【課題】外部電源に接続される電源装置部と、水槽内の流体をマイクロバブルを発生させて殺菌するバブル発生モジュールを含む殺菌部とから構成して、殺菌効率を向上させるとともに、流体の再汚染の危険性がない水槽用滅菌器を提供する。
【解決手段】外部電源に接続される電源装置部と;前記電源装置部と供給電源線を介して通電する電源接続モジュール、及び前記電源接続モジュールに連結具を介して装着及び着脱可能に設けられるバブル発生モジュールからなる殺菌部と;を含んでなり、前記連結具は、伝導性のある材質で形成され、前記電源装置部に通電した電気を前記連結具を介して前記バブル発生モジュールに供給することにより、前記バブル発生モジュールがマイクロバブルを発生して水槽内の流体を殺菌することができるように構成される水槽用滅菌器。
前記電源接続モジュールは、前記水槽のハウジングのいずれかの一部分として構成され、前記供給電源線が前記水槽の外部で電源接続モジュールに接続されるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の水槽用滅菌器。
【背景技術】
【0002】
一般に、飲用や洗浄などのための水槽内の流体は、空気との接触で容易に生物学的汚染が発生するおそれがある。したがって、かかる問題を取り除くために、一般に、紫外線殺菌器などの殺菌装置を水槽内に設置する。
【0003】
このような従来技術としては、韓国登録実用新案第20−0227807号(特許文献1)に開示の「貯水槽飲用水殺菌装置」が挙げられる。
この従来技術に係る貯水槽飲用水殺菌装置は、水を貯留する集水タンク10と、前記集水タンク10から循環管路20で連結されるポンピング部40と、前記ポンピング部40から循環管路20で連結され、さらに前記集水タンク10に連結される殺菌部50とを含んでなり、前記殺菌部50は、箱型の殺菌水槽51と、前記殺菌水槽51の内部の上側に設置される紫外線ランプ52と、前記殺菌水槽51の内部に設置される陰イオン発生部53と、前記殺菌水槽51の内部にオゾン(O
3)を発生させるオゾン発生部54と、前記殺菌水槽51の内部に超音波を送る超音波発振部55a及び超音波振動部55bからなる超音波発生部55とで構成されることを特徴とする。
【0004】
しかし、前記従来技術のように紫外線方式の殺菌装置の場合、処理された水自体が殺菌力を持つことができる殺菌物質の残留性がないため、貯蔵タンクにおける生物学的追加汚染、すなわち有害菌の繁殖による再汚染問題が生じる。
【0005】
したがって、かかる問題を解決するための従来技術として、韓国公開特許第10−2005−0063859号(特許文献2)で開示されている「電流導通方式による貯水槽殺菌装置」がある。この従来技術は、前処理された水を貯留して飲用可能に備えられた貯水槽と;前記貯水槽内に設置され、ケース本体に多数のホール25を有し、その内側には水中に残留した有害成分を吸着する鉱物質23が充填されており、その中央部には密封処理されて電線30の(+)極と(−)極に接続された炭部26、及び前記炭部26の外側に形成されたフィルタ27からなる殺菌器20と;を含んでなることを特徴とする、電流導通方式による貯水槽殺菌装置を提案している。しかし、この従来技術は、密封処理された炭を利用するものであって、炭の供給が円滑でなく、半永久的な使用が困難である。
そこで、新しい方式の殺菌装置の必要性が求められている。
【0006】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20−0227807号
【特許文献2】韓国公開特許第10−2005−0063859号
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を持つことができるもので、その具現例(態様、aspect)(または実施形態)をここに詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明は、その思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0014】
各図面において、同一の参照符号、特に十の桁及び一の桁、または十の桁、一の桁及びアルファベットが同じ参照符号は同一または類似の機能を持つ部材を示し、特に記載がない場合、図面の各参照符号が指す部材はこのような基準に準ずる部材と把握すればよい。
また、各図面において、構成要素は、理解の便宜などのために、大きさや厚さを誇張して大きく(または厚く)或いは小さく(または薄く)表現しているか単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0015】
本明細書で使用する用語は、特定の具現例(態様、aspect)(または実施形態)を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は文脈上特に明記しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
特に他に定義しない限り、技術用語や科学用語を含めて、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使われる辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上で持つ意味と一致する意味を持つと解釈されるべきであり、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的な意味または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0016】
本発明は、水槽用滅菌器(D)に関するもので、本明細書における水槽は、飲用や洗浄などのために使用される流体を保管する貯水槽、水槽などを全て含むものであり、本発明の特徴は、UVランプなどを用いることなく、微小気泡、すなわちマイクロバブルを発生させて水槽内の流体を殺菌することにある。
【0017】
マイクロバブルは、殺菌、抗菌実験でその効果が様々に検証されており、このため、マイクロバブルを利用したシャワー器、洗濯機などの様々な製品に応用されている。
本発明は、このような殺菌効果の高いマイクロバブルを水槽内で発生させて水槽内の流体を殺菌するように考え出されたものであって、
図1に示すように、電源装置部10と殺菌部20で構成されており、殺菌部20が前記水槽内に含浸されてマイクロバブルを発生させることができるように構成されている。
【0018】
まず、前記電源装置部10は、水槽の外部に備えられるものであって、内部に収容部が形成された函体からなっており、前記函体の一側には、外部電源に接続されて電気の供給を受けることができるように外部電源ケーブル11が備えられ、前記殺菌部20に電気を供給することができるように、電源供給線13が前記函体の内部から突出して設けられており、前記外部電源ケーブル11及び電源供給線13はいずれも、前記函体内部の各構成要素、すなわち、後述する制御部15、レジスタ17などと電気的に接続されるものである。これは、より詳細に説明する。
【0019】
前記函体には操作スイッチがさらに備えられ、前記殺菌部20の動作を制御することができる。
図1及び
図2を参照して前記殺菌部20についてより詳細に説明すると、まず、前記殺菌部20は、前記電源装置部10から延びた電源供給線13が接続されて電気の印加を受ける電源接続モジュール21と、前記電源接続モジュール21に通電するように結合され、マイクロバブルを発生させるバブル発生モジュール23とを含んで構成されている。
まず、前記電源接続モジュール21は、板上の部材から構成される第1実施形態と、水槽ハウジングの一部として構成される第2実施形態に分けられる。
【0020】
第1実施形態は、
図2に示すように、前記電源接続モジュール21と後述の保護カバー25とが一つのケーシングを形成するように構成されるもので、このケーシングが水槽の底面、側面などの水槽内に配置されて水槽内の流体を殺菌するできるように構成される実施形態であり、
第2実施形態は、図示してはいないが、前記電源接続モジュール21が水槽のいずれかの一部分として構成され、ここに保護カバー25が結合または付着して、水槽が殺菌機能自体を担当するようにした実施形態である。
したがって、前記第1実施形態は、前記電源接続モジュール21に接続される電源供給線13が水槽内に含浸され、前記第2実施形態は、電源供給線13が水槽の外部から水槽に接続される。第1実施形態の場合には、前記電源線にエポキシなどで防水処理が施されることが好ましい。
【0021】
第1実施形態に基づいてより詳細に説明すると、前記電源接続モジュール21は、中央にボルト穴211が形成されたベース21Aからなるものであって、前記ベース21Aの下面には支持突起213が備えられることにより、電源供給線13を接続する場合、この電源供給線13が通過する空間を確保することができるように構成され、前記ベース21Aの縁部には、内側に突出した内フランジ部215が形成されることにより、前記保護カバー25が前記内フランジ部215の外側面に密着して嵌合されるか、或いは後述する締結ユニットによって固定結合され得るように構成される。
【0022】
また、前記ボルト穴211は、前記ベース21Aの中央から突出した突出突起217に形成されることが好ましく、この突出突起217にバブル発生モジュール23が定着及び固定結合されてマイクロバブルが四方に排出できるように構成される。
また、前記保護カバー25は、前記電源接続モジュール21に結合されるものであって、
図1に示すように、複数の排出孔251が備えられることにより、バブル発生モジュール23によって発生したマイクロバブルが排出できるように構成される。
前記ボルト穴211には電源供給用ボルト218が結合されることにより、電気を電源接続モジュール21に通電させることを特徴とし、前記ボルト218には、電源供給線13が接続され、前記突出突起217には、前記ボルト218が締結できるようにインサートナット219がさらに備えられることが好ましい
【0023】
バブル発生モジュール23は、電気を受けると、放電によってマイクロバブルを外部に発散させるためのもので、電極板231を含めて構成されており、前記バブル発生モジュール23には連結孔233が備えられ、この連結孔233に連結具27が締結されることにより、前記電源接続モジュール21、より正確には突出突起217に締結できるように構成される。
より正確には、前記連結具27は、ボルト、ピンなどからなるが、伝導性材質で構成されて通電可能にするものであって、前記連結孔233を貫通して前記突出突起217のボルト穴211に締結されることにより、前記バブル発生モジュール23を前記突出突起217に機械的に結合させるとともに、電気的に通電させることができるように構成されることを特徴とする。
【0024】
本発明のマイクロバブルの生成に関連して詳細に説明すると、
マイクロバブルは、別途の化学薬品の添加がなくても水と空気のみで発生する小さな気泡をいう。
このような気泡の生成と消滅過程で瞬間超高温(4000℃)、超高圧状態が誘導されることにより、温熱超音波を起こしながら大量の陰イオンが放出され、このような陰イオンの放出により殺菌機能及び浄化効果を期待することができる。
このようなマイクロバブルを発生させる方法は、いろいろの方法が知られているが、本発明は、電極板を用いた水中放電によってマイクロバブルを生成する。
【0025】
より具体的には、このような水中放電は、強力な放電効果によって水分子イオンを水素イオンと酸素イオンに分解し、粒子が活性化された状態で水酸化イオン、微酸性次亜塩素酸水、過酸化水素などの強力な殺菌力を持つ物質と結合し、この過程で水酸化イオンが発生する。この過程でマイクロバブル形態の気泡は、さらに小さくなってナノバブルに縮小され、水酸化ラジカルを発生させるが、これは、殺菌力と難分解性有機物質の分解能力に優れることが知られている。
また、このようなバブルの気体内部には超高圧力が作用するので、水中の溶存酸素量が増加する効果も期待することができる。
【0026】
図3は本発明に係る水槽用滅菌器の動作ブロック図を示す。本発明は、水槽内の流体の種類に応じて電流の強さを調節することにより、流体の種類に関係なくマイクロバブルを一定に発生させるように構成されることを特徴とする。
一般に、流体は、塩(NaCl)の有無によって塩水と淡水に区分することができ、塩水と淡水は、電気伝導度が100倍以上の差を示す。このため、マイクロバブルの発生及び電気、電子部品の保護を可能にするためには、その電気伝導度に応じて電流の強さを調節して通電させなければならない。
【0027】
そこで、前記電源装置部10には制御部15、レジスタ17、切替スイッチ18及び感知部19が備えられている。
より具体的には、前記制御部15は、前記電流の流れを調節するためのものであって、まず、前記感知部19は、前記バブル発生モジュール23に感知電流を送った後、流体の種類別に互いに異なる電気伝導度に応じて変わる電流値を感知して制御部15に送信する。
このとき、塩水と淡水を区別するためのしきい値が制御部15には保存されており、感知された電流値がしきい値を超える場合には塩水と認知し、しきい値以下の場合には淡水と認知するようにする。
【0028】
前記制御部15が塩水であることを認知すると、切替スイッチ18が動作して電流をレジスタ17に送電して設定しきい値に電流を下げた後、前記バブル発生モジュール23へ送信するようにし、
淡水であることを認知すると、切替スイッチ18の動作により、電流はレジスタ17を経ることなく直ちにバブル発生モジュール23に送電できるようにして、マイクロバブルが生成できるようにする。
また、前記レジスタ17の他にPMW制御などを用いて電流を下げることも可能である。そこで、権利範囲を前記レジスタ17などに制限解釈してはならない。
つまり、このような動作により淡水と塩水の電気伝導度の違いにも拘らず、本発明は、常にマイクロバブルを発生させることができるようにして、水槽内の流体をより効果的に殺菌することができるようにする。
【0029】
併せて、前記レジスタ17の過熱を防止するために、別途の冷却ファン171がさらに備えられてもよいが、権利範囲をこの場合に制限解釈してはならない。
図4ないし
図6は前記電源接続モジュール21に保護カバー25を固定するにあたり、締結ユニットを介してより容易に着脱可能に構成して、内部のバブル発生モジュール23のメンテナンスの際に容易に保護カバー25を分離できるように考え出されたものである。
【0030】
前記締結ユニットPは、保護カバー25の結合孔Hを貫通する胴体部P13、及び前記胴体部P13の上部に設けられ、保護カバー25の一面を加圧するヘッド部P11からなる締結ピンP10と、前記締結ピンP10が差し込まれるように内フランジ部215に設けられるピン溝P20と、前記締結ピンP10に設けられ、前記締結ピンP10をピン溝P20に固定する締結部材P30とを含んでなるものであって、それぞれの構成について、
図4ないし
図6を参照してより詳細に説明する。
また、説明の便宜のために、
図4を基準に前記締結ピンP10が上部方向から下部方向に差し込まれる方向に限定して方向を定めるようにしているが、これに権利範囲を制限解釈してはならない。
【0031】
まず、前記締結ユニットPは、
ヘッド部P11と胴体部P13からなるもので、中央に形成された中溝P15、及び前記中溝P15の下部で両側に形成された引出孔P17を有する締結ピンP10と、
前記内フランジ部215に形成されて前記胴体部P13が引き込まれ、両側面に前記引出孔P17に対応するように定着溝P23と固定溝P21が形成されたピン溝P20と、
前記締結ピンP10の中溝P15に内挿され、前記引出孔P17を介して引出可能に設けられ、他端に磁石P311が形成された締結胴体P31、及び前記締結胴体P31に設けられ、前記中溝P15を介して前記締結ピンP10の上部に露出されるハンドルバーP33を含む締結部材P30と、
前記定着溝P23に設けられもので、支持ブロックP41と前記支持ブロックP41から昇降可能に結合される金属製昇降ブロックP43、及び前記昇降ブロックP43に弾性力を付与する上昇誘導スプリングP45を備える引込防止部材P40とを含んでなり、
前記締結部材P30を中溝P15に挿入した後、前記締結部材P30を前進させると、前記締結胴体P31が前記引出孔P17を介して出て前記固定溝P21に引き込まれて締結ピンP10の離脱を防止し、
前記締結胴体P31が固定溝P21に引き込まれると、前記締結胴体P31の磁石P311によって前記引込防止部材P40が前記締結ピンP10に引き込まれ、前記昇降ブロックP43が支持ブロックP41から上昇誘導スプリングP45によって上昇して前記中溝P15の内壁面を支持することにより、前記締結部材P30の後退を制限することを特徴とする。
【0032】
より具体的には、前記締結ピンP10は、ヘッド部P11と胴体部P13からなるピン形状であって、円筒状のピンではなく、四角形のピンで構成されて方向性を持つようにすることが好ましく、これに対応して、前記ピン溝P20も四角形の形状を有する溝からなることが好ましく、中溝P15も四角長形の形状からなることが好ましく、方向性の特定のために、締結ピンP10には表示部がさらに形成できる。ただし、これに権利範囲を制限解釈してはならない。
【0033】
さらに前記締結ピンP10には中溝P15が形成されているが、前記中溝P15は、前記締結ピンP10の中央に形成される溝であって、前記中溝P15の底面の両側にはそれぞれ引出孔P17が形成され、後述する締結胴体P31の引出及び引込防止部材P40の引き込みをすることができるように構成される。
【0034】
前記締結ピンP10の中溝P15には、締結胴体P31とハンドルバーP33からなる締結部材P30がさらに備えられているが、
前記締結胴体P31は、前記中溝P15の底面に密着して前記引出孔P17を介して引き出し可能に形成される部材であり、前記ハンドルバーP33は、前記締結胴体P31から上部方向に備えられるが、前記中溝P15の上方に突出(露出)する直線型のバー形状の部材をいう。
したがって、ユーザーが前記ハンドルバーP33を掴んで動かすと、前記締結胴体P31の一端が前記引出孔P17を介して前記締結ピンP10の胴体部P13の一側に引き出されるように構成される。
また、前記締結胴体P31の他側には磁石P311が備えられており、これは、下記引込防止部材P40を引っ張るために備えられるものであって、以下でより詳細に説明する。
【0035】
前記ピン溝P20は、前記締結ピンP10の胴体部P13が引き込まれるところであって、前記引出孔P17に対応することができるように、一側には固定溝P21が形成され、他側には定着溝P23が形成される構造であり、前記定着溝P23に引込防止部材P40が収容されている。
概略的な作動方式について説明すると、保護カバー25を電源接続モジュール21に結合させるために、前記締結ピンP10を保護カバー25に形成される結合孔Hを貫通させて、前記ヘッド部P11が保護カバー25を加圧することができるようにし、前記ピン溝P20に差し込んだ後、ユーザーが、前記締結ピンP10の上部に露出されたハンドルバーP33を操作して締結胴体P31の一端を前記固定溝P21に前進させると、前記締結ピンP10がピン溝P20に固定される。このとき、前記締結胴体P31の他端に備えられた磁石P311が前記定着溝P23に収容された引込防止部材P40を引っ張ると、前記引込防止部材P40の昇降ブロックP43が前記中溝P15の内部で上昇して前記胴体部P13の内側面、すなわち前記中溝P15の壁面を支持して前記締結胴体P31の後退を制限することにより、任意に締結部材P30が操作されることを防止する。
【0036】
このため、前記昇降ブロックP43は、磁石P311によって引っ張られる金属製の素材からなる。
このため、前記引込防止部材P40は、前記定着溝P23に収容されるものであって、支持ブロックP41と、前記支持ブロックP41からスライド可能に設けられる昇降ブロックP43とからなり、前記昇降ブロックP43と支持ブロックP41との間には、図示されてはいないが、別途の上昇誘導スプリングP45がさらに備えられることにより、前記昇降ブロックP43が上昇しうる弾性力を付与する。
前記上昇誘導スプリングP45は、両端部が前記支持ブロックP41及び昇降ブロックP43に結合される一般型スプリング、コイルスプリングなどからなることができるが、権利範囲をこれらに制限解釈してはならない。
【0037】
例えば、前記昇降ブロックP43と支持ブロックP41とが出会う面に、それぞれ互いに連通する溝部P46が形成され、この溝部P46に上昇誘導スプリングP45が備えられることにより、昇降ブロックP43が上昇しうる弾性力を付与することができる。
その結果、前記引込防止部材P40が定着溝P23に収容されるときには、前記定着溝P23の上面によって昇降ブロックP43は上昇できないが、前記引込防止部材P40が引出孔P17を介して締結ピンP10に引き込まれ、前記昇降ブロックP43が中溝P15内に位置すると、昇降ブロックP43の上面を支持する構成がないため、弾性力によって昇降ブロックP43が上昇する。
【0038】
前記締結ピンP10をピン溝P20から解錠する動作を実施するために、前記上昇した昇降ブロックP43を強制的に下降させるための部材が必要であるが、このために、前記締結ピンP10、より正確には、前記中溝P15にはプッシュ部材P50がさらに備えられることを特徴とする。
前記プッシュ部材P50は、図面を基準に中溝P15の左側に位置するもので、底面が前記締結胴体P31の上部に定着されている部材である。
すなわち、
図6に示すように、前記昇降ブロックP43が中溝P15内で上昇すると、前記プッシュ部材P50を押してプッシュ部材P50の上端部が中溝P15の外に露出した状態となり、この露出した部分をユーザーが押すと、前記昇降ブロックP43が下降して解錠動作を行うことができる。
【0039】
併せて、前記プッシュ部材P50が中溝P15の外に離脱することを防止するための離脱バンプP111が前記ヘッド部P11にさらに備えられており、前記プッシュ部材P50には、前記離脱バンプP111に係止される係止段差部P51がさらに備えられており、
前記プッシュ部材P50が中溝P15内で左右方向(
図4を基準とする。)に移動することを防止するために、前記中溝P15の壁面には、前記プッシュ部材P50の動きを制限するのための一つまたは二つ以上の離脱防止突起P151がさらに備えられており、
このような構成で、前記プッシュ部材P50は上下方向に制限的な動きのみが可能になる。
さらに、より容易な解錠のために、かつ、締結ピンP10の保管時に任意に締結胴体P31が引出孔P17を介して引き出されることを防止するために、弾性スプリングP35がさらに備えられるが、
この弾性スプリングP35の両端は、前記プッシュ部材P50とハンドルバーP33に密着し、前記ハンドルバーP33を左方向、すなわちプッシュ部材P50の方向に弾性力を付与することができるように構成される。
【0040】
したがって、平常時には、
図4に示すように、締結部材P30は、中溝P15内に安定的に位置し、ユーザーが締結部材P30を動かして締結胴体P31を固定溝P21に引き込ませると、
図6に示すように前記弾性スプリングP35が引っ張られる。このときは、前記昇降ブロックP43が上昇しているので、弾性力による原位置への復帰は妨げられており、
解錠の際にユーザーがプッシュ部材P50を押して昇降ブロックP43を下降させると、前記弾性スプリングP35の弾性力によって、締結部材P30は後退して締結胴体P31の一端が固定溝P21から抜け、この動作と連動して前記引込防止ブロックを定着溝P23に押し込んで原位置に復帰させた後、締結ピンP10をピン溝P20から分離させることができる。
【0041】
さらに、本発明は、前記定着溝P23に収容された引込防止ブロックの離脱を防止するためのストッピング部材P60をさらに備えることができる。
前記ストッピング部材P60は、前記ピン溝P20の底面に備えられるものであって、ストッパーP61と、前記ストッパーP61に弾性力を付与するストッピングスプリングP63とからなっている。前記ストッパーP61は、図示してはいないが、前記ピン溝P20の壁面に沿ってスライド移動できるように、溝と突起、またはダブテール形状にピン溝P20の壁面に固定されており、平常時には、
図4に示すように弾性力によって上昇して、前記ストッパーP61の一部が前記定着溝P23の入口の下を一部遮ることにより、前記引込防止部材P40が引き出されるのを防止し、
前記締結ピンP10が差し込まれると、前記ストッパーP61が押されて前記定着溝P23の入口を開放することにより、引込防止ブロックの引き出しを可能にする。
【0042】
もちろん、このために、前記締結ピンP10の胴体部P13には、前記ストッピング部材P60が位置することができるように空間を形成するリセス部P131が形成され、前記リセス部P131の上部には、前記ストッパーP61を加圧するためのプッシュ段部P133がさらに備えられることが好ましい。
【0043】
併せて、固定しようとする保護カバー25の厚さに対応することができるように、本発明は、ヘッド部P11の底面に、加圧スプリングP73と加圧板P71からなる加圧部材P70をさらに備えることができる。
この場合は、例えば、前記保護カバー25の厚さが厚い場合には、前記加圧スプリングP73の圧縮率が高くなり、保護カバー25の厚さが薄い場合には、加圧スプリングP73の圧縮率が低くなることにより、保護カバー25の厚さに関係なく加圧力を維持して固定することができ、より正確には、ヘッド部P11ではなく、前記加圧板P71が前記保護カバー25の一面を加圧して固定する方式で構成される。
【0044】
以上で本発明を説明するにあたり、添付図面を参照して、特定の形状、構造および構成を有する水槽用滅菌器を中心に説明したが、本発明は、当業者によって様々な修正、変更および置換が可能であり、それらの修正、変更及び置換も本発明の保護範囲に属するものと解釈されるべきである。