検査光が入射側レンズ60に到達する。検査に際して、回転ブレード200は回転しているため、破損箇所を検査光が通過するタイミングで受光部80の受光量が増大する。そして、破損の程度が大きいほど、受光部80の受光量が
大きくなる。
【0044】
図4(A)及び(B)を参照して、回転ブレード200の破損と、破損検出機構100の制御部10に送られる電気信号の強度との関係について説明する。
【0045】
図4(A)は、回転ブレード200を第1主面200a側から見た概略図である。ここでは、回転ブレード200の2箇所に破損(欠け)201及び202が生じている。なお、図4(A)では、破損検出機構100によって、回転ブレード200に照射される検査光の照射範囲を101の符号を付して示している。また、比較用として、従来構造の破損検出機構を用いた場合に、回転ブレード200に照射される検査光の照射範囲を151の符号を付して示している。従来構造の破損検出機構とは、破損検出機構100から出射側レンズ50及び入射側レンズ60を省略した構造である。
【0046】
図4(B)は、図4(A)に示す回転ブレード200を検査対象とした場合において、制御部10に送られる電気信号の強度を示す図である。図4(B)では、横軸に時間を、及び縦軸に電気信号の強度を、それぞれ任意単位でとって示している。図4(B)における曲線301は、この発明の破損検出機構100を用いた場合の電気信号の強度を示している。また、図4(B)における曲線351は、従来構造の破損検出機構を用いた場合の電気信号の強度を示している。
【0047】
回転ブレード200に不具合がない箇所では、出射側レンズ50から出射される検査光は、回転ブレード200で遮られるため、回転ブレード200の外側を通過する一部を除いて、入射側レンズ60に到達しない。
【0048】
これに対して、回転ブレード200に破損201及び202が生じている箇所では、この破損箇所を通過することによって、検査光が入射側レンズ60に到達する。検査に際して、回転ブレード200は、例えば図4(A)に示す矢印の方向に回転している。このため、図4(B)に示すように、破損箇所を検査光が通過するタイミングで受光部80の受光量が増大し、電気信号の強度が大きくなる。そして、破損の程度が大きいほど、電気信号の強度が大きくなる。
【0049】
図4(A)の例における破損201及び202では、破損201よりも破損202において、より大きく回転ブレード200が欠けている。従って、破損201の箇所を検査光が通過するタイミングで、電気信号の強度に小さなピークが生じ、破損202の箇所を検査光が通過するタイミングで、電気信号の強度に大きなピークが生じる。
【0050】
ここで、従来構造の破損検出機構では、出射側レンズ50が設けられていないため、検査光は、照射範囲151が円形状に拡がった状態で、回転ブレード200に照射される。従って、回転ブレード200の外周を通過する検査光の受光量が大きくなる。この結果、破損の検出に寄与しないノイズが大きくなるため、受光部において受光される光、及びこれを変換した電気信号のSN比が劣化する。
【0051】
また、従来構造の破損検出機構では、上述したように検査光の照射範囲151が円形状に拡がり、かつ円形状に拡がった検査光を集光する入射側レンズ60が設けられていない。このため、従来構造の破損検出機構では、図4(B)に曲線351で示すように、電気信号の強度においてシャープなピークが得られず、検出感度が劣化する。従って、従来構造の破損検出機構では、微少な欠け等を検出することが難しい。
【0052】
一方で、破損検出機構100では、出射側レンズ50が設けられていることにより、検査光の照射範囲101が、回転ブレード200の径に沿って細長く絞られる。従って、回
転ブレード一回転当たりの検出分解能が向上するため、微細な破損の検出が可能となる。また、検査光の照射範囲を細長く絞ることにより、破損の検出に寄与しない外乱ノイズが小さくなるため、受光部80において受光される光、及びこれを変換した電気信号のSN比が、従来構造と比べて向上する。
【0053】
また、破損検出機構100では、上述したように出射された検査光の照射範囲101が、回転ブレード200の径に沿って細長く絞られ、かつこの細長く絞られた検査光を集光する入射側レンズ60が設けられている。このため、破損検出機構100では、破損検出の方向を、回転ブレード200の径に沿った方向に限定できる。この結果、図4(B)に曲線301で示すように、電気信号の強度においてシャープなピークが得られ、検出感度が向上する。従って、破損検出機構100では、微少な欠け等であっても確実に検出することができる。
【0054】
このように、破損検出機構100では、従来構造の破損検出機構に対して、検出感度及びSN比を改善することができる。
【0055】
また、破損検出機構100では、回転ブレード200が摩耗した状態(すなわち回転ブレード200の径が短くなった状態)であっても、回転ブレード200の外周が検出光の照射範囲に入っている限りは、出射側光ファイバ40及び出射側レンズ50並びに入射側レンズ60及び入射側光ファイバ70の配置を変更することなく、破損の検出を行うことができる。そして、上述したように、破損検出機構100では、出射側レンズ50によって、検出光が回転ブレード200の径に沿って細長く絞られて拡がり、入射側レンズ60によって、この細長く絞られて拡がった検出光を集光することができる。このため、回転ブレード200の摩耗に応じて、出射側光ファイバ40及び出射側レンズ50並びに入射側レンズ60及び入射側光ファイバ70の配置を変更する頻度を少なく抑えることができる。
【0056】
ここで、図1及び図2に示す構成例では、出射側レンズ50及び入射側レンズ60の双方がシリンドリカルレンズである構成について説明した。しかし、破損検出機構100は、出射側レンズ50及び入射側レンズ60のいずれか一方をシリンドリカルレンズとし、他方をシリンドリカルレンズ以外のレンズ(例えば所謂球面レンズ等)とすることもできる。
【0057】
出射側レンズ50のみをシリンドリカルレンズとした場合であっても、検査光を回転ブレード200の径に沿って細長く絞った状態で、回転ブレード200に照射できる。この結果、従来構造と比べて、感度及びSN比を向上することがきる。
【0058】
また、入射側レンズ60のみをシリンドリカルレンズとした場合であっても、回転ブレード200の径に沿った方向に集光して、検査光を当該入射側レンズ60に入射させることができる。この結果、破損検出の方向を、回転ブレード200の径に沿った方向に限定できるため、従来構造と比べて、検出感度を向上することがきる。
【0059】
また、図1及び図2に示す構成例では、破損検出機構100が、照射範囲変換部として出射側レンズ50を備える構成について説明した。しかし、照射範囲変換部の構成は、出射側レンズ50に限られない。照射範囲変換部の他の構成例について、図5及び図6を参照して説明する。
【0060】
まず、図5(A)及び(B)並びに図6(A)及び(B)を参照して、照射範囲変換部として、出射側レンズに代えて、照射範囲変換アタッチメント(以下、単にアタッチメントとも称する)を設ける場合の構成例について説明する。
【0061】
図5(A)及び(B)は、照射範囲変換部としてアタッチメントを設ける場合の構成例を示す概略図である。なお、図5(A)及び(B)は、位置及び方向に関して、図2(A)及び(B)に対応する。図6(A)及び(B)は、図5(A)及び(B)に示す出射側光ファイバ及びアタッチメントを拡大して示す概略図である。なお、図6(A)は、出射側光ファイバとアタッチメントとを分離して示してあり、図6(B)は、アタッチメントを出射側光ファイバに取り付けた状態を示してある。
【0062】
アタッチメント41は、例えば、対向する表面41a及び裏面41bを有する、円形の平板状体で構成されている。アタッチメント41には、スリット42が穿たれている。スリット42は、表面41a視において細長い長方形状であり、アタッチメント41の表面41aから裏面41bまで貫通して形成されている。
【0063】
アタッチメント41は、出射側光ファイバ40の出射端(他端)40bに、出射端40bの全体を被覆して取り付けられている(図6(A)及び(B)参照)。ここでは、裏面41b側を、出射側光ファイバ40の出射端40bと対向させて、アタッチメント41が出射側光ファイバ40に取り付けられている。
【0064】
アタッチメント41のスリット42の長手方向が、回転ブレード200の第1主面200aに沿い(Y軸−Z軸平面に沿い)、かつ回転ブレード200の径に沿うように、当該アタッチメント41は、出射側光ファイバ40に取り付けられる。ここでは、アタッチメント41のスリット42は、長手方向がZ軸方向に沿うように位置決めされている。
【0065】
また、アタッチメント41の表面41aが回転ブレード200の第1主面200aと対向するように、アタッチメント41及び出射側光ファイバ40は配置される。さらに、アタッチメント41のスリット42は、Y軸−Z軸平面視において、回転ブレード200と重なる位置に位置決めされる。
【0066】
入射側レンズ60は、回転ブレード200を挟んで、アタッチメント41と対向する位置に配置されている。また、入射側レンズ60の長手方向が、回転ブレード200の第2主面200bに沿い(Y軸−Z軸平面に沿い)、かつアタッチメント41のスリット41の長手方向に直交する方向に沿って、当該入射側レンズ60は設けられる。上述したように、ここでは、アタッチメント41のスリット41の長手方向がZ軸方向に沿っているため、入射側レンズ60は、長手方向が、Y軸方向に沿うように設けられている。
【0067】
照射範囲変換部としてアタッチメント41を設ける破損検出機構では、出射側光ファイバ40の出射端40bがアタッチメント41で覆われる。これによって、出射側光ファイバ40からの検査光は、アタッチメント41によって部分的に遮光されつつ、スリット41から出射される。
【0068】
この結果、照射範囲変換部として出射側レンズ50を設ける構成と同様に、検査光の照射範囲が、回転ブレード200の径に沿って細長く絞られる。従って、回転ブレード一回転当たりの検出分解能が向上するため、微細な破損の検出が可能となる。また、検査光の照射範囲を細長く絞ることにより、破損の検出に寄与しない外乱ノイズが小さくなるため、受光部80において受光される光、及びこれを変換した電気信号のSN比が、従来構造と比べて向上する。
【0069】
次に、図6(C)及び(D)を参照して、出射側レンズ及びアタッチメントを設けるのに代えて、出射側光ファイバ40の出射端部に、出射側光ファイバ40の一部として照射範囲変換部を作り込む場合の構成例について説明する。図6(C)は、出射側光ファイバ
の出射端部を拡大して示す概略図である。図6(D)は、出射側光ファイバの出射端部を、図6(C)に示す白抜き矢印方向から見た概略図である。
【0070】
出射側光ファイバ40の出射端部に照射範囲変換部を作り込む場合には、出射側光ファイバ40の出射端部において、出射側光ファイバ40の側面40cから出射端40bにかけて、出射側光ファイバ40が部分的に切り取られている。この結果、出射側光ファイバ40の出射端部は、出射端40bに向かって先細となる。この先細に成形された、出射側光ファイバ40の出射端部として、照射範囲変換部43が、構成される。
【0071】
照射範囲変換部43の出射端43a(出射側光ファイバ40の出射端40b)の面形状は、細長い長方形状に成形されている。なお、図6(C)及び(D)では、出射側光ファイバ40を挟んで対向する位置から、出射側光ファイバ40を対称的に切り取った構成例を示している。
【0072】
照射範囲変換部43において、出射側光ファイバ40を部分的に切り取ることによって生じる、出射側光ファイバ40の側面40cと出射端40b(43a)との間の切断面43b及び43cには、遮光板を設ける等の遮光処理が施される。これによって、出射側光ファイバ40から出射される検査光が切断面43b及び43cから散乱することが防止される。
【0073】
照射範囲変換部43の出射端43aの長手方向が、回転ブレード200の第1主面200aに沿い(Y軸−Z軸平面に沿い)、かつ回転ブレード200の径に沿うように、当該照射範囲変換部43を含む出射側光ファイバ40は、位置決めされる。ここでは、例えば、照射範囲変換部43の出射端43aは、長手方向がZ軸方向に沿うように位置決めされる。
【0074】
また、出射端43aが回転ブレード200の第1主面200aと対向するように、照射範囲変換部43を含む出射側光ファイバ40は配置される。さらに、照射範囲変換部43の出射端43aは、Y軸−Z軸平面視において、回転ブレード200と重なる位置に位置決めされる。
【0075】
入射側レンズ60は、回転ブレード200を挟んで、照射範囲変換部43の出射端43aと対向する位置に配置されている。また、入射側レンズ60の長手方向が、回転ブレード200の第2主面200bに沿い(Y軸−Z軸平面に沿い)、かつ照射範囲変換部43の出射端43aの長手方向に直交する方向に沿って、当該入射側レンズ60は設けられる。照射範囲変換部43の出射端43aの長手方向がZ軸方向に沿っている場合には、入射側レンズ60は、長手方向が、Y軸方向に沿うように設けられる。
【0076】
出射側光ファイバ40の出射端部に照射範囲変換部43を作り込んだ破損検出機構では、出射端43aが細長い長方形状となっている。この結果、照射範囲変換部として出射側レンズ50を設ける構成と同様に、出射側光ファイバ40から出射される検査光の照射範囲が、回転ブレード200の径に沿って細長く絞られる。従って、回転ブレード一回転当たりの検出分解能が向上するため、微細な破損の検出が可能となる。また、検査光の照射範囲を細長く絞ることにより、破損の検出に寄与しない外乱ノイズが小さくなるため、受光部80において受光される光、及びこれを変換した電気信号のSN比が、従来構造と比べて向上する。
【0077】
なお、照射範囲変換部としてアタッチメント41を設ける構成、及び出射側光ファイバ40の出射端部に照射範囲変換部43を作り込む構成のいずれの場合においても、入射側レンズ60をシリンドリカルレンズ以外のレンズ(例えば所謂球面レンズ等)とすること
もできる。
【0078】
ここで、切削効果を向上させるべく、スリットが形成された回転ブレードがある。図7(A)及び(B)を参照して、スリットが形成された回転ブレード200と、破損検出機構100の制御部10に送られる電気信号の強度との関係について説明する。
【0079】
図7(A)は、スリットが形成された回転ブレード200を第1主面200a側から見た概略図である。図7(B)は、図7(A)に示す回転ブレード200を検査対象とした場合において、制御部10に送られる電気信号の強度を示す図である。図7(B)では、横軸に時間を、及び縦軸に電気信号の強度を、それぞれ任意単位でとって示している。図7(B)における曲線401は、この発明の破損検出機構100を用いた場合の電気信号の強度を示している。また、図7(B)における曲線451は、上述した従来構造の破損検出機構を用いた場合の電気信号の強度を示している。
【0080】
図7(A)に示す回転ブレード200には、複数のスリット270が周期的に形成されている。各スリット270は、それぞれ回転ブレード200の外周から中心に向かう方向へ(すなわち径に沿って)、回転ブレード200を部分的に除去することによって形成されている。なお、図7(A)に示す回転ブレード200では、スリット270−1に破損203が生じている。
【0081】
破損検出機構100では、上述したように出射された検査光の照射範囲が、回転ブレード200の径に沿って細長く絞られる。従って、破損検出機構100では、スリット270の形成方向に沿って、検査光を照射することができる。このため、図7(B)に示すように、各スリット270の形成位置において、電気信号の強度にシャープなピークが得られる。そして、破損203により形状が変化したスリット270−1と、破損が生じていないスリット270−2とでは、ピークの形状が変わる。このように、破損検出機構100では、スリット270が形成された回転ブレード200においても、スリット270に生じた破損を、高い検出感度及びSN比で検出することができる。
【符号の説明】
【0082】
10:制御部
20:駆動部
30:発光部
40:出射側光ファイバ
41:照射範囲変換アタッチメント
50:出射側レンズ
60:入射側レンズ
70:入射側光ファイバ
80:受光部
90:増幅部
100:破損検出機構
200:回転ブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2019年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイシング装置が備える、対向する第1主面及び第2主面を含み、かつ第1主面及び第2主面の平面形状が円形状の平板状体である回転ブレードの破損を検出する破損検出機構であって、
制御部と、発光部と、出射側光ファイバと、照射範囲変換部と、入射側レンズと、入射側光ファイバと、受光部とを備え、
前記入射側レンズは、前記回転ブレードを挟んで、前記照射範囲変換部と対向する位置に配置されており、
前記発光部は、検査光を出力し、
前記出射側光ファイバは、前記発光部から出力される前記検査光を前記照射範囲変換部へ送り、
前記照射範囲変換部は、回転ブレードの径に沿って細長く絞られた状態で、前記検査光を出射し、
前記入射側レンズは、前記出射側光ファイバから前記照射範囲変換部を経て出射された前記検査光を集光して、前記入射側光ファイバに送り、
前記入射側光ファイバは、前記検査光を前記受光部に送り、
前記受光部は、前記入射側光ファイバから送られる前記検査光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して、前記制御部に送り、
前記制御部は、前記受光部から送られる電気信号に基づいて、前記回転ブレードの破損を検出し、
前記入射側レンズは、シリンドリカルレンズであり、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に平行であり、かつ前記照射範囲変換部を経て細長く絞られた状態で出射された前記検査光の、前記回転ブレードの前記第2主面に沿って切り取ったスポットの長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする破損検出機構。
【請求項2】
前記照射範囲変換部として、出射側レンズを備え、
前記出射側レンズは、シリンドリカルレンズであり、
前記出射側レンズは、当該出射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの第1主面に沿い、かつ前記回転ブレードの径に沿って、設けられており、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に平行であり、かつ前記出射側レンズの長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の破損検出機構。
【請求項3】
前記照射範囲変換部として、前記出射側光ファイバの出射端に該出射端の全体を被覆して取り付けられた照射範囲変換アタッチメントを備え、
前記照射範囲変換アタッチメントには、当該照射範囲変換アタッチメントを貫通する、細長い長方形状のスリットが形成されており、
前記照射範囲変換アタッチメントは、前記スリットの長手方向が、前記回転ブレードの第1主面に沿い、かつ前記回転ブレードの径に沿って、設けられており、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に平行であり、かつ前記スリットの長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の破損検出機構。
【請求項4】
出射端に向かって先細となるように成形された、前記出射側光ファイバの出射端部として、前記照射範囲変換部が構成されており、
前記出射端の面形状は、細長い長方形状に成形されており、
前記照射範囲変換部を含む前記出射側光ファイバは、前記出射端の長手方向が、前記回転ブレードの第1主面に沿い、かつ前記回転ブレードの径に沿って、設けられており、
前記入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、前記回転ブレードの前記第2主面に平行であり、かつ前記出射端の長手方向に直交する方向に沿って、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の破損検出機構。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
入射側レンズは、回転ブレードを挟んで、照射範囲変換部と対向する位置に配置されている。発光部は、検査光を出力する。出射側光ファイバは、発光部から出力される検査光を照射範囲変換部へ送る。照射範囲変換部は、回転ブレードの径に沿って細長く絞られた状態で、検査光を出射する。入射側レンズは、出射側光ファイバから照射範囲変換部を経て出射された検査光を集光して、入射側光ファイバに送る。入射側光ファイバは、検査光を受光部に送る。受光部は、入射側光ファイバから送られる検査光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して、制御部に送る。制御部は、受光部から送られる電気信号に基づいて、回転ブレードの破損を検出する。また、上述した入射側レンズは、シリンドリカルレンズである。入射側レンズは、当該入射側レンズの長手方向が、回転ブレードの第2主面に平行であり、かつ照射範囲変換部を経て細長く絞られた状態で出射された検査光の、回転ブレードの第2主面に沿って切り取ったスポットの長手方向に直交する方向に沿って、設けられている。