特開2020-96975(P2020-96975A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-96975(P2020-96975A)
(43)【公開日】2020年6月25日
(54)【発明の名称】化粧用アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20200529BHJP
【FI】
   A45D34/04 510Z
   A45D34/04 525Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-37885(P2020-37885)
(22)【出願日】2020年3月5日
(62)【分割の表示】特願2017-560209(P2017-560209)の分割
【原出願日】2016年5月10日
(31)【優先権主張番号】1554513
(32)【優先日】2015年5月20日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ポーリーヌ・プラーデ
(72)【発明者】
【氏名】クロエ・カボン
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ベロー
(72)【発明者】
【氏名】エリック・コリエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配向に応じて異なる線を描くためのアプリケータであって、使用および製造が容易なアプリケータを提供する。
【解決手段】ヒトケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータであって、ホルダと、ホルダによって支持される、長手方向軸Xをもつアプリケータチップ20であって、その一部分によってホルダに固定するための、軸Xをもつベース部22と、ベース部22に接続されており、3つの表面26、28、30を有する塗布部24であって、表面26、28、30のそれぞれが、1つのエッジ34、および/または塗布部24とベース部22の軸Xをもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線36によって形成される輪郭を有する、塗布部24とを有するアプリケータチップ20とを有し、表面26、28、30の輪郭の形状が、対において異なっており、軸の周りで、または中心面について、互いに対称ではない、アプリケータ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータであって、
- ホルダ(11)と、
- 前記ホルダ(11)によって支持される、長手方向軸(X)をもつアプリケータチップ(20)であって、
〇 その少なくとも一部分によって前記ホルダ(11)に固定するための、軸(X)をもつベース部(22)と、
〇 前記ベース部(22)に接続されており、少なくとも3つの表面(26、28、30)を有する塗布部(24)であって、前記表面(26、28、30)のそれぞれが、
・ 少なくとも1つのエッジ(34)、および/または
・ 前記塗布部(24)と前記ベース部(22)の軸(X)をもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線(36)
によって形成される輪郭を有する、塗布部(24)と
を有するアプリケータチップ(20)と
を有し、
前記表面(26、28、30)の前記輪郭の形状が、互いに異なっており、任意の軸の周りで、または中心面について、互いに対称ではなく、前記表面(26、28、30)の少なくとも1つが、凹状であり、1mmから190mmの間の曲率半径を有する、
アプリケータ。
【請求項2】
前記アプリケータチップ(20)が、多孔質材料で作成される、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
前記アプリケータチップ(20)が、すべてが実質的に同じ方向に配向され、組み立てられてフェルトを形成する、合成または天然繊維で作成される、請求項2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
前記アプリケータチップ(20)に、前記化粧製品が含侵される、請求項1から3のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項5】
前記ベース部(22)の前記円柱形部分が、回転円柱の形態をとるか、または非円形ベースをもつ円柱形である、請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項6】
前記表面(26、28、30)のいずれも、平坦ではなく、前記長手方向軸(X)に垂直ではない、請求項1から5のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項7】
前記表面(26、28、30)のうちの少なくとも1つが、一体円柱形部(60)を切断することによって得られる、請求項1から6のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項8】
前記表面(26、28、30)の各々が、一体円柱形部(60)を切断することによって得られる、請求項1から7のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項9】
前記表面(26、28、30)が回転円柱の形態をとらない、請求項1から8のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項10】
前記表面(26、28、30)のうちの少なくとも2つが、共通のエッジ(34)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項11】
前記アプリケータチップ(20)が対称軸を有していない、請求項1から10のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項12】
前記塗布部(24)が、前記アプリケータチップ(20)の全体高さH1の、50%以下の高さH2を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項13】
前記アプリケータチップ(20)の断面における最大寸法dと、前記アプリケータチップ(20)の高さH1との比d/H2が、0.04から14の間である、請求項1から12のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項14】
- 化粧製品を収容するリザーバと、
- 請求項1から13のいずれか一項に記載のアプリケータと
を有する、パッケージングおよび塗布デバイス(10)。
【請求項15】
前記アプリケータの前記ホルダ(11)が、前記化粧製品を収容する前記リザーバを成す、請求項14に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(10)。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載のアプリケータ、または請求項14もしくは15に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(10)を用いてアイライナを塗布するステップを含む、瞼をメイクアップするための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータに関し、より詳細には、それに限定されないが、アイライナ、口唇に対する製品、アイシャドウ、またはマスカラを塗布するためのアプリケータに関する。本発明は、対応するパッケージングおよび塗布デバイス、ならびに対応するメイクアップ方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
アイライナを塗布するための知られているデバイスの中で、いくつかは、ねじ山付きネックが設けられた容器を有しており、一般にフロックコーティングした射出成形熱可塑性材料によって作製されるアプリケータ端部片がその端部に設けられた柄を支持する閉塞キャップが、そのネック上に固定され得る。アプリケータが引き抜かれるときに、柄を拭ってきれいにし、取り去られる製品の量を低減するために、ネック内には通常、払拭部材が配置されている。
【0003】
より実用的であるアプリケータペンも知られている。しかし、これらのペンの性能は、射出成形によって、またはフェルトチップ(felt tip)を機械加工することによって作製される、知られているアプリケータ端部片の複雑な形状をもって得ることの可能な性能に劣ることがある。
【0004】
FR2933281は、柄と、柄によって支持され、使用中に変形することができ、選択された配向に応じて、異なる太さをもつ2本の線を描くことを可能にしているアプリケータ端部片とを有する、アイライナアプリケータについて記載している。
【0005】
FR2836031は、少なくとも2つのチップを有するアイライナアプリケータを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】FR2933281
【特許文献2】FR2836031
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アプリケータに与えられた配向に応じて異なる線を描くための他のアプリケータであって、使用および製造が比較的容易なアプリケータが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、ケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータをさらに改善しようとするものであり、本発明はこれを、ヒトケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータであって、
- ホルダと、
- ホルダによって支持される、長手方向軸(X)をもつアプリケータチップ(applicator tip)であって、
〇 その少なくとも一部分によってホルダに固定するための、軸(X)をもつベース部と、
〇 ベース部に接続されており、少なくとも3つの表面を有する塗布部であって、前記表面のそれぞれが、
・ 少なくとも1つのエッジ、および/または
・ 塗布部とベース部の軸(X)をもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線
によって形成される輪郭を有する、塗布部と
を有するアプリケータチップ(20)と
を有し、
前記表面の輪郭の形状が、対において異なっており、軸の周りで、または中心面について、互いに対称ではない、
アプリケータによって達成する。
【0009】
本発明は、塗布表面に与えられた形状および輪郭に応じた新たなメイクアップ効果を可能にし、製品の塗布を、とりわけアプリケータの使い易さおよび有効性を改善することによって、より容易にするものである。
【0010】
好ましくは、アプリケータチップは一体を成す。
【0011】
アプリケータチップは、有利には、多孔質材料で作成され、とりわけ、すべてが実質的に同じ方向に、とりわけ長手方向軸(X)に沿って配向され、組み立てられてフェルトを形成する、合成または天然繊維で作成される。アプリケータチップに、好ましくは、塗布される化粧製品、とりわけアイライナ、口唇用製品、アイシャドウ、またはマスカラが含侵される。これにより製品を、アプリケータ端部片内でその多孔性のため、毛管作用によって容易に拡散させることができる。繊維が、アプリケータチップに沿った製品の輸送を可能にする。
【0012】
アプリケータチップは、使用時間外に化粧製品のリザーバ内に浸漬され得、このことがとりわけ、アプリケータチップのより大きな自律性を可能にする。
【0013】
ベース部は、アプリケータチップの一方の端部から塗布部まで延在することができ、塗布部は、ベース部からアプリケータチップの他方の端部まで延在することができる。したがって、アプリケータチップは、その2つの端部間で、ベース部および塗布部のみから構成される。
【0014】
アプリケータチップは、好ましくは、一体円柱形部を切断することによって、とりわけ円柱形部に前記表面を、とりわけあらゆる空間方向に移動可能かつ配向可能である切断工具を用いて切り込むことによって、作製される。円柱形部は、円形であるか、あるいは非円形、例えば楕円形または多角形、とりわけ正方形、長方形、もしくは三角形である、ベースを有する。好ましくは、円柱形部は、円形ベースを有する。円柱形部が非円形ベースを有するとき、その直径は、その断面が内接する最小円の直径の延長上にある。
【0015】
円柱形部が段を有していないことが可能であり、または円柱形部は、とりわけそのうちの一方、好ましくはより大きな直径をもつ部分が、塗布部を形成するためのものであり、そのうちの他方がベース部を形成するためものである、異なる直径をもつ2つの円柱形部分を有することが可能である。
【0016】
ベース部は、少なくとも一部が、例えば全体が、ホルダに挿入されてよい。ベース部は、ホルダのハウジング内に圧力嵌合されてよい。
【0017】
ベース部の円柱形部分、とりわけベース部全体が、回転円柱の形態をとってもよく、または非円形ベース、とりわけ長方形もしくは三角形のベースをもつ円柱形でもよい。
【0018】
塗布部は、アプリケータチップの全体高さH1の、50%以下、さらに良好には25%以下の高さH2を有してよい。
【0019】
塗布部の高さH2は、0.5から20mmの間であってよい。
【0020】
アプリケータチップが対称軸を有していないことが可能である。
【0021】
アプリケータチップは、少なくとも1つの対称面、好ましくは単一の対称面、とりわけアプリケータチップの長手方向軸を含んだ対称面を有してよい。
【0022】
アプリケータチップの断面における最大寸法dと、塗布部の高さH2との比d/H2が、0.04から14の間であってよい。
【0023】
アプリケータチップの断面における最大寸法dは、0.8mmから7mmの間であってよい。
【0024】
アプリケータチップの断面における最大寸法dおよび塗布部の高さH2が小さいとき、アプリケータチップは、比較的剛性であり、製品の正確な塗布を可能にすることができる。
【0025】
アプリケータチップの断面における最大寸法dが小さく、塗布部の高さH2が大きいとき、アプリケータチップは、製品の塗布の正確さを維持しながら、可撓性である。
【0026】
アプリケータチップの断面における最大寸法dが大きく、塗布部の高さH2が小さいとき、アプリケータチップは、剛性であり、皮膚への、軽く当ててつけるタイプの安定した塗布を可能にすることができる。
【0027】
アプリケータチップの断面における最大寸法dおよび塗布部の高さH2が大きいときは、それにより、際立ったメイクアップ効果を得るために製品の安定した塗布を行うことが可能になる。
【0028】
表面はそれぞれ、平坦でもよく、または非平坦、とりわけ凹状、凸状、または軸対称でもよい。エッジは、鋭くてもよく、鋭くなくてもよい。
【0029】
好ましくは、前記表面のいずれも、平坦ではなく、長手方向軸に垂直ではない。
【0030】
表面は、好ましくは、回転円柱の形態をとらない。
【0031】
凸状表面は、エッジのある、またはエッジのない状態で、すなわち傾斜の途切れのある、または傾斜の途切れのない状態で、ベース部との境界を可能にしてよい。境界はその場合、ベース部から塗布部へ軸(X)に沿って移動する際、外部表面の接線が長手方向軸(X)との連続して変化する角度を成すという点で、識別される。
【0032】
好ましくは、表面のうちの少なくとも3つが、円柱形部を切断することによって作製される。少なくとも3つの表面が切断された後、アプリケータチップは、切断によって作製されたのではない1つまたは複数の表面を有してもよく、有していなくてもよい。
【0033】
好ましくは、前記表面のうちの少なくとも3つが、アプリケータチップの端部に、長手方向軸(X)に垂直な平坦な表面を成さない。
【0034】
表面の各々は、1mm2から80mm2の間の面積を有してよい。
【0035】
表面のうちの少なくとも1つは、平坦とすることができ、アプリケータの長手方向軸(X)に対して1°から80°の間の角度αを成してよい。
【0036】
長手方向軸(X)に対する角度αが小さいと、アプリケータチップの細い端部を有すること、およびメイクアップを正確に施すことが可能になる。
【0037】
長手方向軸(X)に対する角度αが大きいと、皮膚にアプリケータチップを軽く当てることによってメイクアップを施すことが可能になる。
【0038】
表面のうちの少なくとも1つは、凹状または凸状とすることができ、1mmから190mmの間の曲率半径を有してよい。
【0039】
小さな曲率半径を有する表面の場合、例えば、表面のうちの別のものを用いた塗布を容易にする凹部を作り出すことが可能になる。
【0040】
大きな曲率半径を有する表面の場合、例えば、目の上の線全体に沿って一回の動作においてメイクアップを施すことが可能になる。
【0041】
表面のうちの少なくとも1つは、アプリケータチップの遠位端部に向かって先細になっていてよい。
【0042】
表面のうちの少なくとも2つが、共通のエッジを有してよい。共通のエッジは、直線でもよく、非直線、とりわけ凹状または凸状でもよい。そのようなエッジは、曲率に応じて、細い線または特定の線プロファイルの生み出しを可能にすることができる。
【0043】
表面のうちの少なくとも3つが、共通の頂点を有してよい。これにより、細い線を生み出すための細いチップを有することが可能になる。
【0044】
アプリケータは、少なくとも1つのエッジによって、かつ/または塗布部とベース部の軸(X)をもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線によって形成されるとともに、前記表面のうちの1つの表面の形状と同一の形状をもつか、または前記表面のうちの1つの表面の形状と軸もしくは面に関して対称の形状をもつ、輪郭を有する、少なくとも1つの追加の輪郭表面を有してよい。
【0045】
本発明のさらなる主題は、
- 化粧製品、とりわけメイクアップ製品、特にアイライナ、口唇に塗布される製品、アイシャドウ、またはマスカラを収容するリザーバと、
- 本発明によるアプリケータと
を有する、パッケージングおよび塗布デバイスである。
【0046】
化粧製品は、1種または複数種の着色顔料を含むことができる。
【0047】
アプリケータのホルダは、化粧製品を収容するリザーバを成すことができる。デバイスはその場合、化粧製品を含んだフェルトの形態をとることができ、アプリケータチップが、ホルダに挿入されたそのベース部によって化粧製品中に浸漬され、したがって、化粧製品が塗布部に、毛管作用によって運ばれる。
【0048】
一変形形態では、リザーバがアプリケータから分離している。ホルダは、塗布される製品を収容する容器の蓋上に取り付けられた柄とすることができ、したがって、アプリケータチップが容器に、アプリケータチップに化粧製品を含侵させるために挿入され得る。
【0049】
本発明のさらなる主題は、アイライナ、口唇用製品、マスカラ、またはアイシャドウを、本発明によるアプリケータ、または本発明によるデバイスを用いて塗布するステップを含む、瞼をメイクアップするための方法である。
【0050】
本発明のさらなる主題は、口紅を、本発明によるアプリケータ、または本発明によるデバイスを用いて塗布するステップを含む、口唇をメイクアップするための方法である。
【0051】
本発明のさらなる主題は、マスカラを、本発明によるアプリケータ、または本発明によるデバイスを用いて塗布するステップを含む、眉毛をメイクアップするための方法である。
【0052】
本発明のさらなる特徴および利点は、その非限定的な例示的実施形態についての以下の詳細な説明を読むことから、また添付の図面を検討することから、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明によるパッケージングおよび塗布デバイスの一例を概略的に示す図である。
図2】本発明によるアプリケータチップの一例の斜視図を概略的に示す図である。
図3図2のアプリケータチップの一例のIIIに沿って見た図である。
図4図2および図3のアプリケータチップの一例のIVに沿って見た図である。
図5図2図3、および図4のアプリケータチップの一例のVに沿って見た図である。
図6】本発明による変形アプリケータチップの側面図を概略的に示す図である。
図7図6の変形アプリケータチップのVIIに沿って見た図である。
図8】本発明による変形アプリケータチップの斜視概略図である。
図9図8の変形アプリケータチップのIXに沿って見た図である。
図10図8および図9の変形アプリケータチップのXに沿って見た図である。
図11】本発明による変形アプリケータチップの斜視概略図である。
図12図11の変形アプリケータチップのXIIに沿って見た図である。
図13図12の変形アプリケータチップのXIIIに沿って見た図である。
図14】本発明による変形アプリケータチップの斜視概略図である。
図15図14の変形アプリケータチップのXVに沿って見た図である。
図16】本発明による変形アプリケータチップの概略側面図である。
図17】本発明による変形アプリケータチップの作製における1段階を概略的に示す図である。
図18】本発明による変形アプリケータチップの作製における1段階を概略的に示す図である。
図19】本発明による変形アプリケータチップの概略図である。
図20図19の変形アプリケータチップのXXに沿って見た図である。
図21】本発明による変形アプリケータチップの斜視概略図である。
図22図21の変形アプリケータチップのXXIIに沿って見た図である。
図23図21および図22の変形アプリケータチップのXXIIIに沿って見た図である。
図24】アプリケータチップの別の例の立面図である。
図25図24のXXVに沿って見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
残りの説明では、別段明記しない限り、同一もしくは類似の要素、または同一もしくは類似の機能を有する要素は、図中に同じ参照符号をもつ。
【0055】
図1に示すパッケージングおよび塗布デバイス10は、ホルダ11、および例えばスナップ留め、ねじり留め、または摩擦によってホルダ11上に固定される、閉塞キャップ12を有する。ホルダ11は、長手方向軸Yに沿って延在し、化粧製品を収容するリザーバを画定する。
【0056】
リザーバは、塗布される化粧製品を収容する。化粧製品は、メイクアップ製品、とりわけアイライナとすることができ、水、顔料、特に酸化鉄、着色剤、および/またはポリマーを含んでよい。
【0057】
リザーバの容量は、例えば、1から10mlの間である。
【0058】
ホルダ11は、その両端部のうちの一方のところのハウジング14内で、図2から図5により詳細に示す、長手方向軸Xに沿って延在するアプリケータチップ20を支える。
【0059】
アプリケータチップ20を挿入した後で、ホルダ11の長手方向軸Yとアプリケータチップ20の長手方向軸Xが、好ましくは一致する。
【0060】
アプリケータチップ20は、一体を成す。アプリケータチップ20は、好ましくは、全体がフェルトで作成され、とりわけ、すべてが実質的に同じ方向に、とりわけアプリケータチップ20の長手方向軸Xに沿って配向され、組み立てられてフェルトを形成する、合成または天然繊維で作成される。アプリケータチップ20は、ホルダ11のハウジング14に挿入されると、その両端部のうちの一方によって化粧製品中に浸漬され得、アプリケータチップ20に、化粧製品、とりわけアイライナが、毛管作用によって含侵され得る。これは特に、ホルダ11とアプリケータチップ20の組立てが、アプリケータチップ20が下方に配向されるようなものであるとき、そうである。
【0061】
図2から図4に示すように、アプリケータチップ20は、アプリケータチップ20をホルダ11に留めるためのベース部22、およびケラチン物質と接触することによって化粧製品を塗布するための塗布部24を有し、前記塗布部24はベース部22に接続している。
【0062】
ベース部22は、長手方向軸Xの周りで回転円柱の形態をとるが、本発明の範囲から逸脱することなく、他の形状、とりわけ非円形断面、とりわけ長方形または三角形の断面をもつ円柱形形状が可能である。
【0063】
アプリケータチップ20はホルダ11に、任意の適切な手段によって固定され得る。例えば、図1に示すように、アプリケータチップ20、特にベース部22は、ホルダ11の上端部に設けられた対応するハウジング14内に圧力嵌合され得る。ベース部22は、少なくとも一部が、ハウジング14に挿入され得る。
【0064】
ベース部22には、その近位端部を通じて製品が供給され、製品は、アプリケータチップを通って長手方向に、とりわけ毛管作用によって、塗布部24に到達するまで、拡散することができる。
【0065】
アプリケータチップ20は、0.2から1.25の間の比d/H2を有し、dは、アプリケータチップ20の断面における最大寸法、この場合は直径であり、H2は、塗布部24の高さである。
【0066】
dは、3mmから5mmの間であってよく、H2は、4mmから15mmの間であってよい。
【0067】
図2に示すように、塗布部24は、アプリケータチップ20の高さH1の50%以下の高さH2を有する。
【0068】
図2から図5に示す例では、塗布部24は、4つの表面26、28、30、および32を有する。表面26、28、および30または32は、互いに対称ではない異なる輪郭を有する。表面30および32は、中心面Mに関して対称である。
【0069】
表面26、30、および32の各々の輪郭は、他の表面との、またベース部22とのエッジ34によって、形成される。表面28の輪郭は、他の表面とのエッジ34によって、またベース部22の一部分との境界としての役割を果たす湾曲したベース線36によって、形成される。この湾曲したベース線36は、表面の接線がそこから変化する線によって画定される。
【0070】
図3に示すように、表面26は、平坦であり、中心面Mに沿って見て1°から45°の間の角度αを成す。表面26は、表面30および32と湾曲したエッジ34を成し、表面28と直線のエッジ34を成し、この直線のエッジ34は、長手方向軸Xに垂直である。
【0071】
表面28は凸状であり、中心面Mに垂直な方向に見たとき、3mmから20mmの間の曲率半径r28を有する。表面28は、表面30および32と湾曲したエッジを成す。
【0072】
図4に示すように、表面30および32は凹状であり、中心面Mの方向に見たとき、3mmから20mmの間の曲率半径r30を有する。表面30および32はそれぞれ、表面26、28、および30との共通の頂点、ならびに表面26、28、および32との共通の頂点のところで終わるように、それぞれがアプリケータチップ20の端部に向かって先細になっている。
【0073】
アプリケータチップ20は、一体円柱形部に表面26、28、30、および32を切り込むことによって、とりわけあらゆる空間方向に移動可能かつ配向可能である切断工具(図示せず)を用いて切断することによって、作製される。
【0074】
図6および図7の例は、表面26、28、30、および32の形状によって、図1から図5のものとは異なっている。
【0075】
図6および図7の例では、表面26および28が凸状であり、表面30および32が平坦である。表面26および28は、湾曲したベース線36によって、ベース部22に接続している。表面26は、3mmから20mmの間の曲率半径r26を有し、表面28は、3mmから20mmの間の曲率半径r28を有する。表面30および32は、中心面Mに垂直な方向に見たとき、長手方向軸Xとの、5°から30°の間の角度βを成す。
【0076】
表面26、28、30、および32は、アプリケータチップ20の遠位端部に、共通の頂点38を有する。
【0077】
図8から図10の例は、すべてが互いに異なる、3つの表面26、28、および30しか有していないという点で、図1から図5のものとは異なっている。
【0078】
アプリケータチップ20は、中心面Mに関して対称である。
【0079】
表面26および28は、平坦である。表面26および28を含んだ面は、図10に示す面Nに関して対称であり、この面は、長手方向軸Xに平行であるが、長手方向軸Xを含まない。表面26および28は、異なる非対称の輪郭を有し、それぞれが、面Nに垂直な方向に見たとき、長手方向軸Xとの、1°から50°の間の角度βを成す。表面26および28は、共通のエッジを有していない。それらの輪郭は、表面30との、またベース部22とのエッジ34によって、形成される。
【0080】
表面30は凹状であり、アプリケータチップ20の端部を構成する。表面30は、中心面Mおよび面Nに関して対称である。その輪郭は、表面26および28との湾曲したエッジ34によって、またベース部22とのベース線36によって、形成される。
【0081】
図11から図13の例は、アプリケータチップ20が、後方に湾曲したチップの形態をとるという点で、図1から図5のものとは異なっている。
【0082】
表面26、28、30、および32は凹状である。表面26、28、および30は、異なる非対称の輪郭を有する。表面30および32は、中心面Mに関して互いに対称の輪郭を有する。これらの輪郭はすべて、エッジ34によって区切られている。
【0083】
表面28は、アプリケータチップ20の遠位端部ほど遠くまで延在しない。アプリケータチップ20は、その端部に表面40を有し、これは、円柱形部を切断することによって作製されているのではなく、初期の円柱形部の側部表面の一部分である。表面40は、他の表面26、28、30、および32のすべてによって区切られている輪郭を有する。
【0084】
図14および図15の例は、アプリケータチップ20が、長手方向軸Xと異なる角度を成す2つの平坦な表面26および28、ならびに回転表面42を有するという点で、図1から図5のものとは異なっている。表面26、28、および42は、異なる非対称の輪郭を有する。
【0085】
アプリケータチップ20は、中心面Mに関して対称である。
【0086】
表面26および28の各々は、長手方向軸Xに垂直な平坦端部表面44に接続している。平坦端部表面44は、初期の円柱形部を切断することによって作製されているのではなく、前記部のベースの一部分に対応する。
【0087】
表面26および28は、初期の円柱形部の機械加工されなかった側部部分に対応する同一の表面46に接続している。
【0088】
表面42は、円形断面を有する、軸Xの周りの回転表面である。その直径は、その高さにわたって、とりわけ大きさが対称に減少し、次いで増加する曲線に沿って、変化する。
【0089】
図16の例は、アプリケータチップ20が4つ以上の異なる非対称の表面、この場合は4つの表面26、28、30、および50を有するという点で、図1から図5のものとは異なっている。ベース部22の直径は、塗布部24の最大寸法未満である。
【0090】
アプリケータチップ20が次いで、第1の部分がベース部22を形成し、第2の部分が塗布部24を形成するためのである、異なる直径をもつ2つの部分を有する部分を得るように、塗布部の最大直径よりも大きな直径をもつ円柱形部に切り込んで、より小さな直径をもつ円柱形部を得ることによって、作製される。4つの異なる表面が次いで、切断工具によって、第2の部分に切り込まれる。
【0091】
図17および図18に示す例は、切断された表面26、28、30、および32の形状によって、図1から図5のものとは異なっている。
【0092】
中心面Mに垂直な方向に見たとき、表面26は凹状形状を有しており、表面28は凸状形状を有している。中心面Mの方向に見たとき、表面30および32は凸状である。
【0093】
図17に示すように、アプリケータチップは第一に、円柱形部60に表面30および32を切り込み、次いで、得られた部分に表面26および28を切り込むことによって、作製される。
【0094】
図19および図20に示す例は、切断された表面26、28、30、および32の形状によって、図1から図5のものとは異なっている。
【0095】
アプリケータチップは、2つの中心面MおよびNに関して対称である。
【0096】
表面30および32は、平坦であり、中心面Mについて互いに対称である。それらの輪郭は、ベース部22とのエッジ34を成す。
【0097】
表面26は凹状であり、表面30および32のどちらの側にも延在する。
【0098】
表面28は凸状であり、アプリケータチップ20の端部を構成する。その輪郭は、表面30および32との湾曲したエッジ34によって、また表面26とのエッジ34によって、形成される。
【0099】
図24および図25に示すアプリケータチップは、dとH2がどちらも小さくなり得る場合を示しており、こうすることにより、塗布部に剛性が与えられ、メイクアップを正確に施すことが可能になる。
【0100】
この例では、チップは、図24のようにチップを側方から見たときに互いの間にUを成す2つの凸部を有する、ダブルチップである。
【0101】
塗布部は、軸Xをもつ円錐形の表面26を有し、これは、エッジ34によってベース部に接続している。
【0102】
各凸部の内側面によって、第2の表面28が画定され、2つの凸部間の溝の底部によって、第3の表面30が画定され、この底部は、各凸部の内側面28にエッジ34によって接続しており、表面26、28、および30は、対において異なっている。
【0103】
「1つの〜を有する」という表現は、少なくとも1つの〜を有する、と同義であると理解すべきである。
【0104】
さらに、本発明では以下の例を含むことも好ましい。
[項1]
ヒトケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータであって、
- ホルダ(11)と、
- 前記ホルダ(11)によって支持される、長手方向軸(X)をもつアプリケータチップ(20)であって、
〇 その少なくとも一部分によって前記ホルダ(11)に固定するための、軸(X)をもつベース部(22)と、
〇 前記ベース部(22)に接続されており、少なくとも3つの表面(26、28、30)を有する塗布部(24)であって、前記表面(26、28、30)のそれぞれが、
・ 少なくとも1つのエッジ(34)、および/または
・ 前記塗布部(24)と前記ベース部(22)の軸(X)をもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線(36)
によって形成される輪郭を有する、塗布部(24)と
を有するアプリケータチップ(20)と
を有し、
前記表面(26、28、30)の前記輪郭の形状が、対において異なっており、軸の周りで、または中心面について、互いに対称ではない、
アプリケータ。
[項2]
前記アプリケータチップ(20)が、多孔質材料で作成され、とりわけ、すべてが実質的に同じ方向に配向され、組み立てられてフェルトを形成する、合成または天然繊維で作成される、項1に記載のアプリケータ。
[項3]
前記アプリケータチップ(20)に、前記化粧製品、とりわけアイライナ、口唇用製品、アイシャドウ、またはマスカラが含侵される、項1または2に記載のアプリケータ。
[項4]
前記ベース部(22)の前記円柱形部分が、回転円柱の形態をとるか、または非円形ベース、とりわけ長方形もしくは三角形のベースをもつ円柱形である、項1から3のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項5]
前記表面(26、28、30)のいずれも、平坦ではなく、前記長手方向軸(X)に垂直ではない、項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項6]
前記表面(26、28、30)のうちの少なくとも1つ、好ましくはその各々が、一体円柱形部(60)を切断することによって得られる、項1から5のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項7]
前記表面(26、28、30)が回転円柱の形態をとらない、項1から6のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項8]
前記表面(26、28、30)のうちの少なくとも2つが、共通のエッジ(34)を有する、項1から7のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項9]
前記アプリケータチップ(20)が対称軸を有していない、項1から8のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項10]
前記塗布部(24)が、前記アプリケータチップ(20)の全体高さH1の、50%以下、さらに良好には25%以下の高さH2を有する、項1から9のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項11]
前記アプリケータチップ(20)の断面における最大寸法dと、前記アプリケータチップ(20)の高さH1との比d/H2が、0.04から14の間である、項1から10のいずれか一項に記載のアプリケータ。
[項12]
- 化粧製品、とりわけメイクアップ製品、特にアイライナ、口唇用製品、マスカラ、またはアイシャドウを収容するリザーバと、
- 項1から11のいずれか一項に記載のアプリケータと
を有する、パッケージングおよび塗布デバイス(10)。
[項13]
前記アプリケータの前記ホルダ(11)が、前記化粧製品を収容する前記リザーバを成す、項12に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(10)。
[項14]
項1から11のいずれか一項に記載のアプリケータ、または項12もしくは13に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(10)を用いてアイライナを塗布するステップを含む、瞼をメイクアップするための方法。
【符号の説明】
【0105】
10 パッケージングおよび塗布デバイス
11 ホルダ
12 閉塞キャップ
14 ハウジング
20 アプリケータチップ
22 ベース部
24 塗布部
26 表面
28 第2の表面、内側面
30 第3の表面
32 表面
34 エッジ
36 ベース線
38 頂点
40 表面
42 回転表面
44 平坦端部表面
46 表面
50 表面
60 一体円柱形部
d 最大寸法
H1 全体高さ
H2 高さ
M 中心面
N 中心面
r26 曲率半径
r28 曲率半径
r30 曲率半径
X 長手方向軸
Y 長手方向軸
α 角度
β 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【外国語明細書】
2020096975000001.pdf