【解決手段】アイウェアデバイスは、本体と、少なくとも1つの保存エリアと、少なくとも1つのマイクロ流路とを含む。本体は、第1表面、第2表面、中心、第1表面の第1外縁、および第2表面の第2外縁を有する。保存エリアは、本体の中に設置され、薬物を詰めておくために使用される。マイクロ流路は、第1表面の第1外縁および第2表面の第2外縁の近くに設置され、マイクロ流路の一端は、保存エリアと連接して、薬物を保存エリアに充填し、マイクロ流路の他端は、アイウェアデバイス辺縁の開口に面して、角膜および/または強膜と接触し、且つ開口と第1表面の第1外縁および第2表面の第2外縁は、互いに連接する。
前記保存エリアの幅が、30μm〜5mmであり、高さが、10μm〜200μmであり、総体積が、0.002μL〜20μLであり、前記マイクロ流路の断面平均直径が、20μm〜150μmである請求項1に記載のアイウェアデバイス。
前記マイクロ流路と前記保存エリアが連接する一端の孔径が、10μm〜200μmであり、前記マイクロ流路と角膜および/または強膜が接触する一端の孔径が、40μm〜200μmである請求項1に記載のアイウェアデバイス。
前記アイウェアデバイスの表面が、潤滑材料を塗布し、前記潤滑材料が、ムコタンパク質(mucoprotein)、ポリエチレンイミン(polyethylenimine)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、ポリアクリル酸 (polyacrylic acid)、ポリメタクリル酸(polymethacrylic acid)、ポリイタコン酸(polyitaconic acid)、ポリマレイン酸(polymaleic acid)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose, CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose, HPMC)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol)、ヒアルロン酸、デキストラン(dextran)、ポリ2-ヒドロキシエチルメタクリレート(poly 2-hydroxyethyl methacrylate, poly HEMA)、ポリスルホン酸塩(poly sulfonates)、ポリ乳酸(polylactate)、尿素、ホスホリルコリン(phosphoryl choline)、またはこれらの組み合わせを含む請求項1に記載のアイウェアデバイス。
前記潤滑材料が、さらに、親水性ポリペプチドを含み、且つ前記ポリペプチドの75%以上の重量比のアミノ酸が、アスパラギン酸(Aspartic acid, AspまたはD)、グルタミン酸(Glutamic acid, GluまたはE)、ヒスチジン(Histidine, HisまたはH)、リジン(Lysine, LysまたはK)、アスパラギン(Asparagine, AsnまたはN)、グルタミン(Glutamine, GlnまたはQ)、アルギニン(Arginine, ArgまたはR)、セリン(Serine, SerまたはS)、スレオニン(Threonine, ThrまたはT)、チロシン(Tyrosine, TyrまたはY)からなる群より選択される請求項6に記載のアイウェアデバイス。
前記生物由来高分子が、コラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)、キチン質(Chitin)、セルロース、またはこれらの組み合わせを含む請求項8に記載のアイウェアデバイス。
前記非生物由来高分子が、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol, PEG)、プロピレングリコールジアクリレート(propylene glycol diacrylate, PPGDA)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane, PDMS)、ポリメチルメタクリレート(poly(methyl methacrylate), PMMA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(poly(hydroxyethyl methacrylate), PHEMA)、またはこれらの組み合わせを含む請求項8に記載のアイウェアデバイス。
前記保存空間と前記接続管の間に封止フィルムが設置され、前記安全針を押圧することにより、前記薬物を前記収容部から前記接続管を通して前記保存空間に流し込み、さらに前記保存空間から前記注入口に注入して、前記硬質包装治具の前記チャネルに進入させることができる請求項13に記載のアイウェアデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の実施形態および添付の図面を組み合わせてさらに詳細に説明するが、提供する実施形態は、本発明の範囲を制限するためのものではない。また、添付の図面は、単に説明することが目的であり、元の寸法に基づいて作図したものではない。理解しやすいよう、下記の説明において、同じ素子には同一の符号を表示して説明する。また、文中に使用する「含む」、「有する」等の用語は、いずれも開放性の用語であり、つまり、「含むが、これに限定されない」を指す。さらに、文中に提示する「上」、「下」等の方向を示す用語は、単に添付の図面中の方向を参照するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。また、明細書において提示する数量および形状は、単に本発明を具体的に説明してその内容を理解しやすくするためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0010】
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るアイウェアデバイスの上面図であり、
図1Bは、
図1Aの線分A-A’に沿って切断した断面概略図であり、
図1Cは、
図1Aの線分B-B’に沿って切断した断面概略図である。
【0011】
図1A、
図1B、および
図1Cを同時に参照すると、アイウェアデバイス10は、本体Pと、少なくとも1つの保存エリア12と、少なくとも1つのマイクロ流路14とを含む。本体Pの構造は、第1表面S1、第2表面S2、中心N10およびN11、第1表面S1の第1外縁E1、および第2表面S2の第2外縁E2を有する。上述した中心N10は、
図1Aの上面概略図で定義された本体Pの中心点(
図1Aの線分A-A’と線分B-B’の交差点で定義することができる)を指し、中心N11は、
図1Bおよび
図1Cの断面概略図で定義された本体Pの中心点を指す。
図1Bおよび
図1Cを参照すると、Y-Y’は、中心N11を通って本体Pを縦向きに貫通する縦軸線であり、X-X’は、中心N11を通って本体Pを横向きに貫通する横軸線であり、且つ縦軸線Y-Y’と横軸線X-X’は、互いに垂直である。
【0012】
上述したアイウェアデバイス10の平均曲率半径は、約6mm〜15mmであってもよく、例えば、6mm〜14.5mm、6.5mm〜13mm、6.5mm〜12mm、7mm〜9mm、8.5mm〜10.5mm、7mm〜10mm等であるが、本発明はこれに限定されない。さらに、
図1Cを参照すると、アイウェアデバイス10の第1表面S1および第2表面S2は、それぞれ異なる平均曲率半径R1およびR2を有してもよく、且つ第1表面S1が有する第1平均曲率半径R1は、第2表面S2が有する第2平均曲率半径R2よりも小さい。例を挙げて説明すると、第1平均曲率半径R1は、約6.0mm〜14.8mmであってもよく、例えば、6mm〜14.5mm、6mm〜13mm、6.5mm〜12mm、7mm〜11.5mm、7.5mm〜11mm、8mm〜10.5mm、7mm〜10mm等であるが、本発明はこれに限定されない。第2平均曲率半径R2は、約6.2mm〜15.0mmであってもよく、例えば、6.5mm〜14.5mm、6.5mm〜13mm、7mm〜12.5mm、7mm〜12mm、7.5mm〜11.5mm、8mm〜11mm、8mm〜10mm等であるが、本発明はこれに限定されない。また、このアイウェアデバイス10を装着する時、第2表面S2により使用者の角膜および/または強膜に接触する。
【0013】
また、アイウェアデバイス10の材料は、生物由来高分子、非生物由来高分子、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。そのうち、生物由来高分子は、コラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)、キチン質(Chitin)、セルロース、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。非生物由来高分子は、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol, PEG)、プロピレングリコールジアクリレート(propylene glycol diacrylate, PPGDA)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane, PDMS)、ポリメチルメタクリレート(poly(methyl methacrylate), PMMA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(poly(hydroxyethyl methacrylate), PHEMA)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0014】
上述した保存エリア12は、本体Pの中に設置され、薬物を詰めておくために使用される。マイクロ流路14は、第1表面S1の第1外縁E1および第2表面S2の第2外縁E2の近くに設置され、薬物を保存エリア12に充填するために使用される。保存エリア12とマイクロ流路14は、いずれもさらに表面において親水性または不粘着性の改質処理を行って、毛細作用により薬物の充填および気泡の排除を促進することができ、さらに、材料特性(例えば、柔軟度および弾性)を組み合わせて瞬き動作を強める薬物補充能力を持たせることができる。上述した親水性の改質処理方法は、親水高分子、イオン性官能基、または界面活性剤を基材の中に混合すること、基材表面に浸漬塗布/塗布すること、または化学反応により基材表面に移植することを含むことができ、プラズマ、紫外光、熱処理、またはその他の反応性気体を使用して物質表面に対して酸化、架橋反応、反応性が高い官能基の増加、またはマイクロ構造変更の処理を行うこともできるが、本発明はこれに限定されない。さらに詳しく説明すると、親水高分子は、ポリアクリアミド(polyacrylamide, PAMまたはPAAM)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol, PEG)等を含んでもよく、イオン性官能基は、第一/二級アミン、カルボン酸等を含んでもよく、界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfate, SDS)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(polyethylene glycol p-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)-phenyl ether, Triton X-100)、コカミドプロピルベタイン({[3-(Dodecanoylamino)propyl](dimethyl)ammonio}acetate)等を含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。上述した非粘着性改質処理の方法は、親水改質処理の方法と類似するため、ここでは説明を省略するが、本発明はこれに限定されない。
【0015】
本実施形態において、保存エリア12は、環状、弧状、線状、またはこれらの組み合わせであってもよいが、本発明はこれに限定されない。また、保存エリア12のアイウェアデバイス10における設置位置は、視線を遮断しないことを設計の目標とする。
図1Bおよび
図1Cを参照すると、Y1-Y1’は、保存エリア12の中心N12を通って本体Pを縦向きに貫通する縦軸線であり、例えば、保存エリア12の中心N12を本体の中心N11との距離が約4mm〜14mmの所に設置してもよく、また、保存エリア12の中心N12を本体の中心N11との距離が約4.5mm〜14mm、6mm〜14mm、4mm〜12mm、8mm〜12mm、10mm〜12mm、6.5mm〜10mm、8mm〜10mm、7mm〜11mm、5.5mm〜10.5mm、4.5mm〜8mmの所に設置してもよいが、本発明はこれに限定されない。言い換えると、実際に要求に基づいて、保存エリア12の形状およびアイウェアデバイス10における設置位置を調整することができる。
【0016】
本実施形態において、マイクロ流路14の一端は、保存エリア12と連接してもよく、他端は、アイウェアデバイス10の辺縁に設置された開口Oに面して、角膜および/または強膜と接触してもよく、且つ上述した開口Oと上述した第1表面S1の外縁E1および第2表面S2の外縁E2は、互いに連接する。マイクロ流路14の配置方法は、実際の要求に基づいて調整することができ、例を挙げて説明すると、マイクロ流路14のアイウェアデバイス10における配置方法は、放射状を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。そして、
図1Aにおいて、8本のマイクロ流路14を図示しているが、本発明のマイクロ流路14の配置数量はこれに限定されず、実際の要求に基づいて、16本、14本、12本、10本、または6本等に調整してもよい。
【0017】
また、アイウェアデバイス10の表面は、例えば、ムコタンパク質(mucoprotein)、ポリエチレンイミン(polyethylenimine)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、ポリアクリル酸 (polyacrylic acid)、ポリメタクリル酸(polymethacrylic acid)、ポリイタコン酸(polyitaconic acid)、ポリマレイン酸(polymaleic acid)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose, CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose, HPMC)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol)、ヒアルロン酸、デキストラン(dextran)、ポリ2-ヒドロキシエチルメタクリレート(poly 2-hydroxyethyl methacrylate, poly HEMA)、ポリスルホン酸塩(poly sulfonates)、ポリ乳酸(polylactate)、尿素、ホスホリルコリン(phosphoryl choline)、またはこれらの組み合わせ等の潤滑材料をさらに塗布することができる。この他に、潤滑材料は、親水性ポリペプチドであってもよく、例えば、このポリペプチドの75%以上の重量比のアミノ酸は、アスパラギン酸(Aspartic acid, AspまたはD)、グルタミン酸(Glutamic acid, GluまたはE)、ヒスチジン(Histidine, HisまたはH)、リジン(Lysine, LysまたはK)、アスパラギン(Asparagine, AsnまたはN)、 グルタミン(Glutamine, GlnまたはQ)、アルギニン(Arginine, ArgまたはR)、セリン(Serine, SerまたはS)、スレオニン(Threonine, ThrまたはT)、チロシン(Tyrosine, TyrまたはY)からなる群より選択されるが、装着快適性の向上を主とし、水分の蒸発を防ぐことができれば、本発明はこれに限定されない。
【0018】
図1A、
図1B、および
図1Cを同時に参照すると、保存エリア12の幅は、30μm〜5mmであってもよく、例えば、30μm〜50μm、50μm〜70μm、70μm〜100μm、100μm〜4.5mm、500μm〜4.5mm、1mm〜4mm、1.5mm〜4mm、1.5mm〜3.5mm、2mm〜3.5mm、2.5mm〜3.5mm、2.5mm〜3mm等であるが、本発明はこれに限定されない。保存エリア12の高さは、10μm〜200μmであってもよく、例えば、20μm〜180μm、30μm〜150μm、50μm〜120μm、50μm〜100μm、60μm〜80μm等であるが、本発明はこれに限定されない。保存エリア12に詰めることのできる薬物の総体積は、0.002μL〜20μLであってもよく、例えば、0.05μL〜20μL、0.1μL〜20μL、0.5μL〜20μL、1μL〜20μL、2μL〜20μL、5μL〜20μL、10μL〜20μL、5μL〜15μL、5μL〜10μL等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0019】
また、マイクロ流路14の断面平均直径は、20μm〜150μmであってもよく、例えば、30μm〜150μm、50μm〜150μm、50μm〜120μm、50μm〜100μm、50μm〜80μm、80μm〜120μm、100μm〜150μm等であるが、本発明はこれに限定されない。マイクロ流路14の断面平均直径は、保存エリア12の断面平均直径よりも小さくてもよい。そのうち、マイクロ流路14と保存エリア12が連接する一端の孔径は、10μm〜200μmであってもよく、例えば、10μm〜20μm、20μm〜50μm、50μm〜100μm、100μm〜150μm、80μm〜200μm等であるが、本発明はこれに限定されず、マイクロ流路と角膜および/または強膜が接触する一端の孔径は、40μm〜200μmであってもよく、例えば、50μm〜180μm、60μm〜160μm、70μm〜150μm、80μm〜140μm、90μm〜130μm、100μm〜120μm等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0020】
図1A、
図1B、および
図1Cを同時に参照すると、アイウェアデバイス10の外観は、円形を含むことができるが、本発明はこれに限定されず、直径は、約12mm〜20mmであってもよく、例えば、12mm〜15mm、15mm〜18mm、18mm〜20mm、12mm〜18mm、15mm〜20mm、13mm〜15mm等であるが、本発明はこれに限定されない。アイウェアデバイスの平均厚は、約20μm〜400μmであってもよく、例えば、30μm〜350μm、50μm〜300μm、50μm〜250μm、80μm〜320μm、100μm〜300μm、150μm〜300μm、150μm〜200μm等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0021】
図2は、本発明の第2実施形態に係るアイウェアデバイスの上面図である。
図2に示した第2実施形態は、
図1Aに示した第1実施形態と類似するため、同じ素子の規格および配置については、繰り返し説明しない。
【0022】
図2に示した第2実施形態において、中心N20は、
図2の上面概略図で定義された本体の中心点を指す(
図2の線分A1-A1’と線分B1-B1’の交差部分で定義することができる)。第1実施形態と異なる点は、第2実施形態の保存エリア22が弧状であることであり、例えば、アイウェアデバイス20の中心N20を中心として配置された円弧状である。つまり、
図1Aに示した第1実施形態において、アイウェアデバイスは、1つの環状の保存エリア12を有し、
図2に示した第2実施形態において、アイウェアデバイスは、2つの弧状の保存エリア22を有するが、本発明はこれに限定されず、視線を遮断しないことを設計の目標とし、且つ実際の要求に基づいて、保存エリア22の形状、配置位置、および配置数を調整してもよい。
図2に示すように、保存エリア22は、アイウェアデバイス20の中心N20を対称中心として対称配置することができるが、本発明はこれに限定されず、保存エリア22は、非対称配置の形態を表現してもよい。
【0023】
図2に示すように、マイクロ流路24の一端は、保存エリア22と連接し、他端は、アイウェアデバイス辺縁の開口に面し、放射状配置を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。また、
図2において、6本のマイクロ流路24を図示し、各保存エリア22は、それぞれ3本のマイクロ流路24と連接しているが、本発明はこれに限定されず、実際の要求に基づいて、マイクロ流路24の配置数を調整してもよい。例えば、各保存エリア22は、それぞれ2本、4本、5本、6本等のマイクロ流路24と連接してもよいが、本発明はこれに限定されない。また、上述したように、保存エリア22は、非対称配置の形態を表現してもよく、例えば、そのうちの1つの保存エリア22に2本のマイクロ流路24を組み合わせて、別の保存エリア22に3本のマイクロ流路24を組み合わせることもできる。つまり、2つの保存エリア22に組み合わせるマイクロ流路24の数は、多少異なってもよい。
【0024】
図3A〜
図3Bは、本発明の1つのアイウェアデバイスの立体概略図である。
【0025】
図3Aを参照すると、このアイウェアデバイス30Aは、全レンズ型であってもよく、曲面C0の平均曲率半径は、約6mm〜15mmであってもよく、例えば、6mm〜12mm、6mm〜10mm、7mm〜14mm、7mm〜12mm、8mm〜12mm、8mm〜10mm等であるが、本発明はこれに限定されない。また、この全レンズ型のアイウェアデバイス30Aは、頂部〜底部までの全体の高さh0が約0.3mm〜6.2mmであってもよく、例えば、0.5mm〜3mm、1mm〜4.5mm、2mm〜5mm、2mm〜4.5mm、2.5mm〜5mm、4mm〜6mm等であるが、本発明はこれに限定されない。
図3Bを参照すると、アイウェアデバイス30Bは、外環型であってもよく、環状開口部分の直径d0は、約6mm〜13mmであってもよく、例えば、6mm〜12mm、7mm〜12mm、8mm〜12mm、8mm〜10mm等であるが、本発明はこれに限定されない。また、環状の高さh01、約0.2mm〜6mmであってもよく、例えば、0.2mm〜2mm、0.5mm〜5mm、1mm〜4.5mm、1.5mm〜4mm、2mm〜3.5mm、2.5mm〜3mm、3mm〜5mm等であるが、本発明はこれに限定されない。さらに詳しく説明すると、
図3Aの全レンズ型のアイウェアデバイス30Aを
図3Bの高度h01の部分で切断した場合、
図3Bの外環型のアイウェアデバイス30Bを形成することができる。
【0026】
図4A〜
図4Cは、本発明の別のアイウェアデバイスの立体概略図である。
【0027】
図4A〜
図4Cを参照すると、アイウェアデバイス40A、40B、および40Cは、強膜接触装着型であってもよい。
図4Aを参照すると、アイウェアデバイス40Aは、強膜接触装着型の全レンズ型であってもよく、2種類の階層の曲面C1およびC2を有する。曲面C1の曲率半径は、約6mm〜9mmであってもよく、例えば、6.5mm〜8.5mm、7mm〜8.5mm、7.5mm〜9mm等であるが、本発明はこれに限定されない。曲面C2の曲率半径は、約7mm〜15mmであってもよく、例えば、8mm〜14mm、8mm〜12mm、10mm〜12mm等であるが、本発明はこれに限定されない。そのうち、曲面C1を有するレンズの高さh1は、約0.3mm〜6.2mmであってもよく、例えば、0.5〜2mm、1mm〜6mm、2mm〜5mm、3mm〜4mm等であるが、本発明はこれに限定されない。曲面C2を有するレンズのh2は、約0.2mm〜10mmであってもよく、例えば、0.2mm〜3mm、1mm〜9mm、2mm〜8mm、3mm〜7mm、4mm〜6mm等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
図4Bおよび
図4Cを継続して参照すると、アイウェアデバイス40Bおよび40Cは、強膜接触装着型の外環型であってもよい。さらに詳しく説明すると、
図4Aの全レンズ型のアイウェアデバイス40Aを
図4Bの曲面C1を有する外環の高さh11の部分で切断した場合、
図4Bの外環型のアイウェアデバイス40Bを形成することができ、
図4Aの全レンズ型のアイウェアデバイス40Aを、曲面C1を有する部分と曲面C2を有する部分の交差部分で切断して、曲面C1を有する部分を切除した場合、
図4Cの外環型のアイウェアデバイス40Cを形成することができる。
図4Bに示すように、環状開口部分の直径d1は、約6mm〜13mmであってもよく、例えば、6mm〜12mm、7mm〜12mm、8mm〜12mm、8mm〜10mm等であるが、本発明はこれに限定されない。また、曲面C1を有する部分の外環の高さh11は、約0.2mm〜5mmであってもよく、例えば、0.5mm〜4.5mm、1mm〜4mm、1.5mm〜3.5mm、2mm〜3.5mm、2.5mm〜3mm、3mm〜5mm等であるが、本発明はこれに限定されない。
図4Cに示すように、環状開口部分の直径d2は、約9mm〜19mmであってもよく、例えば、9mm〜11mm、10mm〜18mm、10.5mm〜17.5mm、11mm〜17mm、12mm〜16mm、12.5mm〜15.5mm、13mm〜15mm等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
図5Aおよび
図5Bは、本発明の第3実施形態に係るアイウェアデバイスにおける保存エリアとマイクロ流路の配置方法の概略図である。そのうち、
図5Aは、上面概略図であり、
図5Bは、
図5Aの線分C-C’に沿って切断した断面概略図である。
図5Aおよび
図5Bに示した第3実施形態は、上述した
図1Aに示した第1実施形態と類似するため、同じ素子の規格および配置については、繰り返し説明しない。説明すべきこととして、保存エリア32およびマイクロ流路34の形態配置を明確に示すため、
図5Aおよび
図5Bは、アイウェアデバイスの辺縁輪郭線を省略し、保存エリア32およびマイクロ流路34のみを図示する。また、この部分は、2本のマイクロ流路34と保存エリア32の連接のみを図示しているが、実際の要求に基づいて、マイクロ流路34の数を調整してもよく、本発明はこれに限定されない。例を挙げて説明すると、2本、4本、6本、8本、10本等のマイクロ流路34と保存エリア32の連接を設置してもよい。
【0030】
図5Aおよび
図5Bを同時に参照すると、マイクロ流路34の孔径をアイウェアデバイスの辺縁から保存エリア32に向かって漸縮させることによって、毛細作用により薬物の充填および気泡の排除を促進するメカニズムを強化する。本実施形態において、マイクロ流路34の孔径は、アイウェアデバイスの上視方向に沿ってアイウェアデバイスの辺縁から保存エリア32に向かって徐々に漸縮するため、
図5Aの上面概略図において、マイクロ流路34の孔径は、アイウェアデバイスの辺縁から保存エリア32に向かって漸縮する傾向を表し、
図5Bの断面概略図において、マイクロ流路34の孔径は、均一である。さらに具体的に説明すると、
図5Aの上面概略図において、マイクロ流路34のアイウェアデバイスの辺縁に近い一端から保存エリア32に向かって見た視角を検視視角とし、且つマイクロ流路34の両端の側壁をそれぞれ左側壁34Lおよび右側壁34Rと定義した場合、
図5Aに示すように、マイクロ流路34の左側壁34Lと右側壁34Rは、互いに徐々に近づく態様を表す。
図5Bの断面概略図において、マイクロ流路34の上側壁34Uと下側壁34Dの間の距離は、一定を保っている。つまり、本実施形態において、マイクロ流路34の左側壁34Lから右側壁34Rの間の幅は、アイウェアデバイスの辺縁から保存エリア32に向かって漸縮し、マイクロ流路34の上側壁34Uから下側壁34Dまでの高さは、アイウェアデバイスの辺縁から保存エリア32まで全て一定を保つ。ただし、本発明はこれに限定されず、マイクロ流路34の孔径は、アイウェアデバイスの断面方向に沿ってアイウェアデバイスの辺縁から保存エリア32に向かって漸縮してもよく、この形態については、下記の
図6A、
図6B、および
図6Cにおいて詳しく説明する。
【0031】
図6A〜
図6Cは、本発明の第4実施形態に係るアイウェアデバイスにおける保存エリアとマイクロ流路の配置方法の概略図である。そのうち、
図6Aは、上面概略図であり、
図6Bおよび
図6Cは、いずれも
図6Aの線分D-D’に沿って切断した断面概略図であるが、
図6Bおよび
図6Cは、それぞれ漸縮したマイクロ流路の異なる態様を表し、
図6Bは、平滑式に漸縮するマイクロ流路の態様の断面概略図であり、
図6Cは、階段式に漸縮するマイクロ流路の態様の断面概略図である。
図6A、
図6B、および
図6Cに示した第4実施形態は、上述した
図1Aに示した第1実施形態と類似するため、同じ素子の規格および配置については、繰り返し説明しない。説明すべきこととして、保存エリア42およびマイクロ流路44の形態配置を明確に表示するため、
図6A、
図6B、および
図6Cは、アイウェアデバイスの辺縁輪郭線を省略し、保存エリア42およびマイクロ流路44のみを図示する。また、この部分は、2本のマイクロ流路44と保存エリア42の連接のみを図示しているが、実際の要求に基づいて、マイクロ流路44の数を調整してもよく、本発明はこれに限定されない。例を挙げて説明すると、2本、4本、6本、8本、10本等のマイクロ流路44と保存エリア42の連接を設置してもよい。
【0032】
図6A、
図6B、および
図6Cを同時に参照すると、マイクロ流路44の孔径をアイウェアデバイスの辺縁から保存エリア42に向かって漸縮させることによって、毛細作用により薬物の充填および気泡の排除を促進するメカニズムを強化する。本実施形態において、マイクロ流路44の孔径は、アイウェアデバイスの断面方向に沿ってアイウェアデバイスの辺縁から保存エリア42に向かって徐々に漸縮するため、
図6Aの上面概略図において、マイクロ流路44の孔径は均一であり、
図6Bおよび
図6Cの断面概略図において、マイクロ流路44の孔径は、アイウェアデバイスの辺縁から保存エリア42に向かって漸縮する傾向を表す。さらに具体的に説明すると、
図6Aの上面概略図において、マイクロ流路44のアイウェアデバイスの辺縁に近い一端から保存エリア42に向かって見た視角を検視視角とし、且つマイクロ流路44の両端の側壁をそれぞれ左側壁44Lおよび右側壁44Rと定義した場合、
図6Aに示すように、マイクロ流路44の左側壁44Lと右側壁44Rの間の距離は、一定を保ち、
図6Bおよび
図6Cの断面概略図において、マイクロ流路44の下側壁44Dは、上側壁44Uに向かって徐々に近づく趨勢を表す。つまり、本実施形態において、マイクロ流路44の左側壁44Lから右側壁44Rの間の幅は、アイウェアデバイスの辺縁から保存エリア4まで全て一定を保ち、マイクロ流路44の上側壁44Uから下側壁44Dまでの高さは、アイウェアデバイスの辺縁から保存エリア42に向かって漸縮する。説明すべきこととして、本実施形態において、マイクロ流路44の孔径がアイウェアデバイスの辺縁から保存エリア42に向かって漸縮する形態は、平滑式に漸縮してもよく(
図6Bに示す)、あるいは階段式に漸縮してもよい(
図6Cに示す)。ただし、漸縮の形態は、これに限定されない。
【0033】
図7A〜
図7Dは、本発明のアイウェアデバイスに係る1つの包装設計の概略図である。そのうち、
図7Aは、断面概略図であり、
図7Bは、上面概略図であり、
図7Cは、立体概略図であり、
図7Dは、部分的拡大概略図である。
【0034】
図7A、
図7B、および
図7Cを同時に参照すると、アイウェアデバイス10は、硬質包装用治具200の中に包装され、アイウェアデバイス10を支持して、崩壊や変形を防ぐことができ、且つマイクロ流路の完全性を保持して、填薬精度を上げることができる。
図7A、
図7B、および
図7Cは、アイウェアデバイス10を例としているが、本発明はこれに限定されず、例えば、アイウェアデバイス20、30A、30B、40A、40B、または40C等であってもよい。包装方法は、真空および負圧方式の包装を採用することができるが、本発明はこれに限定されない。硬質包装用治具200は、上カバー240および台座260で構成することができる。台座260の上には、凸起部分280および少なくとも1つのチャネル290が設置され、凸起部分280とチャネル290は、互いに連接し、且つチャネル290は、薬物を注入するための注入口220を有する。チャネルの断面平均直径は、約50μm〜1000μmであってもよく、例えば、100μm〜950μm、150μm〜900μm、200μm〜850μm、250μm〜800μm、300μm〜750μm、350μm〜700μm、500μm〜750μm、500μm〜800μm等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
本実施形態において、上カバー240は、凹入部分を有し、且つ凹入部分の構造と位置は、凸起部分280と対応する。アイウェアデバイス10は、台座260の凸起部分280に放置することができ、凸起部分280の平均曲率半径は、アイウェアデバイス10の平均曲率半径と類似するため、台座260と上カバー240を合わせた時に、アイウェアデバイス10が凸起部分280に挟持される。凸起部分280の平均曲率半径とアイウェアデバイス10の平均曲率半径の差は、約1mm、0.8mm、0.5mm、0.3mm、または0.1 mm等であるが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
続いて、上述した硬質包装用治具200でアイウェアデバイス10の位置を固定した後、注入器300により硬質包装用治具200の注入口220において薬物を充填することができ、薬物は、注入口220からチャネル290を通過して凸起部分280上のアイウェアデバイス10に流動し、さらにアイウェアデバイス10のマイクロ流路14を通って保存エリア12に進入する。さらに詳しく説明すると、
図7Dに示すように、注入口220の部分にさらに八の字型の導入口230を設置して、注入器300の位置を注入口220に合わせやすくしてもよい。注入器300は、針先を含むことができるが、本発明はこれに限定されず、例えば、スポイト(dropper)、ピペット(pipetman)で薬物を注入してもよい。また、導入口230の前方または後方に封止フィルム250(プラスチックプラグであってもよい)を配置して、硬質包装用治具200包装内の真空および負圧を維持してもよい。注入器300を注入口220に挿入した時、封止フィルム250を破裂させることにより、上述した方法で薬物の充填を行うことができる。
【0037】
また、
図7A、
図7B、および
図7Cにおいて、2本のチャネル290のみを図示しているが、実際には、需要に応じて所望のチャネル、例えば、4本、6本、8本のチャネル等を配置してもよいが、本発明はこれに限定されない。また、さらに異なる注入口を通して異なる有効量の薬物を注入し、異なる種類の所望の薬物をアイウェアデバイスの異なる保存エリアに詰めておくこともできる。例を挙げて説明すると、アイウェアデバイス20を載薬対象として、硬質包装治具200の凸起部分280に放置することができ、且つ異なる保存エリアにそれぞれ配置された1つのマイクロ流路24を1つのチャネル290に向き合わせて、それぞれ異なるチャネル290からそれに対応するマイクロ流路に異なる薬物を伝送し、さらに異なる薬物をアイウェアデバイス20の異なる保存エリア22に詰めておくことができる。
【0038】
図8A、
図8B、および
図8Cは、本発明のアイウェアデバイスに係る別の包装設計の概略図である。
【0039】
上記の
図7A、
図7B、および
図7Cで説明したアイウェアデバイスの包装設計と使用方法以外に、注射剤による充填を回避したい場合は、
図8A、
図8B、および
図8Cに示した包装設計を採用することもできる。
図8A、
図8B、および
図8Cに示した包装設計は、薬物滴下容器(drug drop container)を主とし、
図7A、
図7B、および
図7Cの注入器300の代わりに、
図7A、
図7B、および
図7Cの硬質包装治具200と組み合わせて使用することにより、アイウェアデバイス10に有効量の薬物を充填することができる。
図8Aを参照すると、薬物滴下容器80Aは、収容部400、封止フィルム420、安全針440、および保存空間450を含むことができ、保存空間450は、封止フィルム420の下方に設置され、安全針440は、保存空間450内に設置することができる。収容部400と封止フィルム420の間には、接続管430が設置され、接続管430の一端は、収容部400の底部と互いに接続し、他端は、密封するための封止フィルム420が設置される。また、保存空間450内の安全針440の底部にプラスチッククッション等のクッション460を設置して、安全針440の押圧動作を操作しやすくしてもよく、且つこのクッションは、押圧動作後のはね返りを助けて、薬物の接続管430から保存空間450への流れが阻害されるのを防ぐことができる。
【0040】
操作において、まず、薬物70Aを収容部400の中に注入し、使用者が薬物70Aを推奨量に基づいて収容部400に滴下した後、封止フィルム420の方向に向かって安全針440下方のクッション460を押圧して、安全針440を封止フィルム420に貫通させると、有効量の薬物70Aを収容部400から接続管430を通して保存空間450に流し込むことができる。続いて、
図8Aおよび
図7Cを同時に参照すると、保存空間450の薬物70Aを保存空間450と連接したい硬質包装治具200の注入口220に注入して、硬質包装治具200のチャネル290に進入させることができる。保存空間450の体積は、収容部400よりも小さいが、体積はアイウェアデバイス10の保存エリア12およびマイクロ流路14よりもはるかに大きいため、薬物が入りきらない問題は生じない。
【0041】
図8Bを参照すると、
図8Bと
図8Aの構造および操作方法は類似しており、異なる点は、薬物滴下容器80Bにおいて封止フィルム420が設置されていないことである。つまり、接続管430は、保存空間450と繋がっており、且つクッション460を側面に設置し、同時に安全針440を方向転換させることができる。操作において、同様に、まず、薬物70Aを推奨量に基づいて収容部400に滴下し、続いて、
図8B、
図7C、および
図7Dを同時に参照すると、硬質包装治具200の注入口220に向かってクッション460を押圧して、安全針440を注入口220の封止膜250に貫通させると、負圧により有効量の薬物70Aを収容部400から接続管430を通して保存空間450に流し込むことができ、さらに薬物70Aを保存空間450から保存空間450と連接する硬質包装治具200の注入口220に注入して、硬質包装治具200のチャネル290に進入させることができる。
【0042】
図8Cを参照すると、
図8Cと
図8Aの構造および操作方法は類似しており、異なる点は、薬物滴下容器80Cにおいて、
図8Aに示した接続管430、封止フィルム420、安全針440、およびクッション460の代わりに、封止膜を配置した回転カバー470および鋭利物480(安全針、へら、またはその他の封止膜を破壊するための鋭利物であってもよい)を配置した支持部材490に置き換えたことである。操作において、同様に、まず、薬物70Aを推奨量に基づいて収容部400に滴下し、続いて、
図8Cおよび
図7Cを同時に参照すると、回転カバー470を下向きに回転させることにより、鋭利物480で回転カバー470の中の封止膜を破壊して、有効量の薬物を破損部分から収容部400下方の保存空間に流し込むことができ、さらに薬物70Aを保存空間から保存空間と連接する硬質包装治具200の注入口220に注入して、硬質包装治具200のチャネル290に進入させることができる。
【0043】
図9Aおよび
図9Bは、本発明のアイウェアデバイスに係るさらに別の包装設計の概略図である。そのうち、
図9Aは、立体概略図であり、
図9Bは、断面概略図である。
【0044】
図9Aおよび
図9Bに示した構造は、
図7A、
図7B、および
図7Cの硬質包装治具200と類似しており、異なる点は、コンタクトレンズケースに似た形態に設計したことであり、例えば、
図8Cの薬物添加容器80Cと合わせて使用するのがより好ましい。
図9Aおよび
図9Bを同時に参照すると、まず、汚染を防止するための隔離膜650を切り裂き、続いて、滴下工具500を使用して、薬物70を推奨量に基づいて薬物滴下容器620に滴下する。この部分の薬物滴下容器620は、
図8Cの薬物滴下容器80Cと類似する。薬物滴下容器620を回転させることにより、上カバー600Aにある薬物収容空間610と台座600Bにある保存空間630の間の接続を破壊して、薬物70を上カバー600Aの薬物収容空間610から台座600Bの保存空間630に流入させる。保存空間630には凸起部分640が設置され、アイウェアデバイス10を保存空間630の凸起部分640の上方に放置することができる。凸起部分640の平均曲率半径は、アイウェアデバイス10の平均曲率半径とほぼ同じである。このようにして、保存空間630の薬物70をアイウェアデバイス10に充填することができる。
【0045】
本発明のアイウェアデバイスが治療薬物を有効に緩効できることを証明するため、以下、特に本発明が設計する異なる態様のアイウェアデバイスに対して実際に試験を行い、さらに現在の薬物浸漬コンタクトレンズと比較した。以下、実験操作と結果について詳しく説明する。
【0046】
周知の薬物浸漬コンタクトレンズ(比較例1)、
図1Aに示したアイウェアデバイス(実験例1)、
図1Aに示したアイウェアデバイスと類似するが、2つのチャネルのみを設置したもの(実験例2、粘着テープを使用して
図1Aに示したアイウェアデバイスの6つの開口を封鎖する)、
図6Cに示したアイウェアデバイス(実験例3)、および
図5Aに示したアイウェアデバイス(実験例4)に対して実験を行い、各比較例および実験例の放出定数および90%薬品の放出時間を測定した。
【0047】
実験方法は、以下の通りである:PDMSでマイクロ流路の模範品を作成して親水処理を行い、純水で模範品を洗浄して通気乾燥させる。薬物溶液を吸収した後のPDMS模範品を10mLの純水の中にゆっくりと挿入して撹拌しないようにし、室温に維持して、1時間〜数時間毎にサンプリングする。最長で3日までサンプリングして、毎回150μLのサンプルを取る。サンプリイング時には、できるだけ孔道口が少しずつ撹拌、取水するのを防ぎ、時間を記録する。使用分光光度計(UV/VIS reader)を使用して薬物吸光値を読み取り、標準薬物濃度曲線を作成して濃度対照を提供する。測定結果は、下記の表1に示した通りである。
【0048】
下記の表1からわかるように、周知の薬物浸漬コンタクトレンズ(比較例1)と比較して、本発明が設計したアイウェアデバイス(実験例1、実験例2、実験例3、実験例4)は、いずれも治療薬物を有効に緩効することができた。