【解決手段】防振装置は、第2部材に対して第1部材が変位したときに、第1部材と当接部材の当接面との間にストッパが介在してリバウンド方向の変位を規制する。ストッパは、第2部材に対して第1部材が変位したときに第1面と当接面とに圧縮される第1部と、第1面と当接面とに圧縮される第2部と、第1部と第2部との間であって第2面に対向する部位または第2面に設けられる第3部と、を備え、第2部材に対して第1部材が変位する前の状態において、第2部の厚さは第1部の厚さよりも厚く、第3部は、第1面と当接面とに第1部が圧縮される状態であっても第2面と当接面とに圧縮されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の防振装置において、リバウンド方向の変位をストッパが規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きを小さくする技術が求められている。
【0005】
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、リバウンド方向の変位をストッパが規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きを小さくできる防振装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の防振装置は、互いに間隔をあけて配置される第1部材および第2部材と、第1部材と第2部材との間を連結する弾性体からなる防振基体と、第2部材に取り付けられる当接部材と、第1部材および当接部材の少なくとも一方に設けられる弾性体からなるストッパと、を備え、第2部材に対して第1部材が変位したときに、第1部材と当接部材の当接面との間にストッパが介在してリバウンド方向の変位を規制する。第2部材に対して第1部材が変位する前の状態において、第1部材は、当接面に対向する第1面と、第1面と当接面との間の距離よりも当接面との間の距離が長い第2面と、を備え、ストッパは、第2部材に対して第1部材が変位したときに第1面と当接面とに圧縮される第1部と、第2部材に対して第1部材が変位したときに第2面と当接面とに圧縮される第2部と、第1部と第2部との間であって第2面に対向する部位または第2面に設けられる第3部と、を備え、第2部材に対して第1部材が変位する前の状態において、第2部の厚さは第1部の厚さよりも厚く、第3部は、第1面と当接面とに第1部が圧縮される状態であっても第2面と当接面とに圧縮されない。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の防振装置によれば、当接部材が取り付けられた第2部材に対して第1部材が変位する前の状態において、第1部材の第2面と当接面との間の距離は、第1部材の第1面と当接面との間の距離よりも長い。ストッパは、第2部材に対して第1部材が変位したときに第1面と当接面とに圧縮される第1部と、第2部材に対して第1部材が変位したときに第2面と当接面とに圧縮される第2部と、を備え、第2部材に対して第1部材が変位する前の状態において、第2部の厚さは第1部の厚さよりも厚い。従って、第1部よりも先に第2部が、リバウンド方向の変位を規制し始める。第1部と第2部との間であって第2面に対向する部位または第2面に設けられる第3部は、第1面と当接面とに第1部が圧縮される状態であっても第2面と当接面とに圧縮されないので、第2部のばね定数を第1部のばね定数よりも小さくできる。よって、リバウンド方向の変位をストッパが規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きを小さくできる。
【0008】
請求項2記載の防振装置によれば、第2対向面の面積は第1対向面の面積よりも小さいので、第2部は、当接部材に当接した第1部が変形するときよりも小さい荷重で変形できる。よって、請求項1の効果に加え、リバウンド方向の変位をストッパが規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きをより小さくできる。
【0009】
請求項3記載の防振装置によれば、第2部材に対して第1部材が変位する前の状態において、第3部の厚さは第1部の厚さよりも薄いので、第3部の存在に関わらず、第2部のばね定数を小さくできる。よって、請求項1又は2の効果に加え、荷重たわみ曲線の傾きをさらに小さくできる。
【0010】
請求項4記載の防振装置によれば、第1部材の第1面および第2面に交わる側面は、第1面よりも当接面から離れて位置し、ストッパの接続部は、第3部、及び、基盤の側面に設けられる第4部に隣接する。接続部は、第1部よりも当接面から離れた位置に配置されるので、第1部が当接部材に当接したときに、第3部、第4部および接続部と当接面との間に空気が封入されないようにできる。よって、請求項1から3のいずれかの効果に加え、ストッパと当接部材との間に封入される空気による異音の発生を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は一実施の形態における防振装置10の断面図である。
図1は無負荷状態の防振装置10が図示されている。
図1では当接部材40の一部の図示が省略されている。
【0013】
防振装置10は自動車のエンジン等のパワーユニットを弾性支持する装置である。防振装置10は、軸線Oの方向(軸方向)へ互いに離間した第1部材11及び第2部材20と、第1部材11と第2部材20との間を連結する防振基体30と、第2部材20に取り付けられた当接部材40と、を備えている。本実施形態では、第1部材11は振動源であるパワーユニット(図示せず)に取り付けられ、第2部材20は当接部材40を介して車体フレーム(図示せず)に取り付けられる。本実施形態では、第1部材11の軸13(後述する)の軸線Oと鉛直線とが一致している。
図1では、紙面下側を防振装置10の軸方向下側、紙面上側を軸方向上側という(
図2から
図4(b)においても同じ)。
【0014】
第1部材11は、鉄系材料やアルミニウム合金等で一体成形された部材であり、防振基体30が連結される円板状の基盤12と、基盤12の中央から軸方向上側に突出し軸線Oに沿って延びる軸13と、軸13の端に設けられた取付部14と、を備えている。取付部14はねじ穴15に取り付けられたボルト(図示せず)によってパワーユニットに取り付けられる。
【0015】
第2部材20は、第1部材11の基盤12の外径よりも大きい内径を有する円筒状の金属製の部材であり、軸方向両端に開口部21,22が形成されている。第1部材11は、基盤12を開口部21側へ向けて、第2部材20の軸方向上側に離隔して配置される。第1部材11と第2部材20とが防振基体30により相互に連結される。
【0016】
防振基体30は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなり、軸方向上側の小径部31と軸方向下側の大径部32とを有する略円錐台状に形成されている。小径部31は、第1部材11の基盤12が接着される部位である。大径部32は、小径部31より外径が大きく形成される部位であり、第2部材20の開口部21側の内周面に大径部32の外周面が接着される。本実施形態では防振基体30はゴム製であり、第1部材11及び第2部材20に加硫接着されている。
【0017】
防振基体30は、大径部32の軸方向下側に開口する凹所33が形成されている。凹所33は、軸方向上側へ向かうにつれて次第に小径となる略擂鉢形状である。防振基体30は、大径部32の外周縁の全周に亘ってシール層34が設けられている。シール層34は、軸方向下側に延びる筒状の部位であり、第2部材20の内周面を覆っている。
【0018】
第2部材20の開口部22には、防振基体30の凹所33に対向して配置されるダイヤフラム23が取り付けられる。ダイヤフラム23は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなる略円形状の可撓性膜であり、外周縁に固定金具24が接着されている。固定金具24は略円環状に形成されている。固定金具24の内周面は、全周に亘ってダイヤフラム23の外周面に固着されている。ダイヤフラム23は、固定金具24が開口部22から第2部材20へ挿入された後、第2部材20を縮径加工することにより固定金具24を介して第2部材20に固定される。
【0019】
第2部材20、防振基体30及びダイヤフラム23により区画される密閉空間に液体(水等の非圧縮性流体)が封入され、液室が形成される。液室は、仕切部材25により、防振基体30が室壁の一部を構成する受圧室26と、ダイヤフラム23が室壁の一部を構成する平衡室27とに区画される。仕切部材25は、液室を受圧室26及び平衡室27に区画すると共に、受圧室26及び平衡室27を互いに連通するオリフィス28を形成するための略円形状の部材である。
【0020】
当接部材40は、圧入された第2部材20を保持する保持部41と、基盤12の軸方向上側に配置される円板状の当接部42と、を備えている。当接部材40の保持部41、当接部42及び取付部(図示せず)は、アルミニウム合金等の金属材料で一体成形されている。当接部材40の取付部は車体フレームに取り付けられる。当接部42の中央には、第1部材11の軸13が挿通される穴43が形成されている。穴43の内径は基盤12の外径よりも小さい。当接部42の当接面44は平坦であり、軸方向下側を向いている。
【0021】
第1部材11の基盤12及び軸13には、ストッパ50が設けられている。ストッパ50は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなる。本実施形態では、ストッパ50は防振基体30と一体成形されたゴム製であり、第1部材11に加硫接着されている。
【0022】
ストッパ50は、軸13の外周に設けられた第1ストッパ51と、基盤12に設けられることにより当接部42に対して軸方向下側に配置される第2ストッパ52と、を備えている。第1ストッパ51は、第1部材11の軸13と当接部材40との衝突による異音の発生を防ぐ。第2ストッパ52は、第2部材20に対して第1部材11がリバウンド方向(本実施形態では軸方向上側)に変位したときに、当接部材40の当接面44に当接して変位を規制する。第2ストッパ52は、防振基体30に作用する引張応力を抑制して防振基体30の耐久性を確保し、さらに受圧室26に生じる負圧を抑制し、異音発生の原因となるキャビテーションを抑制する。
【0023】
図2は第1部材11及び第2部材20が防振基体30に一体化された成形体100の斜視図である。成形体100は、当接部材40(
図1参照)の保持部41に第2部材20を圧入して組み付ける前のものである。第2ストッパ52は、第1ストッパ51の軸直角方向の外側に張り出す第1部53と、軸方向に延びる第2部55と、第2部55と第1部53との間に介在する第3部57と、第1部53に隣接する第4部59と、第4部59と第3部57との間に位置する接続部60と、を備えている。第1部53、第2部55、第3部57、第4部59及び接続部60は一体成形されている。
【0024】
第1部53は、略円環状に形成されている。第2部55は、軸方向上側に向かうにつれて縮径する円錐台状に形成されている。第4部59は、略円筒状に形成されている。第1部53は、軸方向上側を向く略円環状の第1対向面54を備えている。第2部55は、第1対向面54及び第4部59の一部が切り欠かれた部位に設けられている。第2部55の軸方向上側を向く第2対向面56は、第1対向面54よりも軸方向上側に位置する。第2対向面56の面積は第1対向面54の面積よりも小さい。
【0025】
図3は
図1のIIIで示す部分を拡大した防振装置10の部分拡大図である。第1部材11の基盤12は、当接部材40の当接面44に対向する平坦な第1面15及び第2面16、並びに、第1面15及び第2面16に交わる円筒状の側面17を備えている。第1面15及び第2面16は、当接面44と略平行に配置されている。第2面16は、第1面15よりも軸方向下側に位置する。第1面15の面積は、第2面16の面積よりも大きい。第1面15と当接面44との間の距離は、第2面16と当接面44との間の距離よりも短い。
【0026】
第2ストッパ52の第1部53は基盤12の第1面15に設けられており、第2部55及び第3部57は基盤12の第2面16に設けられている。第4部59は基盤12の側面17に設けられている。接続部60は、基盤12の側面17と第2面16とが交わる部位に設けられている。第2部材20に対して第1部材11が変位する前の無負荷状態において、第1部53の第1対向面54と当接面44との間の第1距離D1は、第2部55の第2対向面56と当接面44との間の第2距離D2よりも長く、第3部57のうち当接面44に対向する第3対向面58と当接面44との間の第3距離D3は、第1距離D1よりも長い。
【0027】
第2面16から第2対向面56までの第2部55の厚さは、第1面15から第1対向面54までの第1部53の厚さよりも厚い。第2面16から第3対向面58までの第3部57の厚さは、第1面15から第1対向面54までの第1部53の厚さよりも薄い。接続部60は、第1部53よりも当接面44から離れた位置に配置されている。
【0028】
図4及び
図5を参照して、第2部材20に対して第1部材11がリバウンド方向に変位したときの第2ストッパ52の動作を説明する。
図4(a)は第2ストッパ52の第2部が当接部材40に当接したときの防振装置10の断面図であり、
図4(b)は第2ストッパ52の第1部53が当接部材40に当接したときの防振装置10の断面図である。
図4(a)及び
図4(b)では、防振装置10の一部が図示されている。
図5は第2ストッパ52の荷重たわみ曲線である。
図5の横軸は、第2部材20に対する第1部材11の軸方向の変位(mm)であり、縦軸は荷重(N)である。
【0029】
図5に示す変位0は、第2部材20に対して第1部材11が変位する前の無負荷状態を示す。変位Aにおいて、第2部55の第2対向面56が当接面44に当接する(
図4(a)参照)。変位0と変位Aとの間は、当接面44と第2対向面56とが離隔された第2部55が当接面44に当接するまでの、防振基体30の変形による線形区間である。変位Bにおいて、第1部53の第1対向面54が当接面44に当接する(
図4(b)参照)。変位Aと変位Bとの間は、当接面44と第2面16との間に挟まれた第2部55が圧縮される非線形区間である。
【0030】
変位Bと変位Cとの間は、当接面44と第1面15との間に挟まれた第1部53が圧縮されると共に、当接面44と第2面16との間に挟まれた第2部55が圧縮される非線形区間である。変位Cにおいて、第1部53により第2部材20に対する第1部材11のそれ以上の変位が制限される。第1部53及び第2部55が圧縮される変位Cにおいても、第3部57は圧縮されない。
【0031】
防振装置10は、第2部材20に対して第1部材11が変位する前の状態において、第1部53の第1対向面54と当接面44との間の第1距離D1が、第2部55の第2対向面56と当接面44との間の第2距離D2よりも長い。よって、変位Aにおいて第1部53よりも先に第2部55が当接面44に当接し、リバウンド方向の変位を規制し始める。
【0032】
第2面16に設けられる第3部57の第3対向面58と当接面44との間の第3距離D3は第1距離D1よりも長く、さらに、第1部53が設けられる第1面15と当接面44との間の距離よりも、第2部55及び第3部57が設けられる第2面16と当接面44との間の距離は長い。これにより、第2部55の特性に第3部57が大きな影響を与えないようにできるので、第2部55のばね定数を第1部53のばね定数よりも小さくできる。よって、リバウンド方向の変位を第2ストッパ52が規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きを小さくできる。
【0033】
これに対し第2部55が無い場合は、
図5の破線に示すように、変位0と変位Bとの間は防振基体30の変形による線形区間である。変位Bにおいて第1部53の第1対向面54が当接面44に当接し、変位Bを超えると第1部53が圧縮されて急激に荷重が増加する。第2部55が無い場合の荷重たわみ曲線は、防振装置10の荷重たわみ曲線と点Dで交わる。従って、防振装置10は、変位Aから点Dまでの荷重たわみ曲線の傾きを、第2部55が無い場合(
図5破線)の変位Bから点Dまでの荷重たわみ曲線の傾きよりも小さくできる。
【0034】
防振装置10は第2部55があるので、点Dにおける荷重よりも荷重が小さいときは(
図5参照)、第2部55が無い場合(
図5破線)に比べて変位を小さくできる。荷重が同じ場合は、第2部55が無い場合に比べ、変位0から点Dまでの間に、防振基体30に生じる引張応力を抑制できる。よって、防振基体30の耐久性を向上できる。
【0035】
第1部53と第2部55との間に設けられた第3部57は第2面16に配置されているので、第2部55が軸方向に圧縮されるときに生じる第2部55の断面積の増加が、第3部57によって妨げられないようにできる。従って、第2部55が圧縮されるときの第2部55の軸方向のばね定数を小さく維持できる。
【0036】
第2対向面56の面積は第1対向面54の面積よりも小さいので、第2部55は、当接面44に当接した第1部53が変形するときよりも小さい荷重で変形できる。よって、リバウンド方向の変位を第2ストッパ52が規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きをより小さくできる。
【0037】
第2面16から第3対向面58までの第3部57の厚さは、第1面15から第1対向面54までの第1部53の厚さよりも薄いので、第3対向面58から第2部55の第2対向面56までの間の第2部55の厚さを確保できる。これにより第2部55のばね定数をより小さくできるので、リバウンド方向の変位を第2ストッパ52が規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きをさらに小さくできる。
【0038】
基盤12の第1面15及び第2面16に交わる側面17は、第1面15よりも当接面44から離れて位置し、接続部60は、側面17に設けられる第4部59及び第3部57に隣接する。接続部60は、第1部53よりも当接面44から離れた位置に配置されているので、第1部53が当接面44に当接したときに(
図4(b)参照)、第3部57、第4部59及び接続部60と当接面44との間に空気が封入されないようにできる。よって、第2ストッパ52と当接面44との間に封入される空気による異音の発生を抑制できる。
【0039】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0040】
実施形態では、第2部材20に固定された当接部材40が車体フレームに取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、車体フレームと第2部材20との間を連結する固定部材(図示せず)を用いることは当然可能である。この場合、当接部材40の取付部(図示せず)を省略し、その代わりに、固定部材(図示せず)に車体フレームに取り付けられる部位が設けられる。これにより固定部材を介して第2部材20が車体フレームに固定される。当接部材40は、固定部材(図示せず)を介して第2部材20に取り付けられる、又は、第2部材20に直接取り付けられる。
【0041】
実施形態では、パワーユニット等の振動源に第1部材11が取り付けられ、車体フレームに第2部材20が取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。これと反対に、振動源に第2部材20を取り付け、車体フレームに第1部材11を取り付けることは当然可能である。
【0042】
実施形態では、防振基体30とダイヤフラム23との間に液体が封入される液封入式防振装置の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ダイヤフラム23及び仕切部材25を省略して、防振基体30(弾性体の特性)だけを利用する非液封入式の防振装置にストッパ50を適用することは当然可能である。
【0043】
実施形態では、第2部55が円錐台状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2部55は円柱状、角柱状など各種の形状が適宜設定される。
【0044】
実施形態では、防振基体30と第2ストッパ52とが一体成形される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2ストッパ52の弾性体の材質を、防振基体30の弾性体の材質と異ならせることは当然可能である。この場合、第2ストッパ52は防振基体30と別に成形される。
【0045】
実施形態では、第2ストッパ52の第1部53、第2部55及び第3部57の全部が第1部材11の第1面15及び第2面16に設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。当接部材40の当接面42に、第1部53、第2部55及び第3部57の全部を設けることは当然可能である。当接部材40の当接面42に、第1部53、第2部55及び第3部57が設けられる場合も、第1部53は当接面42と第1面15とに圧縮され、第2部55は当接面42と第2面16とに圧縮される。第3部57は、当接面42のうち第2面16が対向する部位に設けられる。また、当接部材40の当接面42に第1部53及び第2部55の片方を設け、第1部材11に第1部53及び第2部55のもう片方を設けることは当然可能である。
【0046】
実施形態では、第2ストッパ52が第1部材11に接着される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材11や当接部材40に第2ストッパ52を接着することなく、第1部材11や当接部材40に第2ストッパ52を取り付けることは当然可能である。