【解決手段】駆動デバイス15は、可動部材16を保持デバイス12に対して移動させて可動部材16を第1配向位置Ps1及び第2配向位置に配置可能である。移動デバイスは、保持デバイス12及び可動部材16を第1移動位置から第2移動位置に向けて一体的に移動させる。保持デバイス12が袋束91の一部である保持部分を保持している状態で第1配向位置Ps1に配置されている可動部材16は、袋束91のうち、保持部分よりも第1方向の端部側に位置する部分を、下方から支持する。保持デバイス12が保持部分を保持している状態で第2配向位置に配置されている可動部材16は、袋束91のうち、保持部分よりも第1方向の端部側に位置する部分を、下方から支持しない。
前記袋束が前記載置部の直上に位置している状態で前記可動部材が前記第1配向位置から前記第2配向位置に移動させられることによって、前記袋束の一部を前記載置部に載せる請求項6に記載の袋束移送方法。
前記保持デバイスは、前記袋束を移動制限部材に押し当てて当該袋束の移動を制限しつつ移動することによって、前記袋束を解放して当該袋束を前記載置部に載せる請求項5〜7のいずれか一項に記載の袋束移送方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、袋処理システム100の一例を示す図である。袋処理システム100は、上流側から下流側に向けて順次設けられている製袋機101、搬送コンベア102、ピックアップ装置103、第1袋束移送装置104、袋束搬送ユニット105、第2袋束移送装置106、移送中継装置107及び袋充填装置108を備える。
【0020】
製袋機101は、複数の袋束91を連続的に作って、搬送コンベア102に順次送り出す。各袋束91は、お互いに重ねられた複数の袋90を含む。各袋90の具体的な形態は限定されない。図示の各袋90及び各袋束91は矩形状の平面形状を有する。
【0021】
搬送コンベア102は、製袋機101から供給される袋束91をピックアップ装置103に向けて順次送り出す。
【0022】
ピックアップ装置103は、袋束91を搬送コンベア102から持ち上げて、当該袋束91をピックアップ位置P11に配置しつつ保持する。図示のピックアップ装置103は、各袋束91の両側縁部を把持しつつ、一度に2つの袋束91をピックアップ位置P11に配置する。
【0023】
第1袋束移送装置104は、ピックアップ装置103から袋束91を受け取って、当該袋束91を収容箱81に渡す。すなわち第1袋束移送装置104は、袋束91を、ピックアップ装置103によって定められるピックアップ位置P11(第1移動位置)から、収容箱81(袋束搬送ユニット105)によって定められる収容位置P12(第2移動位置)に移送する。
【0024】
収容箱81は、袋束搬送ユニット105の一部を構成し、第1袋束移送装置104から受け取った袋束91を第2袋束移送装置106に向けて搬送する。図示の袋束搬送ユニット105は、複数の収容箱81と、無端軌道82に沿って自律的に移動する複数の移動体80とを具備する。各移動体80には、2以上の収容箱81が積み重ねられて積載可能である。各移動体80は、第1袋束移送装置104から袋束91を受け取るための位置(収容位置P12)と、第2袋束移送装置106に袋束91を渡すための位置(取出位置P21)との間を、無端軌道82に沿って往復する。
【0025】
移動体80は、複数の空の収容箱81を第1収容停止位置Pa1に運び、第1収容停止位置Pa1において、それらの空の収容箱81を、コンベア(図示省略)等を含む第1収容箱保持デバイス83に渡す。その後、移動体80は、第3収容停止位置Pa3に対応する位置に移動する。
【0026】
第1収容箱保持デバイス83は、第1収容停止位置Pa1から第2収容停止位置Pa2に収容箱81を1つずつ運ぶ。第2収容停止位置Pa2(収容位置P12に対応)に配置された収容箱81には、ピックアップ装置103によって複数の袋束91が載せられる。所定数の袋束91が載せられた各収容箱81は、第1収容箱保持デバイス83によって第2収容停止位置Pa2から第3収容停止位置Pa3に運ばれる。第3収容停止位置Pa3において複数の収容箱81が積み重ねられ、積み重ねられた所定数の収容箱81が第1収容箱保持デバイス83によって移動体80に載せられる。移動体80は、積載された複数の収容箱81とともに、第3収容停止位置Pa3から第1取出停止位置Pb1に移動する。
【0027】
移動体80は、複数の収容箱81を第1取出停止位置Pb1に運び、第1取出停止位置Pb1において、それらの収容箱81を、コンベア(図示省略)等を含む第2収容箱保持デバイス84に渡す。その後、移動体80は、第3取出停止位置Pb3に対応する位置に移動する。
【0028】
第1取出停止位置Pb1に運ばれる各収容箱81には、収容位置P12(第2収容停止位置Pa2)で補給された複数の袋束91が収容されている。第2収容箱保持デバイス84は、第1取出停止位置Pb1から第2取出停止位置Pb2に収容箱81を1つずつ運ぶ。第2取出停止位置Pb2(取出位置P21に対応)に配置された各収容箱81からは、第2袋束移送装置106によって複数の袋束91が取り出される。すべての袋束91が取り出された収容箱81は、第2収容箱保持デバイス84によって第2取出停止位置Pb2から第3取出停止位置Pb3に運ばれる。第3取出停止位置Pb3において複数の空の収容箱81が積み重ねられ、積み重ねられた所定数の収容箱81が第2収容箱保持デバイス84によって移動体80に載せられる。移動体80は、積載された複数の空の収容箱81とともに、第3取出停止位置Pb3から第1収容停止位置Pa1に移動する。
【0029】
なお第1収容箱保持デバイス83及び第2収容箱保持デバイス84の具体的な構成は限定されない。例えば、特願2019−198564に開示されている袋供給システムを、
図1に示す袋処理システム100に応用することが可能である。本願は、2019年10月31日に提出された特願2019−198564の全体の内容が参照によって導入される。
【0030】
第2袋束移送装置106は、第2取出停止位置Pb2(取出位置P21に対応)に配置されている収容箱81から袋束91を取り出して、当該袋束91を移送中継装置107に渡す。すなわち第2袋束移送装置106は、袋束91を、収容箱81(袋束搬送ユニット105)によって定められる取出位置P21(第1移動位置)から、移送中継装置107によって定められる供給位置P22(第2移動位置)に移送する。
【0031】
移送中継装置107は、第2袋束移送装置106から袋束91を受け取って、当該袋束91を袋充填装置108に向けて移送する。図示の移送中継装置107は、袋束位置調整装置109及び袋束送出装置110を具備する。袋束位置調整装置109は、第2袋束移送装置106から受け取った袋束91の位置を調整する。袋束送出装置110は、位置が調整された袋束91を袋束位置調整装置109から受け取って袋充填装置108に向けて送り出す。袋束位置調整装置109及び袋束送出装置110の具体的な構成は限定されない。袋束位置調整装置109の一例については、後述する(
図15参照)。
【0032】
袋充填装置108は、移送中継装置107から袋90を受け取って、当該袋90を使った処理を行い、処理後の袋90を後段に送り出す。袋充填装置108において行われる具体的な処理内容及び処理方法は限定されない。図示の袋充填装置108は、袋90に印字を行い、内容物を袋90に投入し、袋90の口部をシールする。
【0033】
袋処理システム100は、更にシステムコントローラ60を備える。システムコントローラ60は、袋処理システム100を構成するそれぞれの機器に有線又は無線を介して接続され、接続された機器を制御する。図示の袋処理システム100では、製袋機101、搬送コンベア102、ピックアップ装置103、第1袋束移送装置104、袋束搬送ユニット105、第2袋束移送装置106、移送中継装置107及び袋充填装置108の各々が、システムコントローラ60の制御下で作動する。したがって下述の袋束移送システムによって行われる袋束移送方法も、システムコントローラ60が各種機器を制御することによって行われる。
【0034】
[袋束支持装置]
次に、袋束支持装置10(袋束移送システム)を説明する。以下では、一例として、第1袋束移送装置104が袋束支持装置10によって構成される場合について説明する。なお後述のように、第2袋束移送装置106が袋束支持装置10によって構成されていてもよい。
【0035】
図2は、袋束支持装置10の一例を示す側方図である。
図3は、
図2に示す袋束支持装置10を上方から見た図である。
図4は、
図2に示す袋束支持装置10の背面図である。
図5及び
図6は、
図2に示す袋束支持装置10の正面図である。
図7は、主として移動デバイス20を例示する図である。
図8及び
図9は、
図2に示す袋束支持装置10の動作例を説明する図である。
【0036】
袋束支持装置10は、
図7に示すように、保持デバイス12、可動部材16、可動部駆動デバイス15及び移動デバイス20を備える。
【0037】
保持デバイス12は、袋束91の一部である保持部分(本実施形態では長手方向の中央部分(
図8及び
図9参照))を保持することができる。図示の保持デバイス12は第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bを有する。第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bによって袋束91の保持部分を上方及び下方から挟むことができる。第1挟み込み部材13aは、保持駆動デバイス14を介して第1支持板11aに取り付けられている。図示の第1挟み込み部材13aは、挟み込み方向(すなわち伸縮ロッド14aの伸縮方向)に関し、第2挟み込み部材13bとは対向するが、可動部材16とは対向しない。ただし第1挟み込み部材13aは、第2挟み込み部材13bだけではなく、可動部材16(特に第2配向位置Ps2に配置された可動部材16(
図3参照))とも、挟み込み方向に対向していてもよい。
【0038】
図8及び
図9に示すように、各袋90の長手方向(第1方向)の一方側端部は、開閉自在のファスナー93(後述の
図15参照)が取り付けられている袋束頂部91aを構成し、他方側端部は、展開可能に折り畳まれた袋束底部91bを構成する。各袋90の袋束底部91bが展開されることによって、各袋90は自立可能となる。このように図示の袋束91は、長手方向の両端部において、局所的に大きな厚みを持つ厚み部を有する。
【0039】
保持駆動デバイス14は、第1支持板11aに固定されている本体部からの突出量が可変である伸縮ロッド14aと、伸縮ロッド14a及び第1挟み込み部材13aが取り付けられる中継部材14bとを有する。伸縮ロッド14aの突出量はシステムコントローラ60(
図1参照)の制御下で変えられる。保持駆動デバイス14は、任意の構成を有することができ、典型的にはエアシリンダーによって構成される。第1挟み込み部材13aは、伸縮ロッド14aの突出量に応じて、挟み込み方向(すなわち伸縮ロッド14aの伸縮方向)へ移動する。一方、第2挟み込み部材13bは、第1支持板11aに固定されている第2支持板11bに対して固定的に取り付けられている。
【0040】
第2支持板11bに固定されている第3支持板11cには、可動部駆動デバイス15を介して複数の可動部材16(図示の例では2つの可動部材16)が取り付けられている。第3支持板11cに固定されている可動部駆動デバイス15は、2つの駆動揺動部材15aを有する。各駆動揺動部材15aは、可動部駆動デバイス15の本体部に対し、揺動回転軸15bを中心に揺動可能に設けられている(
図5及び
図6参照)。各駆動揺動部材15aの揺動状態はシステムコントローラ60(
図1参照)の制御下で変えられる。2つの可動部材16は、これらの駆動揺動部材15aのそれぞれに取り付けられている。各可動部材16は、対応の駆動揺動部材15aとともに対応の揺動回転軸15bを中心に水平方向へ揺動する。
【0041】
このように可動部駆動デバイス15は、各可動部材16を水平方向へ揺動移動させて、各可動部材16を第1配向位置Ps1(
図5参照)及び第2配向位置Ps2(
図6参照)に配置する。図示の例では、揺動回転軸15bを中心に各可動部材16を90度以上(例えば90度)揺動させることによって、揺動回転軸15bを第1配向位置Ps1及び第2配向位置Ps2の一方から他方に移動させることができる。可動部駆動デバイス15は任意の構成を有することができる。典型的には、圧縮エアが使われて駆動されるエアチャックデバイスにより、可動部駆動デバイス15を構成することが可能である。
【0042】
このように各可動部材16は、保持デバイス12(すなわち第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13b)に対して移動可能に設けられている。可動部駆動デバイス15が各可動部材16を保持デバイス12に対して移動させることによって、各可動部材16を第1配向位置Ps1及び第2配向位置Ps2(
図3参照)に配置することができる。保持デバイス12が袋束91の保持部分を保持している状態で第1配向位置Ps1に配置されている各可動部材16は、袋束91のうち、保持部分よりも長手方向(第1方向)の端部側に位置する部分を、下方から支持する。一方、保持デバイス12が袋束91の保持部分を保持している状態で第2配向位置Ps2に配置されている各可動部材16は、袋束91のうち、保持部分よりも長手方向の端部側に位置する部分を、下方から支持しない。
【0043】
特に2つの可動部材16を備える図示の袋束支持装置10では、
図9に示すように、保持デバイス12が袋束91の保持部分を保持している状態で第1配向位置Ps1に配置されている複数の可動部材16は、袋束91のうち、長手方向における保持部分の両側に位置する部分(保持部分よりも長手方向の両端部側に位置する部分(図示の例では袋束頂部91aを含む部分及び袋束底部91bを含む部分))を、下方から支持する。一方、
図8に示すように、保持デバイス12が袋束91の保持部分を保持している状態で第2配向位置Ps2に配置されている各可動部材16は、袋束91のうち、保持部分よりも長手方向の端部側に位置する部分(すなわち袋束頂部91aを含む部分及び袋束底部91bを含む部分)を、下方から支持しない。
【0044】
各可動部材16のうち袋束91が載せられる部分(図示の例では可動部材16の最上部分)の高さは、各可動部材16が第1配向位置Ps1及び第2配向位置Ps2のいずれに配置されている状態であっても、第2挟み込み部材13bのうち袋束91が載せられる部分(図示の例では第2挟み込み部材13bの最上部分)の高さと同じである。ただし各可動部材16のうち袋束91が載せられる部分は、各可動部材16が第1配向位置Ps1及び/又は第2配向位置Ps2に配置されている状態において、第2挟み込み部材13bのうち袋束91が載せられる部分よりも高くてもよいし低くてもよい。保持デバイス12が袋束91の保持部分を保持している状態で第2配向位置Ps2に配置されている各可動部材16は、袋束91を下方から支持してもよいし支持しなくてもよい。
【0045】
移動デバイス20(
図7参照)は、第1支持板11aに固定されており、システムコントローラ60の制御下で駆動される。具体的には、移動デバイス20は、保持デバイス12及び各可動部材16を、第1移動位置(ピックアップ位置P11)から第2移動位置(収容位置P12)に向けて、及び、第2移動位置から第1移動位置に向けて、一体的に移動させる。図示の例では多関節ロボットによって移動デバイス20が構成され、保持デバイス12及び各可動部材16を必要に応じた様々な方向に向けることができる。移動デバイス20は、保持デバイス12及び各可動部材16を三次元的に移動させることが可能な他の機構(例えばパラレルリンクロボット等)を採用してもよい。
【0046】
次に、収容箱81の一例を説明する。上述のように収容箱81は、袋束支持装置10(第1袋束移送装置104)により移送された袋束91が載せられる載置部として機能する。
【0047】
図10は、収容箱81の一例を示す斜視図である。
図10において、X方向及びY方向はお互いに直角を成す水平方向であり、Z方向はX方向及びY方向に対して直角を成す高さ方向である。収容箱81は、土台フレーム71、2つのフレーム係合部72、3つの前後パーティション73、5つの側方パーティション74、及び8つの載置プレート75を具備する。2つのフレーム係合部72、3つの前後パーティション73、5つの側方パーティション74、及び8つの載置プレート75は、土台フレーム71上に設置され、上方向(Z方向)に延在する。
【0048】
土台フレーム71は、4つの辺部を含む矩形状の枠状部材である。2つのフレーム係合部72は、それぞれ、土台フレーム71の4つの辺部のうちお互いに対向する2つの辺部(
図10に示す例ではY方向に対向する2つの辺部)に固定されている。複数の収容箱81が高さ方向へお互いに積み重ねられる場合、下方に位置する収容箱81の2つのフレーム係合部72に、上方に位置する収容箱81の土台フレーム71が載せられる。
【0049】
3つの前後パーティション73は、Y方向へ等間隔に設置され、各側方パーティション74及び各載置プレート75と直角を成す方向(X方向)へお互いに平行に延在する。各前後パーティション73の一部が土台フレーム71の中空部分に配置されつつ、各前後パーティション73の両端部が土台フレーム71(
図10に示す例ではX方向に対向する2つの辺部)に載せられる。各前後パーティション73は、5つの側方パーティション74及び8つの載置プレート75のそれぞれが嵌め込まれる複数の切欠部(13つの切欠部)を有する。
【0050】
5つの側方パーティション74は、X方向へ等間隔に設置され、各前後パーティション73と直角を成す方向(Y方向)へお互いに平行に延在する。各側方パーティション74の一部が土台フレーム71の中空部分に配置されつつ、各側方パーティション74の両端部が土台フレーム71(
図10に示す例ではY方向に対向する2つの辺部)に載せられる。各側方パーティション74は、3つの前後パーティション73のそれぞれが嵌め込まれる複数の切欠部(3つの切欠部)を有する。各側方パーティション74は2つの連絡スペースS4を有する。
【0051】
8つの載置プレート75は、各前後パーティション73と直角を成す方向(Y方向)へお互いに平行に延在し、相互に隣り合う側方パーティション74間に2つの載置プレート75が位置するように配置されている。各載置プレート75の一部が土台フレーム71の中空部分に配置されつつ、各載置プレート75の両端部が土台フレーム71(
図10に示す例ではY方向に対向する2つの辺部)に載せられる。各載置プレート75は、3つの前後パーティション73のそれぞれが嵌め込まれる複数の切欠部(3つの切欠部)を有する。各載置プレート75は、2つの進入スペースS1を有する。
【0052】
相互に隣り合う前後パーティション73及び相互に隣り合う側方パーティション74により区画される空間によって、袋束91が収容される収容スペースS0が構成される。
図10に示される収容箱81は、合計で8つの収容スペースS0を有する。各収容スペースS0には2つの載置プレート75が配置されており、これらの載置プレート75上に収容対象の袋束91が置かれる。
【0053】
各収容スペースS0には2つの進入スペースS1が位置する。各収容スペースS0には2つの連絡スペースS4が面する。各収容スペースS0に関し、2つの進入スペースS1はX方向へお互いに対向しており、また2つの進入スペースS1及び2つの連絡スペースS4はX方向へお互いに対向している。X方向に並べられる複数の収容スペースS0(図示の例では4つの収容スペースS0)に関して設けられる複数の進入スペースS1及び複数の連絡スペースS4(図示の例では8つの進入スペースS1及び5つの連絡スペースS4)は、X方向に延びる一直線上に位置している。
【0054】
上述のように
図10に示す収容箱81では、載置プレート75が「第2移動位置(収容位置P12)に配置され、保持デバイス12(第1袋束移送装置104)によって袋束91が載せられる載置部」として機能する。また前後パーティション73及び側方パーティション74が「袋束91の移動を制限する移動制限部材」として機能する。そして側方パーティション74が有する連絡スペースS4及び載置プレート75が有する進入スペースS1が「退避スペース」として機能する。袋束91が第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bにより挟まれていない状態で、側方パーティション74が袋束91の移動を制限しつつ、移動デバイス20によって保持デバイス12(特に第2挟み込み部材13b)が進入スペースS1及び連絡スペースS4を通過させられる。
【0055】
次に、上述の「袋束支持装置10及びシステムコントローラ60を含む袋束移送システム」によって行われる袋束移送方法の一例について説明する。
【0056】
図11〜
図14は、袋束移送方法の一例を説明するための袋束支持装置10の側方図である。
【0057】
本実施形態の袋束移送システムは、以下に説明する袋束移送方法に従って、袋束91を第1移動位置(ピックアップ位置P11)から第2移動位置(収容位置P12)に向けて移送し、当該袋束91を第2移動位置に配置されている載置部(収容箱81)に載せる。具体的に、袋束移送方法は以下の工程を含む。
【0058】
まずピックアップ位置P11(第1移動位置)に配置されている袋束91のうちの保持部分が保持デバイス12によって保持される(袋束保持工程)。図示の袋処理システム100において第1袋束移送装置104(袋束支持装置10)は、ピックアップ装置103から袋束91を受け取って、
図8に示すように袋束91を保持する。すなわち第1挟み込み部材13aと第2挟み込み部材13bとの間に袋束91を配置した状態で、保持駆動デバイス14は伸縮ロッド14aの突出量を増大させて、第1挟み込み部材13aを袋束91及び第2挟み込み部材13bに近づける。これにより袋束91は、第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bにより挟まれて保持される。この際、各可動部材16は、第2配向位置Ps2に配置されており、袋束91の長手方向(
図8の紙面の横方向)の両端部(袋束頂部91a及び袋束底部91b)を支持しない。そのため、袋束91の長手方向の両端部は、自重により垂れ下がった状態となる。
【0059】
そして袋束91は、保持デバイス12により保持部分が保持されている状態で、保持デバイス12とともにピックアップ位置P11(第1移動位置)から収容位置P12(第2移動位置)に向けて移動させられる(袋束移動工程)。
【0060】
ピックアップ位置P11から収容位置P12に向けて保持デバイス12と一体的に移動させられる各可動部材16は、袋束91が収容箱81の載置プレート75に載せられる前に、保持デバイス12によって袋束91の保持部分が保持されている状態で、第2配向位置Ps2から第1配向位置Ps1に移動させられる(可動部材移動工程)。すなわち
図9に示すように、第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bによって袋束91が接触保持されている状態で、各可動部材16は、第2配向位置Ps2から移動させられて第1配向位置Ps1に配置される。これにより袋束91の長手方向(
図9の紙面の横方向)の両端部(袋束頂部91a及び袋束底部91b)は、対応の可動部材16によって下方から支持されて持ち上げられる。このように袋束91の長手方向の中央部は、第2挟み込み部材13bによって下方から支持され、袋束91の長手方向の両端部は、2つの可動部材16によって下方から支持される。その結果、袋束91は、基本的に大きな垂れ下がりがない状態で、保持デバイス12及び各可動部材16によって支持される。
【0061】
各可動部材16が第2配向位置Ps2から第1配向位置Ps1に移動するタイミングは限定されない。図示の例では、保持デバイス12により保持されている袋束91が収容箱81(第2収容停止位置Pa2)の上方に到達する前に、各可動部材16は第1配向位置Ps1に配置される。例えば、袋束91がピックアップ位置P11に配置されている状態で(例えば袋束91がピックアップ装置103により保持されている状態で)、各可動部材16は第1配向位置Ps1に配置されてもよい。またピックアップ位置P11と収容位置P12との間の中間位置において、各可動部材16は第2配向位置Ps2から第1配向位置Ps1に移動させられてもよい。また、保持デバイス12により保持されている袋束91が収容箱81(第2収容停止位置Pa2)の上方に位置している状態で、各可動部材16は第2配向位置Ps2から第1配向位置Ps1に移動させられてもよい。
【0062】
そして、保持デバイス12から解放された袋束91が、収容箱81の載置プレート75に載せられる(袋束載置工程)。
【0063】
図示の例では、
図11に示すように、袋束91が第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bに挟まれ且つ可動部材16が第1配向位置Ps1に配置されている状態で、移動デバイス20によって保持デバイス12及び各可動部材16が降下させられる。これにより、保持デバイス12及び各可動部材16により支持されている袋束91が、載置プレート75の直上において、載置プレート75に近づけられた位置に配置される。
【0064】
その後、各可動部材16は、袋束91が載置プレート75の直上に位置している状態で、第1配向位置Ps1から第2配向位置Ps2に移動させられる(
図12参照)。これにより保持デバイス12により袋束91が保持されている状態で、袋束91の一部が載置プレート75に載せられる。すなわち袋束91の垂れ下がり部分(
図12に示す例では袋束底部91bを含む端部)が載置プレート75によって下方から支持され、袋束91の垂れ下がり量が過大になることが防がれている。
【0065】
その後、移動デバイス20によって保持デバイス12及び各可動部材16が一体的に下方に移動させられ、袋束91が更に広範囲にわたって載置プレート75に載せられる(
図13参照)。この際、可動部駆動デバイス15、各可動部材16、第3支持板11c、第2挟み込み部材13b及び第2支持板11bは、少なくとも部分的に、対応の進入スペースS1に進入し、装置間の衝突が防がれている。また袋束91の袋束頂部91aは、対応の第1厚み配置スペースS2に進入する。また袋束91の袋束底部91bは、対応の第2厚み配置スペースS3に進入する。
【0066】
その後、保持駆動デバイス14の本体からの伸縮ロッド14aの突出量が低減され、第1挟み込み部材13aを上方に移動させて、第1挟み込み部材13aが袋束91から離れた位置(すなわち袋束91と接触しない位置)に配置される(
図14参照)。このようにして、袋束91は、第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bにより挟まれておらず且つ第2挟み込み部材13bに載せられた状態に置かれる。
【0067】
そして保持デバイス12は、袋束91を移動制限部材(特に対応の側方パーティション74)に押し当てて当該袋束91の移動を制限しながら、水平方向へ移動することによって、袋束91を解放して当該袋束91を載置プレート75に載せる(
図10参照)。すなわち移動デバイス20によって、保持デバイス12及び各可動部材16が、対応の収容スペースS0から遠ざかるように水平方向(
図10のX方向)へ移動させられる。この移動の過程において、袋束91は側方パーティション74に接触して移動が制限されるが、保持デバイス12及び各可動部材16等は進入スペースS1及び連絡スペースS4を通過してスムーズに移動する。これにより袋束91は、保持デバイス12(特に第2挟み込み部材13b)から載置プレート75に渡され、対応の収容スペースS0に収容される。
【0068】
以上説明したように本実施形態によれば、保持デバイス12及び可動部材16によって袋束91を支持しつつ第1移動位置から第2移動位置に袋束91を移送し、第2移動位置に袋束91を配置することができる。これにより、袋束91の状態の乱れを防ぎつつ、当該袋束91を第2移動位置に適切に移送することができる。
【0069】
特に、袋束91を最初に支持する動作は、袋束91のうち比較的狭い範囲(保持部分)が保持デバイス12(第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13b)により挟まれることによって行われる。そのため、保持デバイス12は袋束91の保持部分を精度良く支持することが可能である。その後、可動部材16を第2配向位置Ps2から第1配向位置Ps1に移動させることによって、袋束91は広い範囲にわたって保持デバイス12及び可動部材16により支持される。このように、最初に袋束91の限られた範囲を保持デバイス12により支持し、その後、袋束91のより広い範囲を保持デバイス12及び各可動部材16により支持することによって、袋束91を安定的に適切に支持することができる。
【0070】
また可動部材16を使って袋束91の端部(袋束頂部91a及び袋束底部91b)を下方から支持することにより、袋束91の端部が過剰に反り返った状態で載置部(収容箱81)に置かれることを防ぐことができる。これにより、袋束91に含まれる袋90の折れ曲がりを防ぎつつ、当該袋束91を載置部に適切な状態で載せることができる。
【0071】
また各可動部材16の揺動方向を水平方向とすることによって、各可動部材16の揺動に必要とされる高さ方向のスペースを小さくすることができる。これにより、可動部材16の揺動の際の可動部材16と載置部(載置プレート75)との間の衝突を防ぎつつ、袋束91を保持デバイス12により保持した状態で、当該袋束91を載置部に近づけることができる。したがって、可動部材16を第1配向位置Ps1から第2配向位置Ps2に移動させて袋束91の端部を可動部材16から解放した際に、より確実に、袋束91の端部を載置プレート75に接触させて載置プレート75により支持させることができる。
【0072】
また側方パーティション74に袋束91を押し当てつつ保持デバイス12から袋束91を解放することによって、袋束91に含まれる複数の袋90の位置を、側方パーティション74を基準に調整することができる。
【0073】
[第1変形例]
上述の実施形態では、第1袋束移送装置104が袋束支持装置10により構成される場合について例示したが、第2袋束移送装置106が袋束支持装置10により構成されてもよい。この場合、袋束91は、第2袋束移送装置106(袋束支持装置10)によって、第1移動位置(取出位置P21)から第2移動位置(供給位置P22)に向けて移送される。
【0074】
図15は、袋束移送システム(袋束支持装置10)の第1変形例に係る第2袋束移送装置106及び袋束位置調整装置109の構成例を示す平面図である。
図15において、移送中継装置107の袋束位置調整装置109に袋束91を受け渡している最中の袋束支持装置10が実線で示されており、袋束位置調整装置109に袋束91を渡した後に袋束位置調整装置109から退避した袋束支持装置10が二点鎖線で示されている。
【0075】
図15に示す第2袋束移送装置106は、上述の実施形態で説明した第1袋束移送装置104と同様の構成を有する。
図15に示す袋束位置調整装置109は、フレーム121、載置面部122、第1搬送ローラ123、第2搬送ローラ124、第1規制部125及び第2規制部126を具備する。
【0076】
第1搬送ローラ123及び第2搬送ローラ124は、フレーム121に対して回転可能に取り付けられており、載置面部122が掛け渡されている。載置面部122は、無端状ベルトにより構成されている。第1搬送ローラ123は、システムコントローラ60(
図1参照)の制御下で駆動される駆動デバイス(図示省略)によって、能動的に回転させられる。第2搬送ローラ124は、フレーム121に対して回転自在に取り付けられており、載置面部122の走行に応じて回転する。駆動デバイスにより第1搬送ローラ123が回転させられることによって、載置面部122は第1搬送ローラ123及び第2搬送ローラ124に案内されつつ走行する。
【0077】
第1規制部125及び第2規制部126は、載置面部122の走行方向(
図15の紙面の横方向)と直角を成す水平方向である規制方向(
図15の縦方向)へ相互に対向するように配置されている。第1規制部125及び第2規制部126は、システムコントローラ60(
図1参照)の制御下で駆動される駆動デバイス(図示省略)によって、規制方向へ移動可能に設けられており、お互いに近づく方向及びお互いから遠ざかる方向へ移動する。
【0078】
第1規制部125は第1中間スペース127を有する。第2規制部126は第2中間スペース128を有する。第1中間スペース127及び第2中間スペース128は、第2袋束移送装置106が袋束位置調整装置109上に袋束91を載せる際に、第2袋束移送装置106が進入するためのスペースである。第1中間スペース127及び第2中間スペース128を設けることによって、第1規制部125及び第2規制部126の各々と第2袋束移送装置106との間の衝突を防ぎつつ、袋束位置調整装置109上に袋束91を載せることができる。
【0079】
本変形例において、載置面部122が「供給位置P22(第2移動位置)に設けられ、保持デバイス12(第2袋束移送装置106)によって袋束91が載せられる載置部」として機能する。また第1規制部125及び第2規制部126が「袋束91の移動を制限する移動制限部材」として機能し、第1中間スペース127及び第2中間スペース128が「退避スペース」として機能する。
【0080】
袋束91を保持した状態の保持デバイス12は、システムコントローラ60の制御下で駆動される移動デバイス20によって、取出位置P21から供給位置P22に向けて移動する。これにより袋束91は、第2袋束移送装置106の第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bにより挟まれて保持された状態で、載置面部122の直上に配置される。
【0081】
そして保持駆動デバイス14により第1挟み込み部材13aを上方に移動させて、第1挟み込み部材13aが袋束91から離れた位置(袋束91と接触しない位置)に配置される。これにより袋束91は、袋束頂部91a及び袋束底部91bにより挟まれていない状態に置かれる。そして袋束91が第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13bにより挟まれていない状態で、移動制限部材(
図15に示す例では第1規制部125)が袋束91の移動を制限しつつ、移動デバイス20(
図7参照)によって保持デバイス12(特に第2挟み込み部材13b)が第1中間スペース127を通過させられる。これにより、第2袋束移送装置106(保持デバイス12)から袋束位置調整装置109(載置面部122)上に袋束91が渡される。
【0082】
なお各可動部材16は、上述の実施形態と同様に揺動する。すなわち取出位置P21に配置されている袋束91を保持デバイス12により保持する際、各可動部材16は第2配向位置Ps2に配置されている。その後、袋束91が載置面部122(供給位置P22に配置されている載置部)に載せられる前に、袋束91が保持デバイス12により保持されている状態で、各可動部材16は第2配向位置Ps2から第1配向位置Ps1に移動させられる。その後、各可動部材16は第1配向位置Ps1から第2配向位置Ps2に移動させられ、各可動部材16が第2配向位置Ps2に配置されている状態で保持デバイス12及び各可動部材16は袋束位置調整装置109から退避し、保持デバイス12(第2袋束移送装置106)から袋束位置調整装置109に袋束91が渡される。
【0083】
第2袋束移送装置106から袋束位置調整装置109に袋束91が渡される際、第1規制部125と第2規制部126との間の間隔は、袋束91の幅方向(
図15の上下方向)のサイズよりも大きくてもよい。この場合、第1規制部125と第2規制部126との間に袋束91をスムーズに配置することが可能である。この場合、第2袋束移送装置106から袋束位置調整装置109に袋束91が渡された後に、第1規制部125及び/又は第2規制部126を袋束91の幅方向に移動させ、第1規制部125と第2規制部126との間の間隔を狭めることによって、袋束91を第1規制部125及び第2規制部126によって挟むことが好ましい。これにより袋束91の配置位置が第1規制部125及び第2規制部126によって精度良く調整され、袋束91を載置面部122上の所望位置に正確に配置することができる。
【0084】
[他の変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
【0085】
例えば、可動部材16の数は2つに限定されず、3つ以上の複数の可動部材16が設けられていてもよいし、1つ可動部材16のみが設けられていてもよい。例えば、袋束91の平面形状が矩形状の場合、袋束91のうち矩形状平面の四隅に対応する部分を下方から支持可能な4つの可動部材16が設けられていてもよい。
【0086】
袋束91のうち保持デバイス12により保持される部分(保持部分)の位置は限定されない。また袋束91のうち可動部材16によって支持される場所は限定されない。袋束91の端部ほど(特に、袋束91のうち保持デバイス12によって保持される保持部分から遠い部分ほど)大きく垂れ下がる傾向がある。したがって垂れ下がりを低減する観点からは、袋束91の端部(特に、保持部分から遠い場所)が可動部材16によって支持されることが好ましい。
【0087】
可動部材16は、第1配向位置Ps1と第2配向位置Ps2との間を移動する際、任意の方向に移動可能である。可動部材16は、水平方向、高さ方向、或いは水平方向成分及び高さ方向成分を含む方向へ移動させられて、第1配向位置Ps1及び第2配向位置Ps2に配置されてもよい。
【0088】
保持デバイス12(第1挟み込み部材13a及び第2挟み込み部材13b)及び可動部材16は、共通の一体的なフレーム体(上述の第1支持板11a、第2支持板11b及び第3支持板11c参照)に取り付けられていてもよいし、別体として設けられる2以上のフレーム体(図示省略)に取り付けられていてもよい。
【0089】
袋束91を保持デバイス12から載置部に渡す際に、可動部材16は第1配向位置Ps1に配置されていてもよいし、第2配向位置Ps2に配置されていてもよい。
を第1配向位置Ps1及び第2配向位置Ps2の一方から他方に移動させることができる。可動部駆動デバイス15は任意の構成を有することができる。典型的には、圧縮エアが使われて駆動されるエアチャックデバイスにより、可動部駆動デバイス15を構成することが可能である。
そして保持駆動デバイス14により第1挟み込み部材13aを上方に移動させて、第1挟み込み部材13aが袋束91から離れた位置(袋束91と接触しない位置)に配置される。これにより袋束91は、
参照)によって保持デバイス12(特に第2挟み込み部材13b)が第1中間スペース127を通過させられる。これにより、第2袋束移送装置106(保持デバイス12)から袋束位置調整装置109(載置面部122)上に袋束91が渡される。