特開2021-107760(P2021-107760A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-107760(P2021-107760A)
(43)【公開日】2021年7月29日
(54)【発明の名称】多収納室均熱板の開口溶接方法
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20210702BHJP
   B23K 9/00 20060101ALI20210702BHJP
【FI】
   F28D15/02 106G
   B23K9/00 501P
   F28D15/02 106F
   F28D15/02 106A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-212993(P2020-212993)
(22)【出願日】2020年12月22日
(31)【優先権主張番号】201911379497.1
(32)【優先日】2019年12月27日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520506545
【氏名又は名称】東莞市万維熱傳導技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Wanwei Thermal Conduction Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】張 明
(72)【発明者】
【氏名】石 俊
(72)【発明者】
【氏名】江 菊生
(72)【発明者】
【氏名】胡 明敏
【テーマコード(参考)】
4E081
【Fターム(参考)】
4E081BA08
4E081BA23
4E081CA14
4E081YQ01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明において多収納室均熱板の開口溶接方法および開口構造を提供する。
【解決手段】均熱板は内部に作動用液体が注入されている平板状のアルミ合金収納部1を含み、前記アルミ合金収納部の内部には並列状態に形成される複数の支持部が形成され、支持部の両端はアルミ合金収納部の上内壁と下内壁に当接する。前記アルミ合金収納部の両端の開口は溶接工程によって密閉され、それによりアルミ合金収納部の両端には円滑である溶接端が形成される。本発明の均熱板の開口溶接方法において密閉端を溶接させることにより、均熱板の無用部分を短くし、密閉性をより向上させることができる。すなわち均熱板を曲げるか或いは均熱板を振動環境において用いるとき、密閉端に漏出が発生することを防止し、均熱板の無用部分を短くし、均熱板の安定性を更に向上させることができる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細構造が既に形成されているか或いは毛細構造が形成されない多収納室配列式アルミ均熱板の各収納室の一端を圧縮により密閉させることにより密閉端を形成するステップと、
一端が密閉される多収納室配列式アルミ均熱板の各収納室を真空にした後、各収納室に作動液体を注入するステップと、
作動液体を注入した多収納室配列式アルミ均熱板の注入端を圧縮により密閉させることにより空気が収納室に入ることと作動液体が漏出することを防止するステップと、
注入端が圧縮により密閉される多収納室配列式アルミ均熱板を低温環境に送入することにより収納室内の作動液体を凝固させるステップと、
作動液体を凝固させた後、多収納室配列式アルミ均熱板を真空環境に送入して溶接をすることにより溶接端を形成するステップとを含むことを特徴とする多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項2】
前記低温環境の温度は作動液体の凝固温度より低く、前記低温環境の温度は窒素液体により多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させることができる最低の温度であることを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項3】
前記真空環境の真空度は10Paより小さいことを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項4】
前記溶接方法は、アルゴンアーク溶接、レーザー溶接、プラズマ溶接または冷金属転移溶接であることを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項5】
溶接が実施された前記多収納室アルミ均熱板の溶接端の長さは密閉端の長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項6】
前記低温環境の形成方法として低温冷凍機を用いるか或いは冷却板を用いることにより前記多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させることを特徴とする請求項2に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項7】
冷却板により前記多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させるとき、液体窒素が内部を通過する金属治具により多収納室配列式アルミ均熱板の溶接端を冷却させ、低温冷凍機により低温環境を形成するとき、低温冷凍機に連結される金属治具により多収納室配列式アルミ合金収納部の溶接端を冷却させることを特徴とする請求項6に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項8】
アルゴンアーク溶接をするとき、中空タングステンニードルを用いることによりアルゴンガスは中空タングステンニードルの中空部から流出し、前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの一側に位置しかつ溶接の前進方向に向くか或いは前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの中央に位置することを特徴とする請求項4に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項9】
前記多収納室配列式アルミ均熱板を溶接すると、溶接端は円弧状に形成され、溶接端の各個所の厚さは均一に形成されるか或いは非均一に形成されることを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【請求項10】
前記溶接端の溶接シームは溶接の方向において波浪状に形成されるか或いは重畳するフィッシュスケール状態に形成され、前記溶接端の円弧の直径は前記均熱板の厚さより小さいか或いは大きか或いは等しいことを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均熱板の技術分野に属し、特に、多収納室均熱板の開口溶接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の変相伝熱技術による導熱体を通常、銅導熱管または均熱板という。銅導熱管または均熱板の作動原理は下記のとおりである。銅導熱管または均熱板の一端が加熱されるとき、その内部に注入される導熱媒体(通常、工業用純水またはアセトンを用いる)が加熱によって気化することにより気相流体が形成される。気相流体が内部の溝型構造を通過するとき、溝型構造内の熱量を銅導熱管または均熱板の他端または他の部位に有効に伝導することができる。
【0003】
気相流体が冷却凝固端へ流動するとき、冷却凝固することにより液体を形成し、気体を放出することにより放熱をする。気相流体が内部の毛細構造から受熱端側へ流動するとき、媒体の冷却、凝固および蒸発により銅導熱管または均熱板の導熱、放熱を実施することができるので、微小の通路が形成される多収納室配列式アルミ均熱板をいろいろな分野に用いることができる。その多収納室配列式アルミ均熱板は、構造が簡単であり、導熱性能がよく、金型によって原料を製造することができ、コストが多くかからず、コストパーフォーマンスがよいという利点を有している。
【0004】
図1に示すとおり、従来の均熱板は圧力密閉方法によって密閉されるものであり、材料を変形させることにより開口を密閉状態に密閉するので、均熱板の内部の圧力が高いとき漏出が発生し、密閉端が刃のような形状に形成されるおそれがある。均熱板を曲げるとき密閉端が引き破られることにより漏出が発生するおそれもある。また、実際の応用において、装置が作動するとき振動が発生し、均熱板を振動の環境において長く用いるとき、装置と均熱板が共振することにより密閉端に漏出が発生し、安全性が低下するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は多収納室均熱板の開口溶接方法およびその構造を提供することにより従来の技術の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記技術的事項により前記目的を実現する。
多収納室均熱板の開口溶接方法であって、その方法は、
毛細構造が既に形成されているか或いは毛細構造が形成されない多収納室配列式アルミ均熱板の各収納室の一端を圧縮により密閉させることにより密閉端を形成するステップと、
一端が密閉される多収納室配列式アルミ均熱板の各収納室を真空にした後、各収納室に作動液体を注入するステップと、
作動液体を注入した多収納室配列式アルミ均熱板の注入端を圧縮により密閉させることにより空気が収納室に入ることと作動液体が漏出することを防止するステップと、
注入端が圧縮により密閉される多収納室配列式アルミ均熱板を低温環境に送入することにより収納室内の作動液体を凝固させるステップと、
作動液体を凝固させた後、多収納室配列式アルミ均熱板を真空環境に送入して溶接をすることにより溶接端を形成するステップとを含むことを特徴とする多収納室均熱板の開口溶接方法である。
【0007】
本発明の技術的事項において、前記低温環境の温度は作動液体の凝固温度より低い。前記低温環境の温度は窒素液体により多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させることができる最低の温度である。
【0008】
本発明の技術的事項において、前記真空環境の真空度は10Paより小さい。
【0009】
本発明の技術的事項において、前記溶接方法は、アルゴンアーク溶接、レーザー溶接、プラズマ溶接または冷金属転移溶接である。
【0010】
本発明の技術的事項において、溶接が実施された前記多収納室アルミ均熱板の溶接端の長さは密閉端の長さより短い。
【0011】
本発明の技術的事項において、前記低温環境の形成方法として低温冷凍機を用いるか或いは冷却板を用いることにより前記多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させることができる。
【0012】
本発明の技術的事項において、冷却板により前記多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させるとき、液体窒素が内部を通過する金属治具により多収納室配列式アルミ均熱板の溶接端を冷却させる。低温冷凍機により低温環境を形成するとき、低温冷凍機に連結される金属治具により多収納室配列式アルミ均熱板の溶接端を冷却させる。
【0013】
本発明の技術的事項において、アルゴンアーク溶接をするとき、中空タングステンニードル(Tungsten needle)を用いることによりアルゴンガスは中空タングステンニードルの中空部から流出することができる。前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの一側に位置しかつ溶接の前進方向に向くか或いは前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの中央に位置することがきる。
【0014】
本発明の技術的事項において、前記多収納室配列式アルミ均熱板を溶接すると、溶接端は円弧状に形成され、溶接端の各個所の厚さは均一に形成されるか或いは非均一に形成される。
【0015】
本発明の技術的事項において、前記溶接端の溶接シームは溶接の方向において波浪状に形成されるか或いは重畳するフィッシュスケール状態に形成される。前記溶接端の円弧の直径は前記均熱板の厚さより小さいか或いは大きか或いは等しい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の多収納室均熱板の開口溶接方法において、アルミ合金収納部の両端を圧力により密閉させた後、アルミ合金収納部の密閉端を溶接工程により更に溶接することにより円滑である溶接端を形成し、アルミ合金収納部の密閉端に刃のような構造が形成されることを防止することができる。アルミ合金収納部の密閉端を溶接することにより密閉の強度を更に向上させることができる。多収納室均熱板を曲げるか或いは多収納室均熱板を振動環境において用いるとき、密閉端に漏出が発生することを防止し、均熱板の安全性を向上させることができる。本発明の新しい溶接方法において、液体の作動物質(working substance)を凍結させ、真空環境において液体窒素により冷却させる装置を使用するので、溶接をするとき溶接面が凹入状態になることを防止することができる。それにより溶接後のアルミ均熱板の密閉強度を更に向上させ、無用部分の長さを短くし、製品の安定性と寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来の技術の均熱板の両端が圧力により密閉される構造を示す図である。
図2】本発明の多収納室アルミ均熱板の構造を示す図である。
図3】本発明の多収納室配列式アルミ均熱板の断面構造を示す図である。
図4】本発明の多収納室配列式アルミ均熱板の断面構造を示す図である。
図5】本発明の第一実施例の構造を示す図である。
図6】本発明の第二実施例の構造を示す図である。
図7】本発明の第三実施例の構造を示す図である。
図8】本発明の第四実施例の構造を示す図である。
図9】本発明の溶接前の均熱板の構造を示す図である。
図10】本発明の溶接後の均熱板の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面により本発明をより詳細に説明する。
図2〜4に示すとおり、多収納室アルミ均熱板は内部に作動用液体が注入されている平板状のアルミ合金収納部1を含み、前記アルミ合金収納部1の内部には並列状態に形成される複数の支持部2が形成され、支持部2の両端はアルミ合金収納部1の上内壁と下内壁に当接する。前記アルミ合金収納部1の両端の開口は溶接工程によって密閉され、それによりアルミ合金収納部1の両端には円滑である溶接端3が形成される。
【0019】
図3は均熱板の断面を示す図である。本実施例において、前記アルミ合金収納部1の内壁と/或いは支持部2の表面には毛細構造4がそれぞれ形成されている。
【0020】
図4は均熱板の断面を示す図である。本実施例において、前記毛細構造4は不規則的な千鳥形または規則的な柱形である。
【0021】
<実施例1>
図5に示すとおり、前記溶接端の円弧部の直径は均熱板の厚さより小さい。
【0022】
<実施例2>
図6に示すとおり、前記溶接端3は円弧状であり、溶接端3の各個所の厚さは均一である。
【0023】
<実施例3>
図7に示すとおり、前記溶接端3は円弧状であり、かつ円弧部の直径は均熱板の厚さに接近するか或いは均熱板の厚さより大きい。
【0024】
<実施例4>
図8に示すとおり、前記溶接端3は平板状であり、溶接端3とアルミ合金収納部1が接続される個所には円滑な面取りが形成されている。
【0025】
前記実施例において、前記溶接端の溶接シーム(soldering seam)は溶接の方向において波浪状に形成されるか或いは重畳するフィッシュスケール(fish scale)状態に形成される。
【0026】
常温の状態において、均熱板の内部は負圧状態になっている。一般の溶接方法により均熱板の開口を密閉状態に溶接させるとき、電気アークの高温により材料が熔け、均熱板の内部の負圧により均熱板の開口の材料が内部へ吸引されるので、溶接端に凹部が形成され、平坦な表面を形成することができない。
【0027】
均熱板の溶接端に平坦な表面を形成するため、本発明の実施例において多収納室アルミ均熱板の開口溶接方法を提供する。図9に示すとおり、その方法は下記ステップを含む。
アルミ合金収納部1の原料に対して前処理をし、その前処理は超音波洗浄である。超音波洗浄により原料の表面と収納室の内部の油あかと不純物を除去し、油あかと不純物を除去した後、150℃の温度によりベークアウトをする。
【0028】
毛細構造が既に形成されているか或いは毛細構造が形成されない多収納室配列式アルミ合金収納部1の一端を圧縮により密閉させることにより密閉端を形成した後、アルミ合金収納部1の各収納室に作動液体を注入する。開放されているアルミ均熱板1の他端を圧縮により密閉させることにより空気が各収納室に流入するか或いは作動液体が流出することを防止することができる。それにより図1に示される構造が形成される。前記工程が実施されたアルミ合金収納部1に対して冷却処理を実施し、冷却処理をするため低温環境を形成する必要がある。低温環境を形成する方法は下記2種がある。一つ目の方法において、液体窒素が内部を通過する金属治具5により多収納室配列式アルミ均熱板1の溶接端を冷却させる。金属治具5は液体窒素底部吸熱部51と液体窒素表面吸熱部52を含む。アルミ合金収納部1を固定させるとき、アルミ合金収納部1を液体窒素底部吸熱部51と液体窒素表面吸熱部52との間に固定させた後、溶接装置のブロートーチ(blow torch)6により密閉端の上部を溶接させる。溶接をするとき電流を20〜200Aにし、溶接の速度を50〜500mm/minにする。
【0029】
低温環境を形成する二つ目の方法において、低温冷凍機により低温環境を形成するとき、低温冷凍機に連結される金属治具5により多収納室配列式アルミ合金収納部1の溶接端を冷却させる。それは図10を参照することができる。
【0030】
溶接の品質を向上させるため、低温環境を形成するとき、真空環境を形成する必要もある。真空度を10Pa以下にすることができる。溶接方法として、アルゴンアーク溶接(argon arc welding)、レーザー溶接、プラズマ溶接または冷金属転移溶接(cold metal transfer welding)を用いることができる。アルゴンアーク溶接をするとき、中空タングステンニードル(Tungsten needle)を用いることによりアルゴンガスは中空タングステンニードルの中空部から流出することができる。前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの一側に位置し、溶接の前進方向に向く。前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの中央に位置することもできる。
【0031】
溶接をすることにより図2中のいろいろな構造を有している均熱板が形成される。2つの溶接端の長さは密閉端の長さより短く、溶接端には平坦でありかつ円滑な表面が形成され、刃のような構造が形成されることを防止することができる。それは低温環境により溶接の過程中の大量の熱を吸収することができるからである。すなわち、溶接により均熱板の内部の作動液体が熔けることを防止し、溶接により溶接端に円滑な表面が形成されることを確保し、作動液体による影響を防止し、溶接の品質を確保することができる。
【0032】
以上、本発明の原理、技術的特徴および発明の効果を説明してきたが、前記事項は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記事項にのみ限定されるものでない。すなわち、前記実施例は本発明を説明するものであるが、本発明を限定するものでない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計の変更、改良等をすることができ、それらがあっても本発明に含まれることは勿論である。本発明の範囲は特許請求の範囲が定めたことを基準とする。
【0033】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
毛細構造が既に形成されているか或いは毛細構造が形成されない多収納室配列式アルミ均熱板の各収納室の一端を圧縮により密閉させることにより密閉端を形成するステップと、
一端が密閉される多収納室配列式アルミ均熱板の各収納室を真空にした後、各収納室に作動液体を注入するステップと、
作動液体を注入した多収納室配列式アルミ均熱板の注入端を圧縮により密閉させることにより空気が収納室に入ることと作動液体が漏出することを防止するステップと、
注入端が圧縮により密閉される多収納室配列式アルミ均熱板を低温環境に送入することにより収納室内の作動液体を凝固させるステップと、
作動液体を凝固させた後、多収納室配列式アルミ均熱板を真空環境に送入して溶接をすることにより溶接端を形成するステップとを含む、多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記2)
前記低温環境の温度は作動液体の凝固温度より低く、前記低温環境の温度は窒素液体により多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させることができる最低の温度であることを特徴とする請求項1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記3)
前記真空環境の真空度は10Paより小さい付記1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記4)
前記溶接方法は、アルゴンアーク溶接、レーザー溶接、プラズマ溶接または冷金属転移溶接である付記1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記5)
溶接が実施された前記多収納室アルミ均熱板の溶接端の長さは密閉端の長さより短い付記1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記6)
前記低温環境の形成方法として低温冷凍機を用いるか或いは冷却板を用いることにより前記多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させる付記2に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記7)
冷却板により前記多収納室配列式アルミ均熱板を冷却させるとき、液体窒素が内部を通過する金属治具により多収納室配列式アルミ均熱板の溶接端を冷却させ、低温冷凍機により低温環境を形成するとき、低温冷凍機に連結される金属治具により多収納室配列式アルミ合金収納部の溶接端を冷却させる付記6に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記8)
アルゴンアーク溶接をするとき、中空タングステンニードルを用いることによりアルゴンガスは中空タングステンニードルの中空部から流出し、前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの一側に位置しかつ溶接の前進方向に向くか或いは前記中空タングステンニードルの中空部はタングステンニードルの中央に位置する付記4に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記9)
前記多収納室配列式アルミ均熱板を溶接すると、溶接端は円弧状に形成され、溶接端の各個所の厚さは均一に形成されるか或いは非均一に形成される付記1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
(付記10)
前記溶接端の溶接シームは溶接の方向において波浪状に形成されるか或いは重畳するフィッシュスケール状態に形成され、前記溶接端の円弧の直径は前記均熱板の厚さより小さいか或いは大きか或いは等しい付記1に記載の多収納室均熱板の開口溶接方法。
【符号の説明】
【0034】
1 アルミ合金収納部、
11 密閉端、
2 支持部、
3 溶接端、
4 毛細構造、
5 金属治具、
51 液体窒素底部吸熱部、
52 液体窒素表面吸熱部、
6 ブロートーチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10