【解決手段】本発明に係る回転圧縮機1は、電動機要素10に連結された回転軸30よって駆動され、この回転軸30を軸支する軸受40と内部に圧縮室を有する回転圧縮要素20を備え、この軸受40の摺動面に、少なくとも二種の炭素系成分を含むカーボン系基材と、バインダーと、潤滑性成分を含んだ樹脂結合質カーボンブッシュ41を設けることを特徴とする。
電動機要素に連結された回転軸よって駆動され、この回転軸を軸支する軸受と内部に圧縮室を有する回転圧縮要素を備え、この軸受の摺動面に、少なくとも二種の炭素系成分を含むカーボン系基材と、バインダーと、潤滑性成分を含んだ樹脂結合質カーボンブッシュを設けた回転圧縮機。
樹脂結合質カーボンブッシュは、その全量に対して、60重量%から80重量%のカーボン系基材、20重量%から40重量%のバインダー、3重量%から10重量%の潤滑性成分を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転圧縮機(ただし、カーボン系基材、バインダー、及び潤滑性成分の合計は100重量%を超えない。)。
カーボン系基材成分と、バインダーと、潤滑性成分とを混合し、これらの成分を含む混合体を生成するステップと、貫通孔が形成されるよう混合体を射出成形するステップと、射出成形された成形体を少なくとも二度熱処理を施すステップとにより樹脂結合質カーボンブッシュを形成するステップと、樹脂結合質カーボンブッシュの貫通孔に回転軸を嵌入するステップと、回転軸に電動機要素と回転圧縮要素を連結するステップを備える回転圧縮機の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記回転圧縮機は、家庭用・業務用空調装置等に広く用いられる圧縮機構であるところ、回転圧縮機がこのような空調装置に組み込まれる場合、製品全体のコストアップを避けるため、回転圧縮機自身のコストアップを避けなければならない。これに対して、樹脂結合質カーボンにおいて、基材のカーボン系材料が比較的高価であるため、カーボン系基材とバインダーからなるブッシュの場合、回転圧縮機のコスト向上が危惧される。しかしながら、上記特許文献2では、そのような課題を想定しておらず、当該課題を解決する手段を開示しない。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、組み込まれる製品のコストアップを避けながら、耐摩耗性を向上可能な樹脂結合質カーボンブッシュを備える回転圧縮機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る回転圧縮機は、電動機要素に連結された回転軸よって駆動され、この回転軸を軸支する軸受と内部に圧縮室を有する回転圧縮要素を備え、この軸受の摺動面に、少なくとも二種の炭素系成分を含むカーボン系基材と、バインダーと、潤滑性成分を含んだ樹脂結合質カーボンブッシュを設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る回転圧縮機は、カーボン系基材が、黒鉛質カーボンと炭素質カーボンとを含むことが好ましい。
更に、本発明に係る回転圧縮機は、潤滑性成分が雲母であることが好ましい。
更に、本発明に係る回転圧縮機は、樹脂結合質カーボンブッシュが、その全量に対して、60重量%から80重量%のカーボン系基材、20重量%から40重量%のバインダー、3重量%から10重量%の潤滑性成分を含む(ただし、カーボン系基材、バインダー、及び潤滑性成分の合計は100重量%を超えない。)ことが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る回転圧縮機の製造方法は、カーボン系基材成分と、バインダーと、潤滑性成分とを混合し、これらの成分を含む混合体を生成するステップと、貫通孔が形成されるよう混合体を射出成形するステップと、射出成形された成形体を少なくとも二度熱処理を施すステップとにより樹脂結合質カーボンブッシュを形成するステップと、樹脂結合質カーボンブッシュの貫通孔に回転軸を嵌入するステップと、回転軸に電動機要素と回転圧縮要素を連結するステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る回転圧縮機によれば、所定量の潤滑性成分を含みカーボン系基材の配合量を相対的に低下させた樹脂結合質カーボンブッシュを備えるため、組み込まれる製品のコスト向上を避けながら、耐摩耗性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。ここで、
図1は、本実施形態に係る回転圧縮機1の全体構成を説明するための垂直断面図である。また、
図2は、回転圧縮機1の回転軸を支持するための軸受40の分解斜視図である。
【0012】
<回転圧縮機>
図1を参照して、本実施形態に係る回転圧縮機1の構成を説明する。回転圧縮機1は、電動機要素10、回転圧縮要素20、電動機要素10の回転運動を回転圧縮要素20に伝える回転軸30、回転軸30を摺動可能に支持する軸受40、これらを収容する密閉容器50、アキュムレータ60、アキュムレータ60から回転圧縮要素20に冷媒を導入する導入管70、冷媒を密閉容器50から吐出する吐出管80を備える。
図1に示される回転圧縮機1は、回転圧縮要素20とアキュムレータ60とが、二本(又はそれ以上)の導入管70a、70bを介して接続される。ただし、回転圧縮機1の態様は、これに限られない。
【0013】
本実施形態に係る電動機要素10は、密閉容器50の内壁に焼嵌めや溶接等により固定されたステータ(固定子)11と、回転軸30に軸支されたロータ(回転子)12を備える、ブラシレスDCモータである。ただし、電動機要素10の種類等は、これに限られない。
【0014】
本実施形態に係る回転圧縮要素20は、第一のシリンダ21、第二のシリンダ22、これらのシリンダ配設空間を高さ方向(
図1の上下方向)上下に仕切る中間仕切板23等を備える。シリンダ21は、回転軸30の回転運動に連動して偏心回転する偏心部211及びローラ212を備える。シリンダ22も同様に、偏心部221及びローラ222を備える。これら偏心部211、221は、偏心位置の位相が180度ずれた状態で、回転する。
【0015】
回転軸30は、その上方側箇所にて電動機要素10のロータ12を軸支すると共に、下方側箇所にて回転圧縮要素20の偏心部211、221を軸支する。ロータ12の回転に伴い、回転軸30が回転し、これに連動して偏心部211、221が回転する。これにより、シリンダ21、22内の冷媒が圧縮される。なお、シリンダ21、22内に形成される空間が圧縮室に対応する。以下、シリンダ21、22をそれぞれ「圧縮室21、22」と言う。
【0016】
軸受40は、前述のように、回転軸30を軸支する部材であり、回転軸30を摺動可能に挿通するブッシュ41を貫通孔(
図2で示される符号410の部分)内に嵌入する。図示されるブッシュ41は筒状であるが、これに限定されない。なお、軸受40及びブッシュ41の詳細は、後述する。
【0017】
本実施形態における回転圧縮機1は、二つの軸受40を備えてもよい。その場合、一方の軸受40(上部軸受40a)は、圧縮室21の上面(電動機要素側の面)を閉塞するよう配置され、他方の軸受40(下部軸受40b)は、圧縮室22の底面(密閉容器50のオイル溜まりSO側の面)を閉塞するよう配置される。これにより、回転軸30が、より良好な摺動状態を持って回転することができる。そのため、回転軸30の摩耗をより低減することができる。ただし、軸受40の個数と配置は、これに限られず、上部軸受40aのみ又は下部軸受40bのみを設けるような態様や、更に別の軸受を含むような態様であってもよい。なお、軸受40やブッシュ41の組成や製造方法の詳細に関しては、後述する。
【0018】
上記した回転圧縮機1において、電動機要素10のステータ11に巻着された巻線が通電すると、回転磁界が形成されてロータ12が回転する。この回転により回転軸30を介して圧縮室21、22内のローラ212、222がそれぞれ偏心回転され、各圧縮室内の冷媒が圧縮される。ここで、密閉容器50の底部に配設されるオイル溜まりSOのオイルは、回転軸30の回転によって、これに形成されたオイル供給路(図示せず)から回転圧縮要素20へ供給される。その結果、回転圧縮要素20内のオイル供給箇所が潤滑される。
【0019】
圧縮室21内で圧縮された冷媒は、上部軸受40aに形成され圧縮室21と連通する連通孔(図示せず)を介して、圧縮室21からカップマフラ24内に吐出される。更に、冷媒は、カップマフラ24に形成された吐出孔(図示せず)から上方の密閉容器50内に吐出される。同様に、圧縮室22内で圧縮された冷媒は、下部軸受40bに形成され圧縮室22と連通する連通孔(図示せず)を介して、圧縮室22からカップマフラ25に吐出される。更にその冷媒は、カップマフラ25から中間仕切板23に形成される貫通孔(図示せず)を通りカップマフラ24内へ吐出される。その後、冷媒は、カップマフラ24に形成された吐出孔(図示せず)から上方の密閉容器50内に吐出される。
【0020】
カップマフラ24から密閉容器50へ吐出された冷媒は、電動機要素10内の空域を通り、ロータ12の上方に設けられるプレート13に衝突した後、更に上昇して吐出管34から吐出される。また、冷媒と共にカップマフラ24から吐出されたオイル(エーテル、エステル、鉱油等)は、プレート13に衝突した後、オイル溜まりSOへ流下する。ただし、上記は、冷媒フローの一例であり、これに限定されない。
【0021】
回転圧縮機1の吐出管80から吐出された冷媒は、凝縮器90に接続される。凝縮器90の出口側は、受液器、液管電磁弁(図示せず)を介して減圧装置としての膨張弁91に接続されている。また、膨張弁91は蒸発器92に接続される。更に、蒸発器92の出口側はアキュムレータ60に接続される。これにより、導入管70a、70bを含めた環状の冷媒回路が構成される。回転圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒は凝縮器90にて放熱され凝縮液化される。冷媒は、膨張弁91で減圧された後、蒸発器92に導入され、周囲から熱を奪い気化する。冷媒回路にてこのサイクルが繰り返される。
【0022】
<軸受及びブッシュ>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る軸受40及びブッシュ41を説明する。
図2に係る軸受40及びブッシュ41の分解斜視図に示されるように、軸受40は、軸方向(
図2の上下方向)に貫通する貫通孔410を備え、その内部にブッシュ41が嵌入される。ここで、ブッシュ41と接触する貫通孔410の内面を以下「摺動面410a」と言う。また、ブッシュ41は、軸方向に形成される貫通孔411を備える筒状体である。回転軸30は、貫通孔411に嵌入される。これにより、ブッシュ41は、回転軸30を摺動可能に収容する。
【0023】
ブッシュ41は、カーボン系基材と、基材への結合材として働くバインダーを含む樹脂結合質カーボン製である。更に、ブッシュ41は、潤滑性成分を含む。樹脂結合質カーボンブッシュ41の上記成分配合量は、特に限定されるものではないが、例として以下が挙げられる。
【0024】
ブッシュ41に含まれるカーボン系基材は、ブッシュ全量に対して60重量%から80重量%含まれることが好ましく、65重量%から75重量%含まれることがより好ましい。ただし、これに限定されるものではない。なお、混合(混練)前のカーボン系基材の形態は、特に限定されないが、粉末状のものが例示される。
【0025】
前記カーボン系基材は、天然黒鉛や人造黒鉛を用いて焼成された、黒鉛質カーボンと炭素質カーボンとを含むことが好ましい。ここで、黒鉛質カーボンとは、天然又は人造黒鉛を約3000℃の温度で熱処理して得られるカーボン材を指す。また、炭素質カーボンとは、天然又は人造黒鉛を約1000℃の温度で熱処理して得られるカーボン材を指す。なお、以下、黒鉛質カーボンを「黒鉛質成分」と称する場合があると共に、炭素質カーボンを「炭素質成分」と称する場合がある。
【0026】
その配合量は、特に限定されないが、黒鉛質成分が、カーボン系基材の全量に対して25重量%から55重量%含まれることが好ましく、30重量%から50重量%含まれることがより好ましい。また、炭素質成分が、カーボン系基材の全量に対して15重量%から50重量%含まれることが好ましく、20重量%から40重量%含まれることがより好ましい。
【0027】
ブッシュ41に含まれるバインダーは、ブッシュ全量に対して15重量%から40重量%含まれることが好ましく、18重量%から35重量%含まれることがより好ましい。ただし、これに限定されるものではない。
【0028】
バインダーの種類は、特に限定されないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂が例示される。その中で、原料コスト、他の成分との混合性、カーボン系基材との結合性等の観点から、フェノール樹脂が好ましい。バインダーとして、これらのうちの一種を用いてもよいし、複数種を組み合せて用いてもよい。
【0029】
また、これらのバインダーがアセトン等のケトン類、又はメタノール若しくはエタノールといったアルコール類等の溶媒に溶解され、その溶解液と前記カーボン系基材とを混練するようにしてもよい。
【0030】
ブッシュ41に含まれる潤滑性成分は、ブッシュ全量に対して2重量%から10重量%含まれることが好ましく、2重量%から7重量%含まれることがより好ましい。ただし、これに限定されるものではない。
【0031】
潤滑性成分の種類は、特に限定されないが、固体潤滑材、潤滑油、グリース等が挙げられる。この中で、他の成分との混合性、混合後のブッシュ41の潤滑性(耐摩耗性)、原料コスト等の観点から、固体潤滑材が好ましい。また、固体潤滑材として、雲母、二硫化モリブデン、滑石、有機モリブデン化合物、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene, PTFE)などのフッ素系樹脂、銅、銀、鉛などが例示される。
【0032】
上記した潤滑性成分をブッシュ41に含有させることで、前述のカーボン系基材の配合割合を相対的に低下させることができる。それにより、潤滑性成分を含まないブッシュに比べて、原料コストを低減させることができる。更に、潤滑性成分を上記条件でブッシュ41に含有させることで、摩擦・摩耗特性を向上させることでき、回転軸30とブッシュ41との間にオイルが介在しない無潤滑状態となった場合でも、所謂焼き付き等の不具合を防止できる。
【0033】
軸受40は、前述のようにブッシュ41を収容する部材であり、例えば、回転圧縮機1の圧縮室21や22に固定支持される。軸受40の構成材料は、特に限定されるものではないが、例として、所謂ねずみ鋳鉄、共晶鋳鉄などの鋳鉄材、鉄系焼結材(例えば、アトマイズ粉末を所定量以上含有するもの)が挙げられる。また、軸受40の貫通孔内径に対するブッシュ41の外径の圧入代として、20μmから180μmの範囲が好ましい。ただし、これに限定されない。
【0034】
<ブッシュの製造方法>
次に、上記したブッシュ41の製造方法の例を説明する。初めに、カーボン系基材、バインダー、潤滑性成分を含む各種原料成分を所定の混合機を用いて混合(混練)する。
【0035】
次に、生成された混合体を解砕後、分級・混合し、射出成形機を用いて射出成形し熱処理を施す。施される熱処理の回数や条件は、特に限定されるものではないが、本実施形態の場合、二度熱処理を施す。第一の熱処理の条件として、熱処理温度200〜250℃、熱処理時間10〜20時間(200〜250℃まで加熱された後の熱処理時間)が例示される。また、第一の熱処理に続く第二の熱処理の条件として、熱処理温度100〜120℃、熱処理時間1〜2時間(100〜120℃まで加熱された後の熱処理時間)が例示される。ただし、熱処理条件は、これに限定されず、混合体材料の諸特性(例えば、吸湿・膨潤による寸法変化等)を考慮し、上記条件を適宜変更してもよい。
【0036】
これにより、ブッシュ41が成形される。このように、射出成形によりブッシュ41を成形加工することで、例えば、一度ブロック体を生成し、それを削り加工してブッシュを成形する方法に比べて、加工に係る作業負担を軽減し、且つ成形寸法の精度を向上させることができる。これにより、ブッシュ41に潤滑性成分を含有することと相乗し、ブッシュ41の製造コストを大幅に低減させることができる。
【実施例】
【0037】
以上説明したブッシュ41において、具体的な実施の例を以下に示す。ただし、本発明は、下記の実施例により限定及び制限されるものではない。
【0038】
以下の組成を有するブッシュ41を作製し、下記の摩耗試験1(回転軸30の外径寸法変化)、摩耗試験2(ブッシュ内壁の面粗さ変化)を行った。
【0039】
[ブッシュ41の組成]実施例1
(1−1)カーボン系基材:70重量%
ここで、用いたカーボン系基材は、黒鉛質成分と炭素質成分とを4:3の重量比で含む。
(1−2)フェノール樹脂バインダー:25重量%
(1−3)雲母固体潤滑材:5重量%
ただし、上記重量%は、いずれもブッシュ全量に対する重量%である。
[実施例1ブッシュの製造方法]
上記量の成分を混合機により混練し、生成された混合体を解砕後、分級・混合し、射出成形機を用いて射出成形した。得られた成形体に対して200℃で10時間、第一の熱処理を施した後、120℃で2時間、第二の熱処理を施し、ブッシュ41を製造した。
【0040】
[対比ブッシュの組成]比較例1
(2−1)カーボン系基材:70重量%
(2−2)Al−Cu−Zn合金:30重量%
ただし、上記重量%は、いずれもブッシュ全量に対する重量%である。
[比較例1ブッシュの製造方法]
上記量の成分を所定の混合機を用いて混合(混練)した。次に生成された混合体を解砕後、分級・混合し、ブロック状に金型プレス後、この成形品を焼成した。これを加工後に金属含浸し、比較例1の試料を得た。
【0041】
<摩耗試験1(回転軸30の外径寸法変化)>
アムスラー型摩耗試験機を用い、実施例1及び比較例1のブッシュに相手材(回転軸30に対応)を当接して、これを摺動回転させた後、マイクロメーターを用いて回転軸30の外径寸法の変化を測定した。
【0042】
試験結果は、下記の通りであった。
(4−1)実施例1の寸法変化:ほぼ変化なし(試験後、僅かながら寸法が減ったが無視できる程度の変化)
(4−2)比較例1の寸法変化:5μm
上記試験結果の通り、比較例1の場合、回転軸30の外径寸法が減少し、相応に摩耗したのに対し、実施例1の場合、回転軸30は、ほとんど摩耗しなかった。
【0043】
<摩耗試験2(ブッシュ内壁の面粗さ変化)>
アムスラー型摩耗試験機を用い、実施例1及び比較例1のブッシュに相手材(回転軸30に対応)を当接して、これを摺動回転させた後、ブッシュ内壁の面粗さの変化を表面粗さ測定器により測定した。
【0044】
試験結果は、下記の通りであった。
実施例1の面粗さの変化:実施例1・比較例1とも、試験後で面粗さが改善したが、実施例1の試験後面粗さは、比較例1の試験後面粗さの約1/2の値であった。上記試験結果の通り、実施例1における面粗さの顕著な改善効果が確認された。
【0045】
上記摩耗試験1及び2により、本発明に係る実施例1のブッシュ41は、高い耐摩耗性を有することが示された。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、以上の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。