【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、ケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータをさらに改善しようとするものであり、本発明はこれを、ヒトケラチン物質に化粧製品を塗布するためのアプリケータであって、
- ホルダと、
- ホルダによって支持される、長手方向軸(X)をもつアプリケータチップ(applicator tip)であって、
〇 その少なくとも一部分によってホルダに固定するための、軸(X)をもつベース部と、
〇 ベース部に接続されており、少なくとも3つの表面を有する塗布部であって、前記表面のそれぞれが、
・ 少なくとも1つのエッジ、および/または
・ 塗布部とベース部の軸(X)をもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線
によって形成される輪郭を有する、塗布部と
を有するアプリケータチップ(20)と
を有し、
前記表面の輪郭の形状が、対において異なっており、軸の周りで、または中心面について、互いに対称ではない、
アプリケータによって達成する。
【0009】
本発明は、塗布表面に与えられた形状および輪郭に応じた新たなメイクアップ効果を可能にし、製品の塗布を、とりわけアプリケータの使い易さおよび有効性を改善することによって、より容易にするものである。
【0010】
好ましくは、アプリケータチップは一体を成す。
【0011】
アプリケータチップは、有利には、多孔質材料で作成され、とりわけ、すべてが実質的に同じ方向に、とりわけ長手方向軸(X)に沿って配向され、組み立てられてフェルトを形成する、合成または天然繊維で作成される。アプリケータチップに、好ましくは、塗布される化粧製品、とりわけアイライナ、口唇用製品、アイシャドウ、またはマスカラが含侵される。これにより製品を、アプリケータ端部片内でその多孔性のため、毛管作用によって容易に拡散させることができる。繊維が、アプリケータチップに沿った製品の輸送を可能にする。
【0012】
アプリケータチップは、使用時間外に化粧製品のリザーバ内に浸漬され得、このことがとりわけ、アプリケータチップのより大きな自律性を可能にする。
【0013】
ベース部は、アプリケータチップの一方の端部から塗布部まで延在することができ、塗布部は、ベース部からアプリケータチップの他方の端部まで延在することができる。したがって、アプリケータチップは、その2つの端部間で、ベース部および塗布部のみから構成される。
【0014】
アプリケータチップは、好ましくは、一体円柱形部を切断することによって、とりわけ円柱形部に前記表面を、とりわけあらゆる空間方向に移動可能かつ配向可能である切断工具を用いて切り込むことによって、作製される。円柱形部は、円形であるか、あるいは非円形、例えば楕円形または多角形、とりわけ正方形、長方形、もしくは三角形である、ベースを有する。好ましくは、円柱形部は、円形ベースを有する。円柱形部が非円形ベースを有するとき、その直径は、その断面が内接する最小円の直径の延長上にある。
【0015】
円柱形部が段を有していないことが可能であり、または円柱形部は、とりわけそのうちの一方、好ましくはより大きな直径をもつ部分が、塗布部を形成するためのものであり、そのうちの他方がベース部を形成するためものである、異なる直径をもつ2つの円柱形部分を有することが可能である。
【0016】
ベース部は、少なくとも一部が、例えば全体が、ホルダに挿入されてよい。ベース部は、ホルダのハウジング内に圧力嵌合されてよい。
【0017】
ベース部の円柱形部分、とりわけベース部全体が、回転円柱の形態をとってもよく、または非円形ベース、とりわけ長方形もしくは三角形のベースをもつ円柱形でもよい。
【0018】
塗布部は、アプリケータチップの全体高さH
1の、50%以下、さらに良好には25%以下の高さH
2を有してよい。
【0019】
塗布部の高さH
2は、0.5から20mmの間であってよい。
【0020】
アプリケータチップが対称軸を有していないことが可能である。
【0021】
アプリケータチップは、少なくとも1つの対称面、好ましくは単一の対称面、とりわけアプリケータチップの長手方向軸を含んだ対称面を有してよい。
【0022】
アプリケータチップの断面における最大寸法dと、塗布部の高さH
2との比d/H
2が、0.04から14の間であってよい。
【0023】
アプリケータチップの断面における最大寸法dは、0.8mmから7mmの間であってよい。
【0024】
アプリケータチップの断面における最大寸法dおよび塗布部の高さH
2が小さいとき、アプリケータチップは、比較的剛性であり、製品の正確な塗布を可能にすることができる。
【0025】
アプリケータチップの断面における最大寸法dが小さく、塗布部の高さH
2が大きいとき、アプリケータチップは、製品の塗布の正確さを維持しながら、可撓性である。
【0026】
アプリケータチップの断面における最大寸法dが大きく、塗布部の高さH
2が小さいとき、アプリケータチップは、剛性であり、皮膚への、軽く当ててつけるタイプの安定した塗布を可能にすることができる。
【0027】
アプリケータチップの断面における最大寸法dおよび塗布部の高さH
2が大きいときは、それにより、際立ったメイクアップ効果を得るために製品の安定した塗布を行うことが可能になる。
【0028】
表面はそれぞれ、平坦でもよく、または非平坦、とりわけ凹状、凸状、または軸対称でもよい。エッジは、鋭くてもよく、鋭くなくてもよい。
【0029】
好ましくは、前記表面のいずれも、平坦ではなく、長手方向軸に垂直ではない。
【0030】
表面は、好ましくは、回転円柱の形態をとらない。
【0031】
凸状表面は、エッジのある、またはエッジのない状態で、すなわち傾斜の途切れのある、または傾斜の途切れのない状態で、ベース部との境界を可能にしてよい。境界はその場合、ベース部から塗布部へ軸(X)に沿って移動する際、外部表面の接線が長手方向軸(X)との連続して変化する角度を成すという点で、識別される。
【0032】
好ましくは、表面のうちの少なくとも3つが、円柱形部を切断することによって作製される。少なくとも3つの表面が切断された後、アプリケータチップは、切断によって作製されたのではない1つまたは複数の表面を有してもよく、有していなくてもよい。
【0033】
好ましくは、前記表面のうちの少なくとも3つが、アプリケータチップの端部に、長手方向軸(X)に垂直な平坦な表面を成さない。
【0034】
表面の各々は、1mm
2から80mm
2の間の面積を有してよい。
【0035】
表面のうちの少なくとも1つは、平坦とすることができ、アプリケータの長手方向軸(X)に対して1°から80°の間の角度αを成してよい。
【0036】
長手方向軸(X)に対する角度αが小さいと、アプリケータチップの細い端部を有すること、およびメイクアップを正確に施すことが可能になる。
【0037】
長手方向軸(X)に対する角度αが大きいと、皮膚にアプリケータチップを軽く当てることによってメイクアップを施すことが可能になる。
【0038】
表面のうちの少なくとも1つは、凹状または凸状とすることができ、1mmから190mmの間の曲率半径を有してよい。
【0039】
小さな曲率半径を有する表面の場合、例えば、表面のうちの別のものを用いた塗布を容易にする凹部を作り出すことが可能になる。
【0040】
大きな曲率半径を有する表面の場合、例えば、目の上の線全体に沿って一回の動作においてメイクアップを施すことが可能になる。
【0041】
表面のうちの少なくとも1つは、アプリケータチップの遠位端部に向かって先細になっていてよい。
【0042】
表面のうちの少なくとも2つが、共通のエッジを有してよい。共通のエッジは、直線でもよく、非直線、とりわけ凹状または凸状でもよい。そのようなエッジは、曲率に応じて、細い線または特定の線プロファイルの生み出しを可能にすることができる。
【0043】
表面のうちの少なくとも3つが、共通の頂点を有してよい。これにより、細い線を生み出すための細いチップを有することが可能になる。
【0044】
アプリケータは、少なくとも1つのエッジによって、かつ/または塗布部とベース部の軸(X)をもつ円柱形部分との間の境界としての役割を果たすベース線によって形成されるとともに、前記表面のうちの1つの表面の形状と同一の形状をもつか、または前記表面のうちの1つの表面の形状と軸もしくは面に関して対称の形状をもつ、輪郭を有する、少なくとも1つの追加の輪郭表面を有してよい。
【0045】
本発明のさらなる主題は、
- 化粧製品、とりわけメイクアップ製品、特にアイライナ、口唇に塗布される製品、アイシャドウ、またはマスカラを収容するリザーバと、
- 本発明によるアプリケータと
を有する、パッケージングおよび塗布デバイスである。
【0046】
化粧製品は、1種または複数種の着色顔料を含むことができる。
【0047】
アプリケータのホルダは、化粧製品を収容するリザーバを成すことができる。デバイスはその場合、化粧製品を含んだフェルトの形態をとることができ、アプリケータチップが、ホルダに挿入されたそのベース部によって化粧製品中に浸漬され、したがって、化粧製品が塗布部に、毛管作用によって運ばれる。
【0048】
一変形形態では、リザーバがアプリケータから分離している。ホルダは、塗布される製品を収容する容器の蓋上に取り付けられた柄とすることができ、したがって、アプリケータチップが容器に、アプリケータチップに化粧製品を含侵させるために挿入され得る。
【0049】
本発明のさらなる主題は、アイライナ、口唇用製品、マスカラ、またはアイシャドウを、本発明によるアプリケータ、または本発明によるデバイスを用いて塗布するステップを含む、瞼をメイクアップするための方法である。
【0050】
本発明のさらなる主題は、口紅を、本発明によるアプリケータ、または本発明によるデバイスを用いて塗布するステップを含む、口唇をメイクアップするための方法である。
【0051】
本発明のさらなる主題は、マスカラを、本発明によるアプリケータ、または本発明によるデバイスを用いて塗布するステップを含む、眉毛をメイクアップするための方法である。
【0052】
本発明のさらなる特徴および利点は、その非限定的な例示的実施形態についての以下の詳細な説明を読むことから、また添付の図面を検討することから、明らかとなるであろう。