(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-105005(P2021-105005A)
(43)【公開日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】癌治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/165 20060101AFI20210625BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20210625BHJP
【FI】
A61K31/165
A61P35/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2021-42699(P2021-42699)
(22)【出願日】2021年3月16日
(62)【分割の表示】特願2019-88425(P2019-88425)の分割
【原出願日】2014年8月22日
(31)【優先権主張番号】61/869,039
(32)【優先日】2013年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】507021702
【氏名又は名称】ヴァンダ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ポリメロプーロス, ミハエル, エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】リカメル, ルイス, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラヴダン, クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4C206
【Fターム(参考)】
4C206AA01
4C206AA02
4C206HA16
4C206NA14
4C206ZB26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オーロラキナーゼA(AURKA)が過剰発現していると決定された癌患者において、AURKA発現を減少させることによって癌を治療するための剤を提供する。
【解決手段】トリコスタチンA(TSA)を有効成分として含有し、有効量のTSAが前記癌患者に投与されるように用いられ、前記有効量は0.1mg/kg/日〜10mg/kg/日である、剤による。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における癌を治療する方法であって、
有効量のトリコスタチンA(TSA)を個体に投与するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記有効量は、個体におけるオーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有効量は、個体におけるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性を阻害し、オーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有効量は約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記有効量は約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
TSAが、個体に投与される唯一のAURKA阻害剤である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、血液癌、皮膚癌、及び悪性腫瘍からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
投与が経口投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
投与が静脈内投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
個体における癌を治療する方法であって、
個体の身体から得られた腫瘍試料からオーロラキナーゼA(AURKA)発現のレベルを決定するステップと、
AURKA発現のレベルが過剰発現を示す場合に、有効量のトリコスタチンA(TSA)を個体に投与するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記有効量は、個体におけるオーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記有効量は、個体におけるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性を阻害し、オーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記有効量は約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記有効量は約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
TSAが、個体に投与される唯一のAURKA阻害剤である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、血液癌、皮膚癌、及び悪性腫瘍からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
投与が経口投与を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
投与が静脈内投与を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
単独の又は主要なオーロラキナーゼA(AURKA)阻害剤としてのトリコスタチンA(TSA)と、
薬学的に許容可能な賦形剤又は担体と、
を含む医薬組成物。
【請求項20】
経口投与用に製剤化されている、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
静脈内投与用に製剤化されている、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
TSAを約1mg〜約500mgの量で含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
TSAの量が、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日の用量に相当する、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
TSAの量が、約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日の用量に相当する、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
TSAの量が、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性を阻害するのに有効である、請求項22に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、同時係属の米国仮特許出願第61/869039号(2013年8月22日出願)(本明細書に組み入れられている。)の利益を主張するものである。
【0002】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤は、比較的低い毒性で腫瘍細胞成長を阻害するその能力により、癌治療におけるその使用に関して研究されてきた。既知のHDAC阻害剤としては、例えば、ロシリノスタット(rocilinostat)(ACY−1215)、ゾリンザ(Zolinza)(ボリノスタット(vorinostat))、アベキシノスタット塩酸塩(abexinostat hydrochloride)(PCI−24781)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(suberoylanilide hydroxamic acid)(SAHA)、バルプロ酸(valproic acid)(VPA)、プラシノスタット(pracinostat)(SB939)、PCI−24781(CRA−024781)、JNJ−26481585、モセチノスタット(mocetinostat)(MGCD0103、MG0103)、ドロキシノスタット(droxinostat)、MC1568、ギビノスタット(givinostat)(ITF2357)、ツバスタチン(tubastatin)A HCl、PCI−34051、タセジナリン(tacedinaline)(CI994)、及びパノビノスタット(panobinostat)(LBH589、NVP−LBH589)が挙げられる。
【0003】
オーロラキナーゼ(aurora kinase)A(AURKA)は、正常な有糸分裂染色体分離の維持に重要であることが知られているセリン及びトレオニンキナーゼファミリーの1メンバーである。そのタンパク質は、間期細胞の中心体及び有糸分裂細胞の紡錘体に局在化している。AURKA過剰発現はヒトにおける発癌に関連付けられており、乳房、胃組織、大腸組織、膀胱、膵臓、卵巣、前立腺、及び肺の腫瘍で検出されている。しかし、どのような癌もAURKAを過剰発現する可能性があり、それは、例えば、AURKA過剰発現について腫瘍を検査することによって決定され得る。AURKA発現の阻害は生体内における細胞浸潤を低減することが示されている。したがって、AURKAも、典型的には小分子阻害を介する癌治療の標的である。既知のAURKA阻害剤としては、例えば、VE465、トザセルチブ(tozasertib)(VX−680)、MK−0457、MK−5108、アリセルチブ(alisertib)(MLN8237)が挙げられる。
【0004】
単独で癌進行を阻止することにおけるHDAC阻害剤及びAURKA阻害剤の有効性により、非ヒト癌モデルにおけるそれらの組み合わせ投与の効果が研究により評価されてきた。例えば、Liらは、VPA及びVE465による共処置(co−treatment)がいずれかの化合物単独よりも多くのアポトーシスを誘導することを見出した。同様に、Okabeらは、トザセルチブと組み合わせたボリノスタット又はプラシノスタットの投与を通じて癌細胞の増殖に対する相乗的な阻害効果を見出した。癌の治療においてHDAC及びAURKAの二重阻止効果が望ましいとしても、この二重効果を有することが一般的に知られている単一の実体はないため、本発明の発見をもたらす研究が行われた。
【0005】
本発明の一実施形態は、個体における癌を治療する方法であって、有効量のトリコスタチンA(TSA)を個体に投与するステップを含む方法を提供する。
【0006】
本発明の別の実施形態は、単独の又は主要なオーロラキナーゼA(AURKA)阻害剤としてのトリコスタチンA(TSA)と、薬学的に許容可能な賦形剤又は担体と、を含む医薬組成物を提供する。
【0007】
別の実施形態では、本発明は、個体における癌を治療する方法であって、個体の身体から得られた腫瘍試料からオーロラキナーゼA(AURKA)発現のレベルを決定するステップと、AURKAの発現のレベルが過剰発現を示す場合に、有効量のトリコスタチンA(TSA)を個体に投与するステップと、を含む方法を提供する。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態では、TSAによる治療は1つ又は複数の他の癌治療と組み合わされる。そのような他の治療は例えば小分子AURKA阻害を含み得る。そのような組み合わせ治療は時にAURKAレベルをほぼゼロにまで減少させ得る。
【0009】
トリコスタチンA(trichostatin A)(TSA又は7−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−7−オキソヘプタ−2,4−ジエンアミド)は抗真菌性抗生物質であり、既知のクラスI及びIIのHDAC阻害剤である。TSAの構造を下記式Iに示す。
【化1】
【0010】
出願人は、TSAが、これまでHDAC阻害剤としては知られていたが、AURKA発現を阻害することもできることを驚くべきことに見出した。したがって、TSAを癌の治療において主要な又は単独のAURKA阻害剤として使用され得る。本発明の実施形態に従って治療され得る癌としては、例えば、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、血液癌、皮膚癌、及び悪性腫瘍が挙げられる。
【0011】
ヒト網膜色素上皮細胞株をトリコスタチン又はビヒクルで24時間処理し、12490個の遺伝子をカバーする22238個のプローブセットに対する遺伝子発現を、Affymetrix社製機器を用いて生じさせた。AURKA発現に対するトリコスタチンAの効果を下記表1に示し、AURKA発現の完全に10倍を超えるダウンレギュレーションを示す。
【0013】
これらの結果は癌の治療におけるTSAの使用を支持する。例えば、個体の癌は、有効量のTSAを個体に投与することによって治療され得、ここで、有効量とは、個体におけるAURKAの発現を阻害するのに十分な量である。そのような量は、個体におけるHDAC活性を阻害するのに十分なものでもあり得る。本発明のいくつかの実施形態において、有効量は、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日、例えば、約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日である。
【0014】
いくつかの実施形態では、個体を治療することは、個体の身体から得られた腫瘍試料からAURKA発現のレベルを決定することをさらに含み得る。そのような決定は、任意の既知の又は後に開発される方法又は技術、例えば、定量的抗原−抗体相互作用、標識されたヌクレオチドプローブの使用等を含み得る。
【0015】
TSAは、治療される個体に医薬組成物の形態で投与され得る。本発明の種々の実施形態に従って使用される医薬組成物は、治療有効量のTSA若しくはTSAの活性代謝物又はその薬学的に許容可能な塩若しくは他の形態(例えば溶媒和物)を、1種又は複数種の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体とともに含む。「医薬組成物」という語は、医療用途における投与に適した組成物を指す。特定の患者に対する適切な剤形、用量、及び投与の経路の決定は、薬学及び医学の技術分野における通常の技能のレベルの範囲内にあることが理解されるべきである。
【0016】
投与は経口であり得るが、他の投与経路、例えば、非経口、経鼻、頬側、経皮、舌下、筋肉内、静脈内、直腸内、膣内等も採用され得る。経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤を含む。そのような固体剤形において、化合物は少なくとも1種の不活性な薬学的に許容可能な賦形剤と混合されている。そのような賦形剤は、例えば、(a)充填剤又は増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア、(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯若しくはタピオカ澱粉、アルギン酸、一部の複合ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイト、及び(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、或いはそれらの混合物である。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤などの固体剤形は、コーティング及びシェル(例えば、腸溶性コーティング及び当技術分野で周知の他のもの)を用いて調製することもできる。固体剤形は乳白剤を含有してもよく、また、1種又は複数種の活性化合物を腸管のある特定の部分に遅延した様式で放出するような組成物でもあり得る。使用可能な包埋組成物の例はポリマー物質及びロウである。活性化合物はまた、上記賦形剤の1種又は複数種を適宜含むマイクロカプセル化形態のものであり得る。そのような固体剤形は、概して1%〜95%(重量/重量)の活性化合物を含有し得る。ある実施形態では、活性化合物は5%〜70%(重量/重量)の範囲である。
【0017】
経口投与用の固体組成物は、各用量が約1mg〜約500mgの活性成分を含有する単位剤形に製剤化することができる。「単位剤形」という語は、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単位用量として適した物理的に離散した単位を指し、ここで、各単位は、治療期間にわたって所望の効果を生じるように計算された所定量の活性成分を所要の医薬担体とともに含有する。TSAは、例えば、賦形剤に加えて1〜500mgの活性成分を有するカプセルである単位剤形に製剤化することができる。
【0018】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルを含む。化合物又は組成物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有し得る。そのような不活性希釈剤は、例えば、水若しくは他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びごま油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、又はそれらの物質の混合物である。そのような不活性希釈剤に加えて、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、香味料、及び芳香剤などの補助剤を含み得る。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、TSAは液体形態で提供され、個体に静脈内投与される。
【0020】
上で概略が記載された特定の実施形態と併せて本発明を説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変更形態が当業者に明らかであり、又はそうでなければそれらが包含されることが意図されていることは明白である。すなわち、上述の本発明の実施形態は説明を意図したものであり、限定を意図したものではない。特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得る。本明細書に引用されたすべての特許、特許出願、科学論文及び他の公開された文献は、その開示の内容についてそれらの全体がここに組み入れられている。
【手続補正書】
【提出日】2021年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
上で概略が記載された特定の実施形態と併せて本発明を説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変更形態が当業者に明らかであり、又はそうでなければそれらが包含されることが意図されていることは明白である。すなわち、上述の本発明の実施形態は説明を意図したものであり、限定を意図したものではない。特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得る。本明細書に引用されたすべての特許、特許出願、科学論文及び他の公開された文献は、その開示の内容についてそれらの全体がここに組み入れられている。
本発明の実施形態は例えば下記実施形態1〜25を含む。
実施形態1:
個体における癌を治療する方法であって、
有効量のトリコスタチンA(TSA)を個体に投与するステップ
を含む方法。
実施形態2:
前記有効量は、個体におけるオーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:
前記有効量は、個体におけるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性を阻害し、オーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4:
前記有効量は約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日である、実施形態1に記載の方法。
実施形態5:
前記有効量は約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日である、実施形態4に記載の方法。
実施形態6:
TSAが、個体に投与される唯一のAURKA阻害剤である、実施形態5に記載の方法。
実施形態7:
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、血液癌、皮膚癌、及び悪性腫瘍からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態8:
投与が経口投与を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態9:
投与が静脈内投与を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態10:
個体における癌を治療する方法であって、
個体の身体から得られた腫瘍試料からオーロラキナーゼA(AURKA)発現のレベルを決定するステップと、
AURKA発現のレベルが過剰発現を示す場合に、有効量のトリコスタチンA(TSA)を個体に投与するステップと、
を含む方法。
実施形態11:
前記有効量は、個体におけるオーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、実施形態10に記載の方法。
実施形態12:
前記有効量は、個体におけるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性を阻害し、オーロラキナーゼA(AURKA)レベルを減少させるのに十分な量である、実施形態10に記載の方法。
実施形態13:
前記有効量は約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日である、実施形態10に記載の方法。
実施形態14:
前記有効量は約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日である、実施形態13に記載の方法。
実施形態15:
TSAが、個体に投与される唯一のAURKA阻害剤である、実施形態10に記載の方法。
実施形態16:
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、血液癌、皮膚癌、及び悪性腫瘍からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態17:
投与が経口投与を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態18:
投与が静脈内投与を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態19:
単独の又は主要なオーロラキナーゼA(AURKA)阻害剤としてのトリコスタチンA(TSA)と、
薬学的に許容可能な賦形剤又は担体と、
を含む医薬組成物。
実施形態20:
経口投与用に製剤化されている、実施形態19に記載の医薬組成物。
実施形態21:
静脈内投与用に製剤化されている、実施形態19に記載の医薬組成物。
実施形態22:
TSAを約1mg〜約500mgの量で含む、実施形態19に記載の医薬組成物。
実施形態23:
TSAの量が、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日の用量に相当する、実施形態22に記載の医薬組成物。
実施形態24:
TSAの量が、約0.5mg/kg/日〜約5mg/kg/日の用量に相当する、実施形態23に記載の医薬組成物。
実施形態25:
TSAの量が、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性を阻害するのに有効である、実施形態22に記載の医薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーロラキナーゼA(AURKA)が過剰発現していると決定された癌患者におけるAURKA発現を減少させるための剤であって、トリコスタチンA(TSA)を有効成分として含有し、有効量のTSAが前記癌患者に投与されるように用いられ、前記有効量は0.1mg/kg/日〜10mg/kg/日である、剤。
【請求項2】
前記有効量は0.5mg/kg/日〜5mg/kg/日である、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
前記癌患者は、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、血液癌、皮膚癌、及び悪性腫瘍からなる群から選択される少なくとも1種の癌を患っている、請求項1又は2に記載の剤。
【外国語明細書】