【課題】入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアとを備えるフィルタ装置を含むフィルタシステム内に残留したろ過済み流体を回収する方法を改善すること。
【解決手段】本発明の方法は、(a)無菌ガスをフィルタ装置の出口から流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップと、(b)ろ過されるべき流体をろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させ、ろ過済み流体を流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップと、(c)無菌ガスを、ろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にして、残留した過済み流体をろ過済み流体受入容器内に押し出すステップとを含む。
前記無菌空気及び/又は前記無菌ガスを前記流体流路に沿って送通させる前に、空気及び/又はガスを滅菌グレード・多孔質フィルタメディアに送通させて前記無菌空気及び/又は前記無菌ガスを生成するステップを含む、請求項1、3又は4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0009]本発明の一実施形態は、入口及び出口を有し、入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアであって、上流側及び下流側を有する多孔質フィルタメディアと、を備えるフィルタ装置を含むフィルタシステム内に残留したろ過済み流体を回収する方法であって、フィルタシステムがさらに、出口の下流に配置されたろ過済み流体受入容器、及び、出口とろ過済み流体受入容器との間の流体流路を含む、方法を提供し、さらに本方法では、(a)無菌空気及び/又は無菌ガスをフィルタ装置の出口から流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップと、(b)ろ過されるべき流体をろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させ、ろ過済み流体を流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップであって、ある量のろ過済み流体が、多孔質フィルタメディアの下流側と出口との間のハウジング内に残留する、ステップと、(c)無菌空気及び/又は無菌ガスを、ろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にして、残留したろ過済み流体をろ過済み流体受入容器内に押し出すステップと、を含む。
【0009】
[0010]本方法の実施形態は、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体流路に沿って送通させる前に、空気及び/又はガスを滅菌グレード・多孔質フィルタメディアに送通させて無菌空気及び/又は無菌ガスを提供するステップを含むことができる。
【0010】
[0011]例えば、本方法の一実施形態では、フィルタ装置は滅菌グレード・フィルタ(sterilizing grade filter)を備え、空気及び/又はガスをろ過流路に沿って滅菌グレード・フィルタ装置に送通させることにより、無菌空気及び/又は無菌ガスをフィルタ装置の出口を通して送通させることができる。代替的に、又は追加として、本方法の一実施形態は、空気及び/又はガスを、上流滅菌グレード・フィルタ装置である追加のフィルタ装置に送通させ、無菌空気及び/又は無菌ガスをもたらし、続いて、無菌空気及び/又は無菌ガスを、流体をろ過するために使用されるフィルタ装置に送通させるステップを含む。
【0011】
[0012]本方法の好ましい一実施形態では、ステップ(a)は、無菌空気及び/又は無菌ガスがろ過済み流体受入容器の高い点に存在するようにろ過済み流体受入容器を配置する工程を含み、ステップ(c)は、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることが可能になるようにろ過済み流体受入容器を配置する工程を含む。
【0012】
[0013]所望であれば、本方法はまた、流体をろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させる、流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させることにより流体をろ過しながら、ろ過済み流体により、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器内に押し出すステップであって、ある量のろ過済み流体が多孔質フィルタメディアの下流側と出口との間のハウジング内に残留する、ステップと、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にし、残留したろ過済み流体をろ過済み流体受入容器内に押し出すステップと、を含むことができる。
【0013】
[0014]別の実施形態では、入口及び出口を有し、入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアであって、上流側及び下流側を有する多孔質フィルタメディアと、を備えるフィルタ装置を含むフィルタシステム内に残留したろ過済み流体を回収する方法であって、システムがさらに、出口の下流に配置されたろ過済み流体受入容器、及び、出口とろ過済み流体受入容器との間の流体流路を含み、本方法は、(a)流体をろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させ、流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させることにより流体をろ過するステップであって、ろ過済み流体により、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器内に押し出す工程を含み、ある量のろ過済み流体が多孔質フィルタメディアの下流側と出口との間のハウジング内に残留する、ステップと、(b)無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にして、残留したろ過済み流体をろ過済み流体受入容器内に押し出すステップと、を含む。好ましい一実施形態では、ステップ(a)は、無菌空気及び/又は無菌ガスがろ過済み流体受入容器の高い点に存在するようにろ過済み流体受入容器を配置する工程を含み、ステップ(b)は、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることが可能になるようにろ過済み流体受入容器を配置する工程を含む。
【0014】
[0015]本方法の実施形態は、フィルタ完全性試験の前に又は順方向流若しくはバブルポイント試験方法を使用するフィルタ完全性試験中に、又は任意のシステム漏れ試験手順の一部として、ガス及び/又は空気をフィルタシステム内に導入するステップを含むことができる。
【0015】
[0016]典型的には、本方法の実施形態は、さらなる処理のためにろ過済み流体受入容器からろ過済み流体を送通させるステップをさらに含み、さらなる処理は、例えば、シリンジ、バイアル、アンプル、ボトル、バイオプロセス用のコンテナ、ボトル、及び/又はカーボイ(carbouys)などの充填容器も含む、クローズドシステムの継続的な使用を必要とする任意のプロセスの他の中間段階を含んでいてもよい。
【0016】
[0017]別の実施形態では、ろ過済み流体を回収するためのシステムが、入口及び出口を有し、入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングとろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアであって、上流側及び下流側を有する多孔質フィルタメディアとを備えるフィルタ装置と、出口の下流に配置されたろ過済み流体受入容器と、出口とろ過済み流体受入容器との間の流体流路と、を備え、ろ過済み流体受入容器は、水平面の上方に約10度〜約30度(いくつかの実施形態では、約20度)の角度で配置され、その後、水平面の下方に約10°〜約30°(一部の実施形態では約20°)の角度で配置され得る。
【0017】
[0018]一実施形態では、このシステムは、滅菌グレード・フィルタ装置をさらに備える。
【0018】
[0019]好適には、本発明の実施形態は、フィルタ装置及びフィルタシステムの完全性試験を必要とするプロセスと互換性がある。
【0019】
[0020]本発明の実施形態は、バイオプロセスシステムを含む様々なシステム、特にクローズドシステムでの使用に適している。
【0020】
[0021]本発明の実施形態は、薬物、ワクチン、及び静脈内輸液を含む、医薬品業界及び/又はバイオ医薬品業界向けの無菌又は低バイオバーデン流体、抗体(及び/又はタンパク質)含有流体、並びに/あるいは食品飲料業界向けの液体を調製する、ろ過されるべき様々な流体、例えば、細胞培養(例えば、懸濁液及び付着細胞株のバッチ操作及びフェッドバッチ操作(fed−batch operations)を含む)での使用に適している。
【0021】
[0022]様々なフィルタ装置、及び容器、典型的には可撓性(例えば、プラスチック)容器及び導管(市販のフィルタ装置、容器、及び導管を含む)は、本発明の実施形態での使用に適しており、当技術分野で知られている。適切なコネクタ、例えば、導管コネクタ、成形管類、及びクランプ、シール、バルブ、トランスファレッグクロージャ(transfer leg closures)などの流量制御装置が、当技術分野で知られている。
【0022】
[0023]以下の説明において、無菌ガスと無菌空気とは同等の意味に使用され得ることが理解されるべきであり、例えば、無菌ガスと呼ばれる実施形態は無菌空気の使用も包含し、逆もまた同様である。
【0023】
[0024]本明細書で使用される場合、「クローズド(closed)」という用語は、システムの中身をシステムが使用されている環境にさらすことなく、流体の収集及び処理(ろ過、及び、所望であれば、操作、例えば、複数の部分の分離、複数の構成要素への分離、貯蔵、及び保存を含む)を可能にするシステムを指す。クローズドシステムは、最初に作られた状態のものであってもよく、あるいは、無菌接続装置(sterile docking device)を含むサニタリ―接続のシステム構成要素によって構築される結果として生じるものであってもよい。
【0024】
[0025]次に、本発明の構成要素のそれぞれについて以下により詳細に説明するが、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0025】
[0026]
図1は、本発明によるフィルタシステムの2つの実施形態を示す。このシステムの一実施形態1000は点線の内側に示されている。このシステムの別の実施形態2000は、システムの実施形態1000を含み、任意の上流滅菌グレード・フィルタ装置700を有する追加の構成要素を含む。このシステムのこれらの実施形態について以下でより詳細に論じる。
【0026】
[0027]システム1000の図示の実施形態はフィルタ装置500を含み、このフィルタ装置500は、入口511及び出口512を有し入口と出口との間のろ過流路550を画定するハウジング510と、ろ過流路550を横切り、上流側501A及び下流側501Bを有する多孔質フィルタメディア501とを備える。フィルタ装置500は、通常、少なくとも細菌除去の格付けがなされた多孔質フィルタメディアを有し、滅菌グレード・多孔質フィルタメディアを有し得る。フィルタメディアは、平面、プリーツ、及び/又は中空円筒を含む様々な構成を有することができる。典型的には、フィルタ装置は、最大利用可能フィルタメディア表面が使用されるようにするとともに、システム内の空気又はガスの蓄積を防ぐために、液体の最初のろ過中にベントアップされる。フィルタ装置のハウジングが液体で満たされた後、通気口は閉じられる。好ましくは、液体のろ過が行われる前にシステムから空気又はガスが排出され得るように、フィルタ装置は通気口を含むか、又は通気口がフィルタ装置の上流及び/又は下流に配置され得る。
【0027】
[0028]導管10の一端がフィルタ装置の入口と流体連通状態で配置される。
【0028】
[0029]ろ過済み流体受入容器50が出口512の下流に配置され、導管201A、201B(導管300が存在する場合は任意のコネクタ250によって接続される(あるいは、導管は一体に成形され得る)。また、いくつかの実施形態では、流体流路は単一の導管、又は3本以上の導管を備える)からなるとして示されている流体流路200が、出口512とろ過済み流体受入容器50との間に設けられる。
【0029】
[0030]任意ではあるが、このシステムは追加の構成要素を含むことができ、例えば、
図1は流量制御装置(クランプやバルブなど)402を示す。
【0030】
[0031]本方法及びシステムのいくつかの実施形態は、流量制御装置の存在又は使用を必要としない。しかしながら、他のいくつかの実施形態では、流量制御装置は、導管を通る流れを許容するか又は阻止するために、様々な導管に設けられる。最初に、様々な流量制御装置は、導管を通る流れを阻止するために閉じられる。
【0031】
[0032]本方法の一実施形態では、ろ過されるべき流体を収容する容器Aが導管10に接続される。システム1000は、自由に排出できる向きに垂直に配置され、ろ過済み流体受入容器50は、ろ過済み流体受入容器50のポート端が上を向くように配置され、好ましくは、容器は傾斜するように配置される。
【0032】
[0033]流体は、流体がろ過流路550に沿って多孔質メディア501を送通するときにろ過される。ろ過済み流体(ろ液)は、無菌空気をろ過済み流体に先立って押し出し、押し出された空気及びろ過済み流体は、流体流路200に沿ってろ過済み流体受入容器50内に進む。押し出された空気はろ過済み流体受入容器のポート端に存在し、ろ過済み流体はろ過済み流体受入容器の下端にある。
【0033】
[0034]ろ過が完了した後、ろ過済み流体は、多孔質フィルタメディアの下流側501Bとハウジング出口512との間におけるフィルタ装置のハウジング内、及び流体流路200内に残留する。
【0034】
[0035]ろ過後、ろ過済み流体受入容器は、その受入容器の下端が上方に傾けられるように配置されて、無菌空気は、ろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に進むことが可能になり、残留したろ過済み流体は、フィルタ装置のハウジング及び装置出口から流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に進む。
【0035】
[0036]所望であれば、ろ過済み流体受入容器は、システムから無菌で切り離されて閉鎖を維持し、収集されたろ過済み流体を、容器から取り出され得る別の場所へ移動させることができる。
【0036】
[0037]本方法及びシステムのいくつかの実施形態は、上流滅菌グレード・フィルタ装置の存在又は使用を必要としない。例えば、上述したように、フィルタ装置500は滅菌グレード・フィルタを備えることができ、空気及び/又はガスをろ過流路に沿って滅菌グレード・フィルタ装置に送通させることにより、無菌空気及び/又は無菌ガスはフィルタ装置の出口を通過することができる。代替的に又は追加として、エンドユーザは、供給者によって、予め組み立てられたシステムであり、満足のいく低バイオバーデンで製造され、かつ/又は、上流滅菌グレード・フィルタ装置が必要とされないようにエンドユーザの品質基準に対して十分に満足のいく清浄な状態で供給されたものを供給され得る。代替的に又は追加として、システムの組立てた供給者は、必要があるシステムの構成要素をシステム組立て後の最後に、出荷される前の処理として、システムを放射線、電子線等での照射/好ましい滅菌用ガスでの充填封入を実施したシステムとして供給され得る。
【0037】
[0038]上述したように、システムの実施形態2000は、システムの実施形態1000を含むとともに、追加の任意的な構成要素(上流滅菌グレード・フィルタ装置700、及び、ポンプ801、802と、コネクタ250と、導管300、301と、例えば処理中の次の段階への接続では、流量制御装置(クランプやバルブなど)401、403と、コネクタ701、702等を含む)を含む。
【0038】
[0039]システムが導管301及び流量制御装置403を含む実施形態では、ろ過後に、流量制御装置403が最初に閉じられ、上述したように、ろ過済み流体受入容器が傾けられ、残留したろ過済み流体がろ過済み流体受入容器内に通された後、流量制御装置403が開けられ、ポンプ802が操作されて、流体が導管301に沿って次の処理段階に送られるようにする。
【0039】
[0040]本方法の別の実施形態では、流体をろ過する前に、無菌空気及び/又は無菌ガスがシステム1000内に導入される。例えば、システム2000の実施形態に関して、任意的な滅菌グレード・フィルタ装置700は導管10と流体連通状態で配置され、流量制御装置401が開けられ、ガス又は空気が滅菌フィルタ装置に通されて(例えば、エアコンプレッサーを使用して、エアコンプレッサーから直接、又はフィルタ完全性試験機やシステム漏れ試験機などの機器を介してのいずれかで)無菌ガス及び/又は無菌空気をもたらし、無菌ガス及び/又は無菌空気は、その後、フィルタ装置500を送通し、ろ過流路550に沿って多孔質フィルタメディア501を送通し、流体流路200に沿ってろ過済み流体受入容器50(ろ過済み流体受入容器50のポート端が上を向くように配置され、好ましくは、容器は上述したように容器に傾斜を与えるように配置されている)内に進む。
【0040】
[0041]ろ過されるべき流体の入った供給源容器Aは導管10と連通状態で配置され、このシステムは自由排出が可能な向きに垂直に配置される。典型的には、このシステムは、この容器A、及び滅菌グレード・フィルタ装置700が共に導管10と連通状態で配置され得るようなコネクタを含む。液体がろ過される前に、流量制御装置401が閉じられる。
【0041】
[0042]流体は、流体がろ過流路550に沿って多孔質メディア501を送通するときにろ過される。無菌空気がシステム内に存在するので、ろ過済み流体(ろ液)は、無菌空気をろ過済み流体に先立って押し出し、押し出された空気及びろ過済み流体は、流体流路200に沿ってろ過済み流体受入容器50内に進む。空気(押し出された空気、並びに前に導入された空気)はろ過済み流体受入容器の最高点の位置に存在し、ろ過済み流体はろ過済み流体受入容器の、それよりも低い位置にある。
【0042】
[0043]ろ過が完了した後、ろ過済み流体は、多孔質フィルタメディアの下流側501Bとハウジング出口512との間のフィルタ装置ハウジング内、及び流体流路200内に残留する。
【0043】
[0044]ろ過後、ろ過済み流体受入容器は、そのろ過済み流体受入容器の下端が上方に傾けられるように配置されて、無菌空気は、ろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に進むことが可能になり、残留したろ過済み流体は、フィルタ装置ハウジング及び装置出口から流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内にと進む。
【0044】
[0045]別の実施形態では、流量制御装置402が開いている間に、ガス又は空気がろ過済み流体受入容器50内に導入され通される。ガス又は空気が導入された後、流量制御装置402が閉じられ、流量制御装置404が開けられる。使用前にフィルタ装置を噴射洗浄するために少量の液体がフィルタ装置500に通されることができ、流体はコネクタ250及び導管300を通って送通され得る。続いて、流量制御装置404が閉じられ、流量制御装置402が開けられ、上述したように、ろ過済み流体受入容器を傾けて、残留したたろ過済み流体を回収することを含めて、ろ過が進行する。
【0045】
[0046]所望であれば、ろ過済み流体受入容器は、システムから無菌で切り離されて閉鎖を維持し、収集されたろ過済み流体を、容器から取り出され得る別の場所へ移動させることができ、又は、流量制御装置403が開けられ、ポンプ802が操作されて、流体が導管301に沿って次の処理段階に送られるようにすることができる。
【0046】
[0047]所望であれば、本方法の任意の実施形態によれば、ろ過済み流体は、さらなる処理のためにろ過済み流体受入容器から他の場所に送られ得る。
【0047】
[0048]ろ過済み流体受入容器の傾斜は様々な技術によって変えることができ、これは当業者によって理解されるであろう。例えば、傾斜はシステムのオペレータによって手動で変えることができる、又は容器は支持体上又は支持体内の異なる位置に置くことができる、又は容器に特定の形状を与えることができる。
【0048】
[0049]典型的には、ろ過中、ろ過済み流体受入容器は約10°〜約30°の角度で配置されて、ろ過済み流体及びろ過済み流体を排出させながら導入された空気又はガスを回収することができる領域を許容し、ろ過済み流体受入容器は、流体流路が流体受入容器に接続されている場所に導入された空気又はガスがアクセスすることができるように、向きを変えられる。
【0049】
[0050]以下の実施例は本発明をさらに説明するものであるが、もちろん、本発明の範囲を何ら制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0050】
[0051]この実施例は、ろ過後にシステム内に残存するろ過済み流体が本発明の一実施形態に従って回収され得ることを実証している。
【0051】
[0052]システム2000が、
図1に概略的に示すようにセットアップされ、ろ過済み流体受入容器50は、容器の傾斜が必要に応じて変えられ得るように支持体上に配置される。
【0052】
[0053]このシステムは、滅菌グレード・フィルタ装置700、500(500は、KLEENPAK(商標)カプセルフィルタ(Pall Corporation、ニューヨーク州ポートワシントン)である)と可撓性の管類10、201A、201B、300とを含む。
【0053】
[0054]流量制御装置401が開けられ、ガスがエアコンプレッサーを通して滅菌グレード・フィルタ装置700に通され、無菌ガスはフィルタ装置500に送通され、ろ過済み流体受入容器50内に送られる。流量制御装置401が閉じられる。
【0054】
[0055]ろ過されるべき10Lの流体が入った可撓性バッグがシステムに装着され、システムは自由排出が可能な向きに配置され、最初にポンプを使用して流体が導入され、フィルタ装置がベントアップされ、次いで、蠕動ポンプを使用してろ過が1L/分の速度で行われる。
【0055】
[0056]可撓性バッグであるろ過済み流体受入容器50は、容器は約20°の角度で容器(ポートを含む)の上端が上を向くように配置され、流体がフィルタ装置に通されろ過済み流体受入容器内に送られる。流体がシステムを通過することによりガスが押し出され、押し出されたガス及びろ過済み流体はろ過済み流体受入容器内に進み、押し出されたガスはろ過済み流体受入容器の上端に存在する。
【0056】
[0057]ろ過が完了した後、流量制御装置401が開けられ、ろ過済み流体受入容器の傾斜は、ガスが漏出して上フィルタ装置の出口512を上向きに送通することを可能にするために、容器の向きを約20°の角度に部分的に転じることにより変えられる。ガスがフィルタ装置のハウジング510に入ると、フィルタ装置内(フィルタメディア501の下流)に残留したろ過済み流体とフィルタ装置の下流の管類201A、201B内に残留したろ過済み流体とを押し出し、押し出されたろ過済み流体はろ過済み流体受入容器内に収集される。追加量約50mLのろ過済み流体が回収される。
【0057】
[0058]続いて、ろ過済み流体は、さらなる処理のために導管301に沿って送られる。
【0058】
[0059]本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれるように個別にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記述された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
[0060]本発明を説明する文脈での(特に下記の特許請求の範囲の文脈での)用語「1つの(a、an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの(at least one)」及び類似指示対象の使用は、本明細書内に特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。その後に1つ又は複数の項目のリストが続く用語「at least one」(例えば「AとBのうちの少なくとも1つの(at least one of A and B)」の使用は、本明細書内に特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、列挙項目(A又はB)から選択された1つの項目、あるいは列挙された項目(A及びB)の複数の任意組合せを意味すると解釈されるべきである。用語「備える、含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「包含する(containing)」は、特に断りのない限り、非限定的用語(すなわち、「including,but not limited to」)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書内に特に指示がない限り、その範囲内にあるそれぞれ別々の値を個々に参照する略記法として機能することを意図しているにすぎず、それぞれ別の値は、本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されている方法はすべて、本明細書内に特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、任意適当な順序で実行され得る。本明細書に提供されるあらゆる例、又は例示的な言い回し(例えば「のような、など(such as)」)の使用は、本発明をより分かりやすく説明することを意図しているにすぎず、特に請求されない限り本発明の範囲を限定するものではない。本明細書内の言い回しは、任意の非請求の要素を本発明の実施に必須なものと指摘していると解釈されるべきではない。
【0060】
[0061]本発明の好ましい実施形態が、本発明を実施するための本発明人に知られる最良の形態を含めて、本明細書に記載されている。そうした好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読んだときに当業者には明らかになり得る。本発明人は、当業者がかかる変形形態を必要に応じて使用することを期待し、本発明人は、本発明が本明細書に明確に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法で許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び均等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形形態における上記要素の任意の組合せは、本明細書で特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、本発明によって包含される。