【解決手段】スプライサー1は、供給元ロール2から搬送フィルム4を引き出す引出ローラ10と、引出ローラ10を駆動するモータ11と、引出ローラ10と供給元シャフト24との間に配置されるガイドローラ26と、待機ロール2から繰り出される待機フィルム4が架け渡される折り返しローラ27及び留め具28と、折り返しローラ27と留め具28との間に配置される第1シーラー30と、第1シーラー30に対して接離する第2シーラー31と、第1シーラー30に第2シーラー31を接離させるように第2シーラー31を駆動する駆動部33と、引出ローラ10と折り返しローラ27との間において搬送フィルム4の経路を横切るように移動可能な弛み取り部40と、弛み取り部40が搬送フィルム4の経路を横切るように弛み取り部40を駆動するアクチュエータ41と、を備える。
前記モータの停止中に前記駆動部が前記第2シーラーを前記第1シーラーに近接させた後に、前記アクチュエータが作動して前記弛み取り部が前記第1フィルムの経路を横切る請求項1に記載のスプライサー。
帯状の第1フィルムが巻回されてなる供給元ロールから引出ローラまで前記第1フィルムが案内された状態で、且つ、帯状の第2フィルムが巻回されてなる待機ロールから引き出された前記第2フィルムが前記供給元ロールから前記引出ローラまでの前記第1フィルムの経路の中途部において前記第1フィルムに重ねられた状態で、前記引出ロールを駆動することによって前記第1フィルムを供給元ロールから引き出す供給工程と、
前記供給工程後に、前記引出ローラを停止する停止工程と、
前記停止工程後に、重ねられた前記第1フィルムと前記第2フィルムを一対のシーラーによって挟み込むことによって前記第1フィルムと前記第2フィルムを接合する接合工程と、
前記接合工程後に、前記第1フィルムと前記第2フィルムの接合部を切断する切断工程と、
前記切断工程後に、前記一対のシーラーを離間させる離間工程と、
前記切断工程後に、前記一対のシーラーから前記引出ローラまでの前記第1フィルムの経路の中途部において、前記一対のシーラーから前記引出ローラに向かう方向に対して交差する方向に接合後の前記第1フィルム及び前記第2フィルムを引張る弛み取り工程と、を含むフィルム接合方法。
前記弛み取り工程は、前記一対のシーラーから前記引出ローラまでの前記第1フィルムの経路の中途部において弛み取り部を前記第1フィルムの経路を横切らせることによって前記弛み取り部で前記第1フィルム及び前記第2フィルムを引張る工程である請求項7に記載のフィルム接合方法。
前記切断工程後に、前記引出ローラを駆動することによって前記第1フィルム及び前記第2フィルムを引張り、前記第2フィルムを前記待機ロールから引き出す第2供給工程を更に含む請求項6又は7に記載のフィルム接合方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されているところ、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0014】
1. スプライサー
図1は、スプライサー1の概略正面図である。
図2は、スプライサー1の引出ローラ10及び第2シーラー31及びその周辺部の拡大図である。ここで、左右の向きは、
図1に矢印で示したように、スプライサー1を前から見て定める。また、上下方向とは、鉛直方向のことをいうが、鉛直方向に対して傾斜してもよい。
【0015】
このスプライサー1は包装装置に設けられている。スプライサー1はフィルム4を包装装置に連続的に供給する。包装装置は例えばピロー包装機である。被包装物がフィーダーによって包装装置に順次供給され、包装装置がスプライサー1から供給されるフィルム4により被包装物を順次包装することによって、包装物を順次作製する。
【0016】
スプライサー1は、引出ローラ10、モータ11、ピンチローラ12、ガイドローラ13、経路長調整部14、ガイドローラ15、ドライブローラ16、モータ17、ピンチローラ18、ロールチェンジャー20、機枠80及び制御部90を備える。
【0017】
引出ローラ10及びピンチローラ12がロールチェンジャー20の左側に設けられ、ガイドローラ13が引出ローラ10の上側に設けられ、経路長調整部14が引出ローラ10及びガイドローラ13の左側に設けられ、ガイドローラ15が経路長調整部14の下側に設けられ、ドライブローラ16及びピンチローラ18の左側に設けられている。
【0018】
ターレット式のロールチェンジャー20は3体の原反ロール2を保持する。これら原反ロール2は、帯状のフィルム4が巻回されたものである。巻かれたフィルム4の内側の面には、シーラント層が形成されている。ロールチェンジャー20については後に詳細に説明するが、このロールチェンジャー20はフィルム4の切断及び接合をする機能を有するとともに、原反ロール2を公転させることによってこれら原反ロール2の位置を変える機能を有する。
【0019】
以下、3体の原反ロール2のうち右上の位置(以下、供給元位置Aという。)に配置された原反ロール2を供給元ロール2といい、右下の位置(以下、交換位置Cという。)に配置された原反ロール2を交換済みロール2といい、左の位置(以下、待機位置Bという。)に配置された原反ロール2を待機ロール2という。また、以下、供給元ロール2から引き出されるフィルム4を搬送フィルム4といい、待機ロール2から引き出されるフィルム4を待機フィルム4といい、交換済みロール2から引き出されるフィルム4を交換済みフィルム4という。
【0020】
搬送フィルム4は順に引出ローラ10、ガイドローラ13、経路長調整部14及びドライブローラ16に案内されているとともに、引出ローラ10、ガイドローラ13、経路長調整部14及びドライブローラ16に巻き掛けられている。搬送フィルム4はドライブローラ16から包装装置へ案内されている。搬送フィルム4は、引出ローラ10とピンチローラ12との間に挟まれているとともに、ドライブローラ16とピンチローラ18との間に挟まれている。
【0021】
経路長調整部14は複数の第1ローラ14a及び複数の第2ローラ14bを有する。第1ローラ14aが第2ローラ14bの右側に配置されており、搬送フィルム4は第1ローラ14aと第2ローラ14bに交互に巻き掛けられている。
【0022】
供給元ロール2に巻かれた搬送フィルム4が十分に残っている場合、経路長調整部14が搬送フィルム4の経路長を一定に保った状態で、引出ローラ10及びドライブローラ16が互いに等しい回転速度でモータ11,17によってそれぞれ駆動される。そのため、供給元ロール2から搬送フィルム4が引き出されて、包装装置に供給される。
【0023】
一方、供給元ロール2に巻かれた搬送フィルム4が残り僅かになった場合に、引出ローラ10が停止されるが、ドライブローラ16の駆動が継続される。この際、第2ローラ14bが直動機構(例えば、ピニオンラック機構、ボールねじ伝動機構等)によって右方へ第1ローラ14aに近づくと、引出ローラ10からドライブローラ16までの搬送フィルム4の経路長が短くなり、フィルム4が経路長調整部14からドライブローラ16へ送り出される。そのため、引出ローラ10よりも上流では、搬送フィルム4の流れが止まるが、ドライブローラ16よりも下流では、搬送フィルム4の流れが止まらない。
【0024】
引出ローラ10の停止中に、ロールチェンジャー20が、搬送フィルム4と、待機フィルム4とを接合した後に、これらフィルム4の接合部分を切断する。切断後、引出ローラ10の駆動が再開されると、待機フィルム4が待機ロール2から引き出される。引出ローラ10の駆動再開後は引出ローラ10がドライブローラ16よりも速く回転するところ、第2ローラ14bが第1ローラ14aから左方へ離れる。そのため、引出ローラ10からドライブローラ16までのフィルム4の経路長が長くなり、フィルム4の張った状態が保たれる。その後、第2ローラ14bがその可動範囲のうち第1ローラ14aから最も離れた位置に位置すると、引出ローラ10及びドライブローラ16の回転速度が等しくなる。
【0025】
待機フィルム4が待機ロール2から引き出されている最中に、ロールチェンジャー20が待機ロール2を供給元位置Aに、供給元ロール2を交換位置Cに、交換済みロール2を待機位置Bに同時に移動させる。供給元位置Aに移動した原反ロール2からフィルム4が供給されている最中に、作業者は交換位置Cに移動した原反ロール2を新たな原反ロール2に交換することができる。
なお、スプライサー1の詳細な動作については後に詳述する。
【0026】
2. ロールチェンジャー
ロールチェンジャー20は、回転盤22、回転駆動機23、3本の支持シャフト24、3体のブレーキ25、3本のガイドローラ26、3本の折り返しローラ27、3体の留め具28、3体の第1シーラー30、第2シーラー31、アクチュエータ(駆動部)33、切断刃34、アクチュエータ(第2駆動部)35、弛み取り部40、アクチュエータ41及びベンドローラ45,46を備える。
【0027】
ここで、互いに近くに設けられた1本のガイドローラ26、1本の折り返しローラ27、1体の留め具28及び1体の第1シーラー30が1つのセットを構成し、合計3セットある。これらセットはそれぞれ支持シャフト24の近くに設けられている。
【0028】
2−1. 回転盤
円盤状の回転盤22は、鉛直な面内で回転するように機枠80に取り付けられている。ここで、機枠80が内部空間を包囲するように箱状に設けられ、機枠80の前面には円形状の開口81が形成されている。
【0029】
回転盤22は、開口81に嵌め込まれている。回転盤22は、機枠80の開口81に沿って配列されたガイドローラ等によって、回転盤22の幾何重心を通る回転軸の回りに回転可能となって機枠80に支持されている。回転盤22の回転軸は水平である。
【0030】
2−2. 回転駆動機
回転駆動機23は回転盤22を駆動して回転させる。回転駆動機23は、モータと、モータの動力を回転盤22に伝達する歯車伝動機構と、を有する。
【0031】
2−3. ブレーキ及び支持シャフト
機枠80内において、ブレーキ25が回転盤22に取り付けられている。これらブレーキ25は回転盤22の回転軸を中心とした周方向に配列されている。以下、断りのない限り、周方向とは、回転盤22の回転軸を中心とした周方向のことをいい、径方向とは、回転盤22の回転軸に直交する方向をいい、軸方向とは、回転盤22の回転軸に平行な方向をいう。
【0032】
支持シャフト24は、ベアリング等によって回転可能に回転盤22に取り付けられている。支持シャフト24は、回転盤22の回転軸に対して平行に設けられているとともに、回転盤22を前後に貫通する。支持シャフト24がブレーキ25にそれぞれ連結されている。
【0033】
支持シャフト24には原反ロール2がそれぞれ装着される。支持シャフト24には、原反ロール2を支持シャフト24にロックしたり、支持シャフト24からの原反ロール2の脱落を防止したりする機構が設けられている。原反ロール2のフィルム4が引き出されることによって、原反ロール2及び支持シャフト24が一体となって回転する。回転中の支持シャフト24がブレーキ25から抵抗力を付与されて、ブレーキ25によって制動され、これによりフィルム4に張力が付与される。各支持シャフト24がそれぞれの中心軸回りに回転することを以下では自転という。
【0034】
支持シャフト24は、回転盤22の回転軸を中心とした同一円に沿って等間隔で周方向に配列されている。支持シャフト24が回転盤22に取り付けられているため、回転盤22の回転に伴い支持シャフト24が同一の円軌道に沿って公転する。
【0035】
ここで、3本の支持シャフト24のうち供給元位置Aに位置する支持シャフト24を供給元シャフト24といい、交換位置Cに位置する支持シャフト24をセット用シャフト24といい、待機位置Bに位置する支持シャフト24を待機シャフト24という。
【0036】
3本の支持シャフト24の中で、待機シャフト24が引出ローラ10に最も近くに位置する。また、待機シャフト24は引出ローラ10よりも下に位置し、供給元シャフト24は引出ローラ10よりも上に位置する。
【0037】
なお、回転盤22に取り付けられる支持シャフト24の数は3に限らず、2であってもよいし、4以上であってもよく、その場合でもセット及びブレーキ25の数は支持シャフト24の数に等しい。
【0038】
2−4. ガイドローラ
ガイドローラ26は回転可能に回転盤22に取り付けられている。従って、これらガイドローラ26は回転盤22の回転に伴い公転する。
【0039】
これらガイドローラ26は周方向に等間隔で配列されている。径方向においてガイドローラ26が支持シャフト24の外側に設けられ、周方向においてガイドローラ26と支持シャフト24が交互に配置されている。
【0040】
供給元位置Aに位置する供給元ロール2から引き出される搬送フィルム4は、供給元位置Aと待機位置Bの間に位置するガイドローラ26、引出ローラ10の順にこれらガイドローラ26及び引出ローラ10に掛けられている。
【0041】
2−5. 折り返しローラ
折り返しローラ27は回転可能に回転盤22に取り付けられている。従って、これら折り返しローラ27は回転盤22の回転に伴い公転する。
【0042】
これら折り返しローラ27は周方向に等間隔で配列されており、周方向において折り返しローラ27とガイドローラ26が交互に配置されている。また、折り返しローラ27はそれぞれ支持シャフト2の径方向外側に位置するところ、ここでの径方向とは、支持シャフト24の軸に関する径方向である。各セットにおいて、折り返しローラ27がガイドローラ26から回転盤22の回転軸に関する反時計回りの方向に離れている。
【0043】
待機位置Bに位置する待機ロール2から引き出された待機フィルム4は、待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27に巻き掛けられて、折り返されている。その折り返しローラ27は、搬送フィルム4が掛けられたガイドローラ26と引出ローラ10との間に配置されている。
交換位置Cに位置する原反ロール2から引き出された交換済みフィルム4は、交換済みロール2に最も近いセットの折り返しローラ27に巻き掛けられ、折り返されている。
【0044】
2−6. 留め具
留め具28は回転盤22に取り付けられている。従って、これら留め具28は回転盤22の回転に伴い公転する。
【0045】
これら留め具28は周方向に等間隔で配列されており、周方向において留め具28と折り返しローラ27が交互に配置されている。各セットにおいて、留め具28がガイドローラ26に近接して配置されているとともに、ガイドローラ26と折り返しローラ27の間に設けられている。
【0046】
待機位置Bに位置する待機ロール2から引き出された待機フィルム4が待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28の間に架け渡されて、その待機フィルム4の先端部がその留め具28に留められている。従って、待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28との間において、待機フィルム4と搬送フィルム4がこれらの間に僅かな隙間を置いて重なっているとともに、待機フィルム4のシーラント層と搬送フィルム4のシーラント層が向き合っている。
【0047】
交換位置Cに位置する原反ロール2から引き出される交換済みフィルム4が交換済みロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28の間に架け渡されて、その交換済みフィルム4の先端部がその留め具28に留められている。
【0048】
2−7. 第1シーラー
第1シーラー30は回転盤22に取り付けられている。従って、これら第1シーラー30は回転盤22の回転に伴い公転する。
【0049】
これら第1シーラー30は周方向に等間隔で配列されており、周方向において第1シーラー30と折り返しローラ27が交互に配置されている。各セットにおいて、第1シーラー30が折り返しローラ27と留め具28との間に設けられている。各セット内では、折り返しローラ27、第1シーラー30、留め具28及びガイドローラ26がこれらの順に一直線状に配列されており、また、折り返しローラ27、第1シーラー30、留め具28及びガイドローラ26の一直線状の配列は、回転盤22の中心よりも外側において回転盤22の半径に対して直交する。
【0050】
第1シーラー30には、第1シーラー30を加熱するヒーターが設けられている。
【0051】
ここで、ガイドローラ26から引出ローラ10までのフィルム4の経路によって区分けされる2つの領域のうち、待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27、第1シーラー30、留め具28が存在する領域を内側領域といい、後述第2シーラー31が存在する領域を外側領域という。
【0052】
2−8. 第2シーラー及びアクチュエータ
第2シーラー31は、待機位置Bに位置する原反ロール2に最も近い第1シーラー30の径方向外側において、その第1シーラー30に対して接離可能に設けられている。具体的には、固定ブロック32が機枠80の前面に取り付けられ、第2シーラー31が固定ブロック32に対して相対的に径方向に移動可能に取り付けられている。固定ブロック32には、第2シーラー31を径方向に駆動するアクチュエータ33が取り付けられている。アクチュエータ33は、例えばエアシリンダ又は電磁ソレノイドである。
【0053】
第2シーラー31には、第2シーラー31を加熱するヒーターが設けられている。
【0054】
2−9. 切断刃及びアクチュエータ
切断刃34は、第2シーラー31に対して相対的に径方向に移動可能となって第2シーラー31内に収容されている。この切断刃34は、切断刃34を径方向に駆動するアクチュエータ35に連結されている。アクチュエータ35は第2シーラー31の径方向外側に取り付けられている。
【0055】
2−10. 弛み取り部及びアクチュエータ
弛み取り部40は例えばローラ又は棒状部材であり、その中心軸が
図1及び
図2の紙面に対して垂直に設けられている。弛み取り部40は、引出ローラ10と第2シーラー31との間の位置において、第2シーラー31及び切断刃34の移動方向と平行な方向に移動可能に機枠80に取り付けられている。具体的には、弛み取り部40が直動ガイドに取り付けられ、その直動ガイドが機枠80に取り付けられ、弛み取り部40が直動ガイドによって移動可能に設けられている。
【0056】
弛み取り部40の軌道はガイドローラ26から引出ローラ10までのフィルム4の経路に交差し、弛み取り部40は内側領域と外側領域の間の境界を横切るように移動可能に設けられている。
【0057】
機枠80の内側にはアクチュエータ41が設けられており、そのアクチュエータ41が直動ガイドを介して弛み取り部40に連結されている。アクチュエータ41は弛み取り部40を第2シーラー31の移動方向と平行な方向に駆動する。アクチュエータ41は例えばエアシリンダ又は電磁ソレノイドである。
【0058】
2−11. ベンドローラ
ベンドローラ45は、弛み取り部40の軌道と第2シーラー31との間において機枠80に回転可能に取り付けられている。ベンドローラ45は、外側領域に設けられているとともに、第2シーラー31が第1シーラー30から離間した場合の第2シーラー31の位置よりもフィルム4に寄って設けられている。
【0059】
ベンドローラ46は、弛み取り部40の軌道と引出ローラ10との間において機枠80に回転可能に取り付けられている。ベンドローラ46は、外側領域に設けられているとともに、第2シーラー31が第1シーラー30から離間した場合の第2シーラー31の位置よりもフィルム4に寄って設けられている。
【0060】
ここで、弛み取り部40の可動範囲は、ベンドローラ45,46よりも待機シャフト24に近い位置からベンドローラ45,46よりも待機シャフト24から離れた位置まである。つまり、弛み取り部40はベンドローラ45,46の中心線同士を結ぶ面を横切るように移動可能に設けられている。
【0061】
3. スプライサーの動作
スプライサー1の動作について説明する。制御部90がモータ11,17、回転駆動機23及びアクチュエータ33,35,41を制御することによって、スプライサー1が以下のように動作する。
【0062】
3−1. フィルムの供給中
上述のように、引出ローラ10及びドライブローラ16が互いに等しい回転速度でモータ11,17によってそれぞれ駆動され、経路長調整部14が搬送フィルム4の経路長を一定に保つ。そのため、供給元位置Aに位置する供給元ロール2から搬送フィルム4が連続的に包装装置に供給される。この際、弛み取り部40が内側領域に位置しているところ、弛み取り搬送フィルム4が搬送フィルム4に接触していてもよい。待機位置Bに位置する待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28との間において、待機フィルム4が搬送中の搬送フィルム4に重なっている。
【0063】
3−2. ドライブローラの停止
搬送フィルム4の供給中に、供給元ロール2のフィルム4の残量が所定以下になると、そのことがセンサによって検出されて、センサが検出信号を制御部90に出力する。そうすると、制御部90がモータ11を停止し、供給元ロール2から搬送フィルム4の繰出が止まる。引出ローラ10の停止と同時に第2ローラ14bが移動し始めて、第2ローラ14bが第1ローラ14aに近づく。そのため、搬送フィルム4が張った状態で、搬送フィルム4の経路が短くなる。第1ローラ14aへの第2ローラ14bの接近中に、以下のように接合、切断、戻り及び弛み取りが行われる。
【0064】
なお、モータ17は以後も定速に運転されるので、ドライブローラ16の回転速度が一定である。そのため、スプライサー1から包装装置へのフィルム4の供給は継続する。
【0065】
3−3. 接合
アクチュエータ33が作動する。そうすると、
図3に示すように、第2シーラー31が第1シーラー30に近づいて、搬送フィルム4と待機フィルム4がこれらシーラー30,31の間に挟み込まれる。シーラー30,31の熱により、搬送フィルム4と待機フィルム4の内面同士が溶着される。この際、エア吹付部が搬送フィルム4と待機フィルム4の接合部にエアを吹き付けることによって、接合部が空冷されるものとしてものとしてもよい。接合部におけるシーラント層の固化を促進させるためである。3体のエア吹付部が第1シーラー30のそれぞれの近傍において回転盤22に取り付けられてもよいし、1体のエア吹付部が第2シーラー31の近傍において機枠80に取り付けられてもよい。
なお、第2シーラー31が搬送フィルム4によって押されることによって、搬送フィルム4が弛み取り部40に接触するものとしてもよい。
【0066】
3−4. 切断
次に、アクチュエータ35が作動する。そうすると、切断刃34が第1シーラー30から第2シーラー31の凹所に突き出されて、搬送フィルム4及び待機フィルム4が切断刃34によって切断される。その後、切断刃34がアクチュエータ35によって第1シーラー30内に引き込まれる。なお、切断刃34が第1シーラー30内に引き込まれるタイミングは、後述のように第2シーラー31が第1シーラー30から離れるタイミングと同じであってもよい。
【0067】
3−5. 戻り
次に、アクチュエータ33が作動する。そうすると、第2シーラー31が第1シーラー30から離れて、搬送フィルム4と待機フィルム4が解放される。
【0068】
3−6. 弛み取り
アクチュエータ41が作動するところ、アクチュエータ41の作動の開始と前述のようなアクチュエータ33の作動の開始が同時である。そのため、前述のように第2シーラー31が第1シーラー30から離れ始めるのと同時に、弛み取り部40が移動し始める。弛み取り部40の移動速度は第2シーラー31の移動速度よりも高い。
【0069】
図4に示すように、弛み取り部40が内側領域から外側領域へ移動すると、弛み取り部40がシーラー30,31から解放された搬送フィルム4又は待機フィルム4に接して、これらフィルム4がシーラー30,31から引出ローラ10に向かう方向に対して交差する方向に弛み取り部40によって引張られる。そのため、これらフィルム4の弛みが除去される上、これらフィルム4の蛇行が抑止される。ここで、フィルム4の蛇行は、引出ローラ10の近傍においてフィルム4が引出ローラ10の軸方向に位置ずれすることによって生じる。
また、搬送フィルム4及び待機フィルム4が弛み取り部によって引張られると、搬送フィルム4又は待機フィルム4がベンドローラ46に巻き掛けられる。
【0070】
ここで、アクチュエータ41がエアシリンダであり、そのアクチュエータ41の圧力が一定に保たれていると、弛み取り部40を通じてフィルム4に付与される張力が一定に保たれる。
【0071】
3−7. 引出ローラの駆動
モータ11が作動するところ、そのモータ11の作動の開始と前述のようなアクチュエータ33の作動の開始が同時である。そのため、前述のように第2シーラー31が第1シーラー30から離れ始め且つ弛み取り部40が移動し始めるのと同時に、搬送フィルム4及び待機フィルム4が引出ローラ10によって引張られる。そして、待機フィルム4が待機ロール2から引き出されて、待機フィルム4が供給される。
【0072】
モータ11の作動開始直後は、そのモータ11が加速するので、引出ローラ10の回転速度が上昇する。そして、引出ローラ10の回転速度がドライブローラ16の回転速度よりも高くなると、引出ローラ10のモータ11が定速運転される。また、第2ローラ14bが第1ローラ14aから離れるため、待機ロール2から引き出される待機フィルム4及びそれに接合された搬送フィルム4が張った状態で、搬送フィルム4及び待機フィルム4の経路が長くなる。
【0073】
その後、第2ローラ14bがその可動範囲のうち第1ローラ14aから最も離れた位置で停止するとともに、引出ローラ10のモータ11が減速して、引出ローラ10及びドライブローラ16の回転速度が互いに等しくなる。
【0074】
3−8. 公転
弛み取り部40が外側領域に移動した後、回転駆動機23が作動して、回転駆動機23が作動して、回転盤22が時計回りに 360/N [°]回転する(ここで、Nは支持シャフト24の本数である)。そうすると、待機シャフト24及び待機ロール2が待機位置Bから供給元位置Aに、供給元シャフト24及び供給元ロール2が供給元位置Aから交換位置Cに、セット用シャフト24及び交換済みロール2が交換位置Cから待機位置Bに公転する。
【0075】
回転盤22の回転中に、
図5に示すように、待機ロール2から引き出される待機フィルム4がベンドローラ45に巻き掛けられる。そのため、待機フィルム4が第2シーラー31に接触しない。
【0076】
3−9. 弛み取り部の戻り
回転盤22が360/N [°]回転して停止した後、アクチュエータ41が作動して、弛み取り部40が外側領域から内側領域へ移動する。
【0077】
4. 有利な効果
フィルム4の接合及び切断した後、フィルム4が弛み取り部40によって引張られる。よって、フィルム4の弛み及び蛇行の発生を抑えることができる。
【0078】
5. 変形例
以下の(1)〜(5)の少なくとも1つのように、上記実施形態から変更してもよい。
【0079】
(1) 上記実施形態では、第1シーラー30が支持シャフト24ごとに回転盤22に取り付けられている。それに対して、1体の第1シーラー30が第2シーラー31に対向する位置において、より具体的には上記実施形態において待機位置Bに位置する原反ロール2に最も近い第1シーラー30の位置において、機枠80に取り付けられていてもよい。この場合、回転盤22の回転中に、第1シーラー30が支持シャフト24及び原反ロール2に当たらないようにするために、第1シーラー30が回転盤22の回転軸に平行な方向に移動可能に設けられている。そして、回転盤22の回転前に、第1シーラー30が動力源によって回転盤22の回転軸に平行な方向に機枠80内に引き込まれる。また、フィルム4の接合前に、第1シーラー30が動力源によって回転盤22の回転軸に平行な方向に機枠80から引き出されて、第1シーラー30と第2シーラー31が互いに対向する。
【0080】
(2) 上記実施形態では、支持シャフト24が公転することによって、これらの支持シャフト24の位置が入れ替わる。しかしながら、支持シャフト24の軌道は円である必要はなく、例えば直線であってもよい。但し、どのような軌道であっても、供給元位置A及び待機位置Bの変更はなく、待機位置Bから供給元位置Aまでの支持シャフト24の移動は出来る限り短いことが好ましい。
【0081】
(3) 上記実施形態では、第2ローラ14bが第1ローラ14aに対して接離する。それに対して、第1ローラ14aが直動機構によって第2ローラ14bに対して接離してもよいし、第1ローラ14aと第2ローラ14bが直動機構によって相互に接離するものとしてもよい。
【0082】
(4) 上記実施形態では、弛み取り部40の軌道が直線である。それに対して、弛み取り部40の軌道は、内側領域と外側領域の間の境界を横切る軌道であれば、例えば円弧等の曲線であってもよい。また、弛み取り部40を軌道に沿って案内する機構は、直動ガイドに限らず、例えば揺動機構、カム機構又はリンク機構であってもよい。
【0083】
(5)
図6に示すように、負圧によりエアを吸引する風圧部40Aが弛み取り部40及びアクチュエータ41の代わりに採用されてもよい。風圧部40Aは、第1シーラー30と第2シーラー32との間から引出ローラ10までの搬送フィルム4の経路の中途部の近傍において、機枠80の前面に取り付けられている。ここで、風圧部40Aは、上述の「3−6. 弛み取り」から「3−9. 弛み取り部の戻り」までの間中にエアを吸引して、搬送フィルム4又は待機フィルム4を吸引する。これにより、搬送フィルム4及び待機フィルム4が、シーラー30,31から引出ローラ10に向かう方向に対して交差する方向に、風圧部40Aに向けて引張られて、搬送フィルム4及び待機フィルム4の弛みが除去される。上述の「3−6. 弛み取り」から「3−9. 弛み取り部の戻り」までの間以外では、風圧部40Aはエアを吸引しない。
【0084】
なお、風圧部40Aは、正圧を発生させて、エアを搬送フィルム4又は待機フィルム4に噴射するものでもよい。風圧部40Aがエアを噴射する期間は、上述の「3−6. 弛み取り」から「3−9. 弛み取り部の戻り」までの間中である。