【課題】可溶性キチンが分解しやすいことでキチンPP繊維にカビが生えやすく、繊維ブロッキングが発生しやすいという問題を解決するために、キチン改質ppスパンボンド不織布を提供すること。
【解決手段】本発明は、キチン改質ppスパンボンド不織布を開示する。PPスパンボンド不織布はキトサン0.2−1.5%を含む。このキトサン改質ppスパンボンド不織布は、防カビ等級が1級以下であり、抗菌率が99.5%以上である。本発明で製造されたキトサン改質ppスパンボンド不織布に改質キチンが添加され、キチン改質過程において、改質プロセスを最適化し、静置ステップを省略することにより、キトサンの改質時間は3〜5倍短縮し、生産効率は向上する。
前記キチン改質ppスパンボンド不織布は、防カビ等級が1級以下であり、抗菌率が99.5%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布。
前記可溶性キチン改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であることを特徴とする、請求項3に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布。
前記改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1〜2:3〜5:2〜3であることを特徴とする、請求項3に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に対して、本発明は、可溶性キチンが分解しやすいことでキチンPP繊維にカビが生えやすく、繊維ブロッキングが発生しやすいという問題を解決するために、キチン改質ppスパンボンド不織布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、キチン0.2〜1.5%を含むキチン改質ppスパンボンド不織布を提供する。
【0007】
キチン改質ppスパンボンド不織布は、防カビ等級が1級以下であり、抗菌率が99.5%以上である。
【0008】
キチン改質ppスパンボンド不織布中のキチンは、可溶性キチン(キトサン)を改質したものである。前記キチン改質ppスパンボンド不織布の製造原料は、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及び酸化防止剤をさらに含む。
【0009】
酸化防止剤は、酸化防止剤3125又は酸化防止剤2013である。
【0010】
可溶性キチン(キトサン)の改質は、
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合して撹拌した後、改質剤を加え、次に、5〜10分間超音波処理し、30〜35℃まで昇温した後、グルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得、反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得、上清を除去し、エタノールを真空乾燥させ、改質キチンを得ることである。
【0011】
前記改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含む。改質剤の主な作用は、可溶性キチンが膨潤した後、超音波処理による加速反応過程において過度に膨潤してゲルが生成することを防止し、キトサンが高温により分解することを防止し、静置ステップを省略し、膨潤時間を減少させ、キトサンの改質時間を3〜5倍短縮させ、生産効率を向上させることである。膨潤時間が減少するため、可溶性キチンの安定性が向上し、昇温後の分解が防止され、長期間使用後に、繊維表面にカビが生えやすく、繊維ブロッキングが発生しやすいことが防止される。
【0012】
可溶性キチン改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2である。
改質剤において、2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1〜2:3〜5:2〜3である。
【0013】
好ましくは、ポリエチレングリコールはポリエチレングリコール4000又はポリエチレングリコール6000である。好ましいポリエチレングリコールは、分子量が適度であり、キトサン改質ppスパンボンド不織布の引張強度を10〜15%向上させることができる。
【0014】
好ましくは、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30である。ポリビニルピロリドンK30は、粘度が小さいので、不織布の滑らかさがより良い。
【0015】
適切な比率のポリエチレングリコールとポリビニルピロリドンを加えることにより、不織布の滑らかさを大幅に向上させることができる。
【0016】
本発明は、
質量比でポリプロピレン及び総重量の0.2〜1.5%の改質キチンを水平ダブルヘリカルリボンミキサーに入れ、40〜80℃まで加熱し、20〜40分間中速混合した後、そこにポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及び酸化防止剤を加え、180〜190℃まで加熱し、20〜40分間高速混合し、混合物液を得るステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた混合物液を紡糸ビームに押し込み、紡糸吐出、横風冷却装置による冷却、及び牽引を経て、繊維網を得、得られた繊維網を熱間圧延機で熱間圧延して布を形成することにより、キトサン改質ppスパンボンド不織布を得るステップ(2)と、
を含むキチン改質ppスパンボンド不織布の製造方法をさらに提供する。
【0017】
好ましくは、ステップ(2)において、繊維網を熱間圧延するときの熱間圧延機のロール温度は140〜150℃である。
【0018】
好ましくは、ステップ(2)において、溶融体を紡糸ビームに押し込むときの作業圧力は2〜5MPaである。
【0019】
本発明のキチン改質ppスパンボンド不織布は、女性衛生用品、ベビーおむつ、ウェットティッシュ、母乳パッドなどの使い捨ての医療衛生製品に適用できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は従来技術に比べて以下の利点を有する。
1、キチン改質PP繊維の製造過程において、キチンの改質により、超音波処理後に膨潤時間が大幅に短縮され、可溶性キチンの安定性が向上し、改質後のキチンがpp紡糸過程に混入されるときに高温により分解することが防止され、製造された繊維又は布地にカビ及び繊維ブロッキングが発生することが回避される。
2、キチン改質の過程において、改質プロセスを最適化し、静置ステップを省略することにより、キトサンの改質時間を3〜5倍短縮させ、生産効率を大幅に向上させる。
3、本発明で製造されたppスパンボンド不織布の防カビ等級は1級以下である。
4、キチンの改質により、製造されたPPスパンボンド不織布は、優れた抗菌性能を有し、総合抗菌率は99.5%以上である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施例により本発明をさらに説明する。
【0022】
実施例1
ポリプロピレン95kg、改質キチン0.22kg、ポリエチレングリコール1.1kg、ポリビニルピロリドン0.3kg及び酸化防止剤0.3kgを原料として用いてキチン改質ppスパンボンド不織布を作成した。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
改質キチンの製造方法
市販の可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
【0023】
実施例2
ポリプロピレン100kg、改質キチン1kg、ポリエチレングリコール6000 5kg、ポリビニルピロリドン0.1kg及び酸化防止剤0.6kgを原料として用いてキチン改質ppスパンボンド不織布を作成した。
酸化防止剤は酸化防止剤2013であった。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
【0024】
実施例3
ポリプロピレン94kg、改質キチン1.2kg、ポリエチレングリコール4kg、ポリビニルピロリドン0.15kg及び酸化防止剤0.4kgを原料として用いてキチンキチン改質ppスパンボンド不織布を作成した。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
【0025】
実施例4
ポリプロピレン95kg、改質キチン1.5kg、ポリエチレングリコール4000 3kg、ポリビニルピロリドンK30 0.2kg及び酸化防止剤0.5kgを原料として用いてキチン改質ppスパンボンド不織布を作成した。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
【0026】
実施例5
ポリプロピレン95kg、改質キチン1.9kg、ポリエチレングリコール6000 3kg、ポリビニルピロリドンK30 0.2kg及び酸化防止剤0.5kgを原料として用いてキチン改質ppスパンボンド不織布を作成した。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
【0027】
実施例6
実施例1に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布の製造方法は、以下のステップ(1)、(2)を含む。
ステップ(1)において、ポリプロピレン90kg及び改質キトサン 0.2kgを水平ダブルヘリカルリボンミキサーに入れ、40℃まで加熱した。20分間中速混合した後、そこにポリエチレングリコール1kg、ポリビニルピロリドン0.3kg及び酸化防止剤0.3kgを加え、180℃まで加熱し、20分間高速混合20し、混合物液を得た。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
ステップ(2)において、ステップ(1)で得られた混合物液を紡糸ビームに押し込み、紡糸吐出、横風冷却装置による冷却、牽引を経て繊維網を得た。得られた繊維網を熱間圧延機で熱間圧延して布を形成することにより、キトサン改質ppスパンボンド不織布を得た。
【0028】
実施例7
実施例2に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布の製造方法は、以下のステップ(1)、(2)を含む。
ステップ(1)において、ポリプロピレン100kg及び改質キチン0.9kgを水平ダブルヘリカルリボンミキサーに入れ、80℃まで加熱し、40分間中速混合した後、そこにポリエチレングリコール5kg、ポリビニルピロリドン0.1kg及び酸化防止剤2013 0.6kgを加え、190℃まで加熱し、40分間高速混合40し、混合物液を得た。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
ステップ(2)において、ステップ(1)で得られた混合物液を紡糸ビームに押し込み、紡糸吐出、横風冷却装置による冷却、牽引を経て繊維網を得た。得られた繊維網を熱間圧延機で熱間圧延して布を形成することにより、キトサン改質ppスパンボンド不織布を得た。
【0029】
実施例8
実施例3に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布の製造方法は、以下のステップ(1)、(2)を含む。
ステップ(1)において、ポリプロピレン94kg及び改質キトサン1.2kgを水平ダブルヘリカルリボンミキサーに加え、50℃まで加熱し、25分間中速混合した後、そこにポリエチレングリコール4kg、ポリビニルピロリドン15kg及び酸化防止剤0.4kgを加え、182℃に加熱し、25分間高速混合し、混合物液を得た。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
ステップ(2)において、ステップ(1)で得られた混合物液を紡糸ビームに押し込み、紡糸吐出、横風冷却装置による冷却、牽引を経て繊維網を得た。得られた繊維網を熱間圧延機で熱間圧延して布を形成することにより、キトサン改質ppスパンボンド不織布を得た。
【0030】
実施例9
実施例4に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布の製造方法は、以下のステップ(1)、(2)を含む。
ステップ(1)において、ポリプロピレン95kg及び改質キチン1.5kgを水平ダブルヘリカルリボンミキサーに入れ、60℃まで加熱し、30分間中速混合した後、そこにポリエチレングリコール4000 3kg、ポリビニルピロリドンK30 0.2kg及び酸化防止剤0.5kgを加え、185℃まで加熱し、30分間高速混合し、混合物液を得た。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
ステップ(2)において、ステップ(1)で得られた混合物液を紡糸ビームに押し込み、紡糸吐出、横風冷却装置による冷却、牽引を経て繊維網を得た。得られた繊維網を熱間圧延機で熱間圧延して布を形成することにより、キトサン改質ppスパンボンド不織布を得た。
【0031】
実施例10
実施例5に記載のキチン改質ppスパンボンド不織布の製造方法は、以下のステップ(1)、(2)を含む。
ステップ(1)において、ポリプロピレン95kg及び改質キチン1.9kgを水平ダブルヘリカルリボンミキサーに入れ、60℃まで加熱し、30分間中速混合した後、そこにポリエチレングリコール6000 3kg、ポリビニルピロリドンK30 0.2kg及び酸化防止剤0.5kgを加え、185℃まで加熱し、30分間高速混合し、混合物液を得た。
改質キチンの製造方法
可溶性キチンとpH3〜5の乳酸とを混合して膨潤させ、15〜25℃で10〜20分間混合撹拌した後、改質剤を加え、次に5〜10分間超音波処理し、温度を30〜35℃まで昇温し、最後にグルタルアルデヒド及びN−ヒドロキシスクシンイミドを加え、13〜15分間反応させ、反応液を得た。反応液にクロロ酢酸を加え、40〜80℃で撹拌しながら3〜5時間反応させ、混合液を得た。上清を除去し、エタノールを真空乾燥させて改質キチンを得た。
改質剤は、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、酢酸酪酸セルロース、アジピン酸ジヒドラジドを含んだ。ここで、可溶性キチンと、改質剤と、グルタルアルデヒドと、N−ヒドロキシスクシンイミドとの質量比は10〜15:1〜3:2〜4:1〜2であった。
改質剤における2−ヒドロキシベンズイミダゾールと、酢酸酪酸セルロースと、アジピン酸ジヒドラジドとの質量比は1:3〜5:2〜3であった。
酸化防止剤は酸化防止剤3125であった。
ステップ(2)において、ステップ(1)で得られた混合物液を紡糸ビームに押し込み、紡糸吐出、横風冷却装置による冷却、牽引を経て繊維網を得た。得られた繊維網を熱間圧延機で熱間圧延して布を形成することにより、キトサン改質ppスパンボンド不織布を得た。
【0032】
比較例11
実施例10において、改質キチンの添加量を3.5Kgに変更した以外は、実施例10と同様のパラメータ及び方法で製造した。
【0033】
比較例12
実施例10において、改質キチンの添加量を4.0Kgに変更した以外は、実施例10と同様のパラメータ及び方法で製造した。
【0034】
比較例13
実施例10において、改質キチンの添加量を4.5Kgに変更した以外は、実施例10と同様のパラメータ及び方法で製造した。
【0035】
比較例14
実施例10において、改質キチンの添加量を0.09Kgに変更した以外は、実施例10と同様のパラメータ及び方法で製造した。
【0036】
比較例15
実施例10において、改質キチンの添加量を0.05Kgに変更した以外は、実施例10と同様のパラメータ及び方法で製造した。
【0037】
比較例16
実施例10において、改質キチンの添加量を0Kgに変更した以外は、実施例10と同様のパラメータ及び方法で製造した。
【0038】
実施例6〜10、比較例11〜13のキチン改質ppスパンボンド不織布の性能について試験した。繊維面積重量(FAW)がいずれも20±0.5g/cm
2のppスパンボンド不織布を用い、ISO9237−1995基準により材料通気率の試験を行い、GB/T 24218.3−2010により破断強度及び破断伸びの試験を行った。結果を表1に示す。
【0040】
表1から分かるように、本発明で製造されたキチン改質ppスパンボンド不織布は、「GB/T24340−2009紡績製品防カビ性能評価」に準拠して試験した結果、その防カビ等級が1級以下である一方、比較例で製造されたスパンボンド不織布の防カビ等級が3級以上であった。特に、PPスパンボンド不織布中の改質キチンの含有量が0.2以下である場合、その防カビ等級は大幅に変化した。改質キチンの含有量が0である場合、防カビ等級は5以上となり、カビ被覆率は60%を超えた。これは、本発明の製造過程において改質キチンを加えることにより、可溶性キチンの分解を回避又は低減する作用を有し、製造された紡績製品の防カビ等級を向上させることを示している。
【0041】
また、製造された不織布中の改質キチンの含有量が0.2〜1.5%である場合、製造された繊維の抗菌性は最も高く、物性は生産の需要を満たすことができた。改質キチンの含有量が0.2%未満である場合、製造された抗菌性は明らかに低下した。改質キチンの含有量が1.5%以上である場合、製造された不織布の物理的指標は明らかに低下し、通常の生産、使用の要求を満たすことができなかった。よって、本発明で製造されたキチン改質ppスパンボンド不織布中の改質キチンの最適含有量は0.2〜1.5%である。
【0042】
吸水性試験
繊維面積重量(FAW)がいずれも20±0.5g/cm
2であるppスパンボンド不織布を用い、吸水速度及び吸水量について試験した。吸水速度試験では、実施例6〜10のキチン改質ppスパンボンド不織布を10cm*10cmの正方形のシート状に切り出した。1mlの水を実験台に滴下し、シート状の不織布をゆっくりと水へ接近させ、ストップウオッチで不織布が水を十分に吸収する、即ち、完全に濡れるまでの時間を記録することにより吸水速度試験を行った。吸水量試験では、10cm*10cmの正方形のシートの重量を計った後、水中に10秒浸漬した後、取り出し、不織布から水が滴らなくなった後、天秤で重量を測り、不織布の重量mを記録した。グラムあたりの吸水量=(m−5)/5であった。結果を表2に示す。
【0043】
ブロッキング試験
紡績製品を30*30cmの小塊に切り出し、積み重ねた後、湿度20〜30、温度30〜40℃の環境に置いた。20〜50日後、紡績製品の表面ブロッキングの現象を観察した。ブロッキングの状況に応じて4等級に分けた。
1級:塊状紡績製品にブロッキングがほぼなし
2級:ブロッキング面積が20%未満
3級:40%>ブロッキング面積>20%
4級:60%>ブロッキング面積>40%。
【0044】
表2:実施例6〜10のキチン改質ppスパンボンド不織布の吸水性、ブロッキング等級の試験結果
【表2】
注:吸水量試験を行ったときに、比較例の一般的な不織布の表面が水に濡れなかった。
【0045】
表2の結果から分かるように、本発明の実施例6〜10のキチン改質ppスパンボンド不織布は、ブロッキング等級が1級以下であり、ほとんどブロッキング現象がなかった。また、実施例6〜10のキチン改質ppスパンボンド不織布は、吸水速度が速く、吸水後であっても表面が乾燥したままで、吸湿性が良好であり、優れた親水性能を有するとともに、その吸湿倍数が15倍前後であり、優れた吸湿率を有する。
【0046】
本発明の比較例11〜16のキトサン改質ppスパンボンド不織布は、特に改質キチンの含有量が0である場合、そのブロッキング等級が4級以上であり、大量のブロッキング現象が発生した。
本発明の可溶性キチンは、市販から入手できる。特別な指示がない場合は、本発明に記載の可溶性キチンはキトサンである。
【0047】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。当業者は、上記技術内容に基づいて変更又は変形して同等の実施例を形成することができる。本発明の技術内容及び思想から逸脱しない限り、本発明の技術に基づいて上記実施例に対して実質的に行った修正、同等変化及び変形は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。