【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示会 第3回 農業Week大阪2019(第3回 関西次世代農業EXPO、第3回 関西6次産業化EXPO、第3回 関西農業資材EXPOにて構成) 開催場所 大阪市住之江区南港北1−5−102インテックス大阪 展示日 令和1年5月22日〜令和1年5月24日(展示会開催日)
【課題】被包装物を内側にしてフィルムシートをU字に湾曲させ当該U字の上端をシールすることでセンターシールを設け、被包装物の前後にてフィルムシートをシールしてトップシールとテールシールを形成する包装装置について、トップシールとテールシールの皺を確実に低減する。
U字にしたフィルムシート3の上端をシールすることでセンターシールを設け、被包装物1の前後にてフィルムシート3をシールしてトップシールとテールシールを形成するものであり、トップシール及びテールシールの形成前にフィルムシート3のトップシール及びテールシールを形成する部分を伸ばす皺取り装置18と、皺取り装置18の動作に先立ち、左右からフィルムシート3を押さえ、先行する被包装物1と後続の被包装物1の間において屈曲するフィルムシートの左右の幅を狭めておく皺取りガイドを備えた包装装置を提供する。
前記フィルムシートの底部は、前記トップシールと前記被包装物との間及び前記テールシールと前記被包装物との間の夫々に、ガゼットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装体。
前記簡易閉鎖部は、フィルムシートの前記左右両側部のうちの少なくとも一方の内側面に設けられて、前記包装体の左右及び上下と直交する前後方向へ伸び或いは当該前後方向へ断続的に複数配列された、粘着シールを備えたものである請求項1乃至3の何れかに記載の包装体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の1つの実施形態にかかる包装体と、その包装をおこなう包装装置および包装方法を、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
図1において、Aは包装体で、かかる包装体Aは、被包装物1と、当該被包装物1を周囲(外方)から囲うフィルムシート3とを有する。 前記被包装物1は、前記フィルムシート3の内面3iと接触することを嫌う又はフィルムシート3によって外方から押圧されることを嫌う物であって、この実施形態では、「やきそばパン」を例に挙げて、述べる。
なお、「やきそばパン」とは、ロールパンの上面に挟み溝が形成され、その挟み溝に「やきそば」が挟み込まれた形態のパンを言い、所謂「調理パン」の一種である。
また、この実施形態では、前記フィルムシート3として、透明なフィルムシートが使用されている。 しかし、フィルムシート3としては、半透明なフィルムシート又は不透明的なフィルムシートであってもよい。
【0013】
この実施形態では、前記包装体Aは、
図3(a)に図示するように、前記フィルムシート3の幅方向の中央部に被包装物1が載置された状態で、
図1(a),(b)、
図2(b)に示す如く、下方から当該被包装物1の底部1bと両側部1sが前記フィルムシート3で覆われている。
また、前記包装体Aは、
図1(a),(b)に図示するように、被包装物1の上方部位で、前記フィルムシート3の幅方向の両端部3e(側端部3e)が上方に持ち上げられた状態でシールされることにてセンターシールSsが形成されており、かかる被包装物1の上端と、センターシール後のフィルムシート3との間に、隙間空間Suが形成された状態で包装されている。
そして、
図1(a),(b)に図示するように、前記包装体Aは、前記被包装物1の前方部位でシールされてトップシールToが形成されるととも当該被包装物1の後方部位でシールされてテールシールTaが形成され、全体がフィルムシート3で覆われた状態となっている。また、前記トップシールToが形成される部位の後方部位の底部にガゼットGが形成されるとともに、前記テールシールが形成される部位の前方部位の底部にガゼットGが形成されている。
【0014】
この結果、
図1(b)に図示するように、前記包装体Aは、ソースが付着した「やきそば」の部分が前記フィルムシート3の内面3iに接触せず、従って、ソースによって、フィルムシート3の内面3iが汚されることはない。
また、前記フィルムシート3が、被包装物1の上部において当該被包装物1を外方から押圧するようなこともない。
また、前記包装体Aを手で持ったり,あるいは機械的に把持して通箱等に入れあるいは出したりする際にも、かかる包装体Aの上端部分、すなわち、前記センターシールSsした部位を把持すれば、前記「やきそば」の部分が前記フィルムシート3の内面3iに接触するようなこともない。
【0015】
そして、前記被包装物1は、以下に述べるような構成の包装装置Bによって、機械的にフィルムシート3で逆ピロー形式で包装した、包装体Aにすることができる。
つまり、
図2に図示するような包装装置Bによって、前述した
図1(a),(b)に示す包装体Aを形成することができる。 以下、本包装装置Bの構成とその動作および作用について説明する。
【0016】
本実施形態にかかる包装装置Bは、
図2(a)に図示する如く、搬送装置10と、シート状のフィルムを供給するフィルムシート供給装置11と、前記シート状のフィルムをU字状に屈曲形成するフォーマー12と、シート状のフィルムの両端をシールするセンターシール装置13と、トップシール装置14と、テールシール装置15と、第1のガゼット形成装置16と、第2のガゼット形成装置17とを具備している。
【0017】
本実施形態にかかる前記搬送装置10は、フィルムシート供給装置11のフィルムシート3の供給速度と同じ速度で同期して、上流側から下流側へ、被包装物1を搬送するよう構成されている。
そして、この実施形態では、前記搬送装置10は、第1の搬送手段である搬送コンベヤ10aと、その下流側に配置されている、第2の搬送手段である搬出コンベヤ10bとを具備している。
そして、前記搬送コンベヤ10aと搬出コンベヤ10bの搬送面10f上には、前記フィルムシート供給装置11のフィルム供給ドラム11bから繰り出される帯状のフィルムシート3が供給されるよう構成されている。
この実施形態では、前記搬送コンベヤ10aと前記搬出コンベヤ10bとして、ベルトコンベヤが採用されている。
そして、前記搬送コンベヤ10aは、下流端(ヘッドプーリ)が搬送方向(
図2(a)の矢印Xで示す方向参照)に伸縮可能に構成されている。この結果、後述するトップシールToとテールシールTaを形成するシール動作に際して、前記前記搬送コンベヤ10aの下流端が反搬送方向に後退して、
図4(b)に示す前記トップシール装置14とテールシール装置15の各シール手段14a,15a、およびこれらに対応して設けられた後述する皺取り装置18,18が動作ポジションに位置しようとする際に、当該搬送コンベヤ10aと物理的に干渉しないように構成されている。つまり、
図2(b)に図示するように、前記搬送コンベヤ10aの下流端が上流方へ収縮して前記搬出コンベヤ10bとの間に隙間Sfが形成され、前記干渉が防止されるよう構成されている。
【0018】
前記搬送コンベヤ10a の上流端には、
図2(a)に図示するように、前記フォーマー12が設けられており、かかるフォーマー12は前記供給されるフィルムシート3の供給方向(移動方向)を反転させるとともに、
図3(a)に図示するようにフィルムシート3をU字状に屈曲させて、かかるフィルムシート3の幅方向の中央部位が前記搬送コンベヤ10a の搬送面10f に略当接しその両側の部分が上方に立ち上がったU字状の状態を形成する。
そして、
図2(a),
図3(a)に図示するように、前記フィルムシート3の幅方向の中央部位に、作業者の手で又は供給装置(図示せず)によって、前記被包装物1が載置される。
【0019】
前記搬送コンベヤ10aの搬送方向中央部分の上方部位には、
図2(a)に図示されるように、前記フィルムシート3を下流方へ送る駆動ローラ対11cが配置されるとともに、その下流方には、せンターシールSsをおこなう前記センターシール装置13が配置されている。なお、前記駆動ローラ対11cと前記センターシール装置13は、前記供給速度と同じ速度でフィルムシート3を下流側へ送るように構成されている。
前記センターシール装置13は、加熱ヒータを内蔵した左右一対のローラ13cを備えており、フィルムシート3の両側端部を重ね合わせた状でシール(センターシールSs)するように構成されている。つまり、かかるセンターシール装置13は、
図3(a)に図示するようなU字状のフィルムシート3を、
図3(b)に図示するような筒状に形成する。 そして、前記筒状に形成されたフィルムシート3の内部には、前記被包装物1である「やきそばパン」が包み込まれる(
図3(b)参照)。
なお、
図2(a),
図3(a)に図示するように、前記センターシール装置13の上流方(前記駆動ローラ対11cの上流方)には、前記センターシールSsの高さ方向の寸法を調節する調節器20が配置され、上端部の調整つまみ20aで前記寸法を調節することが可能に構成されている。
【0020】
図2に図示するように、前記搬送コンベヤ10aと搬出コンベヤ10bとの間には、前記トップシール装置14,前記テールシール装置15,前記第1のガゼット形成装置16と前記第2のガゼット形成装置17、前記皺取り装置18,18と、切断装置Cuが、後退・進入可能に設けられている。
前記トップシール装置14とテールシール装置15と皺取り装置18,18は、
図2に図示するように、側面視において、前記搬送コンベヤ10aの搬送面10fに対して略垂直(この実施形態の場合には、傾斜角が略5度程度上方で下流側に偏位するように傾斜するよう)に、それらのシール長手方向が一致するような状態で、共通のフレーム19に配置され、前記筒状に形成されたフィルムシート3を、内部に被包装物1が入った状態で、シール動作(トップシールToおよびテールシールTa形成のシール動作)可能に配置されている。前記傾斜角としては、被包装物1の長さやフィルムシート3の厚さ等によって、略0度から7度程度とすることも可能である。具体的には、おむすびのような搬送方向の長さが短い被包装物1の場合には、前記傾斜角は略0度で良好な包装ができる。一方、長さの長い被包装物1の場合には、前述のように、前記傾斜させることが好ましい。
そして、
図4(a),(b)に図示するように、前記トップシール装置14と前記テールシール装置15は、挟み動作(
図4(a)の矢印Y参照)可能に配置される、各左右一対設けられたシール手段14a,15aを有する。そして、前記シール手段14aと前記シール手段15aとは、下端部が、前記フレーム19に対して、フィルムシート3の中心方へ挟み動作(矢印Y参照)可能に構成され、それぞれの間に挟んだ前記筒状のフィルムシート3に対して、トップシールToおよびテールシールTaすることが可能に構成されている。
【0021】
また、前述の如くトップシールToとテールシールTaを形成する際に、当該トップシールToとテールシールTa部分の間を前記切断装置Cuによって切断して、被包装物1(包装体A)毎に包装が完了したものを切り離すよう構成されている。このような切断装置Cuの構成としては、例えば、
図5に図示するように、前記シール手段14aと前記シール手段15aと、それらの間に設けられた切断用ヒータ部分とを、1つのブロック28の平面(表面)に配置することによって、実現できる。前記切断装置Cuの切断手段としては、前記切断用ヒータに代えて、他の手段、例えば、カッター(刃物)を用いることもできる。
また、前記トップシールToとテールシールTaを形成する際(前)には、
図2(b)に図示するように、前記フレーム19の搬送方向の前後両側に配置された前記第1のガゼット形成装置16と前記第2のガゼット形成装置17の各ガゼット爪16a,17aが、搬送面10fより上方位置まで、矢印R(
図4(a)参照)に示す寸法だけ(この例では搬送面10fより下方から被包装物1の約半分程度の高さまで)上昇して、前記フィルムシート3の底面を押し上げることによって、
図1(a),(b)に図示するように、この包装体Aの前端部と後端部の底部に前記ガゼットGを形成するよう構成されている。
また、前記トップシールToと前記テールシールTaの各シール形成前には、
図4に図示する、左右一対のレバー18aを備えた皺取り装置18が、作動して、当該レバー18aに回転可能に配置された皺取りベルト18cの回転によって、前記シールしようとする部位のフィルムシート3に発生しようとする皺を取り除くよう構成されている。
この実施形態の場合、前記レバー18aは、上端部の支持軸18bを中心に矢印Qに図示するように下端部が揺動してフィルムシート3を両側から挟む「挟み動作」可能に構成されている。そして、前述のように挟んだ状態で、前記左右のレバー18aの周囲を周回する皺取りベルト18cの回転動作によって、間に挟み込まれたフィルムシート3の皺を可及的にとるよう構成されている。
前記トップシール装置14とテールシール装置15および前記切断装置Cuは、前記1つのブロック28が、前述のように「挟み動作(
図4(a)参照)」するよう構成されているが、これに代えて、当該ブロック28が水平方向にスライド動作することによって、両側から当接して、前記シールおよび切断するように構成してもよい。ただ、前記皺をとる性能において、
図4(a),(b) に図示する構成の「挟み動作」の方が良好におこなえる点で好ましい。
【0022】
上記各ブロック28は、アーム29を介して上記フレーム19(
図2(a)(b)及び
図4(a))へ取り付けられている(
図7(b))。
被包装物1の搬送方向を前後方向として、アーム29は、フレーム19に対し左右に1対備えられている。アーム29先端(下端)側は夫々被包装物1を内側にしてU字状に湾曲し且つ上端側にトップシールSsを形成されたフィルムシート3の左右に位置する。
対となるアーム29の基端(上端)側の夫々は、フレーム19(
図2及び
図4)へ軸止されている。アーム29の夫々は、上記基端側を中心に回転する。
アーム29の上記回転により、左右のブロック28は、フィルムシート3の左右からフィルムシート3を挟むことでフィルムシート3に対し、先行する被包装物1の後方にテールシールTaを形成し後続の被包装物1の前方へトップシールToを形成すると共に当該テールシールTaとトップシールToとの間にてフィルムシート3を切断する(
図4及び
図5)。
この例では、上記ブロック28は両アーム29の対向する部位の夫々へ支持部材30を介して設けられている(
図7(b)及び
図10)。
図示は省略するが、アーム29はモータや動力シリンダ、その他のアクチュエータといった周知の動力源から駆動力を受けて上記の通り開閉動作を行う。
【0023】
ここで上記皺取り装置18について更に詳しく述べる。
この例では、上記一対の皺取り装置18の夫々は、上記のレバー18aと、レバー駆動部18fと、少なくとも2つのローラ18d、18eと、上記の皺取りベルト18cと、図示しないローラ駆動部とを備える(
図7(b)及び
図8)。以下皺取りベルト18cを単にベルト18cと呼ぶ。
長尺状のレバー18の上端は支持軸18bにてフレーム19へ軸止されている。レバー18aは支持軸18bを中心としてフレーム19に対して回動することができる。対なす上記レバー18a同士は、支持軸18bを中心とする上記回動によって、レバー18aの先端(下端)間を開閉する。レバー18aの上端側に上記ローラ18d,18eの一方が軸止され、レバー18bの下端側に上記ローラ18d,18eの他の一方が軸止されている。両ローラ18d,18e間へ上記ベルト18cが掛けられている。
レバー18aはレバー駆動部18fから駆動力を受けて支持軸18aを中心に上記回転を行う。
レバー駆動部18fは、モータや動力シリンダその他のアクチュエータといった周知の動力源と、ギア或い動力伝達ベルトとプーリといった動力伝達機構を備える。この例ではレバー駆動部18fは、電動シリンダか或いは流体圧シリンダを備えるものとした。
尚、レバー駆動部18f(の動力源)を上記アームの動力源と独立したものとするか、或いは同一の動力源から別々の動力伝達手段にて動力の供給を受けるものとして、レバー18aはアーム29の開閉と独立して開閉の動作を行えるものとすればよい。
【0024】
ローラ18d,18eの一方は駆動用ローラであり、当該駆動用ローラの回転によって、上記ベルト18cが循環する。この例では、レバー18aの上端側のローラ18dが上記駆動用ローラであり、レバー18aの下端側のローラ18eがベルト18cの循環移動に追従して回転する従動ローラである。
駆動用ローラであるローラ18dは、上記ローラ駆動部から駆動力を受けて回転する。
上記ローラ駆動部とローラ18dとが、特許請求の範囲の「駆動部」と対応する。
ローラ駆動部は、駆動源となるモータを備え、必要に応じ当該モータからの駆動力を伝達するギア、或いは駆動ベルトやプーリなどの動力伝達部を備える。
尚、
図4へ示す例では、支持軸18bを共有して両レバー18aはフレーム19へ軸止されているのに対して、
図7、
図8及び
図10へ示す例では両レバー18aは夫々別々の独立した支持軸18bにてフレーム19へ軸止されている。即ち
図7、
図8及び
図10へ示す例では、1対のレバー18aは、トップシールSsの上方左右に配置された支持軸18bの夫々にてフレーム19へ軸止されている。また、1対のレバー18aは、同軸上に配置された別々の支持軸18bの夫々にてフレーム19へ軸止されるものであってもよい。
尚、
図4、
図7、
図8及び
図10において、上記支持軸18bはローラ18dに隠れている。
【0025】
両ベルト18cは、上記開閉により対なすレバー18a間が閉じることでU字状のフィルムシート3の外側面へ当接する。環状のベルト3においてレバー18aからフィルムシート3を臨む区間が、上記レバー18aの開閉によってフィルムシート3と当接する部分となる。当該区間において、ベルト18cは上方から下方(
図8の矢印m方向)へ向けて移動する。
ベルト18cの当該移動によって、ベルト18cの上記区間は、センターシールSs側から下方に向け、U字状にされたフィルムシート3の外側面を連続して倣い、皺を伸ばす。
この例において、レバー18aの長さは、センターシールSsが設けられたフィルムシート3の上下の幅よりも大きく、レバー18aの上端は搬送されるフィルムシート3の(センターシールSs)上端よりも上方に位置し、レバー18bの下端は被包装物1を内側にして湾曲するフィルムシート3底部よりも下方に位置する(
図7(b))。
この例では、皺取り装置18は、上記ブロック28の前後(被包装物1の搬送方向についてブロック28の上流側と下流側)へ1対づつ設けられている(
図2(a))。以下必要に応じて、被包装物1の搬送の上流側に配置された左右1対の皺取り装置18の夫々を上流側皺取り装置18と、被包装物1の搬送の下流側に配置された左右1対の皺取り装置18の夫々を下流側皺取り装置18と呼ぶ。
【0026】
前記トップシールToおよび前記テールシールTaの各シール動作する際、およびガゼットGを形成する際には、また前記皺取り動作をおこなう際には、これらの動作と干渉しないように、前述のように、前記搬送コンベヤ10aの下流端(ヘッドプーリ部分)が上流方へ収縮(移動)して、前記搬送コンベヤ10aの下流端と前記搬出コンベヤ10bの上流端との間に隙間Sfが形成される。なお、このように隙間Sfが形成されている際には、前記搬送コンベヤ10aは搬送動作を停止するよう構成されている。
【0027】
ところで、
図2に図示するように、前記搬出コンベヤ10bは、前記トップシールToおよびテールシールTaのシール動作の際に、上流端の揺動軸10dを中心に、矢印Rrに示すように、チルトシリンダ10c(
図6参照)の伸縮によって所定角度Rr(この実施形態では例えば最大約15度程度)だけ揺動(チルト)するよう構成されている。前記フィルムシート3の厚さが厚い場合には約15度程度揺動し、また、前記包装体Aの長さが長いもの(例えばやきそばパン)の場合にも約15度程度揺動する。 かかる揺動動作は、前記包装体Aの底部に寸法的なゆとりを付与し、前述したガゼットGの形成がスムーズにおこなえるようにするために、おこなわれる。前記所定角度Rrとしては、被包装物1の長さやフィルムシート3の厚さ等によって、略0度から20度程度とすることも可能に構成されている。具体的には、おむすびのような被包装物1の場合には、前記所定角度Rrは略0度で良好な包装ができる。
また、この実施形態のように、前記トップシール装置14とテールシール装置15の前記傾斜角が、前記搬出コンベヤ10bの揺動する所定角度の約1/2程度〜1/3程度に設定されていると、包装体Aの上部の長さを底部の長さより長く形成することができる点で、つまり、前記包装体Aの上部の寸法を長く構成できる点で、好ましい構成となる。すなわち、包装体Aの上部に空間的なゆとりを形成する。
なお、前記揺動動作する際には、前記搬出コンベヤ10bは搬出動作を停止するよう構成されている。
【0028】
また、
図2(a),(b)あるいは
図4(a),(b)に図示するように、前記搬出コンベヤ10bが、前記揺動軸10dを中心に矢印Rrに示す如く揺動(チルト)する際に、前記包装体Aの位置決めがおこなわれるよう、前記フレーム19の上流方と下流方に各隣接して、前記センターシールSs部分を把持する把持装置21,22が、設けられている。かかる把持装置21,22は、いずれも、
図4(a),(b)に図示するように、上方の枢支軸21a(22a)を中心に揺動する一対の把持腕21b,22bで、両側からフィルムシート3の前記センターシールSs部分を挟持するよう、構成されている。
図4(a)(b)へ示す例では、上流方の把持装置21の1対の把持腕21bの夫々は、1つの枢支軸21aを共有し、下流方の把持装置22の1対の把持腕22bの夫々も、枢支軸22aを共有している。尚、上流方の把持装置21の1対の把持腕21bの夫々は、同軸上に配置された別々の枢支軸21aにて軸支され、下流方の把持装置22の1対の把持腕22bの夫々は、同軸上に配置された別々の枢支軸22aにて軸支されるものとしてもよい。
【0029】
把持装置21,22は、把持腕21b,22bを駆動する駆動装置27を備える(
図7(b)、
図9及び
図10)。駆動装置27は、モータや動力シリンダーその他のアクチュエータといった周知の動力源を備え、当該動力源から駆動力を把持腕21b,22bへ伝達する。この例では、駆動装置27は、電動シリンダか或いは流体圧シリンダを備える。把持装置21,22の駆動装置により、アーム29や皺取り装置18の開閉動作と独立して対をなす把持腕21b,22bの開閉を行うことができる。
より具体的には、被包装物1の搬送方向についてブロック28へ隣接し、上流側皺取り装置18の上流側へ一方の把持装置21が配置され、下流側皺取り装置18の下流側へ一方の把持装置22が配置されている。即ち、被包装物1の搬送方向についてブロック28へ隣接し、上流側皺取り装置18の上流側へ左右1対の把持腕21bが配置され、下流側皺取り装置18の下流側の下流側へ左右1対の把持腕22bが配置されているのである。
尚、
図4では、図面の煩雑を避けるため次に説明する皺取りガイド26を省略している。
また、
図7、
図9及び
図10へ示す例では、上流方の把持装置21の1対の把持腕21bの夫々は、センターシールSsの左右上方に配置された別々の枢支軸21aにて軸支され、下流方の把持装置22の1対の把持腕22bの夫々も、センターシールSsの左右上方に配置された別々の枢支軸22aにて軸支されている。
【0030】
把持装置21,22夫々の上記把持腕21b,22bには、上記皺取りガイド26が設けられている。即ち上記上流側の把持装置21の左右の保持腕21bの夫々に皺取りガイド26が設けられ、上記下流側の把持装置22の左右の保持腕22bの夫々にも皺取りガイド26が設けられている(
図7(b)、
図9及び
図10)。
左右の保持腕21b,22bの夫々に設けられて上記の左右対なす皺取りガイド26の夫々は、各把持腕21b,22bから下方へ伸び、把持腕21b,22bの上記開閉と一体に作動して、フィルムシート3のセンターシールSsより下方の部分を押さえる。
上記の通り左右対なす皺取りガイド26の夫々は、保持腕21b,22bの開閉にて開閉する。即ち保持腕21b,22bの開閉にて左右対なす皺取りガイド26同士が接近しフィルムシート3の左右から屈曲するフィルムシート3の左右外側面を押さえる。この皺取りガイド26によるフィルムシート3の左右外側面の押さえにて、上記2対の皺取り装置18の皺取りの動作に先立ち、先行する被包装物1と後続の被包装物1の間においてフィルムシート3の左右の幅を狭めておくのである。
また対なす皺取りガイド26の夫々は、下端に向け互いの間隔を漸次広げるようにカーブする湾曲部分26aを備える。当該湾曲部分26aの形成により、対なす皺取りガイド26同士を接近させたとき、上方から下方に向けて順次フィルムシート3を押さえて行き、皺取り装置18のベルト18cによる上方から下方へ向けて皺を伸ばす動作をより円滑に行うことができる。
皺取りガイド26はこの例では、3mm径の棒又は厚さ2mm上下の幅(高さ)50mmの板を採用する。但し、皺取りガイド26の当該形態や寸法や例示であり、フィルムシート3の寸法の変更に応じて変更して実施すればよい。
【0031】
前記包装装置Bの駆動用のモータ(例えば、インバータ式モータ等)や空圧シリンダ等の各アクチュエータ等、および、各位置に設けられた複数の検知装置31,32,33は、
図6のブロック図に示す如く、本包装装置Bの制御装置25に信号線で接続されており、検知装置からの検知信号を受け所定の制御信号を発して、所定の包装をおこなうよう構成されている。
【0032】
前述のように構成された本実施形態にかかる包装装置Bは、前記包装体Aを形成するに際し、以下のように動作して、本実施形態にかかる包装方法を実施する。つまり、本包装装置Bは、前記フィルムシート3上に載置される被包装体1を、前記した逆ピロー形態の包装体Aに包装することができる。
以下、前記包装装置Bの制御装置25による制御内容と共に、本包装装置Bの包装動作(包装方法)について、説明する。
【0033】
本包装装置Bの始動スイッチをONすると、前記搬送コンベヤ10a、前記搬出コンベヤ10b、前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11cおよびセンターシール装置13、トップシール装置14、テールシール装置15、皺取り装置18等の各装置が、作動状態(待機状態)となる(ステップ1)。
かかる状態で、前記フォーマー12上のフィルムシート3に被包装物1が載置されると、当該載置の位置近傍に設けられた前記検知装置31(
図6)が被包装物1の載置を検知する(ステップ2)。
かかる検知により、前記搬送コンベヤ10a、前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11cおよび前記センターシール装置13が動作して、フィルムシート3とともにその上の被包装物1が下流側に送られ、その間に、前記センターシール装置13で前記センターシールSsがおこなわれる(ステップ3)。
【0034】
そして、前記被包装物1が前記搬送コンベヤ10aの下流端近傍の所定位置に搬送されてくると、当該所定位置近傍に設けられた前記検知装置32が当該所定位置への被包装物1の到来を検出して、前記搬送コンベヤ10aと前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11c、前記センターシール装置13を停止させる(ステップ4)。
次に、前記制御装置25は、前記搬送コンベヤ10aの下流端部を収縮させて、前記搬出コンベヤ10bとの間に隙間Sf(
図2(b)参照)を形成する(ステップ5)。
前記隙間Sfが形成されたことを隙間Sf近傍に配置された前記検知装置33が検出すると、続いて、前記把持装置21,22が、前記所定位置にある被包装物1のセンターシールSs部分を把持し、次に前記搬出コンベヤ10bが、
図2(b)に図示するように、上流端部の揺動軸10dを中心に矢印Rrに示すように揺動(チルト)する(ステップ6)。
【0035】
上記ステップ6の状態で、被包装物1の前方部位および後方部位において下方から前記第1のガゼット形成装置16と前記第2のガゼット形成装置17の各ガゼット爪16a,17aが、搬送面10fより上方位置まで矢印R(
図4(a)参照)に示す距離上昇して、フィルムシート3を持ち上げ、前記被包装物1の前後に近接した部位でフィルムシート3にガゼットGを形成する(ステップ7)。
また、上記ステップ7の状態で、前記皺取り装置18が作動して、トップシールToおよびテールシールTaしようとする部位近傍のフィルムシート3に発生しようとする皺を取り除く(ステップ8)。
【0036】
上記のステップ8について、更に詳しく説明する。
ステップ1からステップ7に至るまで、トップシール装置14のシール手段14a及びテールシール装置15のシール手段15a即ちブロック28と、皺取り装置18と、把持装置21,22の各装置は、作動状態(待機状態)にある。即ちステップ1からステップ7に至るまで、1対のアーム29と、皺取り装置18の1対のレバー18aと、把持装置21,22の対なす把持腕21b,22bの夫々は開いている。
ステップ7の遂行後、或いは遂行中、ステップ8により、先ず皺取り装置18の作動に先立ち、両把持装置21,22が作動して対なす上流方の把持腕21bと、対なす下流方の把持腕22bの夫々を閉じ、上流方の把持腕21b間及び下流方の把持腕22b間の夫々にてセンターシールSsを挟む。把持腕21b,22bの動作に伴って2対の皺取りカイド26において、対なす皺取りカイド26同士が接近してフィルムシート3を左右から押さえる。次いで、上流方及び下流方の各皺取り装置18において対なすレバー18a間が閉じ先行する被包装物1と後続の被包装物1の間にてフィルムシート3を左右から挟みベルト18cの上記循環にてフィルムシート3の皺取りを行う。尚、ステップ8は、次のステップ9と共に、ステップ7遂行前のステップ6の状態で実行されるものとしてもよい。
【0037】
上記ステップ8遂行後、前記トップシール装置14と前記テールシール装置15とが作動する。つまり、
図4(b)に図示するように、上記両装置14,15のシール手段14aとシール手段15a(
図5参照)のそれぞれが、フィルムシート3をフィルムシート3の左右両側から挟んで(矢印Y参照)トップシールToとテールシールTaを形成する(ステップ9)。
また、前記トップシールToとテールシールTaの形成とともに、前記切断装置Cuのヒータが作動して、前記搬出コンベヤ10b上の先頭の被包装物1を包むフィルムシート3が、その後続の被包装物1を包むフィルムシート3から切り離され、その結果、
図1に図示する包装体Aができあがる。
【0038】
即ち、ステップ8の皺取り装置18の上記作動後、ステップ9にて対なすアーム29同士が閉じ、ブロック28にてフィルムシート3の先行する被包装物1と後続の被包装物1の間を左右両側からを挟み、先行する被包装物1の後方へテールシールTaを形成し後続の被包装物1の前方へトップシールToを形成すると共に両シール間を切断し、先行する被包装物1を包装する包装体Aを完成させる。
ステップ8からステップ9において、上述の通り皺取りガイド26、レバー28a(ベルト18c)、トップシール装置14とテールシール装置15の両装置(ブロック28)の順に閉じて行くのである。
なお、包装開始当初前記搬出コンベヤ10b上には、被包装物1が存在しないので、先頭の被包装物1前方のトップシールToのみ実行されることになる。
【0039】
次に、前記搬出コンベヤ10bが揺動(チルト)した状態から水平状態に戻り、前記皺取り装置18のレバー18a、前記第1のガゼット形成装置16と第2のガゼット形成装置17、前記搬送コンベヤ10aの下流端が、元の位置(待機ポジション)に戻り、且つ、前記把持装置21,22の把持が開放される(ステップ10)。
このステップ10において、ブロック28(トップシール装置14及びテールシール装置15)の対が開いた直後に、レバー18a(ベルト18c)の対と皺取りガイド26(把持装置21,22の把持腕21b,22b)の対が開く。
【0040】
そして、前記搬出コンベヤ10b、前記搬送コンベヤ10a、前記フィルムシート供給装置11、前記駆動ローラ対11cおよび前記センターシール装置13が、再び動作して、前記搬出コンベヤ10b上の前記包装体Aは下流側に搬出される。なお、包装開始当初前記搬出コンベヤ10b上には、被包装物1が存在しないので、当該搬出はない。
また、前記搬出動作とともに、次の被包装物1が前記搬送コンベヤ10aから前記搬出コンベヤ10b上に移動して、前記ステップ4からステップ10に記載した一連の動作を繰り返し、前記フィルムシート3上に載置された被包装物1は、逆ピロー形態で順次包装されることになる。
【0041】
前述の如く、一連の包装のためのステップが前記包装装置Bによって実行されることによって、前述した包装体A(
図1参照)ができあがる。
【0042】
ところで、前記実施形態では、被包装物1として、「やきそばパン」を例に挙げて説明したが、被包装物としては、上部がフィルムと可及的に接触せず又はフィルムによって内方に押圧されたくない物、例えば、農産物である「しめじ」であってもよく、あるいは「おむすび」やその他の物品であってもよい。また、上部がフィルムと可及的に接触せず又はフィルムによって内方に押圧されたくない物以外の物であっても、前記同様の形態に包装することができる。
【0043】
なお、前記実施形態は単なる1つの実施形態であって本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、種々の形態で実施できることは言うまでもない。
【0044】
(変更例)
皺取りガイド26は、把持装置21,22へ備えられるものとしたが、この他、皺取りガイド26の夫々は、把持装置21,22とは別に設けられ、把持装置21,22と独立して開閉できるものとしてもよい。
また、上記の皺取りが円滑に行えるものであれば、ブロック28の上記上流側にのみ設けるものとしてもよい。
【0045】
上述してきた実施の形態では、テールシール装置15(シール手段15a)とトップシール装置14(シール手段15a)と切断装置Cuの夫々は、1対のブロック28の夫々に設けられ一体に作動するものとしたが、各装置は夫々独立したブロックに設けるものとしても実施できる。
図1の例では、センターシールSsと被包装物1との間に隙間空間Suを備える包装体Aを示したが、トップシールTo及びテールシールTaの左右側面と面一となる起立したセンターシールSsを形成するものであればよく、
図1の例において隙間空間Suを備えない包装体Aを形成するのを排除するものではない。
【0046】
図1〜
図10の実施の形態では、包装体AにセンターシールSsを形成するものとした。
この他、本発明では、上記のセンターシールSsを備えず上端側を開口部4とする包装体Aを形成することもできる(
図12及び
図13)。
図12及び
図13へ示す包装体Aは、フィルムシートの内面と接触することを嫌う又はフィルムシートによって外方から押圧されることを嫌う被包装物1の包装に適した包装体である。
図12及び
図13へ示す包装体Aにおいても、フィルムシート3に載置された状態で、下方から底部と両側部が当該フィルムシート3で覆われるとともに、被包装物1に対するフィルムシート3の左右の部位は、被包装物1を内側にしてフィルムシート3の左右両端部を被包装物1の上方へ配置するものである点、
図1〜
図10の例と同様である。
【0047】
一方、
図12及び
図13へ示す包装体Aでは、フィルムシート3の左右両端部3e同士はシールされず、フィルムシート3は、左右両端部3e即ち上端にて開口する上記開口部4と、被包装物1の前方にてフィルムシート3の左右の内面を重ね合わせた状態にシールするトップシールTo及び被包装物1の後方にてフィルムシート3の左右の内面を重ね合わせた状態にシールするテールシールTaと共に備える。
図12及び
図13トへ示す例でも、トップシールToとテールシールTaが、被包装物1の前方と後方において夫々上下に伸びる。
【0048】
上記開口部4は、被包装物1上方の隙間空間Suよりも上方にて開口する。開口部4を通じて包装体Aの上方から被包装物1を出し入れすることができる。
フィルムシート3の左右両側部には、開口部4より下方であって収容された被包装物1よりも上方の位置に、フィルムシート3を左右に貫通する手提げ用穴5が設けられている。
手提げ用穴5は、この例では、前後方向(
図12(A)において左右)の幅を上下方向の幅よりも大きなものとする長孔であり、指を掛けるのに適した大きさを備える(
図13)。
円滑に指を掛けることができるものであれば、手提げ用穴5を
図12及び
図13へ示す長円状の穴に限定するものではなく、矩形や矩形以外の多角形、或いは正円や他の円以外の曲線や当該曲線と直線に取り囲まれた輪郭を備えるものとして実施できる。
図12及び
図13へ示す例においても、フィルムシート3の底部は、トップシールToと被包装物1との間及びテールシールTaと被包装物1との間の夫々に、ガゼットGが形成されている。
【0049】
上記手提げ用穴5の形成により、
図12へ示す通り、指を手提げ用穴5へ通して手hに提げて包装体Aを持ち運ぶことができ、包装体Aの携帯を容易となる。
包装体Aを安定させる必要がない場合、上記ガゼットGを形成せずに実施してもよい。上記において、例えば手持ちしないときは手提げ用穴5を壁掛けフックに掛けるなどして展示や保管を行うものである場合、包装体AへガゼットGを設けずにおくこともできる。
但し、包装体Aをテーブルや台の上に置く場合、包装体Aを安定したものとする点や、更にはトップシールToとテールシールTaとを安定して上下へ向け、トップシールToとテールシールTaとの間隔を適切に維持するという点で、包装体Aへ上記ガゼットGを形成しておくのが好ましい。手提げ用穴5という隙間空間Suに通じる貫通孔が穿たれた上、センターシールSsを排除されている上記包装体Aにおいて、形状の安定性を確保するために、トップシールToとテールシールTaとを適切に形成するのは重要であり、皺取り装置18及び皺取りガイド26による皺取りは、
図1〜
図10の例にも増して重要なものとなっている。
従来は本発明に係る包装装置のように、皺取り装置18と皺取りガイド26の皺取りによるトップシールToとテールシールTaの適切な形成を可能とするものはなかった。このため、手提げ用穴5を備えたウエブをセットして手提げ用穴5付きの包装体Aを自動的に製造することができる包装装置Aというものは想像すらされなかった。
本発明に係る包装装置は、上記手提げ用穴5付きの包装体Aの製造を自動化を可能とし、これまで無かった手提げ可能な包装体、特に自立型の包装体を提供できたのである。
【0050】
図12及び
図13へ示す包装体Aは、下方から上方に向かうにつれて、トップシールToとテールシールTaとの間の間隔が漸次広がるように、トップシールToとテールシールTaとは、鉛直方向に対し傾斜している。但し、
図14(A)(B)へ示す通り、トップシールToとテールシールTaとは傾斜せず鉛直方向に伸びるものとしてもよい。
【0051】
図12及び
図13へ示す包装体Aの内面には、被包装物1の主として下部において、被包装物1の前方と後方を包むように内張シート6が張られている。
内張シート6は、プラスチックフィルムの小片であり、接着剤や圧着などの周知の固定手段にてフィルムシート3の内側に取り付けられている。
内張シート3は包装体Aの形状を安定させ、被包装物Aの保護に供する。また、被包装物1を視認できる透明のフィルムシート3を採用した場合、内張シート6には彩色されたカラーフィルムを採用することで、包装体Aの装飾性を高めることができる。
但し、包装体Aの補強や装飾性の向上が不要であれば、包装体Aへ内張シート6を設けずに実施してもよい。、
【0052】
図12及び
図13へ示す包装体Aについては、フィルム供給装置11のフィルム供給ドラム11bへ
図11aへ示す手提げ用穴5を設けられた帯状のフィルムシート3(ウエブ)をセットすることで、
図2〜
図10へ示す包装装置Bを用いて製造することができる。
また
図12及び
図13へ示す包装体Aの製造にあたり、包装装置Bは、センターシール装置13の加熱ヒータを発熱をさせない即ちフィルムシート3へセンターシールSsを形成させない状態として稼働させる。この場合、発熱しないセンターシール装置13が特許請求の範囲の重ね装置に対応し、シールせずにフィルムシート3の左右両端部3eの内面同士を重ね合わせるのである。包装装置Bによる
図12〜
図14に示す包装体Aの製造において、上記重ね装置とするセンターシール装置13発熱させないこと以外、
図1〜
図10を用いて説明した上述の例と同様である。
尚、
図11へ示すフィルムシート3では、内張シート6を省略しているが、フィルムシート供給装置11へセットする帯状のフィルムシート3(ウエブ)として手提げ用穴5と共に内張シート6を備えたものを用意すればよい。
またフィルムシート3には貫通孔として完成した手提げ用穴5を備えるものの他、手提げ用穴5を設ける位置へ手提げ用穴5とする領域を取り囲む弱め線を備えたものとし、包装体Aの携帯時に弱め線で取り囲む領域を切り離して手提げ用穴5を設けるものとしてもよい。
【0053】
包装体Aへ開口部4を設ける場合、センターシール装置13を発熱させず重ね装置として機能させ、包装体AへセンターシールSsを設ける場合、センターシール装置13の加熱ヒータを発熱させればよく、
図2〜
図10へ示す装置1台で使い分けることができる。
但し、開口部4を備えた包装体A専用の包装装置として、センターシール装置に代えて発熱機能を備えずフィルムシート3の左右両端部3eの内面同士を重ね合わせるのみの重ね装置を採用して実施することも可能である。重ね装置は、発熱機能(前述の加熱ヒータ)を備えない以外前述のセンターシール装置13と同様の構成のものを採用することができる。
【0054】
また、包装装置Bを開口部4を備えた包装体A専用の包装装置とする場合において、上記のように別途の重ね装置を採用する他、フィルムシート供給装置11の駆動ローラ対11cが上記重ね装置を兼ねるものとしてもよいし、上記把持装置21,22が上記重ね装置を兼ねるものとしてもよい。
【0055】
上記において、センターシール装置11の左右一対のローラ13cと、フィルムシート供給装置11の駆動ローラ対11cと、把持装置21,22の何れも単独で、上記重ね装置を構成するものであってもよいが、兼用する上記装置が連携して重ね装置を構成するものであってもよい。
上記において、センターシール装置11の左右一対のローラ13cを重ね装置として利用する場合も、別途一対のローラを専用の重ね装置とする場合も、フィルムシート供給装置11の駆動ローラ対11cや把持装置21,22を重ね装置として代用する場合も、各装置が上記の通り連携して重ね装置を構成する場合も、上下方向について少なくともフィルムシート3の上端(開口部4)と手提げ用穴5との間に対し左右から挟んでフィルムシート3の左右両側部の内面同士を重ね合わせるものとする(
図11(b))。即ちセンターシールSsを備える包装体Aであったなら当該センターシールSsが設けられる位置にて、重ね装置によりフィルムシート3の左右両側部の内面同士を重ね合わせるのである。
図12〜
図14の例ではセンターシールSsを備えないものの、ガゼットGにて安定した状態で上下に伸びるトップシールToとテールシールTa、更に当該トップシールToとテールシールTaとに囲まれ且つ開口部4と被包装物1との間に配置された隙間空間Suを備えた、自立性を有する自立型パック(スタンドパック)として包装体Aを構成することにより、被包装物1の上部については、トップシールToとテールシールTaと両シールTo,Taに支持され隙間空間Suを取り囲むフィルムシート3の左右両側部とにて保護が図られている。
【0056】
尚、センターシールSsを備え開口部4を備えない包装体Aにおいても、上記手提げ用穴5を設けて実施してもよい。センターシールSsを備える包装体Aに手提げ用穴5を設ける場合、
図11(A)へ示すフィルムシート3を用い、
図1の包装体Aと同様、センターシール装置13にてセンターシールSsを形成すればよいのである。
また、手提げ用穴5を備えたフィルムシート3へセンターシールSsを設ける場合、手提げ用穴5より上方の
図1(a)(b)の包装体Aと同様の位置へセンターシールSsを形成する。但し、手提げ用穴5より下方にセンターシールSsを形成するのを排除するものではない。
例えば、上下方向について、センターシール装置11よりも上方にセンターシール装置11と別体の重ね装置を配置し、フィルムシート3のセンターシールSsよりも上方の位置を当該重ね装置にて重ねた状態として、センターシール装置11にてセンターシールSsを形成することで、手提げ用穴5より下方にセンターシールSsを備えた包装体Aを形成することも可能である。
図11〜
図14へ示す例においても、特に言及しなかった事項については
図1〜
図10へ示す例と同様である。
【0057】
包装体Aの更に変更を加えた例について説明する。
この例は、前述の
図12及び
図13へ示す包装体A即ち、フィルムシート3の左右両端部3e同士へセンターシールSsを設けずセンターシールSsにてシールされない包装体Aに関する。
具体的には、この包装体Aにおいて、フィルムシート3は、左右両端部3e(包装体Aの上端)にて開口する上記開口部4と、被包装物1の前方にてフィルムシート3の左右の内面を重ね合わせた状態にシールするトップシールTo及び被包装物1の後方にてフィルムシート3の左右の内面を重ね合わせた状態にシールするテールシールTaと共に備えるものであり、包装体Aは、被包装物1よりも開口部4側へフィルムシート3の左右両側部間を閉鎖する簡易閉鎖部7を有する(
図16、
図18及び
図19)。
【0058】
簡易閉鎖部7は、上記開口部4側を開閉自在に閉鎖する。簡易閉鎖部7を閉鎖することにて被収容物1は開口部4から包装体1の外部へ出るのを規制され、被収容物1が不意に開口部4から包装体Aの外部へ出てしまうことを防ぐ(
図19(a))。
簡易閉鎖部7を開放することで被収容物1を開口部4から包装体Aの外部へ取り出すことができる(
図19(b))。使用後の包装体Aは、再び開口部4を閉鎖できる。このため、消費者において包装体Aを再利用することができるものであり、近年のエコロジーの観点から好ましい包装体1を提供できた。
【0059】
この例では、簡易閉鎖部7は、フィルムシート3の前記左右両側部のうちの少なくとも一方の内側面に設けられて、包装体Aの左右及び上下と直交する前後方向へ伸びる粘着シールを備える(
図16及び
図18)。この他、簡易閉鎖部7は、包装体Aの前記前後方向へ断続的に配列された複数の粘着シールを備えるものとしても実施することができる。
簡易閉鎖部7については、上記開口部4より下方であって被包装物1よりも上方に設けるのが好ましい。但し、簡易閉鎖部7を、開口部4へ或いは開口部4と手提げ用穴5との間へ設けて実施することもできる。手提げ用穴5を備えない包装体Aにおいて、簡易閉鎖部7を設けて実施することも可能である。
【0060】
また、開口部4を備えない包装体A例えば
図1へ示す包装体Aにおいて、被包装物1とセンターシールSsとの間に上記前後へ伸びる開封部を設け当該開封部にて包装体Aを開封可能とすると共に、当該開封部と被包装物1との間へ上記簡易閉鎖部7を設けて開封後簡易閉鎖部7にて包装体Aを開閉可能に閉鎖するものとしてもよい(図示しない)。上記開封部については、切り取り線などフィルムシート3の他の部分よりも切り取り易い弱め線として実施することができる。また包装体Aへ上記弱め線を設けることと共に或いは弱め線を設けずにトップシールToやテールシールTaへ切れ込みなどの切欠部を設けて、当該切込部からフィルムシート3を引き裂くことで開封できるものとしてもよい。
図16及び
図18へ示すように、この例では、被収容物1は果物など傷つきやすいものであり、緩衝材1kに包まれて包装されている。緩衝材1kには、複数の気泡を有する樹脂シートにて構成された、気泡緩衝材を採用することができる。
図16及び
図18へ示す例では、2つの被包装物1が1つの緩衝材1kに包まれている。緩衝材1kを用いる場合において、1つの包装体Aへ複数の被包装物1を収容するときは被包装物1毎に緩衝材1kにて包むものとしてもよいし(
図20)、2つ以上の被包装物1を1つの緩衝材にて包むものとしてもよい。
【0061】
ここで
図21及び
図22を用いて自動的に上記緩衝材1kを包装体Aへ設ける包装装置の変更例について説明する。
この包装装置は、緩衝材供給装置kを備える。緩衝材供給装置kは、(シート状の)緩衝材1kをロール状に巻いたウエブを回転可能に保持する。具体的には、緩衝材供給装置kは、当該ウエブの中心に通されて当該ウエブを回転自在に保持する芯棒を備える。
【0062】
緩衝材1kは、緩衝材供給装置kから引き出され、フィルムシート3の上(フィルムシート3の内側面)に重ねられた状態にされる。緩衝材供給装置kから引き出された緩衝材1kは、フィルムシートと同様フォーマー12にて反転することで緩衝面1kaを上方へ向ける。当該緩衝面1kaは、被包装物1と接触する面である(
図22(c))。
図22(b)(c)において1kbは緩衝材1kの上記緩衝面1kaと反対側の面を示す。上記の通り緩衝材1kは、フィルムシート3に重ねられてフィルムシート3と共に引き出される(
図21及び
図22)。
緩衝材1kは、駆動ローラ対11cに直接挟まれないものであっても、トップシール装置14によるフィルムシート3へのトップシールToの形成と、フィルムシート3との間の摩擦抵抗とによって、フィルムシート3と共に送ることができる。
そしてフィルムシート3に前述のトップシールToとテールシールTaが形成されることにより、緩衝材1kは当該各シールに融着されてフィルムシート3と一体にされる。
【0063】
緩衝材1kについて、左右の幅がフィルムシート3の左右の幅よりも小さく(
図22(a))、
図16及び
図18へ示す例では被包装物1の上部は覆っていないが、被包装物1の上部を緩衝材1kにて覆うものとしてもよい。
特に、センターシールSsを備える包装体Aにおいては、緩衝材1kの左右の幅もフィルムシール3の左右の幅と同じとし(
図1)、緩衝材1kの左右端もフィルムシート3の左右端と共にセンターシールSsにてシールするものとすることができる。
上記の緩衝材1kについては、
図22(c)へ示すように緩衝面1kaから突出する複数の気泡部を備えた前述の気泡緩衝材を採用するのが好ましい。但し、当該気泡緩衝材以外の緩衝材1kを採用することも可能である。例えば発泡スチロールやスポンジなどの発泡材にて形成されたものを採用することも可能である。
【0064】
包装体Aへの上記簡易閉鎖部7の形成について説明する。
フィルムシート供給装置11へセットする帯状のフィルムシート3(ウエブ)として、前述の手提げ用穴5と同様予め簡易閉鎖部7を備えたものを用意する(
図15(a))。
そして
図2へ示す装置の下流側へ閉鎖装置8を配置する(
図15(b))。
上記閉鎖装置8は、包装体Aの搬送方向について排出コンベヤ10bよりも下流側へ配置された搬送部73と、搬送部73へ乗せられた包装体Aの上記簡易閉鎖部7をフィルムシート3の外側から押圧する閉鎖動作部70とを備える。
【0065】
搬送部73は、この例ではベルトコンベヤなどの周知のコンベヤであり、排出コンベヤ10bから搬送されてきた包装体Aを搬送方向の更に下流側へ移動させる。
閉鎖動作部70は、搬送部73上の包装体Aのフィルムシート3の簡易閉鎖部7のある位置を押圧する押圧部71と、押圧部71を支持する作動部72と、作動部72の動作中包装体Aを堰き止める位置決部74と、上記押圧の間包装体Aの押圧部71にて押圧する部位を搬送方向に引っ張って伸ばす押圧位置固定部75とを備える。
位置決部74は、搬送部73の下流側に設けられて、搬送部73の下端から搬送部73の搬送面より上下へ向け出没する板状体である。この例において位置決部74は流体圧にてシリンダから出没するピストン棒に固定されている。位置決部74は、位置センサ―(図示しない)にて搬送部73上に包装体Aが到達したことを感知すると、上記搬送面より上方へ突出して包装体Aを堰き止める。位置決部74は、閉鎖動作部70が簡易閉鎖部7を閉鎖する間、上記搬送面より上方へ突出した状態を維持し、閉鎖動作部70の上記閉鎖動作が終了すると、上記搬送面より下方へ没して、包装体Aを下流側へ前進させる。
【0066】
作動部72は、支持部72aと、支持部72aに支持され且つ支持部72aに対し昇降する昇降部72bとを備える(
図15(b)及び
図23(a)〜(d))。
昇降部72bには、上記作動部72が設けられている。作動部72は、作動することにて上記押圧部71を包装体Aへ押し付ける。
支持部72aは、天板フレーム72dと、天板フレーム72dを支持する支持体72sを備える。上記支持体72sは、前述のセンターシール装置13や駆動ローラ対11cを支持する支持本体34(
図3(b))に対し回転可能に支持されている。この例では前述のフレーム19(
図4)も上記支持体72sと共に支持本体34に支持されている。
支持体72sは、高さ調整機構を備えた柱状体である(
図23)。当該高さ調整機構は、天板フレーム72dに設けられ且つ支持体72sを通す穴を備えた挿通部72tと、操作部72uとを備える。挿通部72tの上記穴には雌ねじが形成されている。支持体72sは、上記挿通部72tの雌ねじと噛み合う雄ねじを外周面に備える。操作部72uは支持体72sの上端部に設けられている。操作部72uの操作にて支持体72sを回転させ、天板フレーム72dを含む昇降部72bの高さを調整することができる。この例では操作部72uは支持体72sの上部に設けられたハンドルである。
【0067】
天板フレーム72dは、昇降部72bを昇降させる動力部72eを備える。動力部72eは、この例ではシリンダ(上下動シリンダ)である。動力部72eである上下動シリンダは、シリンダシャフト72f(以下単にシャフト72fと呼ぶ。)を収容し、流体圧にて当該シャフト72fを下方へ向け突出させる。即ち上記上下動シリンダは、シャフト72fを出没させることにて、シャフト72fを上下動させる。
また天板フレーム72dには、天板フレーム72dの下方へ突出するガイドバー72gが1つ又は複数固定されている。
【0068】
シャフト72fの先端(下端)部には、上記昇降部72bとして吊り金具72hとフレーム板72iとが一体に設けられている。フレーム板72iには、上記ガイドーバー72gに案内される被ガイド部72jが設けられている。被ガイド部72jは、ガイドバー72gへ嵌められてガイドバー72gに沿って上下する筒状体である。ガイドバー72gに被ガイド部72hが案内されることにより、上記昇降部72bの昇降を安定させることができる。
【0069】
シャフト72fの先端(下端)側に、上記押圧位置固定部75と上記作動部72とが設けられている。具体的には、吊り金具72h及びフレーム板72iへ、上記押圧位置固定部75と上記作動部72とが設けられている。
押圧位置固定部75は、固定爪75aと引張爪75bとを備える。固定爪75aと引張爪75bは、位置決部74が包装体Aを搬送部73上に堰き止める間に昇降部72b(フレーム板72iと吊り金具72h)の降下にて包装体Aの上方より降下し包装体Aの開口部4から包装体A内へ挿入される。当該挿入に関し、搬送部73の搬送方向について、固定爪75aは引張爪75bの下流側に挿入され、一方引張爪75bは包装体A内へ挿入された後固定爪75aから遠ざかる方向即ち上流側へ移動して包装体A開口部4の上流側端と下流側端との間を前後に広げる方向へ突っ張り、簡易閉鎖部7を伸ばした状態にして包装体Aの形状を安定させる(
図23(b)(c))。押圧部71は、包装体Aに対し上記にて伸ばされた簡易閉鎖部7のある位置を包装体Aの左右から押圧する(
図17、
図23(b))。即ち、対をなす押圧部71間に包装体Aの上記位置を挟み、包装体Aの左右の内側面同士を当接させて簡易閉鎖部7にて、当該内側面間を閉鎖するのである。
【0070】
より具体的には、押圧位置固定部75は、引張動力部75cとしてシリンダ(引張駆動用シリンダ)と、当該引張駆動用シリンダ内へ収容され流体圧にて当該引張駆動用シリンダ内から搬送方向の上流側へ向け出没するロッド75dとを備える(
図15(b)
図23(c))。ロッド75dの先端に上記引張爪75bの基端側が固定されている。引張爪75bは、ロッド75dの先端から下方へ向けて伸びる棒状体であり、ロッド75dの上記出没により上記引っ張り動作を行うのである。固定爪75aは、フレーム板72iへ固定されてフレーム板72iの下方へ向けて伸びる長尺の棒状体である。固定爪75aと引張爪75bは、包装体A内にて包装体Aと当接する面(固定爪75aにおいては搬送方向の下流側の面、引張爪75bにおいては搬送方向の上流側の面)に、テーパを備える。当該テーパの夫々は、固定爪75a及び引張爪75bを円滑に挿入できるよう、下方へ向け両爪を先細りとする傾斜面である。
【0071】
閉鎖動作部70は、上記の作動部72として、吊り金具72hへ基端側を軸支された棒状の左右一対の腕を備える(
図23(a)(b)(c))。上記の各腕(作動部72)は、当該両腕間に間隔を開けて何れも下方へ向けて伸びる。上記各腕の先端(下端)側において、上記両腕同士の対向する内側面の夫々に上記押圧部71が設けられている。また上記両腕(作動部72)の基部には、互いに噛み合う一対のギヤ72mが設けられている。
更に閉鎖動作部70は、作動桿72nと、押圧動力部72pと、リンク部材72rとを備える。押圧動力部72pは、フレーム板72iへ取り付けられたシリンダ(押圧用シリンダ)であって上記作動桿72nをピストンロッドとして収容し、流体圧にて作動桿72nを押圧動力部72pから出没させる。リンク部材72rは、作動桿72の先端と上記一方の腕(作動部72)との間に介された棒又は板状体である。リンク部材72rの一端が上記作動桿72nに軸支されまた他の一端が上記腕に軸支されることにて、リンク部材72rは作動桿72nと上記腕をリンクする。
作動部72に関し正確には
図15(b)及び
図23(c)へ示す通り、この例では左右に対なす作動部72は、搬送方向を前後方向として前後2対備えられている。
また押圧部71は、上記前後方向に伸びる棒又は板状体である。押圧部71の前後の長さ及び縦幅は、簡易閉鎖部7をカバーするものとする(
図23)。
【0072】
リンク部材72rが作動桿72nの上記押圧動力部70に対する出没動作を上記一方の腕(作動部72)へ伝達することにより、当該腕(作動部72)が基端部を中心に回転する。この回転にて上記ギヤ72mの一方が回転することにより、ギヤ72mの他の一方も回転して他の一方の腕(作動部72)も回転する。両腕(作動部72)の上記回転により、上記腕(作動部72)間は開閉する。当該開閉により上記押圧部71同士は、近接し押圧部71同士の間へ上記包装体Aの簡易閉鎖部7のある位置を包装体Aの左右から挟み押圧する。
尚上記のリンク部材72rに代え、上記ギヤ72mをピニオンとするラック機構を採用して実施することもできる。
【0073】
上記の
図15(b)、
図17及び
図23へ示す例では、作動部72は自身の基端側を中心として回転することにより先端側へ設けられた押圧部71を動作させるものであった。この他、作動部72は、先端に押圧部71を固定されたピストンロッドとしてシリンダへ収容され、流体圧にて当該シリンダから出没し押圧部71を包装体Aの左右から包装体へ接近させるものとしてもよい(図示しない)。
【0074】
上記閉鎖装置8は、オプション品として、
図2(a)へ示す包装装置Bへ付設することができる。
また閉鎖動作部70は、上記作動部72を備えないものとし、上記押圧部71を左右一対のローラとし、当該ローラ間へフィルムシート3を挟んで送ることで、簡易閉鎖部7を閉鎖するものとしてもよい。当該ローラは、駆動されて自転するものとしてもよいし、自転せず包装体Aの移動に追従して回転するだけのものとしてもよい。閉鎖動作部70を上記のローラにて構成する場合、搬送部73は停止することなく連続して包装体Aを送るものとして実施することができる。
【0075】
上記閉鎖装置8は、オプション品として
図2(a)の包装装置Bへ着脱可能に付設され、
図2(a)の包装装置Bの下流側、即ちテールシールTaが形成された後の包装体Aに対して動作するものとした。この他、上記閉鎖装置8は、
図2(a)の包装装置へ一体に組み込まれたものとしても実施できる。
更に上記閉鎖装置8を包装装置Bと別に構成するものとせず、センターシールSsを設けない(開口部4を備える)包装体Aの形成において、センターシール装置13のローラを上記押圧部71として利用するものとしてもよい。
【0076】
図示した例では、簡易閉鎖部7は、フィルムシート3の左右の片側へのみ設けられるものとしたが、フィルムシートの左右両側へ設けるものとしてもよい。
また上記閉鎖装置にて簡易閉鎖部7を閉鎖する他、簡易閉鎖部7へ離型紙(剥離紙)を貼り付けたフィルムシート3にて包装体Aを形成するものとし、包装体A形成後の開口部4から指を入れて手作業で離型紙を剥がして簡易閉鎖部7を閉鎖するものとしてもよい(図示しない)。
尚簡易閉鎖部7には、粘着テープ以外の周知の閉鎖手段を採用してもよい。例えば周知のファスナー付きポリ袋と同様のファスナーを包装体Aへ設けて簡易閉鎖部7としてもよい。
図15〜
図23へ示す例についても特に言及した以外の事項については、
図1〜
図14へ示す実施の形態と同様である。
【0077】
上記において、簡易閉鎖部7は、包装体Aの前後方向へ伸びる粘着シールを備えるものとした。即ち簡易閉鎖部7は粘着シールを構成要素とした。この他、簡易閉鎖部7を周知のコールドシールにて構成するものとしてもよい。コールドシールは、熱を加えずに再利用可能にシート同士を圧着することができるシールである。
具体的には、フィルムシート3の内面全体へ、均一にコールドシール剤のコーティング層を設ける。上記の
図15〜
図23へ示す粘着シールを備えるフィルムシート3においては、粘着シールのある局部が粘着シールにてフィルムシート3の他の部位よりも厚みが大きくなっており、長手方向と直交する方向の幅が比較的小さなフィルムシート3では、
図15(a)へ示すロール状に正確に巻き取られたものを用意するのが困難である。
しかし、上記の通りフィルムシート3の内面全体をコールドシール剤でコーティングすることにより、上記押圧部72で押圧した箇所を簡易閉鎖部7としてシールすることができ、上記の局部の厚みが他よりも大きくなることによる問題を解消した。
【0078】
(総括)
本発明は、被包装物1を内側にしてフィルムシート3をU字に湾曲させ、被包装物1の前後にてフィルムシート3をシールしてトップシールとテールシールを形成するものであり、トップシール及びテールシールの形成前にフィルムシート3のトップシール及びテールシールを形成する部分を伸ばす皺取り装置18と、皺取り装置18の動作に先立ち、左右からフィルムシート3を押さえ、先行する被包装物1と後続の被包装物1の間において屈曲するフィルムシートの左右の幅を狭めておく皺取りガイドを備えた包装装置を提供する。
この包装装置により、トップシールとテールシールの皺を確実に低減できるものとした。