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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-10347(P2021-10347A)
(43)【公開日】2021年2月4日
(54)【発明の名称】ニンニク盤茎切除装置
(51)【国際特許分類】
   A23N 15/08 20060101AFI20210108BHJP
   B26D 3/26 20060101ALI20210108BHJP
【FI】
   A23N15/08 B
   B26D3/26 605E
   B26D3/26 605B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-127267(P2019-127267)
(22)【出願日】2019年7月9日
(71)【出願人】
【識別番号】518370932
【氏名又は名称】株式会社エムファームランド
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】籾木 芳治
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA01
4B061AA02
4B061BA03
4B061BB07
4B061BB13
4B061CB07
4B061CB13
4B061CB14
(57)【要約】
【課題】装置の構成がより簡単で、かつ、切除作業を迅速かつ確実に行うことが可能なニンニク盤茎切除装置を提供する。
【解決手段】ニンニク盤茎切除装置1は、水平方向に間欠駆動される水平板2と、水平板2上に複数設けられ、ニンニクAが盤茎Bを上方に向けた状態で載置される載置部3と、水平板2の上方に設けられ、載置部3に載置されたニンニクAの盤茎Bを上方から切除する盤茎切除部4とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に間欠駆動される水平板と、前記水平板上に複数設けられ、ニンニクが盤茎を上方に向けた状態で載置される載置部と、前記水平板の上方に設けられ、前記載置部に載置された前記ニンニクの盤茎を上方から切除する盤茎切除部と、を備えたことを特徴とするニンニク盤茎切除装置。
【請求項2】
前記盤茎切除部は、先端部が前記ニンニクの盤茎の中心を固定した状態で前記盤茎を切除する回転切除刃を有する、請求項1に記載のニンニク盤茎切除装置。
【請求項3】
水平方向に間欠駆動される前記水平板により、前記載置部に載置された、盤茎切除後の前記ニンニクは、前記盤茎切除部の下方位置から退避位置に退避され、次のニンニクが、前記載置部に載置された状態で前記盤茎切除部の下方位置にセットされる、請求項1又は2に記載のニンニク盤茎切除装置。
【請求項4】
前記載置部に載置された状態で前記退避位置に退避された前記ニンニクを、前記載置部から排出する排出手段をさらに備えた、請求項3に記載のニンニク盤茎切除装置。
【請求項5】
前記載置部は、異なる径サイズのニンニクに対応できるように、複数種類の保持部材に変更可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のニンニク盤茎切除装置。
【請求項6】
前記ニンニクの茎を切除する茎切除装置が併設された、請求項1〜5のいずれか1項に記載のニンニク盤茎切除装置。
【請求項7】
前記水平板の駆動シャフトが回転可能に支持されるテーブルをさらに備え、
前記茎切除装置は、
前記テーブル上に設けられ、前記ニンニクが茎を下方に向けた状態で載置される第2載置部と、前記テーブルの下方に設けられ、前記ニンニクの茎を切除する円板状の回転刃と、を有する請求項6に記載のニンニク盤茎切除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニンニクの盤茎(根毛)を切除するために使用されるニンニク盤茎切除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
滋養強壮に優れた食品の1つであるニンニクは、古来、様々な料理に効果的に利用されてきた。一方で、独特のニンニク臭のために、女性を中心に昼食などでは避けられる傾向にある。このことから、生ニンニクを醗酵させ、ニンニク臭を除去する製造方法が知られている。
このような製造方法によって得られるニンニクは、醗酵熟成することで糖度が増え、色が黒くなることから、「黒ニンニク」と呼ばれている。近年、この黒ニンニクは、ポリフェノールなどの成分を多く含み、滋養強壮や健康に良い影響があると言われるようになっている。また、黒ニンニクは、病人の補助的な食品としても用いられ、例えば、糖尿病の改善に一定の効果があるという報告もある。
【0003】
黒ニンニクを製造するに際しては、まず、乾燥させたニンニクの盤茎が切除される。
従来、ニンニクの盤茎(根毛)を切除する切除装置として、例えば、特許文献1で提案されているものが知られている。
特許文献1に開示されたニンニク盤茎切除装置(ニンニク根切除装置)は、水平方向に間欠駆動される水平板と、前記水平板上に複数設けられ、ニンニクが根部(盤茎)を下方に向けた状態で載置される載置部と、前記水平板の上方に設けられ、前記載置部に載置された前記ニンニクを上方から押圧する押圧部と、前記水平板の下方に設けられ、上方から押圧された前記ニンニクの根部を下方から切除する根切除部とを備えたことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−037157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されたニンニク盤茎切除装置(ニンニク根切除装置)には、以下のような課題があった。すなわち、当該切除装置は、ニンニクを上方から押圧した状態で、ニンニクの根部(盤茎)を下方から切除するように構成されているため、ニンニクを上方から押圧する押圧部、及び、当該押圧部を上下動させる機構が必須の要素となっている。その結果、装置の構成が複雑になるとともに、切除作業に余計な時間を要するという課題があった。また、ニンニクの根部を水平板の下方で切除するように構成されているため、ニンニクの根部がうまく切除されたかどうかの確認を切除作業中に行うことができず、切除作業の確実性が担保されていないという課題もあった。
【0006】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、装置の構成がより簡単で、かつ、切除作業を迅速かつ確実に行うことが可能なニンニク盤茎切除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係るニンニク盤茎切除装置の構成は、
(1)水平方向に間欠駆動される水平板と、前記水平板上に複数設けられ、ニンニクが盤茎を上方に向けた状態で載置される載置部と、前記水平板の上方に設けられ、前記載置部に載置された前記ニンニクの盤茎を上方から切除する盤茎切除部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のニンニク盤茎切除装置の上記(1)の構成によれば、ニンニクが盤茎を上方に向けた状態で載置され、前記ニンニクの盤茎を上方から切除するように構成されているため、前記ニンニクを上方から押圧する押圧部、及び、当該押圧部を上下動させる機構を、必須の要素として備える必要がない。また、前記ニンニクの盤茎を水平板の上方で切除するように構成されているため、盤茎がうまく切除されたかどうかの確認を切除作業中に行うことができる。その結果、装置の構成がより簡単で、かつ、切除作業を迅速かつ確実に行うことが可能なニンニク盤茎切除装置を提供することができる。
【0009】
本発明のニンニク盤茎切除装置の上記(1)の構成においては、以下の(2)〜(7)のような構成にすることが好ましい。
【0010】
(2)前記盤茎切除部は、先端部が前記ニンニクの盤茎の中心を固定した状態で前記盤茎を切除する回転切除刃を有する。
【0011】
上記(2)の好ましい構成によれば、ニンニクの盤茎を確実に切除することが可能となる。
【0012】
(3)水平方向に間欠駆動される前記水平板により、前記載置部に載置された、盤茎切除後の前記ニンニクは、前記盤茎切除部の下方位置から退避位置に退避され、次のニンニクが、前記載置部に載置された状態で前記盤茎切除部の下方位置にセットされる。
【0013】
(4)上記(3)の構成において、前記載置部に載置された状態で前記退避位置に退避された前記ニンニクを、前記載置部から排出する排出手段をさらに備える。
【0014】
上記(4)の好ましい構成によれば、盤茎切除後のニンニクの排出を自動化することが可能となり、切除作業の効率化を図ることができる。
【0015】
(5)前記載置部は、異なる径サイズのニンニクに対応できるように、複数種類の保持部材に変更可能である。
【0016】
上記(5)の好ましい構成によれば、異なる径サイズのニンニクに対応可能なニンニク盤茎切除装置を提供することができる。
【0017】
(6)前記ニンニクの茎を切除する茎切除装置が併設されている。
【0018】
上記(6)の好ましい構成によれば、ニンニクの茎の切除作業と前記ニンニクの盤茎の切除作業を連続して行うことができ、切除作業のさらなる効率化を図ることができる。
【0019】
(7)前記水平板の駆動シャフトが回転可能に支持されるテーブルをさらに備え、
前記茎切除装置は、
前記テーブル上に設けられ、前記ニンニクが茎を下方に向けた状態で載置される第2載置部と、前記テーブルの下方に設けられ、前記ニンニクの茎を切除する円板状の回転刃と、を有する。
【0020】
上記(7)の好ましい構成によれば、回転刃を回転駆動させ、ニンニクを手で持って、茎を下方に向けた状態で第2載置部に載置することにより、前記ニンニクの茎を前記回転刃で簡単に切除することができる。また、前記テーブルの下方で茎の切除を行う構成であるため、前記ニンニクを持った手を前記回転刃で傷付けてしまうことはない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、装置の構成がより簡単で、かつ、切除作業を迅速かつ確実に行うことが可能なニンニク盤茎切除装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の各部の動きを説明するための斜視図である。
図3】主に、本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の排出手段の構成を示す斜視図である。
図4】主に、本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の水平板の駆動機構を示す斜視図である。
図5】主に、本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の盤茎切除部の構成を示す斜視図である。
図6】主に、本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の載置部の構成を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態2におけるニンニク盤茎切除装置の全体構成を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態2におけるニンニク盤茎切除装置の上部テーブル上の配置構成を示す斜視図である。
図9】主に、本発明の実施形態2におけるニンニク盤茎切除装置の、茎切除装置周りの構成を示す斜視図である。
図10】茎切除装置を用いてニンニクの茎を切除している状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
[実施形態1]
(ニンニク盤茎切除装置の構成)
まず、本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の構成について、図1図6を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本発明の実施形態1におけるニンニク盤茎切除装置の全体構成を示す斜視図、図2は当該ニンニク盤茎切除装置の各部の動きを説明するための斜視図、図3は、主に、当該ニンニク盤茎切除装置の排出手段の構成を示す斜視図、図4は、主に、当該ニンニク盤茎切除装置の水平板の駆動機構を示す斜視図、図5は、主に、当該ニンニク盤茎切除装置の盤茎切除部の構成を示す斜視図、図6は、主に、当該ニンニク盤茎切除装置の載置部の構成を示す斜視図である。
【0026】
図1図6に示すように、本実施形態のニンニク盤茎切除装置(以下、単に「盤茎切除装置」ともいう)1は、水平方向に間欠駆動される水平板2と、水平板2上に複数設けられ、ニンニクAが盤茎Bを上方に向けた状態で載置される載置部3と、水平板2の上方に設けられ、載置部3に載置されたニンニクAの盤茎Bを上方から切除する盤茎切除部4とを備えている。
【0027】
本実施形態の盤茎切除装置1の構成によれば、ニンニクAが盤茎Bを上方に向けた状態で載置され、ニンニクAの盤茎Bを上方から切除するように構成されているため、ニンニクAを上方から押圧する押圧部、及び、当該押圧部を上下動させる機構を、必須の要素として備える必要がない。また、ニンニクAの盤茎Bを水平板2の上方で切除するように構成されているため、盤茎Bがうまく切除されたかどうかの確認を切除作業中に行うことができる。その結果、装置の構成がより簡単で、かつ、切除作業を迅速かつ確実に行うことが可能な盤茎切除装置を提供することができる。
【0028】
より詳細には、盤茎切除装置1は、上部テーブル5aと下部テーブル5bとを有する二段テーブル5を備えている。上部テーブル5aの上面には、水平方向に間欠に回転駆動される円板状の水平板2が配置されている。
図4に示すように、水平板2の中央には、下方に鉛直に延びる駆動シャフト6が固定されており、当該駆動シャフト6は、上部テーブル5aと下部テーブル5bとに回転可能に支持されている。駆動シャフト6には、傘歯車6aが固定されている。また、下部テーブル5bの上面には水平板駆動モータ7が設置されており、当該水平板駆動モータ7のモータ軸には、傘歯車6aと噛合する傘歯車7aが固定されている。
かかる構成によれば、水平板駆動モータ7を回転制御することにより、水平板2を、時計回りに間欠に回転駆動させることが可能となる(図2の矢印イを参照)。
【0029】
図1図2に示すように、水平板2上には、ニンニクAが盤茎Bを上方に向けた状態で載置される複数の載置部3が設けられている。そして、上記のように水平板2を、時計回りに間欠に回転駆動させることにより、複数のニンニクAを、順次、円周方向の所定の位置に移動させることが可能となる。
すなわち、水平方向に間欠に回転駆動される水平板2により、載置部3に載置された、盤茎切除後のニンニクAは、盤茎切除部4の下方位置から退避位置に退避され、次のニンニクAが、載置部3に載置された状態で盤茎切除部4の下方位置にセットされる。
載置部3は、シリコンゴム製のドーナツ板からなり、水平板2の外周近くの円周上に等間隔で6個配置されている。
【0030】
図1図6に示すように、水平板2の上方には、載置部3に載置されたニンニクAの盤茎Bを上方から切除する盤茎切除部4が設けられている。
盤茎切除部4は、鉛直下向きに配置された切除モータ8と、切除モータ8のモータ軸の下端に固着された回転切除刃8aとを備えている。回転切除刃8aは、ニンニクAの盤茎Bの中心を固定した状態で盤茎Bを切除できるように、先端部に略円錐状の突起8bが形成されている(特に、図5を参照)。そして、これにより、ニンニクAの盤茎Bを確実に切除することが可能となる。
【0031】
切除モータ8は、上下動部材9に固定されており、当該上下動部材9は、上部テーブル5a上に鉛直に立設された支持シャフト10に上下動可能に支持されている(図2の両矢印ロ,ハを参照)。
支持シャフト10には、上下動部材9の下方に位置して長方形状のプレート11の一端が上下動可能に支持されている。また、支持シャフト10には、上下動部材9とプレート11との間に第1のコイルばね12が挿通されている。さらに、支持シャフト10には、プレート11と上部テーブル5aとの間に第2のコイルばね13が挿通されている。
かかる構成によれば、盤茎Bの切除を行わない時(通常時)に、第1及び第2のコイルばね12,13の付勢力により、上下動部材9とプレート11を、所定の高さ位置に保持しておくことが可能となる(図1図2の状態)。
【0032】
プレート11には、切除モータ8のモータ軸の下端に固着された回転切除刃8aが通過可能な回転切除刃通過孔11aが穿設されている。また、上下動部材9の底面には、モータ軸と平行なガイドシャフト14が固定されており、プレート11には、通常時にガイドシャフト14の下端部が位置するガイド孔部材11bが固着されている(特に、図3図5図6を参照)。
【0033】
上下動部材9の側面には、傾動させることによって当該上下動部材9を上下動させることが可能な操作レバー15が設けられている(図2の両矢印ニ,ホ及び両矢印ロ,ハを参照)。
かかる構成によれば、当該操作レバー15を手前下方に傾動させる(引き下げる)ことにより(図2図3の矢印ホを参照)、上下動部材9を下方向に移動させ(図2図3の矢印ハを参照)、回転切除刃8aを、載置部3に載置されたニンニクAの盤茎B部分に持ってきて、盤茎Bの切除を行うことができる。また、操作レバー15を上方に傾動させる(持ち上げる)ことにより(図2の矢印ニを参照)、上下動部材9を上方向に移動させ、回転切除刃8aを、盤茎Bの切除を行わない高さ位置に持っていくことができる。
【0034】
プレート11は、操作レバー15を手前下方に傾動させる(引き下げる)ときに、上下動部材9と第1のコイルばね12に押されて下方向に移動し、ニンニクAを上方から押圧する押圧部としても機能する。なお、プレート11の下面(特に、回転切除刃通過孔11aの周囲)には、ニンニクAを傷付けないようにゴム板(図示せず)が貼り付けられている。また、操作レバー15を上方に傾動させる(持ち上げる)と、第2のコイルばね13の付勢力により、プレート11は、上方向に移動する。
但し、プレート11は、盤茎切除部4の一構成部材であり、切除作業に付随して作動するものであるため、特許文献1に開示された盤茎切除装置(根切除装置)のように装置の構成が複雑になったり、切除作業に余計な時間を要したりすることはない。
【0035】
本実施形態において、切除モータ8は、操作レバー15の手前下方への傾動動作(引き下げ動作)が開始されると、回転駆動し始め(図3の矢印ヘを参照)、操作レバー15の上方への傾動動作(持ち上げ動作)が開始されると、停止するように制御されている。また、水平板2は、操作レバー15を上方に傾動させる毎に、時計回りに所定角度だけ回転するように制御されている。
【0036】
盤茎切除装置1は、載置部3に載置された状態で退避位置(図2を参照)に退避されたニンニクAを、載置部3から排出する排出手段16をさらに備えている。排出手段16は、上部テーブル5a上に固定されたエアシリンダ17と、エアシリンダ17のピストンロッド17aの先端に取り付けられ、ピストンロッド17aの伸縮動作(図2の両矢印ト,チを参照)によって、退避位置における載置部3の上を水平に往復移動するニンニク排出部材16aとにより構成されている。
かかる構成によれば、盤茎切除後のニンニクAの排出を自動化することが可能となり、切除作業の効率化を図ることができる。
【0037】
上部テーブル5aには、ニンニク排出部材16aの近くに位置して排出口18が開口されており、当該排出口18には、排出ダクト19が取り付けられている。なお、下部テーブル5bには、排出ダクト19を通すための穴が開けられている。
かかる構成によれば、図3の状態から、エアシリンダ17のピストンロッド17aを縮小して(図3の矢印チを参照)、ニンニク排出部材16aを、退避位置における載置部3の上を水平に移動させることにより、盤茎切除後のニンニクAを排出口18に落とし(図3の矢印リを参照)、排出ダクト19を通して収容箱等に収容することができる。
【0038】
切除作業開始時において、エアシリンダ17のピストンロッド17aは、伸長した状態となっている。すなわち、ニンニク排出部材16aは、退避位置における載置部3の背後で静止した状態となっている(図3の状態)。そして、盤茎切除後のニンニクAが退避位置に来ると、上記のように、エアシリンダ17のピストンロッド17aが縮小して(図3の矢印チを参照)、ニンニク排出部材16aが、退避位置における載置部3の上を水平に移動し、盤茎切除後のニンニクAを排出口18に落とすように制御されている。
【0039】
図6に示すように、載置部3は、異なる径サイズのニンニクに対応できるように、複数種類の保持部材に変更可能である。より具体的には、載置部3は、水平板2の外周近くの円周上に等間隔で6個固定配置された大径のドーナツ板からなる第1の保持部材3aと、第1の保持部材3aに嵌合する円筒部分と小径のドーナツ板部分とからなる第2の保持部材3bとに変更可能である。第1及び第2の保持部材3a,3bは、ともにシリコンゴム製である。
かかる構成によれば、異なる径サイズのニンニクAに対応可能な盤茎切除装置を提供することができる。
【0040】
[ニンニク盤茎切除装置の使用方法]
次に、本実施の形態におけるニンニク盤茎切除装置の使用方法について、簡単に説明する。
【0041】
まず、図1に示すように、水平板2上の6個の載置部3にそれぞれニンニクAを、盤茎Bを上方に向けた状態で載置する。この時点では、エアシリンダ17のピストンロッド17aは、伸長した状態となっており、ニンニク排出部材16aは、退避位置における載置部3の背後で静止した状態となっている(図3の状態)。
【0042】
次いで、図3に示すように、操作レバー15を手前下方に傾動させる(図3の矢印ホを参照)。これにより、上下動部材9を下方向に移動させ(図3の矢印ハを参照)、回転切除刃8aを、載置部3に載置されたニンニクAの盤茎B部分に持ってきて、盤茎Bの切除を行うことができる。
【0043】
次いで、操作レバー15を上方に傾動させる(図2の矢印ニを参照)。これにより、切除モータ8が停止すると同時に、水平板2が時計回りに所定角度だけ回転して、載置部3に載置された、盤茎切除後のニンニクAが、盤茎切除部4の下方位置から退避位置に退避され、次のニンニクAが、載置部3に載置された状態で盤茎切除部4の下方位置にセットされる。
【0044】
載置部3に載置された、盤茎切除後のニンニクAが、盤茎切除部4の下方位置から退避位置に退避されると、エアシリンダ17のピストンロッド17aが縮小して(図3の矢印チを参照)、ニンニク排出部材16aが、退避位置における載置部3の上を水平に移動する。これにより、盤茎切除後のニンニクAが排出口18に落とされ(図3の矢印リを参照)、排出ダクト19を通して収容箱等に収容される。
【0045】
以後、同じ動作が繰り返される。
【0046】
なお、本実施形態においては、水平方向に間欠駆動される水平板として、水平方向に間欠に回転駆動される円板状の水平板2を用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明は必ずしもかかる構成に限定されるものではない。水平板は、例えば、水平方向に間欠に直進駆動される構成のものであってもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、水平板2上の載置部3へのニンニクAの載置を手作業で行っているが、既存の技術を応用してこの工程を自動化してもよい。
【0048】
また、本実施形態においては、操作レバー15の傾動動作に伴ってプレート11が上下動する場合を例に挙げて説明したが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。例えば、操作レバー15の把持部に上下動ボタンを設け、当該上下動ボタンのボタン操作によってプレート11を上下動させるようにしてもよい。この場合、まず、プレート11を下方向に移動させて、ニンニクAを上方から押圧した後、操作レバー15を手前下方に傾動させる(引き下げる)ことにより、上下動部材9を下方向に移動させ、回転切除刃8aを、載置部3に載置されたニンニクAの盤茎B部分に持ってきて、盤茎Bの切除が行われる。
【0049】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2におけるニンニク盤茎切除装置の構成について、図7図10を参照しながら説明する。
【0050】
図7は本発明の実施形態2におけるニンニク盤茎切除装置の全体構成を示す斜視図、図8は当該ニンニク盤茎切除装置の上部テーブル上の配置構成を示す斜視図、図9は、主に、当該ニンニク盤茎切除装置の、茎切除装置周りの構成を示す斜視図、図10は茎切除装置を用いてニンニクの茎を切除している状態を示す縦断面図である。
【0051】
図7図10に示すように、本実施形態のニンニク盤茎切除装置(以下、単に「盤茎切除装置」ともいう)20は、上記実施形態1の盤茎切除装置1に、ニンニクAの茎Cを切除する茎切除装置21が併設された構成となっている。このため、本実施形態では、茎切除装置21についてのみ詳細に説明し、盤茎切除装置1については必要最小限の説明に留める。
【0052】
茎切除装置21は、上部テーブル22aと下部テーブル22bとを有する第2二段テーブル22を備えている。第2二段テーブル22は、上記実施形態1における二段テーブル5を水平方向に延長して当該二段テーブル5と一体に設けられたものである。
上部テーブル22aには、ニンニクAが茎Cを下方に向けた状態で載置される第2載置部23が設けられている(特に、図10を参照)。
図10に示すように、上部テーブル22aには貫通孔24が穿設されており、第2載置部23は、貫通孔24に嵌合する円筒部分23aと、ニンニクAが載置されるドーナツ板部分23bとからなっている。第2載置部23は、シリコンゴム製である。
【0053】
図7図9図10に示すように、上部テーブル22aの裏側(下面側)には、貫通孔24に近接して、鉛直上向きに配置された切除モータ25が固定されており、切除モータ25のモータ軸の上端には円板状の回転刃25aが固着されている。
【0054】
以上説明した本実施形態の盤茎切除装置20の構成によれば、図10に示すように、切除モータ25(回転刃25a)を回転駆動させ、ニンニクAを手で持って、茎Cを下方に向けた状態で第2載置部23に載置することにより、ニンニクAの茎Cを回転刃25aで簡単に切除することができる。また、上部テーブル22aの裏側(下面側)で茎Cの切除を行う構成であるため、ニンニクAを持った手を回転刃25aで傷付けてしまうことはない。
【0055】
茎Cが切除されたニンニクAは、そのまま盤茎切除装置1の載置部3に載置されて、盤茎Bの切除作業に移される。
このように、本実施形態の盤茎切除装置20の構成によれば、ニンニクAの茎Cの切除作業とニンニクAの盤茎Bの切除作業を連続して行うことができ、切除作業のさらなる効率化を図ることができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、茎Cが切除されたニンニクAが、そのまま盤茎切除装置1の載置部3に載置されて、盤茎Bの切除作業に移される場合を例に挙げて説明したが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。茎Cの切除作業と盤茎Bの切除作業は、まったく別の作業として行うこともできる。
【符号の説明】
【0057】
1,20 ニンニク盤茎切除装置(盤茎切除装置)
2 水平板
3 載置部
3a 第1の保持部材
3b 第2の保持部材
4 盤茎切除部
5 二段テーブル
5a,22a 上部テーブル
5b,22b 下部テーブル
6 駆動シャフト
6a,7a 傘歯車
7 水平板駆動モータ
8,25 切除モータ
8a 回転切除刃
8b 突起
9 上下動部材
10 支持シャフト
11 プレート
11a 回転切除刃通過孔
11b ガイド孔部材
12 第1のコイルばね
13 第2のコイルばね
14 ガイドシャフト
15 操作レバー
16 排出手段
16a ニンニク排出部材
17 エアシリンダ
17a ピストンロッド
18 排出口
19 排出ダクト
21 茎切除装置
22 第2二段テーブル
23 第2載置部
23a 円筒部分
23b ドーナツ板部分
24 貫通孔
25a 回転刃
A ニンニク
B 盤茎(根毛)
C 茎
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10