【実施例】
【0027】
実施例1:ガス循環
クロストリジウム・リュングダリイを用いて発酵を行なった。初期スタートアップ後、発酵は、H
2転化率の低下によって示唆されたパフォーマンスの混乱を経験した。H
2転化率が23.5%になった時間126でガス循環を実行した。
以下のようにガス循環を行なった:5分間ガス流速を30%減じる→さらに2分間-30%から-20%まで傾斜をつけて戻す→さらに2分間-20%から-10%まで傾斜をつけて戻す→最初の流速まで傾斜をつけて戻す;このプロセスを1時間毎に繰り返す。
発酵結果を
図2に示す。ガス循環処理中、H
2取込みは減少し続け、H
2転化率は160時間で15.6%の底に達した。H
2転化率は傾向を逆転し、上昇し、時間237でピークに達し、次の30時間維持した。a)高酸のリスクを潜在的に低減するため;及びb)H
2転化率が低下することを検証し、ガス循環再試験を可能にするため、ガス循環を時間270で意図的に停止した。
ある日(時間296)後、水素転化率が下降線をたどるにつれて、エタノールと酸は両方とも下降し始めた。308〜316の時間中、H
2転化率低下は加速した。H
2転化率が319時間で24%に達したとき、ガス循環を再開した。ガス循環中の溶解COは3.1〜3.8psia(2.1×10
4〜2.6×10
4Pa)の範囲にあった。
水素転化率の向上は、ガス循環を再開した後、6時間後に見られ、水素転化率は20時間で32%に向上した。発酵の残りの間ガス循環を続けた。
【0028】
実施例2:ガス循環を用いたH
2転化率の回復
クロストリジウム・リュングダリイを用いて発酵を行なった。
図3に示すように、発酵は、実験の間ずっと低い水素転化率を有した。水素転化率の低下傾向中にガス循環を実行し、水素転化率を回復させることができた。プロセスからガス循環を取り除くと、水素転化率は低下した。ガス循環中の溶解COは3.1〜4.1psia(2.1×10
4〜2.8×10
4Pa)の範囲にあった。
【0029】
実施例3:ガス循環を用いたH
2転化率の回復
クロストリジウム・リュングダリイを用いて発酵を行なった。
図4に示すように、480時間より前に、上述したようにガス循環を実行し、次に発酵槽が低細胞密度で作動する480〜600時間はガス循環を停止した。624時間に、発酵槽を再起動するが、ガス循環は722時間のプロセスタイムまで停止したままだった。水素転化率は、一定のガス流速下で50%(以上)から40%に低下していた。ガス循環を元通りにした後40秒でH
2転化率は回復して上方に戻った。ガス循環中の溶解COは2.2〜3.2psia(1.5×10
4〜2.2×10
4Pa)の範囲にあった。
【0030】
実施例4:パイロットプラント発酵槽でのガス循環
いずれのガス循環をも開始する前に下記条件に従ってパイロットプラントの主発酵槽を操作した。
反応器容積:245リットル
ガス供給速度:6SCFM(0.17m
3/分)
ガス組成:15%のH
2、10%のCO
2、30%のCO、及び45%のN
2
撹拌は38Hz又は355rpmで維持した。
発酵槽操作圧力は、液体で50%満たして温度制御ジャケットを用いて45psig(3.1×10
5Pa)だった。
理論的エタノール生産性(全ての変換ガスがエタノールを生産すると仮定)は、水再利用システムを作動させて約125g/L・日だった。
CO転化率及びH
2転化率は約77%及び42%だった。
エタノール濃度及びアセチル濃度は23g/L及び2.3g/Lだった。
細胞保持時間は19時間であり、液体保持時間は4.4時間だった。
ガス循環は以下のとおりだった:1時間毎に最初の10分でガス流速を10%上昇させてから50分間開始ガス供給速度に戻した。次の時間では、10分間ガス流速を10%低減させてから50分間再び開始ガス供給速度に戻した。
約1日間6SCFM(0.17m
3/分)の開始ガス供給速度下で発酵槽を操作した。2時間毎にガス供給速度を0.1SCFM(0.003m
3/分)低減させることによってガス速度を5.4SCFM(0.15m
3/分)に下げた。次にさらに54時間ガス供給速度を5.4SCFM(0.15m
3/分)で維持した。15分の持続時間ガス循環を20%の増減に変えた。さらに76時間難なく20%の循環下で発酵槽を操作した。次に持続時間を4時間に延長し、サイクル時間を8時間に延長して循環の振幅を50%に増やした。
【0031】
10%及び20%の振幅の循環のパフォーマンスを
図5〜10に示す。
図5は実験中のガス供給速度とガス保持時間を示す。ガス供給速度はベースガス供給速度に基づき、ガス保持時間は1時間毎のサンプリング中に記録されたガス供給速度に基づいている。データ測定は、1時間当たり1回である。
図5に示すように、循環後のガス保持時間は、循環時間中測定したときに一定の振幅と振動数を有するいくらかの周期的変動を伴うフラットライン上で安定していた。循環中に測定すると、周期的変動の振幅は、10%のガス循環より20%のガス循環中に大きかった。
図6は、H
2転化率とCO転化率を示す。この図は、循環前の5日のサンプリングを含む。CO転化率は循環後に比べて循環前は不規則だった。循環前のH
2転化率はかなり不安定であり、ジグザグの振幅は広く、振動数は不規則だった。ガス循環後、H
2転化率は、規則的振動でほぼ44%に安定していた。
図7は、ガス供給速度からの影響をも含むことを除き、
図5に示した転化率と同様である。循環前のCO取込みは、より高いガス供給速度のため循環後より高かった。H
2取込みは、循環後に高かった。
図8は、循環前後の生成物濃度を示す。一般的に循環後にエタノール濃度は増加し、酢酸濃度は減少した。
図9は、ガス循環前後の理論的生産性を示す。理論的生産性は、消費された全てのシンガスがエタノール生産まで進むと仮定する。
図10は、実際の生産性を示し、これはガス取込みの計算からではなく、測定された液体生成物濃度と液体流速に基づいている。
【0032】
ガス循環の利点を実現するための別の方法は、同一操作ゾーンの平均に基づいている。
表1は、COとH
2の平均転化率及び取込み並びにガス循環対ガス循環なしの理論的生産性を収載する。表2は、同一期間中の平均生成物濃度及び細胞濃度を収載する。シンガス供給速度が約6SCFM(0.17m
3/分)の10%循環は、H
2転化率を39〜42%の範囲から44.5%に高めるが、CO転化率にはわずかに影響を及ぼすだけだった。これは理論的生産性をわずかに向上させる可能性がある。混乱後にH
2転化率の上昇及びCO転化率の低下傾向があった。たとえガス循環前の最後の数時間カウントしただけでも、H
2転化率は約42.8%であり、循環後の平均44.5%よりまだ低かった。CO転化率は非常に近く、76.45%対76.33%だった。2回の13時間の循環なしの6SCFM(0.17m
3/分)の実験に基づくと、平均H
2転化率は38.92%であり、CO転化率は77.98%だった。10%循環はCO転化率を1.65%減少させたが、H
2転化率を約5.56%上昇させた。理論的生産性は128.06g/L・日から133.12g/L・日にわずかに増加した。循環なしの平均エタノール及び酢酸濃度は23.65g/L及び2.23g/Lだった。循環はエタノール濃度を24.31g/Lに増やし、酢酸濃度を2.83g/Lに増やした。
利点は、約5.4SCFM(0.15m
3/分)を循環させるとさらに明白だった。平均H
2転化率が44〜45%対33〜42%と高いのみならず、理論的生産性も124〜125g/L・日対112.5〜114g/L・日と高かった。
10%から20%への循環振幅の変化は平均転化率及び生産性にわずかに影響を及ぼすだけだった。CO転化率は約0.85%増加し、H
2転化率は約0.75%低下した。平均エタノール濃度は、24.72g/Lから25.92g/Lにわずかに増加し、酢酸濃度は2.73g/Lから2.23g/Lに減少した。
【0033】
表1. 平均ガス転化率、取込み及び理論的生産性
*移動ガスの混乱。ガス供給速度は1時間以内で3.5SCFM(0.099m
3/分)に下がってから、5.0SCFM(0.14m
3/分)に戻った。ガス流速は次の2時間以内でゆっくり6.0SCFM(0.17m
3/分)まで増加した。
#ガス循環前の最後の数時間のデータを用いるだけ。
【0034】
表2. 平均生成物及び細胞濃度
*移動ガスの混乱。ガス供給速度は1時間以内で3.5SCFM(0.099m
3/分)に下がってから、5.0SCFM(0.14m
3/分)に戻った。ガス流速は次の2時間以内でゆっくり6.0SCFM(0.17m
3/分)まで増加した。
#ガス循環前の最後の数時間のデータを用いるだけ。
【0035】
本明細書で開示した発明を特定の実施形態、実施例及びその応用を利用して説明したが、当業者は、それに加えて、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱することなく多くの変更形態及び変形形態を構成できるだろう。
【0036】
本発明の主たる特徴及び態様は以下のとおりである。
[1]CO含有基質の発酵プロセスであって、下記工程:
前記CO含有基質を発酵槽に供給して目標CO供給速度を得る工程;及び
CO供給速度を前記目標CO供給速度の約7の標準偏差以内に維持する工程
を含み、
前記CO供給速度は、約0.25mM以下の発酵内溶解CO濃度及び10gの全アルコール/(L・日)以上のSTYを維持するのに有効である、前記プロセス。
[2]前記CO供給速度を、目標CO供給速度と、前記目標CO供給速度から約7の標準偏差との間で循環させる、前記第1項のプロセス。
[3]前記CO供給速度が、前記目標CO供給速度達成後の総発酵時間の少なくとも約1%〜約20%の間、前記目標CO供給速度の約4〜約7の標準偏差以内である、前記第2項のプロセス。
[4]前記CO供給速度が、前記目標CO供給速度達成後の総発酵時間の少なくとも約1%〜約10%の間、前記目標CO供給速度の約3〜約5の標準偏差以内である、前記第2項のプロセス。
[5]前記CO供給速度が、前記目標CO供給速度達成後の総発酵時間の少なくとも約1%〜約10%の間、前記目標CO供給速度の約1〜約3の標準偏差以内である、前記第2項のプロセス。
[6]前記目標CO供給速度が、目標細胞密度を与えるのに有効なCO供給速度である、前記第1項のプロセス。
[7]前記目標細胞密度が約3g/L〜約30g/Lである、前記第1項のプロセス。
[8]前記発酵槽に供給される前記CO含有基質が約0.75以上のCO/CO
2モル比を有する、前記第1項のプロセス。
[9]前記目標CO供給速度が約4〜約8のSCFM(約0.1〜約0.2m
3/分)である、前記第2項のプロセス。
[10]CO含有基質の発酵プロセスであって、下記工程:
前記CO含有基質を発酵槽に供給する工程;
前記CO含有基質を発酵させて目標細胞密度及び目標CO供給速度を得る工程;
前記目標CO供給速度を約35%以下減じて低減したCO供給速度を与える工程;
前記低減したCO供給速度を約20分間以下維持する工程;及び
前記低減したCO供給速度を前記目標CO供給速度に戻す工程
を含み、
10gの全アルコール/(L・日)以上のSTYを与えるのに有効である、前記プロセス。
[11]前記目標CO供給速度を約35%以下減じる工程と前記低減したCO供給速度を約20分間以下維持する工程を1時間当たり少なくとも約1回繰り返す、前記第10項のプロセス。
[12]前記目標細胞密度が約3g/L〜約30g/Lである、前記第10項のプロセス。
[13]前記目標CO供給速度が、目標細胞密度を与えるのに有効なCO供給速度である、前記第10項のプロセス。
[14]前記発酵槽に供給される前記CO含有基質が約0.75以上のCO/CO
2モル比を有する、前記第10項のプロセス。
[15]前記発酵が酢酸生成菌を含む、前記第10項のプロセス。
[16]前記酢酸生成菌が、アセトゲニウム・キブイ、アセトバクテリウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネウス、カルダナエロバクター・サブテラネウス・パシフィカム、カーボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・アセトブチリカムP262(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 10061)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 23693)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 24138)、クロストリジウム・カルボキシディボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカチイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイERI2(ATCC 55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC 55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC 55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パストゥリアヌム(DSMZ GermanyのDSM 525)、クロストリジウム・ラグスダリP11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、デスルホトマクルム・クズネツォビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセティカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェニジイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアネロバクター・キブイ、及びその混合物から成る群より選択される、前記第15項のプロセス。
[17]CO含有基質の発酵プロセスであって、下記工程:
前記CO含有基質を発酵槽に供給する工程;
前記CO含有基質を発酵させて目標細胞密度及び目標CO供給速度を得る工程;及び
約0.25mM以下の発酵内溶解CO濃度を維持する工程
を含み、
10gのエタノール/(L・日)以上のSTYを与えるのに有効である、前記プロセス。
[18]前記目標CO供給速度を約35%以下減じて低減したCO供給速度を与える工程;前記低減したCO供給速度を約20分間以下維持する工程;及び前記低減したCO供給速度を前記目標CO供給速度に戻す工程をさらに含む、前記第17項のプロセス。
[19]下記工程:
a)発酵への目標CO供給速度を前記目標CO供給速度の約25%〜約35%減じて第1の低減したCO供給速度を与え、この第1の低減したCO供給速度を約1〜約10分間維持する工程;
b)発酵への前記第1の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約15%〜約25%低減した第2の低減したCO供給速度を与え、この第2の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;
c)発酵への前記第2の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約5%〜約15%低減した第3の低減したCO供給速度を与え、この第3の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;及び
d)前記第3の低減したCO供給速度を前記目標供給速度以上に増加する工程
によって前記溶解CO濃度を維持する、前記第17項のプロセス。
[20]工程a)〜d)を1時間当たり少なくとも約1回繰り返す、前記第19項のプロセス。
[21]前記目標細胞密度が約3g/L〜約30g/Lである、前記第17項のプロセス。
[22]前記目標CO供給速度が、目標細胞密度を与えるのに有効なCO供給速度である、前記第17項のプロセス。
[23]前記目標CO供給速度が約0.90〜約2.0の標準立法フィート毎時毎リットル(約0.025〜約0.057の標準立法メートル毎時毎リットル)である、前記第22項のプロセス。
[24]全アルコールが約75質量パーセント以上のエタノールを含む、前記第17項のプロセス。
[25]全アルコールが約20質量パーセント以下のブタノールを含む、前記第17項のプロセス。
[26]前記発酵槽に供給される前記CO含有基質が約0.75以上のCO/CO
2モル比を有する、前記第17項のプロセス。
[27]前記発酵が酢酸生成菌を含む、前記第17項のプロセス。
[28]前記酢酸生成菌が、アセトゲニウム・キブイ、アセトバクテリウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネウス、カルダナエロバクター・サブテラネウス・パシフィカム、カーボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・アセトブチリカムP262(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 10061)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 23693)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 24138)、クロストリジウム・カルボキシディボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカチイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイERI2(ATCC 55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC 55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC 55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パストゥリアヌム(DSMZ GermanyのDSM 525)、クロストリジウム・ラグスダリP11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、デスルホトマクルム・クズネツォビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセティカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェニジイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアネロバクター・キブイ、及びその混合物から成る群より選択される、前記第27項のプロセス。
[29]CO含有基質の発酵中のCO阻害を回避するためのプロセスであって、下記工程:
前記CO含有基質を発酵槽に供給し、前記CO含有基質を発酵培地と接触させる工程;
前記CO含有基質を発酵させる工程;
前記発酵培地内の溶解CO濃度を決定する工程;及び
約0.25mM以下の発酵内溶解CO濃度を維持する工程
を含み、
10gの全エタノール/(L・日)以上のSTYを与えるのに有効である、前記プロセス。
[30]下記工程:
a)発酵への目標CO供給速度を前記目標CO供給速度の約25%〜約35%減じて第1の低減したCO供給速度を与え、この第1の低減したCO供給速度を約1〜約10分間維持する工程;
b)発酵への前記第1の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約15%〜約25%低減した第2の低減したCO供給速度を与え、この第2の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;
c)発酵への前記第2の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約5%〜約15%低減した第3の低減したCO供給速度を与え、この第3の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;及び
d)前記第3の低減したCO供給速度を前記目標供給速度以上に増加する工程
によって前記溶解CO濃度を維持する、前記第29項のプロセス。
[31]工程a)〜d)を1時間当たり少なくとも約1回繰り返す、前記第30項のプロセス。
[32]前記第1のCO供給速度が、目標細胞密度を与えるのに有効なCO供給速度である、前記第29項のプロセス。
[33]前記第1のCO供給速度が約0.90〜約2.0の標準立法フィート毎時毎リットル(約0.025〜約0.057の標準立法メートル毎時毎リットル)である、前記第32項のプロセス。
[34]前記目標細胞密度が約3g/L〜約30g/Lである、前記第30項のプロセス。
[35]前記発酵槽に供給される前記CO含有基質が約0.75以上のCO/CO
2モル比を有する、前記第29項のプロセス。
[36]前記プロセスが少なくとも約25%以上のH
2転化率を維持するのに有効である、前記第29項のプロセス。
[37]前記発酵が酢酸生成菌を含む、前記第29項のプロセス。
[38]前記酢酸生成菌が、アセトゲニウム・キブイ、アセトバクテリウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネウス、カルダナエロバクター・サブテラネウス・パシフィカム、カーボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・アセトブチリカムP262(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 10061)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 23693)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 24138)、クロストリジウム・カルボキシディボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカチイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイERI2(ATCC 55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC 55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC 55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パストゥリアヌム(DSMZ GermanyのDSM 525)、クロストリジウム・ラグスダリP11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、デスルホトマクルム・クズネツォビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセティカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェニジイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアネロバクター・キブイ、及びその混合物から成る群より選択される、前記第37項のプロセス。
[39]CO含有基質の発酵プロセスであって、下記工程:
前記CO含有基質を発酵槽に供給する工程;
前記CO含有基質を発酵させて目標細胞密度及び目標CO供給速度を得る工程;及び
少なくとも約25%以上のH
2転化率を維持する工程
を含み、
10gのエタノール/(L・日)以上のSTYを与えるのに有効である、前記プロセス。
[40]下記工程:
a)発酵への目標CO供給速度を前記目標CO供給速度の約25%〜約35%減じて第1の低減したCO供給速度を与え、この第1の低減したCO供給速度を約1〜約10分間維持する工程;
b)発酵への前記第1の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約15%〜約25%低減した第2の低減したCO供給速度を与え、この第2の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;
c)発酵への前記第2の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約5%〜約15%低減した第3の低減したCO供給速度を与え、この第3の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;及び
d)前記第3の低減したCO供給速度を前記目標供給速度以上に増加する工程
によって前記溶解CO濃度を維持する、前記第39項のプロセス。
[41]工程a)〜d)を1時間当たり少なくとも約1回繰り返す、前記第40項のプロセス。
[42]前記目標CO供給速度が、目標細胞密度を与えるのに有効なCO供給速度である、前記第39項のプロセス。
[43]前記目標細胞密度が約3g/L〜約30g/Lである、前記第39項のプロセス。
[44]前記目標CO供給速度が約0.90〜約2.0の標準立法フィート毎時毎リットル(約0.025〜約0.057の標準立法メートル毎時毎リットル)である、前記第39項のプロセス。
[45]前記発酵槽に供給される前記CO含有基質が約0.75以上のCO/CO
2モル比を有する、前記第39項のプロセス。
[46]前記発酵が酢酸生成菌を含む、前記第39項のプロセス。
[47]前記酢酸生成菌が、アセトゲニウム・キブイ、アセトバクテリウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネウス、カルダナエロバクター・サブテラネウス・パシフィカム、カーボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・アセトブチリカムP262(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 10061)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 23693)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 24138)、クロストリジウム・カルボキシディボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカチイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイERI2(ATCC 55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC 55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC 55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パストゥリアヌム(DSMZ GermanyのDSM 525)、クロストリジウム・ラグスダリP11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、デスルホトマクルム・クズネツォビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセティカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェニジイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアネロバクター・キブイ、及びその混合物から成る群より選択される、前記第46項のプロセス。
[48]CO含有基質の発酵プロセスであって、下記工程:
前記CO含有基質を発酵槽に供給する工程;
前記CO含有基質を発酵させて目標H
2転化率及び目標CO取込みを得る工程;及び
H
2転化率及びCO取込みをモニターする工程;及び
前記H
2転化率を約25%〜約95%の範囲に維持し、かつ前記CO取込みを約0.001〜約10ミリモル/分/グラム(乾燥細胞)の範囲に維持する工程
を含む、前記プロセス。
[49]下記工程:
a)発酵への目標CO供給速度を前記目標CO供給速度の約25%〜約35%減じて第1の低減したCO供給速度を与え、この第1の低減したCO供給速度を約1〜約10分間維持する工程;
b)発酵への前記第1の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約15%〜約25%低減した第2の低減したCO供給速度を与え、この第2の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;
c)発酵への前記第2の低減したCO供給速度を増加して、前記目標CO供給速度の約5%〜約15%低減した第3の低減したCO供給速度を与え、この第3の低減した供給速度を約1〜約5分間維持する工程;及び
d)前記第3の低減したCO供給速度を前記目標供給速度以上に増加する工程
によって溶解CO濃度を維持する、前記第48項のプロセス。
[50]工程a)〜d)を1時間当たり少なくとも約1回繰り返す、前記第49項のプロセス。
[51]前記発酵が酢酸生成菌を含む、前記第48項のプロセス。
[52]前記酢酸生成菌が、アセトゲニウム・キブイ、アセトバクテリウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネウス、カルダナエロバクター・サブテラネウス・パシフィカム、カーボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマンス、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・アセトブチリカムP262(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 19630)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 10061)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 23693)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(DSMZ GermanyのDSM 24138)、クロストリジウム・カルボキシディボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカチイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイERI2(ATCC 55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC 55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC 55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パストゥリアヌム(DSMZ GermanyのDSM 525)、クロストリジウム・ラグスダリP11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、デスルホトマクルム・クズネツォビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセティカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェニジイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアネロバクター・キブイ、及びその混合物から成る群より選択される、前記第51項のプロセス。