【解決手段】防振装置は、第1部材と第2部材との間を連結する弾性体からなる防振基体と、第2部材に取り付けられる当接部材と、第1部材および当接部材の少なくとも一方に設けられる弾性体からなるストッパと、を備え、第2部材に対して第1部材が変位したときに、当接部材の当接部と第1部材との間にストッパが介在してリバウンド方向の変位を規制する。ストッパは、少なくとも曲げ変形する第1部と、当接部と第1部材との間に少なくとも一部が挟まれて圧縮変形する第2部と、を備え、第2部材に対して第1部材が変位したときに、ストッパは、第1部が曲げ変形した後に第2部が圧縮変形する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は第1実施の形態における防振装置10の断面図である。
図1は無負荷状態の防振装置10が図示されている。
図1では当接部材40の一部の図示が省略されている。防振装置10は自動車のエンジン等のパワーユニットを弾性支持する装置である。
【0014】
図1に示すように防振装置10は、軸線Oの方向(軸方向)へ互いに離間した第1部材11及び第2部材20と、第1部材11と第2部材20との間を連結する防振基体30と、第2部材20に取り付けられた当接部材40と、を備えている。本実施形態では、第1部材11は振動源であるパワーユニット(図示せず)に取り付けられ、第2部材20は当接部材40を介して車体フレーム(図示せず)に取り付けられる。本実施形態では、第1部材11の軸13(後述する)の軸線Oと鉛直線とが一致している。
図1では、紙面下側を防振装置10の軸方向の下側、紙面上側を軸方向の上側という(
図2から
図6(b)においても同じ)。
【0015】
第1部材11は、鉄系材料やアルミニウム合金等で一体成形された部材であり、防振基体30が連結される円板状の基盤12と、基盤12の中央から軸方向上側に突出し軸線Oに沿って延びる軸13と、軸13の端に設けられた取付部14と、を備えている。取付部14に形成されたねじ穴15に取り付けられたボルト(図示せず)によって、第1部材11はパワーユニットに取り付けられる。
【0016】
第2部材20は、第1部材11の基盤12の外径よりも大きい内径を有する円筒状の金属製の部材であり、軸方向両端に開口部21,22が形成されている。第1部材11は、基盤12を開口部21側へ向けて、第2部材20の軸方向上側に離隔して配置される。第1部材11と第2部材20とが防振基体30により相互に連結される。
【0017】
防振基体30は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなり、軸方向上側の小径部31と軸方向下側の大径部32とを有する略円錐台状に形成されている。小径部31は、第1部材11の基盤12が接着される部位である。大径部32は、小径部31より外径が大きく形成される部位であり、第2部材20の開口部21側の内周面に大径部32の外周面が接着される。本実施形態では防振基体30はゴム製であり、第1部材11及び第2部材20に加硫接着されている。
【0018】
防振基体30は、大径部32の軸方向下側に開口する凹所33が形成されている。凹所33は、軸方向上側へ向かうにつれて次第に小径となる略擂鉢形状である。防振基体30は、大径部32の外周縁の全周に亘ってシール層34が設けられている。シール層34は、軸方向下側に延びる筒状の部位であり、第2部材20の内周面を覆っている。
【0019】
防振基体30は基盤12の底面に接着されている。防振基体30には、第1被覆部35、第2被覆部36及び第3被覆部37が連接されている。第1被覆部35、第2被覆部36及び第3被覆部37は防振基体30と一体成形されている。第1被覆部35は基盤12の底面から側面までを覆う。第2被覆部36は基盤12の上面を覆う。第3被覆部37は軸13の側面を覆う。第1被覆部35、第2被覆部36及び第3被覆部37は基盤12の一部である。
【0020】
第2部材20の開口部22には、防振基体30の凹所33に対向して配置されるダイヤフラム23が取り付けられる。ダイヤフラム23は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなる略円形状の可撓性膜であり、外周縁に固定金具24が接着されている。固定金具24は略円環状に形成されている。固定金具24の内周面は、全周に亘ってダイヤフラム23の外周面に固着されている。ダイヤフラム23は、固定金具24が開口部22から第2部材20へ挿入された後、第2部材20を縮径加工することにより固定金具24を介して第2部材20に固定される。
【0021】
第2部材20、防振基体30及びダイヤフラム23により区画される密閉空間に液体(水等の非圧縮性流体)が封入され、液室が形成される。液室は、仕切部材25により、防振基体30が室壁の一部を構成する受圧室26と、ダイヤフラム23が室壁の一部を構成する平衡室27とに区画される。仕切部材25は、液室を受圧室26及び平衡室27に区画すると共に、受圧室26及び平衡室27を互いに連通するオリフィス28を形成するための略円形状の部材である。
【0022】
当接部材40は、圧入された第2部材20を保持する円環状の第1保持部41と、ストッパ50(後述する)を保持する円環状の第2保持部42と、隅44を介して第2保持部42に交わる円板状の当接部43と、を備えている。当接部材40の第1保持部41、第2保持部42、当接部43及び取付部(図示せず)は、アルミニウム合金等の金属材料で一体成形されている。当接部材40の取付部は車体フレームに取り付けられる。
【0023】
当接部材40の第2保持部42の内側に、第1部材11の基盤12が配置される。当接部43の中央には、第1部材11の軸13が挿通される穴45が形成されている。穴45の内径は基盤12の外径よりも小さい。軸方向下側を向く当接部43の下面は平坦である。当接部材40の第1保持部41と第2保持部42との間の部位には、当接部材40を貫通する空気穴46が形成されている。
【0024】
ストッパ50は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなる部材であり、外周部51、第1部55及び第2部56が一体成形されている。ストッパ50は、第2保持部42に外周部51が圧入されることにより、第2保持部42に非接着で保持される。ストッパ50の外周部51は、基盤12の径方向の外側に位置する。基盤12を覆う第1被覆部35とストッパ50の外周部51との間には隙間が形成されている。
【0025】
当接部43及びストッパ50は、第2部材20に対して第1部材11がリバウンド方向(本実施形態では軸方向上側)に変位したときに防振基体30の変位を規制する。当接部43及びストッパ50は、防振基体30に作用する引張応力を抑制して防振基体30の耐久性を確保する。さらに第1被覆部35、第2被覆部36、第3被覆部37及びストッパ50は、第1部材11と当接部材40との衝突による異音の発生を防ぐ。なお、第1被覆部35、第2被覆部36及び第3被覆部37の一部または全部を一部は省略できる。
【0026】
図2(a)はストッパ50の平面図であり、
図2(b)は矢印IIb方向からみたストッパ50の側面図である。
図2(a)及び
図2(b)に示すように、ストッパ50の外周部51は円筒状に形成されている。ストッパ50の円環部52は、外周部51から径方向の内側へ向けて突出する円環状の部位である。円環部52には、円環部52の径方向の内側の縁から径方向の外側へ向けて放射状に延びる複数(本実施形態では8本)の切り込み53、及び、切り込み53の径方向の外側の縁から周方向の両側へ向けて延びる複数(本実施形態では8本)の長孔54が形成されている。
【0027】
第1部55は円環部52の一部である。第1部55は、長孔54の径方向の内側の縁よりも径方向の外側に位置する。第2部56は円環部52の一部であり、第1部55の径方向の内側に連接されている。第2部56は、長孔54の径方向の内側の縁よりも径方向の内側に位置する。
【0028】
第2部56の先端部57は、第1部55と反対側の第2部56の端に位置する。第2部56の周方向の長さは、径方向の内側へ向かうにつれて次第に短くなる。第1部55のうち周方向の長さが最も短い部位は、隣り合う長孔54と長孔54との間の部位であり、その周方向の長さは、第2部56の周方向の長さが最も短い先端部57の長さよりも短い。
【0029】
図3は
図2(a)のIII−III線におけるストッパ50の断面図である。ストッパ50の第2部56は、第1部55から径方向の内側に向けて下降傾斜している。第2部56の先端部57は、第1部55及び第2部56のうち最も下端側に位置する。
【0030】
図1に戻って説明する。ストッパ50は、外周部51の上端が、当接部材40の隅44に配置される。ストッパ50の第1部55は一部が当接部43に接触する。第1部55は鉛直斜め下向きに第2部56を支持するので、第2部56は当接部43及び基盤12(第2被覆部36)に非接触である。第2部56は、一部が、基盤12と当接部43とが軸方向に対向する範囲内に配置される。第1部55は、基盤12と当接部43とが軸方向に対向する範囲外に配置される。ストッパ50の第2部56の先端部57と基盤12を覆う第2被覆部36との間には隙間が形成されている。第2部56の先端部57は、軸方向から見て、当接部43に形成された穴45よりも径方向の内側に突出している。
【0031】
図4及び
図5を参照して、第2部材20に対して第1部材11がリバウンド方向に変位したときのストッパ50の動作を説明する。
図4(a)はストッパ50の第2部56に第1部材11が当接したときの防振装置10の断面図であり、
図4(b)はストッパ50の第2部56が当接部43に当接したときの防振装置10の断面図である。
図4(a)及び
図4(b)では、防振装置10の一部が図示されている。
図5はストッパ50の荷重たわみ曲線である。
図5の横軸は、第2部材20に対する第1部材11の軸方向の変位(mm)であり、縦軸は荷重(N)である。
【0032】
図5に示す変位0は、第2部材20に対して第1部材11が変位する前の無負荷状態を示す。変位0において、ストッパ50の第2部56の先端部57と基盤12(第2被覆部36)とは離隔されている。変位Aにおいて、ストッパ50のうち第2部56の先端部57に、基盤12を覆う第2被覆部36(第1部材11)が最初に接触する(
図4(a)参照)。変位0と変位Aとの間は、第1部材11が第2部56に当接するまでの、防振基体30の変形による線形区間である。変位Bにおいて、第2部56が当接部43に当接する(
図4(b)参照)。
【0033】
変位Aと変位Bとの間は、第1部材11に押されて第2部56の先端部57が上昇することにより、第1部55が曲げ変形する非線形区間である。変位Bと変位Cとの間は、第1部材11と当接部43との間に挟まれた第2部56が圧縮される非線形区間である。変位Cにおいて、第2部56により第2部材20に対する第1部材11のそれ以上の変位が制限される。第2部56が圧縮される変位Cにおいても、第2部56のうちの先端部57及び第1部55は圧縮されない。
【0034】
なお、第2部56が圧縮される変位Cにおいては、当接部材40の穴45の大部分が、第2被覆部36(基盤12)及び第2部56によって塞がれてしまう。しかし、当接部材40には、当接部材40の内外を連通する空気穴46が形成されているので、変位0から変位Cまで、第2部材20に対して第1部材11をスムーズに相対変位させることができる。
【0035】
また、変位Cにおいても第2部56の先端部57は圧縮されないので、変位Cのときにも、隣り合う先端部57と先端部57との間の切り込み53の間隔を確保できる。その結果、変位Cから変位が小さくなったときに、切り込み53から当接部材40の内部へ空気を進入し易くすることができるので、それが原因となる異音の発生を抑制できる。
【0036】
防振装置10は、第2部材20に対して第1部材11が変位したときに、当接部43と第1部材11との間に介在する弾性体からなるストッパ50の第1部55が曲げ変形した後に、第2部56が圧縮変形してリバウンド方向の変位を規制する。弾性体が圧縮変形するときの荷重よりも弾性体が曲げ変形するときの荷重を小さくできるので、リバウンド方向の変位をストッパ50が規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きを小さくできる。
【0037】
これに対し第1部55が無く、当接部43や基盤12に第2部56が配置されている場合は、
図5の破線に示すように、変位0と変位Bとの間は防振基体30の変形による線形区間である。変位Bにおいて第2部56に軸方向の荷重が加わり始め、変位Bを超えると第2部56が圧縮されて急激に荷重が増加する。第1部55が無い場合の荷重たわみ曲線(破線)は、防振装置10の荷重たわみ曲線と点Dで交わる。従って、防振装置10は、変位Aから点Dまでの荷重たわみ曲線の傾きを、第1部55が無い場合(
図5破線)の変位Bから点Dまでの荷重たわみ曲線の傾きよりも小さくできる。
【0038】
防振装置10は第1部55があるので、点Dにおける荷重よりも荷重が小さいときは(
図5参照)、第1部55が無い場合(
図5破線)に比べて変位を小さくできる。荷重が同じ場合は、第1部55が無い場合に比べ、変位0から点Dまでの間に、防振基体30に生じる引張応力を抑制できる。よって、防振基体30の耐久性を向上できる。
【0039】
ストッパ50は、第1部55及び第2部56が互いに連接されており、第1部55及び第2部56は外周部51から基盤12と当接部43との間に向けて突出している。第2部材20に対して第1部材11が変位する前の状態において、第2部56は、当接部43及び基盤12(第2被覆部36)に非接触なので、基盤12がストッパ50に当接したときに、第2部56から基盤12が受ける反力を抑制できる。よって、リバウンド方向の変位をストッパ50が規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きをより小さくできる。
【0040】
ストッパ50の外周部51から径方向の内側へ突出する円環部52には、円環部52の径方向の内側の縁から放射状に延びる切り込み53、及び、切り込み53の径方向の外側の縁から周方向の両側へ延びる長孔54が形成されている。第1部55は、長孔54の径方向の内側の縁よりも径方向の外側に位置し、第2部56は、長孔54の径方向の内側の縁よりも径方向の内側に位置する。これにより第1部55を曲げ変形させ易くできるので、荷重たわみ曲線の傾きをより小さくできる。
【0041】
第1部55のうち周方向の長さが最も短い部位は、隣り合う長孔54と長孔54との間の部位であり、その周方向の長さは、第2部56の周方向の長さが最も短い先端部57の長さよりも短い。よって、第1部55の周方向の最小の断面積を第2部56の周方向の断面積よりも小さくできる。これにより第1部55をさらに曲げ変形させ易くできると共に、圧縮される第2部56の面積を確保できる。よって、荷重たわみ曲線の傾きをより小さくできると共に、第2部56の耐久性を確保できる。
【0042】
第1部55は、基盤12と当接部43とが軸方向に対向する範囲外に配置されるので、第2部材20に対する第1部材11の変位を規制するときに第2部56が圧縮されても、第1部55は圧縮され難くできる。これにより第1部55の疲労を抑制できるので、第1部55の耐久性を確保できる。また、第1部55は基盤12に対して鉛直上側に配置されているので、重力によって第2部56を下降傾斜させ易くできる。よって、上記の荷重たわみ曲線を長期間に亘って維持できる。
【0043】
ストッパ50は、第2部材20に対して第1部材11が変位したときに第2部56の先端部57が、第1部材11(基盤12)に最初に接触する。第1部55は、第2部56のうち先端部57の反対側の部位に連接されているので、先端部57と第1部55との間の距離を長くできる。第1部55に作用する曲げモーメントを大きくできるので、小さな力で第1部55を曲げ変形させ易くできる。よって、荷重たわみ曲線の傾きをより小さくできる。
【0044】
図6を参照して第2実施の形態における防振装置60について説明する。第1実施形態では、ストッパ50の第1部55が、第2部56のうち先端部57の反対側の部位に連接されている場合について説明した。これに対し第2実施形態では、ストッパ70の第1部72及び第2部73が、同じ部位に存在する場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
【0045】
図6(a)は第2実施の形態における防振装置60の断面図であり、
図6(b)はストッパ70の第2部73に第1部材11が当接したときの防振装置60の断面図であり、
図6(c)はストッパ70の第2部73が当接部43に当接したときの防振装置60の断面図である。
図6(a)から
図6(c)では、防振装置60の一部が図示されている。
【0046】
図6(a)に示すように防振装置60は、第1部材11、第2部材20(いずれも
図1参照)、防振基体30、当接部材61及びストッパ70を備えている。当接部材61は第2部材20に取り付けられており、当接部43の中央に穴62が形成されている。ストッパ70は、当接部材61の第2保持部42に外周部51が保持されている。
【0047】
ストッパ70は、ゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体からなる部材であり、円筒状の外周部51、板状の環状部71、第1部72及び第2部73が一体成形されている。環状部71は、外周部51に連接される円環状の部位である。環状部71の径方向の外側の縁は、当接部材61の隅44に配置されている。第1実施形態と同様に、環状部71の径方向の内側の縁に長孔(図示せず)が形成され、長孔から径方向の内側へ向けて延びる切り込み(図示せず)が形成されることにより、ストッパ70に第1部72及び第2部73が形成される。
【0048】
環状部71は、径方向の外側の部位が、基盤12と当接部43とが軸方向に対向する範囲外に配置される。第1部72及び第2部73は、基盤12と当接部43とが軸方向に対向する範囲内に配置される。第1部72は、第2部材20に対して第1部材11が変位したときに、少なくとも曲げ変形する部位である。第2部73は、第2部材20に対して第1部材11が変位したときに、圧縮変形する部位である。第1部72及び第2部73は、ストッパ70の同じ部位に存在する。
【0049】
変位A(
図5参照)において、ストッパ70のうち第2部73の先端部74に、基盤12を覆う第2被覆部36(第1部材11)が最初に接触する(
図6(b)参照)。変位0と変位Aとの間は、ストッパ70の第2部73の先端部74と基盤12(第2被覆部36)とが離隔された第1部材11が先端部74に当接するまでの、防振基体30の変形による線形区間である。変位Bにおいて、第1部72及び第2部73が当接部43に当接する(
図6(c)参照)。
【0050】
変位Aと変位Bとの間は、第1部材11に押されて第2部73の先端部74が上昇することにより、第1部72が曲げ変形する非線形区間である。変位Bと変位Cとの間は、第1部材11と当接部43との間に挟まれた第1部72及び第2部73が圧縮される非線形区間である。変位Cにおいて、第1部72及び第2部73により第2部材20に対する第1部材11のそれ以上の変位が制限される。
【0051】
防振装置60は、第1実施形態における防振装置10と同様に、第2部材20に対して第1部材11が変位したときに、当接部43と第1部材11との間に介在する弾性体からなるストッパ70の第1部72及び第2部73が曲げ変形した後に、第1部72及び第2部73が圧縮変形してリバウンド方向の変位を規制する。弾性体が圧縮変形するときの荷重よりも弾性体が曲げ変形するときの荷重を小さくできるので、リバウンド方向の変位をストッパ70が規制し始めるときの荷重たわみ曲線の傾きを小さくできる。
【0052】
また、ストッパ70は、第2部材20に対して第1部材11が変位したときに第2部73の先端部74が、第1部材11(第2被覆部36)に最初に接触する。第1部72及び第2部73は同じ部位に存在するので、第1部72及び第2部73が占める体積を小さくできる。
【0053】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0054】
実施形態では、第2部材20に固定された当接部材40,61が車体フレームに取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、車体フレームと第2部材20との間を連結する固定部材(図示せず)を用いることは当然可能である。この場合、当接部材40,61の取付部(図示せず)を省略し、その代わりに、固定部材(図示せず)に車体フレームに取り付けられる部位が設けられる。これにより固定部材を介して第2部材20が車体フレームに固定される。当接部材40,61は、固定部材(図示せず)を介して第2部材20に取り付けられる、又は、第2部材20に直接取り付けられる。
【0055】
実施形態では、パワーユニット等の振動源に第1部材11が取り付けられ、車体フレームに第2部材20が取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。これと反対に、振動源に第2部材20を取り付け、車体フレームに第1部材11を取り付けることは当然可能である。
【0056】
実施形態では、防振基体30とダイヤフラム23との間に液体が封入される液封入式防振装置の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ダイヤフラム23及び仕切部材25を省略して、防振基体30(弾性体の特性)だけを利用する非液封入式の防振装置にストッパ50,70を適用することは当然可能である。
【0057】
実施形態では、ストッパ50,70が、当接部材40,61の第2保持部42に取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材11にストッパ50,70を取り付けることは当然可能である。また、実施形態では、ストッパ50,70が、当接部材40,61に非接着で取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。当接部材40,61や第1部材11にストッパ50,70を接着することは当然可能である。
【0058】
第1実施形態では、ストッパ50の第1部55及び第2部56が一体化される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部55と第2部56とを分離することは当然可能である。また、第1実施形態では、ストッパ50の第1部55及び第2部56が当接部材40に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部55と第2部56とを分離し、第1部55及び第2部56のいずれか一方を第1部材11に配置することは当然可能である。