特開2021-108079(P2021-108079A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
特開2021-108079資源管理システム、資源管理方法及びプログラム
<>
  • 特開2021108079-資源管理システム、資源管理方法及びプログラム 図000003
  • 特開2021108079-資源管理システム、資源管理方法及びプログラム 図000004
  • 特開2021108079-資源管理システム、資源管理方法及びプログラム 図000005
  • 特開2021108079-資源管理システム、資源管理方法及びプログラム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-108079(P2021-108079A)
(43)【公開日】2021年7月29日
(54)【発明の名称】資源管理システム、資源管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20210702BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210702BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20210702BHJP
【FI】
   G06Q10/06
   G06Q50/10
   G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-239866(P2019-239866)
(22)【出願日】2019年12月27日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白倉 裕二郎
(72)【発明者】
【氏名】福原 真煕
(72)【発明者】
【氏名】尾上 圭介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の対象施設での資源の使用状況を管理する資源管理システム、資源管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】資源管理システム10は、複数の対象施設F1での資源の使用状況を管理する。資源管理システム10は、複数の対象施設F1の各々の資源使用量に関する第1値を取得する第1取得部11と、複数の対象施設F1の各々の経済活動量に関する第2値を取得する第2取得部12と、複数の対象施設F1の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位を求める演算部13とを備える。演算部13は、複数の対象施設F1について共通の条件で原単位を求める。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象施設での資源の使用状況を管理する資源管理システムであって、
前記複数の対象施設の各々の資源使用量に関する第1値を取得する第1取得部と、
前記複数の対象施設の各々の経済活動量に関する第2値を取得する第2取得部と、
前記複数の対象施設の各々について、前記第1値及び前記第2値を用いて前記資源の使用量に関する原単位を求める演算部と、を備え、
前記演算部は、前記複数の対象施設について共通の条件で前記原単位を求める、
資源管理システム。
【請求項2】
前記複数の対象施設の各々において前記原単位の目標とする目標値を出力する目標出力部を更に備える、
請求項1に記載の資源管理システム。
【請求項3】
前記目標値は、前記複数の対象施設の間での前記原単位の差が小さくなるように設定される、
請求項2に記載の資源管理システム。
【請求項4】
前記目標値は、前記複数の対象施設のうちの少なくとも2つの対象施設においては前記原単位が同一となるように設定される、
請求項3に記載の資源管理システム。
【請求項5】
前記目標値は、少なくとも前記複数の対象施設の中での前記原単位の最大値よりも小さな値に設定される、
請求項2〜4のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項6】
指定値を取得する第3取得部を更に備え、
前記目標値は、前記指定値に応じて決まる、
請求項2〜5のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項7】
前記指定値を決定する目標決定部を更に備える、
請求項6に記載の資源管理システム。
【請求項8】
前記目標値は、期間ごとに設定される、
請求項2〜7のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項9】
前記目標値に従って前記複数の対象施設の各々の機器を制御する制御部を更に備える、
請求項2〜8のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項10】
前記第2値は、時間経過に伴って変化する変動値を含む、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項11】
前記変動値は、売上に関する値を含む、
請求項10に記載の資源管理システム。
【請求項12】
前記変動値は、前記複数の対象施設の各々の利用人数に関する値を含む、
請求項10又は11に記載の資源管理システム。
【請求項13】
前記変動値は、前記利用人数に含まれる人の属性に応じた重み係数を含んでいる、
請求項12に記載の資源管理システム。
【請求項14】
前記第2値は、時間経過に対して不変である固定値を含む、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項15】
前記原単位に関する通知情報を前記複数の対象施設の各々の管理者に通知する通知部を更に備える、
請求項1〜14のいずれか1項に記載の資源管理システム。
【請求項16】
複数の対象施設での資源の使用状況を管理する資源管理方法であって、
前記複数の対象施設の各々の資源使用量に関する第1値を取得する第1取得処理と、
前記複数の対象施設の各々の経済活動量に関する第2値を取得する第2取得処理と、
前記複数の対象施設の各々について、前記第1値及び前記第2値を用いて前記資源の使用量に関する原単位を求める演算処理と、を有し、
前記演算処理では、前記複数の対象施設について共通の条件で前記原単位を求める、
資源管理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の資源管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に資源管理システム、資源管理方法及びプログラムに関し、より詳細には、複数の対象施設での資源の使用状況を管理する資源管理システム、資源管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗の消費電力又は店舗に設置された電気機器の消費電力を取得し、取得した消費電力情報に基づいて消費電力低減を目的とした報知又は電気機器の運転制御を行う電力管理サーバが記載されている。
【0003】
この電力管理サーバは、店舗でのPOS情報を取得し、POS情報及び消費電力情報を互いに関連付けして、店舗ごとに記憶装置に記憶する。そして、電力管理サーバは、店舗ごとに、記憶装置に記憶されている過去のPOS情報と消費電力情報との関連性に基づき、逐次取得されるPOS情報から店舗での以後の消費電力を予想する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−168675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の構成では、店舗ごとに、報知又は電気機器の制御が行われるだけであって、複数の対象施設(店舗)での資源(電力)の使用状況の管理用途には不向きである。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、複数の対象施設での資源の使用状況を管理しやすくなる資源管理システム、資源管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る資源管理システムは、複数の対象施設での資源の使用状況を管理するシステムである。前記資源管理システムは、第1取得部と、第2取得部と、演算部と、を備える。前記第1取得部は、前記複数の対象施設の各々の資源使用量に関する第1値を取得する。前記第2取得部は、前記複数の対象施設の各々の経済活動量に関する第2値を取得する。前記演算部は、前記複数の対象施設の各々について、前記第1値及び前記第2値を用いて前記資源の使用量に関する原単位を求める。前記演算部は、前記複数の対象施設について共通の条件で前記原単位を求める。
【0008】
本開示の一態様に係る資源管理方法は、複数の対象施設での資源の使用状況を管理する方法である。前記資源管理方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、演算処理と、を有する。前記第1取得処理にて、前記複数の対象施設の各々の資源使用量に関する第1値を取得する。前記第2取得処理にて、前記複数の対象施設の各々の経済活動量に関する第2値を取得する。前記演算処理にて、前記複数の対象施設の各々について、前記第1値及び前記第2値を用いて前記資源の使用量に関する原単位を求める。前記演算処理では、前記複数の対象施設について共通の条件で前記原単位を求める。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記資源管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、複数の対象施設での資源の使用状況の管理を管理しやすくなる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係る資源管理システムの構成を示す概略ブロック図である。
図2図2は、同上の資源管理システムの使用例を示す概略説明図である。
図3図3は、同上の資源管理システムの動作例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態2に係る資源管理システムの使用例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
以下、本実施形態に係る資源管理システム10(図1参照)、資源管理方法及びプログラムについて、図1図3を参照して説明する。
【0013】
(1)概要
本実施形態に係る資源管理システム10は、図1に示すように、複数の対象施設F1での資源の使用状況を管理するシステムである。複数の対象施設F1の各々は、例えば、電力(電気エネルギー)、ガス及び水道水等の「資源」を使用(消費)する施設であって、一例として、店舗又はオフィス等の施設である。
【0014】
このような複数の対象施設F1にあっては、一般的に、資源の使用状況は一様ではなく千差万別である。例えば、対象施設F1が店舗である場合、対象施設F1(店舗)の規模又は営業時間等によっても、資源の使用状況は比較的大きくばらつくことがある。そこで、本実施形態に係る資源管理システム10は、このような複数の対象施設F1の資源の使用状況の管理に適した構成を採用する。
【0015】
すなわち、本実施形態に係る資源管理システム10は、複数の対象施設F1での資源の使用状況を管理するシステムであって、図1に示すように、第1取得部11と、第2取得部12と、演算部13と、を備えている。第1取得部11は、複数の対象施設F1の各々の資源使用量に関する第1値を取得する。第2取得部12は、複数の対象施設F1の各々の経済活動量に関する第2値を取得する。演算部13は、複数の対象施設F1の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位D3(図2参照)を求める。演算部13は、複数の対象施設F1について共通の条件で原単位D3を求める。
【0016】
この態様によれば、複数の対象施設F1での資源の使用状況を、資源管理システム10で一元管理することが可能である。ここで、演算部13では、複数の対象施設F1の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位D3を求めるので、複数の対象施設F1における資源の使用状況を、資源の使用量に関する原単位D3にて、管理することが可能である。しかも、原単位D3は、複数の対象施設F1について共通の条件で求められるため、複数の対象施設F1における資源の使用状況を、原単位D3として、比較可能な状態で管理することが可能である。その結果、複数の対象施設F1での資源の使用状況を管理しやすくなる、という利点がある。
【0017】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る資源管理システム10について、図1及び図2を参照して詳しく説明する。
【0018】
(2.1)前提
本開示でいう「資源」は、電力(電気エネルギー)、ガス及び水道水等の、対象施設F1にて使用(消費)される資源を意味する。対象施設F1で消費される「資源」には、例えば、電気錠、自動扉、電動シャッタ又はエスカレータ等のように対象施設F1の一部で消費される資源だけでなく、対象施設F1で使用される機器で消費される資源も含む。本実施形態では一例として、「資源」が電力である場合について説明する。より詳細には、資源としての電力には、電力系統から供給される電力、及び対象施設F1に設置された分散電源(例えば、太陽光発電設備、蓄電設備又は風力発電設備)から出力される電力を含む。
【0019】
本開示でいう「原単位」は、資源の使用量に関する原単位D3、つまり、一定量の成果物(生産物等)を生み出すために使用される資源の量を意味する。例えば、対象施設F1における一定期間の資源使用量を、同じ期間の経済活動量で除した値が、原単位D3となる。ここでいう「経済活動量」とは、対象施設F1の活動の程度、又は対象施設F1に存在する人若しくは機器の活動の程度を表す値であって、一例として、対象施設F1の売上、利用人数、延べ床面積等が含まれる。特に、本実施形態では「資源」が電力(電気エネルギー)であるので、「原単位」は、エネルギー(電気エネルギー)についての原単位D3、つまり、エネルギー原単位(Energy Intensity)である。
【0020】
本開示でいう「施設」は、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設を含む。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。さらには、本開示でいう「施設」には、建物(建造物)だけでなく、球場、庭、駐車場、グランド及び公園等の屋外施設を含む。
【0021】
特に、資源管理システム10の管理対象である複数の対象施設F1は、互いに関連性のある施設である。一例として、複数の対象施設F1の各々が店舗であれば、複数の対象施設F1は、同一チェーンの店舗である等の関連性を持つ。本実施形態では一例として、対象施設F1は、顧客に対して商品又はサービスを提供する店舗であって、中でも、ファミリーレストラン又はファストフード店のように、主として飲食物を提供する飲食店であることとする。より具体的には、複数の対象施設F1は、コーポレートチェーン(レギュラーチェーン)又はフランチャイズチェーンのようにチェーン展開されている複数の飲食店であることと仮定する。
【0022】
このような複数の対象施設F1に対しては、管理者として、複数の対象施設F1を統括的に管理するチェーン本部等の統括管理者U1(図2参照)、及び複数の対象施設F1をそれぞれ管理する店舗責任者等の個別管理者U2(図2参照)が存在する。すなわち、統括管理者U1は、複数の対象施設F1に対応付けて少なくとも1人存在し、複数の対象施設F1全てにおける資源の使用状況等についての報告を受ける立場にある。一方、個別管理者U2は、1つの対象施設F1に対応付けて少なくとも1人存在し、対応する対象施設F1における資源の使用状況等についての報告を受ける立場にある。つまり、複数の対象施設F1に対しては、複数の個別管理者U2が存在する。ここで、統括管理者U1及び複数の個別管理者U2の各々は、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。本実施形態では一例として、統括管理者U1及び複数の個別管理者U2の各々が、個人である場合を想定する。
【0023】
本開示でいう「第1値」は、各対象施設F1の資源使用量に関する値であって、対象期間における資源使用量そのもの、及び対象期間における資源使用量に適宜の係数をかけた値等を含む。本実施形態では、資源は電力であるので、第1値は、例えば、対象期間における電力使用量、又は対象期間における電力使用量に応じた電気料金等である。
【0024】
また、本開示でいう「第2値」は、各対象施設F1の経済活動量に関する値であって、対象期間における経済活動量そのもの、及び対象期間における経済活動量に適宜の係数をかけた値等を含む。本実施形態では、対象施設F1は店舗(飲食店)であるので、第2値は、例えば、対象期間における対象施設F1での売上に関する値等である。
【0025】
本開示でいう「売上に関する値」は、売上そのもの、及び売上に関連する適宜の値を含み、例えば、売上、客数、客単価、LTV(Life Time Value)、又は利益(粗利及び営業利益等を含む)等を含む。ここでいう「客数」は、対象施設F1を利用して対価を支払った顧客の数(利用客数)であってもよいし、対象施設F1に来ただけの顧客も含めた顧客の数(来客数)であってもよい。さらに、利用客数のカウントの仕方としては、1人の顧客が複数回、例えば2回に分けて会計した場合に、客数を「2」とカウントしてもよいし、客数を「1」とカウントしてもよい。ここでいう「LTV(Life Time Value)」は、サービスの提供を受ける顧客が、サービスに対する対価として所定期間(Life Time)に支払う対価を意味する。ここでいう「利益」は、対象施設F1における売上に関係する利益全般を意味し、例えば、粗利(売上総利益)、営業利益、経営利益、税引前当期純利益、及び税引後当期純利益等を含む。
【0026】
本開示でいう「対象期間」は、原単位D3の算出対象となる期間であって、例えば、1時間、6時間、12時間、1日、1週間、2週間、1ヵ月、3ヵ月、半年又は1年等のように、所定の長さの期間である。本実施形態では一例として、対象期間は、月初め(1日)から月末までの期間である1ヵ月であることとする。
【0027】
本開示でいう「条件」は、演算部13での原単位D3の求め方を規定するルールを意味し、例えば、演算部13が原単位D3を求める際に使用する演算式及びアルゴリズムを意味する。つまり、演算部13が複数の対象施設F1について共通の条件で原単位D3を求めることで、演算部13は複数の対象施設F1について、同一の演算式及びアルゴリズムを用いて、原単位D3を求めることになる。これにより、複数の対象施設F1について、正規化(標準化)された原単位D3がそれぞれ求まることとなり、例えば、複数の対象施設F1間において、原単位D3同士を比較することが容易になる。
【0028】
本開示でいう「管理」は、監視と制御との少なくとも一方を意味する。つまり、資源の使用状況の管理は、資源の使用状況の監視のみ、資源の使用状況に係る機器の制御のみ、又はその両方(監視及び制御)を意味する。本実施形態では一例として、資源管理システム10では、資源の使用状況の監視と制御(資源の使用状況に係る機器)との両方を、資源の使用状況の管理として実施する場合を想定する。
【0029】
本開示でいう「機器」は、対象施設F1で使用され、かつ資源を使用(消費)する種々の機器(据置型又は可搬型の設備、装置及びシステム等を含む)である。本実施形態では、資源は電力であるので、機器は、電力系統又は分散電源等からの電力供給を受けて動作する電気機器である。具体的には、機器は、設備機器又は家電機器等である。設備機器の例としては、パッケージエアコン(空調設備)、照明設備(ベースライト及びスポットライト等を含む)、蓄電設備、厨房設備(IHヒータ及び食器洗浄器等を含む)、入退室管理機器、コピー機及びファクシミリ等がある。さらに、例えば、給湯設備(エコキュート(登録商標)等を含む)、電動シャッタ、換気扇、24時間換気システム等の住設機器も設備機器に含まれる。家電機器の例としては、テレビ受像機、照明機器(シーリングライト等を含む)及び録画再生機(HDD付DVDレコーダ及び外付けHDD等を含む)等がある。さらに、例えば、洗濯機、冷蔵庫、空調機器、空気清浄機、パーソナルコンピュータ、スマートスピーカ及びコンピュータゲーム機等も家電機器に含まれる。
【0030】
(2.2)全体構成
まず、本実施形態に係る資源管理システム10を含む全体の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2では、資源管理システム10の管理対象となる複数の対象施設F1のうち、1つの対象施設F1についてのみ、機器6及びサブシステム7等の詳細を図示しているが、他の対象施設F1についても同様の構成であることとする。
【0031】
本実施形態に係る資源管理システム10は、図1に示すように、上位システム1と、下位システム3と、を備えている。上位システム1は、インターネット等のネットワークNT1に接続された、クラウド(クラウドコンピューティング)又はサーバ装置にて実現される。下位システム3は、複数の対象施設F1の各々に設置されており、ゲートウェイ(図1では「GW」と表記)41を介してネットワークNT1に接続された、エネルギーマネジメント用のコントローラにて実現される。エネルギーマネジメント用のコントローラからなる下位システム3は、下位システム3に接続される機器6を管理する機能を有している。本実施形態では、下位システム3は、機器6の制御と監視との両方を実行する。
【0032】
すなわち、本実施形態に係る資源管理システム10は、1つの上位システム1と、複数の対象施設F1にそれぞれ設けられた複数の下位システム3と、を備えている。ここで、上位システム1等の「上位」、及び下位システム3等の「下位」は、単に、両者を区別するためのラベルとして用いているのであって、各々の地位及び順位等を特定する意味ではない。
【0033】
また、複数の対象施設F1の各々には、1以上の機器6、及び1以上のサブシステム7が設置されている。
【0034】
機器6は、上述したように、対象施設F1で使用され、かつ資源を使用(消費)する種々の機器(据置型又は可搬型の設備、装置及びシステム等を含む)であって、ここでは1つの対象施設F1に対して複数設けられている。図1及び図2では、機器6の例として、空調設備からなる機器61、及び照明設備からなる機器62を示している。これらの機器61,62を特に区別しない場合には、各機器61,62を単に「機器6」という。機器6は、下位システム3に接続されている。
【0035】
サブシステム7は、対象施設F1の経済活動量を監視する機能を有するシステムであって、ここでは1つの対象施設F1に対して複数設けられている。図1及び図2では、サブシステム7の例として、POS(Point Of Sales)システムからなるサブシステム71、及びセンサシステムからなるサブシステム72を示している。ここでいう「センサシステム」は、カメラ(イメージセンサ)、及び人感センサ等の種々のセンサを含むシステムであって、例えば、対象施設F1内に存在する顧客の数(客数)等を検知する。これらのサブシステム71,72を特に区別しない場合には、各サブシステム71,72を単に「サブシステム7」という。サブシステム7は、ゲートウェイ41を介してネットワークNT1に接続される。
【0036】
さらに、ネットワークNT1には、統括端末4、及び複数の個別端末5等が接続される。統括端末4は、チェーン本部等の統括管理者U1が使用する情報端末である。個別端末5は、店舗責任者等の個別管理者U2が使用する情報端末である。統括端末4及び個別端末5等の情報端末は、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等で実現される。
【0037】
上述した構成によれば、上位システム1、各下位システム3、統括端末4、各個別端末5及び各サブシステム7は、互いに通信可能な状態となる。本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継器(ゲートウェイ41を含む)等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。すなわち、例えば、上位システム1と各下位システム3とは、互いに情報を授受することができる。上位システム1、各下位システム3、統括端末4、各個別端末5、及び各サブシステム7の各々は、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介してネットワークNT1に接続されてもよい。
【0038】
本実施形態では、資源管理システム10を構成する上位システム1及び下位システム3の各々は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、上位システム1及び下位システム3の各々の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、統括端末4及び個別端末5等についても同様に、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを含むコンピュータシステムを主構成とする。
【0039】
(2.3)資源管理システム
次に、本実施形態に係る資源管理システム10の構成について、図1及び図2を参照して、より詳細に説明する。
【0040】
本実施形態では、上述したように、資源管理システム10は、上位システム1と、複数の下位システム3と、を備えている。言い換えれば、資源管理システム10の構成要素は、上位システム1と複数の下位システム3とに分散して設けられている。
【0041】
上位システム1は、第1取得部11と、第2取得部12と、演算部13と、第3取得部14と、目標出力部15と、目標決定部16と、入力部17と、通知部18と、記憶部19と、通信部20と、第1前処理部21と、第2前処理部22と、を有している。下位システム3は、制御部31と、計測部32と、を有している。すなわち、資源管理システム10は、第1取得部11、第2取得部12及び演算部13に加えて、第3取得部14、目標出力部15、目標決定部16、入力部17、通知部18、記憶部19、通信部20、第1前処理部21及び第2前処理部22を更に備えている。また、資源管理システム10は、制御部31及び計測部32を更に備えている。
【0042】
本実施形態では、上述したように、資源管理システム10(上位システム1及び下位システム3)は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。そのため、資源管理システム10のうち、記憶部19及び通信部20以外の機能(第1取得部11、第2取得部12及び演算部13等)は、1以上のプロセッサがプログラムを実行することによって具現化される。
【0043】
第1取得部11は、上述したように、複数の対象施設F1の各々の資源使用量に関する第1値を取得する。ここで、第1値は、各対象施設F1の資源使用量としての電力使用量D1(図2参照)に対して、第1前処理部21にて前処理が施された値である。本実施形態では一例として、第1値は、対象期間について集計された対象施設F1での電力使用量D1である。ここでは、第1取得部11は、資源管理システム10(上位システム1)の内部処理として、(第1前処理部21から)第1値を取得するが、第1値の取得の態様は、これに限らず、例えば、資源管理システム10の外部から第1値を取得してもよい。
【0044】
第2取得部12は、上述したように、複数の対象施設F1の各々の経済活動量に関する第2値を取得する。ここで、第2値は、各対象施設F1の経済活動量としての売上・客数D2(図2参照)に対して、第2前処理部22にて前処理が施された値である。本実施形態では一例として、第2値は、対象期間について集計された対象施設F1での売上・客数D2である。本開示において「売上・客数D2」と表記する場合、「売上」又は「客数」を意味しており、特に、断りがない限り「売上」を意味することとする。ここでは、第2取得部12は、資源管理システム10(上位システム1)の内部処理として、(第2前処理部22から)第2値を取得するが、第2値の取得の態様は、これに限らず、例えば、資源管理システム10の外部から第2値を取得してもよい。
【0045】
演算部13は、上述したように、複数の対象施設F1の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位D3を求める。ここで、演算部13は、複数の対象施設F1について、共通の条件、つまり同一の演算式及びアルゴリズムを用いて、原単位D3を求める。そのため、演算部13では、複数の対象施設F1について、正規化(標準化)された原単位D3がそれぞれ求まることになる。
【0046】
第3取得部14は、指定値D4(図2参照)を取得する。ここで、指定値D4は、後述する「目標値」を決めるための値である。ここでは、第3取得部14は、資源管理システム10(上位システム1)の内部処理として、(目標決定部16又は入力部17から)指定値D4を取得するが、これに限らず、例えば、資源管理システム10の外部から指定値D4を取得してもよい。
【0047】
目標出力部15は、目標値D5(図2参照)を出力する。目標値D5は、複数の対象施設F1の各々において原単位の目標とする値である。すなわち、目標値D5は、各対象施設F1において、原単位についての目標とすべき値であって、原単位と同じ形式(単位)で表される。ここで、目標値D5は、指定値D4に応じて決まる。本実施形態では、指定値D4は第3取得部14にて取得される値であるので、目標値D5は、第3取得部14で取得された値(指定値D4)に応じて決まることになる。
【0048】
目標決定部16は、指定値D4を決定する。つまり、目標決定部16は、資源管理システム10(上位システム1)の内部処理として、適当な指定値D4を自動的に決定する。目標決定部16で決定された指定値D4は、第3取得部14に入力される。
【0049】
入力部17は、資源管理システム10の外部から指定値D4の入力を受け付ける。具体的には、入力部17は、通信部20での統括端末4との通信によって統括端末4から上位システム1に送信される指定値D4の入力を受け付ける。つまり、入力部17は、例えば、統括管理者U1が統括端末4を操作して手動で指定した指定値D4の入力を受け付ける。入力部17で受け付けられた指定値D4は、第3取得部14に入力される。
【0050】
通知部18は、原単位に関する通知情報D6を、複数の対象施設F1の各々の管理者(個別管理者U2)に通知する。ここでいう「通知情報」は、原単位D3に関する情報であればよく、原単位D3そのもの、及び原単位D3に適宜の係数をかけた値等を含む。また、原単位D3について設定された目標値D5、及び目標値D5に基づく節電(省エネ)協力依頼等についても、通知情報D6に含まれる。ここで、通知部18が行う通知の態様には、例えば、個別管理者U2が使用する個別端末5へのデータの送信、表示、音声出力、非一時的記録媒体への記録(書き込み)及び印刷(プリントアウト)等が含まれる。
【0051】
記憶部19は、例えば、演算部13で求められた原単位D3等の様々なデータ等を記憶する。また、記憶部19は、第1取得部11、第2取得部12及び演算部13等での演算処理に必要な情報等を更に記憶する。記憶部19は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。
【0052】
通信部20は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、ネットワークNT1に接続されている。通信部20は、ネットワークNT1に接続されている各下位システム3、統括端末4、各個別端末5及び各サブシステム7との通信機能を有している。これにより、上位システム1は、ネットワークNT1に接続されている各下位システム3、統括端末4、各個別端末5及び各サブシステム7等との間で、通信可能となる。
【0053】
第1前処理部21は、第1取得部11で取得されるデータ(第1値)に対して前処理を実行する。本実施形態では一例として、第1前処理部21は、各対象施設F1の資源使用量としての電力使用量D1を対象期間ごとに集計(積算)することによって、第1値を生成する。本実施形態では、対象期間は月初めから月末までの1ヵ月であるので、例えば、各対象施設F1の電力使用量D1が1時間ごとに上位システム1で収集される場合、第1前処理部21は、電力使用量D1を1ヵ月分集計して第1値を生成する。
【0054】
第2前処理部22は、第2取得部12で取得されるデータ(第2値)に対して前処理を実行する。本実施形態では一例として、第2前処理部22は、各対象施設F1の経済活動量としての売上・客数D2を対象期間ごとに集計(積算)することによって、第2値を生成する。本実施形態では、対象期間は月初めから月末までの1ヵ月であるので、例えば、各対象施設F1の売上・客数D2が1時間ごとに上位システム1で収集される場合、第2前処理部22は、売上・客数D2を1ヵ月分集計して第2値を生成する。
【0055】
制御部31は、目標値D5に従って複数の対象施設F1の各々の機器6を制御する。
制御部31が行う機器6の制御は、機器6の(通電の)オン/オフの切り替えを含み、更に、機器6の機能に応じた詳細な制御を含み得る。一例として、空調設備からなる機器61については、制御部31は、運転/停止の切り替え、設定温度の調節、及び風量の調節等の制御を行う。他の例として、照明設備からなる機器62については、制御部31は、点灯/消灯の切り替え、調光レベルの調節、及び発光色の調節等の制御を行う。本実施形態では、制御部31は、下位システム3の一機能として、複数の対象施設F1の各々に設けられている。
【0056】
ここで、制御部31は、目標値D5が設定(入力)されることにより、この目標値D5に従って、機器6の制御内容を決定する。例えば、対象施設F1の当月の原単位が、目標値D5として規定される原単位を超えないように、制御部31は、機器6の制御のスケジュールを決定し、このスケジュールに従って機器6を制御する。
【0057】
計測部32は、複数の対象施設F1の各々の資源使用量を計測する。本実施形態では、資源使用量は電力使用量D1であるので、計測部32は、電力使用量D1の計測を行う。計測部32は、例えば、機器6の動作状況(稼働時間等を含む)を監視することによって、資源使用量としての電力使用量D1を計測する。計測部32は、変流器(カレントトランス)、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子又はシャント抵抗等のセンサを用いた電流計測器を用いて、対象施設F1での電力の使用量を計測してもよい。本実施形態では、計測部32は、下位システム3の一機能として、複数の対象施設F1の各々に設けられている。
【0058】
以上説明した資源管理システム10の各部の動作の詳細については、「(3)動作」の欄で説明する。
【0059】
また、資源管理システム10は、上記構成に加えて、例えば、ユーザインタフェース等を更に備えていてもよい。ただし、ユーザインタフェース等は、資源管理システム10に必須の構成ではない。
【0060】
ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネルディスプレイを含み、ユーザの操作の受け付けと、ユーザへの情報の提示(表示)を行う。ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ、又はジェスチャセンサ等の入力装置を有していてもよい。また、ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに代えて、又はタッチパネルディスプレイと共に、音声入出力部を有していてもよい。
【0061】
(3)動作
次に、本実施形態に係る資源管理システム10の動作、つまり、本実施形態に係る資源管理方法について、図2及び図3を参照して詳しく説明する。
【0062】
(3.1)全体動作
まず、本実施形態に係る資源管理システム10の全体動作について説明する。図3は、資源管理システム10の動作の一例、つまり、資源管理方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、資源管理システム10の管理対象となる対象施設F1の数が「N」である場合に、これら複数(N個)の対象施設F1の各々について、原単位D3を求め、目標値D5を設定し、機器6を制御する、一連の流れについて説明する。
【0063】
図3に示すように、資源管理システム10は、まずは変数nを「1」に設定し(S1)、n番目の対象施設F1について、第1取得部11にて、対象期間(1ヵ月)分の電力使用量D1の積算値を第1値として取得する(S2)。ここで、資源使用量としての電力使用量D1は、図2に示すように、対象施設F1の下位システム3(計測部32)にて計測され、下位システム3から上位システム1へと通信により送信される。
【0064】
さらに、資源管理システム10は、n番目の対象施設F1について、第2取得部12にて、対象期間(1ヵ月)分の売上・客数D2の積算値を第2値として取得する(S3)。ここで、経済活動量としての売上・客数D2は、図2に示すように、対象施設F1のサブシステム7にて計測され、サブシステム7から上位システム1へと通信により送信される。
【0065】
そして、資源管理システム10は、n番目の対象施設F1について、演算部13にて、第1値及び第2値を用いて資源(ここでは電力)の使用量に関する原単位D3を演算により求める(S4)。このとき、演算部13は、複数の対象施設F1について、共通の条件、つまり同一の演算式及びアルゴリズムを用いて、原単位D3を演算する。求められた原単位D3は、対象施設F1ごと、かつ対象期間(1ヵ月)ごとに区分されて、記憶部19に記憶される。原単位D3を求めるための処理については、「(3.2)原単位の演算」の欄で詳しく説明する。
【0066】
その後、資源管理システム10は、変数nが「N」(Nは管理対象となる対象施設F1の数)に達したか否かを判定することで、複数の対象施設F1の全てについての原単位D3の演算が完了したか否かを判定する(S5)。変数nが「N」未満であれば(S5:No)、資源管理システム10は、変数nをインクリメントし(S6)、処理S2に戻る。
【0067】
上述した処理S2〜S6が、複数の対象施設F1の全てについて実行されることで、記憶部19には、複数の対象施設F1の全てについて、対象期間における電力の使用量に関しての原単位D3が記憶される。記憶部19に記憶された原単位D3は、対象施設F1ごと、かつ対象期間(1ヵ月)ごとに区分されているので、対象施設F1及び対象期間が指定されれば一意に特定可能である。一例として、「ABC駅前店」という対象施設F1を特定するための情報、及び「2018年12月」という対象期間を特定するための情報が指定されれば、「ABC駅前店」における「2018年12月」の原単位が特定される。
【0068】
複数の対象施設F1の全てについての原単位D3の演算が完了して変数nが「N」に達すると(S5:Yes)、資源管理システム10は、原単位D3の出力を行う(S7)。このとき、資源管理システム10は、例えば、図2に示すように、統括管理者U1の統括端末4に対して、原単位D3を通信により送信(出力)する。ここで、出力される原単位D3は、一例として、複数の対象施設F1の全てについての、対象期間における電力の使用量に関しての原単位D3であって、対象施設F1ごと、かつ対象期間ごとに区分されたリスト形式で送信される。ただし、原単位D3の出力の態様は、リスト形式に限らず、例えば、統括管理者U1が統括端末4を操作することによって対象施設F1及び対象期間を指定することで、所望の原単位D3のみが出力されてもよい。
【0069】
次に、資源管理システム10は、入力部17にて指定値D4の入力を受け付けたか否かを判定する(S8)。ここで、例えば、統括管理者U1が統括端末4を操作して指定値D4を入力すると、この指定値D4は、図2に示すように、統括端末4から上位システム1へと通信により送信され、入力部17が指定値D4の入力を受け付けることになる。
【0070】
入力部17にて指定値D4の入力を受け付けていなければ(S8:No)、資源管理システム10は、目標決定部16にて指定値D4を決定し(S9)、決定された指定値D4を第3取得部14にて取得する(S10)。入力部17にて指定値D4の入力を受け付けていれば(S8:Yes)、資源管理システム10は、処理S9をスキップして、入力された指定値D4を第3取得部14にて取得する(S10)。そして、資源管理システム10は、第3取得部14で取得された指定値D4に応じて、目標出力部15にて、複数の対象施設F1の各々において原単位の目標とする目標値D5を設定し、目標値D5を出力する(S11)。ここで、目標出力部15にて出力される目標値D5は、図2に示すように、上位システム1から各対象施設F1の下位システム3へと通信により送信(出力)される。
【0071】
すなわち、本実施形態では、第3取得部14にて取得される指定値D4、つまり目標値D5の設定に適用される指定値D4は、目標決定部16及び入力部17の2つの手段で取得され得る。言い換えれば、第3取得部14は、例えば、入力部17にて入力が受け付けられた指定値D4、つまり統括端末4から上位システム1に送信される指定値D4と、目標決定部16にて決定される指定値D4と、のいずれかを「指定値」として取得する。本実施形態では一例として、入力部17にて入力が受け付けられた指定値D4を、目標決定部16にて決定される指定値D4よりも優先的に、目標値D5の設定に適用する。そのため、図2に例示するように、統括端末4から上位システム1に指定値D4が送信され、入力部17に指定値D4の入力があった場合には、その指定値D4を目標値D5の設定に適用する。一方、入力部17に指定値D4の入力がなかった場合には、目標決定部16にて決定される指定値D4を目標値D5の設定に適用する。
【0072】
目標決定部16での指定値D4の決定(S9)を含む、目標値D5の設定(S11)のための処理については、「(3.3)目標値の設定」の欄で詳しく説明する。
【0073】
そして、資源管理システム10は、下位システム3の制御部31にて、目標値D5に従って、機器6の制御内容を決定し、機器6の制御を実行する(S12)。このとき、制御部31は、一例として、対象施設F1の当月の原単位が、目標値D5として規定される原単位を超えないように、機器6の制御のスケジュールを決定し、このスケジュールに従って機器6を制御する。
【0074】
それから、資源管理システム10は、通知部18にて、通知情報D6を、複数の対象施設F1の各々の個別管理者U2に通知する(S13)。具体的には、通知情報D6は、図2に示すように、上位システム1から各対象施設F1の個別管理者U2の個別端末5へと通信により送信される。ここで、通知情報D6は、例えば、各対象施設F1について設定された目標値D5、及び目標値D5に基づく節電(省エネ)協力依頼等の情報を含む。これにより、通知情報D6の通知を受けた個別管理者U2は、個別管理者U2が管理する対象施設F1において、目標値D5に従って機器6が制御されることを知ることができる。
【0075】
ただし、通知部18は、複数の対象施設F1に対応する複数の個別管理者U2の全てに対して通知情報D6を通知することは必須ではなく、複数の個別管理者U2のうちの少なくとも一部の個別管理者U2に対して通知情報D6を通知すればよい。一例として、他の対象施設F1に比較して原単位が相対的に高い対象施設F1の管理者(個別管理者U2)に対してのみ、通知部18が、通知情報を通知してもよい。
【0076】
ところで、本実施形態では、対象期間は月初めから月末までの1ヵ月であるので、少なくとも原単位を求めるための処理(S1〜S7)については、毎月実行される。一方で、目標値D5を設定し、機器6を制御するための処理(S8〜S13)については、対象期間とは切り離して、つまり対象期間とは別の時期に実行される。本実施形態では、対象施設F1として店舗(飲食店)を想定しているので、例えば、前年同月又は前月等の、当月と関連性のある期間を、目標値D5の設定及び機器6の制御を実行する、実践期間とする。
【0077】
図3のフローチャートは、資源管理システム10の動作の一例に過ぎず、処理を適宜省略又は追加してもよいし、処理の順番が適宜変更されていてもよい。
【0078】
(3.2)原単位の演算
次に、本実施形態に係る資源管理システム10の動作のうち、原単位D3の演算に係る動作について、より詳細に説明する。本実施形態では一例として、「売上」及び「客数」のうち、「売上」の積算値が第2値として用いられることとする。
【0079】
本実施形態では、演算部13は、複数の対象施設F1の各々について、資源使用量としての電力使用量D1に基づく第1値と、経済活動量としての売上・客数D2に基づく第2値と、を用いて原単位D3を演算する。具体的には、演算部13は、各対象施設F1について、対象期間の電力使用量D1の積算値である第1値を、同じ対象期間の売上・客数D2(ここでは「売上」)の積算値である第2値にて除した値を、原単位として求める。言い換えれば、演算部13は、対象期間の電力使用量D1に関する第1値を分子とし、対象期間の売上・客数D2(ここでは「売上」)に関する第2値を分母とした演算式によって、原単位D3を算出する。
【0080】
そして、資源管理システム10は、複数の対象施設F1について、共通の条件、つまり同一の演算式及びアルゴリズムを用いて、原単位D3を演算している。そのため、複数の対象施設F1について、電力使用量D1のような資源使用量に関して売上・客数D2のような経済活動量にて正規化(標準化)された原単位D3が、それぞれ求まることとなる。言い換えれば、複数の対象施設F1にあっては、例えば、店舗である対象施設F1の経済活動量(規模又は営業時間等)によって、資源使用量(電力使用量D1)に大きなばらつきが生じ得る。本実施形態では、このような資源使用量(電力使用量D1)を、経済活動量(売上・客数D2)で除するという共通の条件で、原単位D3を求めている。そのため、例えば、複数の対象施設F1について原単位D3同士で比較することによって、経済活動量のばらつきの影響を抑えた状態で、資源使用量(電力使用量D1)についての評価(比較)が可能となる。
【0081】
ところで、本実施形態では、原単位D3の演算に用いられる第2値は、時間経過に伴って変化する変動値を含んでいる。ここでいう「変動値」は、同一の対象施設F1であっても、少なくとも対象期間ごとに変化し得る値である。一例として、「ABC駅前店」という1つの対象施設F1においても、対象期間を「2018年11月」にする場合と「2018年12月」にする場合とでは、基本的に、第2値に含まれる変動値は変化し得る。
【0082】
さらに、本実施形態では、第2値における変動値は、売上に関する値を含んでいる。つまり、原単位D3を求める際の分母となる第2値には、対象施設F1における売上そのもの、又は売上に関連する適宜の値(客数、客単価、LTV又は利益等)が含まれている。このように、変動値としての売上が原単位D3を求める際の分母として用いられることにより、原単位D3を、精度よく求めることが可能である。すなわち、例えば、店舗からなる対象施設F1にあっては、繁忙期であるか閑散期であるかによって、機器6の稼働状況は大きく変化する。にもかかわらず、第2値が、例えば対象施設F1の延べ床面積等の固定値のみからなる場合、対象期間が繁忙期か閑散期かによらず、同じように原単位D3が求められるため、機器6の稼働状況が反映されずに精度の低い原単位D3となる。これに対して、第2値が変動値として売り上げに関する値を含むことで、繁忙期か閑散期かで、原単位D3を求める際の分母が異なることなり、機器6の稼働状況が反映された比較的精度の高い原単位D3となる。
【0083】
ただし、原単位D3の演算に用いられる第2値は変動値のみでなく、時間経過に対して不変である固定値を含んでいてもよい。ここでいう「固定値」は、同一の対象施設F1については、基本的には、対象期間ごとに変化しない値である。一例として、「ABC駅前店」という1つの対象施設F1であれば、対象期間を「2018年11月」にする場合と「2018年12月」にする場合とでは、基本的に、第2値に含まれる固定値は変化しない。第2値に含まれる固定値は、例えば、第2前処理部22にて変動値(売上・客数D2)に付加される。
【0084】
具体的には、第2値に含まれ得る固定値としては、対象期間における延べ床面積、容積、対象施設F1の営業時間、又は導入されている機器6の構成等がある。ここでいう「導入されている機器6の構成」は、一例として、空調設備からなる機器61であれば1台当たり「10」、照明設備からなる機器62であれば1台当たり「1」というように、機器6の種類ごとに決められた指数の合計値にて表される。
【0085】
(3.3)目標値の設定
次に、本実施形態に係る資源管理システム10の動作のうち、目標値D5の設定に係る動作について、より詳細に説明する。
【0086】
ここでは一例として、複数の対象施設F1の各々について、個別に、目標値D5が設定されることと仮定する。つまり、複数の対象施設F1において、目標値D5は一律(均一)ではなく、対象施設F1ごとに目標値D5のばらつきがある。目標値D5は指定値D4に応じて決まる値であるので、指定値D4についても、目標値D5と同様に、複数の対象施設F1の各々について、個別に、設定される。
【0087】
また、目標値D5の設定に適用される指定値D4は、上述したように、目標決定部16及び入力部17の2つの手段で取得され得るが、ここでは主として、目標決定部16が自動的に指定値D4を決定する場合について説明する。つまり、統括管理者U1が統括端末4を操作して指定値D4を入力しなかった場合、以下に説明するように、目標決定部16が自動的に指定値D4を決定することになる。
【0088】
目標決定部16は、演算部13で求められた原単位D3に基づいて、指定値D4を決定する。演算部13で求められた原単位D3は記憶部19に記憶されているので、目標決定部16は、記憶部19に記憶されている原単位D3に基づいて、指定値D4を決定する。ここで、目標決定部16は、複数の対象施設F1について求められた複数の原単位D3に基づいて、各対象施設F1についての指定値D4を決定する。言い換えれば、ある対象施設F1の目標値D5を決める指定値D4は、この対象施設F1の原単位D3だけでなく、他の対象施設F1の原単位D3も用いて決定されることになる。そして、このように決定された指定値D4に応じて、目標値D5が決まる。本実施形態では一例として、目標値D5は指定値D4と同値であることとする。目標決定部16にて自動的に決定された指定値D4が、そのまま目標値D5として使用される。
【0089】
ここにおいて、目標決定部16は、目標値D5が以下の3つの設定条件の少なくとも1つを満たすように、指定値D4を決定する。
【0090】
1つ目の設定条件として、目標値D5は、複数の対象施設F1の間での原単位D3の差が小さくなるように設定される。すなわち、複数の対象施設F1の間で実際の原単位D3に差がある場合には、この差を小さくするように、目標決定部16は、各対象施設F1についての指定値D4を決定する。一例として、目標決定部16は、複数の対象施設F1の原単位D3について、平均値、中央値又は最頻値等の代表値を算出し、各対象施設F1の原単位D3が代表値に近づくように、各対象施設F1の指定値D4を決定する。この場合に、目標決定部16は、例えば、各対象施設F1の原単位D3と代表値との中間値を、指定値D4とするように指定値D4を決定する。これにより、複数の対象施設F1の間で実際の原単位D3にばらつき(差)があったとしても、指定値D4に応じて決まる目標値D5は、代表値に寄せた値となるので、複数の対象施設F1の間での目標値D5のばらつき(差)が小さくなる。
【0091】
2つ目の設定条件として、目標値D5は、複数の対象施設F1のうちの少なくとも2つの対象施設F1においては原単位D3が同一となるように設定される。すなわち、複数の対象施設F1のうちの少なくとも2つの対象施設F1の間で実際の原単位D3に差がある場合に、この差がなくなるように、目標決定部16は、各対象施設F1についての指定値D4を決定する。一例として、目標決定部16は、少なくとも2つの対象施設F1の原単位D3について、平均値、中央値又は最頻値等の代表値を算出し、代表値を指定値D4とするように指定値D4を決定する。これにより、少なくとも2つの対象施設F1の間で実際の原単位D3にばらつき(差)があったとしても、指定値D4に応じて決まる目標値D5は同一の値(代表値)になるので、複数の対象施設F1の間での目標値D5のばらつき(差)が小さくなる。ここで、同一の目標値D5が設定される少なくとも2つの対象施設F1は、例えば、立地又は客層等において共通項を有する対象施設F1であることが好ましい。
【0092】
3つ目の設定条件として、目標値D5は、少なくとも複数の対象施設F1の中での原単位D3の最大値よりも小さな値に設定される。すなわち、複数の対象施設F1の間で実際の原単位D3に差がある場合には、相対的に小さな原単位D3に寄せるように、目標決定部16は、各対象施設F1についての指定値D4を決定する。一例として、目標決定部16は、複数の対象施設F1の原単位D3について、最大値と、平均値、中央値又は最頻値等の代表値を算出し、各対象施設F1の原単位D3が最大値よりも小さな値となるように、各対象施設F1の指定値D4を決定する。この場合に、目標決定部16は、例えば、最大値と代表値との中間値を、指定値D4とするように指定値D4を決定する。これにより、複数の対象施設F1の間で実際の原単位D3にばらつき(差)があったとしても、指定値D4に応じて決まる目標値D5は、最大の原単位D3よりも小さな値となるので、複数の対象施設F1の原単位D3を全体的に小さく抑えることができる。
【0093】
以上説明したような目標値D5を決めるための指定値D4は、目標決定部16にて決定されることに限らず、入力部17にて入力が受け付けられてもよい。この場合、統括管理者U1は、例えば、統括端末4にて、資源管理システム10から送信(出力)された複数の対象施設F1についての原単位D3を見ながら、上述のような設定条件に従って、指定値D4を決定する。
【0094】
また、上述したような目標値D5は、期間ごとに設定される。言い換えれば、目標値D5は、ある期間ごとに更新される。本実施形態では一例として、対象期間と同じ長さの期間ごとに目標値D5の設定(更新)が行われる。すなわち、対象期間が1ヵ月であれば、目標値D5を設定し、機器6を制御するための処理(S8〜S13)についても、1ヵ月の実践期間ごとに行われる。例えば、上述したように、対象施設F1として店舗(飲食店)を想定している場合、前年同月又は前月等の、当月と関連性のある実践期間ごとに、目標値D5を更新することが好ましい。
【0095】
ここで、目標値D5が設定される期間(実践期間)は、対象期間と同じ長さの期間に限らず、例えば、1時間、6時間、12時間、1日、1週間又は2週間等のように、対象期間より短い期間であってもよい。また、目標値D5が設定される期間は、例えば、3ヵ月、半年又は1年等のように、対象期間より長い期間であってもよい。
【0096】
ところで、目標値D5の設定に関しては、上述したように、複数の対象施設F1の各々について、個別に目標値D5が設定される態様に限らず、複数の対象施設F1について一律で目標値D5が設定されてもよい。言い換えれば、上記2つ目の設定条件の更なる限定条件として、目標値D5は、複数の対象施設F1の全てにおいて原単位D3が同一となるように、一律(均一)に設定されてもよい。この場合、目標値D5は指定値D4に応じて決まる値であるので、指定値D4についても、目標値D5と同様に、複数の対象施設F1について、一律(均一)に設定される。
【0097】
(3.4)小括
以上説明した資源管理システム10の動作によれば、複数の対象施設F1の各々において、原単位D3を基準にして、目標値D5が設定され、かつ目標値D5に従って機器6が制御される。そのため、基本的には、経済活動量としての「売上」等が高い(大きい)対象施設F1ほど、資源(電力)を潤沢に使用(消費)することができる。言い換えれば、経済活動量に見合った量の資源が使用されるよう、資源管理システム10によって、各対象施設F1における資源の使用量が調節されることになる。
【0098】
上述した資源管理システム10によれば、統括管理者U1又は個別管理者U2においては、複数の対象施設F1での資源の使用状況を管理しやすくなるので、資源管理システム10を利用するモチベーション(動機づけ)につながる。一方、資源管理システム10の運営主体としては、資源管理システム10を利用する統括管理者U1又は個別管理者U2から、システム利用料等の対価を徴収することで、資源管理システム10を運営することのモチベーションにつながる。さらに、資源管理システム10の運営主体においては、下位システム3、機器6及びサブシステム7等の各種設備が複数の対象施設F1に導入されることによる利益も期待できる。
【0099】
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1に係る資源管理システム10と同様の機能は、資源管理方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る資源管理方法は、複数の対象施設F1での資源の使用状況を管理する方法であって、第1取得処理(図3の「S2」に相当)と、第2取得処理(図3の「S3」に相当)と、演算処理(図3の「S4」に相当)と、を有する。第1取得処理は、複数の対象施設F1の各々の資源使用量に関する第1値を取得する処理である。第2取得処理は、複数の対象施設F1の各々の経済活動量に関する第2値を取得する処理である。演算処理は、複数の対象施設F1の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位D3を求める処理である。演算処理では、複数の対象施設F1について共通の条件で原単位D3を求める。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、上記の資源管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0100】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0101】
本開示における資源管理システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における資源管理システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable GateArray)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0102】
また、資源管理システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは資源管理システム10に必須の構成ではなく、資源管理システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、資源管理システム10のうちの上位システム1に設けられている機能の少なくとも一部は、上位システム1とは別の筐体に設けられていてもよい。さらに、下位システム3の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0103】
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、上位システム1と下位システム3とに分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。一例として、制御部31が上位システム1に設けられていてもよい。
【0104】
また、資源管理システム10の管理対象となる複数の対象施設F1は、飲食店に限らず、スーパーマーケット、百貨店、ドラッグストア、コンビニエンスストア、家電量販店又はホームセンター等の小売店の店舗であってもよい。さらに、資源管理システム10の管理対象となる複数の対象施設F1は、店舗に限らず、店舗以外の非住宅施設、又は住宅施設等であってもよい。
【0105】
また、資源は、電力(電気エネルギー)に限らず、例えば、ガス又は水道水等であってもよい。さらに、資源は、電力、ガス及び水道水のうちの2つ以上の組み合わせを含んでいてもよい。
【0106】
また、実施形態1では、目標値D5の設定に適用される指定値D4は、目標決定部16及び入力部17の2つの手段で取得され得る構成としたが、この構成は、資源管理システム10に必須の構成ではない。例えば、目標値D5の設定に適用される指定値D4が、目標決定部16より取得される場合には、入力部17は適宜省略されてもよい。一方、目標値D5の設定に適用される指定値D4が、入力部17より取得される場合には、目標決定部16は適宜省略されてもよい。
【0107】
また、実施形態1では、原単位D3の演算に用いられる第2値が変動値を含む場合について説明したが、第2値は変動値を含まなくてもよい。すなわち、第2値は、例えば、対象施設F1の延べ床面積又は容積等の固定値のみを含んでいてもよい。
【0108】
また、第2値に含まれる変動値は、売上に関する値に限らず、時間経過に伴って変化する様々な値を含み得る。第2値の変動値は、一例として、対象期間における対象施設F1の累積営業時間若しくは日数、対象期間における対象施設F1周辺の降水量、又は従業員の延べ人数等の値を含んでいてもよい。
【0109】
また、目標値D5に従って複数の対象施設F1の各々の機器6を制御する制御部31の機能は、資源管理システム10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。制御部31が省略される場合、例えば、目標値D5に従って、複数の対象施設F1の各々の機器6を人(個別管理者U2又は対象施設F1の従業員等)が制御するための制御スケジュールを構築してもよい。
【0110】
また、目標値D5に従って機器6の制御内容を決定する機能は、下位システム3でなく上位システム1にあってもよい。すなわち、実施形態1では、下位システム3の制御部31が、目標値D5に従って機器6の制御内容を決定しているが、これに限らず、上位システム1が機器6の制御内容を決定してもよい。例えば、対象施設F1の当月の原単位が、目標値D5として規定される原単位を超えないように、上位システム1にて、機器6の制御のスケジュールを決定してもよい。この場合、上位システム1が、機器6の制御のスケジュールを下位システム3に送信することで、下位システム3では、このスケジュールに従って機器6を制御可能となる。
【0111】
また、目標決定部16が自動的に指定値D4を決定するアルゴリズムは、適宜変更可能である。一例として、目標決定部16は、機械学習にて生成される学習済みモデルを用いて、原単位D3から指定値D4を決定してもよい。ここでいう「機械学習」には、教師あり学習、及び強化学習等の様々な手法を含み得る。「強化学習」は、ある「環境」の中で「行動」を行い、その「行動」の結果として変化した「状況」を観測し、良好な結果を得られた「行動」に対して高い「報酬」が与えられる手法である。
【0112】
さらに、他の例として、目標決定部16は、対象施設F1を利用する顧客からの意見をSNS(Social Networking Service)等を利用して取得し、原単位D3に対して、この意見を加味して指定値D4を決定してもよい。同様に、目標決定部16は、個別管理者U2からの意見を個別端末5等にて取得し、原単位D3に対して、この意見を加味して指定値D4を決定してもよい。
【0113】
(実施形態2)
本実施形態に係る資源管理システム10は、図4に示すように、管理対象である複数の対象施設F1がオフィスである点で、実施形態1に係る資源管理システム10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0114】
本実施形態においても、資源管理システム10の管理対象である複数の対象施設F1(オフィス)は、互いに関連性のある施設である。本実施形態では一例として、複数の対象施設F1の各々がオフィスであるので、複数の対象施設F1は、同一法人(会社)の支社である等の関連性を持つことと仮定する。
【0115】
このような複数の対象施設F1に対しては、管理者として、複数の対象施設F1を統括的に管理する本社等の統括管理者U1(図4参照)、及び複数の対象施設F1をそれぞれ管理する支社長等の個別管理者U2(図4参照)が存在する。すなわち、統括管理者U1は、複数の対象施設F1に対応付けて少なくとも1人存在し、複数の対象施設F1全てにおける資源の使用状況等についての報告を受ける立場にある。一方、個別管理者U2は、1つの対象施設F1に対応付けて少なくとも1人存在し、対応する対象施設F1における資源の使用状況等についての報告を受ける立場にある。つまり、複数の対象施設F1に対しては、複数の個別管理者U2が存在する。本実施形態では一例として、統括管理者U1及び複数の個別管理者U2の各々が、個人である場合を想定する。
【0116】
本実施形態では、各対象施設F1に設けられて対象施設F1の経済活動量を監視するサブシステム7が、実施形態1とは異なる。すなわち、図4では、サブシステム7の例として、入退室管理システムからなるサブシステム73、及び会議室予約システムからなるサブシステム74を示している。ここでいう「入退室管理システム」及び「会議室予約システム」は、いずれも対象施設F1の各空間に存在する人の数(利用人数)を計測可能なシステムである。よって、経済活動量としての利用人数D2は、図4に示すように、対象施設F1のサブシステム7にて計測され、サブシステム7から上位システム1へと通信により送信される。
【0117】
本実施形態では、対象施設F1はオフィスであるので、第2値に含まれる変動値は、複数の対象施設F1の各々の利用人数D2に関する値を含んでいる。つまり、原単位D3を求める際の分母となる第2値には、対象施設F1における利用人数D2そのもの、又は利用人数D2に関連する適宜の値が含まれている。このように、変動値としての利用人数D2が原単位D3を求める際の分母として用いられることにより、原単位D3を、精度よく求めることが可能である。すなわち、例えば、オフィスからなる対象施設F1にあっては、出張者の有無又は来客の有無等によって、機器6の稼働状況は大きく変化する。にもかかわらず、第2値が、例えば対象施設F1の延べ床面積等の固定値のみからなる場合、出張者の有無及び来客の有無によらず、同じように原単位D3が求められるため、機器6の稼働状況が反映されずに精度の低い原単位D3となる。これに対して、第2値が変動値として利用人数D2に関する値を含むことで、出張者の有無又は来客の有無によって、原単位D3を求める際の分母が異なることなり、機器6の稼働状況が反映された比較的精度の高い原単位D3となる。
【0118】
さらに、本実施形態では、第2値に含まれる変動値は、利用人数D2に含まれる人の属性に応じた重み係数を含んでいる。ここでいう「属性」は、利用人数D2に含まれる人それぞれが持つ属性であって、例えば、雇用形態(パートタイマ、アルバイト又は正社員等)、役職(係長、課長又は部長等)又は年齢層等である。入退室管理システムからなるサブシステム73、及び会議室予約システムからなるサブシステム74であれば、このような属性も含めて、利用人数D2を検知することが可能である。そして、属性に応じて重み係数が変わるので、例えば、1日の利用人数D2が同じであっても、利用人数D2に含まれる人の属性によって、第2値に含まれる変動値が変化する。一例として、勤務時間の短いパートタイマの属性には重み係数「0.7」が対応付けられ、勤務時間の長い正社員の属性には重み係数「1.0」が対応付けられる。これにより、利用人数D2が同じであっても、正社員の割合が多い方が、第2値に含まれる変動値は大きくなる。このような重み係数の演算は、例えば、第2前処理部22にて行われる。
【0119】
実施形態2の変形例として、サブシステム7は、入退室管理システム及び会議室予約システムに限らず、例えば、ローカル測位システム(LPS:Local Positioning System)等であってもよい。
【0120】
また、実施形態2においても、例えば、オフィスが営業部署等である場合、第2値の変動値は、営業成績(売上)に関する値を含んでいてもよい。
【0121】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る資源管理システム(10)は、複数の対象施設(F1)での資源の使用状況を管理するシステムである。資源管理システム(10)は、第1取得部(11)と、第2取得部(12)と、演算部(13)と、を備える。第1取得部(11)は、複数の対象施設(F1)の各々の資源使用量に関する第1値を取得する。第2取得部(12)は、複数の対象施設(F1)の各々の経済活動量に関する第2値を取得する。演算部(13)は、複数の対象施設(F1)の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位(D3)を求める。演算部(13)は、複数の対象施設(F1)について共通の条件で原単位(D3)を求める。
【0122】
この構成によれば、複数の対象施設(F1)での資源の使用状況を、資源管理システム(10)で一元管理することが可能である。演算部(13)では、複数の対象施設(F1)の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位(D3)を求めるので、複数の対象施設(F1)における資源の使用状況を、資源の使用量に関する原単位(D3)にて、管理できる。しかも、原単位(D3)は、複数の対象施設(F1)について共通の条件で求められるため、複数の対象施設(F1)における資源の使用状況を、原単位(D3)として、比較可能な状態で管理することが可能である。その結果、複数の対象施設(F1)での資源の使用状況を管理しやすくなる、という利点がある。
【0123】
第2の態様に係る資源管理システム(10)は、第1の態様において、複数の対象施設(F1)の各々において原単位(D3)の目標とする目標値(D5)を出力する目標出力部(15)を更に備える。
【0124】
この構成によれば、複数の対象施設(F1)の各々で原単位(D3)の目標とする目標値(D5)を設定することができる。
【0125】
第3の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第2の態様において、目標値(D5)は、複数の対象施設(F1)の間での原単位(D3)の差が小さくなるように設定される。
【0126】
この構成によれば、複数の対象施設(F1)の間での原単位(D3)の差を小さくすることができる。
【0127】
第4の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第3の態様において、目標値(D5)は、複数の対象施設(F1)のうちの少なくとも2つの対象施設(F1)においては原単位(D3)が同一となるように設定される。
【0128】
この構成によれば、少なくとも2つの対象施設(F1)の間での原単位(D3)の差をなくすことができる。
【0129】
第5の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第2〜4のいずれかの態様において、目標値(D5)は、少なくとも複数の対象施設(F1)の中での原単位(D3)の最大値よりも小さな値に設定される。
【0130】
この構成によれば、複数の対象施設(F1)の原単位(D3)を全体的に小さく抑えることができる。
【0131】
第6の態様に係る資源管理システム(10)は、第2〜5のいずれかの態様において、指定値(D4)を取得する第3取得部(14)を更に備える。目標値(D5)は、指定値(D4)に応じて決まる。
【0132】
この構成によれば、指定値(D4)にて目標値(D5)を指定することが可能となる。
【0133】
第7の態様に係る資源管理システム(10)は、第6の態様において、指定値(D4)を決定する目標決定部(16)を更に備える。
【0134】
この構成によれば、指定値(D4)を目標決定部(16)にて自動的に決定でき、結果的に、目標値(D5)についても自動的に決定される。
【0135】
第8の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第2〜7のいずれかの態様において、目標値(D5)は、期間ごとに設定される。
【0136】
この構成によれば、目標値(D5)を随時更新することができる。
【0137】
第9の態様に係る資源管理システム(10)は、第2〜8のいずれかの態様において、目標値(D5)に従って複数の対象施設(F1)の各々の機器(6)を制御する制御部(31)を更に備える。
【0138】
この構成によれば、目標値(D5)に従って複数の対象施設(F1)の各々の機器(6)を自動的に制御できる。
【0139】
第10の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第1〜9のいずれかの態様において、第2値は、時間経過に伴って変化する変動値を含む。
【0140】
この構成によれば、第2値が固定値のみの場合と比較して、原単位(D3)を、精度よく求めることが可能である。
【0141】
第11の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第10の態様において、変動値は、売上に関する値を含む。
【0142】
この構成によれば、売上に関する値が原単位(D3)に反映されることで、原単位(D3)を精度よく求めることが可能である。
【0143】
第12の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第10の態様又は第11の態様において、変動値は、複数の対象施設(F1)の各々の利用人数(D2)に関する値を含む。
【0144】
この構成によれば、利用人数(D2)に関する値が原単位(D3)に反映されることで、原単位(D3)を精度よく求めることが可能である。
【0145】
第13の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第12の態様において、変動値は、利用人数(D2)に含まれる人の属性に応じた重み係数を含んでいる。
【0146】
この構成によれば、利用人数(D2)に含まれる人の属性が原単位(D3)に反映されることで、原単位(D3)を精度よく求めることが可能である。
【0147】
第14の態様に係る資源管理システム(10)に関して、第1〜13のいずれかの態様において、第2値は、時間経過に対して不変である固定値を含む。
【0148】
この構成によれば、第2値が変動値のみの場合と比較して、原単位(D3)を、精度よく求めることが可能である。
【0149】
第15の態様に係る資源管理システム(10)は、第1〜14のいずれかの態様において、原単位(D3)に関する通知情報(D6)を複数の対象施設(F1)の各々の管理者に通知する通知部(18)を更に備える。
【0150】
この構成によれば、通知情報(D6)の通知を受けた管理者は、対象施設(F1)について原単位(D3)に関する情報を知ることができる。
【0151】
第16の態様に係る資源管理方法は、複数の対象施設(F1)での資源の使用状況を管理する方法である。資源管理方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、演算処理と、を有する。第1取得処理にて、複数の対象施設(F1)の各々の資源使用量に関する第1値を取得する。第2取得処理にて、複数の対象施設(F1)の各々の経済活動量に関する第2値を取得する。演算処理にて、複数の対象施設(F1)の各々について、第1値及び第2値を用いて資源の使用量に関する原単位(D3)を求める。演算処理では、複数の対象施設(F1)について共通の条件で原単位(D3)を求める。
【0152】
この構成によれば、複数の対象施設(F1)での資源の使用状況を管理しやすくなる、という利点がある。
【0153】
第17の態様に係るプログラムは、第16の態様に係る資源管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0154】
この構成によれば、複数の対象施設(F1)での資源の使用状況を管理しやすくなる、という利点がある。
【0155】
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る資源管理システム(10)の種々の構成(変形例を含む)は、資源管理方法又はプログラムにて具現化可能である。
【0156】
第2〜15の態様に係る構成については、資源管理システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0157】
10 資源管理システム
11 第1取得部
12 第2取得部
13 演算部
14 第3取得部
15 目標出力部
16 目標決定部
18 通知部
31 制御部
6 機器
D2 利用人数
D3 原単位
D4 指定値
D5 目標値
D6 通知情報
F1 対象施設
図1
図2
図3
図4