(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-96721(P2020-96721A)
(43)【公開日】2020年6月25日
(54)【発明の名称】缶バッジ
(51)【国際特許分類】
A44C 3/00 20060101AFI20200529BHJP
【FI】
A44C3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-236527(P2018-236527)
(22)【出願日】2018年12月18日
(71)【出願人】
【識別番号】515290527
【氏名又は名称】株式会社マイム・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA01
3B114AA11
3B114CC04
(57)【要約】
【課題】 缶バッジが有する視覚的表示機能に加えて前記視覚的表示機能以外の機能を備える缶バッジを提供すること。
【解決手段】 缶バッジCBの表側部材1と裏側部材2、及び前記表側部材1の表面に配置される適宜の文字や図柄等6を表示した視覚的表示部をデザイン部3として少なくとも備える缶バッジCBにおいて、前記デザイン部3に機械的可読コード8を配置したこと。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶バッジの表側部材と裏側部材、及び前記表側部材の表面に配置される適宜の文字や図柄等を表示した視覚的表示部をデザイン部として少なくとも備える缶バッジにおいて、前記デザイン部に機械的可読コードを配置したことを特徴とする缶バッジ。
【請求項2】
前記デザイン部の文字や図柄等による視覚的表示部の内部、又は視覚的表示部の外部、若しくは当該デザイン部の余白のデータ配置部に、機械的可読コードを配置した請求項1の缶バッジ。
【請求項3】
前記機械的可読コードは、QRコード(登録商標)等の2次元コードであって少なくとも店舗情報、金額やポイントによる経済情報のいずれかのデータと、シリアルナンバーによる個人情報のデータを含む請求項1又は2の缶バッジ。
【請求項4】
文字や図柄等の視覚的表示部に機械的可読コードを配置したデザイン部を表面に備える表側部材と安全ピン等の止め具を有する裏側部材とをプレス機で結合する缶バッジの製造方法において、前記デザイン部の印刷台紙に文字や図柄等を印刷するとき、機械的可読コードを配置するためのスペースを持たせて前記文字や図形等を前記印刷台紙に印刷し、この印刷の後、前記スペースに機械的可読コードを印刷して前記デザイン部を形成することを特徴とする缶バッジの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に様々な文字、図柄などの視覚に訴える表示が施される缶バッジとその缶バッジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
缶バッジは、様々な図柄、文字等を表側に表示し、裏側に帽子やバッグ等に止着するための安全ピン等による止め具を設けたもので、正面形状として円形や多角形を始めとして様々な形状の缶バッジがある。
【0003】
従来の缶バッジは、主としてアクセサリーとして、或は団体などを示す記章等として、帽子や衣服やバッグなどに装着して用いられ、缶バッジの表側に施された表示内容や表示のデザインが視覚を通して認識されるものである。このため公知の缶バッジは、同一デザインの缶バッジを大量に製造して価格を抑えて提供することにより広範な分野で利用されるようになり現在に至っている。
【0004】
公知の缶バッジは、そのバッジに施されたデザインによる視覚的表示機能を発揮させるため帽子や衣服、或はバッグ等の外表面に取付けられて使用されることに鑑み、太陽光や風雨に曝されても壊れたり傷んだりすることがないような材料や構造で形成されている。即ち、公知の缶バッジは、薄い鉄板(ブリキ、鈑金)を絞り加工して、例えば正面形状が円形の缶バッジを形成するための表側部材と裏側部材を形成し、適宜の文字、図柄等を印刷等によって表示したフィルムシート製のデザインシートを前記表側部材の表側に重ね、この表面部材を、裏面に安全ピン等の止め具を取付けた裏側部材に重ね合わせ、両部材の周縁部をカシメて一体化することにより製造されている。
【0005】
このように公知の缶バッジは、視覚的表示機能の発揮が主な目的であるため上記のような材質、構造で製造され、特に雨水に対して強いという高い耐侯性の特長を備えているが、缶バッジを所有する者に結びつく認証機能を持たせたり、前記視覚的表示による情報以外の適宜情報を保持させたりすること等は行われていない。
【0006】
この点に関して、缶バッジの所有者を示す認証機能や偽造防止機能など、公知の缶バッジの視覚的表示機能とは異なる固有の機能を備える缶バッジが検討されているが、未だ具体的な提案は見られない。この点については、特許文献1〜3等による公知の缶バッジを見ても、視覚的表示機能以外の機能を持たせた缶バッジは見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3213301号公報
【特許文献2】登録実用新案第3218895号公報
【特許文献3】特開2018−29818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、公知缶バッジの現状に鑑み、缶バッジが本来的に有する視覚的表示機能に加え、前記視覚的表示機能以外の機能を備える缶バッジを提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明缶バッジの構成は、薄い鉄板やプラスチック板などの板材で形成した缶バッジの表側部材と裏側部材、及び前記表側部材の表面に配置される適宜の文字や図柄等を表示した視覚的表示をデザイン部として少なくとも備える缶バッジにおいて、前記デザイン部に機械的可読コードを配置したことを特徴とする。すなわち本発明缶バッジは、当該缶バッジのデザイン部に機械的可読コードを配置し、前記文字や図柄等による視覚的表示機能部のほかに配置した機械的可読コードをコードリーダ等に読取らせるデータ機能部として備えたものである。
【0010】
前記デザイン部は、前記表側部材の表面に直接形成したものでもよいが、好ましくは、適宜の文字や図柄などを印刷表示したシート乃至フィルムをデザイン部として、前記表側部材の表面に積層配置したものである。
【0011】
本発明では、デザイン部に、印刷等で形成される文字や図柄等の視覚的表示の中に、又は前記視覚的表示の外にデータ配置部を設け、該データ配置部にQRコード(登録商標)やバーコードなどの機械的可読コードを、印刷などによって配置することにより、配置された前記機械的可読コードをデータ機能部として作用させることが出来る。データ配置部は、前記デザイン部に形成する余白をデータ配置部とすることが出来る。
【0012】
前記データ配置部に配置したQRコード(登録商標)やバーコード等の機械的可読コードは、前記データ配置部に印刷等によって可視的表示として配置するが、透明インク等を用いて不可視的表示として配置することもできる。前記機械的可読コードは、文字や図柄等の視覚的表示の上や視覚的表示の中をデータ配置部とし前記視覚的表示に重ねて配置することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、缶バッジのデザイン部に形成される文字や図形等が発揮する視覚的表示機能に加え、当該デザイン部にQRコード(登録商標)等の機械的可読コードを配置してデータ機能部にしたから、前記機械的可読コードに一例としてプリペイド機能を付与しておけば、缶バッジをプリペイドカードとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】文字や図柄等が表示されるデザイン部の版の一例の平面図。
【
図4】
図3のデザイン部の版に重ねるQRコード(登録商標)の版の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図を参照して本発明缶バッジの実施形態の一例について説明する。
図1、
図2において、CBは缶バッジ、1はブリキ製の表側部材、2は同じくブリキ製の裏側部材、3は前記表側部材1の表面に重ねた文字や図形等を一例として印刷により視覚的表示部として表示したフィルムシート状のデザイン部、4は前記デザイン部3の周縁を含み裏面側に折り曲げた表側部材1の内周縁部と、裏側部材2の上面側に折り曲げた外周縁部を、それらの全周を重ねた状態でカシメた結合部である。
図2における1aは表側部材1の折り曲げ部、2aは裏側部材2の折り曲げ部、CLは裏側部材2に設けたクリップや安全ピン等による止め具である。また表側部材1と裏側部材2には、ブリキ等の金属製のみならずプラスチック製、金属とプラスチックの複合材製などがある。
【0016】
缶バッジCBは、表側部材1の表面がなだらかな球面であるから、1個の缶バッジCBでも複数個の缶バッジCBであっても、缶バッジCB自体の表面に機械的印刷手段で文字や図柄等を印刷することはできない。
【0017】
公知の缶バッジCBにおける表側部材1の表面に形成されるデザイン部3は、フィルム等によるフラットな印刷台紙5に、複数個の表側部材1に適用する文字や図柄等6を印刷し、前記文字や図柄等6が印刷された印刷台紙5(デザイン部3の版)から、個々のデザイン部3を切り出して形成される。前記印刷台紙5に形成されたデザイン部3の版から各缶バッジCB用に切り出される個々のデザイン部3は、夫々に各缶バッジCBの表側部材1に重ねられ、デザイン部3を重ねた状態の表側部材1と裏側部材2が一緒に缶バッジマシン(手動プレス機)セットされ、前記デザイン部3を備えた表側部材1と裏側部材2とを前記缶バッジマシンによってカシメ、前記デザイン部3を有する表側部材1と裏側部材2が合体されて缶バッジCBに製造される。
【0018】
公知の缶バッジCBにおけるデザイン部3は、印刷台紙5に缶バッジ複数個分の文字や図柄等6を印刷してデザイン部3の版に形成するから、インクジェットプリンターなどの簡易タイプのプリンターによって前記デザイン部3の版を形成することができる。本発明では、複数の文字や図柄等6を印刷台紙5に印刷して前記デザイン部3の版を形成するとき、後で説明するQRコード(登録商標)8を印刷するためのスペース7をデータ配置部として、印刷台紙5の各文字や絵柄等6の内部や外部に形成しておく。スペース7のデータ配置部は、印刷された文字や図柄等6の内部や外部の余白であってもよい。
【0019】
ここで、機械的可読コードの一例であるQRコード(登録商標)8は、限られた印刷面積、例えば大きくても10mm
2の中において、多大な情報量を縦横に並ぶ白黒セルのパターンで表現するためには、精細かつ緻密なパターンを印刷できる性能を備えた印刷手段を用いる必要がある。
このため、公知の缶バッジCBのデザイン部3の文字や図柄等6を形成するインクジェットプリンターによって、前記文字や図柄等6と一緒に前記QRコード(登録商標)8を印刷することが、QRコード(登録商標)8の印刷面積が小さい場合にはできないことがある。
【0020】
そこで本発明では、前記デザイン部3の版(の印刷台紙5)と同じサイズの印刷台紙になるフィルム9であって、前記デザイン部3の版に作られたデザイン部3と同じ位置(スペース7)に印刷位置を取ったQRコード(登録商標)8用の版を作るためのフィルム9(印刷台紙9)を用意し、このフィルム9にQRコード(登録商標)8を印刷してQRコード(登録商標)8の版を作成するようにした。
【0021】
そして、前記QRコード(登録商標)8の版と先に説明したQRコード(登録商標)8を配置するためのスペース7を空けて形成したデザイン部3の版を重ねると、QRコード(登録商標)8用の空きスペース7を持たせた文字や図柄等6により形成されたデザイン部3に、前記空きスペース7にQRコード(登録商標)8が重なった状態のQRコード(登録商標)8を有するデザイン部3の版が形成される。
【0022】
本発明では、上記のようにしてQRコード(登録商標)8が配置された文字や図柄等6によるデザイン部3の版を印刷することにより、複数の缶バッジCB用の複数のQRコード(登録商標)8を備えたデザイン部3を、デザイン部3用の印刷台紙5の上に形成することができるから、形成された各デザイン部3を切り取って、公知の缶バッジCBのデザイン部3と同様にして表側部材1に重ね、この状態で裏側部材2と一緒に缶バッジ用のプレス機にかけて本発明缶バッジCBを形成する。
【0023】
本発明缶バッジCBにおいて、前記デザイン部3が備えるQRコード(登録商標)8は、そのQRコード(登録商標)8の中に個人情報となるシリアルナンバー10のコードを仕組んでおいたり、QRコード(登録商標)8とは別に機械的可読コードや文字で表すシリアルナンバー10を個人情報として持たせておくことにより、前記の各缶バッジCBと、当該各缶バッジCBを所有する各個人とを紐付けることができる。
【0024】
上記の各缶バッジCBは、夫々の所有者と紐づけられていることにより、各缶バッジCBを夫々の所有者の個人カードの一つとして利用可能になる。
例えば、前記QRコード(登録商標)8に、特定商店での買物ができる買物ポイントや、特定レストランでの食事に使える食事ポイント、或は特定劇場等への入場ができる入場ポイントや金額等により店舗情報や経済情報のデータを組込んでおけば、前記特定商店、特定レストラン、特定劇場等において夫々の店舗が備えるコードリーダに前記QRコード(登録商標)8とシリアルナンバー10を読取らせるだけで、現金を使用しないで買物や飲食、観劇などをすることが出来る。前記コードリーダが読込んだデータをコンピュータ等により処理するシステムにすると前記缶バッジCBにプリペイドカードと同等機能を持たせることも可能になる。
【0025】
上記の買物等に使える店舗情報やポイントデータ等の経済情報が書込まれたQRコード(登録商標)8によるデータ機能部を備えた本発明缶バッジCBは、前記ポイント等の経済価値と缶バッジCBのコストに見合う対価で販売したり、商店の景品等として配布、頒布することが出来る。
【0026】
上記実施態様のQRコード(登録商標)8とシリアルナンバー10をデザイン部3に備える本発明缶バッジCBは、その所有者が着用している衣服や帽子、バッグ等の表面に止着して用いられるから、パスケースや財布等に入れてしまい忘れたり、失くしてしまうことが著しく少なくなり、また缶バッジCBが本来的に備えている耐候性によって雨水に強く、更に仮に紛失したとしてもシリアルナンバー10で所有者の特定ができているから、拾得者など第三者の悪用を効果的に防止できる。
【0027】
本発明では、QRコード(登録商標)以外の2次元コード(SPコード、CPコード等)やバーコード等の1次元コードを、データ配置部に配置する機械的可読コードとして用いることが出来る。また機械的可読コードの配置手段は、上記例の印刷のほか、QRコード(登録商標)等の機械的可読コードを印刷したラベルの貼付、或はドットピン方式やレーザ刻印方式で缶バッジCBの表側部材1に直接配置することも出来る。
【0028】
本発明は以上の通りであって視覚的表示機能しか持たなかった缶バッジに機械的可読コードの例としてQRコード(登録商標)などのコードによるデータ機能を付加したから、缶バッジの有用な機能を拡張することが出来る。
【符号の説明】
【0029】
CB 缶バッジ
1 表側部材
2 裏側部材
3 デザイン部
4 結合部
5 デザイン部の印刷台紙
6 文字や絵柄等
7 スペース(データ配置部)
8 QRコード(登録商標)
9 フィルム
10 シリアルナンバー