【解決手段】食材を焼く食材焼き機において、前記食材の第1面を保持して前記第1面を焼くための第1焼き面と、前記第1面とは異なる第2面を保持して前記第2面を焼くための第2焼き面とを有する保持部と、前記保持部を回転させるモータ部と、前記モータ部の回転動作を制御して前記保持部の前記第1焼き面と前記第2焼き面とを切り替える制御部とを有する駆動部と、を備えることにより、自動で食材を焼くことができる。
前記制御部は、前記食材の第1面を焼かせた後に前記モータ部により前記保持部を回転させることにより、前記保持部の前記第1焼き面と前記第2焼き面とを切り替えて、前記食材の第2面を焼かせることを特徴とする請求項1に記載の食材焼き機。
前記食材の種類や焼き具合を選択する選択部と、前記制御部に前記選択部で選択した種類や焼き具合に関する情報を送信する送信部とを有する操作装置をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載の食材焼き機。
前記画像取得部は、前記食材を焼く発熱源のある第1位置と、前記保持部の前記第1焼き面又は前記第2焼き面を含む第2位置との間の第3位置で、前記駆動部に設けられる請求項6に記載の食材焼き機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1実施形態にかかる態様は、
図1に示されるように、保持部1と、駆動部2と、アダプター部3と、シャフト部4とを含んで構成される食材焼き機FGMである。食材焼き機FGMは、牛肉や豚肉などの肉類、サンマやホタテなどの魚介類、たまねぎやにんじんなどの野菜類、パンケーキやお餅など様々なものを含む食材FDを焼くための装置である。
【0011】
保持部1は、食材FDを保持する。
図2に示されるように、保持部1は、第1焼き面1Aaを有する第1保持部1Aと、第2焼き面1Bbを有する第2保持部1Bとを有する。保持部1は、第1保持部1Aの第1焼き面1Aa又は第2保持部1Bの第2焼き面1Bbで食材FDを保持することができる。例えば、保持部1は、格子状にワイヤーが配置された2枚の焼き網である。保持部1は、食材FDの第1面FDaと第2面FDbの両面を焼くために食材FDをひっくり返す際、食材FDが落ちないように、食材FDを挟むように設けられている。また、保持部1は、アダプター部3で連結されている。
【0012】
駆動部2は、保持部1を駆動させるモータ部MOT、モータ部MOTの動作を制御する制御部COMとで構成されている。モータ部MOTは、制御部COMからの制御信号を受信して、モータを回転させる。モータ部MOTには、例えば、180度の回転角度を有するサーボモータを用いる。制御部COMは、モータ部MOTに制御信号を送信して、モータの回転動作を制御する。例えば、制御部COMには、ARDUINOと呼ばれるプログラミング制御システム(マイコンボード)を用いる。ARDUINOと電子回路を組み合わせることにより、シーケンス制御を実行させたり、モータを回転させたり、LEDを点灯・調光させたり、ブザーやメロディーを発生させたり、数字や文字を表示させたり、リモコンを用いて情報の送受信を行ったりなど様々な機能・動作を実行できる。また、パルス変調(PWM)を用いることによって、モータ部MOTの回転角度、回転時間、回転するタイミングなどを制御することができる。
【0013】
アダプター部3は、保持部1を支持するとともに、駆動部2の動力を、シャフト部4を介して保持部1に伝える部材である。また、アダプター部3は、保持部1の間隔(例えば、第1保持部と第2保持部の距離)を変えることで、食材FDの保持力を調整する。これによって、食材FDを潰してしまったり、保持部1から食材FDを落としてしまったりすることがなく、最適な状態で食材FDを保持することができる。なお、アダプター部3は、蝶番、電動ヒンジ、サーボモータ等を用いた保持部1の開閉装置を備えることで、食材FDの配置や取出しを容易に行うことができる。
【0014】
シャフト部4は、一方の端部が駆動部2のモータ部MOTと連結されており、モータ部MOTの回転動作に伴って回転する軸部材である。また、他方の端部がアダプター部3と連結されており、アダプター部3とともに保持部1を回転させる部材である。これによって、モータ部MOTの回転動作に伴って保持部1を回転させることができる。
【0015】
図2には、本発明の第1実施形態にかかる態様を横側面から見た様子が描かれている。保持部1は、食材FDを第1保持部1Aの第1焼き面1Aaと第2保持部の第2焼き面1Bbとで挟んで保持している。保持部1の下方には、食材FDを焼くためのコンロCSが設けられる。コンロCSは、例えば、バーベキュー用コンロ、七輪、IHヒーターなどの食材FDを焼けるものであれば何でも良い。なお、本発明の態様においてコンロCSを備えることは必要ではなく、焼肉を行う者の用途に応じて自由にコンロCSを選んで用いることができる。すなわち、自宅、店舗、工場等にあるコンロCSを使って、本発明の態様を実施することができる。
【0016】
支持台STは、駆動部2の高さ位置を決めて、駆動部2を支持する部材である。コンロCSの加熱位置や食材FDの設置位置などに応じて、駆動部2の高さを調整することができる。例えば、ボックス形状の部材、三脚、四脚テーブルなど何でも良い。支持台STについても、本発明の態様において支持台STを備えることは必要ではなく、焼肉を行う者の用途に応じて自由に支持台STを選んで用いることができる。すなわち、自宅、店舗、工場等にある支持台STを使って、本発明の態様を実施することができる。
【0017】
図3は、実際に試作した本発明の第1実施形態にかかる態様の食材焼き機の写真である。コンパクトな装置で、食材を焦がすことなく自動で焼くことができる。
【0018】
次に、第1の実施形態にかかる態様のグリル制御方法について述べる。
【0019】
制御部COMには、モータ部MOTを駆動するためのプログラムが入力されている。第1のグリル制御方法として、制御部COMには、ARDUINOシステムの始動によって、30秒の時間計測を開始して、30秒経過後にモータ部MOTを180度回転させる制御プログラムが入力されている。
【0020】
ARDUINOシステムの始動は、例えば、機械的あるいは電磁気的なスイッチでARDUINOシステムに電源の供給を開始させることや、リモコン等を使ってプログラムの開始を指示する制御信号を制御部COMに送信することなどである。制御部COMは、ARDUINOシステムの始動によって、30秒の時間計測を開始する。このとき、コンロCSによって食材FDの第1面FDa(例えば、肉の表面)が焼かれる。
【0021】
そして、30秒の時間が経過したら、制御部COMは、モータ部MOTに制御信号を送信してモータ部MOTを180度回転させる。例えば、制御信号として、パルス周期20ms、パルス幅2.4msのパルス信号を送信する。これによって保持部1が180度回転する。保持部1が180度回転すると、コンロCSによって食材FDの第2面FDb(例えば、肉の裏面)が焼かれる。
【0022】
さらに、30秒の時間が経過したら、制御部COMは、ARDUINOシステムの停止を行う。ARDUINOシステムの停止は、例えば、制御部COMに終了の指示プログラムを入力しておくこと、機械的あるいは電磁気的なスイッチでARDUINOシステムに電源の供給を遮断させること、リモコン等を使ってプログラムの終了を指示する制御信号を制御部COMに送信することなどである。これによってモータ部MOTの駆動が停止する。
【0023】
以上により、自動で食材FDを焼くことができる。食材FDの第1面FDa及び第2面FDbが所望の焼き具合になる。モータ部を回転させるタイミングやARDUINOシステムを停止させる時間の条件出し・評価を行って、制御部COMが計測する時間を設定すれば、食材FDを焦がすことなく、自動で焼くことができる。また、このとき、食材FDが所望の焼き具合に焼き上がったことを知らせるために、ランプ点灯、ブザー又はメロディーの鳴動等がなされるような焼き上がり通知部を制御部COMに設けることによって、焼き上がりを確実に把握することができる。
【0024】
次に、第2のグリル制御方法について述べる。第2のグリル制御方法では、食材FDを15秒ごとに焼き面を変えて所望の焼き具合になるようにモータ部MOTを回転させる制御プログラムが入力されている。一例として、
図4にその制御ブログラムを示す。なお、制御部COMとしてARDUINO UNO R3、モータ部MOTとして小型サーボASV―15MGを使用した。
【0025】
制御部COMは、ARDUINOシステムが始動すると、15秒の時間計測を開始する。このとき、コンロCSによって食材FDの第1面FDaが焼かれる。
【0026】
そして、15秒の時間が経過したら、制御部COMは、モータ部MOTに制御信号を送信してモータ部MOTを180度回転させる。例えば、制御信号として、パルス周期20ms、パルス幅1.55msのパルス信号を送信する。これによって保持部1が180度回転する。保持部1が180度回転すると、コンロCSによって食材FDの第2面FDbが焼かれる。
【0027】
さらに、15秒の時間が経過したら、制御部COMは、モータ部MOTに制御信号を送信してモータ部MOTを逆方向に180度回転させて、元の位置に戻るようにする。例えば、制御信号として、パルス周期20ms、パルス幅1.05msのパルス信号を送信する。これによって保持部1が逆方向に180度回転する。保持部1が180度回転すると、コンロCSによって食材FDの第1面FDaが再び焼かれる。
【0028】
これらの動作を繰り返すことによって、食材FDの第1面FDa及び第2面FDbが交互に繰り返して焼かれる。例えば、食材FDの第1面FDaを合計120秒間、食材FDの第2面FDbを合計105秒間焼いた後、ARDUINOシステムを停止させる。これによって、モータ部MOTの駆動が停止する。
【0029】
以上により、自動で食材FDを焼くことができる。食材FDの第1面FDa及び第2面FDbが所望の焼き具合になる。
【0030】
次に、本発明の第2実施形態にかかる態様について述べる。本発明の第2実施形態にかかる態様は、
図5(a)に示すリモコンスイッチ5や
図5(b)に示すタッチパネル15などの操作装置をさらに備える食材焼き機FGM2である。操作装置を用いることによって、食材FDの種類や焼き具合を選択して食材FDを焼くことができる。
【0031】
リモコンスイッチ5には、複数のボタン6(選択部)が設けられている。例えば、複数のボタン6としては、第1列目に配置された第1から第4ボタン、第2列目に配置された第5から第8ボタン、第3列目に配置された第9から第12ボタン、第4列目に配置された第13から第16ボタン、第5列目に配置された第17から第20ボタンがある。
【0032】
第2実施形態における第3のグリル制御方法について述べる。第1ボタンには、牛カルビと表示されており、食材FDとして牛カルビを焼く際に押すボタンである。例えば、第1ボタンを押すと、リモコンスイッチ5に設けられる送信部は、ARDUINOシステムに牛カルビのグリル制御に関する制御信号を送信する。例えば、牛カルビのグリル制御に関する制御信号としては、上述した第1のグリル制御方法である。そして、その制御信号を受信した制御部COMは、第1のグリル制御方法を実行する。
【0033】
第2ボタンには、豚ロースと表示されており、食材FDとして豚ロースを焼く際に押すボタンである。例えば、第2ボタンを押すと、リモコンスイッチ5に設けられる送信部は、ARDUINOシステムに豚ロースのグリル制御に関する制御信号を送信する。例えば、豚ロースのグリル制御に関する制御信号としては、上述した第2のグリル制御方法である。そして、その制御信号を受信した制御部COMは、第2のグリル制御方法を実行する。
【0034】
第3ボタンには、鳥もも肉と表示されており、食材FDとして鳥もも肉を焼く際に押すボタンである。例えば、第3ボタンを押すと、リモコンスイッチ5に設けられる送信部は、ARDUINOシステムに鳥もも肉のグリル制御に関する制御信号を送信する。例えば、鳥もも肉のグリル制御に関する制御信号としては、食材FDを10秒ごとに焼き面を変えて所望の焼き具合になるようにモータ部MOTを回転させる制御プログラムを実行するものである。そして、その制御信号を受信した制御部COMは、食材FDを10秒ごとに焼き面を変えて所望の焼き具合になるようにモータ部MOTを回転させるグリル制御方法を実行する。
【0035】
このほかにも、第4から第16ボタンには、牛ステーキ、牛タン、豚トロ、手羽先、軟骨、ばら肉、ハラミ、ヒレ、レバー、サーロイン、ランプ、ホルモン、ザブトン、桜肉、ボタン肉、キャベツ、にんじん、なす、たまねぎ、サンマ、ホタテ、イカ、たこ、ホットケーキ、パンケーキなどが適宜表示されており、それぞれの焼き方に応じたグリル制御方法を実行する。
【0036】
また、第5列目に配置された第17ボタンには、レアと表示されており、食材FDの焼き具合を弱めに焼く際に押すボタンである。例えば、第1〜第16ボタンのいずれか1つのボタンを押し後5秒以内に17ボタンを押すと、リモコンスイッチ5に設けられる送信部は、ARDUINOシステムに焼き具合を弱めにするグリル制御に関する制御信号を送信する。そして、制御部COMは、第1から第16ボタンに設定された焼き時間の8割の時間で食材FDを焼くようにグリル制御方法を実行する。
【0037】
第18ボタンには、ウェルダムと表示されており、食材FDの焼き具合を強めに焼く際に押すボタンである。例えば、第1〜第16ボタンのいずれか1つのボタンを押し後5秒以内に第18ボタンを押すと、リモコンスイッチ5に設けられる送信部は、ARDUINOシステムに焼き具合を強めにするグリル制御に関する制御信号を送信する。そして、制御部COMは、第1から第16ボタンに設定された焼き時間に2割増した時間で食材FDを焼くようにグリル制御方法を実行する。
【0038】
また、第5列目に配置された第20ボタンには、停止と表示されており、食材FDの焼き動作を停止する際に押すボタンである。例えば、第20ボタンを押すと、制御部COMは、ARDUINOシステムを停止させる。これによって、モータ部MOTの駆動が停止して、食材FDを取り出すことができる。
【0039】
以上のように、第3のグリル制御方法では、リモコンスイッチ5を用いることにより、食材FDの種類や焼き具合を選択して焼くことができる。また、リモコンスイッチ5に代えて、タッチパネル15を用いることによって、多種多様な食材FDを、アプリケーションを用いて選択することができる。また、ボタンを大きく表示することができるため、食材FDの種類や焼き具合を選択し易くなる。
【0040】
次に、本発明の第3実施形態にかかる態様は、
図6に示すように、駆動部2に画像取得部SENを備える食材焼き機FGM3である。例えば、画像取得部SENとしては、CCD、CMOS、有機ELなどの撮像素子を用いて画像データを取得する。また、レンズやミラーなどの光学系やマイコンなどの画像処理装置を備えていても良い。画像取得部SENは、保持部1よりも下方に設けられている。言い換えると、コンロCSの発熱源のある第1位置と、保持部1の第1焼き面1Aa又は第2焼き面1Bbが配置される第2位置との間の第3位置で、駆動部2に設けられる。このため、コンロCSで焼かれる食材FDの画像データをリアルタイムで取得することができる。第3の実施形態にかかる態様では、この画像データに基づいて食材FDの第4のグリル制御を実行する。
【0041】
第4のグリル制御方法では、
図7(a)に示されるように、食材FDの焼かれる面を画像データとして取得する。例えば、食材FDの第1面FDaが焼かれているときには、食材FDの第1面FDaの画像データを取得し、食材FDの第2面FDbが焼かれているときには、食材FDの第2面FDbの画像データを取得する。実際に画像データを取得した場合には、食材FDの奥行きによって台形状の画像データとして取得することになる。そこで、画像データの画像補正を行うことによって、
図7(b)に示されるように、食材FDを下から観察したような方形状の画像データとして扱うことができる。また、食材FDの焼き具合の空間分布を把握するために、網目状に分割したデータ素子として画像データを取得することができる。
【0042】
図8には、食材FDとして肉を焼いている過程において取得した画像データの一例を示している。なお、画像補正を行った後の方形状の画像データの一例を示す。
図8(a)には、グリル制御を行う前で食材FDを焼く前の画像データが示されており、
図8(b)には、グリル制御を開始してから10秒後の画像データが示されており、
図8(c)には、グリル制御を開始してから30秒後の画像データが示されており、
図8(d)には、グリル制御を開始してから50秒後の画像データが示されている。
【0043】
画像データにおける第1のデータ素子BKaは、肉がまだ焼かれていない生の赤い状態を示している。第2のデータ素子BKbは、肉が焼かれてほんのり色は変化したがまだ生焼きの状態を示している。第3のデータ素子BKcは、肉がしっかり焼かれて食べごろの状態を示している。第4のデータ素子BKdは、肉が焼かれ過ぎて焦げた状態を示している。
【0044】
図8(a)に示されるように、食材FDとしての肉が全体に渡って第1のデータ素子BKaであり、肉が全く焼かれていない状態であることがわかる。この状態では生肉であり、焼肉として食べられない。
【0045】
図8(b)に示されるように、肉全体の約60%が第1のデータ素子BKaであり、それ以外の約40%が第2のデータ素子BKbである。肉の表面の色がほんのり変化してはいるがほぼ生焼きの状態であることがわかる。この状態では、焼肉としてまだ食べられる状態ではない。
【0046】
図8(c)に示されるように、肉全体の約90%が第3のデータ素子BKcであり、それ以外の約10%が第2のデータ素子BKb又は第4のデータ素子BKdである。肉がしっかりと焼かれており、わずかな焦げ目もついていることがわかる。この状態は、焼肉として食べ頃の状態といえる。
【0047】
図8(d)に示されるように、肉全体の約30%が第4のデータ素子BKcであり、それ以外の約70%が第3のデータ素子BKdである。肉が焦げた範囲が広がってしまっていることがわかる。この状態では、焼肉としては焼き過ぎの状態であり、あまり良くない。
【0048】
このように、肉が焼かれる面を焼かれている過程でモニターすることによって、肉の最適な食べ頃を把握することができる。例えば、
図8(c)に示されるような肉の食べ頃を迎えたときに、グリル制御を終了すれば、肉を焦がし過ぎることなく、いつでもおいしい焼き肉を食べることができる。
【0049】
本発明の第4実施形態にかかる態様は、
図9に示されるように、保持部11と、モータ部MOT、水平方向駆動部18、制御部COMを備える駆動部12と、開閉装置を備えるアダプター部13と、シャフト部14と、支持受け部17とを含んで構成される食材焼き機FGM4である。駆動部12は、第1の支持台ST1aで支持され、支持受け部17は、第2の支持台ST1bで支持されることで、コンロCSの発熱源の高さに応じて、保持部11の高さを変えることができる。
【0050】
駆動部12は、保持部11を水平面方向に駆動する水平方向駆動部18をさらに備える。また、支持受け部17は、
図10及び
図11に示されるように、ボールベアリングの内輪に、第1保持部11Aの先端に設けられた止め金部19aが挿入されて第1保持部11Aを支持する第1支持受け部17aと、第2保持部11Bの先端に設けられた止め金部19bが挿入されて第2保持部11Bを支持する第2支持受け部17bとを備える。
【0051】
すなわち、モータ部MOTがシャフト部14を介して、保持部11を水平方向に駆動することによって、第1保持部11Aの止め金部19aが支持受け部17の第1支持受け部17aに挿入され、第2保持部11Bの止め金部19bが支持受け部17の第2支持受け部17bに挿入される。これによって、保持部11が食材FDの重さによって歪むことがなく、食材FDが保持部11から落してしまうのを防ぐことができる。
【0052】
また、
図11に示されるように、アダプター部13は、第1保持部11Aと第2保持部11Bとを有する保持部11を開閉する開閉装置を備える。例えば、開閉装置として、電動ヒンジや90度の回転角度を有するサーボモータなどを用いる。開閉装置は、制御部COMのARDUINOシステムと電気的に接続されており、制御部COMの制御信号を受けて、保持部11を開けて食材FDを保持部11に乗せやすくしたり、保持部11を閉じて保持部11が回転しても食材FDが落ちないようにしたりすることができる。
【0053】
次に、第4実施形態にかかる態様の第5のグリル制御方法について述べる。第5のグリル制御方法では、保持部11に食材FDを乗せれば、全自動で食材FDを焼き上げることができる。
【0054】
制御部COMは、ARDUINOシステムを始動させると、アダプター部13の開閉装置に制御信号を送信して保持部11を閉じさせる。そして、制御部COMは、水平方向駆動部18に制御信号を送信して、保持部11を第1の水平面方向に駆動させる。ここで、第1の水平面方向とは、
図9の紙面に向かって右から左に進む方向である。これによって、第1保持部11Aの止め金具19aが支持受け部17の第1支持受け部17aに挿入され、第2保持部11Bの止め金具19bが支持受け部17の第2支持受け部17bに挿入される。すなわち、保持部11が支持受け部17に支持される。
【0055】
次に、制御部COMは、30秒の時間計測を開始する。このとき、コンロCS1によって食材FDの第1面FDaが焼かれる。そして、30秒の時間が経過したら、制御部COMは、モータ部MOTに制御信号を送信してモータ部MOTを180度回転させる。これによって保持部11が180度回転する。保持部11が180度回転すると、コンロCS1によって食材FDの第2面FDbが焼かれる。
【0056】
さらに、30秒の時間が経過したら、制御部COMは、水平方向駆動部18に制御信号を送信して、保持部11を第2の水平面方向に駆動させる。ここで、第2の水平面方向とは、
図9の紙面に向かって左から右に進む方向である。これによって、第1保持部11Aの止め金具19aが支持受け部17の第1支持受け部17aから引き出され、第2保持部11Bの止め金具19bが支持受け部17の第2支持受け部17bから引き出される。すなわち、保持部11が支持受け部17から外れる。
【0057】
その後、制御装置COMは、アダプター部13の開閉装置に制御信号を送信して保持部11を開かせる。
【0058】
これらの動作によって、食材FDを保持部11に乗せれば自動で食材FDを焼き上げ、焼き上げが終了すると保持部11が開いて食材FDを取り出して食べることができる。食材FDを焦がしてしまうことなく、手軽においしく食べることができる。特に、食材FDを上手く焼くことができない人、スマホやゲームなどに夢中になって食材FDを焦がしてしまう人などにとっては画期的な焼き機である。また、食材FDをいつも最適な焼き具合で食べたい人にとっても革新的な焼き機である。
【0059】
本発明の第5実施形態にかかる態様は、
図12に示されるように、保持部21と、モータ部MOT及び制御部COMを備える駆動部22と、駆動部22を支持する支持台ST2と、保持部21に保持された食材FDを焼くためのコンロCS2とを含んで構成される食材焼き機FGM5である。この食材焼き機FGM3は、コンロCS2を備えているので、これ一台があれば、自宅の庭やキャンプ場などでバーベキューを行う場合には、非常に便利な製品である。
【0060】
本発明の第6実施形態にかかる態様は、
図13に示されるように、複数の保持部31と、複数の保持部31を個別駆動可能な駆動部32を備える食材焼き機FGM4である。この食材焼き機FGM6は、複数の食材FDを同時に焼くことができる。また、焼肉をする人の好みに応じて、焼く食材の種類や焼き具合を調整できる。大勢でバーベキューを行う場合や焼き肉店で焼肉を行う場合などには、非常に効果的な製品である。
【0061】
保持部1は、食材FDを保持できれば良く、1枚の網で挟んで保持しても良い。また、保持部1の大きさや形状は限定されず、様々な形の網を用いても良い。保持部1は、網を用いる場合について説明したが、耐熱用のプラスティックやガラス、鉄板、ホットプレートなど用いても同様に本発明の態様を実施することができる。
【0062】
制御部COMは、ARDUINOに代えて、Java、C#、Python、Paspberry Piなどのプログラミング言語やシーケンス回路、PLCなどの制御システムを用いても良い。また、プログラミングレス思想や人工知能などの制御システムを用いても良い。
【0063】
アダプター部3に代えて、保持部1に2枚の網の間隔を変えて食材FDの保持力を調整する機能を設けても良い。これによって、アダプター部3を省略できるので、シンプルな構成で食材の配置や取出しを容易に行うことができる。
【0064】
シャフト部4は、省略しても良い。例えば、アダプター部3にシャフト部4の機能を含ませる構成にすればよい。すなわち、駆動部2のモータ部MOTにアダプター部3が連結されており、アダプター部3が駆動部2の動力を保持部1に伝える部材として用いれば良い。また、保持部1にアダプター部3及びシャフト部4の機能を含ませる構成にすればアダプター部3及びシャフト部4を省略することができる。すなわち、保持部1が駆動部2のモータ部MOTに連結されており、駆動部2の動力を保持部1に伝える部材として用いれば良い。これによって、食材焼き機FGMを小型化できる。
【0065】
モータ部MOTは、サーボモータに限らず、DCモータ、ACモータ、ステッピングモータ、静電モータ、超音波モータなど様々なモータを用いることができる。それぞれのモータの特性にあわせて、最適なプログラミング制御システムや電気回路を選択することが重要である。また、制御信号は、パルス信号に限らず、連続波信号、電波や光などの無線通信等を用いても良い。
【0066】
画像取得部SENは、駆動部2の下方以外の場所に設けられても良い。例えば、赤外線を用いて、保持部2の上方から画像データを取得しても良い。また、画像取得部SENは、駆動部2に設ける必要はなく、例えば、スマートフォンを用いて取得した画像を制御部COMに送信する制御方法や、保持部2の上方に個別にカメラやビデオを設置して、それらから送信された画像データに基づいて制御部COMがグリル制御を実行しても良い。
【0067】
画像取得部SENで取得した画像データは、データ素子に分割して解析する必要はなく、例えば、空間的な変化量で焼き具合を解析しても良い。また、データ素子の割合は、食材FDの種類、人の好み、店舗のコンセプトなどの様々なケースに応じて設定しても良い。データ素子をさらに細分化して解析することによって、より細やかに焼き具合を調整することができる。
【0068】
本発明の実施形態にかかる態様は、食材を提供する食材の提供方法においても同様に適用される。一例として、本発明の実施形態にかかる態様の食材の提供方法は、食材を保持部に保持させて、保持部で食材の第1面が保持された状態で、食材の第1面を焼かせ、保持部を回転させることにより第1面とは異なる食材の第2面を保持部で保持させて、食材の第2面を焼かせることにより、食材を提供する。
【0069】
本発明の実施形態にかかる態様は、食材を製造する食材の製造方法においても同様に適用される。一例として、本発明の実施形態にかかる態様の食材の製造方法は、食材の第1面を保持して第1面を焼くための第1焼き面と、第1面とは異なる第2面を保持して第2面を焼くための第2焼き面とを有する保持部と、保持部を回転させるモータ部と、モータ部の回転動作を制御して保持部の第1焼き面と第2焼き面とを切り替える制御部とを有する駆動部と、を備える食材焼き機を用いて食材を製造する工程を有する。また、本発明の実施形態にかかる態様の食材の製造方法は、食材を保持部に保持させて、保持部で食材の第1面が保持された状態で、食材の第1面を焼かせ、保持部を回転させることにより第1面とは異なる食材の第2面を保持部で保持させて、食材の第2面を焼かせることにより、食材を製造する工程を有する。
【0070】
以上、本発明の実施形態にかかる態様について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載した範囲に限定されない。上記実施形態では、実施種目、実施場所、実施環境等によって、様々な改良や修正を加えることができることは、当業者にとっても明らかである。これらの変更または改良を加えた実施形態も本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。