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特開2021-109386ブリスターパックの製造装置及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-109386(P2021-109386A)
(43)【公開日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】ブリスターパックの製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/26 20170101AFI20210705BHJP
   B65D 75/36 20060101ALI20210705BHJP
【FI】
   B31B50/26
   B65D75/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-3076(P2020-3076)
(22)【出願日】2020年1月10日
(71)【出願人】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592171625
【氏名又は名称】株式会社真田製作所
(71)【出願人】
【識別番号】510219084
【氏名又は名称】株式会社双葉マテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】岡本 衛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昇吾
(72)【発明者】
【氏名】眞田 宣明
(72)【発明者】
【氏名】若林 淳也
【テーマコード(参考)】
3E067
3E075
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067BA32A
3E067BA33A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067EA01
3E067FA01
3E067FB03
3E067FC01
3E075AA03
3E075AA23
3E075BA82
3E075CA01
3E075DC24
3E075EA01
3E075FA13
3E075FA32
3E075GA05
(57)【要約】
【課題】簡単な構造によって、ブリスターカバーと背面シートを正確に位置決めしてフラップを形成できる、安価なブリスターパック製造装置を提供する。
【解決手段】ブリスターパック製造装置1の支持台29にプリスターカバー90Aを支持させる。ブリスターカバー90Aの背面に背面シート91を被せる。支持台29にガイド面23g,24gを有する矯正ガイド23,24を設ける。前記ガイド面は、支持面22aと直交する面に対して傾斜され、ブリスターカバー90A及び背面シート91を支持台29の正規の位置へ案内する。フラップ形成機構30によって、ブリスターカバーの端部を背面シート91の背面側へ折り曲げて、フラップ94を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨出部を有するブリスターカバー及び前記ブリスターカバーの背面に被せられた背面シートを含み、前記膨出部の内部に被収容物が収容されるブリスターパックを製造する製造装置であって、
支持面を有して、前記ブリスターカバー及び前記背面シートを支持する支持台と、
前記支持面と直交する面に対して傾斜されたガイド面を有して前記支持台に設けられ、前記ブリスターカバー及び前記背面シートを前記支持台の正規の位置へ案内する矯正ガイドと、
前記ブリスターカバーの端部に前記背面シートの背面側へ折り曲げられたフラップを形成するフラップ形成機構と、
を備えたことを特徴とするブリスターパック製造装置。
【請求項2】
前記支持台には、前記ブリスターカバー及び前記背面シートの第1端部に形成されたフック穴に挿通されるピンと、前記ブリスターカバー及び前記背面シートの前記第1端部とは反対側の第2端部の側縁をガイドするガイドブロックとが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のブリスターパック製造装置。
【請求項3】
前記ピンが、円柱状のストレート部と、前記ストレート部に連なるとともに先端へ向かって縮径されたテーパ部とを含んで、前記矯正ガイドの1つを構成していることを特徴とする請求項2に記載のブリスターパック製造装置。
【請求項4】
前記ガイドブロックが、前記支持面と直交する垂直面と、前記垂直面から先端へ向かって傾斜されたガイド面とを有して、前記矯正ガイドの1つを構成していることを特徴とする請求項2又は3に記載のブリスターパック製造装置。
【請求項5】
前記フラップ形成機構が、
前記フラップ形成時のブリスターカバーのフラップの折り目となる部分又はその近傍部分を加熱する加熱部と、
前記フラップの折り目となる部分を押さえる押さえ位置を含む複数の位置に変位可能な押さえプレートと、
前記フラップとなる部分を前記押さえ位置の押さえプレートへ向けて折り曲げる立ち上げ位置を含む複数の位置に変位可能な立ち上げ部と、
前記折り曲げられた前記フラップとなる部分を、更に前記背面シートの背面へ向けて倒す倒し位置を含む複数の位置に変位可能な倒し部と、
前記フラップ又は前記折り目を冷却する冷却部と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブリスターパック製造装置。
【請求項6】
前記押さえプレート及び前記倒し部が、互いに共通の保持部材に保持されることによって一体的に変位され、
前記押さえプレートが前記押さえ位置にあるときは、前記倒し部が前記立ち上げ位置の立ち上げ部より前記押さえプレート側とは反対側に離れ、
前記倒し部が前記倒し位置にあるときは、前記押さえプレートが前記背面シートの端部より中央側の部分を押さえる中央押さえ位置にあり、かつ前記立ち上げ部が前記フラップから退避されていることを特徴とする請求項5に記載のブリスターパック製造装置。
【請求項7】
前記立ち上げ部が前記加熱部を含み、前記倒し部が前記冷却部を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のブリスターパック製造装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のブリスターパック製造装置を用いるブリスターパックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターカバーの背面に台紙等の背面シートを被せた構造のブリスターパックを製造する装置及び方法に関し、特に、ブリスターカバーの端部に背面シートの端部を押さえるフラップを形成するブリスターパック製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のブリスターパックは、透明な硬質樹脂製のプリスターカバーと背面シート(台紙)を備えている。プリスターカバーの中央部には膨出部が形成され、該膨出部の周りは平坦部となっている。ブリスターカバーの縁部には、背面側へ折り返された一対のフラップが形成されている。膨出部の内部に商品などの被収容物が収容されるとともに、背面シートがプリスターカバーの背面に被せられることで、膨出部の背面開口が背面シートによって塞がれている。背面シートの縁部は、ブリスターカバーの平坦部の端部分とフラップとの間に挟まれている。
【0003】
ブリスターパックの生産にあたっては、成形工場において、ブリスターカバーの膨出部及びフラップが形成される。該ブリスターカバーが組立工場へ搬送され、組立工場において、被収容物(商品)の収容及び背面シートの取り付けが手作業で行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−113829号公報
【特許文献2】実開平07−009168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
省力化などのために、ブリスターパックの組立工程を自動化するニーズがある。しかし、台紙等の背面シートの縁部をブリスターカバーの平坦部の端部分と既形成のフラップとの間に挟み込む動作は複雑で、高機能のロボット等を導入する必要があり、設備コストが膨大になる。この結果、製品価格が高くなってしまう。フラップ未形成のブリスターカバーに背面シートを重ねた後で、フラップを形成するようにすれば、動作の複雑さを緩和できるとも思われる。しかし、ブリスターカバーと背面シートを正確に位置決めして重ねないと、フラップ形成などの後工程に支障が生じ、製品の品質を確保できなかったり、装置が止まってしまったりするおそれがある。
一方、高精度な位置決めのために、高機能の駆動制御機構やセンサを使うと、設備コストが嵩み、製品価格が高くなる。
本発明は、かかる事情に鑑み、簡単な構造によって、ブリスターカバーと背面シートを正確に位置決めしてフラップを形成できる、安価なブリスターパック製造装置を提供し、ブリスターパックを安価に製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る装置は、
膨出部を有するブリスターカバー及び前記ブリスターカバーの背面に被せられた背面シートを含み、前記膨出部の内部に被収容物が収容されるブリスターパックを製造する製造装置であって、
支持面を有して、前記ブリスターカバー及び前記背面シートを支持する支持台と、
前記支持面と直交する面に対して傾斜されたガイド面を有して前記支持台に設けられ、前記ブリスターカバー及び前記背面シートを前記支持台の正規の位置へ案内する矯正ガイドと、
前記ブリスターカバーの端部に前記背面シートの背面側へ折り曲げられたフラップを形成するフラップ形成機構と、
を備えたことを特徴とする。
当該装置によれば、フラップ未形成のブリスターカバーに背面シートを被せ、その後、フラップを形成する。したがって、背面シートの縁部をブリスターカバーの平坦部の端部分と既形成のフラップとの間に挟み込む動作を実行させる必要が無く、動作の複雑さが緩和される。加えて、矯正ガイドを含む簡易な構造で、ブリスターカバーと背面シートを支持台に正確に位置決めしてセットし、ブリスターパックを製造できる。したがって、設備コストを抑えることができ、ひいてはブリスターパックの製品価格を低減できる。
【0007】
前記支持台には、前記ブリスターカバー及び前記背面シートの第1端部に形成されたフック穴に挿通されるピンと、前記ブリスターカバー及び前記背面シートの前記第1端部とは反対側の第2端部の側縁をガイドするガイドブロックとが設けられていることが好ましい。
ピンによって、ブリスターカバー及び背面シートを回転変位のみ許容し、平行変位を規制できる。かつガイドブロックによって前記回転変位を規制できる。
【0008】
前記ピンが、円柱状のストレート部と、前記ストレート部に連なるとともに先端へ向かって縮径されたテーパ部とを含んで、前記矯正ガイドの1つを構成していることが好ましい。前記テーパ部の外周面は、前記ガイド面を構成する。これによって、前記ピンに対してフック穴を芯出しできる。かつ、フック穴へのピンの差し入れが容易になる。
【0009】
前記ガイドブロックが、前記支持面と直交する垂直面と、前記垂直面から先端へ向かって傾斜されたガイド面とを有して、前記矯正ガイドの1つを構成していることが好ましい。前記ガイドブロックによって、背面シートを支持台の正規の位置へ確実に案内できる。
【0010】
前記フラップ形成機構が、
前記フラップ形成時のブリスターカバーのフラップの折り目となる部分又はその近傍部分を加熱する加熱部と、
前記フラップの折り目となる部分を押さえる押さえ位置を含む複数の位置に変位可能な押さえプレートと、
前記フラップとなる部分を前記押さえ位置の押さえプレートへ向けて折り曲げる立ち上げ位置を含む複数の位置に変位可能な立ち上げ部と、
前記折り曲げられた前記フラップとなる部分を、更に前記背面シートの背面へ向けて倒す倒し位置を含む複数の位置に変位可能な倒し部と、
前記フラップ又は前記折り目を冷却する冷却部と、
を備えていることが好ましい。
加熱部の加熱によって、ブリスターカバーのフラップの折り目となる部分又はその近傍部分が軟化される。押さえプレートを押さえ位置にして、フラップの折り目となる部分を押さえ、立ち上げ部を立ち上げ位置にすることで、前記フラップとなる部分が立ち上げられる。続いて、倒し部を倒し位置にすることで、前記フラップとなる部分が背面シートの背面へ向けて倒される。冷却部によって、前記フラップとなる部分を冷却して塑性変形させる。このようにして、ブリスターカバーにフラップが形成される。
【0011】
前記押さえプレート及び前記倒し部が、互いに共通の保持部材に保持されることによって一体的に変位され、
前記押さえプレートが前記押さえ位置にあるときは、前記倒し部が前記立ち上げ位置の立ち上げ部より前記押さえプレート側とは反対側に離れ、
前記倒し部が前記倒し位置にあるときは、前記押さえプレートが前記背面シートの端部より中央側の部分を押さえる中央押さえ位置にあり、かつ前記立ち上げ部が前記フラップから退避されていることが好ましい。
これによって、背面シートの浮き上がりを防止しながら、フラップとなる部分を倒すことができる。倒し部を倒し位置にする際に押さえプレートを退避させる必要が無く、構造が簡素化される。
【0012】
前記立ち上げ部が前記加熱部を含み、前記倒し部が前記冷却部を含むことが好ましい。これによって、装置構造を簡素にできる。
本発明方法は、前記のブリスターパック製造装置を用いるブリスターパックの製造方法に係る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構造によって、ブリスターカバーと背面シートを正確に位置決めしてフラップを形成できる、安価なブリスターパック製造装置を提供することができる。該ブリスターパック製造装置を用いてブリスターパックを安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るブリスターパック製造装置の平面図である。
図2図2(a)は、前記ブリスターパック製造装置によって製造されたブリスターパックの一例を示す正面図である。図2(b)は、前記ブリスターパックの背面図である。図2(c)は、同図(a)のIIc−IIc線に沿う断面図である。図2(d)は、前記ブリスターパックの背面シートを展開して示す平面図である。
図3図3は、前記ブリスターパック製造装置の折り機構の斜視図である。
図4図4(a)は、前記ブリスターパック製造装置のブリスターカバー設置位置を、ターンテーブルの周方向を上下方向にして示す平面図である。図4(b)は、前記ブリスターパック製造装置の背面シート設置位置を、ターンテーブルの周方向を上下方向にして示す平面図である。
図5図5(a)は、図4(a)のVaーVa折曲線に沿う階段断面図である。図5(b)は、図4(b)のVbーVb線に沿う断面図である。
図6図6(a)は、図4(a)のVIaーVIa折曲線に沿う階段断面図である。図6(b)は、図4(b)のVIbーVIb線に沿う断面図である。
図7図7は、前記ブリスターパック製造装置のフラップ形成機構の斜視図である。
図8図8(a)〜同図(c)は、前記フラップ形成機構によるフラップ形成工程を順次示し、ターンテーブルのフラップ形成位置における周方向と直交する断面図である。
図9図9(a)〜同図(c)は、図8に続くフラップ形成工程を順次示し、ターンテーブルのフラップ形成位置における周方向と直交する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、ブリスターパック製造装置1は、ブリスターパック9を製造するものである。図2(a)〜同図(c)に示すように、製造対象のブリスターパック9は、硬質樹脂シートを成形してなるブリスターカバー90と、背面シート91(台紙)とを含む所謂スライドブリスターである。ブリスターカバー90は、表側(図2(a)において上側)へ膨出する膨出部92を有し、その周りは平坦部93となっている。平坦部93の左右側端部にフラップ94が形成されている。フラップ94は、ブリスターカバー90の背面側(図2(b)において上側)へ折り曲げられている。
【0016】
図2(c)に示すように、膨出部92の内部に商品である被収容物99が収容される。ブリスターカバー90の背面に背面シート91が被せられることで、膨出部92の背面開口92bが塞がれている。背面シート91の側端部は、平坦部93の側端部とフラップ94とによって挟み付けられている。フラップ94が背面シート91の側端部の背面に被さっている。
なお、図2(c)において、ブリスターカバー90及び背面シート91の厚みは誇張されている。
【0017】
図2(d)に示すように、背面シート91は、ブリスターカバー90の2倍の長さを有している。該背面シート91が、長手方向の中央部において二つ折りに折られている。背面シート91は、中央部の折り目91cを挟んで2つのシート部分91aを有している。展開した背面シート91の面積を倍にすることで、商品説明、広告その他の商品情報の表示領域を倍増させることができる。
【0018】
図2(a)及び(b)に示すように、ブリスターパック9の上端部(第1端部)の中央部には、フック穴9fが形成されている。フック穴9fは、ブリスターカバー90のフック穴90fと、背面シート91のフック穴91fを含む。これらフック穴90f,91fどうしが互いにぴったり一致して連通されている。図2(d)に示すように、背面シート91においては、2つのシート部分91aの各々にフック穴91fが形成されている。2つのフック穴91fが折り目91cを挟んで近接して配置されている。
【0019】
図1に示すように、ブリスターパック製造装置1は、ストッカー2と、折り機構10と、組立機構20を備えている。折られる前の背面シート91Aがストッカー2に積まれている。図3に示すように、折り機構10は、載置台11と、作動板12を含む。折られる前の背面シート91Aが1つずつ第1移載機構3(図1)によって載置台11上へ移載される。載置台11の中央部には間隙11cが形成されている。該間隙11cに作動板12が挿し込まれることによって、背面シート91Aが二つ折りにされる。図1において簡略化して示す第2移載機構4によって、二つ折りの背面シート91が組立機構20へ移される。
【0020】
図1に示すように、組立機構20は、円形のターンテーブル21と、フラップ形成機構30を含む。ターンテーブル21には複数の取付穴21cが等角度置きに形成されている。取付穴21cは、例えば長方形に形成されている。取付穴21cの長手方向は、ターンテーブル21の周方向に沿っている。
ターンテーブル21には、モータ等を含む回転機構25が接続されている。回転機構25は、ターンテーブル21を間歇的に回転させる。
【0021】
各取付穴21cの長手方向に支持プレート22が架け渡されている。ターンテーブル21と支持プレート22とによって、支持台29が構成されている。
図4に示すように、支持プレート22は、ブリスターパック9に合わせた長方形状に形成されている。支持プレート22の長手方向は、取付穴21cと同じくターンテーブル21の周方向(図4(a)において上下方向)に沿っている。支持プレート22の長手方向の両端部が、ターンテーブル21にボルト締め等によって着脱可能に固定されている。
ターンテーブル21の径方向(図4(a)において左右方向)に沿う、取付穴21cの幅は、支持プレート22の幅より十分に大きい。取付穴21cの幅方向の両側部が、支持プレート22を挟んで両側から現れている。
【0022】
図4(a)に示すように、支持プレート22の中央部には、膨出部92のための逃し穴22cが形成されている。逃し穴22cは膨出部92より十分に大きく形成されている。
支持プレート22の上面は、組立・製造中のブリスターパック9を支持する支持面22aを構成している。
【0023】
図4に示すように、支持プレート22の長手方向の一端部(図4(a)において上)には、フック穴9fへの挿通用のピン23(組立用の矯正ガイドの1つ)が設けられている。図5に示すように、ピン23は、支持面22aから突出された円柱状のストレート部23aと、先端のテーパ部23bとを含む。ストレート部23aの外径は、フック穴9fの内径と実質的に等しい。厳密には、ストレート部23aの外周面とフック穴9fの内周縁との間に、抜き差し可能なクリアランスが設定されている。ストレート部23aの高さは、ブリスターカバー90の厚さと、二つ折りされた背面シート91の厚さとの合計以上である。
【0024】
図5に示すように、テーパ部23bは、ストレート部23aの上端部に連なるとともに上端(先端)へ向かって縮径されている。テーパ部23bの円錐面をなす外周面は、支持面22aと直交する面に対して傾斜されたガイド面23gを構成している。
【0025】
図4に示すように、支持プレート22の長手方向の他端部(図4(a)において下)には、一対のガイドブロック24(組立用の矯正ガイドの1つ)が設けられている。一対のガイドブロック24どうしは、支持プレート22の短手方向に対向するように配置されている。
【0026】
図6に示すように、ガイドブロック24の対向面は、支持面22aに対して直交する垂直面24aと、該垂直面24aに対して傾斜されたガイド面24gを含む。一対の垂直面24aどうし間の距離は、ブリスターパック9の下端部(第1端部とは反対側の第2端部)の幅と実質的に等しい。厳密には、前記距離と前記幅との間に、ブリスターパック9を抜き差し可能なクリアランスが設定されている。垂直面24aの高さは、ブリスターカバー90の厚さと、二つ折りされた背面シート91の厚さとの合計以上である。
ガイド面24gは、垂直面24aの上端からガイドブロック24の上端(先端)へ向かって他方のガイドブロック24とは反対側へ傾斜されている。
【0027】
ガイドブロック24の垂直面24aを含む部分は、例えば支持プレート22と同体の金属によって構成され、ガイドブロック24のガイド面24gを含む部分は、樹脂によって構成されているが、これに限定されるものではない。
【0028】
図1に示すように、ターンテーブル21のまわりに、ブリスターカバー設置位置20aと、商品収容位置20bと、検査位置20cと、背面シート設置位置20dと、予備位置20eと、フラップ形成位置20fと、放熱位置20gと、排出位置20hとが等角度置きに設定されている。予備位置20e及び放熱位置20gは省略してもよい。
検査位置20cには物体センサ5が設けられている。
背面シート設置位置20dには第2移載機構4が接続されている。
フラップ形成位置20fには、図1において二点鎖線にて示すフラップ形成機構30が設けられている。
【0029】
フラップ形成機構30は、ブリスターカバー90の両端部にフラップ94を形成するための機構である。詳しくは、図7に示すように、フラップ形成機構30は、立ち上げブロック31(立ち上げ部)と、押さえプレート32と、倒しブロック33(倒し部)と、昇降機構34と、昇降開閉機構35を含む。
【0030】
図7及び図8(a)に示すように、立ち上げブロック31は、一対の立ち上げ板部31aと、底板部31bを有し、長手方向と直交する断面が凹字状に形成されている。立ち上げブロック31の長手方向は、ターンテーブル21のフラップ形成位置20fにおける周方向(図8(a)において紙面と直交する方向)に向けられている。各立ち上げ板部31aが、底板部31bの側端部から鉛直に立ち上がっている。一対の立ち上げ板部31aの対向方向は、ターンテーブル21のフラップ形成位置20fにおける径方向(図8(a)において左右方向)に向けられている。
【0031】
図8(a)に示すように、立ち上げ板部31aの上端部には、立ち上げ板部31aより薄い板状の立ち上げ突起31cが形成されている。立ち上げ突起31cは、立ち上げ板部31aから鉛直上方へ突出されるとともに、立ち上げ板部31aの水平な長手方向に沿って延びている。立ち上げ突起31cにおける他方の立ち上げ突起31cとの対向側面は、立ち上げ板部31aの対向側面と面一になっている。
【0032】
立ち上げブロック31には、加熱部36が組み込まれている。加熱部36は、例えばカートリッジヒーターその他の電熱ヒーターによって構成されているが、これに限られるものではない。
【0033】
図7に示すように、立ち上げブロック31には、エアシリンダー(図示省略)等を含む昇降機構34が接続されている。昇降機構34によって、立ち上げブロック31が、立ち上げ位置と下方退避位置との間で昇降可能である。ひいては、立ち上げ位置を含む複数の位置に変位可能である。
図8(c)に示すように、立ち上げ位置に在るときの立ち上げブロック31においては、立ち上げ板部31aがフラップ形成位置20fに在る取付穴21cに挿し入れられ、かつ立ち上げ突起31cがターンテーブル21より上方へ突出される。
図8(a)に示すように、下方退避位置に在るときの立ち上げブロック31は、立ち上げ突起31cを含む全体がターンテーブル21の下方に位置される。
【0034】
図7に示すように、フラップ形成位置20fにおけるターンテーブル21の上方には、昇降開閉機構35が設けられている。昇降開閉機構35は、エアシリンダー(図示省略)等を含む昇降機構部35aと、平行開閉機構部35bとを備えている。平行開閉機構部35bは、一対のスライダ35dと、これらスライダ35dを接近方向又は離間方向へ付勢するバネ(図示省略)と、該バネ力に抗するエア圧回路(図示省略)を含む。エア圧の入切によって、一対のスライダ35dどうしが接近、離間される。一対のスライダ35dの対向方向及び接近・離間方向は、ターンテーブル21のフラップ形成位置20fにおける径方向(図8(a)において左右方向)へ向けられている。
なお、平行開閉機構部35aは、前記バネ及びエア圧を用いるのに限らず、電動モータ等を用いてスライダ35dを開閉させるようになっていてもよい。
【0035】
図7に示すように、各スライダ35d(保持部材)に、押さえプレート32及び倒しブロック33(倒し部)が保持されている。押さえプレート32は、長い長方形の板によって構成されている。押さえプレート32の長手方向は、前記一対のスライダ35dの対向方向と直交する水平方向へ向けられ、かつターンテーブル21のフラップ形成位置20fにおける周方向(図8(a)において紙面と直交する方向)に沿っている。押さえプレート32の短手方向は、鉛直に向けられている。該押さえプレート32の上側部が、スライダ35dにおける他方のスライダ35dとの対向面に固定されている。押さえプレート32の下側部は、スライダ35dから下方へ突出されている。
【0036】
図7に示すように、倒しブロック33は、垂直部33v及び水平部33hを有する断面L字状に形成されている。垂直部33vが、スライダ35dにおける前記対向面とは反対側の面に固定されている。水平部33hは、スライダ35dから下方へ突出され、かつ押さえプレート32へ向かって突出されている。水平部33hの底面ひいては倒しブロック33の底面は、押さえプレート32の下端面と略同じ高さに配置されている。厳密には、倒しブロック33の底面は、押さえプレート32の下端面よりも少なくともブリスターカバー90の厚さ分だけ上方に配置されている。
【0037】
図7に示すように、倒しブロック33には冷却部37が組み込まれている。冷却部37は、倒しブロック33に形成された冷却路37aを含み、該冷却路37aに冷却流体源(図示省略)からの冷却流体を流通させる。冷却流体としては、空気その他のガスを用いてもよく、水その他の液体を用いてもよい
【0038】
図8及び図9に示すように、各スライダ35dの押さえプレート32及び倒しブロック33は、スライダ35dと共に互いに一体になって昇降開閉機構35によって複数の位置に変位可能である。かつ、一対のスライダ35dの一対の押さえプレート32どうし、及び一対の倒しブロック33どうしは、互いに同期して昇降開閉機構35によって昇降及び接近・離間するように変位可能である。変位可能な位置は、上方待機位置、押さえ位置又は下方待機位置、中央押さえ位置又は倒し位置、上方退避位置を含む。
【0039】
図8(a)に示すように、上方待機位置においては、押さえプレート32及び倒しブロック33が、ターンテーブル21におけるフラップ形成位置20aの上方に離れて配置される。かつ一対の押さえプレート32どうし、及び一対の倒しブロック33どうしが互いに大きく離間された離間状態になっている。
【0040】
図8(b)に示すように、押さえ位置においては、押さえプレート32が、ターンテーブル21に近接する高さに配置されている。一対の押さえプレート32どうしは、前記離間状態になっている。
押さえプレート32が押さえ位置に在るとき、倒しブロック33は下方待機位置に在る。下方待機位置における倒しブロック33は、ターンテーブル21に近接し、かつ立ち上げ位置の立ち上げブロック31より押さえプレート32側とは反対側に離れて配置されている。
【0041】
図9(b)に示すように、中央押さえ位置においては、一対の押さえプレート32が、押さえ位置(図8(b)〜図9(a))と同じ高さにおいて互いに接近されている。好ましくは、押さえプレート32はピン23に突き当たっている。
図9(b)に示すように、押さえプレート32が中央押さえ位置に在るとき、倒しブロック33は倒し位置に在る。倒し位置における倒しブロック33は、ターンテーブル21に近接する高さに配置され、かつ一対の倒しブロック33どうしが、下方待機位置よりも接近されている。
図9(c)に示すように、上方退避位置においては、一対の押さえプレート32どうし、及び一対の倒しブロック33どうしが、前記接近状態のまま、上方待機位置と同じ高さに配置されている。
【0042】
ブリスターパック製造装置1は次のように作動される。
図1に示すように、ターンテーブル21は、回転機構25によって一定の時間(例えば1〜数秒)置きに、取付穴21cの配置角度ずつ、図1において円弧矢印にて示すCW方向に間歇回転される。これによって、支持プレート22が、ターンテーブル21の処理位置20a〜20hを順次移行される。
各処理位置20a〜20hにおいて、所定の処理がなされる。
【0043】
図1に示すように、ブリスターカバー設置位置20aにおいては、膨出部92成形済かつフラップ未成形のブリスターカバー90Aが、支持プレート22の支持面22a上に設置されて支持される。手作業で設置してもよく、ロボットアームなどの自動機械(図示せず)で設置を行ってもよい。このとき、ブリスターカバー90Aの背面を上へ向け、膨出部92を下へ向けて逃し穴22cに挿し入れる。逃し穴22cを膨出部92より十分に大きく形成しておくことで、種々の商品に合わせた種々のブリスターカバーに汎用的に対応することできる。さらに、ブリスターカバーの形状、寸法に合わせて支持プレート22を取り換えることで、ブリスターパック製造装置1の汎用性を高めることができる。
【0044】
図5(a)及び図6(a)に示すように、ブリスターカバー設置位置20aにおけるブリスターカバー90Aの設置に際しては、フック穴90fをピン23の外周に嵌め、かつブリスターカバー90Aの第2端部90bを一対のガイドブロック24の間に配置する。このとき、ピン23及びガイドブロック24は、ブリスターカバー90Aを正規の位置に案内する案内機能を発現する。
【0045】
例えば、図5(a)において二点鎖線にて示すように、ブリスターカバー90Aのフック穴90fの中心がピン23の軸線からずれていたとしても、テーパ状のガイド面23gにフック穴90fの縁が当たることで、自然とフック穴90fがピン23に対して正規の位置に芯出しされる。ピン23は、先細になっているため、フック穴90fに挿し込み易い。最終的には、図5(a)の実線にて示すように、ピン23のストレート部23aの外周にフック穴90fが嵌る。これによって、ブリスターカバー90Aは、ピン23を中心にした回転変位だけが許容され、支持面22a上での水平方向への平行変位は規制される。
【0046】
したがって、図6(a)に示すように、ブリスターカバー90Aの第2端部90bが一対のガイドブロック24の間に配置されるようにすれば、自動的に、該ブリスターカバー90Aが支持プレート22に対して位置調整される。一対のガイドブロック24のガイド面24gは先端へ向かって互いに離間する斜面であるため、第2端部90bをこれらガイドブロック24の間に挿し込み易い。
【0047】
さらに、図6(a)において二点鎖線にて示すように、ブリスターカバー90Aが自重又は押さえ力によって支持面22aへ向けて下降されるとき、第2端部90bの両側縁がガイドブロック24のガイド面23gによって正規の位置へ向けて案内される。そして、図6(a)の実線にて示すように、ブリスターカバー90Aが支持面22aと接するまで下降されたとき、第2端部90bが一対のガイドブロック24の垂直面24aどうしの間に配置され、該第2端部9の両側縁が垂直面24aによって位置規制される。前記ピン23を中心にした回転変位も規制される。これによって、ブリスターカバー90Aが、支持プレート22ひいては支持台29に対して正規の位置に容易かつ正確に位置調整されてセットされる。高機能の駆動制御機構やセンサを使わなくても、ピン23及びガイドブロック24の案内機能によって、ブリスターカバー90Aを高精度に位置決めできる。
【0048】
図1に示すように、ブリスターカバー90Aがセットされた支持プレート22は、ターンテーブル21の間歇回転によって、商品収容位置20bへ移行される。商品収容位置20bにおいては、商品である被収容物99を背面開口92bから膨出部92の内部に収容する。収容は、手作業で行ってもよく、ロボットアームなどの自動機械(図示せず)で行ってもよい。
【0049】
収容後、支持プレート22は、ターンテーブル21の間歇回転によって検査位置20cへ移行される。検査位置20cにおいては、物体センサ5によって、ブリスターカバー90A及び被収容物99の有無が検査される。
【0050】
検査後、支持プレート22は、ターンテーブル21の間歇回転によって背面シート設置位置20dへ移行される。背面シート設置位置20dにおいては、2つ折りの背面シート91が、第2移載機構4によって支持プレート22上のブリスターカバー90Aに被せられる。
【0051】
図5(b)及び図6(b)に示すように、このとき、背面シート91のフック穴91fをピン23の外周に嵌め、かつ背面シート91の第2端部91bを一対のガイドブロック24の間に配置する。ピン23及びガイドブロック24は、前述のブリスターカバー90Aの設置時だけでなく、背面シート91の設置時においても、該背面シート91を正規の位置に案内する案内機能を有している。
【0052】
例えば、図5(b)において二点鎖線にて示すように、背面シート91のフック穴91fの中心がピン23の軸線からずれていたとしても、テーパ状のガイド面23gにフック穴91fの縁が当たることで、自然とフック穴91fがピン23に対して正規の位置に芯出しされる。ピン23は、先細になっているため、フック穴91fに挿し込み易い。最終的には、図5(b)の実線にて示すように、ピン23のストレート部23aの外周にフック穴91fが嵌る。これによって、背面シート91は、ピン23を中心にした回転変位だけが許容され、水平方向への平行変位は規制される。
【0053】
したがって、図6(b)に示すように、背面シート91の第2端部91bが一対のガイドブロック24の間に配置されるようにすれば、自動的に、背面シート91が支持プレート22ひいてはブリスターカバー90Aに対して位置調整される。一対のガイドブロック24のガイド面24gは先端へ向かって互いに離間する斜面であるため、第2端部91bをこれらガイドブロック24の間に挿し込み易い。
【0054】
さらに、図6(b)において二点鎖線にて示すように、背面シート91が自重又は押さえ力によって支持面22a上のブリスターカバー90Aへ向けて下降されるとき、第2端部91bの両側縁がガイドブロック24のガイド面23gによって正規の位置へ向けて案内される。そして、図6(b)の実線にて示すように、背面シート91が支持面22a上のブリスターカバー90Aと接する高さまで下降されたとき、第2端部91bが一対のガイドブロック24の垂直面24aどうしの間に配置され、該第2端部91の両側縁が垂直面24aによって位置規制される。前記ピン23を中心にした回転変位も規制される。これによって、背面シート91を支持プレート22に対して正規の位置にセットできる。ひいては、背面シート91を、支持プレート22上のブリスターカバー90Aに正確に位置調整して被せることができる。高機能の駆動制御機構やセンサを使わなくても、ピン23及びガイドブロック24の案内機能によって、背面シート91を容易かつ高精度に位置決めできる。
【0055】
図1に示すように、ブリスターカバー90Aに背面シート91が載せられた支持プレート22は、ターンテーブル21の間歇回転によって、フラップ形成位置20fへ移行される。
図8(a)に示すように、前記移行時においては、立ち上げブロック31が下方退避位置に在り、押さえプレート32及び倒しブロック33は、上方待機位置に在る。
図8(b)に示すように、そこから押さえプレート32が押さえ位置まで下降される。押さえ位置における押さえプレート32は、背面シート91の側端部に突き当たることで、背面シート91を介して、ブリスターカバー90Aにおけるフラップ94の折り目となる部分を押さえる。
【0056】
図8(c)に示すように、次いで、立ち上げブロック31が立ち上げ位置まで上昇される。これによって、立ち上げ突起31cがフラップ94の折り目近傍部分94bに突き当たり、フラップとなる部分94Aを上方へ折り曲げる。該フラップとなる部分94Aは、押さえ位置の押さえプレート32の外面に沿わされるとともに、該押さえプレート32の外面と立ち上げ突起31cの内面(対向面)との間に折り目近傍部分94bが挟まれることで、鉛直に保持される。
【0057】
立ち上げ突起31cを含む立ち上げブロック31は、内蔵の加熱部36によって所定の加熱温度に保たれている。このため、フラップ94が上方へ折り曲げられるのと同時に、該フラップ94の折り目及び折り目近傍部分94bが、立ち上げ突起31cとの接触によって加熱されて軟化される。
【0058】
図9(a)に示すように、次いで、立ち上げブロック31が下方退避位置まで下降される。
図9(b)に示すように、続いて、昇降開閉機構35の一対のスライダが接近されることで、押さえプレート32が背面シート91上を中央押さえ位置へ水平移動されるとともに、倒しブロック33が倒し位置へ水平移動される。一対の押さえプレート32はピン23の側部にそれぞれ突き当たる。逆に言うと、押さえプレート32は、ピン23と突き当たることによって所定の中央押さえ位置に位置決めされる。かつ倒しブロック33が所定の倒し位置に位置決めされる。押さえプレート32が継続して背面シート91を押さえることで、背面シート91の特に上側のシート部分91aが浮き上がるのを防止できる。
【0059】
倒しブロック33は、倒し位置へ移行されることで、前記上方へ折り曲げられたフラップとなる部分94Aを、更に背面シート91の背面へ向けて倒す。これによって、フラップ94が形成される。押さえプレート32による背面シート91の浮き上がり防止によって、フラップ94を支障無く確実に形成することができる。
倒しブロック33の冷却路37aには冷却流体が常時流されている。これによって、倒しブロック33が所定の冷却温度に冷却されている。このため、フラップ94が倒されるのと同時に、該フラップ94の特に折り目及び折り目近傍部分94bが、倒しブロック33との接触によって冷やされる。これによって、フラップ94の折り目が硬化して塑性変形を来たす。
このようにして、被収容物99の収容及び背面シート91の被せ後の加工によって、ブリスターカバー90にフラップ94が形成されるとともに、ブリスターパック9が作製される。
【0060】
図8(c)に示すように、その後、昇降開閉機構35によって、押さえプレート32及び倒しブロック33が上方退避位置まで上昇される。これによって、ブリスターパック9が押さえプレート32及び倒しブロック33から解放される。フラップ94は、塑性変形を来たしているために、解放によって展開方向へ弾性復帰されることはない。
フラップ形成位置20aにおける一連のフラップ形成工程は、ターンテーブル21の間歇回転間隔(1〜数秒)内で行われる。
【0061】
その後、支持プレート22は、ターンテーブル21の間歇回転によって排出位置20hへ移行される。排出位置20hにおいては、ブリスターパック9が支持プレート22から取り出されて排出される。排出作業は、排出機構(図示せず)によって自動的に行ってもよく、手作業で行ってもよい。
【0062】
このように、ブリスターパック製造装置1によれば、フラップ未形成のブリスターカバー90Aに背面シート91を被せ、その後、フラップ94を形成する。したがって、背面シートの縁部をブリスターカバーの平坦部の端部分と既形成のフラップとの間に挟み込む動作を実行させる必要が無く、動作の複雑さが緩和される。加えて、組立用矯正ガイド23,24を含む簡単な構造によって、ブリスターカバー90A及び背面シート91を支持台29に正確に位置決めしてセットし、ブリスターパック9を製造できる。したがって、設備コストを抑えることができ、ひいては製品価格を低減できる。
【0063】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、背面シート91(台紙)は、必ずしも二つ折りである必要はない。背面シートの材質は、紙に限らず、樹脂などでもよい。
背面シート91の側端部には、フラップ94の長手方向の端縁に係止される凸部が形成されていてもよい。この場合、ガイドブロック24のガイド面24gは、前記凸部を案内可能に形成されているか、又は前記凸部と干渉しないように配置されていることが好ましい。
押さえ位置における押さえプレート32は、ブリスターカバー90Aの折り目となる部分を、背面シート91を介さずに直接押さえてもよい。
押さえプレート32及び倒しブロック33が、互いに別の駆動機構によって動作されるようになっていてもよい。倒しブロック33が倒し位置に在るとき、押さえプレート32は退避されていてもよい。
支持プレート22の長手方向の両端部に、組立用矯正ガイドとしてガイドブロック24が設けられていてもよい。この場合、ピン23が、フック穴9fより小径で、正確な矯正ガイドとしては機能していなくてもよい。
加熱部36が、立ち上げブロック31とは別に設けられていてもよい。
冷却部37が、倒しブロック33とは別に設けられていてもよい。
二つ折り前の背面シート91Aを手作業で折り機構10の載置台11に載せてもよい。第1移載機構3を省略してもよい。
折り機構10で二つ折りされた背面シート91を手作業で組立機構20の背面シート設置位置20dの支持プレート22に載せてもよい。第2移載機構4を省略してもよい。
背面シート91は、二つ折りに限らず、三つ折り、四つ折り等されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えばスライドブリスターの製造に適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 ブリスターパック製造装置
10 折り機構
11 載置台
11c 間隙
12 作動板
20 組立機構
20a ブリスターカバー設置位置
20d 背面シート設置位置
20f フラップ形成位置
20h 排出位置
21 ターンテーブル
22 支持プレート
22a 支持面
23 ピン(矯正ガイド)
23a ストレート部
23b テーパ部
23g ガイド面
24 ガイドブロック(矯正ガイド)
24a 垂直面
24g ガイド面
29 支持台
30 フラップ形成機構
31 立ち上げブロック(立ち上げ部)
31c 立ち上げ突起
32 押さえプレート
33 倒しブロック(倒し部)
34 立ち上げブロック用昇降機構
35 押さえプレート及び倒しブロック用昇降開閉機構
36 加熱部
37 冷却部
9 ブリスターパック
9f フック穴
90 ブリスターカバー
90A フラップ未形成のブリスターカバー
90b 第2端部
90f ブリスターカバーフック穴
91 背面シート
91A 折り加工前の背面シート
91b 第2端部
91c 折り目
91f 背面シートのフック穴
92 膨出部
92b 背面開口
94 フラップ
94A フラップとなる部分
94b 折り目近傍部分
99 被収容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9