を貯留する処理槽2及び汚水中で浮上する複数の濾過材3を有する濾過層4を備える生物濾過処理装置1の自動洗浄装置5であって、処理槽2内底部に立設される有天筒状の気体貯留器51と、気体貯留器51内に立設される有底筒状の水封器52と、少なくとも一部が水封器52内に配設される排水管53と、少なくとも一部が水封器内52に配設されるトリガー管55と、処理槽2の外部に配設され、気体貯留器51内に気体を供給する気体供給管54とを備え、排水管53の下端が水封器52の底部に配置され、この下端から上方に延伸して気体貯留器51の天板を貫通すると共に、上端が処理槽2外に配置され、トリガー管55の下端が排水管53の下端近傍の周壁に形成されている開口に接続され、上端が天板近傍で開口している自動洗浄装置を提供する。
汚水を貯留する処理槽、上記汚水中で浮上する複数の濾過材を有する濾過層、及び自動洗浄装置を備える生物濾過処理装置を、上記自動洗浄装置で自動洗浄する方法であって、
上記自動洗浄装置が、
上記処理槽内底部に立設される有天筒状の気体貯留器と、
上記気体貯留器内に立設される有底筒状の水封器と、
少なくとも一部が上記水封器内に配設される排水管と、
少なくとも一部が上記水封器内に配設されるトリガー管と、
上記処理槽の外部に配設され、上記気体貯留器内に気体を供給する気体供給機と
を備え、
上記排水管の下端が上記水封器の底部に配置され、この下端から上方に延伸して上記気体貯留器の天板を貫通すると共に、上端が上記処理槽外に配置され、
上記トリガー管の下端が上記排水管の下端近傍の周壁に形成されている開口に接続され、上端が上記天板近傍で開口し、
上記気体供給機から供給される上記気体を上記気体貯留器に貯留する工程と、
上記貯留される気体の圧力で、少なくとも上記排出管内及び上記水封器内の汚水が上記排出管の上端から流出する工程と、
上記気体が、上記排水管の下端近傍の周壁に形成されている開口に到達すると共に、少なくとも上記排水管に残存する汚水及び上記気体が上記排出管の上端から噴出する工程と
を備え、
上記噴出工程が、
上記処理槽の汚水及び汚泥を、上記気体貯留器内、上記水封器内、及び上記排出管内に導入する工程と、
上記導入によって上記処理槽の水位を急低下させ、この急低下による水位落差によって上記複数の濾過材が水中で展開及び撹拌する工程と、
上記展開及び撹拌によって、上記濾過材に付着している余剰付着物を洗浄する工程と
を含む生物濾過処理装置の自動洗浄方法。
【背景技術】
【0002】
浄化槽での汚水処理法としては、汚水を濾過材に通過させることで、汚水中の固形物を分離すると共に、嫌気性微生物で有機物を分離及び浄化する嫌気性処理をして、BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)が0〜50%、固形物及び油分を80〜90%除去した一次処理水とし、この一次処理水に空気を供給して曝気処理により所定の水質基準まで処理した二次処理水を水路に放流する方法が知られている。
【0003】
放流可能な処理水の水質に関しては、各国や自治体が法律の定めに従って、BOD、油分、固形物等の基準が一般的に定められている。これらと共に、近年では東南アジア等の国々において、アンモニア性窒素の除去が厳しく定められている。
【0004】
アンモニア性窒素の除去を効率的に行う方法として、浮上性濾過に担持させた微生物で上記一次処理水を処理する生物濾過処理法が知られている。この生物濾過処理法においては、上記濾過材で硝化菌、雑菌等が繁殖し、さらに上記濾過材に上記一次処理水の汚泥等が付着して濾過抵抗が過大になり、汚水の処理効率が低下する。また、処理槽に流入する汚水に含まれる汚泥等が処理槽底部に沈殿することも、汚水の処理効率を低下させる一因となる。このため、上記濾過材及び処理槽底部の定期的な洗浄が求められる。
【0005】
本発明者は、水位を低下させることにより濾過材を撹拌し、濾過材表面の余剰付着物を除去すると共に、処理槽底部の汚泥を排出する自動洗浄装置を発案した(特開2010−184210号公報)。この洗浄装置によれば、球状濾過材の表面に付着した雑菌や汚泥等の余剰付着物を効果的に除去することができるが、近年、担持する微生物をより多くするために濾過材の形状を複雑化して表面積を増大させる傾向があり、このような複雑な形状を有する濾過材を効率的に洗浄する方法が求められている。また、汚水処理効率を向上するため、上記濾過材及び処理槽底部の洗浄に要する時間をより短縮することが求められている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[生物濾過処理装置]
本発明の一態様である生物濾過処理装置は浄化槽に含まれ、嫌気性処理等によって一次処理された汚水(一次処理水)を生物濾過方法によって二次処理する装置である。
図1が示すように、生物濾過処理装置1は、汚水W
Mを貯留する処理槽2と、汚水W
M中で浮上する複数の濾過材3を有する濾過層4と、自動洗浄装置5とを主に有する。
【0012】
<処理槽>
処理槽2は、後述する濾過層4及び自動洗浄装置5を内部に有する。処理槽2は、流入する汚水W
M(一次処理水)を貯留すると共に、この汚水W
Mを濾過処理して処理水W
C(二次処理水)とし、この処理水W
Cを排出する。具体的には、処理槽2は、濾過層4より下で汚水W
Mが流入する汚水流入口21と、濾過層4より上で処理水W
Cを排出する処理水排出口22を有する。汚水流入口21より流入する汚水W
Mは、濾過層4で濾過処理され、処理水W
Cとして処理水排出口22から排出される。
【0013】
<濾過層>
濾過層4は、汚水W
Mを濾過処理して処理水W
Cとする。換言すると、汚水流入口21より流入する汚水W
Mは、処理水排出口22から送出されるまでに濾過層4を通過することで処理水W
Cに浄化される。具体的には、濾過層4は、汚水W
M中で浮上する複数の濾過材3で形成され、濾過材3が担持する微生物によって汚水W
Mを浄化して処理水W
Cとする。
【0014】
濾過層4は、濾過材3の分散を防止するため、層の上面に上面スクリーン41、及び層の下面に下面スクリーン42を有するのが好ましい。上面スクリーン41及び下面スクリーン42は、汚水W
M及び処理水W
Cが通過可能で、濾過材3が通過不可能な複数の孔を有する。上面スクリーン41及び下面スクリーン42は、処理槽2の所定の位置に固定される。このようにすることで、濾過材3が処理槽2の所定の領域を超えて分散することが抑制される。
【0015】
(濾過材)
複数の濾過材3は、汚水W
M中で浮上して濾過層4を形成する。濾過材3は、汚水W
Mを浄化する微生物を担持する。濾過材3の形状としては、特に限定されるものではなく、球状、柱状等とすることができるが、筒状であることが好ましい。この筒状の横断面形状としては、特に限定されるものではなく、矩形、多角形、楕円形等とすることができるが、円形であることが好ましい。濾過材3の形状を円筒状とすることで、濾過材3内部及び隣接する濾過材3同士の間に形成される隙間を汚水W
Mが通過することができるため、濾過抵抗を比較的小さくすることができる。
【0016】
円筒状の濾過材3の外径の上限としては、20mmが好ましく、18mmがより好ましく、15mmがさらに好ましい。円筒状の濾過材3の外径の下限としては、特に限定されるものではないが、例えば5mmとすることができる。濾過材3の外径が上記上限を超えると、濾過層4を形成する濾過材3の数が低減され、効率的な濾過処理ができなくなるおそれがある。濾過材3の外径が上記下限に満たないと、濾過材3の取り扱いが困難になるおそれがある。なお、「濾過材3の外径」とは、円筒状の濾過材3の横断面で、上記円形の外周面の直径のことである。
【0017】
円筒状の濾過材3の長さの上限としては、18mmが好ましく、15mmがより好ましく、10mmがさらに好ましい。円筒状の濾過材3の長さの下限としては、特に限定されるものではないが、例えば5mmとすることができる。濾過材3の長さが上記上限を超えると、濾過層4を形成する濾過材3の数が低減され、効率的な濾過処理ができなくなるおそれがある。濾過材3の長さが上記下限に満たないと、濾過材3の取り扱いが困難になるおそれがある。なお、「濾過材3の長さ」とは、上記外径の中心軸方向の長さのことである。
【0018】
円筒状の濾過材3は、内周面に少なくとも一つの壁板31が配設されることが好ましい。このようにすることで、濾過材3の表面積を増大することができ、より多くの微生物を担持することができる。壁板31の形状としては、特に限定されるものではないが、濾過材3の径方向の中心軸を含んで配設されていることが好ましい。具体的には、
図6に示すように、壁板31の上記径方向の端部がいずれも濾過材3の内周面に接続され、この接続される2つの上記端部が上記中心軸で対称に位置することが好ましい。このように壁板31が配設されることで、壁板31の表面積を大きくすることができる。壁板31の他の形状としては、
図7に示すように、両端が接続される2つの内周面が径方向の中心に対称に位置しない壁板32、
図8に示すように、一端が濾過材3の内周面に接続されて他端が内周面に接続されない壁板33等とすることができる。壁板31,32,33の長さとしては、濾過材3の長さと同一としてもよいし、濾過材3の長さ以下としてもよい。
【0019】
濾過材3は、汚泥等が付着することにより重くなるため、濾過材3の比重が0.98以上であると、浮上して濾過層4を形成できなくなるおそれがある。濾過材3の比重の上限としては、0.95が好ましく、0.92がより好ましく、0.90がさらに好ましい。濾過材3の比重の下限としては、0.3が好ましく、0.5がより好ましく、0.7がさらに好ましい。濾過材3の比重が上記上限を超えると、濾過材3が水中で浮上することが困難になり、濾過層4の形成が困難になるおそれがある。濾過材3の比重が上記下限に満たないと、濾過材3の浮上力が過度に大きくなり、濾過層4の形成が困難になるおそれがある。
【0020】
濾過材3の材質としては、特に限定されるものではないが、微生物の担持が容易で、比重を調整することが比較的容易な樹脂等とすることが好ましい。
【0021】
<自動洗浄装置>
自動洗浄装置5は、処理槽2内の底部に立設される有天筒状の気体貯留器51、気体貯留器51内に立設される有底筒状の水封器52、少なくとも一部が水封器52内に位置するように配設される排水管53、及び少なくとも一部が上記水封器52内に位置するように配設されるトリガー管55と、処理槽2の外部に配設される気体供給機(不図示)とを主に有する。自動洗浄装置5は、本発明の一態様である。
図1において、自動洗浄装置5は、処理槽2の略中央に配設されている。
【0022】
(気体貯留器)
気体貯留器51は、処理槽2底部に立設される。気体貯留器51は、横断面が円形状、多角形状等とされる筒状である。気体貯留器51は、有天筒状である。具体的には、気体貯留器51は、底部が開口し、上端を閉ざす天板を有する。気体貯留器51は、底部が処理槽2底部に近接するように配設される。気体貯留器51の底部側には、気体貯留器51と気体供給機とを連通する気体供給管54が配設される。気体貯留器51は、気体供給管54から供給される気体Aを貯留する。
【0023】
気体貯留器51の天板は、水平に配設されてもよいが、例えば気体貯留器51の横断面の中心に向けて仰角を有する等、傾斜して配設されるのが好ましい。このようにすることで、天板の最上部から気体Aの貯留が開始されるため、気体Aを安定して貯留することができる。
【0024】
(水封器)
水封器52は、気体貯留器51内に立設される。水封器52は、有底筒状である。具体的には、水封器52は、底部が閉止しており、上端が開口している。水封器52は、横断面が円形状、多角形状等の筒状であり、底部下面(底部外面)が処理槽2の底部上面(底部内面)に接することが好ましい。
【0025】
(排水管)
排水管53は、少なくともその一部が水封器52内に位置するように配設される。排水管53は、下端が水封器52の底部に配置され、この下端から上方に延伸して気体貯留器51の天板を貫通すると共に、上端が処理槽2外に配置される。すなわち、排水管53は、水封器52の底部近傍と処理槽2外とを連通する。排水管53は、横断面が円形状、多角形状等の管(筒状)である。排水管53は、処理槽2に貯留される汚水W
Mの一部を処理槽2の外に排出する。排水管53の下端近傍の周壁には、開口56が形成されている。
【0026】
排水管53は、少なくともその一部が処理層2の水面より高い位置にあるように配置されることが好ましい。具体的には、排水管53の少なくとも一部が処理層2の処理水排出口22より高い位置にあるように配置されることが好ましい。排水管53の全体が処理水排出口22より低い位置にある場合、排水管53から汚水W
Mが流出して処理槽2の水位が低下し、処理水W
Cの排出が困難になるおそれがある。
【0027】
(トリガー管)
トリガー管55は、少なくともその一部が水封器52内に位置するように配設される。トリガー管55は、下端が排水管53の下端近傍の周壁に形成されている開口56に接続され、上端が気体貯留器51の天板近傍で開口している。すなわち、トリガー管55は、排水管53の下端近傍の内部と、気体貯留器51内の上方の領域とを連通する。
【0028】
トリガー管55の形状としては、排水管53の下端近傍の内部と気体貯留器51内の上方の領域とを連通するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、
図9が示すように、断面が円形状、多角形状等の筒状部材としてもよいし、
図10が示すように、板状部材で、排水管53の開口56及び周壁の外面の一部を覆う側板と、開口56の下側に位置し、上記側板と排水管53の周壁との間隙を閉ざす底板とで形成されてもよい。
【0029】
[自動洗浄方法]
本発明の一態様である生物濾過処理装置の自動洗浄方法は、気体供給機から供給される気体Aを気体貯留器51に貯留する工程と、貯留される気体Aの圧力で、少なくとも排出管53内及び水封器52内の汚水W
Mが排出管53の上端から流出する工程と、気体Aが、排水管53の下端近傍の周壁に形成されている開口56に到達すると共に、少なくとも排水管53に残存する汚水W
M及び気体Aが排出管53の上端から噴出する工程とを有し、上記噴出工程が、処理槽2の汚水W
M及び汚泥Mを、気体貯留器内51、水封器52内、及び排出管53内に導入する工程と、上記導入によって処理槽2の水位を急低下させ、この急低下による水位落差によって複数の濾過材3が水中で展開及び撹拌する工程と、上記展開及び撹拌によって、濾過材3に付着している余剰付着物を洗浄する工程とを含む。
【0030】
この自動洗浄方法は、定期的に行われることが好ましい。自動洗浄の間隔としては、特に限定されるものではなく、24時間、2日間、1週間に一度等とすることができる。この自動洗浄方法は、上記各工程の全てを1サイクルとして、一度の自動洗浄で1サイクルが行われてもよく、2サイクル以上が行われてもよい。
【0031】
この自動洗浄方法は、処理槽2への汚水W
Mの供給を継続しながら行うことができるが、処理槽2への汚水W
Mの供給を停止して行うことが好ましい。すなわち、濾過処理をしつつ当該自動洗浄方法が行われてもよいが、濾過処理を停止して当該自動洗浄方法が行われるのが好ましい。処理槽2への汚水W
Mの供給を停止して行うことで、後述する濾過材撹拌工程における水位低下を大きくすることができる。以下では、処理槽2への汚水W
Mの供給を停止して行う自動洗浄方法で説明する。
【0032】
<気体貯留工程>
自動洗浄がされない時、すなわち濾過処理が行われている時は、処理槽2には汚水W
Mが汚水流入口21から供給される。この供給される汚水W
Mは、濾過層4で濾過処理されて処理水W
Cとして処理水排出口22から排出される。任意に定めた自動洗浄の時期になると、処理槽2の外部に配設される気体供給機から気体Aが気体供給管54を通じて気体貯留器51内に供給される。この気体Aの供給は、処理槽2への汚水W
Mの供給を停止してから開始してもよいし、気体Aの供給を開始してから所定の時間が経過した後に、処理槽2への汚水W
Mの供給を停止してもよい。
【0033】
<汚水流出工程>
図2に示すように、気体Aは、その体積を気体貯留器51の天板から処理槽2の底部に向けて増加し、気体貯留器51内の水位を低下させる。気体貯留器51内の水位低下により、水封器52内及び排出管53内に貯留されていた汚水W
Mと、水封器52底部で沈殿する汚泥Mとが処理槽2外に配置される排出管53の上端から流出する。
【0034】
<汚水噴出工程>
図3に示すように、気体Aは、処理槽2内の汚水W
M及び処理水W
Cの水圧を受けつつ、さらにその体積を増加する。気体Aが排水管53の下端近傍に形成されている開口56に到達すると、気体貯留器51内の気体Aの全部が瞬間的に排水管53内に流入し、排水管53の上端から放出される。気体Aは、排水管53から放出されると同時に、排水管53に残存する汚水W
Mを排水管53の上端から噴出させる。また、水封器52の底部に残存する少なくとも一部の汚水W
M及び汚泥Mが吸引されて、排水管53の上端から噴出される。
【0035】
図4に示すように、この噴出工程は、処理槽2の汚水W
M及び汚泥Mを、気体貯留器51内等に導入する工程と、上記導入によって処理槽2の水位を急低下させ、この水位落差によって濾過材3が水中で展開及び撹拌する工程と、上記展開及び撹拌によって、濾過材3の余剰付着物を洗浄する工程とを含んでいる。
【0036】
(汚水導入工程)
気体Aの放出によって気体貯留器51内及び排出管53内が略真空の状態になり、処理槽2内に貯留されている気体貯留器51外の汚水W
Mが、気体貯留器51内、水封器52内、及び排出管53内に奔流となって導入される。この汚水W
Mの奔流と共に、処理槽2底部に沈殿されている汚泥Mの少なくとも一部が、水封器52底部に移動する。水封器52底部に移動された汚泥Mは、次回の自動洗浄で排出管53から排出される。
【0037】
(濾過材撹拌工程)
放出される気体Aの体積と略同一の体積の汚水W
Mが上記奔流となって導入されるのと同時に、処理槽2の水位が急低下する。この急低下する水位落差による衝撃で、濾過層4を形成している複数の濾過材3が汚水W
M及び処理水W
C中で展開及び撹拌する。
【0038】
(汚泥洗浄工程)
上記水位落差による衝撃で、水中で展開及び撹拌する濾過材3は、上記衝撃、濾過材3同士の接触等により、濾過材3表面の余剰付着物を剥離する等によって洗浄を行う。剥離された余剰付着物は沈降して、処理槽2底部に沈殿する汚泥Mの一部になる。なお、「余剰付着物」とは、汚水W
Mに含まれる汚泥、濾過材3表面で繁殖した硝化菌、雑菌等を意味する。
【0039】
上記汚水噴出工程は、貯留される気体Aが排水管53の開口56に到達することを契機とする気体Aの瞬間的な放出によって、排出管53内の汚水W
Mの噴出、汚水W
Mの気体貯留器51等への奔流、処理槽2の水位の急低下及び濾過材3の展開及び撹拌を短時間で行うことができる。特に、濾過材3の洗浄を効果的に行うため、濾過材3は急速に展開及び撹拌されることが好ましい。濾過材3の展開及び撹拌の開始から終了まで、すなわち、濾過材3が、展開及び撹拌を開始してから、単位体積当たりの濾過材3の数(密度)が最も小さくなるまでの時間の上限としては、3秒が好ましく、2.5秒がより好ましい。上記時間が上記上限を超える場合、複雑な形状を有する濾過材に対して効果的な洗浄ができないおそれがある。
【0040】
図5に示すように、水中で展開及び撹拌された濾過材3は処理槽2内を浮上し、再び濾過層4を形成する。処理槽2には、汚水W
Mの供給が再開される。
【0041】
[利点]
自動洗浄装置5は、処理槽2内に配置される気体貯留器51、水封器52、排水管53及びトリガー管55と、処理槽2の外部に配設される気体供給機とを有する簡易な構成であるため、低コストで生産できると共に、処理槽2への配設が比較的容易である。
【0042】
自動洗浄装置5による自動洗浄方法は、処理槽2に沈殿する汚泥Mの排出及び濾過材3の余剰付着物の洗浄を短時間で終了することができるため、汚水W
Mの濾過処理の効率が低下することを抑制できる。当該自動洗浄は短時間で行うことができるため、洗浄効果をより高めるために2サイクル以上連続して行う場合であっても、濾過処理の効率が低下することを比較的抑制できる。また、水位の急低下による衝撃と、濾過材3の展開及び撹拌とにより余剰付着物が洗浄されるため、濾過材3の洗浄を効果的に行うことができ、濾過材3が複雑な形状を有する等の場合でも洗浄効果に比較的優れる。当該自動洗浄方法は、上記簡易な構成を有する自動洗浄装置5によって、2.5秒乃至3秒以内の急速な濾過材3の展開及び撹拌が可能であり、複雑な形状を有する濾過材にも効果的な洗浄力を発揮することができる。
【0043】
生物濾過処理装置1は、短時間で効果的な自動洗浄をすることができる低コストの自動洗浄装置5を備えるため、濾過処理の効率に優れると共に、低コストで生産できる。
【0044】
[その他の実施形態]
上記開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0045】
上記実施の形態では、自動洗浄装置を処理槽底部の略中央に配置した例で説明したが、これに限定されるものでなく、処理槽の下部を拡幅して、この拡幅した領域に自動洗浄装置を配置してもよい。