(54)【発明の名称】(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態
【課題】Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスに対して抗ウイルス特性を有す(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(以下、化合物Iと表す)の新規な塩および結晶形態を提供する。
【解決手段】約22.3°、16.9°、および16.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、前記化合物Iの結晶形態を提供する。
単結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子によって特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶形態。
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態の混合物であって、ここで、前記混合物が、約16.1°、22.4°、および12.7°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、結晶形態の混合物。
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態の混合物であって、ここで、前記混合物は、約16.7°、12.6°、および17.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、結晶形態の混合物。
前記追加の治療剤が、それぞれ、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスに対して活性である、請求項27に記載の医薬組成物。
Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスを処置するための医薬の調製における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の結晶形態の使用。
前記ウイルス感染が、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる、請求項37または38に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0049】
発明の詳細な説明
I.概要
以下の説明では、本発明の様々な実施形態の完全な理解をもたらすために、ある特定の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者は、本発明がこれらの詳細なしに実施され得ることを理解されよう。いくつかの実施形態の以下の説明は、本開示が、特許請求される主題の例示としてみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲を、示される具体的な実施形態に制限することが意図されないという理解と共に行われる。本開示を通して使用される見出しは、単に便宜的に提供されており、いかなる方式でも特許請求の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。任意の見出しで示される実施形態は、任意の他の見出しで示される実施形態と組み合わせることができる。
【0050】
II.定義
本明細書および特許請求の範囲を通して、文脈によって別段必要とされない限り、「含む(comprise)」という単語、ならびにその変形、例えば「含む(comprises)」および
「含む(comprising)」は、オープンであり包含的な意味で、すなわち「含むが、これに限定されない」として解釈されるべきである。
【0051】
本明細書を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、実施形態と関連して記載される特定の特色、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、様々な箇所における「一実施形態では」または「ある実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているとは限らない。さらに、特定の特色、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方式で組み合わせることができる。
【0052】
本明細書を通して、「式Iの化合物」に言及する実施形態は、本明細書に開示される式および/または化合物の結晶、塩、共結晶、および溶媒和物の形態を含む。したがって、「式Iの化合物」という句の出現は、結晶形態I〜IVおよびそれらの結晶形態の混合物、混合物I〜III、ならびに式Iマレエート形態Iを含む。
【0053】
本明細書に開示される本発明はまた、1つまたは複数の原子が異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることによって同位元素標識化されている、あらゆる薬学的に許容される式Iの化合物を包含することを意味する。開示の化合物に組み込まれ得る同位元素の例として、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン(phosphorous)、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位元素、例えば
2H、
3H、
11C、
13C、
1
4C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
3
6Cl、
123I、および
125Iが挙げられる。これらの放射標識化合物は、例えば、作用部位もしくは作用機序、または薬理学的に重要な作用部位との結合親和性を特徴付けることによって、化合物の有効性を決定または測定する助けとするのに有用であり得る。ある特定の同位元素標識化された式Iの化合物、例えば放射性同位元素を組み込む化合物は、薬物および/または基質組織分布研究において有用である。放射性同位元素であるトリチウム、すなわち
3H、および炭素−14、すなわち
14Cは、それらの組込みが容易であり、素早い検出手段であるという観点から、この目的では特に有用である。
【0054】
重水素、すなわち
2Hなどのより重い同位元素を用いる置換は、より高い代謝安定性により、ある特定の治療上の利点を付与することができる。例えば、in vivo半減期を延長することができ、または必要投与量を低減することができる。したがって、より重い同位元素は、一部の状況において好ましい場合がある。
【0055】
陽電子放出同位元素、例えば
11C、
18F、
15Oおよび
13Nを用いる置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。同位元素標識化された式Iの化合物は、一般に、当業者に公知の従来技術によって、または下記の通り実施例に記載されるものに類似のプロセスによって、以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位元素標識化された試薬を使用して調製することができる。
【0056】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度への単離と有効な治療剤への製剤化に耐え抜く十分な強靱性を有する化合物を示すことを意味する。
【0057】
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記載される事象または状況が、生じても生じなくてもよく、説明が、前記事象または状況が生じる場合と生じない場合を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されているアリール」は、アリールラジカルが、置換されていても置換されていなくてもよく、説明が、置換アリールラジカルと置換を有していないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
【0058】
「薬学的に許容される賦形剤」には、これらに限定されないが、ヒトまたは飼育動物における使用に許容されるものとして米国食品医薬品局によって承認された任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、調味剤、界面活性剤、湿潤剤、分散化剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が含まれる。
【0059】
「医薬組成物」は、本発明の化合物、ならびに生物学的に活性な化合物を、哺乳動物、例えばヒトに送達するために当技術分野で一般に許容される媒体の製剤を指す。このような媒体には、そのために薬学的に許容されるあらゆる賦形剤が含まれる。
【0060】
「有効量」または「治療有効量」は、それを必要とする患者に投与されると、化合物が実用性を有する病状、状態、または障害を処置するのに十分な、本発明による化合物の量を指す。このような量は、研究者または臨床医によって求められる、組織系または患者の生物学的または医学的応答を誘発するのに十分であり得る。治療有効量を構成する本発明による化合物の量は、化合物およびその生物活性、投与のために使用される組成物、投与時間、投与経路、化合物の排出速度、処置期間、処置を受ける病状または障害の種類およびその重症度、本発明の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物、ならびに患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食事などの因子に応じて変わる。このような治療有効量は、当業者の知識、技術水準、および本開示を考慮して、当業者によって慣用的に決定され得る。
【0061】
「処置する」という用語は、本明細書で使用される場合、別段指定されない限り、このような用語が適用される障害もしくは状態、またはこのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、逆転する、軽減する、その進行を阻害する、または防止することを意味する。「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、「処置する」が直前で定義した通り、処置する行為を指す。一部の実施形態では、「処置」という用語は、Arenaviridaeのウイルス感染の症状を軽減もしくは排除する、および/または患者におけるウイルス負荷を低減するための、本発明による化合物または組成物の投与を意味することが意図される。一部の実施形態では、「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、Coronaviridaeのウイルス感染の症状を軽減もしくは排除する、および/または患者におけるウイルス負荷を低減するための、本発明による化合物または組成物の投与を意味することが、さらにまたは代替として意図される。一部の実施形態では、「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、Filoviridaeのウイルス感染の症状を軽減もしくは排除する、および/または患者におけるウイルス負荷を低減するための、本発明による化合物または組成物の投与を意味することが、さらにまたは代替として意図される。一部の実施形態では、「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、Flaviviridaeのウイルス感染の症状を軽減もしくは排除する、および/または患者におけるウイルス負荷を低減するための、本発明による化合物または組成物の投与を意味することが、さらにまたは代替として意図される。一部の実施形態では、「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、Paramyxoviridaeのウイルス感染の症状を軽減もしくは排除する、および/または患者におけるウイルス負荷を低減するための、本発明による化合物または組成物の投与を意味することが、さらにまたは代替として意図される。一部の実施形態では、「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、患者における低減したウイルス負荷を維持するための、治療有効量の本発明による化合物または組成物の投与を意味することが、さらにまたは代替として意図される。
【0062】
「防止」または「防止する」は、疾患または状態の臨床症状を生じさせないようにする、疾患または状態の任意の処置を意味する。「防止」という用語はまた、疾患の症状の出現を防止する、および/またはウイルスが血中で検出可能なレベルに達するのを防止するための、ウイルスへの個体の曝露前の治療有効量の本発明による化合物または組成物の投与(例えば、曝露前予防)を包含する。
【0063】
「対象」または「患者」という用語は、処置、観察または実験の目標物になっている、または目標物になる予定である、動物、例えば哺乳動物(ヒトを含む)を指す。本明細書に記載される方法は、ヒトの治療および/または獣医学適用において有用であり得る。一部の実施形態では、対象は、哺乳動物(または患者)である。一部の実施形態では、対象(または患者)は、ヒト、飼育動物(例えば、イヌおよびネコ)、家畜動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ)、および/または実験動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ブタ、ウサギ、イヌ、およびサル)である。一部の実施形態では、対象(または患者)は、ヒトである。「それを必要とするヒト(または患者)」は、ある特定の処置から利益を得ることができる疾患または状態を有するおそれがある、またはその疑いがある、例えば、本願に従って本明細書において開示される化合物を用いて処置を受けているヒトを指す。
【0064】
「抗ウイルス剤」という用語は、本明細書で使用される場合、これに限定されないが、人間におけるウイルスの形成および/また複製に必要な宿主またはウイルス機構のいずれかを妨害する薬剤を含む、人間におけるウイルスの形成および/または複製を阻害するのに有効な薬剤(化合物または生物学的製剤)を意味することが意図される。
【0065】
「Arenaviridaeウイルス複製の阻害剤」という用語は、本明細書で使用さ
れる場合、in vitro、ex vivoまたはin vivoのいずれであろうと、宿主細胞におけるArenaviridaeウイルスの複製能を低減または排除することができる薬剤を意味することが意図される。
【0066】
「Coronaviridaeウイルス複製の阻害剤」という用語は、本明細書で使用される場合、in vitro、ex vivoまたはin vivoのいずれであろうと、宿主細胞におけるCoronaviridaeウイルスの複製能を低減または排除することができる薬剤を意味することが意図される。
【0067】
「Filoviridaeウイルス複製の阻害剤」という用語は、本明細書で使用される場合、in vitro、ex vivoまたはin vivoのいずれであろうと、宿主細胞におけるFiloviridaeウイルスの複製能を低減または排除することができる薬剤を意味することが意図される。
【0068】
「Flaviviridaeウイルス複製の阻害剤」という用語は、本明細書で使用される場合、in vitro、ex vivoまたはin vivoのいずれであろうと、宿主細胞におけるFlaviviridaeウイルスの複製能を低減または排除することができる薬剤を意味することが意図される。
【0069】
「Paramyxoviridaeウイルス複製の阻害剤」という用語は、本明細書で使用される場合、in vitro、ex vivoまたはin vivoのいずれであろうと、宿主細胞におけるParamyxoviridaeウイルスの複製能を低減または排除することができる薬剤を意味することが意図される。
【0070】
「互変異性体」は、分子のある原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本発明は、任意の前記化合物の互変異性体を含む。
【0071】
本明細書における「約」の付いた値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ記載する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。また、単数形「1つの(a)」および「その(the)」は、文脈によって別段明示されない限り、複数の言及対象を含む。したがって、例えば、「化合物(the compound)」への言及は、複数のこのような化合物を含み、「アッセイ(the assay)」への言及は、1つまたは複数のアッセイおよび当業者に公知の等価物への言及を含む。
【0072】
「薬学的に許容される」または「生理的に許容される」は、獣医学またはヒトへの医薬的使用に適した医薬組成物の調製において有用な化合物、塩、組成物、剤形および他の材料を指す。
【0073】
「単位剤形」は、対象(例えば、ヒト対象および他の哺乳動物)のための単位投与量として適した物理的に別個の単位であり、各単位は、適切な医薬賦形剤と合わさって所望の治療効果をもたらすように算出された所定量の活性材料を含有する。
【0074】
「に実質的に示される」という用語は、例えば、XRPDパターン、DSCサーモグラム、DVSグラフ、またはTGAグラフに言及する場合、本明細書に図示されるものと必ずしも同一ではないが、当業者によって考慮される場合に実験誤差または偏差の制限内に含まれる、パターン、サーモグラムまたはグラフを含む。混合物I〜IIIは、式I形態IIの式I形態IVに対する比(式I形態II:式I形態IV)が異なっていると理解される。したがって、当業者であれば、本明細書で提供されるXRPDパターン、DSCサーモグラム、またはTGAグラフに実質的に示されるデータを有する、式I形態IIおよ
び式I形態IVの他の混合物が存在する場合があること、「に実質的に示される」は、式I形態IIおよび式I形態IVの混合物の純度の分散を指すことを理解するはずである。
【0075】
一部の実施形態では、化合物の特定の結晶形態に関する「実質的に純粋な」または「実質的に含まない」という用語は、その結晶形態を含む組成物が、重量で99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、または1%未満の、他の結晶形態および/または不純物を含めた他の物質を含有することを意味する。一部の実施形態では、「実質的に純粋な」または「実質的に含まない」は、他の結晶形態および/または不純物を含めた他の物質を含まない物質を指す。不純物には、例えば、化学反応からの副生成物または残留試薬、汚染物質、分解生成物、他の結晶形態、水、および溶媒が含まれ得る。
【0076】
III.結晶形態
A.式I
式Iの化合物の合成において有用であり得る式Iの結晶形態を開発することが望ましい。式Iの結晶形態は、式Iの合成の中間体であり得る。結晶形態は、医学的または医薬的使用に適し得る、ある特定の条件におけるバイオアベイラビリティ、安定性、純度、および/または製造可能性などの特性を有することができる。
【0077】
実質的に純粋な形態および実質的に純粋な形態の混合物を含む式Iの結晶形態は、医薬組成物における活性成分としての使用に適したバイオアベイラビリティおよび安定性の利点を提供することができる。医薬品用薬物物質または活性成分の結晶構造の変動は、医薬品用薬物生成物または活性成分の溶解速度(バイオアベイラビリティ等に影響を及ぼし得る)、製造可能性(例えば、取扱いの容易さ、既知の強度の用量を一貫して調製する能力)、および安定性(例えば、熱安定性、保存期間等)に影響を及ぼし得る。このような変動は、溶液、または錠剤およびカプセル剤を含む固体経口剤形などの、異なる投与量または送達形態の医薬組成物の調製または製剤化に影響を及ぼし得る。結晶形態は、非結晶形態または非晶質形態などの他の形態と比較して、所望のまたは適切な吸湿性、粒径の調節、溶解速度、溶解度、純度、物理的および化学的安定性、製造可能性、収量、および/またはプロセスの調節を提供することができる。したがって、式Iの結晶形態は、活性剤の製造プロセス、または化合物もしくは活性成分の薬物生成物形態の安定性もしくは保存性を改善すること、ならびに/あるいは活性剤として適したバイオアベイラビリティおよび/または安定性を有することなどの利点を提供することができる。
【0078】
ある特定の溶媒および/またはプロセスの使用は、前述の1つまたは複数の好ましい特徴を示し得る、本明細書に記載される式Iの様々な結晶形態を生成することが見出された。本明細書に記載される結晶形態の調製のためのプロセス、およびこれらの結晶形態の特徴付けを、以下により詳細に記載する。
【0079】
先に提供される化合物名は、IUPAC規則に従って、またはChemBioDraw
Ultraを使用して命名され、当業者には、化合物構造が、他の一般に認識される命名系および記号を使用して命名、または特定され得ることが理解される。例として、化合物は、慣用名、体系名または非体系名を用いて命名または特定され得る。命名系および記号は、これに限定されないが、ケミカルアブストラクトサービス(CAS:Chemical Abstract Service)および国際純正・応用化学連合(IUPAC:International Union
of Pure and Applied Chemistry)などの化学分野において一般に認識されるもの
である。したがって、先に提供される化合物構造はまた、IUPAC下で(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロ
キシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートとして、ChemBioDraw Ultraによる2−エチルブチル((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネートとして、およびCAS登録番号1809249−37−3として命名または特定され得る。
【0080】
特定の実施形態では、式Iの結晶形態が開示される。
【0081】
式I形態I
一部の実施形態では、式Iの結晶形態I(結晶式I形態I)であって、結晶構造が、
図1に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD:X-ray powder diffraction)パターンを示す、式Iの結晶形態I(結晶式I形態I)が提供される。結晶式I形態Iは、
図2に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)
サーモグラムを示し得る。結晶式I形態Iは、
図3に実質的に示される熱重量分析(TGA:thermogravimetric analysis)グラフを示し得る。結晶式I形態Iは、
図4に実質
的に示される動的蒸気吸着(DVS:dynamic vapor sorption)グラフを示し得る。
【0082】
結晶式I形態Iの一部の実施形態では、以下の(a)〜(d)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、またはすべてが適用される:(a)結晶式I形態Iは、
図1に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(b)結晶式I形態Iは、
図2に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(c)結晶式I形態Iは、
図3に実質的に示されるTGAグラフを有する、(d)結晶式I形態Iは、
図4に実質的に示されるDVSグラフを有する。
【0083】
一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、以下の特性を有する:
(a)
図1に実質的に示されるXRPDパターン、
(b)
図2に実質的に示されるDSCサーモグラム、
(c)
図3に実質的に示されるTGAグラフ、および
(d)
図4に実質的に示されるDVSグラフ。
【0084】
一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、
図1に実質的に示されるXRPDパターンとして、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0085】
一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、および22.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、および22.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、および22.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、および22.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°および20.0°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を
含むXRPDパターンを有する。
【0086】
一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.6°、16.3°、および13.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.6°、16.3°、および13.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°および20.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.6°、16.3°、および13.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°、20.0°、17.6°、16.3°、および13.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態Iは、5.3°、20.6°、22.7°、17.1°、20.0°、17.6°、16.3°、および13.7°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0087】
式I形態II
一部の実施形態では、式Iの結晶形態II(結晶式I形態II)であって、結晶構造が、
図5に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す、式Iの結晶形態II(結晶式I形態II)が提供される。結晶式I形態IIは、
図6に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶式I形態IIは、
図7に実質的に示される熱重量分析(TGA)グラフを示し得る。結晶式I形態IIは、
図8に実質的に示される動的蒸気吸着(DVS)グラフを示し得る。
【0088】
結晶式I形態IIは、単結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子を有することができる。
【0089】
結晶式I形態IIの一部の実施形態では、以下の(a)〜(e)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、またはすべてが適用される:(a)結晶式I形態IIは、結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、100Kの温度で以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子を有する、(b)結晶式I形態IIは、
図5に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(c)結晶式I形態IIは、
図6に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(d)結晶式I形態IIは、
図7に実質的に示されるTGAグラフを有する、(e)結晶式I形態IIは、
図8に実質的に示されるDVSグラフを有する。結晶式I形態IIの一部の実施形態では、以下の(a)〜(f)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、またはすべてが適用される:(a)結晶式I形態IIは、結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、100Kの温度で以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子を有する、(b)結晶式I形態IIは、
図5に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(c)結晶式I形態IIは、
図6に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(d)結晶式I形態IIは、
図7に実質的に示されるTGAグラフを有する、(e)結晶式I形態IIは、
図8に実質的に示されるDVSグラフを有する、(f)
結晶式I形態IIは、
図27に実質的に示される固体NMRを有する。
【0090】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、以下の特性を有する:
(a)結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、100Kの温度で以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子、
(b)
図5に実質的に示されるXRPDパターン、
(c)
図6に実質的に示されるDSCサーモグラム、
(d)
図7に実質的に示されるTGAグラフ、ならびに
(e)
図8に実質的に示されるDVSグラフ。
【0091】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、以下の特性を有する:
(a)結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、100Kの温度で以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子、
(b)
図5に実質的に示されるXRPDパターン、
(c)
図6に実質的に示されるDSCサーモグラム、
(d)
図7に実質的に示されるTGAグラフ、
(e)
図8に実質的に示されるDVSグラフ、ならびに
(f)
図27に実質的に示される固体NMR。
【0092】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、以下:
約22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°および14.5°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
138℃における示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムピーク、ならびに
単結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子
の特性を有する。
【0093】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、
図5に実質的に示されるXRPDパターンとして、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0094】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、および16.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、および16.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、および16.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、および16.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、および12.7°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反
射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0095】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.5°、10.6°および14.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)をさらに含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに22.5°、10.6°および14.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに22.5°、10.6°および14.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに22.5°、10.6°および14.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°および14.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°および14.5°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0096】
式I形態III
一部の実施形態では、式Iの結晶形態III(結晶式I形態III)であって、結晶構造が、
図9に実質的に示される算出粉末パターンを示す、式Iの結晶形態III(結晶式I形態III)が提供される。
【0097】
結晶式I形態IIIは、単結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、以下の寸法:a=10.5800(4)Å、b=7.4526(4)Å、c=21.5691(12)Å、α=90°、β=92.500(3)°、およびγ=90°の単位格子を有することができる。
【0098】
結晶式I形態IIIの一部の実施形態では、以下の(a)〜(g)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、またはすべてが適用される:(a)結晶形態IIIは、
図9に実質的に示される算出粉末パターンを有する、(b)結晶式I形態IIIは、結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、100Kの温度で以下の寸法:a=10.5800(4)Å、b=7.4526(4)Å、c=21.5691(12)Å、α=90°、β=92.500(3)°、およびγ=90°の単位格子を有する、(c)結晶式I形態IIIは、単斜晶系を有する、(d)結晶式I形態IIIは、P21空間群を有する、(e)結晶式I形態IIIは、3884.0(8)Å
3の体積を有する、(f)結晶式I形態IIIは、2のZ値を有する、ならびに(g)結晶式I形態IIIは、1.348Mg/m
3の密度を有する。
【0099】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、以下の特性を有する:
(a)
図9に実質的に示される算出粉末パターン、ならびに
(b)結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、100Kの温度で以下の寸法:a=10.5800(4)Å、b=7.4526(4)Å、c=21.5691(12)Å、α=90°、β=92.500(3)°、およびγ=90°の単位格子。
【0100】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、
図9に実質的に示される算出粉末パター
ンとして、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個の2θ度反射を示す算出粉末パターンを有する。
【0101】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、4.1°、8.2°、17.1°、および23.8°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含む算出粉末パターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、4.1°、8.2°、17.1°、および23.8°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含む算出粉末パターンを有する。
【0102】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、4.1°、8.2°、17.1°、および23.8°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに16.9°、14.4°および25.6°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含む算出粉末パターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、4.1°、8.2°、17.1°、および23.8°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに16.9°、14.4°および25.6°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つを含む算出粉末パターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、4.1°、8.2°、17.1°、および23.8°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに16.9°、14.4°および25.6°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の2つを含む算出粉末パターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IIIは、4.1°、8.2°、17.1°、23.8°、16.9°、14.4°および25.6°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含む算出粉末パターンを有する。
【0103】
式I形態IV
一部の実施形態では、式Iの結晶形態IV(結晶式I形態IV)であって、結晶構造が、
図10に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す、式Iの結晶形態IV(結晶式I形態IV)が提供される。結晶式I形態IVは、
図11に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶式I形態IVは、
図12に実質的に示される熱重量分析(TGA)グラフを示し得る。
【0104】
結晶式I形態IVの一部の実施形態では、以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、またはすべてが適用される:(a)結晶式I形態IVは、
図10に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(b)結晶式I形態IVは、
図11に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(c)結晶式I形態IVは、
図12に実質的に示されるTGAグラフを有する。
【0105】
一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、以下の特性を有する:
(a)
図10に実質的に示されるXRPDパターン、
(b)
図11に実質的に示されるDSCサーモグラム、および
(c)
図12に実質的に示されるTGAグラフ。
【0106】
一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、
図10に実質的に示されるXRPDパターンとして、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0107】
一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.4°、8.0°、および12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターン
を有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.4°、8.0°、および12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.4°、8.0°、および12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.4°、8.0°、および12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの3つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、14.1°、17.4°、8.0°、および12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式I形態IVは、22.6°、19.9°、14.1°、17.4°、8.0°、および12.5°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0108】
B.式Iの形態の混合物
混合物I
一部の実施形態では、式Iの形態IIおよびIVの混合物(混合物I)であって、結晶構造が、
図13に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す、式Iの形態IIおよびIVの混合物(混合物I)が提供される。混合物Iは、
図14に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。混合物Iは、
図15に実質的に示される熱重量分析(TGA)グラフを示し得る。
【0109】
混合物Iの一部の実施形態では、以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、またはすべてが適用される:(a)混合物Iは、
図13に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(b)混合物Iは、
図14に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(c)混合物Iは、
図15に実質的に示されるTGAグラフを有する。
【0110】
一部の実施形態では、混合物Iは、以下の特性を有する:
(a)
図13に実質的に示されるXRPDパターン、
(b)
図14に実質的に示されるDSCサーモグラム、および
(c)
図15に実質的に示されるTGAグラフ。
【0111】
一部の実施形態では、混合物Iは、
図13に実質的に示されるXRPDパターンとしての、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、または少なくとも4個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0112】
一部の実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、14.1°、および12.5°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、14.1°、および12.5°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0113】
混合物II
一部の実施形態では、式Iの形態IIおよびIVの混合物(混合物II)であって、結
晶構造が、
図16に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す、式Iの形態IIおよびIVの混合物(混合物II)が提供される。混合物IIは、
図17に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。混合物IIは、
図18に実質的に示される熱重量分析(TGA)グラフを示し得る。
【0114】
混合物IIの一部の実施形態では、以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、またはすべてが適用される:(a)混合物IIは、
図16に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(b)混合物IIは、
図17に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(c)混合物IIは、
図18に実質的に示されるTGAグラフを有する。
【0115】
一部の実施形態では、混合物IIは、以下の特性を有する:
(a)
図16に実質的に示されるXRPDパターン、
(b)
図17に実質的に示されるDSCサーモグラム、および
(c)
図18に実質的に示されるTGAグラフ。
【0116】
一部の実施形態では、混合物IIは、
図16に実質的に示されるXRPDパターンとしての、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0117】
一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに24.2°、16.8°、および8.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに24.2°、16.8°、および8.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに24.2°、16.8°、および8.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、および12.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに24.2°、16.8°、および8.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの3つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、12.7°、24.2°、16.8°、および8.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、12.7°、24.2°、16.8°、8.1°、13.9°、17.5°、11.1°、10.7°、14.7°、および19.8°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0118】
混合物III
一部の実施形態では、式Iの形態IIおよびIVの混合物(混合物III)であって、結晶構造が、
図19に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す、式Iの形態IIおよびIVの混合物(混合物III)が提供される。混合物IIIは、
図20に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。混合物IIIは、
図21に実質的に示される熱重量分析(TGA)グラフを示し得る。
【0119】
混合物IIIの一部の実施形態では、以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、またはすべてが適用される:(a)混合物IIIは、
図19に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(b)混合物IIIは、
図20に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(c)混合物IIIは、
図21に実質的に示されるTGAグラフを有する。
【0120】
一部の実施形態では、混合物IIIは、以下の特性を有する:
(a)
図19に実質的に示されるXRPDパターン、
(b)
図20に実質的に示されるDSCサーモグラム、および
(c)
図21に実質的に示されるTGAグラフ。
【0121】
一部の実施形態では、混合物IIIは、
図19に実質的に示されるXRPDパターンとしての、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、または少なくとも5個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0122】
一部の実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、および17.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、および17.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに19.6°および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、および17.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに19.6°および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、および17.2°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに19.6°および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、17.2°、19.6°および14.1°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、17.2°、19.6°および14.1°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0123】
C.式Iマレエート形態I
一部の実施形態では、結晶式Iマレエート(結晶式Iマレエート形態I)であって、結晶構造が、
図22に実質的に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す、結晶式Iマレエート(結晶式Iマレエート形態I)が提供される。結晶式Iマレエート形態Iは、
図23に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示し得る。結晶式Iマレエート形態Iは、
図24に実質的に示される熱重量分析(TGA)グラフを示し得る。結晶式Iマレエート形態Iは、
図25に実質的に示される動的蒸気吸着(DVS)グラフを示し得る。
【0124】
結晶式Iマレエート形態Iの一部の実施形態では、以下の(a)〜(d)のうちの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、またはすべてが適用される:(a)結晶式Iマレエート形態Iは、
図22に実質的に示されるXRPDパターンを有する、(b)結晶式Iマレエート形態Iは、
図23に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、(c)結晶式Iマレエート形態Iは、
図24に実質的に示されるTGAグラフを有する、および(d)結晶式Iマレエート形態Iは、
図25に実質的に示されるDVSグラフを有する。
【0125】
一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、以下の特性を有する:
(a)
図22に実質的に示されるXRPDパターン、
(b)
図23に実質的に示されるDSCサーモグラム、
(c)
図24に実質的に示されるTGAグラフ、および
(d)
図25に実質的に示されるDVSグラフ。
【0126】
一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、
図22に実質的に示されるXRPDパターンとしての、最大強度を有する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個の2θ度反射を示すXRPDパターンを有する。
【0127】
一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、および9.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、および9.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、および9.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、および9.0°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°および7.3°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0128】
一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.8°、15.1°および14.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)の1つまたは複数を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.8°、15.1°および14.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°および7.3°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)、ならびに17.8°、15.1°および14.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°、7.3°、17.8°、15.1°および14.7°における2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iは、16.3°、4.6°、9.0°、6.2°、7.3°、17.8°、15.1°および14.7°からなる群から選択される任意の3つの2θ度反射(+/−0.2°2θ)を含むXRPDパターンを有する。
【0129】
IV.医薬組成物
投与の目的で、一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、未加工の化学物質として投与される、または医薬組成物として製剤化される。本発明の医薬組成物は、治療有効量の、式Iの化合物の形態を含めた式Iの化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む。式Iの化合物は、目的の特定の疾患または状態を処置するのに有効な量で組成物中に存在する。式Iの化合物の活性は、当業者によって、例えば本明細書に記載される通り
決定され得る。治療上有効な適切な濃度および投与量は、当業者によって容易に決定され得る。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約5mg〜約300mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約100mg〜約200mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約5mg〜約100mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約5mg〜約20mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約130mg〜約160mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約5mg、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、または約300mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約10mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約150mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約10mgの量で存在する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、医薬組成物中に、約150mgの量で存在する。
【0130】
純粋形態でまたは適切な医薬組成物での本発明の化合物の投与は、類似の実用性を提供するために許容される薬剤の投与形式のいずれかを介して行われ得る。本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を、薬学的に許容される適切な賦形剤と組み合わせることによって調製することができ、固体、半固体、液体または気体形態の調製物、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア、およびエアロゾルに製剤化することができる。本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を、薬学的に許容される適切な賦形剤と組み合わせることによって調製することができ、固体、半固体、液体または気体形態の調製物、例えば固体分散液剤および固溶液剤に製剤化することができる。このような医薬組成物の典型的な投与経路には、これらに限定されないが、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、口腔内頬側、直腸、膣内、および鼻腔内が含まれる。一部の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与のために調製される。具体的な実施形態では、医薬組成物は、溶液剤である。本発明の医薬組成物は、それに含有される活性成分を、患者への組成物の投与時に生体利用可能にするように製剤化される。対象または患者に投与される組成物は、1つまたは複数の投与量単位の形態をとり、ここで例えば、錠剤は、単一投与量単位であり得、エアロゾル形態の本発明の化合物の容器は、複数の投与量単位を保持することができる。このような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるか、または明らかになろう。例えば、Remington:The Science and
Practice of Pharmacy、第20版(Philadelphia College of Pharmacy and Science、2000年)を参照されたい。いずれにしても、投与される組成物は、本発明の
教示に従う目的の疾患または状態の処置のために、治療有効量の本発明の化合物を含有する。
【0131】
本発明の医薬組成物は、調剤分野で周知の方法論によって調製され得る。例えば、注射によって投与されることが意図される医薬組成物は、本発明の化合物を、溶液剤を形成するための無菌蒸留水と組み合わせることによって調製され得る。あるいは、注射によって投与されることが意図される医薬組成物は、本発明の化合物を、溶液剤を形成するための無菌逆浸透水と組み合わせることによって調製され得る。界面活性剤または他の可溶化賦形剤を添加して、均質な溶液剤または懸濁液剤の形成を容易にすることができる。界面活性剤は、水性送達系への化合物の溶解または均質な懸濁を容易にするために、本発明の化合物と非共有結合的に相互作用する化合物である。
【0132】
他の実施形態では、経口投与を意図された固体医薬組成物は、治療有効量の本発明の化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される適切な賦形剤と混合して、固体の予備製剤組成物を形成することによって調製することができ、それを次いで、錠剤、丸剤およびカプセル剤などの均一に有効な単位剤形に容易に分割することができる。したがって、一部
の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0133】
本発明の化合物は、治療有効量で投与され、治療有効量は、用いられる具体的な化合物の活性、化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、および食事、投与形式および投与時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の障害または状態の重症度、ならびに治療を受ける対象を含む、様々な因子に応じて変わる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、患者が感染している限り、または潜伏感染している限り、または感染を防止するために(例えば、数年、数カ月、数週、または数日間)、単独で、または他の抗ウイルス剤と組み合わせて、1日1回または1日2回または1日3回または1日4回投与することができる。
【0134】
本発明の組成物は、任意の適切な純度の式Iの化合物を含むことができる。例えば、式Iの化合物は、少なくとも99.0%、または少なくとも99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または少なくとも99.9%の純度を有することができる。一部の実施形態では、本発明は、少なくとも99.1%の純度を有する式Iの化合物を有する組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、少なくとも99.3%の純度を有する式Iの化合物を有する組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、少なくとも99.5%の純度を有する式Iの化合物を有する組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、少なくとも99.7%の純度を有する式Iの化合物を有する組成物を提供する。
【0135】
本発明の組成物中に存在する不純物は、未反応の出発材料、望ましくない副生成物、および他の材料を含み得る。代表的な不純物には、不純物Aが含まれる:
【化2】
不純物Aは、本発明の組成物中に、約0.5%(w/w)未満、または約0.45%、0.40、0.35、0.30、0.25、0.20、0.15、0.10、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、または約0.01%(w/w)未満の量で存在し得る。一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、0.10%(w/w)未満の不純物Aを含む。一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、0.05%(w/w)未満の不純物Aを含む。
【0136】
一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、少なくとも99.1%の純度を有することができ、組成物は、0.10%(w/w)未満の不純物Aを含む。一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、少なくとも99.1%の純度を有することができ、組成物は、0.05%(w/w)未満の不純物Aを含む。一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、少なくとも99.1%の純度を有することができ、組成物は、0.04%(w/w)未満の不純物Aを含む。一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、少なくとも99.5%の純度を有することができ、組成物は、0.04%(w/w)未満の不純物Aを含む。一部の実施形態では、式Iの化合物の組成物は、少なくとも99.5%の純度を有することができ、組成物は、0.04%(w/w)未満の不純物Aを含む。
【0137】
式I
また、本明細書に記載される式Iの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個またはすべての結晶形態を含む組成物が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載される式Iの1つの化合物を含む組成物が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載される式Iの2つの結晶性化合物を含む組成物が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載される式Iの3つの結晶性化合物を含む組成物が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載される式Iの4つの結晶性化合物を含む組成物が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載される結晶式I形態IIおよび式I形態IVの混合物を含む組成物。他の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、実質的に純粋な結晶形態を含むことができ、または他の結晶形態および/もしくは不純物を実質的に含まない場合がある。
【0138】
一部の実施形態では、組成物は、式Iの結晶形態を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される通り、結晶形態を含む組成物であって、組成物中の式Iの化合物が、実質的に純粋である(すなわち、本明細書に記載される式Iの実質的に純粋な化合物)、組成物が提供される。式Iの結晶形態を含む組成物の特定の実施形態では、組成物中に存在する少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の式Iは、本明細書に開示される結晶形態のうちの1つである。一部の実施形態では、組成物は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の式Iの結晶形態のうちの1つを含む。
【0139】
本明細書に開示される結晶形態を含む組成物の他の実施形態では、組成物中に存在する約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満の式Iは、式Iの他の非晶質もしくは結晶形態、および/または不純物である。
【0140】
本明細書に開示される結晶形態を含む組成物のさらに他の実施形態では、不純物は、存在する結晶形態の質量に対して、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満の全質量を構成する。不純物は、例えば、式Iの合成からの副生成物、汚染物質、分解生成物、他の結晶形態、非晶質形態、水、および溶媒を含み得る。一部の実施形態では、不純物は、式Iを合成するプロセスからの副生成物を含む。一部の実施形態では、不純物は、式Iを合成するプロセスからの汚染物質を含む。一部の実施形態では、不純物は、式Iの分解生成物を含む。一部の実施形態では、不純物は、式Iの他の結晶形態を含む。一部の実施形態では、不純物は、水または溶媒を含む。本明細書に開示される結晶形態を含む組成物の一部の実施形態では、不純物は、式Iの合成からの副生成物、汚染物質、分解生成物、他の結晶形態、水、溶媒およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0141】
併用療法
一部の実施形態では、ヒトにおけるArenaviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるラッサウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるフニン
ウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。
【0142】
一部の実施形態では、本発明は、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、ラッサウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、ラッサウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、ラッサウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、フニンウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、フニンウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、フニンウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。
【0143】
一部の実施形態は、本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるArenaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるラッサウイルス感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるフニンウイルス感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるArenaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、治療有効量の本明細書に開示される化合物を提供し、化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるラッサウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるフニンウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の
追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、ラッサウイルス感染を処置するための方法における使用のために、ラッサウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、ラッサウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、ラッサウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、フニンウイルス感染を処置するための方法における使用のために、フニンウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、フニンウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、フニンウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0144】
一部の実施形態では、ヒトにおけるCoronaviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるSARSウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるMERSウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。
【0145】
一部の実施形態では、本発明は、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、SARSウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、SARSウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、SARSウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、MERSウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、MERSウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、MERSウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。
【0146】
一部の実施形態は、本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるCoronaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるSARSウイルス感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるMERSウイルス感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるCoronaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、治療有効量の本明細書に開示される化合物を提供し、化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるSARSウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるMERSウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、SARSウイルス感染を処置するための方法における使用のために、SARSウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、SARSウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、SARSウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、MERSウイルス感染を処置するための方法における使用のために、MERSウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、MERSウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、MERSウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0147】
一部の実施形態では、ヒトにおけるFiloviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるエボラウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投
与するステップを含む、方法が提供される。
【0148】
一部の実施形態では、本発明は、Filoviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Filoviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、エボラウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、エボラウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。
【0149】
一部の実施形態は、本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるFiloviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるエボラウイルス感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるFiloviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、治療有効量の本明細書に開示される化合物を提供し、化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるエボラウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、Filoviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、Filoviridaeのウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、Filoviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、Filoviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0150】
一部の実施形態では、ヒトにおけるFlaviviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるジカウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。
【0151】
一部の実施形態では、本発明は、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、ジカウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、ジカウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。
【0152】
一部の実施形態は、本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるFlaviviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるジカウイルス感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるFlaviviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、治療有効量の本明細書に開示される化合物を提供し、化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるジカウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0153】
一部の実施形態では、ヒトにおけるParamyxoviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおけるRSVウイルス感染を処置するための方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法が提供される。
【0154】
一部の実施形態では、本発明は、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、RSV感染を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物または組成物を、RSV感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法を提供する。
【0155】
一部の実施形態は、本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるParamyxoviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、感染を有するヒトにおけるRSV感染を処置するための方法における使用のために、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるParamyxoviridaeのウイルス感染を処置するため
の方法における使用のための、治療有効量の本明細書に開示される化合物を提供し、化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態は、感染を有するヒトにおけるRSV感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される化合物を、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のために、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するのに適した1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて提供する。一部の実施形態では、本発明は、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するための方法における使用のための、本明細書に開示される化合物を提供し、治療有効量の化合物は、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0156】
治療有効量の本明細書に開示される式Iの化合物は、任意の投与量の式Iの化合物で(例えば、5mg〜300mgの化合物)、治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせることができる。
【0157】
一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤、および薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。
【0158】
一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて含む医薬品の組合せ物が提供される。
【0159】
一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて含むキットが提供される。
【0160】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される追加の治療剤は、ウイルス感染に対して活性である。
【0161】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される追加の治療剤は、Arenaviridaeのウイルス感染、特にラッサウイルスおよびフニンウイルス感染に対して活性である。
【0162】
一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、溶液剤として製剤化され、溶液剤は、必要に応じてArenaviridaeのウイルス感染を処置するのに有用な治療有効量の1つまたは複数の他の化合物を含有し得る溶液剤として製剤化される。一部の実施形態では、溶液剤は、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するための別の活性成分を含有し得る。
【0163】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される追加の治療剤は、Coronaviridaeのウイルス感染、特にSARSウイルスおよびMERSウイルス感染に対して活性である。
【0164】
一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、溶液剤として製剤化され、溶液剤
は、必要に応じてCoronaviridaeのウイルス感染を処置するのに有用な治療有効量の1つまたは複数の他の化合物を含有し得る。一部の実施形態では、溶液剤は、Coronaviridaeのウイルス感染を処置するための別の活性成分を含有し得る。
【0165】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される追加の治療剤は、Filoviridaeのウイルス感染、特にマールブルグウイルス、エボラウイルスおよび/またはクエバウイルス感染に対して活性である。これらの他の活性な治療剤の非限定的な例は、リバビリン、パリビズマブ、モタビズマブ、RSV−IGIV(RespiGam(登録商標))、MEDI−557、A−60444、MDT−637、BMS−433771、アミオダロン、ドロネダロン、ベラパミル、エボラ回復期血漿(ECP)、TKM−100201、BCX4430((2S,3S,4R,5R)−2−(4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3,4−ジオール)、ファビピラビル(T−705またはAviganとしても公知)、T−705一リン酸、T−705二リン酸、T−705三リン酸、FGI−106(1−N,7−N−ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3,9−ジメチルキノリノ[8,7−h]キノロン−1,7−ジアミン)、JK−05、TKM−エボラ、ZMapp、rNAPc2、VRC−EBOADC076−00−VP、OS−2966、MVA−BN filo、ブリンシドホビル、Vaxartアデノウイルスベクター5ベースのエボラワクチン、Ad26−ZEBOV、FiloVaxワクチン、GOVX−E301、GOVX−E302、エボラウイルス侵入阻害剤(NPC1阻害剤)、およびrVSV−EBOV、ならびにそれらの混合物である。本発明の化合物および組成物は、特異的RNA配列を有する塩基対二本鎖を形成することによって翻訳プロセスを妨害するように設計された合成アンチセンスオリゴヌクレオチド類似体である、ホスホロアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)と組み合わせて使用することもできる。PMOの例として、AVI−7287、AVI−7288、AVI−7537、AVI−7539、AVI−6002、およびAVI−6003が挙げられる。本発明の化合物および組成物はまた、非経口流体(ブドウ糖生理食塩水および乳酸リンゲル液を含む)および栄養、抗生物質(メトロニダゾールおよびセファロスポリン抗生物質、例えばセフトリアキソンおよびセフロキシムを含む)および/または抗真菌性予防剤、発熱および疼痛薬、制吐剤(例えばメトクロプラミド)および/または止瀉剤、ビタミンおよびミネラルサプリメント(ビタミンKおよび硫酸亜鉛を含む)、抗炎症剤(例えば、イブプロフェン)、疼痛薬、および患者集団の他の一般的な疾患のための薬、例えば抗マラリア剤(アルテメテルおよびアルテスナート−ルメファントリン併用療法を含む)、腸チフス(キノロン系抗生物質、例えばシプロフロキサシン、マクロライド系抗生物質、例えばアジスロマイシン、セファロスポリン抗生物質、例えばセフトリアキソン、またはアミノペニシリン、例えばアンピシリンを含む)、または細菌性赤痢を含む、Filoviridaeのウイルス感染を有する患者に提供される一般的ケアと共に使用することが意図される。
【0166】
一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、溶液剤として製剤化され、溶液剤は、必要に応じてFiloviridaeのウイルス感染を処置するのに有用な治療有効量の1つまたは複数の他の化合物を含有し得る。一部の実施形態では、溶液剤は、Filoviridaeのウイルス感染を処置するための別の活性成分を含有し得る。
【0167】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される追加の治療剤は、Flaviviridaeのウイルス感染、特にジカウイルス感染に対して活性である。これらの他の活性な治療剤の非限定的な例は、アモジアキン、クロロキン、リバビリン、インターフェロンα、BCX4430、NITD008、およびモノクローナル抗体である。
【0168】
一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、溶液剤として製剤化され、溶液剤
は、必要に応じてFlaviviridaeのウイルス感染を処置するのに有用な治療有効量の1つまたは複数の他の化合物を含有し得る。一部の実施形態では、溶液剤は、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するための別の活性成分を含有し得る。
【0169】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用される追加の治療剤は、Paramyxoviridaeのウイルス感染、特にRSV感染に対して活性である。これらの他の活性な治療剤の非限定的な例は、リバビリン、アルブテロール、エピネフリン、およびパリビズマブである。
【0170】
一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、溶液剤として製剤化され、溶液剤は、必要に応じてParamyxoviridaeのウイルス感染を処置するのに有用な治療有効量の1つまたは複数の他の化合物を含有し得る。一部の実施形態では、溶液剤は、Paramyxoviridaeのウイルス感染を処置するための別の活性成分を含有し得る。
【0171】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物が、前述の通り1種または複数種の追加の治療剤と組み合わされる場合、組成物の構成成分は、同時または逐次的なレジメンとして投与される。逐次的に投与される場合、組合せ物は、2回またはそれよりも多い投与で投与され得る。
【0172】
一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に開示される化合物は、患者に、例えば経口投与のための固体剤形としての同時投与のための単位剤形で、治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わされる。
【0173】
一部の実施形態では、治療有効量の本明細書に開示される化合物は、1種または複数種の追加の治療剤と共に投与される。治療有効量の本明細書に開示される化合物と治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤の共投与とは、一般に、治療有効量の本明細書に開示される化合物および1種または複数種の追加の治療剤が患者の体内に共に存在するような、本明細書に開示される化合物および1種または複数種の追加の治療剤の同時または逐次的投与を指す。
【0174】
共投与は、単位投与量の治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤の投与前または投与後の、治療有効量の1つまたは複数の本明細書に開示される化合物を含む単位投与量の投与、例えば1種または複数種の追加の治療剤投与の数秒、数分、または数時間以内の本明細書に開示される化合物の投与を含む。例えば、一部の実施形態では、単位用量の本明細書に開示される化合物が最初に投与され、その後、数秒または数分以内に、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が投与される。あるいは、他の実施形態では、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が最初に投与され、その後、数秒または数分以内に、単位用量の本明細書に開示される化合物が投与される。一部の実施形態では、単位用量の本明細書に開示される化合物が最初に投与され、その後、ある期間の時間(例えば、1〜12時間)後に、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が投与される。他の実施形態では、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が最初に投与され、その後、ある期間の時間(例えば、1〜12時間)後に、単位用量の本明細書に開示される化合物が投与される。
【0175】
V.処置方法
一部の実施形態では、本発明は、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスを処置する方法を対象とする。
【0176】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Arenaviridaeのウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Allpahuayoウイルス(ALLV)、Amapariウイルス(AMAV)、Bear Canyonウイルス(BCNV)、Catarinaウイルス、Chapareウイルス、Cupixiウイルス(CPXV)、Dandenongウイルス、Flexalウイルス(FLEV)、Guanaritoウイルス(GTOV)、Ippyウイルス(IPPYV)、フニンウイルス(JUNV)、Kodokoウイルス、ラッサウイルス(LASV)、Latinoウイルス(LATV)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、Lujoウイルス、Machupoウイルス(MACV)、Mobalaウイルス(MOBV)、Morogoroウイルス、Mopeiaウイルス(MOPV)、Oliverosウイルス(OLVV)、Paranaウイルス(PARV)、Pichindeウイルス(PICV)、Pinhalウイルス、Piritalウイルス(PIRV)、Sabiaウイルス(SABV)、Skinner Tankウイルス、Tacaribeウイルス(TCRV)、Tamiamiウイルス(TAMV)、およびWhitewater Arroyoウイルス(WWAV)の群から選択されるArenaviridae種感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、ラッサウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、フニンウイルス感染を処置する方法を対象とする。
【0177】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Coronaviridaeのウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、中東呼吸器症候群(MERS)感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染を処置する方法を対象とする。
【0178】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Filoviridaeのウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、エボラウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Zaire(すなわちエボラウイルス、EBOV)、Sudan、Tai Forest、Bundibugyo、およびRestonからなる群から選択されるエボラウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、マールブルグウイルス感染を処置する方法を対象とする。
【0179】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Flaviviridaeのウイルス感染を処置する方法を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、ジカウイルス感染を処置する方法を対象とする。
【0180】
一部の実施形態では、本発明は、Arenaviridaeのウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される式Iの化合物を投与することによって、Allpahuayoウイルス(ALLV)、Amapariウイルス(AMAV)、Bear Canyonウイルス(BCNV)、Catarinaウイルス、Chapareウイルス、Cupixiウイルス(CPXV)、Dandenongウイルス、Flexalウイルス(FLEV)、Guanaritoウイルス(GTOV)、Ippyウイル
ス(IPPYV)、フニンウイルス(JUNV)、Kodokoウイルス、ラッサウイルス(LASV)、Latinoウイルス(LATV)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、Lujoウイルス、Machupoウイルス(MACV)、Mobalaウイルス(MOBV)、Morogoroウイルス、Mopeiaウイルス(MOPV)、Oliverosウイルス(OLVV)、Paranaウイルス(PARV)、Pichindeウイルス(PICV)、Pinhalウイルス、Piritalウイルス(PIRV)、Sabiaウイルス(SABV)、Skinner Tankウイルス、Tacaribeウイルス(TCRV)、Tamiamiウイルス(TAMV)、およびWhitewater Arroyoウイルス(WWAV)の群から選択されるArenaviridae種感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、ラッサウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、フニンウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。
【0181】
一部の実施形態では、本発明は、Coronaviridaeのウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、中東呼吸器症候群(MERS)感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。
【0182】
一部の実施形態では、本発明は、Filoviridaeのウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iを対象とする。一部の実施形態では、本発明は、エボラウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、Zaire(すなわちエボラウイルス、EBOV)、Sudan、Tai Forest、Bundibugyo、およびRestonからなる群から選択されるエボラウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、マールブルグウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。
【0183】
一部の実施形態では、本発明は、Flaviviridaeのウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、ジカウイルス感染を処置する方法における使用のための、本明細書で提供される式Iの化合物を対象とする。
【0184】
一部の実施形態では、本発明は、Arenaviridaeのウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、Allpahuayoウイルス(ALLV)、Amapariウイルス(AMAV)、Bear Canyonウイルス(BCNV)、Catarinaウイルス、Chapareウイルス、Cupixiウイルス(CPXV)、Dandenongウイルス、Flexalウイルス(FLEV)、Guanaritoウイルス(GTOV)、Ippyウイルス(IPPYV)、フニンウイルス(JUNV)、Kodokoウイルス、ラッサウイルス(LASV)、Latinoウイルス(LATV)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、Lujoウイルス、Machupoウイルス(MACV)、Mobalaウイルス(MOBV)、Morogoroウイルス、Mopeiaウイルス(MOPV)、Oliverosウイルス(OLVV)、Paranaウイルス(PARV)、Pichindeウイルス(PICV)、Pinhalウイルス、Piritalウイルス(PIRV)、Sabiaウイルス(SABV)、Skinne
r Tankウイルス、Tacaribeウイルス(TCRV)、Tamiamiウイルス(TAMV)、およびWhitewater Arroyoウイルス(WWAV)の群から選択されるArenaviridae種感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、ラッサウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、フニンウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。
【0185】
一部の実施形態では、本発明は、Coronaviridae感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、MERS感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、SARS感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。
【0186】
一部の実施形態では、本発明は、Filoviridaeのウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、エボラウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、Zaire(すなわちエボラウイルス、EBOV)、Sudan、Tai Forest、Bundibugyo、およびRestonからなる群から選択されるエボラウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、マールブルグウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。
【0187】
一部の実施形態では、本発明は、Flaviviridaeのウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、ジカウイルス感染を処置するための医薬の製造における本明細書で提供される式Iの化合物の使用を対象とする。
【0188】
VI.XRPDデータ
一部の実施形態では、結晶形態は、X線粉末回折パターン(XRPD)によって決定された格子間平面間隔によって特徴付けられる。XRPDのディフラクトグラムは、典型的に、ピークの位置に対してピークの強度をプロットする図、すなわち、回折角2θ(2シータ)度によって表される。所与のXRPDの特徴的なピークは、この結晶構造を他の構造と好都合に区別するために、ピーク位置およびそれらの相対的強度に従って選択され得る。
【0189】
当業者には、同じ化合物の所与の結晶形態についてのXRPDピーク位置および/または強度の測定は、誤差範囲内で変わることが認識される。2θ度の値によって、適切な許容誤差が可能になる。典型的に、許容誤差は、「±」によって表される。例えば、約「8.7±0.3」の2θ度は、約8.7+0.3、すなわち約9.0から約8.7−0.3、すなわち約8.4までの範囲を示す。試料調製技術、機器に適用される較正技術、ヒトによる操作変動等に応じて、当業者によって、XRPDの適切な許容誤差が、±0.5;±0.4;±0.3;±0.2;±0.1;±0.05またはそれ未満であり得ることが認識される。本発明の一部の実施形態では、XRPD誤差範囲は、±0.2である。本発明の一部の実施形態では、XRPD誤差範囲は、±0.5である。
【0190】
XRPD分析のために使用される方法および設備の追加の詳細は、実施例のセクションに記載される。
【0191】
結晶式I形態IのXRPDピークは、以下の表1Aに示される。
【表1A】
【0192】
結晶式I形態IIのXRPDピークは、以下の表1Bに示される。
【表1B-1】
【表1B-2】
【0193】
結晶式I形態IIIの算出粉末パターンピークは、以下の表1Cに示される。
【表1C-1】
【表1C-2】
【0194】
結晶式I形態IVのXRPDピークは、以下の表1Dに示される。
【表1D】
【0195】
式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、式Iの形態IIおよび形態IVの混合物(混合物I)のXRPDピークは、以下の表1Eに示される。
【表1E】
【0196】
式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、式Iの形態IIおよび形態IVの混合物(混合物II)のXRPDピークは、以下の表1Fに示される。
【表1F-1】
【表1F-2】
【0197】
式Iをイソプロピルアルコールおよび水である溶媒と20℃である温度で組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、式Iの形態IIおよび形態IVの混合物(混合物III)のXRPDピークは、以下の表1Gに示される。
【表1G】
【0198】
結晶式Iマレエート形態IのXRPDピークは、以下の表1Hに示される。
【表1H-1】
【表1H-2】
【0199】
VII.結晶形態の調製
A.式I
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(例えば、式Iの化合物)を合成する一方法は、同時係属の米国特許出願第14/926,062号、および2015年10月29日出願の表題「METHODS FOR TREATING FILOVIRIDAE VIRUS INFECTIONS」の、関係する同時係属のPCT出願の米国出願第2015/057933号に以前に記載されている。この参考文献は、具体的には(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの合成に関して参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0200】
例えば、一態様では、式Iの1つまたは複数の結晶形態を含む組成物を生成する方法であって、式Iの化合物を適切な溶媒または適切な溶媒の混合物と組み合わせて、式Iの化合物の1つまたは複数の結晶形態を含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。別の態様では、式Iの1つまたは複数の結晶形態を含む組成物を生成する別の方法であって、式Iを適切な溶媒または適切な溶媒の混合物と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0201】
特定の溶媒または溶媒の組合せまたは溶媒を組み合わせる方法の選択は、式Iの一方の結晶形態を別の形態よりも優先する形成に影響を及ぼす。結晶形成に適した溶媒には、例えば、水、イソプロピルエーテル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、エタノール、ジクロロメタン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ヘプタン、アセトニトリル、およびそれらの任意の混合物が含まれ得る。
【0202】
不純物の存在は、式Iの一方の結晶形態を別の形態よりも優先する形成に影響を及ぼす。一部の実施形態では、形態は、不純物を有する式Iを含むプロセスによって調製される。別の実施形態では、形態は、実質的に純粋な式Iを含むプロセスによって調製される。
【0203】
別の態様では、本明細書に記載される方法のいずれかに従って生成される式Iの1つまたは複数の結晶形態も提供される。
【0204】
本明細書に記載される結晶形態(結晶形態I〜IVならびに/または混合物I、IIおよび/もしくはIIIの任意の1つまたは複数を含む)を調製するための方法では、実験室規模で生成される式Iを調製するための方法と比較して、量および質に差が生じ得ることを理解されたい。
【0205】
式I形態I
一部の実施形態では、結晶形態Iを含む組成物を生成する方法であって、式Iをイソプロピルエーテルである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態Iを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0206】
式Iをイソプロピルエーテルである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態Iが提供される。
【0207】
式I形態II
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをエタノールおよび水である溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0208】
式Iをエタノールおよび水である溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0209】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをイソプロピルアルコールおよび水である溶媒と50℃である温度で組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0210】
式Iをイソプロピルアルコールおよび水である溶媒と50℃である温度で組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0211】
一部の実施形態では、結晶(cyrstalline)式I形態IIを調製するのに適した条件下
で、本発明の式Iとイソプロパノールおよび水の溶媒混合物とを接触させることによって結晶式I形態IIを生成する方法であって、式Iが、溶媒混合物に実質的に不溶性のままである、方法が提供される。本発明の方法において使用される式Iは、結晶式I、例えば結晶形態I、結晶形態II、結晶形態III、結晶形態IV、またはそれらの混合物、例えば混合物I、混合物IIもしくは混合物IIIであり得る。一部の実施形態では、式Iは、結晶式Iであり得る。一部の実施形態では、式Iは、式I形態IIおよび式I形態IVの混合物であり得る。一部の実施形態では、式Iは、混合物I、混合物IIまたは混合物IIIであり得る。一部の実施形態では、式Iは、混合物IIであり得る。一部の実施形態では、形態IIは、形態IVを実質的に含まずに調製される。一部の実施形態では、式Iは、形態IIおよび形態IVの混合物を含み、溶媒混合物は、イソプロパノールおよび水を含み、式Iは、溶媒混合物に実質的に不溶性のままであり、それによって結晶形態IVを実質的に含まない結晶形態IIを調製する。
【0212】
イソプロパノールおよび水は、任意の適切な比で溶媒混合物中に存在することができ、水の体積は、少なくともイソプロパノールの体積と同じである。イソプロパノールおよび水の代表的な比には、1:1〜約1:5(V/V)、または1:1〜約1:4(V/V)、または1:1〜約1:3(V/V)、または1:1〜約1:2(V/V)、または約1:1.5〜約1:2(V/V)が含まれる。イソプロパノールおよび水の代表的な比には
、少なくとも1:1(V/V)、ならびに1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、または1:5(V/V)が含まれる。イソプロパノールおよび水の他の比には、2:2、2:3、2:4、2:5、2:6、2:7、2:8、2:9、2:10、3:3、3:4、3:5、3:6、3:7、3:8、3:9または3:10(V/V)が含まれる。一部の実施形態では、溶媒混合物は、1:1〜約1:2(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、溶媒混合物は、約2:3〜約1:2(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、溶媒混合物は、少なくとも1:1(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含み、水は、イソプロパノールの体積以上の体積で存在する。一部の実施形態では、溶媒混合物は、約3:4(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、溶媒混合物は、約3:5(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、溶媒混合物は、約1:2(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。
【0213】
結晶式I形態IIを作製する方法は、任意の適切な温度で実施され得る。結晶式I形態IIの調製のための代表的な温度は、約20℃、または25、30、35、40、45、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75もしくは約80℃である。代表的な温度範囲には、20℃〜80℃、または25℃〜70℃、30℃〜60℃、40℃〜60℃、45℃〜60℃もしくは45℃〜55℃が含まれる。一部の実施形態では、接触させるステップは、約30℃〜約60℃の温度で実施される。一部の実施形態では、接触させるステップは、約45℃〜約60℃の温度で実施される。一部の実施形態では、接触させるステップは、約50℃の温度で実施される。
【0214】
一部の実施形態では、接触させるステップは、約30℃〜約60℃の温度で実施され、溶媒混合物は、少なくとも1:1(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含み、水は、イソプロパノールの体積以上の体積で存在する。一部の実施形態では、接触させるステップは、約45℃〜約60℃の温度で実施され、溶媒混合物は、1:1〜約1:3(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、接触させるステップは、約45℃〜約60℃の温度で実施され、溶媒混合物は、約2:3〜約2:5(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、接触させるステップは、約45℃〜約60℃の温度で実施され、溶媒混合物は、約3:4(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、接触させるステップは、約45℃〜約60℃の温度で実施され、溶媒混合物は、約3:5(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。一部の実施形態では、接触させるステップは、約50℃の温度で実施され、溶媒混合物は、約1:2(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む。
【0215】
一部の実施形態では、結晶形態IIは、形態IVを実質的に含まずに調製される。一部の実施形態では、混合物IIは、結晶形態IIが式I形態IVを実質的に含まずに調製されるように、式I形態IIおよび式I形態IVを含む。
【0216】
一部の実施形態では、結晶形態IIを生成する方法であって、式Iおよび溶媒混合物を接触させるステップを含み、式Iが、形態IIおよび形態IVを含み、溶媒混合物が、約3:5(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含み、約50℃の温度であり、式Iが、溶媒混合物に実質的に不溶性のままであり、それによって結晶形態IVを実質的に含まない結晶形態IIを調製する、方法が提供される。
【0217】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iを1−プロパノールである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0218】
式Iを1−プロパノールである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0219】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをテトラヒドロフランである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0220】
式Iをテトラヒドロフランである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0221】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iを2−プロパノールである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0222】
式Iを2−プロパノールである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0223】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをアセトニトリルである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0224】
式Iをアセトニトリルである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0225】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをジクロロメタンである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0226】
式Iをジクロロメタンである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0227】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをエタノールである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0228】
式Iをエタノールである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0229】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをメチルtert−ブチルエーテルである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0230】
式Iをメチルtert−ブチルエーテルである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0231】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iを2−メチルテトラヒドロフラン(methytetrahydrofuran)である溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0232】
式Iを2−メチルテトラヒドロフランである溶媒と組み合わせることによって生成され
た結晶式I形態IIが提供される。
【0233】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iを酢酸エチルおよび水である溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0234】
式Iを酢酸エチルおよび水である溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0235】
一部の実施形態では、結晶式I形態IIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをメチルエチルケトンである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0236】
式Iをメチルエチルケトンである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IIが提供される。
【0237】
式I形態III
一部の実施形態では、結晶形態IIIを含む組成物を生成する方法であって、式Iをジクロロメタンである溶媒と組み合わせて、結晶形態IIIを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0238】
式Iをジクロロメタンである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶形態IIIが提供される。
【0239】
式I形態IV
一部の実施形態では、結晶式I形態IVを含む組成物を生成する方法であって、式Iを2−メチルテトラヒドロフランおよびメチルtert−ブチルエーテルである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IVを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0240】
式Iを2−メチルテトラヒドロフランおよびメチルtert−ブチルエーテルである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IVが提供される。
【0241】
一部の実施形態では、結晶式I形態IVを含む組成物を生成する方法であって、式Iを2−メチルテトラヒドロフランおよびヘプタンである溶媒と組み合わせて、結晶式I形態IVを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0242】
式Iを2−メチルテトラヒドロフランおよびヘプタンである溶媒と組み合わせることによって生成された結晶式I形態IVが提供される。
【0243】
B.式Iの形態の混合物
一部の実施形態では、本発明は、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート結晶形態の混合物(式I混合物)を対象とする。
【0244】
一部の実施形態では、本発明は、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)
メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IIおよび(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IVの混合物を対象とする。
【0245】
一部の実施形態では、本発明は、式Iを酢酸イソプロピル、ならびにイソプロピルアルコールおよび水の混合物から選択される溶媒と組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート結晶形態の混合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、式Iを酢酸イソプロピルおよびイソプロピルアルコールである溶媒と組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IIおよび(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IVの混合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IIおよび(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IVの混合物を対象とする。一部の実施形態では、本発明は、式Iをイソプロピルアルコールおよび水の混合物である溶媒と組み合わせるステップを含むプロセスによって調製された、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IIおよび(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IVの混合物を対象とする。
【0246】
式Iの形態IIおよび形態IVの混合物は、様々な溶媒またはそれらの混合物を使用することによって調製され得る。代表的な溶媒には、これに限定されないが、水、イソプロパノール(IPA)、酢酸イソプロピル(isoproyl)(IPAc)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、およびそれらの組合せが含まれる。形態IIおよび形態IVの混合物は、異なる量で存在する形態IIおよび形態IVをもたらし得る。形態IIおよび形態IVの代表的な混合物には、中でも混合物I、混合物IIおよび混合物IIIが含まれる。
【0247】
一部の実施形態では、形態IIおよび形態IVの混合物を生成する方法であって、式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0248】
式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせることによって生成された形態IIおよび形態IVの混合物が提供される。式Iをイソプロピルアルコールおよび水の混合物である溶媒と組み合わせることによって生成された形態IIおよび形態IVの混合物が提供される。式Iを2−メチルテトラヒドロフランおよびメチルt−ブチルエーテルの混合物である溶媒と組み合わせることによって生成された形態IIおよび形態IVの混合物が提供される。
【0249】
溶媒が溶媒の混合物を含む場合、溶媒混合物は、出発材料を溶解するのに適した溶媒および出発材料を実質的に溶解することができない貧溶媒(antisolvent)を含み得る。溶媒
および貧溶媒は、任意の適切な比で存在し得る。溶媒および貧溶媒の代表的な比には、10:1〜1:10、または5:1〜1:5、4:1〜1:4、3:1〜1:3もしくは2:1〜1:2(V/V)が含まれる。溶媒の貧溶媒に対する比は、溶媒の貧溶媒に対する比10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1または2:1で出発し、次いで追加の貧溶媒を添加して、溶媒の貧溶媒に対する比を1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9または1:10に変化させるなどによって、結晶化プロセス中に変えることもできる。一部の実施形態では、溶媒の貧溶媒に対する最初の比は、約3:1(V/V)であってよく、溶媒の貧溶媒に対する最終的な比は、約1:2(V/V)であってよい。一部の実施形態では、イソプロピルアルコールの水に対する最初の比は、約3:1(V/V)であってよく、最終的な比は、約1:2(V/V)であってよい。一部の実施形態では、溶媒の貧溶媒に対する最初の比は、約8:1(V/V)であってよく、溶媒の貧溶媒に対する最終的な比は、約1:2(V/V)であってよい。一部の実施形態では、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)に対する最初の比は、約8:1(V/V)であってよく、最終的な比は、約1:2(V/V)であってよい。
【0250】
混合物I
一部の実施形態では、混合物Iを生成する方法であって、式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0251】
式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせることによって生成された混合物Iが提供される。
【0252】
混合物II
一部の実施形態では、混合物IIを生成する方法であって、式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0253】
式Iを酢酸イソプロピルである溶媒と組み合わせることによって生成された混合物IIが提供される。
【0254】
混合物III
一部の実施形態では、混合物IIIを生成する方法であって、式Iをイソプロピルアルコールおよび水である溶媒と約20℃である温度で組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0255】
式Iをイソプロピルアルコールおよび水である溶媒と約20℃である温度で組み合わせることによって生成された混合物IIIが提供される。
【0256】
C.式Iマレエート
一部の実施形態では、結晶式Iマレエート形態Iを含む組成物を生成する方法であって
、式Iをメタノールおよび酢酸イソプロピルである溶媒中マレイン酸と組み合わせて、結晶式Iマレエート形態Iを含む組成物を生成するステップを含む、方法が提供される。
【0257】
式Iをメタノールおよび酢酸イソプロピルである溶媒中マレイン酸と組み合わせて、結晶式Iマレエートを含む組成物を生成することによって生成された式Iマレエート形態Iが提供される。
【0258】
VIII.薬物生成物の製造における使用
また、本明細書に記載される結晶形態の、薬物生成物の製造における使用が提供される。本明細書に記載される式Iの化合物の1つまたは複数は、薬物生成物を生成するための製造プロセスにおける中間体として使用され得る。
【0259】
一部の実施形態では、式Iの化合物が、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式I形態Iが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式I形態IIが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式I形態IIIが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式I形態IVが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式Iの形態の混合物が、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式I形態IIおよび式I形態IVの混合物が、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、混合物Iが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、混合物IIが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、混合物IIIが、医薬活性成分の製造において使用される。一部の実施形態では、式Iマレエート形態Iが、医薬活性成分の製造において使用される。
【0260】
IX.製造品およびキット
本明細書に記載され、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤または他の成分で製剤化された、式Iの化合物の1つまたは複数を含む組成物は、示された状態の処置のために調製し、適切な容器に入れ、標識することができる。したがって、本明細書に記載される式Iの化合物の1つまたは複数の剤形、および化合物を使用するための指示を含有する標識を含む容器などの製造品も企図される。
【0261】
一部の実施形態では、製造品は、本明細書に記載される式Iの化合物の1つまたは複数の剤形、および1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤または他の成分を含む容器である。本明細書に記載される製造品の一部の実施形態では、剤形は、溶液剤である。
【0262】
キットも企図される。例えば、キットは、医薬組成物の剤形、および医学的状態の処置における組成物の使用のための指示を含有するパッケージ挿入物を含み得る。別の実施形態では、キットは、それぞれ治療有効量の本明細書に記載される化合物を含む複数の個々の剤形、およびそれを必要とするヒトへのそれらの投与のための指示を含み得る。個々の剤形のそれぞれは、治療有効量の本明細書に記載される化合物を、少なくとも1種の薬学的に有効な賦形剤と組み合わせて含み得る。個々の剤形は、経口、非経口、または局所投与のための、例として、溶液剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、サシェ剤、舌下医薬、凍結乾燥散剤、噴霧乾燥散剤、または液体組成物の形態であり得る。キットにおける使用のための指示は、本明細書に記載されるそれぞれの種を含む、Arenaviridaeのウイルス感染、Coronaviridaeのウイルス感染、Filoviridaeのウイルス感染、Flaviviridaeのウイルス感染、またはParamyxoviridaeのウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使用のための指示は、ヒトにおけるラッサウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使用のための指示は、ヒトにおけるフニンウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使
用のための指示は、ヒトにおけるSARSウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使用のための指示は、ヒトにおけるMERSウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使用のための指示は、ヒトにおけるエボラウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使用のための指示は、ヒトにおけるジカウイルス感染を処置するための指示であり得る。一部の実施形態では、キットにおける使用のための指示は、ヒトにおけるRSV感染を処置するための指示であり得る。指示は、本明細書に記載されるウイルス感染および方法のいずれかを対象とし得る。指示は、既存のウイルス感染の予防または処置のための指示であり得る。
【0263】
一部の実施形態では、本明細書に記載される結晶または塩形態は、潜在的に、改善された特性を示し得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載される結晶または塩形態は、潜在的に、改善された安定性を示し得る。このような改善された安定性は、例えば、プロセス中間体を長期間保存する能力を付与するなどの、式Iの化合物の製造に潜在的に有益な影響を有することができる。改善された安定性はまた、潜在的に、式Iの化合物の組成物または医薬組成物に利益をもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される結晶または塩はまた、潜在的に、式Iの化合物の改善された収量をもたらす、または潜在的に式Iの化合物の質の改善をもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される結晶、塩および溶媒和物形態はまた、改善された薬物動態特性および/または潜在的に改善されたバイオアベイラビリティを示すことができる。
【実施例】
【0264】
X.方法
(実施例1)
式I形態I
式I(56.2mg)をガラスバイアルに添加した。イソプロピルエーテル(約0.5mL)を添加し、バイアルにキャップをし、懸濁液を約21℃で約4日間撹拌した。式I形態Iを、遠心分離/濾過によって、懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0265】
(実施例2)
式I形態II
式I(0.03〜0.07g)を反応槽に添加し、0.2〜0.8の範囲の水分活性のエタノールおよび水の混合物約0.1〜0.4gを投入した。槽を封止し、室温で約2週間かき混ぜた。式I形態IIを単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0266】
代替方法では、式I(3.7g)を反応槽に添加した。イソプロピルアルコール(約11mL)および水(約4mL)を添加し、懸濁液を、溶解が達成されるまで約50℃に加熱した。水(約2mL)を約50℃で約1時間にわたって添加し、次いで式I形態II種約37mgを添加した。水(約6mL)を約50℃で約2.5時間にわたって添加し、懸濁液を約50℃で約1.5時間撹拌した。水(約11mL)を約6時間にわたって添加し、懸濁液を約50℃で約9時間撹拌した。懸濁液を約6時間にわたって約20℃に冷却し、懸濁液を約20℃で約17時間撹拌した。式I形態IIを、濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0267】
代替方法では、結晶式I(7.0g)を反応槽に添加した。イソプロピルアルコール(約21mL)および水(約35mL)を添加し、懸濁液を約50℃に加熱した。懸濁液を約50℃で約18時間を撹拌し、次いで約3時間にわたって約20℃に冷却し、約20℃で約3時間撹拌した。式I形態IIを濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0268】
(実施例3)
式I形態III
式I(41.2mg)を、ジクロロメタン(97.9mg)を入れたフラスコに約21℃で溶解した。フラスコに数日間キャップをした。式I形態IIIを観察した。
【0269】
(実施例4)
式I形態IV
MeTHF/MTBE
2−メチルテトラヒドロフラン(32mL)中式I(8.0g)の粗製溶液を、反応槽中約20℃で撹拌し、メチルtert−ブチルエーテル(4mL)を約1時間にわたって添加した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する種を添加し、懸濁液を約20℃で撹拌した。メチルtert−ブチルエーテル(64mL)を、約5日間の期間にわたって約20℃で添加し、懸濁液を約20℃で2日間撹拌した。式I形態IVを、濾過によって懸濁液から固体として単離し、乾燥させた。
【0270】
MeTHF/MTBE
【化3】
(3aR,4R,6R,6aR)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(10g、30mmol)、2−エチルブチル((S)−(4−ニトロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(14g、32mmol)、および塩化マグネシウム(4.4g、46mmol)を反応槽に添加した。テトラヒドロフラン(約100mL)を添加した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(13mL、76mmol)を約25℃で添加した。約3時間後、反応混合物を、予冷した(約10℃)メチルtert−ブチルエーテル(約100mL)およびクエン酸水溶液(10wt%、約100mL)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、炭酸カリウム水溶液(10wt%、約150mL)、炭酸カリウム水溶液(10wt%、2×約100mL)、塩化アンモニウム水溶液(10wt%、約100mL)、および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約100mL)で洗浄した。有機層の溶媒をアセトニトリルに交換し、体積を約100mLに調整した。アセトニトリル溶液を約0℃に冷却し、濃塩酸(約20mL)を添加した。約3時間後、反応混合物を、予冷した(約10℃)2−メチルテトラヒドロフラン(約100mL)および重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約100mL)の混合物に充填し、2−メチルテトラヒドロフラン(約50mL)で先にすすいだ。有機層および水層を分離し、有機層を、重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約40mL)および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約100mL)で洗浄した。有機層を約50mLに濃縮し、2−メチルテトラヒドロフラン(約50mL)を充填した。次いで、有機層を塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約50mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、溶液が0.2%以下の標的含水量に達するまで、2−メチルテトラヒドロフランから蒸留した。2−メチルテトラヒドロフラン溶液(約200mL)を研磨濾過し、次いで、2−メチルテトラヒドロフラン
溶液の一部(約3分の1)を約23mLに濃縮した。式I形態IV種(約40mg)を約20℃で添加し、メチルtert−ブチルエーテル(約43mL)を約8時間にわたって添加した。懸濁液を約20℃で約1週間撹拌した。式I形態IVを濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0271】
MeTHF/ヘプタン
代替方法では、(3aR,4R,6R,6aR)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(3.0g、9.0mmol)、2−エチルブチル((S)−(4−ニトロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(4.3g、9.5mmol)、および塩化マグネシウム(1.3g、14mmol)を反応槽に添加した。テトラヒドロフラン(約30mL)を添加した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.9mL、23mmol)を約25℃で添加した。約16時間後、反応混合物を、予冷した(約3℃)2−メチルテトラヒドロフラン(約30mL)およびクエン酸水溶液(10wt%、約30mL)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、炭酸カリウム水溶液(10wt%、約45mL)、炭酸カリウム水溶液(10wt%、2×約30mL)、および塩化アンモニウム水溶液(10wt%、約30mL)で洗浄した。有機層の溶媒をアセトニトリルに交換し、体積を約32mLに調整した。アセトニトリル溶液を約0℃に冷却し、濃塩酸(約6mL)を添加した。約2時間後、反応混合物を、予冷した(約12℃)2−メチルテトラヒドロフラン(約30mL)および重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約30mL)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約12mL)および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約30mL)で洗浄した。有機層を約12mLに濃縮し、2−メチルテトラヒドロフラン(約15mL)を充填した。次いで、有機層を塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約15mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、溶液が0.2%以下の標的含水量に達するまで、2−メチルテトラヒドロフランから蒸留した。2−メチルテトラヒドロフラン(methyltetrahydofuran)溶液(約60mL)を研磨濾過し、次いで約24mLに濃縮し、溶液を約20℃で撹拌した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する種(約30mg)を添加し、ヘプタン(約18mL)を懸濁液にゆっくり充填した。懸濁液を約21℃で約1日間撹拌し、次いで約2週間後、式I形態IVを濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0272】
(実施例5)
形態IIおよび形態IVの混合物である混合物I
【化4】
(3aR,4R,6R,6aR)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(20g、60mmol)、2−エチルブチル((S)−(4−ニトロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(32g、72mmol)、および塩化マグネシウム(8.6g
、90mmol)を反応槽に添加した。テトラヒドロフラン(約200mL)を添加した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(26mL、151mmol)を約20℃で添加した。約3時間後、反応混合物を、予冷した(約15℃)2−メチルテトラヒドロフランおよびクエン酸水溶液(10wt%)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、炭酸カリウム水溶液(10wt%、約300mL)、炭酸カリウム水溶液(10wt%、2×約200mL)、塩化アンモニウム水溶液(10wt%、約200mL)、および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約200mL)で洗浄した。有機層の溶媒をアセトニトリルに交換し、体積を約200mLに調整した。アセトニトリル溶液を約0℃に冷却し、濃塩酸(約40mL)を添加した。約3時間後、反応混合物を約−10℃に冷却し、予冷した(約10℃)2−メチルテトラヒドロフラン(約200mL)および重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約200mL)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約100mL)および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約200mL)で洗浄した。有機層を約140mLに濃縮し、塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約100mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、溶液が0.2%以下の標的含水量に達するまで、2−メチルテトラヒドロフランから蒸留した。2−メチルテトラヒドロフラン溶液(約400mL)を研磨濾過し、溶媒を酢酸イソプロピルに交換した。酢酸イソプロピル溶液(約100mL)を約21℃で撹拌した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する種(約40mg)を添加し、懸濁液を約21℃で約3日間撹拌した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する結晶式Iを、濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0273】
(実施例6)
形態IIおよび形態IVの混合物である混合物II
【化5】
(3aR,4R,6R,6aR)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(20g、60mmol)、2−エチルブチル((S)−(4−ニトロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(29g、63mmol)、および塩化マグネシウム(8.6g、90mmol)を反応槽に添加した。テトラヒドロフラン(約200mL)を添加した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(26mL、151mmol)を約20℃で添加した。約4時間後、反応混合物を、予冷した(約10℃)メチルtert−ブチルエーテル(約200mL)およびクエン酸水溶液(10wt%、約200mL)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、炭酸カリウム水溶液(10wt%、約300mL)、炭酸カリウム水溶液(10wt%、2×約200mL)、塩化アンモニウム水溶液(10wt%、約200mL)、および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約200mL)で洗浄した。有機層の溶媒をアセトニトリルに交換し、体積を約200mLに調整した。アセトニトリル溶液を約0℃に冷却し、濃塩酸(約40mL)を添加した。約3時間後、反応混合物を−10℃に冷却し、予冷した(約10℃)2−メチルテトラヒドロフラン(約200mL)および重炭酸カリウム水溶液(20wt%、約200mL)の混合物に充填した。有機層および水層を分離し、有機層を、重炭酸カリウム水溶液(20
wt%、約80mL)および塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約200mL)で洗浄した。有機層を約100mLに濃縮し、塩化ナトリウム水溶液(15wt%、約100mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、溶液が0.2%以下の標的含水量に達するまで、2−メチルテトラヒドロフランから蒸留した。2−メチルテトラヒドロフラン溶液(約400mL)を研磨濾過し、溶媒を酢酸イソプロピルに交換した。酢酸イソプロピル溶液(約100mL)を約20℃で撹拌した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する種(約40mg)を添加し、懸濁液を約20℃で約3日間撹拌した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する結晶式Iを、濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0274】
(実施例7)
形態IIおよび形態IVの混合物である混合物III
式I(14.0g)を反応槽に添加した。イソプロピルアルコール(42mL)および水(14mL)を添加し、懸濁液を、溶解が達成されるまで約50℃に加熱した。溶液を約20℃に冷却し、形態IIおよび形態IVの混合物を含有する種約14mgを添加した。水(70mL)を約3時間にわたって約20℃で添加し、懸濁液を約20℃で約17時間撹拌した。形態IIおよび形態IVの混合物を含有する結晶式Iを、濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0275】
(実施例8)
式Iマレエート形態I
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル0.58gを、撹拌棒を備えた20mLのバイアル中、酢酸イソプロピル(IPAc)5mLに溶解させた。IPAc 4mLおよびエタノール0.25mLを、第2のバイアル中、マレイン酸150mgに添加し、マレイン酸を溶解させた。第2のバイアルの内容物を、撹拌しながら20mLのバイアルに添加した。約1時間撹拌した後、懸濁液を濾過し、濾液をIPAc 2.5mLで洗浄し、空気乾燥して、(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルマレエート塩を単離した。
【0276】
式Iの形態の混合物(3.31g)および酢酸イソプロピル(約20mL)を、第1の反応槽に添加し、その槽にキャップをし、高速で磁気撹拌した。マレイン酸(0.72g)を第2の反応槽に添加した。酢酸イソプロピル(約20mL)を第2の反応槽に添加した。メタノール(約5mL)を第2の反応槽に添加した。メタノール(約5mL)を第1の反応槽に添加した。第2の反応槽の内容物を、第1の反応槽に添加した。第1の反応槽を約21℃で約5分間撹拌し、次いで(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルマレエート塩種を播種した。第1の反応槽にキャップをし、約21℃で約18時間撹拌した。式Iマレエート形態Iを、遠心分離/濾過によって懸濁液から固体として単離し、以下に論じる通り特徴付けた。
【0277】
結晶形態の特徴付け
本発明の結晶形態を、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、および動的蒸気吸着(DVS)を含む様々な分析技術によって、下記の手順を使用して特徴付けた。
【0278】
X線粉末回折:XRPD分析を、回折計(PANanalytical XPERT−PRO、PANanalytical B.V.、Almelo、Netherlands)で、銅放射(Cu Kα、λ=1.5418Å)を使用して実施した。試料を、ゼロバックグラウンドプレートを備えた鋼ホルダーの中心に粉末化試料を載せることによって分析のために調製した。発電機を、電圧45kVおよびアンペア数40mAで操作した。使用したスリットは、Soller 0.02rad、散乱線除去1.0°、および発散であった。試料回転速度は、2回転/秒であった。走査は、2〜40°の2θで5分間、ステップサイズ0.008°の2θで実施した。データ分析を、X’Pert Date
Viewer version 2.2c(PANalytical B.V.、Almelo、Netherlands)およびX’Pert data viewer version 1.2d(PANalytical B.V.、Almelo、Netherlands)によって実施した。
【0279】
式I形態IのXRPDパターンは、
図1に示される。
【0280】
式I形態IIのXRPDパターンは、
図5に示される。
【0281】
図9に示される式I形態IIIの算出XRPDパターンを、Mercury 3.1 Development(Build RC5)を使用することによって算出した。式I形態IIIの単結晶データを、Mercury 3.1に入力して、式I形態IIIのXRPDパターンを算出した。
【0282】
式I形態IVのXRPDパターンは、
図10に示される。
【0283】
式I混合物IのXRPDパターンは、
図13に示される。
【0284】
式I混合物IIのXRPDパターンは、
図16に示される。
【0285】
式I混合物IIIのXRPDパターンは、
図19に示される。
【0286】
式Iマレエート形態IのXRPDパターンは、
図22に示される。
【0287】
式I形態IVのXRPDパターンは、
図26に示される。
【0288】
示差走査熱量測定:熱的特性を、示差走査熱量測定(DSC)機器(TA Q1000、TA Instruments、New Castle、DE、USA)を使用して評価した。固体試料およそ1〜10mgを、各実験に対して、ピンホールで通気した標準アルミニウム鍋に入れ、5〜10℃/分の速度で、50mL/分の窒素パージ下で加熱した。データ分析を、Universal Analysis 2000 Version 4.7A(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を使用して実施した。
【0289】
式I形態IのDSCは、
図2に示される。
【0290】
式I形態IIのDSCは、
図6に示される。
【0291】
式I形態IVのDSCは、
図11に示される。
【0292】
式I混合物IのDSCは、
図14に示される。
【0293】
式I混合物IIのDSCは、
図17に示される。
【0294】
式I混合物IIIのDSCは、
図20に示される。
【0295】
式Iマレエート形態IのDSCは、
図23に示される。
【0296】
熱重量分析:熱重量分析(TGA)を、TGA機器(TA Q500、TA Instruments、New Castle、DE、USA)で実施した。固体試料およそ1〜10mgを、各実験に対して、開放アルミニウム鍋に入れ、5〜10℃/分の速度で、60mL/分の窒素パージ下で加熱した。データ分析を、Universal Analysis 2000 Version 4.7A(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を使用して実施した。
【0297】
式I形態IのTGAは、
図3に示される。
【0298】
式I形態IIのTGAは、
図7に示される。
【0299】
式I形態IVのTGAは、
図12に示される。
【0300】
式I混合物IのTGAは、
図15に示される。
【0301】
式I混合物IIのTGAは、
図18に示される。
【0302】
式I混合物IIIのTGAは、
図21に示される。
【0303】
式Iマレエート形態IのTGAは、
図24に示される。
【0304】
動的蒸気吸着:吸湿性を、動的蒸気吸着(DVS)機器(TGA Q5000 TA Instruments、New Castle、DE)を使用して室温で評価した。水吸着および脱着を、相対湿度(RH)の関数として、0〜90%の範囲にわたって25℃で研究した。チャンバ内の相対湿度を、10%RHずつ増大し、固体および雰囲気が平衡に達するまで保持した。平衡試験を、5時間または10時間後に合格または失効するまで継続した。この時点で、RHは10%上昇し、プロセスを、90%RHに達し平衡化するまで反復した。この期間中、水分収着をモニタリングした。脱着のために、相対湿度を同様の様式で低減して、完全な収着/脱着サイクルを測定した。サイクルは、必要に応じて反復した。すべての実験を、dm/dtモード(経時的に質量変動)で操作して、平衡化エンドポイントを決定した。固体およそ5〜10mgを使用した。データ分析を、Universal Analysis 2000 Version 4.7A(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を使用して実施した。
【0305】
式I形態IのDVSは、
図4に示される。
【0306】
式I形態IIのDVSは、
図8に示される。
【0307】
式Iマレエート形態IのDVSは、
図25に示される。
【0308】
単結晶X線回折研究を、Mo K
α放射線を備えたBruker APEX II Ultra回折計で行った(例えば、波長)。対象の化合物の結晶を、0.22×0.18×0.04mmの切片に切断し、Paratone−Nオイルと共にCryoloopに載置した。データを、以下の表に示される通り、窒素ガス流中、特定の温度で収集した(
例えば、100(2)Kまたは200(2)K)。指数をカバーする反射総数を収集した(例えば、−9<=h<=10、−13<=k<=16、−37<=l<=36)。ある特定の反射は、R
int値を伴って対称非依存性であることが見出された。指数付けおよび単位格子の精密化によって、結晶系(例えば、単斜、三斜、または斜方晶格子)を示した。データの消滅則によって独特に定義された空間群が見出された(例えば、P1、P2(1)、C2、およびP21212)。データを、Bruker SAINTソフトウェアプログラムを使用して統合し、SADABSソフトウェアプログラムを使用して位取りした。直接法(SHELXT)による解法によって、提案された構造と適合する完全な位相モデルが生成された。
【0309】
すべての非水素原子を、完全行列最小二乗法(SHELXL−2014)により異方的に精密化した。すべての水素原子を、ライディングモデルを使用して配置した。それらの位置を、SHELXL−2014の適切なHFIXコマンドを使用して、それらの親原子に対して束縛した。結晶学的データを、以下の表にまとめる。絶対立体化学を、同じ化合物の以前に研究された試料に従うように設定した。
【0310】
式I形態IIの単結晶X線結晶構造解析法データを、以下の表2Aにまとめる。
【表2A】
【0311】
式I形態IIIの単結晶X線結晶構造解析法データを、以下の表2Bにまとめる。
【表2B】
【0312】
式Iの様々な形態の純度プロファイルを、以下の表3にまとめる。
【表3】
ここで、不純物Aは、(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルである。
【化6】
【0313】
本発明の一部の実施形態では、式Iは水和される。一部の実施形態では、式Iの水分子に対する比は、1:1である。
【0314】
固体NMR:固体NMR(SSNMR)実験を、Bruker Avance I分光計(Bruker、Billerica、MA)で、
13Cについては100.51MHzで、
1Hについては399.66MHzで操作して実施した。7mmのマジック角回転(MAS)系(Revolution NMR、Ft.Collins、CO)で再適合させたChemagnetics(Ft.Collins、CO)Apexプローブを使用して、データを取得した。各試料を、7mmのジルコニアローターに充填した。すべての実験を、交差分極およびマジック角回転(CP/MAS)を使用して取得した。マジック角回転速度は、典型的に5kHzであった。化学シフトは、18.84ppmにおける3−メチルグルタル酸のメチルピークの二次基準により、±0.2ppmの精度でTMSに対して報告する。スピニングサイドバンドを、サイドバンドの完全な抑制(TOSS)を使用して排除した。飽和回復法を使用して、
1H T
1緩和時間を測定した。
【0315】
データ収集は、約8.5℃の名目上の温度で行った。取得パラメータには、1.5msの交差分極時間、約50msの取得時間、および約2×
1H T
1(約3.2秒)の繰り返し遅延が含まれていた。取得中、約64kHzの
1Hデカップリングを使用した。データを、Bruker Topspin 2.1(C)ソフトウェアパッケージで処理した。自由誘導減衰をフーリエ変換し、位相化し、およびベースライン補正した。
【0316】
式I形態IIの固体NMRは、
図27に示される。
【0317】
式I形態IIおよび形態IVの混合物(上)、混合物III(中央)および混合物I(下)の固体NMRは、
図28に示される。
【0318】
混合物III(上)、式I形態IIおよび形態IVの混合物(中央)、および混合物II(下)の固体NMRは、
図29に示される。
【0319】
競合実験
いくつかの実験を実施して、式I形態IIがより安定な形態であることを実証した。
【0320】
式Iを、対応する溶媒と混合し、撹拌棒を備えていないかき混ぜ装置により室温で混合した。単離した固体のXRPDを、2週間後に取得した。
【表4】
【0321】
式I形態Iと式I形態IIとの競合実験を、式I形態Iを酢酸イソプロピルと混合した後、式I形態IIおよび式I形態IVの混合物である混合物IIを添加することによって実施した。
【表5】
【0322】
式I形態IIと式I形態IVとの競合実験を、式I混合物IIをIPA/水(3/6V/V)と50℃で数日間合わせることによって実施した。すべての実験によって、式I形態IIへの変換が示された。
【表6】
【0323】
本願で引用されたあらゆる特許、特許出願および刊行物を含む参考文献のそれぞれは、それらのそれぞれが個々に組み込まれるかのように、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の先の教示において、当業者は、本発明にある特定の変更または改変を加えることができ、これらの等価物は、依然として、本願の添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあり得ることが理解され得る。本願で引用されたあらゆる特許、特許出願および刊行物を含む参考文献のそれぞれは、それらのそれぞれが個々に組み込まれるかのように、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の先の教示において、当業者は、本発明にある特定の変更または改変を加えることができ、これらの等価物は、依然として、本願の添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあり得ることが理解され得る。
【0324】
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態I、
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態II、
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態III、
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート形態IV、
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート混合物I、
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート混合物II、
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート混合物III、および
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートマレエート形態I
からなる群から選択される、化合物。
(項目2)
形態Iである、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態。
(項目3)
約5.3°、20.6°、および22.7°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目2に記載の結晶形態。
(項目4)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約17.1°および20.0°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目3に記載の結晶形態。
(項目5)
図1に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目3から4のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目6)
図2に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目3から5のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目7)
図3に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目3から6のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目8)
図4に実質的に記載される動的蒸気吸着(DVS)パターンによって特徴付けられる、項目3から7のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目9)
形態IIである、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態。
(項目10)
約22.3°、16.9°、および16.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目9に記載の結晶形態。
(項目11)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約13.8°および12.7°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目10に記載の結晶形態。
(項目12)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約22.5°、10.6°および14.5°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目10に記載の結晶形態。
(項目13)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°および14.5°2θ±0.2°2θにおいてピークを有する、項目10に記載の結晶形態。
(項目14)
単結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子によって特徴付けられる、項目9に記載の結晶形態。
(項目15)
138℃における示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムピークによって特徴付けられる、項目9に記載の結晶形態。
(項目16)
以下:
約22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°および14.5°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン、
138℃における示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムピーク、ならびに
単結晶X線結晶構造解析法によって決定される通り、以下の寸法:a=10.505(2)Å、b=12.736(3)Å、c=11.066(2)Å、α=90°、β=100.105(7)°、およびγ=90°の単位格子
の1つまたは複数によって特徴付けられる、項目9に記載の結晶形態。
(項目17)
図5に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目10から16のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目18)
図6に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目10から14のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目19)
図7に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目10から18のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目20)
図8に実質的に記載される動的蒸気吸着(DVS)パターンによって特徴付けられる、項目10から19のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目21)
形態IIIである、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態。
(項目22)
形態IVである、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態。
(項目23)
約22.6°、19.9°、および14.1°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目22に記載の結晶形態。
(項目24)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約17.4°、7.9°および12.5°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目23に記載の結晶形態。
(項目25)
図10に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目23から24のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目26)
図11に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目23から25のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目27)
図12に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目23から26のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目28)
混合物Iである、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態の混合物。
(項目29)
約15.9°、22.6°、および14.1°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目28に記載の結晶形態の混合物。
(項目30)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約12.5°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目29に記載の結晶形態の混合物。
(項目31)
図13に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目29から30のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目32)
図14に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目29から31のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目33)
図15に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目29から32のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目34)
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態であって、前記形態の混合物は、混合物IIである、結晶形態。
(項目35)
約16.1°、22.4°、および12.7°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目34に記載の結晶形態の混合物。
(項目36)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約13.9°、24.2°、および17.5°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目35に記載の結晶形態の
混合物。
(項目37)
図16に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目35から36のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目38)
図17に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目35から37のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目39)
図18に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目35から38のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目40)
(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートの結晶形態であって、前記形態の混合物は、混合物IIIである、結晶形態。
(項目41)
約16.7°、12.6°、および17.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目40に記載の結晶形態の混合物。
(項目42)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約19.6°および14.1°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目41に記載の結晶形態の混合物。
(項目43)
図19に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目41から42のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目44)
図20に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目41から43のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目45)
図21に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目41から44のいずれか一項に記載の結晶形態の混合物。
(項目46)
形態Iである、(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートマレエートの結晶形態。
(項目47)
約16.3°、4.6°、および9.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目46に記載の結晶形態。
(項目48)
前記X線粉末回折(XRPD)パターンが、約6.2°および7.3°2θ±0.2°2θにおいてさらなるピークを有する、項目47に記載の結晶形態。
(項目49)
図22に実質的に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、項目47から48のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目50)
図23に実質的に記載される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、項目47から49のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目51)
図24に実質的に記載される熱重量分析(TGA)パターンによって特徴付けられる、項目47から50のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目52)
図25に実質的に記載される動的蒸気吸着(DVS)パターンによって特徴付けられる、項目47から51のいずれか一項に記載の結晶形態。
(項目53)
治療有効量の項目1から52のいずれか一項に記載の形態および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目54)
1〜3種の追加の治療剤をさらに含む、項目53に記載の医薬組成物。
(項目55)
前記追加の治療剤が、それぞれ、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスに対して活性である、項目54に記載の医薬組成物。
(項目56)
前記追加の治療剤が、それぞれ、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスに対して活性である、項目55に記載の医薬組成物。
(項目57)
前記追加の治療剤が、それぞれ、ラッサウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目58)
前記追加の治療剤が、それぞれ、フニンウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目59)
前記追加の治療剤が、それぞれ、MERSウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目60)
前記追加の治療剤が、それぞれ、SARSウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目61)
前記追加の治療剤が、それぞれ、エボラウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目62)
前記追加の治療剤が、それぞれ、マールブルグウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目63)
前記追加の治療剤が、それぞれ、ジカウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目64)
前記追加の治療剤が、それぞれ、呼吸器合胞体ウイルスに対して活性である、項目56に記載の医薬組成物。
(項目65)
単位剤形である、項目53から64のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目66)
前記単位剤形が、溶液剤である、項目65に記載の医薬組成物。
(項目67)
治療有効量の項目1から52のいずれか一項に記載の形態を、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることによって調製された、医薬組成物。
(項目68)
Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスを処置するための、項目1から52のいずれか一項に記載の形態の使用。(項目69)
ヒトのウイルス感染を処置するための方法であって、それを必要とするヒトに、治療有効量の項目1から52のいずれか一項に記載の形態を投与するステップを含む、方法。
(項目70)
前記ウイルス感染が、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる、項目69に記載のヒトのウイルス感染を処置するための方法。
(項目71)
Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、およびParamyxoviridaeからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされた感染を処置するための方法における使用のための、項目1から52のいずれか一項に記載の形態。
(項目72)
項目9から20のいずれかに記載の(S)−2−エチルブチル2−(((S)−(((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(式I)の結晶形態IIを調製する方法であって、
結晶形態IIを調製するのに適した条件下で、項目1から45のいずれかに記載の式Iと、イソプロパノールおよび水を含む溶媒混合物とを接触させるステップであって、式Iは、前記溶媒混合物に実質的に不溶性のままである、ステップ
を含む、方法。
(項目73)
前記式Iが、結晶式Iである、項目72に記載の方法。
(項目74)
式Iが、形態IIおよび形態IVを含む、項目72に記載の方法。
(項目75)
形態IIが、形態IVを実質的に含まずに調製される、項目72に記載の方法。
(項目76)
前記溶媒混合物が、少なくとも1:1(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含み、前記水が、イソプロパノールの体積以上の体積で存在する、項目72に記載の方法。(項目77)
前記溶媒混合物が、約2:3〜約1:2(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む、項目72に記載の方法。
(項目78)
前記溶媒混合物が、約3:5(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含む、項目72から77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記接触させるステップが、約30℃〜約60℃の温度で実施される、項目72から78のいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
前記接触させるステップが、約50℃の温度で実施される、項目72から79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
式Iが、形態IIおよび形態IVを含み、前記溶媒混合物が、約3:5(V/V)の比のイソプロパノールおよび水を含み、約50℃の温度であり、式Iが、前記溶媒混合物に実質的に不溶性のままであり、それによって結晶形態IVを実質的に含まない結晶形態IIを調製する、項目72に記載の方法。
(項目82)
少なくとも99.1%の純度を有する、式I:
【化7】
の化合物を含む組成物。
(項目83)
0.05%未満(w/w)の不純物A:
【化8】
を含む、項目82に記載の組成物。