【課題】改善された審美性及び皮膚コンディショニング効果を有し、これにより、高頻度で手指衛生が要求される医療従事者又は他の対象者が、前記要求を順守することを促進できる手指消毒剤の提供。
【解決手段】組成物の総質量基準で、少なくとも1のC1〜6アルコール10−98質量%、抗炎症特性を有する少なくとも1の植物化学物質、角質層の形成に役立つ少なくとも1の酵素又は補酵素、及びポリオールプレポリマー−2、ポリオールプレポリマー−14、及びポリオールプレポリマー−15からなる群から選ばれる少なくとも1の沈着エンハンサーを含んでなる医療従事者用ハンドウォッシュ組成物。
少なくとも1の植物化学物質が、アベナンスラミド、トレハロース、ボスウェル酸(ペンタ及びテトラサイクリントリテルペン酸の混合物)、ロイコトリエン、コルヒチン、バーベナ、柳の樹皮のエキス、アロエ種、アルニカ・モノタナのエキス、ヒレハリソウ、キンセンカ、アメリカマンサク、ボクソウ、カプサイシン(ピーマン(Capsicum annuum L.))、サリシン、セレン、カモミールエキス、甘草エキス、高山帯の地衣類、ルイボスエキス、小麦タンパク加水分解物、ベントナイト、シー・メイウィード(イヌカミツレエキス)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(テンサイエキス)、ブチレングリコール(ウラギクエキス)、エリンギウムマリチムムカルス培養液、藻類エキス及びヨモギ(オウシュウヨモギエキス)、加水分解アルギン、オプンチアフィクスインジカ(ナポルサボテン)果実エキス、グリチルリチン酸ニカリウム(甘草の根から抽出したもの)、グリチルリチン酸ステアリル(甘草の根から抽出したもの)、テリハボク種子油、及びゴシュユ果実エキス及びブチルグリコール及びブチル化ヒドロキシトルエン、及びその組合せからなる群から選ばれるものである、請求項1記載の組成物。
少なくとも1の酵素又は補酵素が、ビタミンB、ビタミンB複合体、レチノール、レチンアルデヒド、レチノイン酸、没食子酸エピガロカテキン、エイコサペンタエン酸、ヘキサミジン、ナイアシンアミド、レシチン、リノレン酸、リノレン酸、リポ酸、リシン、リン脂質、カルニチン、カルノシン、アデノシン三リン酸、アデノシン環状リン酸、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルトリペプチド−3、及びリンゴエキスからなる群から選ばれるものである、請求項1記載の組成物。
少なくとも1の沈着エンハンサーが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMA、DMF、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(アゾン)、ピロリドン(例えば、2−ピロリドン(2P)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP))、長鎖脂肪酸(例えば、オレイン酸及び約C10−C12の飽和アルキル鎖長を有する脂肪酸)、精油、テルペン、テルペノイド、オキサゾリジノン(例えば、4−デシルオキサゾリジン−2−オン)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリン酸ナトリウム、ポリソルベート、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、カプリル酸、EDTA、リン脂質、C12-15アルキル安息香酸エステル、ペンチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリソルベート−ポリエチレンソルビタン−モノラウレート、レシチン、及びその組み合わせからなる群から選ばれるものである、請求項1記載の組成物。
少なくとも1の沈着エンハンサーが、ポリオールプレポリマー-2、ポリオールプレポリマー-14、及びポリオールプレポリマー-15からなる群から選ばれるものである、請求項1記載の組成物。
植物化学物質が、アベナンスラミド、トレハロース、ボスウェル酸(ペンタ及びテトラサイクリントリテルペン酸の混合物)、ロイコトリエン、コルヒチン、バーベナ、柳の樹皮のエキス、アロエ種、アルニカ・モノタナのエキス、ヒレハリソウ、キンセンカ、アメリカマンサク、ボクソウ、カプサイシン(ピーマン(Capsicum annuum L.))、サリシン、セレン、カモミールエキス、甘草エキス、高山帯の地衣類、ルイボスエキス、小麦タンパク加水分解物、ベントナイト、シー・メイウィード(イヌカミツレエキス)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(テンサイエキス)、ブチレングリコール(ウラギクエキス)、エリンギウムマリチムムカルス培養液、藻類エキス及びヨモギ(オウシュウヨモギエキス)、加水分解アルギン、オプンチアフィクスインジカ(ナポルサボテン)果実エキス、グリチルリチン酸ニカリウム(甘草の根から抽出したもの)、グリチルリチン酸ステアリル(甘草の根から抽出したもの)、テリハボク種子油、及びゴシュユ果実エキス及びブチルグリコール及びブチル化ヒドロキシトルエン、及びその組合せからなる群から選ばれるものである、請求項12項記載の方法。
角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素が、ビタミンB、ビタミンB複合体、レチノール、レチンアルデヒド、レチノイン酸、没食子酸エピガロカテキン、エイコサペンタエン酸、ヘキサミジン、ナイアシンアミド、レシチン、リノレン酸、リノレン酸、リポ酸、リシン、リン脂質、カルニチン、カルノシン、アデノシン三リン酸、アデノシン環状リン酸、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルトリペプチド−3、及びリンゴエキスからなる群から選ばれるものである、請求項12記載の方法。
沈着エンハンサーが、ポリオールプレポリマー-2、ポリオールプレポリマー-14、及びポリオールプレポリマー-15からなる群から選ばれるものである、請求項12記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
I.概要
本発明の組成物の形状は特に限定されない。1以上の具体例では、本発明の組成物は、発泡性組成物、濃厚化ゲル組成物、噴霧可能な液体、リンスとして処方され、又は布巾に塗布される。
【0020】
一般に、本発明の具体例は、皮膚コンディショニング剤の相乗的組合せを含む抗菌性の含水アルコール性組成物である。「相乗的」とは、ここに記載の第1の皮膚コンディショニング剤を含まない抗菌性含水アルコール性組成物と比較して、本発明の組成物の繰り返しの使用によってみられる、例えば、皮膚の水和度における相乗的改善及び皮膚バリヤー機能における改善をいう。
【0021】
II.アルコール
1以上の具体例では、アルコールは、C
1-6アルコール、すなわち、炭素原子1−6個を含有するアルコールである。このようなアルコールは低級アルカノールと称されこともある。代表的には、これらのアルコールは抗菌特性を有する。低級アルカノールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、及びその異性体及び混合物が含まれるが、これらに限定されない。1以上の具体例では、アルコールは、エタノール、プロパノール、又はブタノール、又はその異性体又は混合物を含んでなる。1以上の具体例では、アルコールはイソプロパノールを含んでなる。他の具体例では、アルコールはエタノールを含んでなる。1以上の具体例では、組成物は、アルコールの混合物を含んでなる。1以上の具体例では、組成物は、エタノール及びイソプロパノールの混合物を含んでなる。1以上の具体例では、組成物は、イソプロパノール及びn−ブタノールの混合物を含んでなる。
【0022】
一般に、組成物は、該組成物の総質量基準で少なくとも約30質量%のアルコールを含んでなる。1の具体例では、組成物は、該組成物の総質量基準で、少なくとも約35質量%、他の具体例では、組成物は、少なくとも約40質量%のアルコール、他の具体例では、組成物は、少なくとも約50質量%を含んでなり、他の具体例では、組成物は、少なくとも約60質量%のアルコールを含んでなり、他の具体例では、組成物は、少なくとも約65質量%のアルコールを含んでなり、さらに他の具体例では、組成物は、少なくとも約70質量%のアルコールを含んでなり、さらに他の具体例では、組成物は、少なくとも約78質量%のアルコールを含んでなる。特に、組成物において使用される他の成分及び/又はその量に応じて、より多い又はより少ないアルコールが要求される。特定の具体例では、組成物は、該組成物の総質量基準で、約10−約98質量%のアルコール、他の具体例では、組成物は、約15−約95質量%のアルコールを含んでなり、他の具体例では、組成物は、約20−約90質量%のアルコールを含んでなり、さらに他の具体例では、組成物は、約30−約85質量%のアルコールを含んでなる。特定の具体例では、組成物は、組成物の総質量基準で、約50−約98質量%のアルコールを含んでなり、他の具体例では、組成物は、約60−約95質量%のアルコールを含んでなり、他の具体例では、組成物は、約65−約90質量%のアルコールを含んでなり、さらに他の具体例では、消毒組成物は、約70−約85質量%のアルコールを含んでなる。
【0023】
III.第1の皮膚コンディショニング剤
本発明の具体例は、1以上の第1の皮膚コンディショニング剤を含む。第1の皮膚コンディショニング剤としては、抗炎症特性を有する植物化学物質及び角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素が含まれる。
【0024】
1以上の具体例では、本発明の組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有する植物化学物質を含む。1以上の具体例では、本発明の組成物は、皮膚の角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素を含む。有利には、抗炎症特性を有する植物化学物質と、角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素との組合せが、消毒組成物の皮膚コンディショニング効力における驚くべき増進を提供するが、抗菌効力に悪影響を及ぼさず、良好な審美性を提供することが認められた。このように、1以上の具体例では、本発明の組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有する植物化学物質及び少なくとも1の皮膚の角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素を含む。
【0025】
a.抗炎症特性を有する植物化学物質
1以上の具体例では、第1の皮膚コンディショニング剤の少なくとも1は、抗炎症特性を有する植物化学物質を含む。有利には、1以上の具体例では、植物化学物質は、抗酸化特性も有する。
【0026】
抗炎症特性を有する植物化学物質の例としては、アベナンスラミド、トレハロース、ボスウェル酸(ペンタ及びテトラサイクリントリテルペン酸の混合物)、ロイコトリエン、コルヒチン、バーベナ(Verbene oddivinalis)、柳の樹皮のエキス、アロエ(Aloe)種、アルニカ・モノタナ(Arnica montana)のエキス、ヒレハリソウ(Symphytume ollicianele)、キンセンカ(Calendula officinalis)、アメリカマンサク(Hamamelis virginiana)、ボクソウ、カプサイシン(ピーマン(Capsicum annuum L.))、サリシン、セレン、カモミールエキス、甘草エキス、高山帯の地衣類、ルイボスエキス、小麦タンパク加水分解物、ベントナイト、シー・メイウィード(Sea Mayweed;イヌカミツレ(Tripleurospermum martimum)エキス)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル(テンサイ(Beta vulgaris)エキス)、ブチレングリコール(ウラギク(Aster maritime/Tripolium)エキス)、エリンギウムマリチムムカルス培養液、藻類エキス及びヨモギ(オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)エキス、加水分解アルギン、オプンチアフィクスインジカ(ナポルサボテン(Napol Cactus))果実エキス、グリチルリチン酸ニカリウム(甘草の根から抽出したもの)、グリチルリチン酸ステアリル(甘草の根から抽出したもの)、テリハボク種子油、及びゴシュユ果実エキス及びブチルグリコール及びブチル化ヒドロキシトルエン、及びその組合せが含まれる。1以上の具体例では、少なくとも1の植物化学物質はアベナンスラミドを含む。1以上の具体例では、少なくとも1の植物化学物質はトレハロースを含む。
【0027】
アベナンスラミドは、主に脱皮カラスムギ中に存在するカラスムギフィトアレキシンの一種である。一般に、アベナンスラミドは、疑似ペプチド結合にてヒドロキシ桂皮酸誘導体に結合したアントラニル酸誘導体を含む。アベナンスラミドは、時には、ヒドロキシシンナモイルアルカロイドと称される。アベナンスラミドの例としては、Sc(アベナンスラミドCとも呼ばれる)、Bf(アベナンスラミドBとも呼ばれる)及びBp(アベナンスラミドAとも呼ばれる)が含まれる。
【0028】
アベナンスラミドは、カラスムギの核心の抽出物中に見られる。カラスムギの核心エキスは、時には、カラスムギ穀粒エキスと称される。市販製品としては、化粧品原料の国際命名法(INCI)によってカラスムギエキスと命名されたもの、例えば、商品名CP Oat AvenanthramidesとしてCeapro Inc.から市販の製品(保存料ソルビン酸カリウム0.2質量%とともに、グリセリン中に、アベナンスラミドAF-1、AF-2、及びAF-6 100−120 ppmを含有するといわれている)がある。
【0029】
1以上の具体例では、アベナンスラミドは、下記の化学構造によって表される:
【化1】
【0030】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有する植物化学物質を、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.001 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.002 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.005 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.01 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.02 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.05 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.1ppmの量で含む。
【0031】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有する植物化学物質を、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下、他の具体例では、約0.5質量%以下の量で含む。
【0032】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有する植物化学物質を、組成物の総質量基準で、約0.001 ppm−約10質量%、他の具体例では、約0.005 ppm−約8質量、他の具体例では、約0.01−約5質量%の量で含む。
【0033】
有利には、第1の皮膚コンディショニング剤の組合せの驚くべき相乗効果の結果として、比較的少量の第1の皮膚コンディショニング剤を含有する組成物により、有益な皮膚コンディショニング効果が達成される。1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有する植物化学物質を、組成物の総質量基準で、約10ppm以下、他の具体例では、約8ppm以下、他の具体例では、約5ppm以下、他の具体例では、約3ppm以下、他の具体例では、約1ppm以下、他の具体例では、約0.5ppm以下、他の具体例では、約0.3ppm以下、他の具体例では、約0.1ppm以下の量で含む。
【0034】
1以上の具体例では、組成物は、トレハロースを、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.001 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.002 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.005 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.01 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.02 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.05 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.1ppmの量で含む。
【0035】
1以上の具体例では、組成物は、トレハロースを、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下、他の具体例では、約0.5質量%以下の量で含む。
【0036】
1以上の具体例では、組成物は、トレハロースを、組成物の総質量基準で、約0.001 ppm−約10質量%、他の具体例では、約0.005 ppm−約8質量、他の具体例では、約0.01−約5質量%の量で含む。
【0037】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有するアベナンスラミドを、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.001 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.002 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.005 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.01 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.02 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.05 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.1ppmの量で含む。
【0038】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有するアベナンスラミドを、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下、他の具体例では、約0.5質量%以下の量で含む。
【0039】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の抗炎症特性を有するアベナンスラミドを、組成物の総質量基準で、約0.001 ppm−約10質量%、他の具体例では、約0.005 ppm−約8質量、他の具体例では、約0.01 ppm−約5質量%の量で含む。
【0040】
アベナンスラミドと、他の皮膚コンディショニング剤(例えば、ナイアシンアミド)との組合せの驚くべき相乗効果の結果として、比較的少量のアベナンスラミドを含有する組成物により、有益な皮膚コンディショニング効果が達成される。1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1のアベナンスラミドを、組成物の総質量基準で、約10ppm以下、他の具体例では、約8ppm以下、他の具体例では、約5ppm以下、他の具体例では、約3ppm以下、他の具体例では、約1ppm以下、他の具体例では、約0.5ppm以下、他の具体例では、約0.3ppm以下、他の具体例では、約0.1ppm以下の量で含む。
【0041】
1以上の具体例では、アベナンスラミドの量は、組成物の総質量基準で、約0.001−約0.5ppm、他の具体例では、約0.002−約0.3ppm、他の具体例では、約0.003−約0.1ppmである。
【0042】
1以上の具体例では、植物化学物質は、溶液又はエマルジョンとして、組成物に添加される。換言すれば、植物化学物質をキャリヤー(ただし、キャリヤーは、組成物の抗菌性又はコンディショニング特性に悪影響を及ぼしてはならない)とプレ混合して、植物化学物質の溶液又はエマルジョンを形成することができる。キャリヤーの例としては、水、アルコール、グリコール(例えば、プロピレングリコール又はエチレングリコール)、ケトン、直鎖状及び/又は環状炭化水素、トリグリセリド、カーボネート、シリコーン、アルケン、エステル(例えば、酢酸エステル、安息香酸エステル、脂肪酸エステル、グリセリルエステル)、エーテル、アミド、ポリエチレングリコール及びPEG/PPG共重合体、無機塩溶液(塩水)、及びその混合物が含まれる。植物化学物質をプレ混合して植物化学物質溶液又はエマルジョンを形成する場合、組成物に添加される溶液又はエマルジョンの量は、植物化学物質の量が上記の設定範囲内に入るように選択されることが理解されるであろう。
【0043】
b.角質層形成エンハンサー
1以上の具体例では、第1の皮膚コンディショニング剤の少なくとも1は、角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素を含む。有利には、角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素は、バリヤーの修復を増強する。1以上の具体例では、角質層形成エンハンサーは、脂質の調整にも役立つ。
【0044】
1以上の具体例では、組成物は、ビタミンB(例えば、ビタミンB3又はビタミンB複合体)、レチノール、レチンアルデヒド、レチノイン酸、没食子酸エピガロカテキン、エイコサペンタエン酸、ヘキサミジン、ナイアシンアミド、レシチン、リノレン酸、リノレン酸、リポ酸、リシン、リン脂質、カルニチン、カルノシン、アデノシン三リン酸、アデノシン環状リン酸、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルトリペプチド−3(及び多くの他のペプチド)、及びリンゴエキスから選ばれる少なくとも1の角質層形成エンハンサーを含む。
【0045】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素を、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.0005 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.001 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.002 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.005 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.01 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.02 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.05 ppm、他の具体例では、少なくとも約0.1ppmの量で含む。
【0046】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素を、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下、他の具体例では、約0.5質量%以下、他の具体例では、約0.3質量%以下、他の具体例では、約0.1質量%以下、他の具体例では、約0.05質量%以下の量で含む。
【0047】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素を、組成物の総質量基準で、約0.001 ppm−約10質量%、他の具体例では、約0.005−約8質量、他の具体例では、約0.01−約5質量%の量で含む。
【0048】
1以上の具体例では、組成物は、ナイアシンアミドを、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.001質量%、他の具体例では、少なくとも約0.002質量%、他の具体例では、少なくとも約0.005質量%、他の具体例では、少なくとも約0.01質量%、他の具体例では、少なくとも約0.02質量%、他の具体例では、少なくとも約0.05質量%の量で含む。
【0049】
1以上の具体例では、組成物は、ナイアシンアミドを、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下、他の具体例では、約0.5質量%以下、他の具体例では、約0.3質量%以下、他の具体例では、約0.1質量%以下、他の具体例では、約0.05質量%以下の量で含む。
【0050】
1以上の具体例では、組成物は、ナイアシンアミドを、組成物の総質量基準で、約0.001−約10質量%、他の具体例では、約0.005−約8質量、他の具体例では、約0.01−約5質量%の量で含む。
【0051】
1以上の具体例では、ナイアシンアミドの量は、組成物の総質量基準で、約0.01−約10質量%、他の具体例では、約0.05−約5質量%、他の具体例では、約0.1−約1質量%である。
【0052】
有利には、第1の皮膚コンディショニング剤の組合せの驚くべき相乗効果の結果として、比較的少量の角質層形成エンハンサーを含有する組成物により、有益な皮膚コンディショニング効果が達成される。例えば、1以上の具体例では、組成物は、ナイアシンアミドを、組成物の総質量基準で、約0.5質量%以下、他の具体例では、約0.3質量%以下、他の具体例では、約0.1質量%以下、他の具体例では、約0.05質量%以下の量で含む。
【0053】
1以上の具体例では、組成物中に存在する第1の皮膚コンディショニング剤の総量は、組成物の総質量基準で、約1質量%未満、他の具体例では、約0.8質量%未満、他の具体例では、約0.5質量%未満、他の具体例では、約0.4質量%未満、他の具体例では、約0.3質量%未満である。
【0054】
IV.沈着エンハンサー
1以上の具体例では、本発明の組成物は、少なくとも1の沈着エンハンサーを含む。有利には、沈着エンハンサーは、非毒性、非刺激性及び非アレルゲン性である。好適な沈着エンハンサーは、予測可能且つ再現可能な活性及び期間で迅速に作用する。好適には、沈着エンハンサーは、身体内で、顕著な薬理活性を有しておらず、皮膚から除去される際、バリヤー特性が迅速かつ十分に正常に戻る。沈着エンハンサーは、主に、一方向性に作用し、すなわち、身体からの内在性物質の損失を防止しつつ、治療薬が身体内に入ることを許容する。有利には、沈着エンハンサーは、美容的に許容される外観及び許容される皮膚感触を提供する。
【0055】
1以上の具体例では、沈着エンハンサーの例としては、界面活性剤、胆汁酸塩及びその誘導体、脂肪酸及びその誘導体、キレート剤、及びスルホキシドが含まれる。
【0056】
沈着エンハンサーの例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMA、DMF、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(アゾン)、ピロリドン(例えば、2−ピロリドン(2P)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP))、長鎖脂肪酸(例えば、オレイン酸及び約C
10−C
12の飽和アルキル鎖長を有する脂肪酸)、精油、テルペン、テルペノイド、オキサゾリジノン(例えば、4−デシルオキサゾリジン−2−オン)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリン酸ナトリウム、ポリソルベート、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、カプリル酸、EDTA、リン脂質、C
12-15アルキル安息香酸エステル、ペンチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリソルベート−ポリエチレンソルビタン−モノラウレート、レシチンが含まれる。
【0057】
1以上の具体例では、沈着エンハンサーは、ポリオールプレポリマー-2、ポリオールプレポリマー-14、及びポリオールプレポリマー-15から選ばれるヒドロキシ末端ポリウレタン化合物を含んでなる。ポリオールプレポリマー-2は、時には、PPG-12/SMDIコポリマーと称される。
【0058】
1以上の具体例では、組成物は、沈着エンハンサーを、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下、他の具体例では、約0.5質量%以下、他の具体例では、約0.3質量%以下、他の具体例では、約0.1質量%以下、他の具体例では、約0.05質量%以下の量で含む。
【0059】
1以上の具体例では、組成物は、沈着エンハンサーを、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.005質量%、他の具体例では、少なくとも約0.01質量%、他の具体例では、少なくとも約0.02質量%、他の具体例では、少なくとも約0.05質量%、他の具体例では、少なくとも約0.1質量%、他の具体例では、少なくとも約0.2質量%の量で含む。
【0060】
1以上の具体例では、組成物は、沈着エンハンサーを、組成物の総質量基準で、約0.005−約10質量%、他の具体例では、約0.01−約5質量、他の具体例では、約0.05−約3質量%の量で含む。
【0061】
1以上の具体例では、組成物は、ヒドロキシ末端ポリウレタン化合物を、組成物の総質量基準で、約0.005−約5質量%、他の具体例では、約0.01−約3質量、他の具体例では、約0.05−約1質量%の量で含む。
【0062】
V.任意成分
本発明の組成物は、さらに、広い範囲の任意成分を含んでなることができるが、ただし、これらは、組成物の抗菌効力、組成物の審美性、又は組成物の皮膚コンディショニング特性に悪影響を及ぼさないものである。抗菌効力に関して、「悪影響」とは、確立された抗菌効力テストによるlog
10減少値における減少、換言すれば、対数減少値が約0.5以上減少しないことを意味する。
【0063】
CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 11版, 2005及び2004 CTFA International Buyer's Guide(これらの両方を、参照して、ここに組み込む)は、本発明の組成物での使用に好適である、スキンケア工業において一般的に使用される各種の非限定的な化粧品及び医薬品成分を記載している。後者の引用文献の第537頁には、成分の機能的な種類の非限定的な例が記載されている。これらの機能的な種類の例としては、研磨剤、抗アクネ剤、固化防止剤、酸化防止剤(例えば、グアイアズレン及びスピルリナ)、鎮痒薬、結合剤、生物学的添加剤、増量剤、キレート剤、化学添加剤;着色剤、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、乳化剤、外用鎮痛剤、膜形成剤、香り成分、保湿剤、不透明化剤、可塑剤、保存料(時には、抗菌剤と称される)、噴射剤、還元剤、美白剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、その他(miscellaneous)、及び水分蒸発抑制剤(occlusive))、皮膚保護剤、溶媒、界面活性剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外性吸収剤、粘着防止剤、及び増稠剤(水性及び非水性)が含まれる。ここで有用な物質の他の機能的な種類の例としては、可溶化剤、金属イオン封鎖剤、角質溶解剤、局所活性成分などが含まれる。
【0064】
a.保湿剤
特定の具体例では、組成物は、1以上の保湿剤を含んでなる。保湿剤の例としては、プロピレングリコール、へキシレングリコール、1,4−ジヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロパンジオール(例えば、メチルプロパンジオール)、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、及びその組み合わせが含まれる。他の保湿剤としては、グリコール酸、グリコール酸塩、乳酸塩、尿素、ヒドロキシエチル尿素、α−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸)、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キチンなどが含まれる。
【0065】
ポリエチレングリコール保湿剤の例としては、PEG-4、PEG-、PEG-6、PEG-7、PEG-8、PEG-9、PEG-10、PEG-12、PEG-14、PEG-16、PEG-18、PEG-20、PEG-32、PEG-33、PEG-40、PEG-45、PEG-55、PEG-60、PEG-75、PEG-80、PEG-90、PEG-100、PEG-135、PEG-150、PEG-180、PEG-200、PEG-220、PEG-240、及びPEG-800が含まれる。
【0066】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の保湿剤を、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.001質量%、他の具体例では、少なくとも約0.002質量%、他の具体例では、少なくとも約0.005質量%、他の具体例では、少なくとも約0.01質量%、他の具体例では、少なくとも約0.02質量%、他の具体例では、少なくとも約0.05質量%、他の具体例では、少なくとも約0.1質量%、他の具体例では、少なくとも約0.2質量%、他の具体例では、少なくとも約0.5質量%、他の具体例では、少なくとも約0.7質量%、他の具体例では、少なくとも約1質量%、他の具体例では、少なくとも約1.5質量%、他の具体例では、少なくとも約2質量%の量で含む。
【0067】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1の保湿剤を、組成物の総質量基準で、約20質量%以下、他の具体例では、約15質量%以下、他の具体例では、約10質量%以下、他の具体例では、約8質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約3質量%以下の量で含む。
【0068】
有利には、第1の皮膚コンディショニング剤の組合せの驚くべき相乗効果の結果として、比較的少量の保湿剤を含有する組成物により、有益な皮膚コンディショニング効果が達成される。1以上の具体例では、組成物における保湿剤の総量は、組成物の総質量基準で、約2質量%未満、他の具体例では、約1質量%未満、他の具体例では、約0.5質量%未満、他の具体例では、約0.1質量%未満である。1以上の具体例では、グリセリンの量は、組成物の総質量基準で、約2質量%未満、他の具体例では、約1質量%未満、他の具体例では、約0.5質量%未満、他の具体例では、約0.1質量%未満である。本発明の組成物が良好な審美性を有する理由の1つは、効果的な皮膚コンディショニングの利点を有する生成物を生成するために要求される原料物質の合計量が少ないことによるものであると考えられる。
【0069】
b.保湿性エステル
これらの又は他の具体例では、組成物は、1以上のコンディショニング性又は保湿性エステルを含有してなる。エステルの例としては、ミリスチン酸セチル、セチルミリストレート及び他のセチルエステル、セバシン酸ジイソプロピル、及びミリスチン酸イソプロピルが含まれる。
【0070】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1のコンディショニング性又は保湿性エステルを、組成物の総質量基準で、約10質量%以下、他の具体例では、約5質量%以下、他の具体例では、約2質量%以下、他の具体例では、約1質量%以下の量で含む。
【0071】
1以上の具体例では、組成物は、少なくとも1のコンディショニング性又は保湿性エステルを、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.001質量%、他の具体例では、少なくとも約0.002質量%、他の具体例では、少なくとも約0.005質量%、他の具体例では、少なくとも約0.01質量%、他の具体例では、少なくとも約0.02質量%、他の具体例では、少なくとも約0.05質量%、他の具体例では、少なくとも約0.1質量%、他の具体例では、少なくとも約0.2質量%、他の具体例では、少なくとも約0.5質量%、他の具体例では、少なくとも約0.7質量%、他の具体例では、少なくとも約1質量%の量で含む。
【0072】
他の具体例では、含まれる各エステルは、組成物の総質量基準で、約0.5−約5質量%、他の具体例では、約1−約2質量%の量で存在する。
【0073】
一方、第1の皮膚コンディショニング剤の組合せの驚くべき相乗効果の結果として、保湿性エステルは要求されないか、又は比較的少量で存在できる。1以上の具体例では、組成物における保湿性エステルの総量は、組成物の総質量基準で、約1質量%未満、他の具体例では、約0.5質量%未満、他の具体例では、約0.1質量%未満、他の具体例では、約0.05質量%未満である。
【0074】
c.乳化剤
1以上の具体例では、組成物は1以上の乳化剤を含むことができる。乳化剤の例としては、ステアリルアルコール、ソルビタンオレエートトリデセス−2、ポロキサマー、及びPEG/PPG-20/6ジメチコーンが含まれる。1具体例では、乳化剤は、抗菌性組成物の総質量基準で約10質量%以下の量で存在する。他の具体例では、乳化剤は、抗菌性組成物の総質量基準で、約0.1−約5質量%、他の具体例では、約0.5−約2質量%の量で存在する。
【0075】
d.シリコーングリコール
1以上の具体例では、組成物は、1以上のシリコーングリコールを含有する。シリコーングリコールは、一般に、ポリマー骨格中に1以上のSi-O-Si結合を含有することによって特徴付けられる。シリコーングリコールは、オルガノポリシロキサンジメチコーンコポリオール、カルビノール変性シリコーン、シリコーンポリエーテル、アルキルメチルシロキサン、アモジメチコン、トリシロキサンエトキシレート、ジメチコノール、4級化シリコーングリコール、ポリシリコーン、シリコーンクロスポリマー、及びシリコーンワックスを含む。
【0076】
シリコーングリコールの例としては、ジメチコーンPEG-7ウンデシレネート、PEG-10ジメチコーン、PEG-8ジメチコーン、PEG-12ジメチコーン、ペルフルオロノニルエチルカルボキシデカルPEG-10、PEG-20/PPG-23ジメチコーン、PEG-11メチルエチルジメチコーン、ビス-PEG/PPG-20/20ジメチコーン、Silicone Quat、PEG-9ジメチコーン、PEG-12ジメチコーン、フルオロPEG-8ジメチコーン、PEG-23/PPG-6ジメチコーン、PEG-20/PPG-23ジメチコーン、PEG-17ジメチコーン、PEG-5/PPG-3ジメチコーン、ビスPEG-20ジメチコーン、PEG/PPG-20/15ジメチコーンコポリマー及びスルホスクシネートブレンド、PEG-8ジメチコーン/ダイマー酸ブレンド、PEG-8ジメチコーン/脂肪酸ブレンド、PEG-8ジメチコーン/冷間圧搾植物オイル/ポリクオタニウムブレンド、ランダムブロックポリマー及びその混合物が含まれる。
【0077】
1具体例では、シリコーングリコールは、式
R
2-Si(CH
3)
2-[O-Si(CH
3)
2]
a-[O-Si(CH
3)R
3]
b-O-Si(CH
3)
2-R
2
(ここで、R
2及びR
3は、独立して、メチル基又は式
-(CH
2)
3-O-(CH
2CH
2O)
c-[CH
2CH(CH
3)O]
d-(CH
2CH
2O)
eH
で表される部分であり、ただし、R
2及びR
3の両方がCH
3であることはなく、aは約3−約21の整数であり、bは約1−約7の整数であり、cは約0−約40の整数であり、dは約0−約40の整数であり、及びeは約0−約40の整数であり、ただし、a≧3×bであり、c+d+e≧5である)で表される化合物を含む。
【0078】
1以上の具体例では、組成物は、組成物の総質量基準で、シリコーングリコール少なくとも約0.002質量%を含む。他の具体例では、組成物は、組成物の総質量基準で、シリコーングリコール少なくとも約0.01質量%を含む。さらに他の具体例では、組成物は、組成物の総質量基準で、シリコーングリコール少なくとも約0.05質量%を含む。
【0079】
1以上の具体例では、組成物中に存在する各シリコーングリコールは、組成物の総質量基準で、約0.002−約4質量%の量で存在するが、より多い量も有用である。他の具体例では、各シリコーングリコールは、組成物の総質量基準で、約0.01−約2質量%の量で任意に存在する。リストした成分に関するこのような質量は、活性レベルに基づくものであり、従って、他の特定しない限り、市販品に含まれるキャリヤー又は副生物を含まない。
【0080】
1以上の具体例では、シリコーングリコールは、PEG-12ジメチコーン、PEG-10ジメチコーン、PEG-8ジメチコーン、及びその組み合わせから選ばれる。
【0081】
e.その他の皮膚コンディショナー
1以上の具体例では、組成物は、アロエ、ビタミンE、及びC
6-10アルカンジオールから選ばれる1以上の他の皮膚コンディショナーを含む。
【0082】
1以上の具体例では、組成物は、さらに、1以上のC
6-10アルカンジオール、すなわち、炭素鎖長6−10を有するジオールを含んでなる。1以上の具体例では、ジオールは直鎖状ジオールを含んでなる。1以上の具体例では、ジオールは、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、又はその混合物を含む。1,2−オクタンジオールは、時には、カプリリルグリコールと称される。1以上の具体例では、ジオールは、1以上のC
6-8アルカンジオール、すなわち、炭素鎖長6−8を有するジオールを含んでなる。
【0083】
1以上の具体例では、組成物は、組成物の総質量基準で、C
6-10アルカンジオールを約0.05−約4質量%の量で含む。1具体例では、ジオールは、組成物の総質量基準で、約0.1−約1質量%の量で存在し、他の具体例では、ジオールは、約0.15−約0.7質量%の量で存在し、さらに他の具体例では、約0.2−約0.6質量%、及びさらに他の具体例では、約0.25−約0.5質量%の量で存在する。必要であれば、より多い量のジオールを使用することができ、少なくとも同様に機能することが理解されるであろう。
【0084】
本発明の組成物では、皮膚軟化剤、保湿剤、保湿性エステル、及び他の皮膚コンディショニング剤は必要とされず、必要であれば、例えば、改善された審美性を達成するため及び/又は抗菌効力に対する悪影響を回避するために、制限されることは理解されなければならない。すなわち、C
1-6アルコール、上述の第1の皮膚コンディショニング剤、及び沈着エンハンサーを含有する本発明の組成物は、追加の皮膚コンディショニング剤を含有しないか、限られた量、すなわち、皮膚コンディショニング特性をうたう他のアルコール製品において見られるよりも有意に少ない量で追加の皮膚コンディショニング剤を含有できる。このように、この明細書の目的に関しては、用語「追加の皮膚コンディショニング剤」とは、抗炎症特性を有する植物化学物質又は角質層の形成に役立つ酵素又は補酵素ではない、各種の皮膚軟化剤、保湿剤、保湿性エステル、水分蒸発抑制剤などと定義される。
【0085】
1以上の具体例では、組成物における追加の皮膚コンディショニング剤の総量は、組成物の総質量基準で、約2質量%未満、他の具体例では、約1.5質量%未満、他の具体例では、約1質量%未満、他の具体例では、約0.75質量%未満、他の具体例では、約0.5質量%未満である。他の具体例では、本発明の組成物は、追加の皮膚コンディショニング剤を含有しない。
【0086】
f.増粘剤
1以上の具体例では、本発明の組成物は粘稠化される。有利には、好適な安定性、許容される美容特性、好適な粘度を提供するために、上述のアルコール性組成物と適合する増粘剤が使用される。
【0087】
1以上の具体例では、本発明の組成物は、好適な粘度計及びスピンドルを使用して測定して、23℃において、少なくとも約100センチポイズ(cps)、他の具体例では、少なくとも約500 cps、他の具体例では、少なくとも約1,000 cps、他の具体例では、少なくとも約1,500 cps、他の具体例では、少なくとも約2,000 cps、他の具体例では、少なくとも約3,000 cps、他の具体例では、少なくとも約4,000 cps、他の具体例では、少なくとも約10,000 cps、他の具体例では、少なくとも約20,000 cps、他の具体例では、少なくとも約50,000 cps、他の具体例では、少なくとも約80,000 cpsの粘度を有する。例えば、1以上の具体例では、粘度は、ヘリパスアダプターとともに、非常に低いせん断性の粘度計(例えば、Brookfield LVDV-I粘度計)及びTスピンドルを使用して測定される。
【0088】
1以上の具体例では、本発明の組成物は,さらに米国特許第8,062,649号(参照して、ここに組み込む)に記載されているように、非イオン系及び/又はカチオン系の界面活性剤に基づく増粘剤を使用することによって粘稠化される。
【0089】
1以上の具体例では、非イオン系及び/又はカチオン系の界面活性剤は、組成物の総質量基準で、約0.5−約10質量%、他の具体例では、約1−約8質量%、及び他の具体例では、約2−約6質量%の量で存在する。
【0090】
ここで使用するように、ポリマー性増粘剤は、非イオン系又はカチオン系であれば、増粘剤系の一部と考えられ、組成物におけるその存在の結果、組成物の粘度が増大する。これらの特性を有していない特定のポリマーも、組成剤中に存在することができるが、組成物の粘度には有意には寄与しない。本発明の目的については、これらは増粘剤の一部とはみなされない。例えば、特定の非イオン系ポリマー(例えば、低分子量ポリエチレングリコール(例えば、約20,000未満の分子量を有するもの))は、組成物の粘度を有意に増大させない。これらは、皮膚軟化剤又は保湿剤と考えられる。
【0091】
1以上の具体例では、ポリマー性増粘剤系は、室温において固状の少なくとも1のカチオン系又は非イオン系のポリマーを含む。カチオン系のポリマー性増粘剤の例としては、カチオン的に変性されたセルロース、4級化天然アミノ官能性ポリマー、及びアクリレート、アクリルアミド、ビニルラクタム、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、スチレン、及びアクリロニトリルの群から選ばれるエチレン系不飽和モノマーに基づくポリマーが含まれる。非イオン系のポリマー性増粘剤の例としては、変性セルロース、非イオン系のエチレン系不飽和モノマーに基づく会合性ポリマー(ここで、少なくとも1のコモノマーは、少なくとも炭素原子16個を有する)、及びアクリレート、アクリルアミド、ビニルラクタム、酢酸ビニル及びその加水分解誘導体、メチルビニルエーテル、スチレン、及びアクリロニトリルの群から選ばれるエチレン系不飽和モノマーに基づくポリマーが含まれる。
【0092】
更なる例としては、水溶性であるカチオン変性セルロースポリマー(例えば、商標名「CELQUAT」(ニュージャージー州ブリッジウォーター,National Starch and Chemicals Corp.)及び「UCARE」(ニュージャージー州エジソン,American Corporation)で販売されている変性セルロース製品)が含まれる。「CELQUAT」は、ポリエトキシ化セルロース及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムのコポリマーであり、トイレ化粧品・香料工業協会(CTFA)の名称「ポリクオタニウム-4」を有する。「CELQUAT」ポリマーの例は、CELQUAT SC-230M及びH-100である。「UCARE」は、ポリマー性のヒドロキシエチルセルロース4級アンモニウム塩及び塩化トリメチルアンモニウム置換エポキシドであり、CTFAの名称「ポリクオタニウム-10」を有する。「UCARE」ポリマーの例は、UCARE JR-30Mである。
【0093】
ヒドロキシエチルセルロースのアルキル変性4級アンモニウム塩及び塩化トリメチルアンモニウム置換エポキシドも有用であると認められた。このポリマーは、CTFAの名称「ポリクオタニウム-24」であり、American Corp.(ニュージャージー州エジソン)からQUATRISOFT LM-200として市販されている。
【0094】
本発明において有用なカチオン性合成ポリマーの例としては、次のモノマー、すなわち、メタクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩、アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩、及び4級化ジアルキアミノアルキルアクリルアミジン塩の1つからなるホモポリマー;トリアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレート塩、ジアルキルジアリルアンモニウム塩、アクリルアミドアルキルトリアルキル塩、メタクリルアミドアルキルトリアルキル塩、及びアルキルイミダゾリニウム塩、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、メチルビニルエーテル、アクリレート、メタクリレート、スチレン、及びアクリロニトリルの群から選ばれる少なくとも2のモノマーからなるコポリマーが含まれる。代表的には、塩のため、対イオンは、F
-、Cl
-、Br
-、及びCH
3(CH
2)
nSO
4-(ここで、n=0−4)である。
【0095】
各種の4級化度の各種の4級コポリマーは、メチル、エチル又はプロピル側鎖を有するアミノアクリレートのホモポリマー又はコポリマーに基づいて合成される。これらのモノマーも、4級アクリル系ホモポリマー(例えば、塩化2‐メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム及び臭化2−メタクリロキシエチルメチルジエチルアンモニウムのホモポリマー);及び4級アクリレートモノマーと水溶性モノマーとのコポリマー(例えば、Petrolite Product No. Q-0043、線状4級アクリレート及びアクリルアミドの高分子量(4−5×10
6MW)の有標コポリマー)を含む他の非イオン性モノマーと共重合される。
【0096】
カチオン性ポリマーの例としては、硫酸ジエチルで4級化され及びポリアクリロニトリルのブロックに結合されたN,N−ジアルキルアミノプロピル−N−アクリルアミジンが含まれる。このブロックコポリマーは、Lipo Chemicals Inc.(ニュージャージー州パターソン)から、HYpan QT-100として入手できる。更なる例としては、Clariantから商標名「Aristoflex(登録商標)AVC」で入手できるアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマーが含まれる。
【0097】
好適な非イオン系ポリマーの例としては、メチルヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon(デラウエア州ウィルミントン)から「BENECEL MP 943」として入手できる);ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon(デラウエア州ウィルミントン)から「KLUCEL」(LF、GF、MF、HF)として入手できる);及びScientific Polymer Products(ニューヨーク州オンタリオ)から入手できるヒドロキシブチルメチルセルロース(3.5%ヒドロキシブチル及び30%メトキシル)が含まれる。
【0098】
好適な膨潤性ポリマーの例としては、アクリルアミド及びトリアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレート塩、ジアルキルジアリルアンモニウム塩、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩、及びイミダゾリニウム塩を含んでなるモノマーの群から選ばれる少なくとも1の4級モノマーの架橋ポリマーが含まれる。対イオンは、F
-、Cl
-、Br
-、及びCH
3(CH
2)
nSO
4-(ここで、n=0−4)である。N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、メチルビニルエーテル、アクリレート、メタクリレート、スチレン等を含む他のコモノマーも付加することができる。1以上の具体例では、ポリマーは、ポリ(塩化2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム)からなる(CTFAの名称「ポリクオタニウム-37」に該当する)。1以上の具体例では、ポリマーは、アクリルアミド及び塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムからなる(CTFAの名称「ポリクオタニウム-32」に該当する)。これらは、Allied Colloids Inc.(バージニア州サフォーク)から、「SALCARE」SC95、SC96、及びSC92として市販されている。
【0099】
他の膨潤性ポリマー(すなわち、わずかに架橋されたポリマー)は、架橋のために電離放射線を使用して調製される。例えば、N−ビニルラクタム(例えば、N−ビニルピロリドン)からなるポリマー「LUVIQUAT HM 552」(ビニルイミダゾリウムメソクロリド及びビニルピロリドンのコポリマー;CTFAの名称「ポリクオタニウム-16」に該当する)、及び「GAFQUAT HS-100」(ビニルピロリドン/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムコポリマー;CTFAの名称「ポリクオタニウム-28」に該当する)。
【0100】
ポリ不飽和モノマー(例えば、マレイン酸ジアリル)を使用する化学架橋も有用であることが証明されている。他の好適な架橋剤は、多エチレン系不飽和化合物(ここで、エチレン系基は、ビニル基(置換ビニル基、例えば、イソプロぺニル基を含む)、アリル基、及び/又はメタリル基であり、これらの基は窒素原子又は酸素原子に結合している)である。ここで使用する「ビニル基」、「アリル基」、及び「メタリル基」は、置換誘導体を含む。化合物の例としては、ジビニル、ジアリル、又はジメタリルエステル、エーテル、アミド、又は尿素が含まれる。具体的な例は、米国特許第5,225,473号及び同第4,931,282号に開示されている。更なる例としては、マレイン酸ジアリルとの共有結合架橋を介して又は線状PVP粉末の放射線架橋によって調製される架橋ポリビニルピロリドン(PVP)物質が含まれる。
【0101】
関連するポリマーの例としては、エチレン系不飽和モノマー系のポリマー(少なくとも1のコモノマーが炭素原子少なくとも16個を有する)が含まれる。1例は、セチルヒドロキシエチルセルロース(Aqualonsから「NATROSOL PLUS」として入手できる)である。
【0102】
1以上の具体例では、本発明の組成物は、米国特許第7,803,390号に記載されているように(参照して、ここに組み込む)、乳化剤を基材とする増粘剤を使用することによって粘稠化される。
【0103】
増粘剤の例としては、多糖増粘剤、例えば、デンプン、植物ゴム、ペクチン、及びグァーが含まれる。
【0104】
1以上の具体例では、本発明の組成物は、ポリアクリレート増粘剤によって粘稠化される。ポリアクリレート増粘剤の例としては、カーボマー、アクリレート/C
10-30アルキルアクリレート架橋ポリマー、アクリル酸/アルキル(C
5−C
10)アクリレートのコポリマー、アクリル酸及び無水マレイン酸のコポリマー、及びその混合物が含まれる。
【0105】
1以上の具体例では、ポリマー性増粘剤は、架橋剤約0.5−約4質量%を含む。架橋剤の例としては、ポリアルケニルポリエーテルが含まれる。
【0106】
ポリアクリレートタイプの市販ポリマーとしては、商標名Carbopol(登録商標)、Acrysol(登録商標)ICS-1、Polygel(登録商標)、Sokalan(登録商標)、Carbopol(登録商標)1623、Carbopol(登録商標)695、Ultrez 10、及びPolygel(登録商標)DBで販売されているものが含まれる。
【0107】
1以上の具体例では、増粘剤の量は、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.01質量%であり、他の具体例では、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.02質量%、さらに他の具体例では、少なくとも約0.05質量%、さらに他の具体例では、少なくとも約0.1質量%である。1以上の具体例では、増粘剤は、組成物の総質量基準で、少なくとも約0.5質量%、他の具体例では、少なくとも約0.75質量%の量で存在する。1以上の具体例では、本発明の組成物は、組成物の総質量の約10質量%未満のポリマー性増粘剤を含んでなる。1以上の具体例では、増粘剤の量は、組成物の総質量基準で、約0.01−約1質量%、他の具体例では、0.02−0.4質量%、及び他の具体例では、約0.05−約0.3質量%である。1以上の具体例では、増粘剤の量は、組成物の総質量基準で、約0.1−約10質量%、他の具体例では、0.5−5質量%、及び他の具体例では、約0.75−約2質量%である。
【0108】
1以上の具体例では、組成物は、さらに中和剤を含むことができる。カーボマーポリマーの塩を形成するために中和剤を使用することは知られている。中和剤の例としては、アミン、アルカノールアミン、アルカノールアミド、無機塩基、アミノ酸(塩を含む)、エステル及びそのアシル誘導体が含まれる。
【0109】
1以上の具体例では、組成物は、粘度範囲約5,000−約80,000 cps、他の具体例では、約5,000−約35,000 cps、及び他の具体例では、約10,000−約25,000 cpsによって特徴付けられる含水アルコール性ゲルとして処方される。1具体例では、粘度は、RV及び/又はLVスピンドルを使用するBrookfield RV粘度計を使用して22℃±3℃において測定される。含水アルコール性ゲルは、米国特許出願公開第2010/0317743号に記載されており、参照して、ここに組み込む。
【0110】
g.補助抗菌剤
C
1-6アルコール以外の各種の抗菌活性剤は、「補助抗菌剤」と称される。1以上の具体例では、補助抗菌成分の量(保存料を含む)は、組成物の総質量基準で、約0.1質量%以下、他の具体例では、約0.05質量%以下である。他の具体例では、組成物は、補助抗菌剤を含有しない。
【0111】
他の具体例では、補助抗菌剤を含めることもできると考えられるが、ただし、抗菌剤は組成物の抗菌性に悪影響を及ぼしてはならない。補助抗菌剤の例としては、トリクロサン(5−クロロ−2(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(PCMX)としても知られており、Ciba-Geigy Corporationから商標名IRGASAN(登録商標)として市販されている);クロロキシレノール(4−クロロ−3,5−キシレノールとしても知られており、Nipa Laboratories Inc.から商標名NIPACIDE(登録商用)MX又はPXとして市販されている);ヘキセチジン(5−アミノ−1,3−ビス(2−エチルへキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジンとしても知られている);クロロヘキシジングルコネート及びN,N''−ビス(4−クロロフェニル)−3,12−ジイミノ−2,4,11,14−テトラアザテトラデカンジイミジアミドの塩を含むクロロヘキシジン塩;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;塩化ベンザルコニウム;塩化セチルピリジニウム;塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム;ヨウ素;フェノール、ビスフェノール、ジフェニルエーテル、フェノール誘導体、ポリビニルピロリジノン‐ヨウ素を含むポビドン−ヨウ素;パラベン;ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMヒダントイン又はグリダントとしても知られている)と共に、2,4−イミダゾリンジオン及び2,4−イミダゾリンジオンの誘導体を含むヒダントイン及びその誘導体;フェノキシエタノール;塩化1−(3−クロロアリル)−3,5,6−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンのシス異性体(クオタニウム-15としても知られており、Dow Chemical Companyから商標名DOWCIL 2000として市販されている);ジアゾリジニル尿素;塩化ベンゼトニウム;塩化メチルベンゼトニウム;グリセリルラウレート遷移金属化合物(例えば、銀、銅、マグネシウム、亜鉛化合物)、過酸化水素、二酸化塩素、アニリド、ビスグアニジン、トロポロン、及びその混合物が含まれる(これらに限定されない)。1以上の具体例では、補助抗菌剤は、組成物の総質量基準で、約0.001−2質量%の量で存在する。
【0112】
h.制限された成分
有利には、現在の防腐組成物にとって重要とされている特定の成分は、本発明の組成物では制限される。例えば、亜鉛化合物(例えば、亜鉛の有機塩、グルコン酸亜鉛、ジンクピリチオン、又はZinc Omadine)は不要であり、必要であれば、組成物の総質量基準で、約0.5質量%未満、他の具体例では、約0.1質量%未満、又は他の具体例では、0.05質量%未満に制限される。他の具体例では、組成物は亜鉛の有機塩を含まない。
【0113】
1以上の具体例では、酸の量は制限される。より詳しくは、1以上の具体例では、有機酸の量は制限される。1以上の具体例では、次の酸:クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及び酢酸のいずれかの量は制限される。制限される場合、酸の量は、組成物の総質量基準で、約0.125質量%未満、他の具体例では、約0.08質量%未満である。他の具体例では、組成物は、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及び酢酸を含まない。
【0114】
1以上の具体例では、精油の量は、組成物の総質量基準で、0.1質量%未満、他の具体例では、約0.05質量%である。他の具体例では、組成物は精油を含まない。より詳しくは、1具体例では、組成物は、0.1質量%未満、他の具体例では、約0.05質量%を含み、他の具体例では、次の精油:桂皮油、バジル油、ベルガモット油、クラリセージ油、イランイラン油、ネロリ油、ビャクダン油、オリバナム油、ジンジャー油、ハッカ油、ラベンダー油、ジャスミン油、ゼラニウムバーボン、スペアミント油、チョウジ油、パチュリー油、ローズマリー油、ローズウッド油、チャノキ油、バニラ油、レモングラス油、セダーウッド油、バルサム油、タンジェリン油、ヒノキ油、ヒバ油、イチョウ油、ユーカリ油、レモン油、オレンジ油、スィートオレンジ油、及びカレンジュラ油を含まない。ここで、上記の量は、組成物の総質量基準である。
【0115】
1以上の具体例では、精油の特定の成分の量も制限される。より詳しくは、1具体例では、組成物は、0.1質量%未満、他の具体例では、約0.05質量%を含有し、他の具体例では、精油の次の成分:ファルネソール、ネロリドール、ビサボロール、Apritone、カマズレン、サンタロール、ジンギベロール、カロトール、及びカリオフィレン、クルクミン、1−シトロネロール、α−アミルシンナムアルデヒド、Lyral、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネロール、イソオイゲノール、オイゲノール、カンファー、ユーカリプトール、リナロール、シタール、チモール、リモネン、及びメントールを含まない。ここで、上記の量は、組成物の総質量基準である。
【0116】
1以上の具体例では、組成物は、上記成分の1以上において、極微量で存在するもの以外の一般的な保存料を含まない。例えば、市販品のAvenanthramidesは、時には、少量の保存料(例えば、ソルビン酸ナトリウム)を含有する。一般的な保存料としては、パラベン、安息香酸、ソルビン酸カリウム、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、トロポロン、ジブロモジシアノブタン、1,2−ベンズイソチアソリン−3−オン、及びフェノキシエタノールが含まれる。1以上の具体例では、保存料の量は、組成物の総質量基準で、約1質量%未満、他の具体例では、約0.5質量%未満、さらに他の具体例では、約0.1質量%未満である。
【0117】
実際、アルコール、第1の皮膚コンディショニング剤、沈着エンハンサー、及び水以外の各種の成分は不要であり、任意に、約0.5質量%未満、所望であれば、約0.1質量%未満、所望であれば、約0.05質量%未満、所望であれば、約0.01質量%未満、又は所望であれば、約0.001質量%未満に制限される。
【0118】
i.組成物の残余
1以上の具体例では、組成物の残余は、水又は他の好適な溶媒である。
【0119】
VI.混合の方法
分配可能な組成物は、単に、成分を一緒に混合することによって調製される。添加の順序は特に制限されないが、有利には、各種成分の水及び/又はアルコールにおける溶解度に基づいて選定される。
【0120】
VII.組成物のMISC.特性
組成物が液状である1の具体例では、組成物の固形分は約6%未満、他の具体例では、約5%未満、さらに他の具体例では、約4%未満、他の具体例では、約3%未満、他の具体例では、約2%未満、さらに他の具体例では、約1%未満である。固形分は、当分野において公知の各種の方法で測定される。
【0121】
1以上の具体例では、組成物のpHは、約1.5−約10、他の具体例では、約1.5−約4.5、他の具体例では、約3−約4.5、他の具体例では、約4.5−約9.5、他の具体例では、約7−約8である。
【0122】
1以上の具体例では、組成物は、非エーロゾルの発泡性組成物として製剤される。これらの又は他の具体例では、組成物は、RV及び/又はLVスピンドルを使用するBrookfield RV粘度計を使用して22℃±3℃で測定して、約100 cps未満、他の具体例では、約50cpsの粘度によって特徴づけられる。発泡性組成物は、さらに、米国特許出願公開第2007/0148101号、同第2012/0129950号、及び同第2015/0025156号に記載されており、参照して、ここに組み込む。
【0123】
VIII.医療における手指衛生のための5つのタイミング
医療現場における手指衛生に関する世界保健機関(WHO)ガイドラインは、医療従事者のための手指衛生に関する推奨を公式化し、
図1に示すチャートを提供している。
図1を参照すると、5つのタイミングは、提供される医療について手指の消毒が実施されるべきであることが推奨される時点はいずれであるかを示している。(1)患者への接触前;(2)清潔/無菌処置の実行前;(3)体液曝露の危険後;(4)患者への接触後;及び(5)患者周囲への接触後。
【0124】
IX.利点
a.低減された刺激性及び改善された皮膚水分
有利には、本発明の具体例は、皮膚水和度を維持又は改善する効果的な医療従事者用ハンドウォッシュ組成物を提供する。効果的な医療従事者用ハンドウォッシュ組成物とは、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA医療用消毒製剤のための暫定的最終モノグラフ(TFM)(医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテスト)(Federal Register 59 [116], Jun. 17, 1994: pp. 31402-31452)によって設定された医療従事者用ハンドウォッシュに関する基準に適合又はこれを越える組成物を意味する。本発明の組成物は、病院及び医療施設における従事者のための手指衛生に関する現在のガイドライン(例えば、医療現場における手指衛生に関するWHOガイドライン)に従って使用する場合、刺激性が低減されている。さらに、本発明の具体例では、代表的なハンドウォッシュと組み合わせて使用される場合、刺激性が低減される。本発明の具体例では、病院及び医療施設における従事者のための手指衛生に関する現在のガイドラインに従って使用する場合、皮膚の状態が維持され、乾燥したり、皮膚のバリヤー機能を損傷したりしない。本発明の具体例では、病院及び医療施設における従事者のための手指衛生に関する現在のガイドラインに従って使用する場合、実際、乾燥、バリヤー機能、及び他のパラメーターの点で皮膚の状態が改善される。
【0125】
このように、本発明は、医療従事者の皮膚の状態を維持又は改善する方法を提供する。該方法は、医療施設の適切なガイドラインに従って、又は
図1に示す医療における手指衛生に関するWHOのガイドラインに従って手指を消毒するため、特定の期間、製品を使用する医療従事者に、本発明による組成物を提供することを含み、使用者の手指の皮膚状態を一定に維持するか、又は改善する。すなわち、製品の使用前に、及び再度使用期間の後に、医療従事者の皮膚の状態を測定する場合、皮膚状態は、少なくとも良好であるか、1以上の具体例では、改善されている。
【0126】
適切なガイドラインに従ってその手指を消毒する医療従事者は、順守従事者と称される。いくつかの医療現場では、適切なガイドラインに従って手指を消毒する医療従事者、すなわち、順守従事者は、ワークシフト(8−12時間)の間に、少なくとも約50回、いくつかの具体例では、シフト当たり少なくとも約80回、他の具体例では、シフト当たり約100回、手指を消毒するために消毒製品を使用する。1以上の具体例では、順守従事者が週当たり3−4シフト従事すると仮定すると、順守従事者の手指の皮膚状態は、少なくとも3日間、他の具体例では、少なくとも7日間、他の具体例では、少なくとも14日間にわたって維持される。これらの具体例では、手指の皮膚の乾燥及び/又はバリヤー機能は、使用後も、少なくとも使用前の皮膚の乾燥及び/又はバリヤー機能と同等である。
【0127】
1以上の具体例では、順守従事者が週当たり3−4シフト従事すると仮定すると、順守従事者の手指の皮膚状態は、少なくとも3日間で改善される。これらの具体例では、手指の皮膚状態は、使用前の手指の皮膚状態と比較して、使用後、改善されている。
【0128】
いくつかの具体例では、改善は7日以内で認められる。他の具体例では、改善は14日以内で認められる。
【0129】
同様に、本発明は、毎日の使用に基づき、連続7日以内で医療従事者の皮膚状態を改善する方法を提供する。該方法は、本発明による組成物を用意し、該組成物を、1日24時間で少なくとも50回、医療従事者の手指に塗布し、1日24時間で少なくともさらに2日、計連続7日以内で、医療従事者の手指への組成物の塗布工程を繰り返し行うことを含む。いくつかの具体例では、7日以内で改善が認められる。他の具体例では、14日以内で改善が認められる。
【0130】
本発明は、さらに、3日以内で医療従事者の皮膚状態を改善する方法を提供するものであり、該方法は、本発明による組成物を用意し、ワークシフトの間に少なくとも50回、手指を消毒する必要がある医療従事者を用意し、前記組成物を、ワークシフトの間に少なくとも50回、手指を消毒する必要がある医療従事者に塗布することを含んでなり、ここで、医療従事者は、連続3日間で、少なくとも3シフトで従事するものである。
【0131】
本発明は、さらに、連続7日以内で医療従事者の皮膚状態を改善する方法を提供するものであり、該方法は、上記組成物を用意し、該組成物を、1日24時間で少なくとも50回、医療従事者の手指に塗布し、1日24時間で少なくともさらに2日、計連続7日以内で、医療従事者の手指への組成物の塗布工程を繰り返し行うことを含む。
【0132】
1日当たり少なくとも10回、従来のアルコール系手指消毒剤を使用する多くのヒトが、7日以上の期間で手指の皮膚状態の悪化を経験していることが認めらえた。有利には、本発明のアルコール系手指消毒剤を、7日間、1日当たり少なくとも10回使用するヒトは、従来のアルコール系手指消毒剤を使用するヒトと比較して、同レベルの手指の皮膚状態の悪化を経験しない。1具体例では、本発明のアルコール系手指消毒剤を、7日間、1日当たり少なくとも10回使用するヒトは、手指の皮膚状態における改善を経験する。
【0133】
1以上の具体例では、改善された皮膚状態としては、刺激性の低減及び/又は皮膚水和度の改善が含まれる。1以上の具体例では、改善された皮膚状態は、広く、刺激性及び水分/バリヤー機能について、又はさらに詳しくは、目視格付けを介する発赤、水和、水分損失、乾燥として表現される。
【0134】
1以上の具体例では、皮膚状態は、時には、前腕管理塗布試験(FCAT)と称されるプロトコルを使用することによって測定される。FCATは、Ertel, Keith D.ら,「パーソナルクレンジング製品の相対的な温和性を評価するための前腕管理塗布試験」,J. Soc. Cosmet., 46, 67-76 (March/April 1995) に記載されており、参照して、ここに組み込む。リーブオンタイプの製品(例えば、擦り込み及び/又は蒸発されるが、リンスする必要はないアルコール性消毒剤)をテストするために、方法は、下記のように変更可能である。
【0135】
FCATは、実際に、皮膚に製品を塗布するためのプロトコルである(皮膚は、ついで、広く、刺激性及び水分/バリヤー機能(さらに詳しくは、目視格付けを介する発赤、水和、水分損失、乾燥)を含む各種のパラメーター/特性についてテストされる)。
【0136】
テスト部位を洗浄し、マークする。1つの部位を、未処置のままとする。1つの部位について、コントロール製品を使用する。ベースラインを確立するために、各種の製品を塗布する前に、皮膚の測定を行う。1以上の具体例では、皮膚計測機器Corneometerを使用して皮膚水和度を測定し、閉鎖チャンバー乾湿計Aqaflux(商標名)又はVapoMeter(商標名)を使用することによって、経表皮水分損失(TEWL)を測定する。
【0137】
用意した部位の1つにテスト製品を塗布し、所望時間の経過後、他の皮膚水和度測定を行う。製品の塗布及び水和度の測定プロセスを、必要に応じて繰り返す。必要であれば、部位をハンドウォッシュによって清浄する工程を、各種の間隔で行うことができる。より刺激性の製品は、皮膚水和度の低下を導き、刺激の少ない製品は、皮膚水和度の変化を生じない。皮膚コンディショニング製品は、皮膚水和度の増大を導く。
【0138】
1以上の具体例では、本発明による組成物は、増大された皮膚水和度を提供する。
【0139】
b.異常な落屑の低減
1以上の具体例では、改善された皮膚状態には、異状又は病的な落屑の低減が含まれる。
【0140】
有利には、本発明の組成物は、病院及び医療施設における従事者のための手指衛生に関する現在のガイドラインに従って使用する場合、異状又は病的な落屑を低減させる。本発明の具体例は、代表的なハンドウォッシュと組み合わせて使用する場合、病的な落屑を低減させる。本発明の具体例は、病院及び医療施設における従事者のための手指衛生に関する現在のガイドラインに従って使用する場合、実際に、病的な落屑の点で皮膚状態を改善する。
【0141】
1以上の具体例では、落屑(病的な落屑を含む)は、ベースラインで、2週で、及び4週で、CuDerm Corporationから入手可能な皮膚分析ディスクD-Squame(登録商標)を使用して測定され、製品を、病院及び医療施設における従事者のための手指衛生に関する現在のガイドラインに従って使用する場合に、改善が認められる。1以上の具体例では、医療従事者によって、「手指衛生の5つのタイミング」で、4週間、他の具体例では、2週間使用される場合に、及び他の具体例では、1日当たり少なくとも50回で毎日4週間、他の具体例では、2週間、及び他の具体例では、1週間使用する場合に、落屑の減少が認められた。
【0142】
c.審美性
有利には、本発明の組成物は、皮膚コンディショニング特性を有することをうたう他の手指消毒剤又は医療従事者用ハンドウォッシュと比べて、改善された審美性を有する。
【0143】
いくつかの研究では、製品に関する4つのカテゴリーの官能特性:官能評価;受諾特性;性能(非抗菌性);及びイメージが特定されている。特性のサブ−カテゴリーは下記のものを含む。
【0144】
官能評価は、透明;不透明;激臭;無臭;油性感;乾燥感;柔らかな触感;泡立ちを含む。
【0145】
受諾特性は、様の外観;様の香気;様の感触;様の使用後感;様の全体感;購買意欲を含む。
【0146】
性能(非抗菌性)は、泡立ち;手指に良好な感触を与えること;手指を刺激しないこと;
手指の状態を整えること;手指からオイルを除去すること;さっぱり感を与えることを含む。
【0147】
イメージは、効果的;独特な;手指にとっての良好性;グローブを壊さないこと;手指を刺激しないこと;高品質の製品を含む。
【0148】
1以上の具体例では、パネルテストの結果は、本発明の組成物が、皮膚コンディショニング効果をうたう他の手指消毒剤又は医療従事者用ハンドウォッシュと比較する場合、官能評価の全てにおけるより良好なスコア、より高い受諾特性、改善された性能スコア、及びより高いイメージ評価を提供することを示している。
【0149】
d.維持された効力
有利には、本発明の組成物は、抗菌効力を維持しつつ、皮膚コンディショニング効果を提供する。
【0150】
このように、本発明は、さらに、表面上で病原菌を殺す又は不活性化する方法を提供するものであり、該方法は、前記表面に、ここに記載の抗菌性組成物を有効量で表面に塗布することを含んでなる。抗菌性組成物は、皮膚、多孔性表面、及び非多孔性表面を含む各種の表面又は基材上で使用される。
【0151】
1以上の具体例では、本発明の抗菌性組成物は、哺乳類の皮膚に局所的に塗布される。1具体例では、抗菌性組成物をヒトの皮膚上の病原菌と接触させる方法は、特定量の組成物を皮膚上に塗布し、好適な時間、組成物を皮膚と接触させておくことを含む。他の具体例では、組成物を皮膚の表面上に広げ、擦り込み、洗い流し、蒸発を介して乾燥させ、又は拭き取る。
【0152】
このように、本発明は皮膚の衛生法を提供するものであり、該方法は、哺乳類の皮膚を、組成物の総質量基準で少なくとも30質量%のアルコール及び効力を増強する量の少なくとも1のC
6-10アルカンジオールを含んでなる抗菌性組成物の有効量と接触させることを含んでなる。1以上の具体例では、本発明は、手指の衛生法を提供する。
【0153】
塗布に関して、目標表面の実質的に全体と接触し、少なくとも15−30秒間湿った状態に維持するために少なくとも有効な量である限り、抗菌性組成物を各種の量で使用できる。1具体例では、有効量は、少なくとも約1.5ml、他の具体例では、少なくとも約2ml、さらに他の具体例では、少なくとも約2.5ml、さらに他の具体例では、少なくとも約3.0ml、さらに他の具体例では、少なくとも約4.5ml、及びさらに他の具体例では、少なくとも約5mlである。有利には、本発明による抗菌性組成物の有効量、すなわち、目標表面の実質的に全体と接触するために必要な最少量は、十分な効力を達成するために効果的な量でもある。他の製品では、目標表面の実質的に全体と接触するための効果的な量を使用するだけでは、十分な効力を達成できない。最少量の製品を使用しつつ、十分な効力を達成できることは有利であることが理解されるであろう。少ない量の製品を使用する場合には、製品を皮膚に擦り込み及び/又は蒸発/乾燥させるために要求される時間が低減されるためであるとともに、経済的な理由からも、これは真実である。
【0154】
有利には、本発明の抗菌性組成物は、医療従事者用ハンドウォッシュとして使用される。1以上の具体例では、本発明は、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストの基準に適合する抗菌性組成物を提供する。
【0155】
医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストでは、テスト手順は、複数の洗浄サイクルを含む。各サイクルでは、対象表面がテスト微生物で汚染されており、該表面をテスト製品で洗浄する。特定の回数の洗浄サイクル後、表面をすすぎ、テスト製品によって、いかなる対数減少が達成されたかを測定するために、すすぎ液をテストする。例えば、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストでは、リーブオンタイプ製品(例えば、アルコール性製品)について、次のプロトコルを実施する。すなわち、テスト対象の手指をテスト微生物(例えば、霊菌(Serratia marcescens))で汚染し、テスト製品を使用して洗浄する。ついで、手指を滅菌グローブ内におき、細菌回収溶液を添加し、手指を、専門家によって、予め設定された時間マッサージして、手指から生存する細菌を回収する。1回の洗浄によって達成された対数減少を測定するために、回収溶液を平板培養する。テスト対象の手指を、再度、テスト微生物で汚染し、テスト製品を使用して洗浄する。3回目の洗浄のため、テスト対象の手指をテスト微生物で汚染し、テスト製品を使用して洗浄する。3回目の洗浄の後、再度、手指をグローブ内におき、3回目の洗浄後の対数減少を測定するために、生存する細菌を回収する。汚染及び洗浄のサイクルを繰り返し行い、7回目の洗浄後、再度、手指をグローブ内におき、7回目の洗浄後の対数減少を測定するために、生存する細菌を回収する。さらに、汚染及び洗浄のサイクルを繰り返し行い、10回目の洗浄後、再度、手指をグローブ内におき、10回目の洗浄後の対数減少を測定するために、生存する細菌を回収する。医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストによれば、医療従事者用ハンドウォッシュ製剤は、1回の洗浄後、手指における細菌の数を対数減少値2まで減少させ、10回の洗浄後では、手指の細菌の数を対数減少値3まで減少させなければならない。医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストは、リンスオフ及びリーブオン製品の両方に関する「洗浄」に及ぶものであり、従って、本明細書でも同様であることに注意されなければならない。
【0156】
多くのアルコール性製品は、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストを使用する場合、1回の洗浄後、対数減少値最小3を達成する。しかし、多くのアルコール性製品は、FDA TFMテストを使用する場合、10回目の洗浄後、対数減少値最小3を達成することができない。事実、多くのアルコール性製品は、連続する洗浄では、対数減少の低下を示す。
【0157】
皮膚コンディショニング特性を大げさに宣伝する多くの製品は、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストの要件を満たすために、適正な抗菌効力を提供しない。
【0158】
有利には、本発明の組成物は、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテスト又は同様のプロトコルに従ってテストする際、連続洗浄後も効力の低下を示さない。
【0159】
1以上の具体例では、本発明の組成物は、1回目の洗浄後、対数減少値2、10回目の洗浄後、対数減少値3の要件を満足又は上回る。1以上の具体例では、本発明による組成物は、1回の洗浄後、少なくとも約3、及び10回の洗浄後、少なくとも約3の対数減少値を提供する。特定の具体例では、組成物は、洗浄1後、対数減少値3及び洗浄10後、対数減少値4を達成することによって、蓄積効果を示し、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストの要件を上回る。
【0160】
1以上の具体例では、本発明の組成物を利用する3回目の洗浄によって達成されるテスト微生物の対数減少は、1回目の洗浄サイクルによって達成される対数減少に少なくとも等しい。1以上の具体例では、本発明の組成物を利用する10回目の洗浄によって達成されるテスト微生物の対数減少は、1回目の洗浄サイクルによって達成される対数減少に少なくとも等しい。
【0161】
複数回の洗浄サイクルプロトコルを要求するテストに従って評価する際、本発明による組成物は、複数回の洗浄サイクル後でも維持又は改善さえされる対数減少を提供する。さらに、組成物は、意外なことには、蓄積活性を提供し、すなわち、組成物の効力は、複数回の使用によって増大する。
【0162】
本発明の実行を示すために、下記の実施例を調製し、テストした。しかし、実施例は、本発明の範囲を制限するものとして検討されてはならない。特許請求の範囲が、本発明を限定するために機能する。
【実施例】
【0163】
I.バイオマーカー試験
抗炎症性及び皮膚バリヤー効果について、サンプルをテストした。
試験方法
IL-8 ELISA
【0164】
インターロイキン8(IL-8)は、マクロファージによって産生されるケモカイン及び炎症性サイトカインである。IL-8は、炎症性刺激に応答して、皮膚において、ケラチノサイトから分泌される。IL-8は、自然免疫系応答の際、分泌され、免疫反応の重要なメディエーターである。過剰発現されたIL-8は、皮膚刺激のバイオマーカーである。
【0165】
コントロールAのために、ヒト真皮ケラチノサイトを未処置のままとした。刺激は期待されず、従って、コントロールAはベースラインを提供する。コントロールBのために、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)を塗布することによって、ヒト真皮ケラチノサイトにおいて、IL-8を誘発する。他の全てのサンプルのために、ヒト真皮をPMA及び興味ある成分を含有する組成物にて同時処理する。IL-8の発現の減少は、前記成分の高刺激活性を反映している。
【0166】
試験方法を実施するため、R&D Systemsから得られたアッセイキットを使用した:Human CXCL8/IL-8 Duoset ELISA Development Kit。
【0167】
次の工程を行った:1.EIA高結合性96ウェルプレートを、IL-8捕捉抗体にて、室温で、一夜被覆する。2.全ての試薬、標準希釈液、及びサンプルを用意する。3.被覆したプレートを洗浄緩衝液350μL/ウェルにて4回洗浄し、ついで、ブロッキング溶液300μL/ウェルを加え、室温において1時間インキュベートする。4.洗浄緩衝液350μL/ウェルでの洗浄工程を繰り返す(4回)。5.各ウェルに、標準希釈液、コントロール、又はサンプル100μLを添加する。プレートシーラーにて被覆し、室温において2時間インキュベートする。6.各ウェルを吸引及び洗浄し、計4回洗浄を行うため、プロセスを3回繰り返す。7.各ウェルに、検出用IL-8 100μLを添加する。新たなシーラーにて被覆し、室温において2時間インキュベートする。8.吸引し、4回洗浄する。9.各ウェルに、Biotin-Strepavidin複合物100μLを添加し、室温において20分間インキュベートする。10.吸引し、4回洗浄する。11.各ウェルに、基質溶液100μLを添加する。光から各ウェルを確実に保護しながら、室温において20分間インキュベートする。12.各ウェルに、ストップ溶液50μLを添加する。データを収集する。比色計を使用して、30分内で、450 nmにおいて吸光度を測定した。波長の補正を570nmに設定した。
【0168】
TNF-α
IL-8の代わりにTNF-αを使用したことを除いて、上記の方法と同様に、サンプルをテストした。
【0169】
MTTアッセイ
MTTアッセイは、細胞生存性、細胞増殖、及び/又は細胞毒性をアッセイするための比色分析法である。酵素NAD(P)H依存性細胞オキシドレダクターゼは、限定された条件下において、存在する生存細胞の数を反映する。これらの酵素は、テトラゾリウム染料MTT(臭化3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)を、不溶性のホルマザン(紫色を有する)に還元できる。MTTアッセイは、潜在的な薬剤及び毒性物質の細胞毒性(生存細胞の損失)又は細胞分裂阻止活性(増殖状態から休止状態へのシフト)を測定するためにも使用される。
【0170】
IL-8アッセイ用の上記コントロールA及びBを、このテストにも使用した。ケラチノサイトに対するコントロールBの影響に対するテストサンプルの緩和効果を測定した。さらに詳しくは、コントロールBは、細胞生存性、細胞増殖、及び/又は細胞毒性に対して負の影響を有するが、この負の影響の緩和は、MTTの減少を測定することによって決定される。
【0171】
次の工程を行った:上記IL-8アッセイに関するウェルから液体を除去した後、96ウェルプレートの各々に、フェノールレッドフリーのDMEM(細胞培養培地)中の0.5mg/ml MTT 100μL/ウェルを添加した。37℃において1時間インキュベートした後、培養プレートのウェルから全ての液体(MTT溶液)を除去した。ついで、各ウェルに、DMSO 100μLを添加し、紫色の生成物を完全に溶解させた。プレートリーダーを使用して、波長550 nmにおいて、吸光度を測定した。
【0172】
細胞培養培地中で、各種の量のアベナンスラミドを用意した。アベナンスラミドは、商標名CP Oat Avenanthramidesで市販するCeapro Inc.から入手した。下記の表に示す量は、活性物質(アベナンスラミド)の量に基づくものである。結果を下記の表に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0173】
細胞培養培地中で、各種の量のナイアシンアミドを用意した。下記の表に示す量は、活性ナイアシンアミドの量に基づくものである。結果を下記の表に示す。
【表4】
【表5】
【表6】
【0174】
皮膚バリヤー
単層ヒト真皮ケラチノサイト培養物(KGM)を使用して、インビトロモデルを利用した。2つのコントロールを試験した:培地及び炎症性サイトカインインターロイキン(IL-1b)。
皮膚バリヤー
バイオマーカー:ABCA12、インボルクリン、PPARδ
ケラチノサイトを24時間処理するために、各種の濃度の成分を使用する。
細胞を集め、処理した細胞から全RNAを調製する。
各種のバリヤー機能に関連するバイオマーカーの遺伝子発現レベルを測定するために、リアルタイムRT-PCTを使用する。
相対的ベンチマーク:3種の異なる濃度のビタミンD3(コレカルシフェロール)。
【0175】
結果を下記の表に示す。
【表7】
【0176】
インボルクリンは、ヒト皮膚のタンパク質成分であり、ケラチノサイトの分化についてのバイオマーカーである。タンパク質ロリクリンの結合において、インボルクリンは、皮膚角質層における角質細胞を保護する細胞表層の形成に寄与する。発現が大きければ大きいほど、皮膚のバリヤー機能は良好である。
【0177】
ABCA12は、ATP結合カセットトランスポーター12としても知られている。これは、ヒトにおいて、ABCA12遺伝子によってコードされるタンパク質である。ABCA12遺伝子は、いくつかのタイプの皮膚細胞において活性である。ABCA12タンパク質は、皮膚の正常な発現には必須であると認められ、身体とその周囲の環境との間でバリヤーを提供する。皮膚の最外層(表皮)を構成する細胞における脂質(遊離脂肪酸)の輸送において重要な役割を果たす。一般に、発現が大きければ大きいほど、皮膚のバリヤー機能は良好である。
【0178】
PPARδは、NR1C2としても知られているペルオキシソーム増殖因子活性化受容体である。これは、ヒトにおいて、PPARD遺伝子によってコードされる核内受容体である。このタンパク質は、ケラチノサイトにおける分化、脂質の蓄積(セラミド)に関与することが示されている。一般に、発現が大きければ大きいほど、皮膚のバリヤー機能は良好である。
【0179】
II.医療従事者用ハンドウォッシュ
実施例39及び40は、特に、皮膚コンディショニング成分として、しばしば、大いに宣伝されている成分を含有する市販の手指消毒剤である。残念なことには、これらの皮膚コンディショニング製品を、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストに従って試験したところ、合格しなかった。これに対して、本発明の組成物は、皮膚コンディショニング効果を発揮し、医療従事者用ハンドウォッシュに関するFDA TFMテストにも合格した。実施例41は、下記の成分を含有する。より詳しくは、アベナンスラミドの量は、組成物の総質量基準で、0.001−約8質量%であり、ナイアシンアミドの量は、0.001−約8質量%であり、PPG-12 SMDIコポリマーの量は、0.001−約8質量%であり、他の皮膚コンディショニング剤の総量は約2質量%未満であった。
【表8】
【0180】
III.FCAT
上述のFCAT技術に従って、刺激性について、下記のサンプルを試験した。同量のエタノール、PEG-12ジメチコーン、1,2−オクタンジオール、及び各種の量の他の成分を含有する実施例42−45の各々を下記に示す。精製水を使用して、サンプルを100%とした。
【0181】
コルネオメトリー(上皮(角質層)の外層の水和度を測定するために使用される技術)を使用した。皮膚は誘電体媒質であるため、水和度の変動は、容量の変化を通して見られる。皮膚の水分含量を記録するために、一定圧力を使用して、測定用コンデンサーを皮膚に対して押し付け、読みを評価した。センサーの直径が小さいため、皮膚のより小さい利用可能面積において測定を行うことができる。皮膚計測機器は完全自動化装置である。読みは、例えば、化粧品又は医薬製品による治療前後の表皮水和レベルを示す。各製品の使用に続く一定時間枠内で、常に、記録を行う。水和度を午前及び午後に測定し、水和度の変化を下記に示す。
【0182】
装置Aquaflux(登録商標)を使用して、経表皮水分量(TEWL)を、g(水)/m
2/時間を単位として測定した。午前から午後までのTEWLにおける変化を下記に示す。
【表9】
【0183】
比較のため、商標名Ecolab Quik-Care Nourishing Foam Hand Sanitizerで販売されている市販品の皮膚コンディショニング製品を、同じ条件下で試験したところ、水和度の変化21.39及びTEWLの変化−1.99を示した。
【0184】
IV.審美性/粘着性
一般に、所望の接触時間後、粘着性について、次のようにしてサンプルを試験した。Chemsultants InternationalのProbe Material Analyzer PMA-1000(直径0.5cm(3/16インチ)の平らなプローブチップを具備する)を使用し、力100gを、ドウェル時間5秒間、各サンプルにかけ、退縮力を測定した。多くのケースで、複数の読みを取り、平均化した。より詳細を下記に示す
【0185】
使用した器具は、EZ Lab Softwareを備えたProbe Material Analyzer PMA-1000である。
【0186】
1×適用に関する手続きは、次のとおりである:
金属製の秤量皿に製品1mlをとる。
製品を1時間空気乾燥する。
秤量ボート型容器をPMAのスピンドルの下におき、3か所(サンプルの真ん中、外縁の2つの区域)で試験する。
正の退縮グラフとしてEZ Labにおいてデータを検討する。
各サンプルについて、「高」測定値を記録する。
各サンプルについての最高の測定値は、見られる粘着性の最高レベルを表し、これは報告した数値である。
【0187】
5×適用に関する手続きは、次のとおりである:
金属製の秤量皿に製品1mlをとる。
製品を1時間空気乾燥する。
工程1及び2を4回繰り返す。
秤量ボート型容器をPMAのスピンドルの下におき、3か所(サンプルの真ん中、外縁の2つの区域)で試験する。
正の退縮グラフとしてEZ Labにおいてデータを検討する。
各サンプルについて、「高」測定値を記録する。
各サンプルについての最高の測定値は、見られる粘着性の最高レベルを表し、これは報告した数値である。
【0188】
結果を下記に要約する。
【0189】
実施例46を、次のように調製したものである。
【表10】
【0190】
実施例47は、実施例46の組成物95g及びグリセリン5gを合わせることによって調製したものである。
【0191】
実施例48は、次のように調製したものである。
【表11】
【0192】
実施例49は、Steris Corporationによって名称Cal Stat(登録商標)Plus Antiseptic Handrub with Enhanced Emollientsで販売されている市販の消毒剤である。バレルによれば、該製品は、イソプロピルアルコール63%v/v、精製水、メチルプロパンジオール、フェノキシエタノール、乳酸セチル、グリセリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリクオタニウム-6、ベヘントリモニウムメトサルフェート、及びfragrascentパウダーを含有する。乳酸セチル、グリセリン、ポリクオタニウム-6、ベヘントリモニウムメトサルフェートが皮膚軟化剤/皮膚コンディショナーである。
【0193】
上記のように、粘着性についてサンプルを試験した。結果(単位g)を下記の表において要約した。
【表12】
【0194】
本発明の範囲及び精神を逸脱しない各種の変形及び変更は、当業者に明らかになるであろう。本発明は、ここに示す説明のための具体例に制限されない。
少なくとも1の酵素又は補酵素が、ビタミンB、ビタミンB複合体、レチノール、レチンアルデヒド、レチノイン酸、没食子酸エピガロカテキン、エイコサペンタエン酸、ヘキサミジン、ナイアシンアミド、レシチン、リノレン酸、リノレン酸、リポ酸、リシン、リン脂質、カルニチン、カルノシン、アデノシン三リン酸、アデノシン環状リン酸、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルトリペプチド−3、及びリンゴエキスからなる群から選ばれるものである、請求項1記載の組成物。