【解決手段】チェーンソーのガイドバー100のボディ部材1は、ガイドバーの厚み方向に並ぶ一対のボディ側板領域11と一対のボディ側板領域の間に位置するボディ中板領域12とを有し、且つボディ部材は、各ボディ側板領域の先端において周縁3からガイドバーの幅方向内側に延びるボディ周縁側接合面31と、ボディ中板領域の先端のガイドバーの幅方向における中間部をボディ周縁側接合面よりもガイドバーの先端側に突出させて形成したボディ中板舌部36とを有し、ガイドバーのノーズ部材2は、ガイドバーの厚み方向に並ぶ一対のノーズ側板領域21と一対のノーズ側板領域の間に位置するノーズ中板領域22とを有し、且つノーズ部材は、ノーズ中板領域の基端面をボディ中板舌部の先端面と相補的な形状に形成したノーズ窪み部55を有する。
全体として細長い板状に形成され、周縁にソーチェーンが周回する案内溝が形成され、ボディ部材と、基端部が前記ボディ部材の先端部に組み付けられるノーズ部材とを備えるチェーンソーのガイドバーであって、
前記ボディ部材は、前記ガイドバーの厚み方向に並ぶ一対のボディ側板領域と前記一対のボディ側板領域の間に位置するボディ中板領域とを有し、且つ前記ボディ部材は、各前記ボディ側板領域の先端において前記周縁から前記ガイドバーの幅方向内側に延びるボディ周縁側接合面と、前記ボディ中板領域の先端の前記ガイドバーの幅方向における中間部を前記ボディ周縁側接合面よりも前記ガイドバーの先端側に突出させて形成したボディ中板舌部とを有し、
前記ノーズ部材は、前記ガイドバーの厚み方向に並ぶ一対のノーズ側板領域と前記一対のノーズ側板領域の間に位置するノーズ中板領域とを有し、且つ前記ノーズ部材は、前記ノーズ中板領域の基端面を前記ボディ中板舌部の先端面と相補的な形状に形成したノーズ窪み部を有する、チェーンソーのガイドバー。
前記ガイドバーの長手方向における前記ボディ中板舌部の前記ボディ周縁側接合面からの突出長さ寸法は前記ボディ中板舌部の厚み寸法よりも大きい、請求項1に記載のチェーンソーのガイドバー。
前記ボディ部材は、前記ガイドバーの幅方向における各前記ボディ側板領域の先端の中間部を前記ボディ周縁側接合面よりも前記ガイドバーの基端側に窪ませて形成した一対のボディ側板篏合凹部を有し、
前記ボディ側板篏合凹部は、該ボディ側板篏合凹部の両端部にそれぞれ形成された一対の第1傾斜面を有し、各前記第1傾斜面は、前記ガイドバーの基端側に向かうに従い前記ガイドバーの幅方向内側に向かって傾斜し、
前記ノーズ部材は、各前記ノーズ側板領域の基端面を前記ボディ側板篏合凹部の先端面と相補的な形状に形成した一対のノーズ側板篏合凸部を有する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のチェーンソーのガイドバー。
前記ボディ側板篏合凹部は、該ボディ側板篏合凹部の中間部に形成された一対の第2傾斜面を更に有し、各前記第2傾斜面は、前記ガイドバーの基端側に向かうに従い前記ガイドバーの幅方向内側に向かって傾斜する、請求項4に記載のチェーンソーのガイドバー。
前記ボディ部材は、前記ガイドバーの幅方向における各前記ボディ側板領域の先端の中間部を前記ボディ周縁側接合面よりも前記ガイドバーの基端側に窪ませて形成した一対のボディ側板篏合凹部を有し、
前記ボディ側板篏合凹部は、該ボディ側板篏合凹部の中間部に形成された一対の第2傾斜面を有し、各前記第2傾斜面は、前記ガイドバーの基端側に向かうに従い前記ガイドバーの幅方向内側に向かって傾斜し、
前記ノーズ部材は、各前記ノーズ側板領域の基端面を前記ボディ側板篏合凹部の先端面と相補的な形状に形成した一対のノーズ側板篏合凸部を有する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のチェーンソーのガイドバー。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、あくまで一例であり、本開示を限定するものではない。更に、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るガイドバー100の構成例を示す正面図である。なお、ガイドバー100において、矢印x方向が長手方向であり、矢印y方向が幅方向である。また、矢印x方向及びy方向と直交する方向(
図1の紙面の奥行方向)が厚み方向である。以下では、ガイドバー100の長手方向、幅方向及び厚み方向をそれぞれ単に長手方向、幅方向及び厚み方向ということがある。また、以下では、ガイドバー100の長手方向基端及び長手方向先端を単に基端及び先端ということがあり、更に部材や部位の説明における基端及び先端の語は、ガイドバー100を基準として用いている。
【0011】
図1に示すように、ガイドバー100は、主として鋼板製であり、チェーンソー本体に装着し、チェーンソー本体の駆動部の駆動力によりソーチェーンが周縁3を周回するようにソーチェーンを支持して案内する。
【0012】
ガイドバー100は、全体として厚みが均一な細長い板状に形成されている。ガイドバー100の周縁3のうち長手方向に延びる一対の側縁部3aはそれぞれ外側に膨らむ緩やかな円弧を描くように延びている。そして、周縁3の先端部3bは一対の側縁部3aを互いに接続するように一方の側縁部3aから他方の側縁部3aに向かって引き返すように円弧を描いて延びている。この周縁3にソーチェーンが周回する案内溝71が形成されている。ガイドバー100は、基端部から中央部に向かうにしたがって徐々に幅が広くなり、中央部から先端部に向かうにしたがって徐々に幅が狭くなるように形成されている。ガイドバー100は、ボディ部材1と、基端部がボディ部材1の先端部に組み付けられるノーズ部材2を有し、ノーズ部材2は、接合リベット4によってボディ部材1に固定される。ガイドバー100は、正面視において中心線CLを基準とする鏡像対称に形成されている。
【0013】
図2は、
図1におけるA−A矢視図である。
図3は、
図1におけるB−B矢視図である。また、
図4は、ボディ部材1の先端部の構成例を示す要部拡大正面図である。
【0014】
ボディ部材1は、ガイドバー100の基端部及び胴部を構成する細長い板状の部材である。ボディ部材1は一枚の鋼板又は性質の異なる複数の鋼板を溶接した複合鋼板に切削加工を施すことによって形成される。ボディ部材1の周縁3のうち、基端部から先端部に向かって延びる側縁部3aは緩やかな円弧を描くように延び、この部分に案内溝71が形成されている。ボディ部材1の基端部には、チェーンソー本体への取り付けに用いられる取付孔72が形成されている。取付孔72は、ガイドバー100の長手方向に延びる長孔であり、その両側方には、潤滑オイルを供給するためのオイル供給孔73が形成されている。このオイル供給孔73は、ソーチェーンの弛みを調整するためにも用いられる。
【0015】
また、
図2〜
図4に示すように、ボディ部材1は、ガイドバー100の厚み方向に並ぶ一対のボディ側板領域11と、一対のボディ側板領域11の間に位置するボディ中板領域12とを含む。本実施の形態において、一対のボディ側板領域11及びボディ中板領域12は、設計上仮想的に分割された領域であり、概ね等しい厚み寸法を有する薄板状の領域である。したがって、本実施の形態においては、一対のボディ側板領域11及びボディ中板領域12は、個別の部材で構成されるものではないが、これに代えて個別の部材で構成してもよい。なお、案内溝71は、ボディ中板領域12の周縁をボディ側板領域11の周縁よりも窪ませるように切削して形成されている。
【0016】
一対のボディ側板領域11の先端面の両端は、それぞれ周縁3からガイドバー100の幅方向内側に向かって直線状に延び、この部分が一対のボディ周縁側接合面31を成す。また、ボディ側板領域11の先端面の中間部、すなわち、ボディ側板領域11の先端のうち、ガイドバー100の幅方向における中間部は、ボディ周縁側接合面31よりも基端側にコの字状に窪み、この部分がボディ側板篏合凹部32を成す。具体的には、ボディ側板篏合凹部32は、一対のボディ周縁側接合面31の端部からガイドバー100の長手方向基端側に向かって直線状に延びる一対の側面32aと、一対の側面32aの基端側の端部を互いに接続し、ガイドバー100の幅方向に直線状に延びる基端面32bとを有する。このボディ側板篏合凹部32は、後述するノーズ側板篏合凸部52と嵌合する。そして、一対のボディ側板領域11が基端側に窪むことによって、ガイドバー100の厚み方向内側に位置するボディ中板領域12の一対の側面が露出しており、ボディ中板領域12のこの一対の側面を有する部分が腹板35である。腹板35には、先端側及び基端側にそれぞれ2つずつ、計4つのリベット挿通孔39が形成されている。リベット挿通孔39は、腹板35を貫通する貫通孔である。
【0017】
そして、腹板35の先端部には、腹板35の先端面を先端側に突出させて形成したボディ中板舌部36が形成されている。ボディ中板舌部36は、ボディ中板領域12の先端のうち、ガイドバー100の幅方向における中間部をボディ周縁側接合面31よりも先端側に突出させて形成した部分である。ガイドバー100の長手方向におけるボディ中板舌部36のボディ周縁側接合面31からの突出長さ寸法はボディ中板舌部36の厚み寸法よりも大きく形成されている。ボディ中板舌部36の先端面36aは、ガイドバー100の厚み方向から見て、円弧を描くように膨らんで形成されている。
【0018】
図5は、ノーズ部材2の構成例を示す正面図である。
図2〜
図5に示すように、ノーズ部材2は、ガイドバー100の先端部を構成する板状の部材である。ノーズ部材2は一枚の鋼板又は性質の異なる複数の鋼板を溶接した複合鋼板に切削加工を施すことによって形成される。ノーズ部材2は、ガイドバー100の厚み方向に並ぶ一対のノーズ側板領域21と、一対のノーズ側板領域21の間に位置するノーズ中板領域22とを含む。
図5において、ノーズ中板領域22は破線で描かれた領域である。ボディ部材1と同様に、本実施の形態においては、一対のノーズ側板領域21とノーズ中板領域22とは仮想的に分割された領域であり、概ね等しい厚み寸法を有する薄板状の領域である。なお、案内溝71は、ノーズ中板領域22の周縁をノーズ側板領域21の周縁よりも窪ませるように切削して形成されている。ノーズ部材2をボディ部材1に組み付けた状態において、一対のノーズ側板領域21は、一対のボディ側板領域11と一続きの一対の板状の領域を成し、ノーズ中板領域22は、ボディ中板領域12と一続きの板状の領域を成す。
【0019】
一対のノーズ側板領域21の基端面は、一対のボディ側板領域11の先端面と対峙する面であり、一対のボディ側板領域11の先端面と相補的な形状に形成されている。すなわち、ノーズ側板領域21の基端面の両端は、それぞれ周縁3からガイドバー100の幅方向内側に向かって直線状に延び、この部分が一対のノーズ周縁側接合面51を成す。また、ガイドバー100の幅方向において、一対のノーズ側板領域21の基端面の中間部は、それぞれ一対のボディ側板篏合凹部32と相補的な形状に形成され、一対のノーズ周縁側接合面51よりもガイドバー100の基端側に突出している。この突出している凸部が一対のノーズ側板篏合凸部52を成す。すなわち、一対のノーズ側板篏合凸部52は、一対のノーズ周縁側接合面51よりも基端側にコの字状に突出している。具体的には、各ノーズ側板篏合凸部52は、一対のノーズ周縁側接合面51の端部からガイドバー100の長手方向基端側に向かって延びる一対の側面52aと、一対の側面52aの基端側の端部を互いに接続し、ガイドバー100の幅方向に直線状に延びる基端面52bとを有する。一対のノーズ側板篏合凸部52は、一対のボディ側板篏合凹部32と嵌合する。そして、ノーズ部材2をボディ部材1に組み付けた状態において、ノーズ部材2の側面52aは、ボディ部材1の側面32aと対峙し、ノーズ部材2の基端面52bは、ボディ部材1の基端面32bと対峙する。そして、ノーズ側板篏合凸部52をボディ側板篏合凹部32に篏合させることによって、一対のノーズ側板篏合凸部52の内側面は、腹板35の側面と対峙し、腹板35を挟み込む。一対のノーズ側板篏合凸部52には、ノーズ側板篏合凸部52をボディ側板篏合凹部32に篏合させた状態において、4つのリベット挿通孔39と同軸に位置するように配置された計4つのリベット挿通孔69が形成されている。また、相補的な形状とは、製造公差や表面粗さなどの必要最低限の隙間が生じていることを前提に、境界面の立体的な形状が同じ形であることを意味する。
【0020】
そして、ノーズ中板領域22の基端面は、ボディ中板領域12の先端面、すなわちボディ中板舌部36の先端面と相補的な形状に形成され、ガイドバー100の先端側に窪んでいる。この窪んでいる凹部がノーズ窪み部55を成す。ノーズ窪み部55の先端面は、ガイドバー100の厚み方向から見て、円弧を描くように窪んで形成されている。
【0021】
そして、ノーズ部材2をボディ部材1に組み付けるときは、一対のノーズ側板篏合凸部52をボディ側板篏合凹部32に篏合させ、ノーズ周縁側接合面51とボディ周縁側接合面31(又はノーズ側板篏合凸部52の基端面52bとボディ側板篏合凹部32の基端面32b)とを当接させる。これによって、ボディ中板舌部36はノーズ窪み部55に差し込まれる。そして、接合リベット4をリベット挿通孔69及びリベット挿通孔39に挿通し、更に接合リベット4をかしめることによって、ボディ部材1及びノーズ部材2を接合する。
【0022】
これによって、
図2に示すノーズ周縁側接合面51及びボディ周縁側接合面31が対峙する部分の断面においては、一対のノーズ側板領域21のみならずボディ中板舌部36が当該断面を通り、ボディ部材1及びノーズ部材2を連結しているので、この断面の断面積を増加させることができ、強度を高めることができる。また、ボディ中板舌部36がノーズ部材2のノーズ窪み部55に嵌め入れられていることにより、ノーズ部材2の表面及び裏面に作用する外力、すなわち、ノーズ部材2の厚み方向に作用する外力に対する曲げ強度を高めることができる。これによって、ボディ部材1とノーズ部材2との接合部分の破損を防止することができる。
【0023】
また、ボディ中板舌部36は、腹板35の先端からガイドバー100の先端側に突出しているので、腹板35に形成されているリベット挿通孔39のうち、ガイドバー100の先端側に配置されたリベット挿通孔39を先端側に寄せて配置することができる。これによって、基端側に配置されているリベット挿通孔39と先端側に配置されているリベット挿通孔39との間隔をあけることができ、リベットの保持強度を向上させることができる。更に、ボディ周縁側接合面31近傍のボディ部材1の長手方向に対する横断面の断面積を大きくすることができ、ボディ部材1の強度を向上させることができる。
【0024】
(実施の形態2)
以下では実施の形態2の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
図6は、実施の形態2に係るガイドバー200の先端部の構成例を示す要部拡大正面図であり、ガイドバー200のボディ部材201とノーズ部材202とを分離させた状態を示す図である。
【0025】
上記実施の形態1において、ノーズ部材2は、一枚の鋼板又は性質の異なる複数の鋼板を溶接した複合鋼板に切削加工を施すことによって形成され、一対のノーズ側板領域21とノーズ中板領域22とは仮想的に分割された領域である。これに対し、本実施の形態において、ガイドバー200のノーズ部材202は、
図6に示すように、一対のノーズ側板領域21及びノーズ中板領域22は、個別の部材で構成されている。更に、ノーズ部材202は、先端部にソーチェーンが架け回されるスプロケット225を有する。具体的には、ノーズ部材202は、一対のノーズ側板領域21を構成する一対の側板221及びノーズ中板領域22を構成する中板222を有する。一対の側板221の輪郭形状は、実施の形態1のノーズ側板領域21の輪郭形状と同様である。中板222の基端部の輪郭形状は、実施の形態1のノーズ中板領域22の基端部の輪郭形状と同じである。そして、中板222は、先端部において、スプロケット225が回動する部分が切り欠かれている。スプロケット225は、ベアリング224を介してスプロケット225を回動可能に支持する内輪223に支持され、ガイドバー100の厚み方向から見て、歯がガイドバー100の周縁3の先端部3bに沿って位置するように配置される。そして、上記実施の形態1と同様に一対の側板221と中板222とは4か所の接合リベット4によって接合され、更に一対の側板221と内輪223とは4か所の接合リベット226によって接合されている。
【0026】
更に、ガイドバー200は、ガイドバー200の幅方向におけるノーズ部材2のノーズ窪み部55の中央部を基端側に突出させて形成したノーズ中板舌部256を有する。更に、ガイドバー200のボディ部材201のボディ中板領域12の先端面は、ノーズ中板舌部256の基端面と相補的な形状に形成され、ガイドバー100の基端側に窪んでいる。この窪んでいる部分がボディ中板窪み部237を成す。
【0027】
これによって、ボディ部材201及びノーズ部材202を接合した状態においては、ノーズ中板舌部256とボディ中板窪み部237とが篏合し、ボディ部材201及びノーズ部材202との接合強度を更に高めることができる。その他のボディ部材201及びノーズ部材202の構成は、ボディ部材1及びノーズ部材2と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0028】
(実施の形態3)
以下では実施の形態3の構成、動作について、実施の形態2との相違点を中心に述べる。
図7は、実施の形態3に係るガイドバー300の先端部の構成例を示す要部拡大正面図であり、ガイドバー300のボディ部材301とノーズ部材302とを分離させた状態を示す図である。
【0029】
図7に示すように、本実施の形態において、ボディ部材301のボディ側板篏合凹部332は、一対のボディ周縁側接合面31から一対の第1傾斜面332a、及び一対の側面332bがこの順に連なり、一対の側面332bの基端側の端部を基端面332cが互いに接続する。そして、一対の第1傾斜面332aのガイドバー300の先端側の端部が一対のボディ周縁側接合面31に連なり、一対の第1傾斜面332aは、ボディ側板篏合凹部332の両端部に位置している。そして、一対の第1傾斜面332aは、ガイドバー300の基端側に向かうに従いガイドバー300の幅方向内側に向かって傾斜して一直線に延びている。一対の第1傾斜面332aが成す角の角度D1は、例えば、30度以上90度以下である。一対の側面332bは、実施の形態1及び2の側面32aと同様にガイドバー300の長手方向基端側に向かって直線状に延びる。基端面332cは、円弧を描くように伸びている。腹板35には、先端側に2つ及び基端側に1つ、計3つのリベット挿通孔39が形成されている。
【0030】
そして、ノーズ側板篏合凸部352の基端面は、ボディ側板篏合凹部332の先端面と相補的な形状に形成されている。具体的には、一対のノーズ周縁側接合面51から、一対の第1傾斜面352a、及び一対の側面352bがこの順に連なり、一対の側面352bの基端側の端部を基端面352cが互いに接続する。そして、一対の第1傾斜面352aのガイドバー300の先端側の端部がノーズ周縁側接合面51に連なり、一対の第1傾斜面352aは、ノーズ側板篏合凸部352の両端部に位置している。そして、一対の第1傾斜面352aは、ガイドバー300の基端側に向かうに従い幅方向内側に向かって傾斜して一直線に延びている。一対の側面352bは、ガイドバー300の長手方向基端側に向かって直線状に延びる。基端面352cは、円弧を描くように伸びている。そして、ノーズ部材302がボディ部材301に組み付けられた状態において、ノーズ部材302の一対の第1傾斜面352aは、ボディ部材301の一対の第1傾斜面332aと対峙し、ノーズ部材302の側面352bは、ボディ部材301の側面332bと対峙し、ノーズ部材302の基端面352cは、ボディ部材301の基端面332cと対峙する。一対のノーズ側板篏合凸部352には、一対のノーズ側板篏合凸部352を一対のボディ側板篏合凹部332に篏合させた状態において、3つのリベット挿通孔39と同軸に位置するように配置された計3つのリベット挿通孔69が形成されている。リベット挿通孔39及びリベット挿通孔69には接合リベット4が挿通される。
【0031】
そして、ボディ側板篏合凹部332の第1傾斜面332aとノーズ側板篏合凸部352の第1傾斜面352aとの間以外には、例えば、0.1〜0.3mmの、クリアランス(隙間)が設けられる。これによって、ノーズ部材302をボディ部材301に組み付けたときに、ボディ側板篏合凹部332の第1傾斜面332aとノーズ側板篏合凸部352の第1傾斜面352aとをより確実に当接させることができる。そして、ガイドバー300を用いたチェーンソーによって対象物を切断するときは、ノーズ部材302に作用する荷重を、ボディ部材301の第1傾斜面332aが受け止めるので、接合リベット4への負荷を低減させることができ、接合部分のガタツキの発生を抑制することができる。その他のボディ部材301及びノーズ部材302の構成は、ボディ部材201及びノーズ部材202と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0032】
(実施の形態4)
以下では実施の形態4の構成、動作について、実施の形態3との相違点を中心に述べる。
図8は、実施の形態4に係るガイドバー400の先端部の構成例を示す要部拡大正面図であり、ガイドバー400のボディ部材401とノーズ部材402とを分離させた状態を示す図である。
【0033】
図8に示すように、本実施の形態において、ボディ部材401のボディ側板篏合凹部432は、一対のボディ周縁側接合面31から一対の側面432a、及び一対の第2傾斜面432bがこの順に連なり、一対の第2傾斜面432bの基端側の端部を基端面432cが互いに接続する。すなわち、一対の第2傾斜面432bは、ボディ側板篏合凹部432の両端部の間に位置する中間部に形成されている。一対の側面432aは、実施の形態1及び2の側面32aと同様にガイドバー400の長手方向基端側に向かって直線状に伸びている。一対の第2傾斜面432bは、ガイドバー400の先端側の端部が一対の側面432aに連なり、ガイドバー400の長手方向におけるボディ側板篏合凹部432の中間部に位置する。一対の第2傾斜面432bは、ガイドバー400の長手方向において、ボディ側板篏合凹部432の中間部に位置する。そして、一対の第2傾斜面432bは、ガイドバー400の基端側に向かうに従いガイドバー400の幅方向内側に向かって傾斜して一直線に延びている。一対の第2傾斜面432bが成す角の角度D2は、例えば、30度以上90度以下である。基端面432cは、円弧を描くように伸びている。腹板35には、先端側に2つ、基端側に1つ、計3つのリベット挿通孔39が形成されている。
【0034】
そして、ノーズ側板篏合凸部452の基端面は、ボディ側板篏合凹部432の先端面と相補的な形状に形成されている。具体的には、一対のノーズ周縁側接合面51から、一対の側面452a、及び一対の第2傾斜面452bがこの順に連なり、一対の第2傾斜面452bの基端側の端部を基端面452cが互いに接続する。一対の側面452aは、ガイドバー400の長手方向基端側に向かって直線状に延びている。一対の第2傾斜面452bは、ガイドバー400の先端側の端部が一対の側面452aに連なり、ガイドバー400の長手方向におけるノーズ側板篏合凸部452の中間部に位置する。そして、一対の第2傾斜面452bは、ガイドバー400の基端側に向かうに従いガイドバー400の幅方向内側に向かって傾斜して一直線に延びている。そして、ノーズ部材402がボディ部材401に組み付けられた状態において、ノーズ部材402の側面452aは、ボディ部材401の側面432aと対峙し、ノーズ部材402の一対の第2傾斜面452bは、ボディ部材401の一対の第2傾斜面432bと対峙し、ノーズ部材402の基端面452cは、ボディ部材401の基端面432cと対峙する。
【0035】
そして、ボディ側板篏合凹部432の第2傾斜面432bとノーズ側板篏合凸部452の第2傾斜面452bとの間以外には、例えば、0.1〜0.3mmの、クリアランス(隙間)が設けられる。これによって、ノーズ部材402をボディ部材401に組み付けたときに、ボディ側板篏合凹部432の第2傾斜面432bとノーズ側板篏合凸部452の第2傾斜面452bとをより確実に当接させることができる。そして、ガイドバー400を用いたチェーンソーによって対象物を切断するときは、ノーズ部材402に作用する荷重を、ボディ部材401の第2傾斜面432bが受け止めるので、接合リベット4への負荷を低減させることができ、接合部分のガタツキの発生を抑制することができる。その他のボディ部材401及びノーズ部材402の構成は、ボディ部材301及びノーズ部材302と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0036】
(実施の形態5)
以下では実施の形態5の構成、動作について、実施の形態3との相違点を中心に述べる。
図9は、実施の形態5に係るガイドバー500の先端部の構成例を示す要部拡大正面図であり、ガイドバー500のボディ部材501とノーズ部材502とを分離させた状態を示す図である。
【0037】
図9に示すように、本実施の形態において、ボディ側板篏合凹部532は、一対のボディ周縁側接合面31から一対の第1傾斜面532a、一対の側面532b、及び一対の第2傾斜面532cがこの順に連なり、一対の第2傾斜面532cの基端側の端部を基端面532dが互いに接続する。一対の第1傾斜面532aは、上記実施の形態3の第1傾斜面332aと同様に構成され、一対の第2傾斜面532cは、上記実施の形態4の第2傾斜面432bと同様に構成されている。
【0038】
また、ノーズ側板篏合凸部552の基端面は、ボディ側板篏合凹部532の先端面と相補的な形状に形成されている。具体的には、一対のノーズ周縁側接合面51から、一対の第1傾斜面552a、一対の側面552b、及び一対の第2傾斜面552cがこの順に連なり、一対の第2傾斜面552cの基端側の端部を基端面552dが互いに接続する。一対の第1傾斜面552aは、上記実施の形態3の第1傾斜面352aと同様に構成され、一対の第2傾斜面552cは、上記実施の形態4の第2傾斜面452bと同様に構成されている。
【0039】
そして、ボディ側板篏合凹部532の第1傾斜面532aとノーズ側板篏合凸部552の第1傾斜面552aとの間、及びボディ側板篏合凹部532の第2傾斜面532cとノーズ側板篏合凸部552の第2傾斜面552cとの間以外には、例えば、0.1〜0.3mmの、クリアランス(隙間)が設けられる。これによって、ノーズ部材502をボディ部材501に組み付けたときに、ボディ側板篏合凹部532の第1傾斜面532a及び第2傾斜面532cとノーズ側板篏合凸部552の第1傾斜面552a及び第2傾斜面552cとをより確実に当接させることができる。そして、ガイドバー500を用いたチェーンソーによって対象物を切断するときは、ノーズ部材502に作用する荷重を、ボディ部材501の第1傾斜面532a及び第2傾斜面532cが受け止めるので、接合リベット4への負荷を低減させることができ、接合部分のガタツキの発生を抑制することができる。その他のボディ部材501及びノーズ部材502の構成は、ボディ部材301及びノーズ部材302と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0040】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。