【課題】レイアウトが整った文書として印刷または画面表示をすることができるとともに、文書を表示するデバイスの種別に応じた表示形式で文書の内容を表示することができる。
【解決手段】PDFファイルは、ページごとの内容であるページコンテンツと、デバイス種別ごとの表示形式を設定する表示設定情報とを記憶し、種別取得部303は、PDFファイルの内容を表示するデバイスの種別を取得し、表示ページ生成部304は、デバイスの種別に応じた表示設定情報をPDFファイルのなかから選択し、選択した表示設定情報とPDFファイルに記憶するページコンテンツからウェブページを生成する。
前記入力フォームから入力され、前記PDFファイルに格納したデータから中間ファイルを生成し、生成した前記中間ファイルを介して他のシステムに前記データを取り込むシステム連携手段、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
前記PDFファイルに記憶する前記データから中間ファイルを生成し、生成した前記中間ファイルを介して他のシステムに前記データを取り込むシステム連携手段、をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の情報端末装置。
前記データ格納手段は、前記PDFファイル、または、ユーザに指定されたPDFファイルが、前記データ受付手段によって受付けた前記データの内容を示すフォーム名と同一のフォーム名を含む場合、前記データを同一のフォーム名に入力されたデータとして格納すること、を特徴とする請求項7に記載の情報端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照し本発明の実施例を説明する。なお、以下の説明は、実施の形態の一例であり、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施例にかかる文書表示システム10の構成を示すブロック図である。文書表示システム10は、情報端末装置100と、サーバ装置200と、情報端末装置300とを備える。情報端末装置100とサーバ装置200と情報端末装置300は、
図1に示すように、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続する。ネットワークNは、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網等の任意の通信ネットワークおよびその組合せであり、その一部または全部が有線または無線であってもよい。
【0012】
情報端末置100は、表示設定情報付きPDFファイルを生成する情報処理装置であり、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)、タブレット端末、スマートフォン等である。情報端末装置100は、情報端末装置100上で動作するアプリケーションプログラムで作成した文書ファイルをPDFファイルに変換するとともに、PDFファイルに1または複数のデバイス種別に応じた表示設定情報を格納する。また、情報端末装置100は、サーバ装置200に対し様々なリクエストを送信し、リクエストに対するレスポンスを受信し表示する。情報端末装置100は、ウェブブラウザを備え、ウェブブラウザ上で各種ファイルやデータ等を表示する。
【0013】
ここで、表示設定情報とは、PDFファイルに格納されたページコンテンツと入力フォーム等をデバイスに応じた表示形式に変換するために設定された情報であり、デバイス種別それぞれに対し設定する。デバイス種別とは、PDFファイルを表示する表示端末装置の種別であり、一例として、iphone(登録商標)やandroid(登録商標)のようなスマートフォンの機種名やPCの機種名、タブレット端末の機種名、スマートグラス等の機種名等、デバイスを識別することが可能であれば、どのようなものであってもよい。なお、デバイスで動作するウェブブラウザによって表示形式を変更する場合には、デバイス種別にウェブブラウザ種別を加えてもよい。
【0014】
情報端末装置100は、送受信部101と、操作表示部102と、表示設定情報取得部103と、表示設定情報付きPDFファイル生成部104と、表示設定情報付きPDFファイル記憶部110と、表示設定情報記憶部120と、を備える。
【0015】
送受信部101は、サーバ装置200または情報端末装置300との間でネットワークNを介しデータを送受信する。送受信部101は、サーバ装置200に表示設定情報の要求を送信し、表示設定情報をサーバ装置200から受信する。送受信部101は、表示設定情報付きPDFファイルをサーバ装置200に送信し、表示設定情報付きPDFファイルを記憶した所在地であるURL(Uniform Resource Locator)をサーバ装置200から受信する。
【0016】
操作表示部102は、アプリケーションプログラム上で表示する各種データやウェブブラウザ上で表示するウェブページに対する操作を受付け、操作に対する結果を表示する。より具体的には、操作表示部102は、表示設定情報付きPDFファイルの生成指示を受付ける。操作表示部102は、例えばPCの場合は、表示ディスプレイやキーボード、マウス等であり、タブレット端末、スマートフォンの場合は、液晶ディスプレイとタッチセンサを重畳して構成するタッチパネル等である。操作表示部102は、表示装置と入力装置に加え、操作表示制御部を含む。
【0017】
表示設定情報取得部103は、表示設定情報の要求に応じ、表示設定情報記憶部120に記憶する、デバイス種別ごとの表示設定情報を取得する。
【0018】
表示設定情報付きPDFファイル生成部104は、サーバ装置200から受信した表示設定情報、または表示設定情報記憶部120から取得した表示設定情報をPDFファイルに追記し、表示設定情報付きPDFファイルを生成する。
【0019】
表示設定情報付きPDFファイル記憶部110は、表示設定情報付きPDFファイル生成部104によって生成した表示設定情報付きPDFファイルを格納する。表示設定情報記憶部120は、デバイス種別ごとの表示設定情報を記憶する。
【0020】
サーバ装置200は、表示設定情報および表示設定情報付きPDFファイルを管理するとともに、表示設定情報付きPDFファイルのURLの指示に対し、デバイス種別に応じたウェブページを送信するサーバである。サーバ装置200は、表示設定情報記憶部210と、表示設定情報付きPDFファイル記憶部220と、送受信部201と、ウェブページ生成部202と、を備える。
【0021】
表示設定情報記憶部210は、デバイス種別ごとの表示設定情報を記憶する。表示設定情報付きPDFファイル記憶部220は、情報端末装置100から受信した表示設定情報付きPDFファイルを記憶する。
【0022】
送受信部201は、情報端末装置100から受信する表示設定情報の要求に応じ、表示設定情報記憶部210に記憶する表示設定情報を情報端末装置100に送信する。送受信部201は、表示設定情報付きPDFファイルを情報端末装置100から受信した場合は、表示設定情報付きPDFファイルを表示設定情報付きPDFファイル記憶部220に格納し、表示設定情報付きPDFファイルのURLを情報端末装置100に送信する。
【0023】
送受信部201は、情報端末装置300から受信する表示設定情報付きPDFファイルへのアクセスに応じ、情報端末装置300のデバイス種別を受信するとともに、情報端末装置300のデバイス種別に応じたウェブページを情報端末装置300に送信する。
【0024】
ウェブページ生成部202は、情報端末装置300のデバイス種別に応じた表示設定情報を表示設定情報付きPDFファイルのなかから選択し、選択した表示設定情報と表示設定情報付きPDFファイルに記憶するページコンテンツからウェブページ(HTMLファイル)を生成する。
【0025】
情報端末装置300は、ユーザの操作に応じ、PDFファイルの内容を表示する情報端末装置であり、PC、タブレット端末、スマートフォン等である。情報端末装置300は、表示設定情報付きPDFファイルの表示指示に応じ、PDFファイルの内容を情報端末装置300のデバイス種別に応じたウェブページまたは表示ページとして表示する。情報端末装置300は、上述した情報端末装置100と同様に、サーバ装置200に対し様々なリクエストを送信し、リクエストに対するレスポンスを受信し表示する。情報端末装置300は、ウェブブラウザまたは専用ビューアを備え、各種ファイルやデータ等を表示する。
【0026】
情報端末装置300は、表示設定情報付きPDFファイル記憶部310と、デバイス情報記憶部320と、送受信部301と、操作表示部302と、種別取得部303と、表示ページ生成部304と、を備える。
【0027】
表示設定情報付きPDFファイル記憶部310は、表示設定情報付きPDFファイルを記憶する。表示設定情報付きPDFファイルは、情報端末装置100からメール等で受信、またはサーバ装置200からダウンロード等によって取得する。また、入力フォームを含むPDFファイルの場合は、情報端末装置300において入力を受付けたデータを追記した表示設定情報付きPDFファイルを記憶してもよい。デバイス情報記憶部320は、情報端末装置300に関する情報、具体的にはデバイス種別等を記憶する。
【0028】
送受信部301は、情報端末装置100またはサーバ装置200との間でネットワークNを介しデータを送受信する。送受信部301は、表示設定情報付きPDFファイルのURLにアクセスし、サーバ装置200からウェブページを受信する。
【0029】
操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイルのURLの指示に応じ、サーバ装置200から受信したウェブページを表示する。または、操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイル記憶部310に記憶する表示設定情報付きPDFファイルの表示指示に応じ、表示ページ生成部304によって生成した表示ページを表示する。操作表示部302は、情報端末装置100と同様に、PCの場合は、表示ディスプレイや、キーボード、マウス等の表示装置や入力装置であり、タブレット端末、スマートフォンの場合は、液晶ディスプレイとタッチセンサを重畳して構成するタッチパネルである。操作表示部302は、データの入力または出力が可能であれば、どのような入力装置および出力装置であってもよく、入力装置および出力装置に加え、操作表示制御部を含む。
【0030】
種別取得部303は、デバイス情報記憶部320に記憶する、PDFファイルの内容を表示する情報端末装置300自身のデバイス種別を取得する。
【0031】
表示ページ生成部304は、表示設定情報付きPDFファイルに記憶する表示設定情報のなかから、情報端末装置300のデバイス種別に応じた表示設定情報を選択し、選択した表示設定情報とページコンテンツから専用ビューアで表示する表示ページを生成する。なお、表示ページは、専用ビューアに応じた形式のほか、ウェブブラウザで表示する場合は、サーバ装置200で生成する場合と同様にウェブページであってもよい。
【0032】
上述のように構成された文書表示システム10で実行する表示設定情報付きPDFファイル生成処理について説明する。
図2は、情報端末装置100とサーバ装置200が実行する表示設定情報付きPDFファイル生成処理手順を示すフローチャートである。
【0033】
情報端末装置100の操作表示部102は、アプリケーションプログラムで生成した文書ファイルからPDFファイルを生成する(ステップS201)。アプリケーションプログラムとは、例えば表計算ソフトや文書作成ソフト等である。
図3は、PDFファイルの内部構成の一例を示す説明図である。
図3に示すように、PDFファイルは、複数のオブジェクト(内部構造)で構成されている。
図3(a)に示すように、PDFファイルは、ページごとにテキストや画像等の文書の内容を記憶するページコンテンツを格納する。ページコンテンツは、1ページのみでも、複数ページのページコンテンツでもよい。
【0034】
操作表示部102は、PDFファイル上での入力フォームの入力を受付ける(ステップS202)。ここで、入力フォームとは、ラジオボタンやチェックボックス、プルダウンメニュー、テキストボックス、手書き入力領域等のPDFファイルに対しユーザの操作によるデータの入力を受付ける入力領域をいう。入力フォームを入力した場合、PDFファイルは、
図3(b)に示すような、ページコンテンツと入力フォームを格納する。なお、入力フォームを入力しない場合、ステップS202の処理を省略する。
【0035】
操作表示部102は、表示設定情報付きPDFファイルの生成指示を受付ける(ステップS203)。送受信部101は、表示設定情報の要求をサーバ装置200に送信する(ステップS204)。
【0036】
サーバ装置200の送受信部201は、表示設定情報の要求を情報端末装置100から受信する(ステップS205)。送受信部201は、表示設定情報記憶部210からデバイス種別ごとの表示設定情報(以下、表示設定情報という)を取得する(ステップS206)。表示設定情報は、一例としてデバイス種別ごとの表示設定情報を記憶したテキストデータであり、本システムにおいてPDFファイルを表示する可能性があるデバイスそれぞれに応じた表示設定情報のすべてを取得する。表示設定情報記憶部210から取得する表示設定情報は、複数の表示設定情報であるが、システムの構成によっては、1つの表示設定情報の場合もある。送受信部201は、表示設定情報を情報端末装置100に送信する(ステップS207)。
【0037】
情報端末装置100の送受信部101は、表示設定情報をサーバ装置200から受信する(ステップS208)。表示設定情報付きPDFファイル生成部103は、PDFファイルに表示設定情報を追記する(ステップS209)。
図3(c)に示すように、表示設定情報付きPDFファイルは、ページコンテンツと、入力フォームと、1または複数の表示設定情報を格納する。送受信部101は、表示設定情報を追記した、表示設定情報付きPDFファイルをサーバ装置200に送信する(ステップS210)。
【0038】
サーバ装置200の送受信部201は、表示設定情報付きPDFファイルを情報端末装置100から受信する(ステップS211)。送受信部201は、表示設定情報付きPDFファイルを表示設定情報付きPDFファイル記憶部220に格納する(ステップS212)。送受信部201は、表示設定情報付きPDFファイルを格納した所在地であるURLを情報端末装置100に送信する(ステップS213)。
【0039】
情報端末装置100の送受信部101は、表示設定情報付きPDFファイルのURLをサーバ装置200から受信する(ステップS214)。送受信部101は、表示設定情報付きPDFファイルのURLを図示しない記憶部に格納する(ステップS215)。
【0040】
上述した処理では、ステップS204〜ステップS208において、情報端末装置100は、表示設定情報の要求をサーバ装置200に送信し、サーバ装置200から送信された表示設定情報をPDFファイルに追記したが、情報端末装置100に備える表示設定情報記憶部120に表示設定情報を記憶している場合は、表示設定情報記憶部120に記憶する表示設定情報を取得しPDFファイルに追記してもよい。
【0041】
ステップS204〜ステップS214において、情報端末装置100は、表示設定情報をサーバ装置200から受信し、表示設定情報付きPDFファイルを生成し、生成した表示設定情報付きPDFファイルをサーバ装置200に送信し、表示設定情報付きPDFファイルのURLをサーバ装置200から受信したが、それに代えて、情報端末装置100は、PDFファイルをサーバ装置200に送信し、サーバ装置200において表示設定情報付きPDFファイルを生成し、生成し格納した表示設定情報付きPDFファイルのURLをサーバ装置200から受信してもよい。
【0042】
また、ステップS210〜ステップS214において、情報端末装置100は、サーバ装置200に表示設定情報付きPDFファイルを送信し、表示設定情報付きPDFファイルのURLを受信したが、情報端末装置100のみで表示設定情報付きPDFファイルを管理する場合は、表示設定情報付きPDFファイルをサーバ装置200に送信せず、表示設定情報付きPDFファイルを表示設定情報付きPDFファイル記憶部110に格納する。
【0043】
ステップS204において、情報端末装置100は、表示設定情報の要求をサーバ装置200に送信しているが、文書の種別によって表示設定情報が異なる場合は、表示設定情報の要求とともに、PDFファイルの文書種別や文書種別を判断できるファイル名、またはPDFファイル自体を送信してもよい。PDFファイルの文書種別やPDFファイルのファイル名を送信することにより、それらに応じた表示設定情報をサーバ装置200から受信することができる。また、PDFファイル自体を送信することによって、サーバ装置200においてPDFファイルの内容をAI(人工知能)等を用いて解析し、PDFファイルの内容(例えば、申込書、契約書、各種帳票等)に応じた表示設定情報を選択し送信することができる。
【0044】
次に、文書表示システム10で実行する文書表示処理について説明する。
図4は、サーバ装置200と情報端末装置300が実行する文書表示処理手順を示すフローチャートである。前提として、ユーザの操作する情報端末装置100から、他のユーザ(または情報端末装置100のユーザが複数のデバイスを使用する場合は同一のユーザでも可)の操作する情報端末装置300に、表示設定情報付きPDFファイルのURLがメールやメッセージ等で通知されているものとする。
【0045】
情報端末装置300の操作表示部302は、ウェブブラウザを起動する(ステップS401)。操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイルのURLの指示を受付け(ステップS402)、送受信部301は、表示設定情報付きPDFファイルのURLにアクセスする(ステップS403)。なお、操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイルのURLの指示を受付けた際に、ウェブブラウザを起動してもよい。
【0046】
サーバ装置200の送受信部201は、表示設定情報付きPDFファイルのURLへのアクセスを受信し(ステップS404)、デバイス種別の要求を情報端末装置300に送信する(ステップS405)。デバイス種別に加え、情報端末装置300のウェブブラウザに関する情報を要求してもよい。
【0047】
情報端末装置300の送受信部301は、デバイス種別の要求を受信し(ステップS406)、種別情報取得部303は、デバイス情報記憶部320から情報端末装置300のデバイス種別を取得する(ステップS407)。送受信部301は、デバイス種別をサーバ装置200に送信する(ステップS408)。
【0048】
サーバ装置200の送受信部201は、デバイス種別を情報端末装置300から受信する(ステップS409)。ウェブページ生成部202は、表示設定情報付きPDFファイルからデバイス種別に応じた表示設定情報を選択し(ステップS410)、選択した表示設定情報と、表示設定情報付きPDFファイルに記憶するページコンテンツから、PDFファイルの内容を表示するウェブページを生成する(ステップS411)。送受信部201は、ウェブページを情報端末装置300に送信する(ステップS412)。
【0049】
情報端末装置300の送受信部301は、ウェブページをサーバ装置200から受信する(ステップS413)。操作表示部302は、ウェブページを表示画面に表示する(ステップS414)。操作表示部302は、ウェブページの入力フォームから入力されたデータを受付ける(ステップS415)。送受信部301は、入力データをサーバ装置200に送信する(ステップS416)。
【0050】
サーバ装置200の送受信部201は、入力データを情報端末装置300から受信する(ステップS417)。送受信部201は、表示設定情報付きPDFファイルに入力データを追記する(ステップS418)。表示設定情報付きPDFファイルに入力データを追記する際には、入力データに加え、情報端末装置300の位置情報やデータを入力した日時情報等の関連情報を加えてもよい。送受信部201は、入力データを追記した表示設定情報付きPDFファイルを表示設定情報付きPDFファイル記憶部220に格納する(ステップS419)。表示設定情報付きPDFファイルは、情報端末装置300に送信した表示設定情報付きPDFファイルと置換えてもよいし、情報端末装置300を識別する情報とともに、情報端末装置300に送信した表示設定情報付きPDFファイルとは別のPDFファイルとして記憶してもよい。その際は、別の表示設定情報付きPDFファイルのURLを情報端末装置300に送信する。また、送受信部201は、入力データを追記した、表示設定情報付きPDFファイルを情報端末装置300に送信してもよい。
【0051】
このように、表示設定情報付きPDFファイルをサーバ装置200に格納しておき、情報端末装置300において表示設定情報付きPDFファイルのURLを指示された場合に、表示設定情報付きPDFファイルのURLを指示した情報端末装置300のデバイス種別を取得し、取得したデバイス種別に応じた表示設定情報とページコンテンツから文書の内容を表示するウェブページを生成することによって、ユーザの操作するデバイスそれぞれに合った、ユーザが確認しやすく、データを入力しやすい形式で文書の内容を表示画面に表示することができる。また、さまざまなデバイスに応じた表示設定情報をPDFファイルと一体に格納することによって、PDFファイルをどのようなデバイスで表示する場合であっても最適な形式で文書の内容を表示することができる。
【0052】
また、表示設定情報付きPDFファイルは、一般的なPDFビューアで表示または印刷する場合、またはPDFファイルから画像データを生成する場合は、表示設定情報は考慮されないため、通常のPDFファイル、すなわち文書としての体裁の整った形式で印刷または表示することができる。したがって、表示設定情報付きPDFファイルは、レイアウトが整った文書として表示や印刷することができるとともに、デバイス種別に応じた形式で表示することができるため、さまざまな場面で文書ファイルとして活用することができる。また、PDFファイルの入力フォームに加え、デバイス種別に適したウェブページの入力フォームからもデータを入力することができ、ウェブページの入力フォームから入力したデータであっても、通常のPDFファイルに入力データを加えた形で表示や印刷することができるため、ユーザの操作性が向上するとともに、レイアウトが整った文書を手間なく作成することができる。
【0053】
図5は、各ファイルと画面表示イメージの一例を示す説明図である。表示設定情報付きPDFファイルから文書の内容を表示する情報端末装置300のデバイス種別(例えば、スマートフォンの機種名等)に応じた表示設定情報1とページコンテンツから情報端末装置300の表示画面に応じたHTMLファイルを生成する。
図5に示す、PDFファイルの入力フォームの具体的な内容であるフォーム情報には、例えば、大項目“お名前”に含まれる項目“セイ”と、その入力領域を示すフォーム名“NT_セイ”や項目“メイ”と、その入力領域を示すフォーム名“NT_メイ”、項目“姓”と、その入力領域を示すフォーム名“姓”、項目“名”と、その入力領域を示すフォーム名“名”等が設定されている。なお、フォーム名は、先頭文字によってデータ種別を表してもよい。
【0054】
ウェブページ生成部202は、PDFファイルの入力フォームとして設定されているフォーム名それぞれに対し、表示設定情報1を用いて、表示設定情報1に記述されているフォーム名それぞれの表示形式に変換したHTMLファイルを生成する。これにより、情報端末装置300のデバイス種別に応じた入力フォームを含むHTMLファイルを生成することができる。入力フォームの表示形式のほかにも、ページコンテンツに記述されているテキストデータに対するフォントや文字の大きさ、位置、色等、画像データに対する大きさ、配置位置等のさまざまな情報を設定することができる。
図5では、表示設定情報付きPDFファイルに記憶するページコンテンツと入力フォームをPDFビューアで表示した表示(印刷)イメージ51と、表示設定情報付きPDFファイルを表示設定情報1を用いて変換したHTMLファイル、そのHTMLファイルの情報端末装置300の画面での表示イメージ52を示している。
【0055】
また、ステップS418において、表示設定情報付きPDFファイルに、入力フォームから入力されたデータと同一のフォーム名が複数記載されている場合、先に入力されたデータを参照し、同一のフォーム名の入力データとして記憶してもよい。どの入力フォームやどのPDFファイルをデータ自動入力の対象とするかは、ユーザが指定してもよい。これにより、申込書等のように住所や氏名、署名等の繰り返し入力する必要がある文書であっても、1度入力したデータを引き継ぐことができるため、入力の手間を省くことができ、入力ミスを防ぐことができる。
【0056】
また、入力フォームに入力するデータは、フォーム名に対応付けたデータ(例えば、フォーム名“NT_セイ”に対応付けたデータ“ヤマダ”)をデータファイルに記憶しておくことによって、表示設定情報とともに、データファイルを読込み、ユーザ情報等を予め表示することができる。
【0057】
次に、情報端末装置300で実行する文書表示処理について説明する。
図6は、情報端末装置300が実行する文書表示処理手順を示すフローチャートである。このとき、ユーザの操作する情報端末装置100から他のユーザの操作する情報端末装置300に、表示設定情報付きPDFファイルがメールやメッセージ等で送信され、表示設定情報付きPDFファイル記憶部310に格納されている。また、情報端末装置300には、表示設定情報付きPDFファイルを表示する専用ビューアがダウンロードされているとして説明する。
【0058】
情報端末装置300の操作表示部302は、専用ビューアを起動する(ステップS601)。操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイル記憶部310に記憶する表示設定情報付きPDFファイルの指示を受付ける(ステップS602)。なお、操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイルの指示に応じて専用ビューアを起動してもよい。
【0059】
種別取得部303は、情報端末装置300のデバイス種別をデバイス情報記憶部320から取得する(ステップS603)。表示ページ生成部304は、表示設定情報付きPDFファイルからデバイス種別に応じた表示設定情報を選択し(ステップS604)、選択した表示設定情報とページコンテンツから表示ページを生成する(ステップS605)。操作表示部302は、表示ページを表示する(ステップS606)。
【0060】
操作表示部302は、表示ページの入力フォームに入力されたデータを受付ける(ステップS607)。操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイルに入力データを追記する(ステップS608)。表示設定情報付きPDFファイルに入力データを追記する際には、入力データとともに、情報端末装置300の位置情報やデータを入力した日時情報等の関連情報を追記してもよい。操作表示部302は、表示設定情報付きPDFファイルを表示設定情報付きPDFファイル記憶部310に格納する(ステップS609)。
【0061】
このように、文書の内容を情報端末装置300のデバイス種別に応じた表示ページで表示することにより、文書の内容をユーザが確認しやすく、かつデータが入力しやすいレイアウトで表示することができる。表示設定情報付きPDFファイルは、入力したデータを含むPDFファイルとして、レイアウトが崩れることがない文書として印刷および表示することができる。
【0062】
表示設定情報付きPDFファイルは、独立した1つのファイルであり、表示設定情報を含む文書として複数のユーザそれぞれが操作している情報端末装置300に送信・配信することができる。情報端末装置300それぞれにおいて、デバイス種別に応じた形式の表示ページまたはウェブページを表示することができる。さらに、表示ページまたはウェブページからデータを入力することができ、表示ページまたはウェブページの入力フォームから入力したデータを変更、追加、削除等を行うことができる。
【0063】
また、文書ファイルを表示設定情報付きPDFファイルにすることによって、ユーザの操作する情報端末装置300がどのような端末でも(画面が大きくてもスマートフォンのように小さくても、ディスプレイやプロジェクタ、スマートグラス等のようなさまざまな表示装置であっても)文書の内容を見易く表示することができるとともに、ページごとにレイアウトの定まった文書として印刷および表示することができる。表示設定情報付きPDFファイルを文書管理の基盤(プラットフォーム)の中心に位置付けることによって、文書の表示や印刷等が容易になる。表示設定情報をPDFファイルと一体とすることによって、PDFファイルと表示設定情報との対応付けが明確になり、簡便なシステム構成にすることができる。
【0064】
他の実施例として、サーバ装置200および情報端末装置300は、図示しないシステム連携部を備え、システム連携部は、表示設定情報付きPDFファイルに記憶するページコンテンツおよび入力データ等を取り出し、
図5に示すように、中間ファイルを生成し、生成した中間ファイルを介し、フォーム名に対応付けられた入力データを他システムに取り込むことによって他システムと連携してもよい。中間ファイルは、XMLファイルやJson形式ファイル、csv形式ファイル等である。
【0065】
なお、上述した実施例では、情報端末装置100と情報端末装置300は、説明をわかり易くするために、機能を分けて説明したが、情報端末装置100が備える各部、および情報端末装置300が備える各部をすべて備える装置であってもよく、サーバ装置200を含まず、情報端末装置100と情報端末装置300で表示設定情報付きPDFファイルを生成し表示してもよい。
【0066】
上述した実施例にかかる情報端末装置100、サーバ装置200、情報端末装置300のハードウェア構成は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置、通信制御装置等を備えた通常のコンピュータであり、ROMやRAM、HDD等に記憶されたプログラムをCPUが読み出し動作させることによって、上述した構成や機能を実現する。
【0067】
情報端末装置100、サーバ装置200、情報端末装置300で動作するプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納しておき、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供したり、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、DVD、USBメモリ、SDカード等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録し提供してもよい。また、上述した機能や処理を実現するプログラムは、API(Application Programming Interface)やSaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという利用形態で提供してもよい。
【0068】
なお、本発明は、上述した実施例そのままに限定されるものではなく、必ずしも物理的に図示のように構成されている必要はない。また、本発明は、実施例で説明した構成要素の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じ、任意の単位で機能的または物理的に分割、統合、入替、変形または削除して構成することができる。