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特開2021-102624CYR61及びVEGF媒介性の状態の治療
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-102624(P2021-102624A)
(43)【公開日】2021年7月15日
(54)【発明の名称】CYR61及びVEGF媒介性の状態の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/22 20060101AFI20210618BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20210618BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20210618BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/366 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/4418 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20210618BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20210618BHJP
【FI】
   A61K31/22
   A61P9/10
   A61P27/02
   A61P43/00 121
   A61K31/366
   A61K31/404
   A61K31/40
   A61K31/4418
   A61K31/47
   A61K31/505
   A61K31/704
   A61P43/00 105
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-38376(P2021-38376)
(22)【出願日】2021年3月10日
(62)【分割の表示】特願2019-118825(P2019-118825)の分割
【原出願日】2014年9月4日
(31)【優先権主張番号】61/874,966
(32)【優先日】2013年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】507021702
【氏名又は名称】ヴァンダ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ポリメロポウロス, ミハエル, エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】リカミール, ルイス, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラヴダン, クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA17
4C086BC05
4C086BC13
4C086BC17
4C086BC28
4C086BC42
4C086EA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZB21
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DB03
4C206DB56
4C206KA04
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA33
4C206ZA36
4C206ZB21
4C206ZC75
(57)【要約】      (修正有)
【課題】増殖性糖尿病性網膜症(PDR)の治療に有用な新規薬剤を提供する。
【解決手段】シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される少なくとも1種のスタチンを有効成分として含有する増殖性糖尿病性網膜症(PDR)治療用薬剤。前記薬剤は、増殖性糖尿病性網膜症(PDR)を有する個体におけるCYR61遺伝子の発現を少なくとも約2分の1に減少させる。前記薬剤は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される少なくとも1種のアントラサイクリンを有効成分としてさらに含有していてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのような治療を必要とする個体におけるCYR61媒介性の状態を治療する方法であって、
有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を前記個体に投与するステップを含み、
前記有効量は、前記個体におけるCYR61遺伝子の発現を減少させるのに十分な量である、
方法。
【請求項2】
前記CYR61媒介性の状態は、血管新生を伴う状態及び炎症を伴う状態からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CYR61媒介性の状態は、増殖性糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、黄斑変性、炎症性血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、網膜血管新生、網膜血管障害、腫瘍血管新生、癌血管新生、転移、関節リウマチ、及び線維症からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種のCYR61DRはアントラサイクリン及びスタチンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1種のCYR61DRは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンからなる群から選択される少なくとも1種のアントラサイクリンを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1種のCYR61DRは、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、及びロスバスタチンからなる群から選択される少なくとも1種のスタチンを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
投与が硝子体内投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
投与が経口投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
投与が静脈内投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
そのような治療を必要とする個体におけるVEGF媒介性の状態を治療する方法であって、
有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を前記個体に投与するステップを含み、
前記有効量は、前記個体におけるCYR61遺伝子及びVEGF遺伝子の両方の発現を減少させるのに十分な量である、
方法。
【請求項11】
前記少なくとも1種のCYR61DRはアントラサイクリン及びスタチンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1種のCYR61DRは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンからなる群から選択される少なくとも1種のアントラサイクリンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1種のCYR61DRは、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、及びロスバスタチンからなる群から選択される少なくとも1種のスタチンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
投与が硝子体内投与を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
投与が経口投与を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
そのような治療を必要とする個体におけるVEGF媒介性の状態を治療する方法であって、
有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を前記個体に投与するステップを含み、
前記有効量は、前記個体におけるCYR61遺伝子及びVEGF遺伝子の発現を減少させるのに十分な量である、
方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、同時係属の米国仮特許出願第61/874966号(2013年9月6日出願)(本明細書に組み入れられている。)の利益を主張するものである。
【背景】
【0002】
遺伝子cysteine−rich,angiogenic inducer,61(CYR61)はCCN遺伝子ファミリーのメンバーであり、分化及び細胞増殖に関与するシステインリッチな分泌型タンパク質をコードする。CYR61は、とりわけ、細胞接着を媒介し、血管新生を亢進させることが知られている。増殖性糖尿病性網膜症(PDR)を有する個体は、CYR61発現を誘導するTGB−βのレベルが上昇していることが示されている。
【0003】
Youらは、内皮細胞走化性及び管形成を誘導するCYR61タンパク質の能力並びにCYR61発現と血管内皮増殖因子(VEGF)発現との間の共同効果を示している。より具体的には、Youらは、抗CYR61抗体が導入されるとCYR61及びVEGF誘導性の走化性及び管形成の両方が顕著に減少することを観察した。
【概要】
【0004】
一実施形態では、本発明は、そのような治療を必要とする個体におけるCYR61媒介性の状態を治療する方法であって、有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を個体に投与するステップを含み、有効量は、個体におけるCYR61遺伝子の発現を減少させるのに十分な量であり、特に、必ずではないが、そのようなCYR61DRは転写を少なくとも約1.5倍(約1.5分の1に)減少させる、方法を提供する。
【0005】
他の実施形態では、本発明は、そのような治療を必要とする個体におけるVEGF媒介性の状態を治療する方法であって、有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を個体に投与するステップを含み、有効量は、個体におけるCYR61遺伝子及びVEGF遺伝子の両方の発現を減少させるのに十分な量であり、特に、必ずではないが、そのようなCYR61DRは転写を少なくとも約2倍(約2分の1に)減少させる、方法を提供する。
【詳細な説明】
【0006】
出願人は、既知の2つのクラスの化合物、アントラサイクリン及びスタチンのメンバーがCYR61遺伝子の発現をダウンレギュレートすることができ、それによりそれらの化合物がCYR61媒介性の状態の治療に有用となることを意外にも発見した。さらに、CYR61発現及びVEGF発現の共同効果によって、これらの化合物はVEGF媒介性の状態の治療においても同様に有用となる。
【0007】
典型的には、本発明の実施において、CYR61遺伝子発現は、少なくとも約1.5倍(約1.5分の1に)、例えば2倍(2分の1に)ダウンレギュレートされる。すなわち、CYR61 mRNAの量は、処理された細胞において未処理細胞より少なくとも約1.5倍少ない(例えば2倍少ない(未処理細胞の2分の1である))。
【0008】
本発明の実施形態に至る研究において、ヒト網膜色素上皮細胞株(ARPE−19/HPV16)を、アントラサイクリン(ドキソルビシン又はダウノルビシン)、スタチン(シンバスタチン又はロバスタチン)、又はビヒクルで24時間別々に処理し、12490種の遺伝子をカバーする22238個のプローブセットの遺伝子発現を、Affymetrix社製機器を用いて生じさせた。CYR61の発現に対するこれらの化合物の効果を下記表1に示す。
【0009】
表1(CYR61ダウンレギュレーション):
【表1】
【0010】
表1から分かるように、アントラサイクリン及びスタチンはCYR61を顕著にダウンレギュレートすることができる。これらの結果では、アントラサイクリンによるダウンレギュレーションは、スタチンによるダウンレギュレーションよりおよそ1桁又はそれ以上大きい。しかし、一部の状況では、潜在的な副作用及び薬物相互作用の相違、並びに所望されるCYR61ダウンレギュレーションの程度によって、いずれか又は両方のクラスの化合物が望ましいものとなる。
【0011】
本発明の実施形態による使用に適したアントラサイクリンは、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンを含む。本発明の実施形態による使用に適したスタチンは、例えば、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、及びロスバスタチンを含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、1種若しくは複数種のアントラサイクリン及び/又は1種若しくは複数種のスタチンは、CYR61及び/又はVEGFのダウンレギュレーションに影響を及ぼすのに十分な量で個体に投与され得る。例えば、一実施形態では、個体にはドキソルビシン、ダウノルビシン、又は両方が投与され得る。他の実施形態では、個体にはドキソルビシン、スタチン、又は両方が投与され得る。
【0013】
1種又は複数種のCYR61DRで治療され得る状態は、血管新生及び/又は炎症を伴う状態、例えば、増殖性糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、黄斑変性、炎症性血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、網膜血管新生、網膜血管障害、腫瘍血管新生、癌血管新生、転移、関節リウマチ、及び線維症を含む。
【0014】
CYR61DRは、治療される個体に医薬組成物の形態で投与され得る。本発明の種々の実施形態に従って使用される医薬組成物は、治療有効量のCYR61DR若しくはCYR61DRの活性代謝物又はその薬学的に許容可能な塩若しくは他の形態(例えば溶媒和物)を、1種又は複数種の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体とともに含む。「医薬組成物」という語は、医学的用途における投与に適した組成物を指す。特定の患者のための適切な剤形、用量、及び投与経路の決定は、薬学及び医学の技術分野における通常の技能のレベルの範囲内にあることが理解されるべきである。
【0015】
投与は経口であり得るが、他の投与経路、例えば、硝子体内、非経口、経鼻、頬側、経皮、舌下、筋肉内、静脈内、直腸内、膣内なども採用され得る。経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤を含む。そのような固体剤形において、化合物は少なくとも1種の不活性な薬学的に許容可能な賦形剤と混合されている。そのような賦形剤は、例えば、(a)充填剤又は増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア、(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯若しくはタピオカ澱粉、アルギン酸、一部の複合ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイト、及び(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、或いはそれらの混合物である。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤などの固体剤形は、コーティング及びシェル(例えば、腸溶性コーティング及び当技術分野で周知の他のもの)を用いて調製することもできる。固体剤形は乳白剤を含有してもよく、また、1種又は複数種の活性化合物を腸管のある特定の部分で遅延した様式で放出するような組成物でもあり得る。使用可能な包埋組成物の例はポリマー物質及びロウである。活性化合物はまた、上記賦形剤の1種又は複数種を適宜含むマイクロカプセル化形態のものであり得る。そのような固体剤形は、概して1%〜95%(w/w)の活性化合物を含有し得る。ある実施形態では、活性化合物は5%〜70%(w/w)の範囲である。
【0016】
経口投与用の固体組成物は、各用量が約1mg〜約500mgの活性成分を含有する単位剤形に製剤化することができる。「単位剤形」という語は、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単位用量として適した物理的に離散した単位を指し、ここで、各単位は、治療期間にわたって所望の効果を生じるように計算された所定量の活性成分を所要の医薬担体とともに含有する。CYR61DRは、例えば、賦形剤に加えて1〜500mgの活性成分を有するカプセルである単位剤形に製剤化することができる。
【0017】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルを含む。化合物又は組成物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有し得る。そのような不活性希釈剤は、例えば、水若しくは他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びごま油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物である。そのような不活性希釈剤に加えて、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、香味料、及び芳香剤などの補助剤を含み得る。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、CYR61DRは液体形態で提供され、個体に硝子体内投与される。
【0019】
上で概略が記載された特定の実施形態と併せて本発明を説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変更形態が当業者に明らかであり、又はそうでなければそれらが包含されることが意図されていることは明白である。すなわち、上述の本発明の実施形態は説明を意図したものであり、限定を意図したものではない。特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得る。本明細書に引用されたすべての特許、特許出願、科学論文及び他の公開された文献は、その開示の内容についてそれらの全体がここに組み入れられている。
【手続補正書】
【提出日】2021年4月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
上で概略が記載された特定の実施形態と併せて本発明を説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変更形態が当業者に明らかであり、又はそうでなければそれらが包含されることが意図されていることは明白である。すなわち、上述の本発明の実施形態は説明を意図したものであり、限定を意図したものではない。特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得る。本明細書に引用されたすべての特許、特許出願、科学論文及び他の公開された文献は、その開示の内容についてそれらの全体がここに組み入れられている。
本発明の実施形態は例えば下記実施形態1〜16を含む。
実施形態1:
そのような治療を必要とする個体におけるCYR61媒介性の状態を治療する方法であって、
有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を前記個体に投与するステップを含み、
前記有効量は、前記個体におけるCYR61遺伝子の発現を減少させるのに十分な量である、
方法。
実施形態2:
前記CYR61媒介性の状態は、血管新生を伴う状態及び炎症を伴う状態からなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:
前記CYR61媒介性の状態は、増殖性糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、黄斑変性、炎症性血管新生、クローン病、潰瘍性大腸炎、網膜血管新生、網膜血管障害、腫瘍血管新生、癌血管新生、転移、関節リウマチ、及び線維症からなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態4:
前記少なくとも1種のCYR61DRはアントラサイクリン及びスタチンからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態5:
前記少なくとも1種のCYR61DRは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンからなる群から選択される少なくとも1種のアントラサイクリンを含む、実施形態4に記載の方法。
実施形態6:
前記少なくとも1種のCYR61DRは、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、及びロスバスタチンからなる群から選択される少なくとも1種のスタチンを含む、実施形態4に記載の方法。
実施形態7:
投与が硝子体内投与を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態8:
投与が経口投与を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態9:
投与が静脈内投与を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態10:
そのような治療を必要とする個体におけるVEGF媒介性の状態を治療する方法であって、
有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を前記個体に投与するステップを含み、
前記有効量は、前記個体におけるCYR61遺伝子及びVEGF遺伝子の両方の発現を減少させるのに十分な量である、
方法。
実施形態11:
前記少なくとも1種のCYR61DRはアントラサイクリン及びスタチンからなる群から選択される、実施形態10に記載の方法。
実施形態12:
前記少なくとも1種のCYR61DRは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンからなる群から選択される少なくとも1種のアントラサイクリンを含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態13:
前記少なくとも1種のCYR61DRは、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、及びロスバスタチンからなる群から選択される少なくとも1種のスタチンを含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態14:
投与が硝子体内投与を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態15:
投与が経口投与を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態16:
そのような治療を必要とする個体におけるVEGF媒介性の状態を治療する方法であって、
有効量の少なくとも1種のCYR61ダウンレギュレーター(CYR61DR)を前記個体に投与するステップを含み、
前記有効量は、前記個体におけるCYR61遺伝子及びVEGF遺伝子の発現を減少させるのに十分な量である、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増殖性糖尿病性網膜症(PDR)を有する個体におけるCYR61遺伝子の発現を少なくとも約2分の1に減少させるための剤であって、少なくとも1種のスタチンを有効成分として含有し、少なくとも1種のスタチンは、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される、剤。
【請求項2】
少なくとも1種のスタチンはシンバスタチンを含む、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
少なくとも1種のスタチンはロバスタチンを含む、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項4】
少なくとも1種のアントラサイクリンを有効成分としてさらに含有し、少なくとも1種のアントラサイクリンは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剤。
【外国語明細書】
2021102624000001.pdf