(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-101113(P2021-101113A)
(43)【公開日】2021年7月8日
(54)【発明の名称】遠心ポンプの回転速度を制御する方法
(51)【国際特許分類】
F04D 15/00 20060101AFI20210611BHJP
【FI】
F04D15/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-45392(P2021-45392)
(22)【出願日】2021年3月19日
(62)【分割の表示】特願2019-548618(P2019-548618)の分割
【原出願日】2018年3月7日
(31)【優先権主張番号】102017203990.6
(32)【優先日】2017年3月10日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】エクル,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】シュレラー,ヨアヒム
【テーマコード(参考)】
3H020
【Fターム(参考)】
3H020AA07
3H020BA11
3H020BA18
3H020CA01
3H020CA04
3H020DA03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、開油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法に関す
る。
【解決手段】 ポンプ制御のコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望のおよび実
際の吐出レベルを考慮してポンプ駆動の所望の回転速度を計算し、コントローラは、所望
の回転速度を計算するために測地高さを記述するための補正パラメータを考慮する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法であって、
ポンプ制御システムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実
際の揚程を考慮して、ポンプ駆動の所望の回転速度を決定し、
前記所望の回転速度を計算するために、前記コントローラは、測地高度を記述するため
の補正パラメータを考慮する、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記コントローラは、設定値を決定するための基礎として少なくとも親和性の法則の要
素を使用し、特に、前記設定値の計算のために前記回転速度と前記揚程との間の二次関係
を仮定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コントローラは、前記所望の回転速度と前記所望の揚程との間の二次関係、および
前記実際の回転速度と前記実際の揚程との間の二次関係の比から前記所望の回転速度を決
定する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記二次関係によって定義される放物線は、前記補正パラメータによって座標原点に変
位される、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記補正パラメータの値は、ポンプの動作中に決定される、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポンプの試運転時に、前記補正パラメータに既知の初期値、特にゼロの値が割り当
てられる、
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記補正パラメータは、ポンプの動作中に、制御誤差、特に前記所望の揚程と前記実際
の揚程との間の差から導出される、
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記補正パラメータは、式1を使用して計算される、
ことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【数1】
【請求項9】
前記補正パラメータは、初期試運転時のポンプの動作中に、および/または定期的に周
期的な間隔で、および/またはランダムな間隔で決定される、
ことを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実行するためのポンプ制御システムを備
えた遠心ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法に関し、ポンプ
制御システムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実際の揚程
を考慮して、ポンプ駆動の所望の回転速度を決定する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の現在の回転速度制御の遠心ポンプは、主にPIコントローラを使用して所望
の回転速度を決定する。P構成要素を使用して、ポンプが所望の値に到達する速さを決定
することができる。I構成要素を使用して、動的に持続する制御偏差を除去する方法を設
定することができる。I構成要素がゼロの場合、永続的な制御偏差が常に残る。
【0003】
両方の制御パラメータの構成がシステム全体のダイナミクスに影響するため、制御パラ
メータを個別に調整することはできないが、システムダイナミクスの全体的な考慮からの
み調整することができる。したがって、実際には、これらのパラメータを正しく調整する
ことは非常に困難である。PIコントローラまたはPIDコントローラの調整に関する古
典的な規則は、線形システムにも言及しており、それ以外の場合は、動作点で事前に線形
化を実行する必要がある。後者の場合、検出された制御パラメータは通常、選択された動
作点の近くでのみ最適に調整される。
【0004】
上記の理由により、回転速度制御の遠心ポンプにPIコントローラを使用することは最
適なソリューションではない。一方、ポンプは強い非線形の挙動を示す。一方、ポンプは
異なる動作領域で安定して動作できる必要がある。例えば、ポンプの起動時の動作点は、
一定のポンプ動作時の動作点と異なる場合がある。したがって、PIまたはPIDコント
ローラの制御パラメータの調整は、ポンプのこれらの異なる動作点間の妥協に常に基づい
ている。
【0005】
上記の問題の結果として、他の制御定式がすでにテストされている。1つの例は、親和
性の法則に基づいて動作する、いわゆる親和性コントローラによって提供される。これら
のタイプのコントローラは、特にさまざまな動作状況でも堅牢であると見なされており、
前述の制御パラメータの複雑な調整は廃止される。しかしながら、これらのタイプのコン
トローラの不利な制約は、閉油圧回路でしか使用できないことである。開回路では、特定
の状況下で測地高度を克服する必要がある場合、上記の量の変化と制御との間の数学的関
係は満足のいく結果につながらない。
【発明の概要】
【0006】
したがって、前述の問題を解決するために、適切なコントローラの変更が求められる。
【0007】
この目的は、請求項1の構成を備えた方法によって達成される。この方法の有利な設計
は、従属請求項の対象である。
【0008】
本発明によれば、開油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法が提案さ
れる。この方法は、ポンプ制御システムのコントローラに基づいており、ポンプ制御シス
テムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実際の揚程を考慮し
て、ポンプ駆動の所望の回転速度を計算する。このコントローラは、PIコントローラで
もPIDコントローラでもない。コントローラの変更は、ポンプで処理される測地高度を
考慮して補償するために、少なくとも1つの補正パラメータによる拡張を想定している。
この補正パラメータを用いて、制御定式を開油圧回路にも使用することができる。
【0009】
補正パラメータを使用して揚程/回転速度曲線を変位させる場合、特に揚程/回転速度
曲線の垂直変位を提供する場合は特に好ましい。その結果、測地高度の補償を簡単に行う
ことができる。
【0010】
制御定式の提案された拡張は、親和性の法則を利用して所望の値または設定値を決定す
るタイプのコントローラにとって特に有利であり、これらを以下では親和性コントローラ
と呼ぶ。有利な設計によれば、制御定式は、設定値の計算のために、回転速度と揚程との
間の二次関係を仮定する。これにより、補正パラメータによって上下に変位し得る放物線
の制御曲線が得られる。
【0011】
さらに、そのようなタイプのコントローラでは、所望の回転速度計算のために、所望の
回転速度と所望の揚程との間の二次関係を、実際の回転速度と実際の揚程との間の二次関
係と比較することが好ましい。所望の回転速度は、この比率に基づいて決定することがで
きる。二次関係を反転させることにより、同時にポンプの非線形挙動を補償することがで
きる。これにより、線形システムと同じ方法でポンプを安定させることができる。
【0012】
本発明の別の好ましい設計によれば、回転速度と揚程との間の二次関係によって定義さ
れる制御曲線の放物線は、補正パラメータによって座標原点に変位し、それにより、ポン
プの圧力側または吸込側のどちらかで測地高度を補償することができる。
【0013】
実際には、補正値は油圧システム全体に存在する条件に依存する。測地高度およびした
がって補正パラメータに必要な値も、ポンプの動作中に変化し得る。このため、ポンプの
動作中にポンプ制御システムによって補正パラメータの値が自動的に決定されることが望
ましい。
【0014】
補正パラメータの自動決定の1つのオプションは、ポンプの試運転時に定義可能な初期
値を補正パラメータに最初に割り当てることである。適切な初期値は、例えばゼロである
。所望の揚程と実際の揚程の両方がポンプ制御システムに認識されているため、測地高度
の補正に必要な補正パラメータの値は、動作中に発生する制御誤差から決定することがで
きる。補正パラメータの値は、その後、所望の揚程が達成されるまで調整することができ
る。
【0015】
数学的には、補正パラメータkの決定は、以下の式を使用して説明することができる。
【数1】
【0016】
ここで、表現errは、所望の揚程と発生している実際の揚程の間で発生するエラー(
誤差)値を特徴付ける。したがって、所望の揚程と発生している実際の揚程との間の差を
記録することにより、ポンプ制御システムは現在のエラー値を認識し、ポンプ制御システ
ムは上記の式に基づいて補正値kを計算することができる。
【0017】
補正パラメータの決定が定期的に実行されることが特に好ましく、周期的な間隔で繰り
返される場合が特に好ましい。これは、ポンプの動作中に測地高度が変化する可能性があ
る場合に特に適している。初期試運転の直後に補正パラメータを決定することも適切であ
る。あるいは、未定義のランダムな時点で補正値を決定することも可能である。
【0018】
本発明の方法に加えて、本発明は、本発明の方法を実行するためのポンプ制御システム
を備えた遠心ポンプにも関する。したがって、本発明の方法の文脈ですでに詳細に上述し
たものと同じ利点および特性が遠心ポンプに生じる。このため、繰り返しの説明は行わな
い。
【0019】
本発明のさらなる詳細および利点は、図面の複数の表現を用いて以下により詳細に説明
される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】閉油圧回路の回転速度/揚程の特性曲線を示す。
【
図2】開油圧回路の回転速度/揚程の特性曲線を示す。
【
図3】従来の制御技術と比較した本発明の制御形式の制御品質を示すための時間/揚程の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の核となる概念は、遠心ポンプの回転速度制御のための新しいタイプのコントロ
ーラの使用にある。従来技術で提案されているものとは異なり、PIまたはPIDコント
ローラに頼ることはないが、代わりにいわゆる親和性コントローラが使用され、これは、
親和性の法則を使用して設定値/所望の値を決定するので、回転速度と結果として生じる
遠心ポンプの揚程との間の二次関係に基づいている。
【0022】
この親和性コントローラの機能説明については、
図1を参照されたい。図では、調整さ
れたポンプ回転速度に対して揚程がプロットされている。この図は、揚程Hと回転速度n
との間の二次関係を詳細に示しており、これは、
H〜n
2 (式1)
で記述することができる。
【0023】
さらに、実際の回転速度n
actualと所望の回転速度n
desiredは、
図1の
表示に例示的に示されている。二次関係により、所望の値と実際の値の比は以下の式に従
って決定される。
【数2】
【0024】
所望のおよび実際の揚程は、動作中に常に認識される。現在存在する実際の回転速度も
既知である。所望の回転速度(設定値)は、式3に従って親和性コントローラによって計
算される。
【数3】
【0025】
このようにして、コントローラは常に正しい所望の揚程に適応する。揚程と回転速度と
の間の二次関係を逆にすることにより、ポンプの非線形動作が補償され、ポンプは線形シ
ステムと同じ方法で安定化される。コントローラは異なる動作状況で堅牢であり、コント
ローラパラメータの時間のかかる調整は不要になる。
【0026】
親和性コントローラの1つの制限は、以前の設計では閉じた油圧回路でしか使用できな
いことである。測地高度を克服する必要がある開回路では、
図1のH/n曲線が変位し、
数学的関係が変化する。
【0027】
本発明の概念は、開油圧回路内で許容可能な結果をもたらすような方法での親和性コン
トローラの修正にある。本発明によれば、これは、測地高度を記述するための1つのパラ
メータによる親和性コントローラの拡張によって達成される。
【0028】
図2の曲線は、吸込側測地高度が優勢であるという仮定の下で、揚程と回転速度との間
の関係を示している。測地高度により、放物線は座標の原点を通過しなくなるが、値kだ
け下方に変位する。
H〜n
2−k (式4)
【0029】
正圧側の測地高度が優先される場合、曲線は上方に変位する。親和性コントローラを以
前の形式で使用する場合、所望の揚程は実現されず、エラー値(err)によって置き換
えられる揚程が実現される。
【0030】
このエラー(err)は、式1と式2との間の関係をパラメータkだけ拡張することで
修正することができる。
【数4】
【0031】
このようにして、放物線は原点に戻され、所望の回転速度が式6に従って計算される。
【数5】
【0032】
1つの課題は、測地的な揚程、およびしたがってコントローラに必要なパラメータkが
常にわかっているとは限らないことである。したがって、このコンセプトの文脈では、動
作中にパラメータkを決定することが提案される。この目的のために、コントローラがオ
ンになったとき、kは最初にゼロであると想定される。したがって、
図2に示すように、
実際の揚程はエラー値(err)によって見逃されている。エラー値(err)は、ポン
プ制御システムによって所望の揚程と実際の揚程との間の差を記録した結果として知られ
る。式2と式5とを同等化することにより、補正値kはエラー値から決定することができ
る。
【数6】
【0033】
kは、動作中に測地的な揚程が変化し得るため、ポンプの動作中に定期的に決定される。
【0034】
図3は、3種類の異なるコントローラのテスト結果を示している。テスト済みの制御パ
スは、測地的な揚程を克服する必要があるポンプである。コントローラとして、PIコン
トローラ、従来の親和性コントローラ、および補正パラメータの形式での本発明の拡張を
備えた親和性コントローラもテストされた。所望の揚程は、テストしたすべてのタイプの
コントローラで5mである。
【0035】
図3は、個々のタイプのコントローラによって設定された、時間に対する実際の揚程の
図を示している。測地高度の補正を行わない従来の親和性コントローラの曲線プロファイ
ル2は、最初は非常に強いオーバーシュートを示すが、制御偏差の反復補正の結果、それ
でも所望の揚程が達成される。曲線プロファイル3のPIコントローラもその所望の値に
達するが、この結果にはコントローラパラメータの正しい調整に多大な労力が必要である
。測地高度を考慮に入れた親和性コントローラの曲線1は、最良の結果を示している。オ
ーバーシュートや恒久的な制御偏差はなく、所望の揚程が迅速に達成される。さらに、コ
ントローラパラメータを調整する必要はない。これにより、動作特性が変化しても、コン
トローラの高い安定性が保証される。
【手続補正書】
【提出日】2021年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心ポンプの回転速度を制御する方法であって、
ポンプ制御システムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実際の揚程を考慮して、ポンプ駆動の所望の回転速度を決定し、
前記コントローラは、設定値を決定するための基礎として少なくとも親和性の法則の要素を使用し、特に、前記設定値の計算のために前記回転速度と前記揚程との間の二次関係を仮定する
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記コントローラは、前記所望の回転速度と前記所望の揚程との間の二次関係、および前記実際の回転速度と前記実際の揚程との間の二次関係の比から前記所望の回転速度を決定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所望の回転速度を計算するために、前記コントローラは、測地高度を記述するための補正パラメータを考慮することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記二次関係によって定義される放物線は、前記補正パラメータによって座標原点に変位されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記補正パラメータの値は、ポンプの動作中に決定されることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記ポンプの試運転時に、前記補正パラメータに既知の初期値、特にゼロの値が割り当てられることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記補正パラメータは、ポンプの動作中に、制御誤差、特に前記所望の揚程と前記実際の揚程との間の差から導出されることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記補正パラメータは、式1を使用して計算され
ることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【数1】
【請求項9】
前記補正パラメータは、初期試運転時のポンプの動作中に、および/または定期的に周期的な間隔で、および/またはランダムな間隔で決定されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実行するためのポンプ制御システムを備えた遠心ポンプ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は
、油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法に関し、ポンプ制御システムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実際の揚程を考慮して、ポンプ駆動の所望の回転速度を決定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によれば
、油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法が提案される。この方法は、ポンプ制御システムのコントローラに基づいており、ポンプ制御システムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実際の揚程を考慮して、ポンプ駆動の所望の回転速度を計算する。このコントローラは、PIコントローラでもPIDコントローラでもない。コントローラの変更は、ポンプで処理される測地高度を考慮して補償するために、少なくとも1つの補正パラメータによる拡張を想定している。この補正パラメータを用いて、制御定式を開油圧回路にも使用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
提案された
制御定式は
、所望の値または設定値を決定する
親和性の法則を利用し、そのようなタイプのコントロー
ラを以下では親和性コントローラと呼ぶ。有利な設計によれば、制御定式は、設定値の計算のために、回転速度と揚程との間の二次関係を仮定する。これにより、補正パラメータによって上下に変位し得る放物線の制御曲線が得られる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図3は、個々のタイプのコントローラによって設定された、時間に対する実際の揚程の図を示している。測地高度の補正を行わない従来の親和性コントローラの曲線プロファイル2は、最初は非常に強いオーバーシュートを示すが、制御偏差の反復補正の結果、それでも所望の揚程が達成される。曲線プロファイル3のPIコントローラもその所望の値に達するが、この結果にはコントローラパラメータの正しい調整に多大な労力が必要である。測地高度を考慮に入れた親和性コントローラの曲線1は、最良の結果を示している。オーバーシュートや恒久的な制御偏差はなく、所望の揚程が迅速に達成される。さらに、コントローラパラメータを調整する必要はない。これにより、動作特性が変化しても、コントローラの高い安定性が保証される。
なお、原出願の出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
開油圧回路で動作する遠心ポンプの回転速度を制御する方法であって、
ポンプ制御システムのコントローラは、実際の回転速度と同様に、所望の揚程および実際の揚程を考慮して、ポンプ駆動の所望の回転速度を決定し、
前記所望の回転速度を計算するために、前記コントローラは、測地高度を記述するための補正パラメータを考慮する、
ことを特徴とする、方法。
請求項2:
前記コントローラは、設定値を決定するための基礎として少なくとも親和性の法則の要素を使用し、特に、前記設定値の計算のために前記回転速度と前記揚程との間の二次関係を仮定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
請求項3:
前記コントローラは、前記所望の回転速度と前記所望の揚程との間の二次関係、および前記実際の回転速度と前記実際の揚程との間の二次関係の比から前記所望の回転速度を決定する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
請求項4:
前記二次関係によって定義される放物線は、前記補正パラメータによって座標原点に変位される、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
請求項5:
前記補正パラメータの値は、ポンプの動作中に決定される、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
請求項6:
前記ポンプの試運転時に、前記補正パラメータに既知の初期値、特にゼロの値が割り当てられる、
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
請求項7:
前記補正パラメータは、ポンプの動作中に、制御誤差、特に前記所望の揚程と前記実際の揚程との間の差から導出される、
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
請求項8:
前記補正パラメータは、式1を使用して計算される、
ことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【数7】
請求項9:
前記補正パラメータは、初期試運転時のポンプの動作中に、および/または定期的に周期的な間隔で、および/またはランダムな間隔で決定される、
ことを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
請求項10:
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実行するためのポンプ制御システムを備えた遠心ポンプ。
【外国語明細書】