【解決手段】ブラジャー1は、1対のカップ部2と、前記1対のカップ部2の裏側にそれぞれ設けられ、長手形状をなす保形シート5とを備え、前記1対のカップ部2のうちの一方の前記カップ部2に設けられている前記保形シート5の長手方向の他方の前記カップ部2とは反対側の端部52は、前記長手方向において、前記一方のカップ部2の縁部21よりも離間して内側に接続されており、前記他方のカップ部2に設けられている前記保形シート5の長手方向の前記一方のカップ部2とは反対側の端部52は、前記長手方向において、前記他方のカップ部2の縁部21よりも離間して内側に接続されている。
装着者が前記カップ付き衣類を装着した装着状態において、前記1対の保形シートの長手方向は、それぞれ、背面視で、水平面に対して傾斜している請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカップ付き衣類。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、バストの保形やバストアップの効果が高く、バストの形状を容易に変更することができ、バストの形状の選択性に優れているカップ付き衣類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のカップ付き衣類は、1対のカップ部と、
前記1対のカップ部の裏側にそれぞれ設けられ、長手形状をなす保形シートとを備え、
前記1対のカップ部のうちの一方の前記カップ部に設けられている前記保形シートの長手方向の他方の前記カップ部とは反対側の端部は、前記長手方向において、前記一方のカップ部の縁部よりも離間して内側に接続されており、
前記他方のカップ部に設けられている前記保形シートの長手方向の前記一方のカップ部とは反対側の端部は、前記長手方向において、前記他方のカップ部の縁部よりも離間して内側に接続されていることを特徴とする。
【0010】
本発明のカップ付き衣類では、前記一方のカップ部に設けられている前記保形シートの長手方向の前記他方のカップ部側の端部は、前記一方のカップ部の縁部に接続されており、
前記他方のカップ部に設けられている前記保形シートの長手方向の前記一方のカップ部側の端部は、前記他方のカップ部の縁部に接続されていることが好ましい。
【0011】
本発明のカップ付き衣類では、1対の前記保形シートは、前記1対のカップ部の接続部で重なった状態で交差していることが好ましい。
【0012】
本発明のカップ付き衣類では、前記一方のカップ部に設けられている前記保形シートの長手方向の前記他方のカップ部側の端部は、前記他方のカップ部に接続されており、
前記他方のカップ部に設けられている前記保形シートの長手方向の前記一方のカップ部側の端部は、前記一方のカップ部に接続されていることが好ましい。
【0013】
本発明のカップ付き衣類では、装着者が前記カップ付き衣類を装着した装着状態において、前記1対の保形シートの長手方向は、それぞれ、背面視で、水平面に対して傾斜していることが好ましい。
【0014】
本発明のカップ付き衣類では、前記保形シートは、弾性を有し、
前記保形シートの長手方向の伸び率は、前記保形シートの長手方向に直交する方向の伸び率よりも大きいことが好ましい。
【0015】
本発明のカップ付き衣類では、前記1対のカップ部は、それぞれ、弾性を有するパッドポケットを備え、
各前記パッドポケットには、それぞれ、弾性を有するパッドが挿入されており、
前記保形シートは、弾性を有し、
前記保形シートの長手方向の伸び率は、前記パッドポケットの前記保形シートの長手方向と同じ方向の伸び率よりも大きいことが好ましい。
【0016】
本発明のカップ付き衣類では、カップ脇シートと、
前記1対のカップ部を胸部に装着する装着部とを有し、
前記カップ脇シートの少なくとも一部は、前記カップ部に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、保形シートにより、バストを寄せて、持ち上げて、谷間ができた状態(バストアップした状態)を保持するバストの保形を適確に行うことができる。また、保形シートの長手方向の長さが短いので、バストアップの効果が高い。また、保形シートの長手方向の長さや傾斜角度を調整(設定)することにより、バストの形状を容易に変更することができ、バストの形状の選択性に優れている。
また、ワイヤーを有していないので、極度の締め付けや食い込みがなく、快適である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のカップ付き衣類を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
本発明のカップ付き衣類の第1実施形態について説明する。また、本実施形態では、カップ付き衣類として、ブラジャーを例に挙げて説明する。
【0020】
図1は、本発明のカップ付き衣類の第1実施形態であるブラジャーを示す背面図(装着者側から見た図)である。
【0021】
以下では、説明の都合上、
図1中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0022】
また、装着者(使用者)がブラジャー1を装着した状態を「装着状態」、装着者がブラジャー1を装着していない状態を「非装着状態」とも言う。
【0023】
また、ブラジャー1の装着者側(カップ部2が凹形状となる側)を「裏側」、ブラジャー1の装着者側とは反対側(カップ部2が凸形状となる側)を「表側」とも言う。
【0024】
図1に示すブラジャー1(カップ付き衣類)は、ワイヤーを有していないブラジャー、すなわち、ノンワイヤーブラジャーである。このため、ワイヤー入りブラジャーのような極度の締め付けや食い込みがなく、快適である。
【0025】
図1に示すように、ブラジャー1は、装着者の左右のバストを覆う1対のカップ部2と、各カップ部2を支持し、各カップ部2を装着者の胸部に装着する装着部(支持部)である土台3と、装着者の肩に掛ける1対のストラップ4とを有している。
【0026】
また、土台3は、土台フロント31と、1対の土台サイド32と、1対の土台バック33とを有している。土台フロント31は、1対のカップ部2の間の部分の下側と、右側のカップ部2の中央部から左側の部分の下側と、左側のカップ部2の中央部から右側の部分の下側とに配置されている。また、右側の土台サイド32は、土台フロント31の右側に配置され、右側の土台バック33は、右側の土台サイド32の右側に配置されている。また、左側の土台サイド32は、土台フロント31の左側に配置され、左側の土台バック33は、左側の土台サイド32の左側に配置されている。
【0027】
また、右側の土台バック33の右側の端部には、雄カン61が設けられ、左側の土台バック33の左側の端部には、雌カン62が設けられている。装着者がブラジャー1を装着する際は、各カップ部2でバストを覆い、各ストラップ4を肩に掛け、雄カン61と雌カン62とを係合させる。
【0028】
また、各カップ部2の縁部21は、それぞれ、その縁部21の内側の部分に比べて肉厚になっている。
【0029】
また、各カップ部2は、それぞれ、弾性を有する(伸縮可能な)パッドポケット22を備えている。また、各パッドポケット22には、それぞれ、弾性を有するパッド23が挿入(装着)されている。なお、各パッド23は、それぞれ、パッドポケット22に対して着脱可能であるが、取り外すことができないようになっていてもよい。また、パッド23は、弾性を有していなくてもよい。
【0030】
また、右側のカップ部2は、土台フロント31および右側の土台サイド32に接続(固定)され、支持されている。同様に、左側のカップ部2は、土台フロント31および左側の土台サイド32に接続され、支持されている。また、土台フロント31の右側のカップ部2と左側のカップ部2との間の部分は、1対のカップ部2の接続部を構成している。なお、1対のカップ部2が、直接、接続されていてもよい。
【0031】
また、ストラップ4は、それぞれ、弾性を有する(伸縮可能である)。また、右側のストラップ4の一方の端部は、右側のカップ部2に接続され、他方の端部は、右側の土台サイド32に接続されている。同様に、左側のストラップ4の一方の端部は、左側のカップ部2に接続され、他方の端部は、左側の土台サイド32に接続されている。
【0032】
また、ブラジャー1は、各カップ部2の裏側(内側)に、それぞれ、弾性を有する(伸縮可能な)保形シート5(保形布)を備えている。この保形シート5により、バストを寄せて、持ち上げて、谷間ができた状態(以下、「バストアップした状態」と言う)を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0033】
また、本実施形態では、各カップ部2に、それぞれ、1つの保形シート5が設けられているが、これに限定されず、例えば、各カップ部2に、それぞれ、複数の保形シート5が設けられていてもよい。
【0034】
以下、保形シート5について説明するが、各保形シート5は、左右対称であるので、一方(右側)の保形シート5について説明し、他方(左側)の保形シート5については説明を省略する。
【0035】
保形シート5は、帯状(長手形状)をなしており、その長手方向の端部51、52が、カップ部2の内側に接続(配置)されている。
【0036】
この場合、保形シート5(一方のカップ部2に設けられている保形シート5)の土台フロント31側(他方のカップ部2側)の端部51は、カップ部2の左側の縁部21に接続(配置)されている。仮に、保形シート5の端部51が、保形シート5の長手方向において、カップ部2の左側の縁部21よりも内側、すなわち、カップ部2の左側の縁部21からカップ部2の中心に向って離間した位置に接続されていると、他の条件にもよるが、保形シート5の「バストアップした状態を保持するバストの保形効果」が劣化する。
【0037】
また、保形シート5(一方のカップ部2に設けられている保形シート5)の土台フロント31とは反対側(土台サイド32側)(他方のカップ部2とは反対側)の端部52は、保形シート5の長手方向において、カップ部2の右側の縁部21よりも内側、すなわち、カップ部2の右側の縁部21からカップ部2の中心に向って離間した位置に接続(配置)されている。これにより、保形シート5の長手方向の長さが短くなり、特に、1対のカップ部2の間(中心)とは反対側(装着者の脇側)において、保形シート5の長手方向の長さが短くなる。これによって、バストアップの効果が向上する。仮に、保形シート5の端部52がカップ部2の右側の縁部21に接続されていると、保形シート5の長手方向の長さが長くなり、保形シート5の「バストアップの効果」が劣化し、また、「バストアップした状態を保持するバストの保形効果」が劣化する。
【0038】
また、保形シート5の長手方向に延びる1対の辺53、54は、それぞれ、カップ部2に接続されていない。これにより、保形シート5の辺53、54がカップ部2に拘束されず、このため、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0039】
また、保形シート5の長手方向は、装着状態において、
図1に示す背面視で、水平面に対して傾斜している。この場合、保形シート5の長手方向は、端部52が端部51よりも鉛直方向上側になるように(高くなるように)傾斜している。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。なお、保形シート5の長手方向は、端部51が端部52よりも鉛直方向上側になるように(高くなるように)傾斜していてもよい。
【0040】
また、保形シート5の傾斜角度θは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが10°以上、50°以下であることが好ましく、15°以上、45°以下であることがより好ましく、20°以上、40°以下であることがさらに好ましく、25°以上、35°以下であることが特に好ましい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形をより適確に行うことができる。
【0041】
また、傾斜角度θとは、装着状態において、
図1に示す背面視で、保形シート5の長手方向に延びる1対の辺53、54と、水平面とのなす角度である。また、辺53と辺54とが平行でない場合は、両方の平均値である。
【0042】
なお、保形シート5の長手方向は、水平面に対して傾斜していなくてもよい。すなわち、
図1に示す背面視で、保形シート5の長手方向は、水平面と平行でもよく、また、水平面に直交していてもよい。
【0043】
また、保形シート5の幅W1は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、幅W1の平均値は、1cm以上、10cm以下であることが好ましく、2cm以上、8cm以下であることがより好ましく、3cm以上、5cm以下であることがさらに好ましい。幅W1は、保形シート5の長手方向に直交する方向の長さである。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形をより適確に行うことができる。この場合、幅W1の平均値が前記上限値を超えると、他の条件にもよるが、通気性が劣化し、また、幅W1の平均値が前記下限値未満であると、他の条件にもよるが、バストアップの効果およびバストの保形効果が劣化する。
【0044】
また、本実施形態では、保形シート5の幅W1は、保形シート5の長手方向に沿って一定であるが、変化していてもよい。幅W1が長手方向に沿って変化している場合の例としては、例えば、保形シート5の右側から左側に向かって幅W1が漸増している場合と、保形シート5の左側から右側に向かって幅W1が漸減している場合とが挙げられる。
【0045】
また、保形シート5を構成する材料は、パッドポケット22を構成する材料と異なっている。なお、保形シート5を構成する材料は、パッドポケット22を構成する材料と同じであってもよい。
【0046】
また、保形シート5は、パッドポケット22よりも伸縮する度合い、すなわち、伸び率が大きい。
【0047】
具体的には、自然状態(負荷がかかっていない状態)での保形シート5の長手方向の長さをa、保形シート5が長手方向に最大に伸びたときのその長さ(最大長さ)をbとし、自然状態でのパッドポケット22の保形シート5の長手方向と同じ方向の長さをc、パッドポケット22が保形シート5の長手方向と同じ方向に最大に伸びたときのその長さ(最大長さ)をdとしたとき、保形シート5の長手方向の伸び率である(b−a)/aは、パッドポケット22の保形シート5の長手方向と同じ方向の伸び率である(d−c)/cよりも大きい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0048】
また、(d−c)/cに対する(b−a)/aの比率、すなわち、[(b−a)/a]/[(d−c)/c]は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1.5以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上、20以下であることがさらに好ましい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形をより適確に行うことができる。
【0049】
なお、保形シート5の伸び率は、パッドポケット22の伸び率よりも小さくてもよく、また、パッドポケット22の伸び率と同じであってもよい。
【0050】
また、保形シート5の長手方向の伸び率は、保形シート5の長手方向に直交する方向の伸び率よりも大きい。
【0051】
具体的には、自然状態での保形シート5の長手方向の長さをa、保形シート5が長手方向に最大に伸びたときのその長さ(最大長さ)をbとし、自然状態での保形シート5の長手方向に直交する方向の長さをe、保形シート5が長手方向に直交する方向に最大に伸びたときのその長さ(最大長さ)をfとしたとき、保形シート5の長手方向の伸び率である(b−a)/aは、保形シート5の長手方向に直交する方向の伸び率である(f−e)/eよりも大きい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0052】
また、(f−e)/eに対する(b−a)/aの比率、すなわち、[(b−a)/a]/[(f−e)/e]は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1.5以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、2.5以上、10以下であることがさらに好ましい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形をより適確に行うことができる。
【0053】
なお、保形シート5の長手方向の伸び率は、保形シート5の長手方向に直交する方向の伸び率よりも小さくてもよく、また、保形シート5の長手方向に直交する方向の伸び率と同じであってもよい。
【0054】
また、保形シート5は、自然状態で設けられている。これにより、保形シート5の劣化を抑制することができる。なお、保形シート5は、若干伸長した状態で設けられていてもよい。
なお、保形シート5は、弾性を有していなくてもよい(伸縮不能でもよい)。
【0055】
以上説明したように、ブラジャー1によれば、保形シート5により、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができ、また、ワイヤーを有していないので、極度の締め付けや食い込みがなく、快適である。特に、1対のカップ部2の間(中心)とは反対側(装着者の脇側)において、保形シート5の長手方向の長さが短いので、バストアップの効果が高い。
【0056】
また、保形シート5の長手方向の長さと、保形シート5の傾斜角度θとのいずれか一方または両方を調整(設定)することにより、バストの形状を容易に変更することができる。すなわち、バストの形状の選択性に優れており、種々の要望に適確に対応することができる。
【0057】
また、保形シート5は帯状であり、その長手方向の端部51、52がカップ部2に接続されており、保形シート5の辺53、54はカップ部2に接続されていないので、辺53、54がカップ部2に拘束されず、このため、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形をより適確に行うことができる。
【0058】
以上、第1実施形態のブラジャー1について説明した。このようなブラジャー1(カップ付き衣類)は、1対のカップ部2と、1対のカップ部2の裏側にそれぞれ設けられ、帯状(長手形状)をなす保形シート5とを備え、1対のカップ部2のうちの一方のカップ部2に設けられている保形シート5の長手方向の他方のカップ部2とは反対側の端部52は、保形シート5の長手方向において、一方のカップ部2の縁部21よりも離間して内側に接続されており、他方のカップ部2に設けられている保形シート5の長手方向の一方のカップ部2とは反対側の端部52は、保形シート5の長手方向において、他方のカップ部2の縁部21よりも離間して内側に接続されている。
【0059】
このようなブラジャー1(カップ付き衣類)によれば、保形シート5により、バストを寄せて、持ち上げて、谷間ができた状態(バストアップした状態)を保持するバストの保形を適確に行うことができる。また、保形シート5の長手方向の長さが短いので、バストアップの効果が高い。また、保形シート5の長手方向の長さや角度を調整(設定)することにより、バストの形状を容易に変更することができ、バストの形状の選択性に優れている。
また、ワイヤーを有していないので、極度の締め付けや食い込みがなく、快適である。
【0060】
また、前述したように、一方のカップ部2に設けられている保形シート5の長手方向の他方のカップ部2側の端部51は、一方のカップ部2の縁部21に接続されており、他方のカップ部2に設けられている保形シート5の長手方向の一方のカップ部2側の端部51は、他方のカップ部2の縁部21に接続されている。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0061】
また、前述したように、装着者がブラジャー1を装着した装着状態において、1対の保形シート5の長手方向は、それぞれ、背面視で、水平面に対して傾斜している。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0062】
また、前述したように、保形シート5は、弾性を有し、保形シート5の長手方向の伸び率は、保形シート5の長手方向に直交する方向の伸び率よりも大きい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0063】
また、前述したように、1対のカップ部2は、それぞれ、弾性を有するパッドポケット22を備え、各パッドポケット22には、それぞれ、弾性を有するパッド23が挿入されており、保形シート5は、弾性を有し、保形シート5の長手方向の伸び率は、パッドポケット22の保形シート5の長手方向と同じ方向の伸び率よりも大きい。これにより、バストアップおよびバストアップした状態を保持するバストの保形を適確に行うことができる。
【0064】
<第2実施形態>
図2は、本発明のカップ付き衣類の第2実施形態であるブラジャーを示す背面図(装着者側から見た図)である。
【0065】
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0066】
第2実施形態は、カップ脇シートが追加され、パッドポケットが省略されていること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0067】
図2に示すように、第2実施形態のブラジャー1aは、さらに、1対のカップ脇シート7を有している。
【0068】
1対のカップ脇シート7のうちの一方は、右側のカップ部2の右側(土台バック33側)に配置され、他方は、左側のカップ部2の左側(土台バック33側)に配置されている。
【0069】
以下、カップ脇シート7について説明するが、各カップ脇シート7は、左右対称であるので、一方(右側)のカップ脇シート7について説明し、他方(左側)のカップ脇シート7については説明を省略する。
【0070】
カップ脇シート7は、装着状態で、鉛直方向を長手方向とする帯状(長手形状)をなしている。また、カップ脇シート7は、ブラジャー1の上側の端部から下側の端部に亘って設けられている。なお、カップ脇シート7の長手方向は、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。
【0071】
また、カップ脇シート7は、右側のカップ部2の右側の端部と土台サイド32の右側の端部とに跨って設けられている。すなわち、カップ脇シート7の一部は、カップ部2に設けられ、カップ脇シート7の残部は、土台サイド32に設けられている。なお、カップ脇シート7の全体が、カップ部2に設けられていてもよい。
【0072】
また、カップ脇シート7は、土台サイド32(土台3)よりも肉厚になっており、土台サイド32(土台3)よりも裏側に突出している。なお、カップ脇シート7は、肉厚になっていなくてもよい。
【0073】
このカップ脇シート7は、脇の下の肉をカップ部2に保持する機能を有している。したがって、このブラジャー1aでは、カップ部2に脇の下の肉を寄せて集め、カップ脇シート7により、その状態を適確に保持することができる。また、前述した保形シート5との相乗効果により、バストの形状の補正および保形の効果(補正・保形力)が向上する。すなわち、第1実施形態に比べて、さらにバストアップさせ、その状態を適確に保持することができる。
【0074】
また、カップ脇シート7の幅W2は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、幅W2の平均値は、3cm以上、10cm以下であることが好ましく、4cm以上、8cm以下であることがより好ましく、5cm以上、7cm以下であることがさらに好ましい。幅W2は、カップ脇シート7の長手方向に直交する方向(1対のカップ部2が並んでいる方向)の長さである。これにより、カップ部2に脇の下の肉を寄せて集めた状態をより適確に保持することができる。この場合、幅W2の平均値が前記上限値を超えると、他の条件にもよるが、それ以上の効果は望めない。また、幅W2の平均値が前記下限値未満であると、他の条件にもよるが、カップ部2に脇の下の肉を寄せて集めた状態を保持する効果が劣化する。
【0075】
また、カップ脇シート7の幅W2の平均値は、保形シート5の幅W1の平均値よりも大きいことが好ましい。なお、カップ脇シート7の幅W2の平均値は、保形シート5の幅W1の平均値と同じでもよく、また、保形シート5の幅W1の平均値よりも小さくてもよい。
【0076】
また、カップ脇シート7の幅W2は、カップ脇シート7の長手方向に沿って一定でもよく、また、変化していてもよい。幅W2が長手方向に沿って変化している場合の例としては、例えば、装着状態で、鉛直方向上側から下側に向かって幅W2が漸増している場合と、鉛直方向上側から下側に向かって幅W2が漸減している場合とが挙げられる。
【0077】
また、ブラジャー1aでは、1対のパッドポケット22(
図1参照)が省略されている。そして、1対の保形シート5は、1対のパッドポケット22の機能を有し、各保形シート5は、それぞれ、パッド23を支持し、パッド23を押さえている。すなわち、本実施形態では、保形シート5は、第1実施形態で述べたパッドポケット22としての機能も兼ね備えている。これにより、ブラジャー1aの機能を損なうことなく、構成部材の数を低減し、ブラジャー1aの構造を簡素化することができる。
【0078】
以上のような第2実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0079】
以上、第2実施形態のブラジャー1aについて説明した。このようなブラジャー1a(カップ付き衣類)は、カップ脇シート7と、1対のカップ部2を胸部に装着する土台3(装着部)とを有し、カップ脇シート7の少なくとも一部は、カップ部2に設けられている。
【0080】
このようなブラジャー1a(カップ付き衣類)によれば、カップ部2に脇の下の肉を寄せて集め、カップ脇シート7により、その状態を適確に保持することができる。すなわち、第1実施形態に比べて、さらにバストアップさせ、その状態を適確に保持することができる。
【0081】
<第3実施形態>
図3は、本発明のカップ付き衣類の第3実施形態であるブラジャーを示す背面図(装着者側から見た図)である。
【0082】
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0083】
第3実施形態は、保形シートの構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0084】
図3に示すように、第3実施形態のブラジャー1bでは、1対の保形シート5bは、
図3に示す背面視で、1対のカップ部2の間と、土台フロント31の右側のカップ部2と左側のカップ部2との間の部分(1対のカップ部2の接続部)で重なった状態で交差している。
【0085】
また、保形シート5bの長手方向の長さは、パッドポケット22の保形シート5bの長手方向と同じ方向の長さよりも長い。
【0086】
また、1対の保形シート5bのうちの右側(一方)の保形シート5bの端部51は、左側(他方)のカップ部2に接続されている。この場合、保形シート5bの端部51は、カップ部2の下側の縁部21に接続されている。
【0087】
また、左側(他方)の保形シート5bの端部51は、右側(一方)のカップ部2に接続されている。この場合、保形シート5bの端部51は、カップ部2の下側の縁部21に接続されている。
【0088】
したがって、1対の保形シート5bが互いに重なっている重なり部55は、
図3に示す背面視で、1対のカップ部2の間と、土台フロント31の右側のカップ部2と左側のカップ部2との間の部分(1対のカップ部2の接続部)の他、1対のカップ部2とも重なっている。なお、重なり部55は、
図3に示す背面視で、1対のカップ部2の間と重なっていなくてもよく、また、1対のカップ部2と重なっていなくてもよい。
【0089】
このブラジャー1bによれば、保形シート5bにより、第1実施形態の保形シート5に比べて、さらにバストアップさせ、その状態を適確に保持することができる。
【0090】
以上のような第3実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0091】
なお、第3本実施形態は、第2実施形態および第4実施形態にも適用することができる。
【0092】
以上、第3実施形態のブラジャー1bについて説明した。このようなブラジャー1b(カップ付き衣類)では、1対の保形シート5bは、1対のカップ部2の接続部(土台フロント31の右側のカップ部2と左側のカップ部2との間の部分)で重なった状態で交差している。
【0093】
このようなブラジャー1b(カップ付き衣類)によれば、保形シート5bにより、第1実施形態の保形シート5に比べて、さらにバストアップさせ、その状態を適確に保持することができる。
【0094】
また、前述したように、一方のカップ部2に設けられている保形シート5bの長手方向の他方のカップ部2側の端部51は、他方のカップ部2に接続されており、他方のカップ部2に設けられている保形シート5bの長手方向の一方のカップ部2側の端部51は、一方のカップ部2に接続されている。これにより、保形シート5bにより、第1実施形態の保形シート5に比べて、さらにバストアップさせ、その状態を適確に保持することができる。
【0095】
<第4実施形態>
図4は、本発明のカップ付き衣類の第4実施形態であるブラジャーを示す背面図(装着者側から見た図)である。
【0096】
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0097】
第4実施形態は、パッドポケットが追加されていること以外は、前記第2実施形態と同様である。
【0098】
図4に示すように、第4実施形態のブラジャー1cは、さらに、1対のパッドポケット22を有している。また、1対のパッドポケット22の構成は、前記第1実施形態と同様である。したがって、パッドポケット22の説明は省略する。
【0099】
以上のような第4実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0100】
以上、本発明のカップ付き衣類を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0101】
また、前記実施形態では、カップ付き衣類としてブラジャーを例に挙げて説明したが、本発明では、カップ付き衣類は、ブラジャーに限定されず、この他、例えば、ブラキャミソール(キャミソール)、ブラスリップ(スリップ)、ボディースーツ、コルセット、チューブトップ、タンクトップ等のインナー(ファンデーション)、チューブトップ、タンクトップ、ワンピース、ドレス等のアウター、レオタード、水着等が挙げられる。