特開2021-104745(P2021-104745A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-104745(P2021-104745A)
(43)【公開日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 13/00 20060101AFI20210625BHJP
【FI】
   B60C13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-236951(P2019-236951)
(22)【出願日】2019年12月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】和田 智
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 幹太
(72)【発明者】
【氏名】岡田 崇史
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BC47
3D131BC51
3D131GA01
3D131GA04
(57)【要約】
【課題】 サイドウォール部の凹凸部を目立たなくして、外観の向上を図ることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 一対のサイドウォール部を含む空気入りタイヤ1である。空気入りタイヤ1は、一対のサイドウォール部3の少なくとも一方の外面3Sは、タイヤ周方向に円弧状に延びる装飾部10を備えている。装飾部10は、第1模様部11と、第1模様部11とは異なる表面性状を有する第2模様部12とを含んでいる。装飾部10の正面視において、その円周方向の中心位置を通るタイヤ半径方向線である基準中心線22上で、装飾部10を、基準中心線22と直交する向きにN等分(Nは3以上の整数)して複数の装飾領域21に区分したときに、装飾領域21の面積に対する第1模様部11の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域21ほど大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のサイドウォール部を含む空気入りタイヤであって、
前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方の外面は、タイヤ周方向に円弧状に延びる装飾部を備え、
前記装飾部は、第1模様部と、前記第1模様部とは異なる表面性状を有する第2模様部とを含み、
前記装飾部の正面視において、その円周方向の中心位置を通るタイヤ半径方向線である基準中心線上で、前記装飾部を、前記基準中心線と直交する向きにN等分(Nは3以上の整数)して複数の装飾領域に区分したときに、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きい、
空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第1模様部及び前記第2模様部の一方は、複数の線状模様が形成されている、請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第1模様部及び前記第2模様部の一方は、微細突起が形成されている、請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記第1模様部及び前記第2模様部の他方は、実質的に平滑な表面を有する、請求項2又は3記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第1模様部と前記第2模様部とは、前記基準中心線と平行な第1境界によって区別される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第1模様部と前記第2模様部とは、前記第1境界と直交する第2境界によって区別可能とされている、請求項5記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記第1境界の長さは、前記第2境界の長さよりも大きい、請求項6記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記第1境界の長さは、前記第2境界の長さの10倍以下である、請求項7記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
最もタイヤ半径方向外側の装飾領域において、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合は、80%〜100%である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
最もタイヤ半径方向内側の装飾領域において、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合は、30%〜50%である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記装飾部は、前記基準中心線に沿ったタイヤ半径方向において、前記複数の装飾領域のうち最も内側に配される第1装飾領域よりも内側、かつ、前記第1装飾領域と同一の幅を有する内側装飾領域を含み、
前記第1装飾領域において、前記第1装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合は、前記内側装飾領域において、前記内側装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合よりも大きい、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記装飾領域は、最もタイヤ半径方向内側の第1装飾領域と、前記第1装飾領域のタイヤ半径方向の外側に配される第2装飾領域と、最もタイヤ半径方向外側の第3装飾領域とを含み、
前記第2装飾領域において、前記第2装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を、前記第1装飾領域において、前記第1装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を除した第1比率と、
前記第3装飾領域において、前記第3装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を、前記第2装飾領域において、前記第2装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を除した第2比率とは互いに異なる、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、カーカスプライの重ね継ぎ部分などの影響により、凹凸部が発生することがある。このような凹凸部は、タイヤ本来の走行性能に影響はないが、外観上、目立たないことが望ましい。
【0003】
下記特許文献1には、サイドウォール部の凹凸部を目立たなくするために、サイドウォールの表面に、タイヤ周方向にのびる帯状の装飾帯が設けられた空気入りタイヤが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−17828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のタイヤは、それなりの効果が期待されるが、近年、ユーザーからは、さらなる改善が求められていた。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、サイドウォール部の凹凸部を目立たなくして、外観の向上を図ることができる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、 一対のサイドウォール部を含む空気入りタイヤであって、前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方の外面は、タイヤ周方向に円弧状に延びる装飾部を備え、前記装飾部は、第1模様部と、前記第1模様部とは異なる表面性状を有する第2模様部とを含み、前記装飾部の正面視において、その円周方向の中心位置を通るタイヤ半径方向線である基準中心線上で、前記装飾部を、前記基準中心線と直交する向きにN等分(Nは3以上の整数)して複数の装飾領域に区分したときに、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きいことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1模様部及び前記第2模様部の一方は、複数の線状模様が形成されていてもよい。
【0009】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1模様部及び前記第2模様部の一方は、微細突起が形成されていてもよい。
【0010】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1模様部及び前記第2模様部の他方は、実質的に平滑な表面を有していてもよい。
【0011】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1模様部と前記第2模様部とは、前記基準中心線と平行な第1境界によって区別されていてもよい。
【0012】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1模様部と前記第2模様部とは、前記第1境界と直交する第2境界によって区別可能とされていてもよい。
【0013】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1境界の長さは、前記第2境界の長さよりも大きくてもよい。
【0014】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1境界の長さは、前記第2境界の長さの10倍以下であってもよい。
【0015】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、最もタイヤ半径方向外側の装飾領域において、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合は、80%〜100%であってもよい。
【0016】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、最もタイヤ半径方向内側の装飾領域において、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合は、30%〜50%であってもよい。
【0017】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記装飾部は、前記基準中心線に沿ったタイヤ半径方向において、前記複数の装飾領域のうち最も内側に配される第1装飾領域よりも内側、かつ、前記第1装飾領域と同一の幅を有する内側装飾領域を含み、前記第1装飾領域において、前記第1装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合は、前記内側装飾領域において、前記内側装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合よりも大きくてもよい。
【0018】
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記装飾領域は、最もタイヤ半径方向内側の第1装飾領域と、前記第1装飾領域のタイヤ半径方向の外側に配される第2装飾領域と、最もタイヤ半径方向外側の第3装飾領域とを含み、前記第2装飾領域において、前記第2装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を、前記第1装飾領域において、前記第1装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を除した第1比率と、前記第3装飾領域において、前記第3装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を、前記第2装飾領域において、前記第2装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を除した第2比率とは互いに異なってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の空気入りタイヤは、前記装飾部が3等分以上に区分された複数の装飾領域について、前記装飾領域の面積に対する前記第1模様部の面積の割合を、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きくしている。これにより、本発明は、前記装飾部の模様をタイヤ半径方向に一定の関連性を持って変化させることができる。さらに、本発明は、前記装飾部の模様を、3段階以上に変化させることができる。これにより、本発明は、前記サイドウォール部に複雑な装飾模様を与えることができるため、前記サイドウォール部の凹凸部を目立たなくして、外観の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】空気入りタイヤの正規状態におけるタイヤ子午線断面図である。
図2】サイドウォール部の外面の一例を示す部分正面図である。
図3】第1模様部及び第2模様部の一例を示す部分斜視図である。
図4】装飾領域の一例を示す分解側面図である。
図5図2の部分拡大図である。
図6】本発明の他の実施形態の第1模様部及び第2模様部の一例を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1の正規状態におけるタイヤ子午線断面図である。本実施形態では、好ましい態様として、乗用車用のタイヤ1が示されている。ただし、タイヤ1は、乗用車用のタイヤに限定されるものではなく、例えば、重荷重用や自動二輪車用など、他のカテゴリーのタイヤにも適用することができる。
【0022】
ここで、「正規状態」とは、タイヤ1が正規リムにリム組みされ、かつ、正規内圧に調整された無負荷の状態である。以下、特に言及しない場合、タイヤ1の各部の寸法等は、この正規状態で測定された値である。
【0023】
「正規リム」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
【0024】
「正規内圧」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0025】
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、一対のサイドウォール部3、3を含んでいる。本実施形態の一対のサイドウォール部3は、トレッド部2の両端に連なって、タイヤ半径方向内側にそれぞれ延びている。さらに、本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3に連なって、タイヤ半径方向内側に延びる一対のビード部4、4を含んでいる。
【0026】
ここで、本明細書において、「タイヤ半径方向」は、タイヤ回転軸(図示省略)に垂直な方向として定義される。「タイヤ軸方向」は、タイヤ回転軸に平行な方向として定義される。「タイヤ周方向」は、タイヤ回転軸を中心とした円周方向として定義される。
【0027】
本実施形態のタイヤ1は、一対のビード部4間に配されたトロイド状のカーカス6と、カーカス6のタイヤ半径方向の外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを有している。
【0028】
カーカス6は、少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aを含んでいる。カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経て両側のビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、本体部6aに連なる一対の折り返し部6bとを含んでいる。本体部6aと折り返し部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外側に向かって延びる一対のビードエーペックスゴム8が設けられている。カーカスプライ6Aは、例えば、タイヤ赤道Cに対して75〜90°の角度で配されたカーカスコード(図示省略)を含んでいる。カーカスコードとしては、例えば、芳香族ポリアミドやレーヨン等の有機繊維コードが好適に採用され得る。
【0029】
ベルト層7は、少なくとも1枚、本実施形態では2枚のベルトプライ7A、7Bを含んでいる。ベルトプライ7A、7Bは、例えば、タイヤ赤道Cに対して15〜45゜の角度で傾斜して配列されたベルトコード(図示省略)を含んでいる。ベルトコードとしては、例えば、スチール、アラミド及びレーヨン等が好適に採用され得る。
【0030】
一対のサイドウォール部3の少なくとも一方の外面3Sは、装飾部10を備えている。本実施形態の装飾部10は、一対のサイドウォール部3の双方の外面3Sに、それぞれ設けられている。また、本実施形態の装飾部10は、タイヤ半径方向で離間して設けられた一対の周方向凸条9a、9bの間に設けられているが、このような態様に限定されない。なお、一対の周方向凸条9a、9bは、サイドウォール部3の外面から突出し、かつ、タイヤ周方向に延びている。
【0031】
装飾部10のタイヤ半径方向の高さH1については、適宜設定することができる。本実施形態の装飾部10の高さH1は、ビードベースラインBLからのタイヤ高さH2の40%〜70%に設定されている。図2は、サイドウォール部3の外面3Sの一例を示す部分正面図である。
【0032】
装飾部10は、タイヤ周方向に円弧状に延びている。装飾部10は、タイヤ周方向に複数設けられてもよい。装飾部10のタイヤ周方向の範囲αについては、適宜設定することができる。本実施形態の範囲αは、タイヤ回転軸(図示省略)を中心とした中心角度に換算したときに、60度〜120度に設定されている。装飾部10には、タイヤのメーカ名、ブランド名、サイズ等を表す文字、及び、記号などの標章(図示省略)が設けられてもよい。
【0033】
装飾部10は、第1模様部11と、第2模様部12とを含んで構成されている。第2模様部12は、第1模様部11とは異なる表面性状(サイドウォール部3の外面3Sの状態)を有している。表面性状は、例えば、外面3Sに設けられる凹凸等の有無、及び、それらの大きさ等で区別されうる。
【0034】
本実施形態において、第1模様部11及び第2模様部12の一方(本例では、第1模様部11)は、複数の線状模様13が形成されている。図3は、第1模様部11及び第2模様部12の一例を示す部分斜視図である。
【0035】
本実施形態の線状模様13は、サイドウォール部3の外面3Sに設けられた凸条15として形成されている。隣り合う凸条15、15間には、条溝16が形成されている。なお、本実施形態の線状模様13において、サイドウォール部3の外面3Sは、凸条15の上端を継ぐ仮想面(図示省略)として特定することができる。図2において、凸条15がタイヤ周方向で隔設される単線で示されており、条溝16が単線間の無模様部分で示されている。
【0036】
図2に示されるように、本実施形態の凸条15及び条溝16(図3に示す)は、タイヤ半径方向にのび、かつ、タイヤ周方向に並べられている。なお、凸条15及び条溝16が並べられる向きについては、このような態様に限定されない。
【0037】
図3に示されるように、本実施形態の凸条15は、断面台形状に形成されているが、このような態様に限定されない。凸条15は、例えば、断面三角形状や断面半円状などに適宜形成されうる。
【0038】
凸条15のタイヤ周方向の配設ピッチP1及び条溝16の溝深さD1については、適宜設定することができる。本実施形態の配設ピッチP1は、タイヤ回転軸(図示省略)を中心とした中心角度に換算した場合、例えば、0.1度〜0.3度に設定されうる。一方、溝深さD1は、例えば、0.2mm〜0.5mmに設定されうる。
【0039】
第1模様部11及び第2模様部12の他方(本例では、第2模様部12)は、実質的に平滑な表面19を有している。ここで、「実質的に平滑」には、表面粗さ(算術平均粗さ)Raが1.0μm程度以下のものが許容されるものとする。このような平滑な表面19を有する第2模様部12は、複数の線状模様13が形成された第1模様部11に比べて、光の反射量を大きくすることができ、明るく視認させることができる。本実施形態の平滑な表面19は、サイドウォール部3の外面3S(凸条15の上端に連なる面)として構成されているが、サイドウォール部3の外面3Sから凹んだ面(例えば、条溝16の溝底に連なる面)として構成されてもよい。
【0040】
これらの線状模様13と平滑な表面19により、装飾部10は、第1模様部11の表面性状(本例では、線状模様13)と、第2模様部12の表面性状とを互いに異ならせることができる。これらの第1模様部11及び第2模様部12は、光の反射量を互いに異ならせることができ、これらの明暗のコントラストを大きくすることができる。
【0041】
図4は、装飾領域21の一例を示す分解側面図である。装飾部10は、装飾部10の正面視において、複数の装飾領域21に区分される。これらの装飾領域21は、図2に示した装飾部10の円周方向の中心位置10cを通るタイヤ半径方向線である基準中心線22上で、装飾部10を、基準中心線22と直交する向きにN等分(Nは3以上の整数)にすることで区分される。図4に示されるように、本実施形態の各装飾領域21は、基準中心線22上において、同一の幅(基準中心線22に沿った幅)W1に設定されている。
【0042】
本実施形態では、装飾部10が3等分されることにより、3つの装飾領域21(第1装飾領域21a、第2装飾領域21b及び第3装飾領域21c)に区分される。第1装飾領域21aは、基準中心線22上において、最もタイヤ半径方向内側に配されている。第2装飾領域21bは、基準中心線22上において、第1装飾領域21aのタイヤ半径方向の外側に配されている。第3装飾領域21cは、基準中心線22上において、最もタイヤ半径方向外側(本例では、第2装飾領域21bのタイヤ半径方向外側)に配されている。本実施形態では、各装飾領域21a〜21cが仮想的に区分されているが、例えば、基準中心線22と直交する向きにのびる境界線(図示省略)等によって明確に区分されてもよい。
【0043】
本実施形態では、各装飾領域21(本例では、各第1装飾領域21a〜第3装飾領域21c)の面積に対する第1模様部11の面積の割合(以下、「第1模様部11の面積の割合」ということがある。)が、タイヤ半径方向外側の装飾領域21ほど大きく設定されている。ここで、第1模様部11の面積の割合は、各装飾領域21において、第1模様部11の総面積の割合を、第1模様部11及び第2模様部12を含む装飾領域21の総面積で除することで求められる。なお、装飾部10に標章(図示省略)が設けられる場合には、標章を除外して、各装飾領域21の面積が計算される。本実施形態では、第1装飾領域21aでの第1模様部11の面積の割合が最も小さく設定されており、第3装飾領域21cでの第1模様部11の面積の割合が最も大きく設定されている。
【0044】
本実施形態のタイヤ1は、第1模様部11の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域21ほど大きく設定されているため、装飾部10の模様を、基準中心線22に対して、タイヤ半径方向に一定の関連性を持って変化させることができる。本実施形態では、第1模様部11及び第2模様部12のコントラストを、タイヤ半径方向に変化させることができる。
【0045】
さらに、本実施形態のタイヤ1は、装飾部10の模様を、3段階以上(本例では、第1装飾領域21a〜第3装飾領域21cにより3段階)に変化させることができる。これにより、本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3(図2に示す)に複雑(不均一)な装飾模様を与えることができる。
【0046】
一般に、サイドウォール部3の外面3S(図2に示す)には、カーカスプライ6Aの重ね継ぎ部分(図示省略)などの影響によって、凹凸部(図示省略)が発生することがある。本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3に複雑な装飾模様を与えることができるため、サイドウォール部3の凹凸部を目立たなくすることができ、外観の向上を図ることが可能となる。
【0047】
本実施形態の装飾部10は、タイヤ半径方向外側の装飾領域21ほど、光の反射量が相対的に小さい第1模様部11の面積の割合が大きく設定されている。これにより、装飾部10は、例えば、ショルダー部24(図1及び図2に示す)付近で凹凸部(図示省略)が発生しやすいタイヤ1において、凹凸部をより効果的に目立たなくすることが可能となる。
【0048】
タイヤ半径方向で隣接する装飾領域21について、外側の装飾領域(例えば、第2装飾領域21b)での第1模様部11の面積の割合は、内側の装飾領域(例えば、第1装飾領域21a)での第1模様部11の面積の割合の1.3〜3.0倍が望ましい。外側の装飾領域での第1模様部11の面積の割合が、内側の装飾領域での第1模様部11の面積の割合の1.3倍以上に設定されることにより、隣接する装飾領域21、21間で、第1模様部11の面積の割合を互いに異ならせることができる。これにより、装飾部10は、サイドウォール部3(図1及び図2に示す)に複雑な装飾模様を与えることが可能となる。一方、外側の装飾領域での第1模様部11の面積の割合が、内側の装飾領域での第1模様部11の面積の割合の3.0倍以下に設定されることにより、隣接する装飾領域21、21間で、装飾部10の模様の変化が必要以上に大きくなるのを防ぐことができる。このような観点より、外側の装飾領域での第1模様部11の面積の割合は、好ましくは、内側の装飾領域での第1模様部11の面積の割合の1.4倍以上であり、また、好ましくは、2.5倍以下である。
【0049】
第2装飾領域21bにおいて、第2装飾領域21bの面積に対する第1模様部11の面積の割合を、第1装飾領域21aにおいて、第1装飾領域21aの面積に対する第1模様部11の面積の割合を除した第1比率については、上述の範囲内で設定できる。また、第3装飾領域21cにおいて、第3装飾領域21cの面積に対する第1模様部11の面積の割合を、第2装飾領域21bにおいて、第2装飾領域21bの面積に対する第1模様部11の面積の割合を除した第2比率についても、上述の範囲内で設定できる。本実施形態では、第1比率と第2比率とを異ならせている。これにより、装飾部10は、第1装飾領域21aから第2装飾領域21bへの装飾の模様の変化と、第2装飾領域21bから第3装飾領域21cへの装飾の模様の変化とを互いに異ならせることができる。したがって、本実施形態では、サイドウォール部3に複雑な装飾模様を与えることが可能となる。本実施形態では、第1比率が第2比率よりも大きく設定されていることにより、ビード部4側からサイドウォール部3にかけて発生した凹凸部(図示省略)を、効果的に目立たなくすることが可能となる。
【0050】
最もタイヤ半径方向外側の装飾領域21(本例では、第3装飾領域21c)において、装飾領域21の面積に対する第1模様部11の面積の割合は、80%〜100%に設定されるのが望ましい。前記面積の割合が80%以上に設定されることにより、凹凸部(図示省略)が発生しやすいショルダー部24(図1及び図2に示す)付近において、第1模様部11の面積の割合を大きくできるため、凹凸部を目立たなくすることができる。一方、前記面積の割合が100%未満に設定されることにより、第1模様部11及び第2模様部12の双方が配されるため、サイドウォール部3(図1及び図2に示す)に複雑な装飾模様を与えることが可能となる。このような観点より、前記面積の割合は、好ましくは85%以上であり、また、好ましくは95%以下である。
【0051】
最もタイヤ半径方向内側の装飾領域(本例では、第1装飾領域21a)において、装飾領域21の面積に対する第1模様部11の面積の割合は、30%〜50%に設定されるのが望ましい。前記面積の割合が30%以上に設定されることにより、ビード部4(図1及び図2に示す)側に発生した凹凸部(図示省略)を目立たなくすることができる。一方、前記面積の割合が50%以下に設定されることにより、第1模様部11の面積の割合が必要以上に大きくなるのを防ぐことができる。これにより、最もタイヤ半径方向内側の装飾領域は、他の装飾領域21(本例では、第2装飾領域21b及び第3装飾領域21c)との間で、第1模様部11の面積の割合に差をもたせることが容易となる。このような観点より、前記面積の割合は、好ましくは35%以上であり、また、好ましくは45%以下である。
【0052】
最もタイヤ半径方向外側の装飾領域と、最もタイヤ半径方向内側の装飾領域との間に配される装飾領域(本例では、第2装飾領域21b)において、装飾領域21の面積に対する第1模様部11の面積の割合は、55%〜75%に設定されるのが望ましい。前記面積の割合が55%以上に設定されることによって、凹凸部(図示省略)を目立たなくしつつ、最もタイヤ半径方向内側の装飾領域(本例では、第1装飾領域21a)との間で、装飾部10の模様を変化させることができる。一方、前記面積の割合が75%以下に設定されることにより、最もタイヤ半径方向外側の装飾領域(本例では、第3装飾領域21c)との間で、装飾部10の模様を変化させることができる。このような観点より、前記面積の割合は、好ましくは60%以上であり、また、好ましくは70%以下である。
【0053】
図4に示されるように、装飾部10は、基準中心線22に沿ったタイヤ半径方向において、複数の装飾領域21のうち最も内側に配される第1装飾領域21aよりも内側、かつ、第1装飾領域21aと同一の幅W1を有する内側装飾領域40が含まれる。この場合、第1装飾領域21aにおいて、第1装飾領域21aの面積に対する第1模様部11の面積の割合は、内側装飾領域40において、内側装飾領域40の面積に対する第1模様部11の面積の割合よりも大きいのが望ましい。これにより、本実施形態のタイヤ1は、内側装飾領域40から装飾領域21(第1装飾領域21a〜第3装飾領域21c)にかけて、第1模様部11の面積の割合が大きく設定される。これにより、本実施形態では、第1模様部11及び第2模様部12のコントラストを、タイヤ半径方向に、効果的に変化させることができる。
【0054】
第1装飾領域21aの面積に対する第1模様部11の面積の割合と、内側装飾領域40の面積に対する第1模様部11の面積の割合との比率については、上述の範囲で設定されるのが望ましい。また、内側装飾領域40が複数の領域に区分される場合には、第1模様部11の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の内側装飾領域40ほど大きく設定されるのが望ましい。
【0055】
図5は、図2の部分拡大図である。本実施形態の装飾部10は、第1模様部11と第2模様部12とが、第1境界25によって区別されている。本実施形態の第1境界25は、基準中心線22(図2及び図5に示す)と平行に延びている。これにより、装飾部10は、第1境界25の少なくとも一部を、タイヤ回転軸(図示省略)から放射状にのびる凸条15及び条溝16と交差させることができ、サイドウォール部3に複雑な装飾模様を与えることができる。さらに、第1模様部11及び第2模様部12は、同一方向にのびる第1境界25によって区別されうる。これにより、第1模様部11及び第2模様部12を形成するための加硫金型の成形部(例えば、凸部や溝など)を容易に加工することができ、加硫金型の製造時間の増大を抑制しうる。なお、本実施形態のように、基準中心線22と平行な第1境界25に限定されるわけではなく、例えば、タイヤ回転軸(図示省略)から放射状にのびる第1境界(図示省略)が含まれてもよい。
【0056】
本実施形態の装飾部10は、第1模様部11と第2模様部12とが、第1境界25と直交する第2境界26によって区別されている。これにより、第1模様部11及び第2模様部12は、同一方向にのびる第2境界26によって区別されるため、加硫金型の製造時間の増大を抑制しうる。さらに、本実施形態の第2境界26は、同一の長さL3に設定されている。これにより、装飾部10は、加硫金型の製造時間の増大を効果的に抑制しうる。なお、装飾部10には、長さL3が異なる複数種類の第2境界26が含まれてもよい。これにより、装飾部10は、サイドウォール部3に、より複雑な装飾模様を与えることが可能となる。
【0057】
第1境界25及び第2境界26により、本実施形態の第2模様部12は、第1模様領域31と第2模様領域32とに区分される。第1模様領域31及び第2模様領域32は、その少なくとも一部が、第1境界25及び第2境界26を介して、第1模様部11(線状模様13)に囲まれている。本実施形態の第2模様部12には、第1模様領域31及び第2模様領域32がそれぞれ複数設けられている。
【0058】
第1模様領域31は、基準中心線22(図2及び図4に示す)と直交する向きで隣接している一対の第1境界25、25と、一対の第1境界25、25間を継ぐ一対の第2境界26、26とで区分されている。これにより、第1模様領域31は、装飾部10の正面視において、略矩形状に形成される。
【0059】
第2模様領域32は、基準中心線22(図2及び図4に示す)と直交する向きで隣接している一対の第1模様領域31、31間を継ぐ一対の第2境界26、26で区分されている。一対の第2境界26、26は、基準中心線22に沿った方向において、一対の第1模様領域31の略中央部に配されている。このような第2模様領域32と、第2模様領域32を介して隣り合う一対の第1模様領域31、31とにより、装飾部10には、略H字状の第2模様部12が形成される。
【0060】
このように、本実施形態の装飾部10は、第2模様部12として、第1模様領域31及び第2模様領域32が複数配されることにより、サイドウォール部3に、より複雑な装飾模様を与えることができる。これにより、装飾部10は、サイドウォール部3の凹凸部(図示省略)を目立たなくすることができる。第1模様領域31及び第2模様領域32は、一定の規則性をもって配されても良いし、ランダムに配されてもよい。第1模様領域31及び第2模様領域32がランダムに配されることにより、サイドウォール部3の装飾模様を、より複雑にすることが可能となる。
【0061】
図2に示されるように、本実施形態の第1模様部11には、図5に示した第1境界25及び第2境界26を介して、第2模様部12(サイドウォール部3の外面3S)に囲まれる第3模様領域33が含まれてもよい。本実施形態の第3模様領域33は、装飾部10の正面視において、略矩形状に形成されている。このような第3模様領域33により、装飾部10は、サイドウォール部3の装飾模様を、より複雑にすることが可能となる。
【0062】
図5に示されるように、第1境界25の長さL2の少なくとも一部は、第2境界26の長さL3よりも大きいのが望ましい。これにより、第1模様部11及び第2模様部12の少なくとも一方(本例では、第2模様部12の第1模様領域31、及び、第1模様部11の第3模様領域33(図2に示す))が、基準中心線22(図2に示す)と平行な方向に細長く形成される。これにより、装飾部10は、サイドウォール部3に複雑な装飾模様を与えつつ、一定の規則性を与えることができるため、タイヤ1の外観をさらに向上させることができる。
【0063】
このような作用を効果的に発揮させるために、第1境界25の長さL2は、第2境界26の長さL3の1倍〜10倍に設定されるのが望ましい。第1境界25の長さL2が、第2境界26の長さL3の1倍よりも大に設定されることにより、第1模様部11及び第2模様部12の少なくとも一方(第1模様領域31及び第3模様領域33)が、基準中心線22(図2に示す)と平行な方向に細長く形成されうる。一方、第1境界25の長さL2が、第2境界26の長さL3の10倍以下に設定されることにより、第1模様部11及び第2模様部12の少なくとも一方が必要以上に細長く(筋状)形成されるのを抑制することができる。これにより、装飾部10は、サイドウォール部3の装飾模様が、単調になるのを防ぐことができる。このような観点より、第1境界25の長さL2の上限値は、好ましくは、第2境界26の長さL3の5倍以上であり、また、好ましくは、8倍以下である。
【0064】
本実施形態の装飾部10は、長さL2が異なる複数種類の第1境界25を有している。これにより、装飾部10は、サイドウォール部3に、より複雑な装飾模様を与えることができる。このような作用を効果的に発揮させるために、装飾部10には、4〜10種類の第1境界25が含まれるのが望ましい。なお、各第1境界25の長さL2は、第2境界26の長さL3の1倍〜10倍(好ましい上限値は、5倍〜8倍)の範囲内に設定されるのが望ましい。
【0065】
図4に示されるように、各装飾領域21の第1境界25の長さL2の平均値は、タイヤ半径方向外側の装飾領域21ほど小さく設定されてもよい。これにより、装飾部10の模様を、タイヤ半径方向に変化させることができる。さらに、本実施形態では、第1境界25の長さL2が小さいほど、第2模様部12の面積が小さくなるため、装飾領域21の面積に対する第1模様部11の面積の割合を、タイヤ半径方向外側の装飾領域21ほど大きくすることができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3(図2に示す)に複雑な装飾模様を与えることができ、外観の向上を図ることが可能となる
【0066】
これまでの実施形態では、図2及び図3に示されるように、第1模様部11及び第2模様部12の一方(本例では、第1模様部11)に、複数の線状模様13が形成される態様が例示されたが、このような態様に限定されない。図6は、本発明の他の実施形態の第1模様部11及び第2模様部12の一例を示す部分斜視図である。この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0067】
この実施形態の第1模様部11及び第2模様部12の一方(本例では、第1模様部11)は、複数の微細突起37が形成されている。本実施形態の微細突起37は、サイドウォール部3の外面3Sから凹む底面38から外側に突出しているが、外面3Sから突出していてもよい。本実施形態の微細突起37は、装飾部10の正面視において、円形状に形成されているが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、微細突起37は、装飾部10の正面視において、矩形状や三角形状等に形成されていてもよい。
【0068】
このような微細突起は、複数の線状模様13(図3に示す)と同様に、第1模様部11及び第2模様部12の他方(本例では、第2模様部12)に形成される平滑な表面19に比べて、光の反射量を小さくできる。したがって、装飾部10は、第1模様部11と第2模様部12との明暗のコントラストを大きくすることができる。なお、微細突起37の幅W3及び高さH3は、適宜設定されうる。本実施形態の幅W3及び高さH3は、0.01mm〜0.3mmにそれぞれ設定されうる。
【0069】
これまでの実施形態では、第1模様部11及び第2模様部12の他方(本例では、第2模様部12)に、実質的に平滑な表面19を有する態様が例示されたが、このような態様に限定されない。第1模様部11及び第2模様部12の一方(本例では、第1模様部11)と表面性状が異なるものであれば、第1模様部11及び第2模様部12の他方(第2模様部12)には、線状模様13(図3に示す)や微細突起37(図6に示す)が形成されてもよい。
【0070】
これまでの実施形態では、第1模様部11及び第2模様部12の一方(本例では、第1模様部11)に、複数の線状模様13(図3に示す)又は微細突起37(図6に示す)が形成される態様が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、第1模様部11及び第2模様部12の他方(本例では、第2模様部12)と表面性状が異なるものであれば、第1模様部11及び第2模様部12の一方が、実質的に平滑な表面19(図3に示す)を有してもよい。
【0071】
これまでの実施形態では、図4に示されるように、基準中心線22上で、装飾部10が3等分されることにより、3つの装飾領域21(第1装飾領域21a〜第3装飾領域21c)に区分される態様が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、装飾部10が4等分以上されることによって、4つ以上の装飾領域21に区分されてもよい。これにより、サイドウォール部3に、より複雑な装飾模様を与えることが可能となる。なお、装飾領域21の個数が必要以上に大きくなると、加硫金型の製造時間が増大する恐れがある。このような観点より、装飾部10は、好ましくは10等分以下、より好ましくは8等分以下に区分されるのが望ましい。
【0072】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0073】
[実施例A]
図1に示した基本構造を有し、かつ、サイドウォール部の外面に装飾部が設けられた空気入りタイヤが、表1の仕様に基づいて試作された(実施例1〜6及び比較例1)。実施例1〜6の装飾部は、基準中心線と直交する向きに等分されて、複数の装飾領域に区分されている。そして、装飾領域の面積に対する第1模様部の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きく設定されている。一方、比較例1の装飾部には、第1模様部の面積の割合が同一となる1つの装飾領域のみが設定された。
【0074】
各供試タイヤの内部には、カーカスプライの重ね継ぎ部が設けられており、この重ね継ぎ部に原因して、サイドウォール部の外面には、凹凸部が形成されている。そして、各供試タイヤについて、凹凸部の目立ち難さ、外観性能、及び、加硫金型の製造コストが評価された。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:225/45ZR18
第1模様部:
線状模様の凸条:
配設ピッチP1:0.14度
溝深さD1:0.3mm
第2模様部:平滑面
第1境界:基準中心線と平行
第2境界の長さに対する第1境界の長さ:1〜5倍
テスト方法は、次のとおりである。
【0075】
<凹凸の目立ち難さ>
検査員100人により、各供試タイヤのサイドウォール部の外面が目視され、凹凸部の目立ち難さが評価された。評価は、後述の実施例Dの比較例2を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど、凹凸部が目立ち難く良好であり、110以上であれば、サイドウォール部の外面を手で触れても、凹凸部の判別が困難であることを示している。
【0076】
<装飾部の外観性能>
検査員100人により、各供試タイヤが1m離れた側方から目視され、装飾部の変化の大きさや、装飾部の目立つ度合いなどが評価された。評価は、後述の実施例Dの比較例2を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど良好であり、110以上であれば、デザイン面でも非常に優れていることを示している。
【0077】
<加硫金型の製造時間>
各供試タイヤの製造するための加硫金型を製造するのに要した時間が測定された。評価は、後述の実施例Dの比較例2を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど、製造時間が短く良好であり、80以上であれば、許容範囲内である。
テストの結果が表1に示される。
【0078】
【表1】
【0079】
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、比較例の空気入りタイヤに比べて、サイドウォール部の凹凸部を目立たなくすることができ、外観の向上を図ることができた。さらに、実施例では、空気入りタイヤの製造に用いられる加硫金型を、許容可能な時間内で製造することができた。
【0080】
[実施例B]
図1に示した基本構造を有し、かつ、サイドウォール部の外面に装飾部が設けられた空気入りタイヤが、表2の仕様に基づいて試作された(実施例4及び7〜12)。これらの実施例の装飾部は、基準中心線と直交する向きに等分されて、複数の装飾領域に区分されている。そして、装飾領域の面積に対する第1模様部の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きく設定されている。
【0081】
各供試タイヤの内部には、カーカスプライの重ね継ぎ部が設けられており、この重ね継ぎ部に原因して、サイドウォール部の外面には、凹凸部が形成されている。そして、各供試タイヤについて、凹凸部の目立ち難さ、外観性能、及び、加硫金型の製造コストが評価された。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:225/45ZR18
第1模様部:
線状模様の凸条:
配設ピッチP1:0.14度
溝深さD1:0.3mm
装飾領域:
個数:3個
第1装飾領域の第1模様部の面積の割合:30%
第2装飾領域の第1模様部の面積の割合:55%
第3装飾領域の第1模様部の面積の割合:80%
第2模様部:平滑面
第1境界:基準中心線と平行
テスト方法は、実施例Aに記載したとおりであり、テストの結果が表2に示される。
【0082】
【表2】
【0083】
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、実施例Aの比較例1の空気入りタイヤに比べて、サイドウォール部の凹凸部を目立たなくすることができ、外観の向上を図ることができた。さらに、実施例では、空気入りタイヤの製造に用いられる加硫金型を、許容可能な時間内で製造することができた。
【0084】
[実施例C]
図1に示した基本構造を有し、かつ、サイドウォール部の外面に装飾部が設けられた空気入りタイヤが、表3の仕様に基づいて試作された(実施例4及び13〜15)。これらの実施例の装飾部は、基準中心線と直交する向きに等分されて、複数の装飾領域に区分されている。そして、装飾領域の面積に対する第1模様部の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きく設定されている。
【0085】
実施例4、13及び14は、第1模様部と第2模様部とが、基準中心線と平行な第1境界によって区別されている。一方、実施例15は、第1模様部と第2模様部とが、タイヤ回転軸から放射状にのびる第1境界によって区別されている。
【0086】
各供試タイヤの内部には、カーカスプライの重ね継ぎ部が設けられており、この重ね継ぎ部に原因して、サイドウォール部の外面には、凹凸部が形成されている。そして、各供試タイヤについて、凹凸部の目立ち難さ、外観性能、及び、加硫金型の製造コストが評価された。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:225/45ZR18
第1模様部:
線状模様の凸条:
配設ピッチP1:0.14度
溝深さD1:0.3mm
装飾領域:
個数:3個
第1装飾領域の第1模様部の面積の割合:30%
第2装飾領域の第1模様部の面積の割合:55%
第3装飾領域の第1模様部の面積の割合:80%
第2境界の長さに対する第1境界の長さ:1〜5倍
テスト方法は、実施例Aに記載したとおりであり、テストの結果が表3に示される。
【0087】
【表3】
【0088】
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、実施例Aの比較例1の空気入りタイヤに比べて、サイドウォール部の凹凸部を目立たなくすることができ、外観の向上を図ることができた。さらに、実施例では、空気入りタイヤの製造に用いられる加硫金型を、許容可能な時間内で製造することができた。
【0089】
[実施例D]
図1に示した基本構造を有し、かつ、サイドウォール部の外面に装飾部が設けられた空気入りタイヤが、表4の仕様に基づいて試作された(実施例4、16〜20及び比較例2)。これらの実施例及び比較例の装飾部は、基準中心線と直交する向きに等分されて、複数の装飾領域に区分されている。そして、装飾領域の面積に対する第1模様部の面積の割合が、タイヤ半径方向外側の装飾領域ほど大きく設定されている。
【0090】
各供試タイヤの内部には、カーカスプライの重ね継ぎ部が設けられており、この重ね継ぎ部に原因して、サイドウォール部の外面には、凹凸部が形成されている。そして、各供試タイヤについて、凹凸部の目立ち難さ、外観性能、及び、加硫金型の製造コストが評価された。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:225/45ZR18
第1模様部:
線状模様の凸条:
配設ピッチP1:0.14度
溝深さD1:0.3mm
第2模様部:平滑面
装飾領域:
最もタイヤ半径方向内側の装飾領域の第1模様部の面積の割合:30%
最もタイヤ半径方向外側の装飾領域の第1模様部の面積の割合:80%
第1境界:基準中心線と平行
第2境界の長さに対する第1境界の長さ:1〜5倍
テスト方法は、実施例Aに記載したとおりであり、テストの結果が表4に示される。
【0091】
【表4】
【0092】
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、実施例Aの比較例1や比較例2の空気入りタイヤに比べて、サイドウォール部の凹凸部を目立たなくすることができ、外観の向上を図ることができた。さらに、実施例では、空気入りタイヤの製造に用いられる加硫金型を、許容可能な時間内で製造することができた。
【符号の説明】
【0093】
1 空気入りタイヤ
3 サイドウォール部
10 装飾部
11 第1模様部
12 第2模様部
21 装飾領域
22 基準中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6