特開2021-110042(P2021-110042A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-110042靭性及び耐食性に優れる高強度アルミニウム合金押出材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-110042(P2021-110042A)
(43)【公開日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】靭性及び耐食性に優れる高強度アルミニウム合金押出材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22F 1/053 20060101AFI20210705BHJP
   C22C 21/10 20060101ALI20210705BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20210705BHJP
【FI】
   C22F1/053
   C22C21/10
   C22F1/00 602
   C22F1/00 612
   C22F1/00 630A
   C22F1/00 630B
   C22F1/00 630K
   C22F1/00 640A
   C22F1/00 681
   C22F1/00 682
   C22F1/00 683
   C22F1/00 684C
   C22F1/00 691B
   C22F1/00 691C
   C22F1/00 692A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2021-4124(P2021-4124)
(22)【出願日】2021年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2020-4040(P2020-4040)
(32)【優先日】2020年1月15日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】濱高 祐樹
(57)【要約】      (修正有)
【課題】靭性及び耐食性に優れた、生産性の良好な高強度アルミニウム合金押出材の製造方法を提供する。
【解決手段】質量%にて、Zn:5.0〜7.0%,Mg:0.50〜1.60%,Cu:0.05〜0.50%,Zr:0.10〜0.25%,Ti:0.005〜0.05%,Mn:0.3%以下,Cr:0.2%以下で、且つ[Mn+Cr+Zr]の合計が0.10〜0.65%であり、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、鋳造速度50mm/min以上の速度でビレットを鋳造するステップと、鋳造したビレットを460〜540℃にて1〜14時間の均質化処理をするステップと、均質化処理後に50℃/hr以上の冷却速度で冷却するステップと、ビレットを用いて押出加工し、押出加工のダイス端焼入れとして冷却速度50〜500℃/minの空冷を行うステップとを有し、その後に人工時効処理することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下全て質量%にて、Zn:5.0〜7.0%,Mg:0.50〜1.60%,Cu:0.05〜0.50%,Zr:0.10〜0.25%,Ti:0.005〜0.05%,Mn:0.3%以下,Cr:0.2%以下で、且つ[Mn+Cr+Zr]の合計が0.10〜0.65%範囲であり、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、
鋳造速度50mm/min以上の速度でビレットを鋳造するステップと、
前記鋳造したビレットを460〜540℃にて1〜14時間の均質化処理をするステップと、
前記均質化処理後に50℃/hr以上の冷却速度で冷却するステップと、
前記ビレットを用いて押出加工し、前記押出加工のダイス端焼入れとして冷却速度50〜500℃/minの空冷を行うステップとを有し、その後に人工時効処理することを特徴とする靭性及び耐食性に優れる高強度アルミニウム合金押出材の製造方法。
【請求項2】
前記人工時効処理は、80〜120℃で1〜6時間の第1段目と130〜180℃で1〜14時間の第2段目からなり、合計で20時間以内の2段人工時効処理であることを特徴とする請求項1記載の靭性及び耐食性に優れる高強度アルミニウム合金押出材の製造方法。
【請求項3】
耐力が260MPa以上の高強度で、シャルピー衝撃値25J/cm以上,軸圧壊性EA率55%以上の靭性を有し、DSC(吸熱ピークに相当する積分量)の値が30以下及び表面部の再結晶深さが150μm以下であり、耐応力腐食割れ性に優れることを特徴とする請求項2記載の靭性及び耐食性に優れる高強度アルミニウム合金押出材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7000系アルミニウム合金を用いた高強度押出材の製造方法に関し、特に高強度で靭性及び耐食性に優れたアルミニウム合金押出材の製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
車両や各種産業機械の分野においては、環境負荷の低減,省エネルギー化,軽量化等の要求から構造部材の軽量化が望まれる。
その手段の1つにアルミニウム合金からなる押出材が検討されており、高強度アルミニウム合金としてはAl−Zn−Mg系の7000系合金とAl−Mg−Si系の6000系合金が代表例である。
その中でも7000系合金は、比較的に押出加工性を低下させることなく高強度化を図ることが可能である。
【0003】
例えば特許文献1には、Zn:5.5〜9.0%,Mg:1.0〜2.0%,Cu:0.1〜1.0%,Fe:0.01〜0.40%,Si:0.01〜0.20%,Ti:0.005〜0.2%,さらにZr:0.01〜0.25%,Cr:0.01〜0.25%,V:0.01〜0.25%,Sc:0.01〜0.25%のうち1種類以上を合計で0.1〜0.5%含有するアルミニウム合金を用いたアルミニウム合金押出材を開示するが、押出材の温度が400℃以上である間に200℃/sec以上、即ち12000℃/min以上の急速冷却をしなければならないことから、押出材の形状に冷却ひずみが発生しやすく、またエネルギー吸収特性(靭性)を確保するには過時効処理が必要であることから生産性が低下する原因となっている。
【0004】
特許文献2にはZn:5.5〜7.0%,Mg:0.5〜1.8%,Cu:0.1〜0.5%,Fe:0.01〜0.40%,Si:0.01〜0.20%,Ti:0.005〜0.2%,さらにZr:0.01〜0.25%,Cr:0.01〜0.25%,Mn:0.01〜0.25%のうち1種以上を有するアルミニウム合金を用いて押出加工した押出材を、10℃/sec以上の加熱速度で330〜550℃に再加熱し、その後に50℃/sec以上の冷却速度で冷却する方法を開示する。
しかし、これでは再加熱のための熱処理炉や冷却装置が必要であるとともに、押出材を再加熱する際に表面の再結晶化が進行し、耐食性に劣る恐れがある。
【0005】
このように従来の7000系高強度アルミニウム合金押出材にあっては、高強度を得ようとすると、ねばり(靭性)が低下したり応力が負荷される部材での耐応力腐食割れ性が低下し、さらにはダイス端焼入れにて水冷が必要であったりと、生産性が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−221924号公報
【特許文献2】特開2017−222920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、押出加工後の空冷によるダイス端焼入れにて、高強度が得られるとともに靭性及び耐食性に優れた生産性の良好な高強度アルミニウム合金押出材の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る高強度アルミニウム合金押出材の製造方法は、以下全て質量%にて、Zn:5.0〜7.0%,Mg:0.50〜1.60%,Cu:0.05〜0.50%,Zr:0.10〜0.25%,Ti:0.005〜0.05%,Mn:0.3%以下,Cr:0.2%以下で、且つ[Mn+Cr+Zr]の合計が0.10〜0.65%範囲であり、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を用いて、鋳造速度50mm/min以上の速度でビレットを鋳造するステップと、前記鋳造したビレットを460〜540℃にて1〜14時間の均質化処理をするステップと、前記均質化処理後に50℃/hr以上の冷却速度で冷却するステップと、前記ビレットを用いて押出加工し、前記押出加工のダイス端焼入れとして冷却速度50〜500℃/minの空冷を行うステップとを有し、その後に人工時効処理することを特徴とする。
ここで、前記人工時効処理は、80〜120℃で1〜6時間の第1段目と130〜180℃で1〜14時間の第2段目からなり、合計で20時間以内の2段人工時効処理であるのが好ましい。
このように製造された押出材は、耐力が260MPa以上の高強度で、シャルピー衝撃値25J/cm以上,軸圧壊性EA率55%以上の靭性を有し、DSC(吸熱ピークに相当する積分量)の値が30以下及び表面部の再結晶深さが150μm以下であり、耐応力腐食割れ性に優れる。
【0009】
本発明において、アルミニウム合金の成分範囲を選定した理由は次のとおりである。
<Zn及びMg成分>
Znは比較的高濃度でも押出性が低下することがなく、強度の向上に寄与し、Mgの添加により、組織中にMgZnが折出し、強度アップする。
しかし、Mgは添加量が多くなると押出性が低下するとともに、MgZnの析出量が多くなりすぎ靭性が低下する恐れがある。
そこで、Zn:5.0〜7.0%,Mg:0.5〜1.60%の範囲の組み合せがよい。
なお、Zn:5.5〜7.0%にし、Mg:0.8〜1.3%とすることでMgZnの析出量を制御してもよい。
<Cu成分>
Cu成分の添加は固溶効果により強度向上を図るのに有効であるが、添加量が多くなると一般的な耐食性が低下するので、Cu:0.05〜0.50%の範囲がよく、好ましくはCu:0.10〜0.30%の範囲である。
<Zr,Mn及びCr成分>
これらの成分は、いずれも遷移元素であり、押出加工時に押出材の表面に形成される再結晶深さを抑制するとともに結晶粒の微細化に効果がある。
これにより靭性の向上と、耐応力腐食割れ性が向上する。
しかし、このうちCr成分は最も焼入れ感受性を鋭くし、添加量が多くなると押出加工直後の冷却による焼入れ(ダイス端焼入れ)を水冷レベルの急速冷却にしないと、充分な強度が得られなくなる。
Mn成分はCrよりも焼入れ感受性が強くないものの、Zrよりもその影響が大きい。
そこで本発明は、Cr,Mnを添加することなくZr:0.10〜0.25%添加するのみで対応するのが好ましい。
Mnを添加する場合には、Mn:0.30%以下に抑え、Crを添加する場合にはCr:0.20%以下に抑えるとともに[Mn+Cr+Zr]の合計で0.10〜0.65%の範囲に抑えるのがよい。
<Ti成分>
Ti成分は、押出加工に用いるためのビレットを鋳造する際に結晶粒の微細化に効果があり、一般的にはBもごく微量添加される。
Ti:0.005〜0.05%のわずかな添加量でよい。
<その他の成分>
7000系のアルミニウム合金の鋳造過程等にて、Fe成分及びSi成分が不純物として含まれることが多いが、その量が多くなると、押出性,耐応力腐食割れ性等に影響を与えるので、Fe:0.2%以下,Si:0.1%以下に抑えるのが好ましい。
【0010】
次に、製造条件について説明する。
アルミニウム合金の押出材の製造には、円柱状のビレットを鋳造して用いられる。
このビレットの鋳造条件や、その均質化処理条件も製造される押出材の品質に影響を与える。
ビレットの鋳造はホットトップ鋳造等により、アルミニウム合金の溶湯を用いて円柱状に連続鋳造されるが、その鋳造速度が50mm/min以上になると、ビレットの鋳造組織の結晶粒の平均粒径が250μm以下の微細構造になり、その後の押出加工においても押出材の結晶粒が微細化し靭性が向上する。
また、鋳造後の均質化処理条件は、析出物を充分に固溶させるのに460〜540℃にて1時間以上14時間以内の熱処理を行うとともに、その後の冷却を50℃/hr以上の冷却速度で行うのがよい。
【0011】
押出加工は、押出機のコンテナ内にビレットを装填して、ステム等にて押圧することで押圧ダイスを介して押出材が押出成形される。
この場合に、コンテナにビレットを装填する前に400℃以上、500℃以下に余熱される。
押出ダイスから押し出される直後の押出材は、500℃以上の高温になっている。
ダイス端焼入れとは、この押出直後の高温を利用して、ファン等にて冷却速度50〜500℃/minの空冷を行うことで焼入れが可能になる。
本発明に係るアルミニウム合金を用いると、引用文献1のような水冷を行う必要がなく、冷却時に押出材が変形するのを抑えることができ、空冷装置は水冷装置に比較し、簡単な構造であり、生産性に優れる。
【0012】
ダイス端焼入れ工程を経た押出材は、その後に人工時効処理をすることになるが、その条件も押出材の品質に影響を与える。
本発明においては、第1段目を80〜120℃×1〜6時間,第2段目を130〜180℃×1〜14時間,合計で20時間以内の2段人工時効処理を行う。
これにより、過時効や復熱処理をすることなく目標品質が得られる。
【発明の効果】
【0013】
従来から7000系アルミニウム合金は、強度を高くしようとすると割れやすく靭性を確保するのが難しく、押出加工時に加工抵抗が大きくなるために押出材が高温になり、押出材の表面に形成される再結晶層の厚みが厚くなることで、耐応力腐食割れ性が低下する技術的課題があった。
本発明にあっては、アルミニウム合金の化学組成の最適化と製造条件の最適化を図ることで、バランスの良い押出材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】評価に用いたアルミニウム合金の化学組成を示す。
図2】評価に用いたビレットの鋳造,均質化(HOMO)条件及び押出加工後の人工時効処理条件を示す。
図3】評価結果を示す。
図4】DSC分析チャートの例を示す。
図5】DSCを評価した目的の説明図を示す。
図6】軸圧壊試験における荷重−変位曲線の例を示す。
図7】(a)は実施例、(b)は比較例の外観写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1の表に示した本発明に係る成分範囲に含まれる実施例1〜18と、いずれかの成分が本発明の範囲外となる比較例19〜25のアルミニウム合金の溶湯を調整し、図2の表に示した鋳造速度でビレットを鋳造し、その後に均質化処理温度(HOMO温度)及びHOMO時間にて均質化処理し、表中HOMO後冷却速度で冷却した。
その時のビレットの金属組織の平均結晶粒径を、図2の表「ビレット結晶粒径」の欄に示す。
次に、図2の表中に「BLT温度」に示した温度でビレットを余熱し、押出加工に供した。
押出材の形状は、肉厚約3mmのコ字断面形状とした。
押出加工直後は、図2の表に示した冷却速度でファン空冷し、ダイス端焼入れを行い、次に図2に示した熱処理温度及び熱処理時間にて、1段目の熱処理を行った後に2段目の熱処理を行い、2段人工時効処理を実施した。
なお、図2の表中、製造条件として本発明における好ましい条件、範囲を合せて表記した。
【0016】
評価項目及びその評価結果を図3の表に示す。
表中に評価項目毎の目標値を示した。
評価条件は、次のとおりである。
<機械的性質>
JIS−Z2241に基づいて、JIS−5号試験片を作製し、JIS規格に準拠した引張試験機を用いて、引張強さ,σ0.2耐力,伸びを計測した。
<ビレット結晶粒径>
ビレット表面を鏡面研磨仕上げし、ケラー試薬にてエッチングを行った。
これを光学顕微鏡観察により金属組織を観察し、100倍の画像を画像処理し、平均結晶粒径を求めた。
<押出材の表面再結晶深さ>
押出材の断面を鏡面仕上げし、その後に3%NaOHにてエッチング処理した。
光学顕微鏡にて100倍画像から画像処理にて再結晶層の平均厚さを求めた。
<シャルピー衝撃試験>
JIS−Z2242に基づいて、JIS−Vノッチ4号試験片を作製し、JIS規格に準拠したシャルピー衝撃試験機にてシャルピー衝撃値を求めた。
<耐応力腐食割れ性(SCC性)>
試験片に耐力の80%の応力を負荷した状態で、次の条件を1サイクルとして720サイクルにて割れが発生しなかったものを目標達成とした。
なお、途中で割れが発生したものは、そのサイクル数を表示した。
[1サイクル]
3.5%NaCl水溶液中に25℃,10min浸漬し、その後に25℃,湿度40%中に50min放置し、その後に自然乾燥する。
<DSC分析>
示差熱分析計(リガク製 Thermo plus evo2)を用いて得られたチャートから、吸熱ピークに相当する面積(積分量)の値をDSCの値とした。
チャート例を図4に示す。
本発明において、DSCの値を評価した目的は図5に説明図を示すように、結晶粒内の析出物の析出量が多くなり過ぎると、靭性が低下し、割れが発生しやすくなるからであり、この析出量を析出物が再固溶する100〜200℃における吸熱ピークの面積(積分量)を30以下とした。
図4にその吸熱ピークの部分を示した。
<軸圧壊性及びその外観>
軸圧壊性の試験は、次のように実施した。
『田』形状をもつ四角筒形状の試験片を用い、圧縮速度50mm/min(試験前の軸長寸法150mm→試験後の軸長寸法60mm)で試験片の軸長方向に沿って静的荷重を作用させて行った。
図6は、実施例4に係る試験片を軸圧壊試験した時の荷重−変位曲線を示す。
横軸は、荷重を試験片の軸長方向にかけたときの圧縮試験機のクロスヘッドのストロークを示す。
縦軸は荷重の大きさを示す。
図6に示すように、試験片が蛇腹状に圧壊変形するときには、荷重値のピーク(P1〜P3)が間隔をおいて発生する。
図7(a)は、実施例4に係る試験片について軸圧壊試験後の状態を示す。
軸圧壊試験後では試験片は良好に蛇腹形状に圧壊変形した。
このように蛇腹形状に圧壊変形した場合には、評価は○とした。
図7(b)は、比較例3に係る試験片について軸圧壊試験後の状態を示す。
軸圧壊試験後では試験片の壁部が破断していた。
このように壁部が破断した場合には評価は×とした。
【0017】
<評価結果の考察>
実施例1〜18は、全ての品質目標をクリアした。
これに対して、比較例19はZrの添加量が少なく、表面再結晶深さが厚くなり、シャルピー衝撃値及び耐応力腐食割れ性も目標未達であった。
比較例20は、Mgの添加量が多く強度があるものの、靭性が低下していた。
比較例21は、人工時効処理条件が本発明の範囲になく、靭性が目標未達であった。
比較例22,23は、Zrの添加量が少ないため、靭性が悪かった。
比較例24は、[Mn+Cr+Zr]の範囲が外れ、熱処理条件も所定の範囲にないので品質目標が未達であった。
比較例25は、Mgの含有量が多く、靭性が劣っていた。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7