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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-110122(P2021-110122A)
(43)【公開日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】標識保持具
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20210705BHJP
【FI】
   E01F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-1445(P2020-1445)
(22)【出願日】2020年1月8日
(71)【出願人】
【識別番号】511071278
【氏名又は名称】テック鬼城株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 實
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101DA05
2D101DA06
2D101EA05
2D101FA12
2D101GA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】標識に力が加わって標識が移動しても、標識を元の位置に戻す作業を減少又は不要とする標識保持具を提供する。
【解決手段】道路面201に対し標識具101を保持する標識保持具11であって、道路面201に載置される基礎部20と、標識具101と基礎部20とを直接的又は間接的に連結し、基礎部20に対する標識具101の相対的位置が所定位置から変位すると、標識具101が該所定位置に変位する方向の力である復元力を標識具101に加える連結バネ50を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に対し標識を保持する標識保持具であって、
設置面に載置される基礎部と、
標識と基礎部とを直接的又は間接的に連結し、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、標識が該所定位置に変位する方向の力である復元力を標識に加える復元手段と、を備えてなる、標識保持具。
【請求項2】
復元手段は、前記相対的位置が前記所定位置から変位すると、弾性変形によって復元力を生じる弾性部材を含むものである、請求項1に記載の標識保持具。
【請求項3】
前記弾性部材は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材である、請求項2に記載の標識保持具。
【請求項4】
標識が基礎部の上面に載置される、請求項2又は3に記載の標識保持具。
【請求項5】
復元手段は、標識に係止される係止部と、係止部と基礎部とを連結する前記弾性部材と、を含む、請求項2乃至4のいずれか1に記載の標識保持具。
【請求項6】
係止部は、標識に外嵌されることで、標識が少なくとも基礎部から遠ざかる方向に移動することを制限するものである、請求項5に記載の標識保持具。
【請求項7】
標識は、頂点よりも底面が基礎部に近い錐体の側面に沿った部分を有し、
係止部は、錐体の側面に沿った該部分に外嵌される、請求項6に記載の標識保持具。
【請求項8】
係止部は、錐体の側面に沿った前記部分を取り囲む、請求項7に記載の標識保持具。
【請求項9】
前記弾性部材は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材であり、
該伸縮部材は、錐体の側面に沿った前記部分を係止部が取り囲む異なる複数の位置それぞれに配設されるものである、請求項8に記載の標識保持具。
【請求項10】
復元力が所定大きさを超えると、標識と基礎部との前記直接的又は間接的な連結を解くものである、請求項2乃至9のいずれか1に記載の標識保持具。
【請求項11】
復元手段は、標識に係止される係止部と、前記相対的位置が前記所定位置から変位すると、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材と、伸縮部材の端部を係止部又は基礎部に固定する端部固定部と、を含み、
復元力が所定大きさを超えると、端部固定部の破壊により標識と基礎部との連結を解くものである、請求項10に記載の標識保持具。
【請求項12】
基礎部が、組み付け及び分離が可能な一部と残部とを含んでなり、
復元手段が、少なくとも該一部と標識とを直接的又は間接的に連結し、
復元力が所定大きさよりも大きくなると、該一部が該残部から分離するように形成されている、請求項2乃至11のいずれか1に記載の標識保持具。
【請求項13】
前記一部と前記残部との一方が凸部を有し、他方は該凸部が嵌合可能な凹部を有し、凹部と凸部とが嵌合することで前記一部と前記残部とが組み付けられる、請求項12に記載の標識保持具。
【請求項14】
標識がコーン型標識具である、請求項1乃至13のいずれか1に記載の標識保持具。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1に記載の標識保持具と、前記標識と、を含んでなる、標識装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識保持具に関し、より詳細には、道路工事現場や駐車場等において区画や位置を表示するために用いる標識を保持する標識保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、道路工事現場や駐車場等において用いる標識を所定位置に保持するために標識保持具が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、『道路工事現場等において使用されるコーン型標示具を、風等で飛ばないように押えるためのコーン型標示具用重錘』(特許文献1の段落番号0001)に関し、『使用時にコーン型標示具以外によっても視認性を得ることができ、標示効果を向上できるようにすることを主たる課題』(特許文献1の段落番号0004)としてなされたもので、具体的には『外周面がコーン型標示具の外周面より外側に位置するように、コーン型標示具の下部に対して上から嵌め込んで取り付ける、所定重量を有したコーン型標示具用重錘であって、上記外周面に、光を受けると反射する反射部材を取り付けたコーン型標示具用重錘』(特許文献1の請求項1)が開示されており、これによれば『コーン型標示具用重錘をコーン型標示具に対して嵌め込んで取り付けると、コーン型標示具用重錘の外周面に取り付けた反射部材が、車両等が放つ光を受けたときに反射するので、運転者等に注意を喚起することができる。』(特許文献1の段落番号0006)というものである。
即ち、特許文献1におけるコーン型標示具用重錘は、道路工事現場や駐車場等において区画や位置を表示するために設置面に載置された状態で用いるコーン型標示具(標識)を風等で飛ばないように押えて所定位置に保持するもの(標識保持具)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3085359号公報(例えば、要約、考案の詳細な説明中の段落番号0001〜0006、第1図、第3図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のコーン型標示具用重錘は、その重量によりコーン型標示具(標識)を押さえることで、標識が風等で飛ばないようにして設置面に対し標識を所定位置に保持する標識保持具である。
このため、特許文献1に開示のコーン型標示具用重錘においては、該コーン型標示具用重錘が取り付けられたコーン型標示具(標識)に、自動車や歩行者等が衝突等して力が加わるとコーン型標示具(標識)が移動するので、該移動したコーン型標示具(標識)を元の位置に戻す作業を要するものであった。
そこで、本発明では、標識に力が加わって標識が移動しても、標識を元の位置に戻す作業を減少又は不要とする標識保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の標識保持具(以下「本保持具」という。)は、設置面に対し標識を保持する標識保持具であって、設置面に載置される基礎部と、標識と基礎部とを直接的又は間接的に連結し、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、標識が該所定位置に変位する方向の力である復元力を標識に加える復元手段と、を備えてなる、標識保持具である。
本保持具は、道路や駐車場等における設置面に対し標識を保持する標識保持具であり、設置面に対し標識を保持することで、標識により区画や位置を表示することができるものである。
本保持具は、基礎部と復元手段とを備えてなる。
基礎部は、設置面(例えば、路面、駐車場の土地表面等)に置くことで設置される。
復元手段は、標識と基礎部とを直接的又は間接的に連結する。標識と基礎部とを直接的に連結するとは、標識と基礎部とを別の部材を介することなく連結することをいい、標識と基礎部とを間接的に連結するとは、標識と基礎部とを別の部材を介して連結することをいう。復元手段は、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、標識が該所定位置に変位する方向の力である復元力を標識に加える。
これにより、本保持具により保持された標識に力が加わり基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位することで、標識に加わる衝撃や力を緩和し標識が破損することを防止又は減少させる(同時に、該力を標識に加えた自動車や歩行者等への衝撃や力も緩和し、自動車や歩行者等の損傷等を防止又は減少させる。)と共に、標識に加わる力が減少したり除かれると、復元手段が標識に復元力(標識が該所定位置に変位する方向の力)を加えることで、標識が該所定位置方向に戻る。従って、標識に力が加わって標識が移動しても、標識を元の位置に戻す作業を減少又は不要とすることができる。
【0006】
本保持具においては、復元手段は、前記相対的位置が前記所定位置から変位すると、弾性変形によって復元力を生じる弾性部材を含むもの(以下「弾性部材本保持具」という。)であってもよい。
復元手段が弾性部材を含み、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、該弾性部材が弾性変形することで復元力を生じるので、弾性部材を用いるという簡単な構成により復元手段を構成できる。弾性部材としては、弾性変形することで必要な復元力を生じるものであれば特に限定されないが、例えば、バネ(引っ張りバネ、圧縮バネ、板バネ等を含む。)やゴム等を挙げることができる。
【0007】
弾性部材本保持具においては、前記弾性部材は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材であってもよい。
基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、弾性変形することで復元力を生じる前記弾性部材は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材としてもよい。かかる伸縮部材としては、つるまきバネやゴム(例えば、ゴム製の帯や紐)を例示でき、このような伸縮部材を前記弾性部材とすることで、簡単に弾性部材を構成すると共に、前記相対的位置が前記所定位置から変位することに応じて伸縮部材がその長手方向に引き伸ばされるようにすれば、それにより生じる収縮力により復元力を確実に生じることができる。
【0008】
弾性部材本保持具においては、標識が基礎部の上面に載置されるものであってもよい。
このように標識が、設置面に載置される基礎部の上面に載置されることで、設置面に対し標識を確実に保持することができ、標識と基礎部とが近く位置することから復元手段が標識と基礎部とをうまく連結して復元力を標識に加えることができる。
【0009】
弾性部材本保持具においては、復元手段は、標識に係止される係止部と、係止部と基礎部とを連結する前記弾性部材と、を含むもの(以下「係止部本保持具」という。)であってもよい。
復元手段が、標識に係止される係止部と、係止部と基礎部とを連結する前記弾性部材と、を含んで標識と基礎部とを連結することで、標識に適した係止部を用いることで、様々な標識に本保持具を適用できる。
【0010】
係止部本保持具においては、係止部は、標識に外嵌されることで、標識が少なくとも基礎部から遠ざかる方向に移動することを制限するもの(以下「外嵌係止部本保持具」という。)であってもよい。
標識に係止され、前記弾性部材により基礎部に連結される係止部は、弾性部材が弾性変形によって生じる復元力を標識に加えることができるものを広く含むものであるが、標識に外嵌されることで、標識が少なくとも基礎部から遠ざかる方向に移動することを制限するものとすれば、外嵌するだけで係止部を標識に係止させて標識が少なくとも基礎部から遠ざかる方向に移動することを制限することができる。このため、通常、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位する際は標識が基礎部から遠ざかる方向に移動することが多いことから、係止部を標識に外嵌し簡単に係止させることで、該相対的位置が該所定位置から変位することをうまく制限できる。
【0011】
外嵌係止部本保持具においては、標識は、頂点よりも底面が基礎部に近い錐体の側面に沿った部分を有し、係止部は、錐体の側面に沿った該部分に外嵌されるもの(以下「錐体本保持具」という。)であってもよい。
錐体は、平面P上の閉曲線Cが存し、平面P上にない点Oと曲線C上の各点とを結ぶ直線の軌跡である錐体面を考え、該錐体面と平面Pとによって規定される立体をいい、この錐体の側面(該錐体面)に沿った部分を標識が有し、この錐体の頂点(点O)よりも底面(平面Pに存する閉曲線Cによって囲まれる部分)が基礎部に近く配置される。なお、頂点よりも底面が基礎部に近いことは、頂点と基礎部との間の距離d1と、底面に属する点のうち基礎部から最も遠い点と基礎部との間の距離d2と、を比較し、d2<d1であることをいう。
こうすることで、錐体の側面に沿った標識の該部分に係止部が外嵌されることで、錐体の側面に沿った標識の該部分は基礎部方向に向かって広がる形状になるので(錐体の底面から頂点に向かって先細り形状となっている。)、係止部は、標識が少なくとも基礎部から遠ざかる方向に移動すること(換言すれば、係止部が基礎部に近づく方向に移動すること)をうまく制限することができる。
【0012】
錐体本保持具においては、係止部は、錐体の側面に沿った前記部分を取り囲むもの(以下「錐体取り囲み本保持具」という。)であってもよい。
こうすることで、錐体の側面に沿った標識の該部分を係止部が取り囲むように外嵌されることで、錐体の側面に沿った標識の該部分は基礎部方向に向かって広がる形状であるので、係止部は、標識が少なくとも基礎部から遠ざかる方向に移動すること(係止部が基礎部に近づく方向に移動すること)を確実に制限することができる。
【0013】
錐体取り囲み本保持具においては、前記弾性部材は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材であり、該伸縮部材は、錐体の側面に沿った前記部分を係止部が取り囲む異なる複数の位置それぞれに配設されるものであってもよい。
こうすることで、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる前記弾性部材たる伸縮部材が、錐体の側面に沿った標識の前記部分を係止部が取り囲む異なる複数の位置それぞれに配設されることから、錐体の側面に沿った標識の前記部分を取り囲む係止部の異なる複数の位置に収縮力が加わるので、標識に外嵌される係止部が標識に安定的に保持される。
【0014】
弾性部材本保持具においては、復元力が所定大きさを超えると、標識と基礎部との前記直接的又は間接的な連結を解くもの(以下「連結解放本保持具」という。)であってもよい。
復元手段が含む弾性部材は、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、該弾性部材が弾性変形することで復元力を生じるものであるので、該変位が大きくなると復元力が大きくなることが多い。このため標識と基礎部とを弾性部材が直接的又は間接的に連結し復元力を標識に加えることから、復元力があまり大きくなった際には標識と基礎部との前記直接的又は間接的な連結を解くことで、弾性部材、標識及び基礎部の破損等を防止又は減少させることができる。
【0015】
連結解放本保持具においては、復元手段は、標識に係止される係止部と、前記相対的位置が前記所定位置から変位すると、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材と、伸縮部材の端部を係止部又は基礎部に固定する端部固定部と、を含み、復元力が所定大きさを超えると、端部固定部の破壊により標識と基礎部との連結を解くものであってもよい。
復元手段が、係止部と伸縮部材と端部固定部とを含むことで、前記相対的位置が前記所定位置から変位すると、伸縮部材が長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じ、該生じる収縮力が係止部及び端部固定部を通じて標識と基礎部との間に加わる。このとき端部固定部が、伸縮部材の端部を係止部又は基礎部に固定し(係止部及び基礎部の両方に端部固定部が固定するようにしてもよい。)、復元力が所定大きさを超えると、端部固定部の破壊により標識と基礎部との連結を解くようにすれば、復元力が所定大きさを超えた際に端部固定部が破壊するように端部固定部を形成するという簡単な方法により、弾性部材、標識及び基礎部の破損等を防止又は減少させることができる。なお、伸縮部材が複数配設されるような場合には、該複数配設された伸縮部材のうち復元力が所定大きさを超えたもののみに関し、端部固定部の破壊により標識と基礎部との連結が解かれるようにしてもよい。
【0016】
弾性部材本保持具においては、基礎部が、組み付け及び分離が可能な一部と残部とを含んでなり、復元手段が、少なくとも該一部と標識とを直接的又は間接的に連結し、復元力が所定大きさよりも大きくなると、該一部が該残部から分離するように形成されているもの(以下「分離基礎部本保持具」という。)であってもよい。
復元手段が含む弾性部材は、基礎部に対する標識の相対的位置が所定位置から変位すると、該弾性部材が弾性変形することで復元力を生じるものであるので、該変位が大きくなると復元力が大きくなることが多い。このため標識と基礎部とを弾性部材が直接的又は間接的に連結し復元力を加えることから、組み付け及び分離が可能な一部と残部とを含んで基礎部を構成し、この少なくとも該一部を復元手段が標識と直接的又は間接的に連結して、復元力が所定大きさよりも大きくなると、該一部が該残部から分離するように形成することで、弾性部材、標識及び基礎部(とりわけ基礎部)の破損等を防止又は減少させることができる。
なお、該一部と該残部とを組み付け及び分離を可能にするには種々の方法を用いることができ、特に制限されるものではないが、互いに嵌脱自在な凹部及び凸部を前記一部と前記残部との一方に該凸部を形成し他方に該凹部を形成すること(後述する)、前記一部と前記残部との一方に面ファスナーの一方部分と他方に他方部分を形成すること(例えば、該一方部分が雄型面ファスナー要素であり、該他方部分が雌型面ファスナー要素であり、これら両要素が着脱自在であるような場合)、前記一部と前記残部との一方に互いに磁力により吸引する一方部分と他方に他方部分を形成すること等を例示できる。
【0017】
分離基礎部本保持具においては、前記一部と前記残部との一方が凸部を有し、他方は該凸部が嵌合可能な凹部を有し、凹部と凸部とが嵌合することで前記一部と前記残部とが組み付けられるものであってもよい。
こうすることで、基礎部が含む前記一部と前記残部との一方に凸部を形成し、他方は、該凸部が嵌合可能な凹部を形成するという簡単な構成により、該凹部と該凸部とが嵌合することで前記一部と前記残部とを組み付けると共に、組み付けられた該凹部と該凸部との嵌合を解くことで前記一部と前記残部とを分離することができる。
【0018】
本保持具においては、標識がコーン型標識具であってもよい。
コーン型標識具は、外形が円錐台又は円錐の形状を略なす本体部を有しており、その取り扱いの容易性や視認性が高いことから多用されている。しかし、かかるコーン型標識具は、取り扱いを容易にするため軽量に構成されることが多く、車両や歩行者等の干渉や強風により容易に不意に移動することがある。しかし本保持具によりコーン型標識具を保持すれば、コーン型標識具に加わる力が減少したり除かれるとコーン型標識具が本来の位置方向に戻ることから、コーン型標識具の使用を便ならしめることができる。
【0019】
本発明は、本保持具とそれにより保持された標識とを含んでなる標識装置を提供する。即ち、該標識装置は、本保持具と前記標識とを含んでなる標識装置である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】コーン型標識具を支持する本発明の一実施形態に係る支持具(本支持具)を示す正面図である。
図2】コーン型標識具を支持する本支持具の平面図である。
図3】コーン型標識具を支持する本支持具の分解図である。
図4図2のB−B端面図である。
図5】基礎部を示す図(図5(a)は基礎部の平面図であり、図5(b)は、図1及び図3のN−N断面図である。)である。
図6図5(a)のC−C端面図(固定ピンをバネ穴に嵌入したところを示している。)である。
図7】基礎部を取り外したところを示す斜視図である。
図8】矢印Eのような力がコーン型標識具に加わり、コーン型標識具が傾いた状態を示す図(図1と同様の方向から見たところを示している。)である。
図9図8の状態よりも大きな力がコーン型標識具に加わり、押さえ部からピン本体部が破壊し連結バネの上端が解放されたところを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0022】
図1は、コーン型標識具101を支持する本発明の一実施形態に係る支持具(本支持具)11を示す正面図であり、図2は、コーン型標識具101を支持する本支持具11の平面図(図1中の矢印A方向から見たところを示している。)であり、図3は、コーン型標識具101を支持する本支持具11の分解図であり、図4図2のB−B端面図(但し、後述の固定ピン60は断面ではない。)であり、図5は、本支持具11を構成する基礎部20を示す図(図5(a)は基礎部20の平面図(図3中の矢印D方向から見たところを示している。)であり、図5(b)は、図1及び図3のN−N断面図である。)であり、図6図5(a)のC−C端面図(但し、後述の固定ピン70をバネ穴39aに嵌入したところを示し、固定ピン70は断面ではない。)であり、そして図7は基礎部20を取り外したところを示す斜視図である。図1乃至図7を参照して、本支持具11について説明する。
なお、説明及び理解を容易にするため、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸及びZ軸を用い、それぞれの方向を図中、X、Y及びZの矢印として示す。
【0023】
本支持具11は、大まかには、コーン型標識具101が上面20aに載置される基礎部20と、基礎部20の上面20aに載置されたコーン型標識具101に上方から外嵌される押さえ部40と、基礎部20と押さえ部40とを連結する4個の連結バネ50(図には2個しか表れない。)と、連結バネ50の上端51を固定する4個の固定ピン60と、連結バネ50の下端52を固定する4個の固定ピン70と、を備えてなる。
【0024】
コーン型標識具101は、Z軸に平行な軸を有する(直)円錐台形状(中空)をなす本体部103と、本体部103の下側に存する外周(該円錐台の両底面のうち大きな底面の外周。なお、該両底面のうち小さい方(上の底面104a)の半径をr1とし、該両底面のうち大きい方(下の底面104b)の半径をr2とする。)に連なるようZ軸に垂直な平面に沿って形成されたつば部105と、を含んでなる。かかるコーン型標識具101は、道路工事等を行う際、交通規制等のために多用されているものであり、通常、視認性が高い色彩(例えば、赤色)の樹脂材料等によって形成されている。
【0025】
基礎部20は、別体の第1基礎部21及び第2基礎部31を含んでなり、これら第1基礎部21及び第2基礎部31が互いに組み付けられた状態(図1図3図5)においては基礎部20全体は、X軸、Y軸及びZ軸に3辺が略平行な直方体形状をなし、該直方体形状の上面20a(Z軸に垂直な一平面に略属す。)にコーン型標識具101が載置される。
【0026】
第1基礎部21及び第2基礎部31は、基礎部20全体がなす該直方体形状を所定の分断面により2の部分に分断することで形成されている。具体的には、第2基礎部31は、X軸に垂直な面33から楔部分32が突出するように形成され、第1基礎部21は、X軸に垂直な面23に、楔部分32をちょうど収容可能な凹部22が形成されている。楔部分32は、両底面(いずれもZ軸に略垂直であり、該両底面の一方が第2基礎部31の上面31aの一部を形成し、該両底面の他方が第2基礎部31の下面31bの一部を形成する。)が同じ等脚台形をなす直四角柱形状に形成され、該等脚台形の4辺のうち互いに平行な2辺(2の底)のうち短い辺が面33を含む平面に存する。これによって、楔部分32は、面33から離れるにつれて幅(Y方向に沿った寸法)が増加している。そして、凹部22は、両底面(いずれもZ軸に略垂直であり、該両底面の一方が第1基礎部21の上面21aに入り江状の切り欠きを形成し、該両底面の他方が第1基礎部21の下面21bに入り江状の切り欠きを形成する。)が同じ等脚台形をなす直四角柱形状に形成され、該等脚台形の4辺のうち互いに平行な2辺(2の底)のうち短い辺が面23を含む平面に存する。これによって、凹部22は、面23から離れるにつれて幅(Y方向に沿った寸法)が増加している。このような凹部22は、図1図3及び図5に示すように楔部分32をちょうど嵌入できる形状及び寸法に形成されている。
第1基礎部21及び第2基礎部31いずれも可撓性の材料(ここでは具体的にはゴム)で形成されており、凹部22に楔部分32が収容され第1基礎部21及び第2基礎部31が互いに組み付けられた状態(図1図3図5)において第1基礎部21及び第2基礎部31の一方を他方から引き離すように所定以上の力が加わると、凹部22及び楔部分32が変形することで凹部22から楔部分32が外れ、第1基礎部21及び第2基礎部31が分離する。
【0027】
基礎部20全体で形成する前記直方体形状の上面20a(長方形を略なす。)の4の隅近傍には、連結バネ50及び固定ピン70を貫入するためのバネ穴29a、29b、39a、39bが形成されている。詳細には、バネ穴29a、29bは、上面21aと下面21bとを連絡するように第1基礎部21に形成され、バネ穴39a、39bは、上面31aと下面31bとを連絡するように第2基礎部31に形成されている。これらバネ穴29a、29b、39a、39bは、いずれも同じ形状かつ同じ寸法に形成されており、そのうちの1であるバネ穴39aの断面を示す図6を参照すると、Z軸に略平行な軸を有する直円柱形状に上面31aから下面31b方向に向けて形成された上部穴39a1と、上部穴39a1の下端と下面31bとを連絡するように上部穴39a1よりも大きな半径の直円柱(上部穴39a1が形成する直円柱の軸と、該大きな半径の直円柱の軸と、は同一直線上に存する。)形状に形成された下部穴39a2と、を含んでなる。このような上部穴と下部穴とをバネ穴29a、29b、39a、39bはいずれも有し、後述の固定ピン70が有する円盤形状(Z軸に平行な軸を有する直円柱形状)の係止部71が下部穴に収容されるが、上部穴を通過できないので、固定ピン70が、連結バネ50の上方への付勢力に抗し、連結バネ50の下端を支持する。
【0028】
押さえ部40は、上面40a及び下面40bいずれも略同じ長方形状をなし、上面40a及び下面40bがZ軸に略垂直に配置される板状部材(3辺それぞれがX軸、Y軸及びZ軸に略平行な直方体(高さ(Z軸方向への寸法)が小さい)を略なす。)により形成され、Z軸に略平行な4辺に沿って角部が丸められている。また、押さえ部40は、ここでは樹脂材料等によって形成されている。
押さえ部40には、上面40aがなす長方形の対角線の交点を通過するZ軸に平行な直線(下面40bがなす長方形の対角線の交点も通過する。)上に軸が存する直円柱(該直円柱の半径r3は、r1<r3<r2である。)形状の押さえ部穴41が形成されている。
【0029】
さらに、押さえ部40には、上面40aの4の隅近傍には、連結バネ50の上端51を支持する固定ピン60を貫入するためのピン穴49a、49b、49c、49dが形成されている。Z軸に対して垂直な平面へのピン穴49aの正投影は、該平面へのバネ穴29aの正投影と略一致し、該平面へのピン穴49bの正投影は、該平面へのバネ穴39aの正投影と略一致し、該平面へのピン穴49cの正投影は、該平面へのバネ穴29bの正投影と略一致し、そして該平面へのピン穴49dの正投影は、該平面へのバネ穴39bの正投影と略一致する。詳細には、ピン穴49a、49b、49c、49dは、上面40aと下面40bとを連絡するように押さえ部40に形成されており、これらピン穴49a、49b、49c、49dは、いずれも同じ形状かつ同じ寸法に形成されている。ピン穴49a、49b、49c、49dのうちの1であるピン穴49bの断面を示す図4を参照すると、Z軸に略平行な軸を有する直円柱形状に下面40bから上面40a方向に向けて形成された下部穴49b1と、下部穴49b1の上端と上面40aとを連絡するように下部穴49b1よりも大きな半径の直円柱(下部穴49b1が形成する直円柱の軸と、該大きな半径の直円柱の軸と、は同一直線上に存する。)形状に形成された上部穴49b2と、を含んでなる。このような上部穴と下部穴とをピン穴49a、49b、49c、49dはいずれも有し、後述の固定ピン60が有する円盤形状(Z軸に平行な軸を有する直円柱形状)の係止部61が上部穴に収容されるが、下部穴を通過できないので、固定ピン60が、連結バネ50の下方への付勢力に抗し、連結バネ50の上端51を支持する。
【0030】
連結バネ50は、ばね鋼により形成されたコイルばねであり、ここでは引っ張りコイルばねとして用いられる。
連結バネ50は、いずれも同じものが4本配設されており、上端51は固定ピン60に係止され、下端52は固定ピン70に係止される。詳細には、連結バネ50は、ピン穴49aに嵌入された固定ピン60と、バネ穴29aに嵌入された固定ピン70と、の間に1本の連結バネ50が配置され、ピン穴49bに嵌入された固定ピン60と、バネ穴39aに嵌入された固定ピン70と、の間に1本の連結バネ50が配置され、ピン穴49cに嵌入された固定ピン60と、バネ穴29bに嵌入された固定ピン70と、の間に1本の連結バネ50が配置され、そしてピン穴49dに嵌入された固定ピン60と、バネ穴39bに嵌入された固定ピン70と、の間に1本の連結バネ50が配置される。
【0031】
固定ピン60は、いずれも同じものが4本配設されており、円盤形状(Z軸に平行な軸を有する直円柱形状)の係止部61と、係止部61の底面(下面)から突出するように形成されたピン本体部63と、を一体に備えてなる(特に、図4参照)。ピン本体部63には、連結バネ50の上端51を係止する係止穴64が形成されている。
固定ピン60は、係止部61に対してピン本体部63に所定大きさ以上の力が加わると係止部61からピン本体部63が分離(破壊)することで、連結バネ50の上端51を解放するように形成されている。
【0032】
固定ピン70は、いずれも同じものが4本配設されており、円盤形状(Z軸に平行な軸を有する直円柱形状)の係止部71と、係止部71の底面(上面)から突出するように形成されたピン本体部73と、を一体に備えてなる(特に、図6参照)。ピン本体部73には、連結バネ50の下端52を係止する係止穴74が形成されている。
【0033】
次いで、本支持具11の使用方法について説明する。
第1に、コーン型標識具101の本体部103を、押さえ部40の押さえ部穴41に内嵌する。押さえ部穴41は、前述の如く、半径r3の直円柱形状であるので、半径r1の円形の底面104aと、半径r2(但しr2>r3>r1)の円形の底面104bと、を有する(直)円錐台形状の本体部103を嵌入すると、これら両底面104a、104bの間で本体部103外面と押さえ部穴41内面とが当接し、図1のように押さえ部40は両底面104a、104bの間で支持される(押さえ部40は、本体部103に対して下方に移動できない。)。
第2に、第1で押さえ部40の押さえ部穴41に内嵌したコーン型標識具101を、基礎部20の上面20aに載置する。このとき第1基礎部21及び第2基礎部31は基礎部20を形成するように組み付けられ(凹部22に楔部分32が嵌入される。)、上面21aと上面31aとが一平面(Z軸に垂直)に略属すことで上面20aが形成されている。
【0034】
第3に、4本の連結バネ50により、押さえ部40と基礎部20とを連結する。詳細には、1本の連結バネ50の上端51を、ピン穴49aに嵌入された固定ピン60に固定し、該1本の連結バネ50の下端52を、バネ穴29aに嵌入された固定ピン70に固定する。他の1本の連結バネ50の上端51を、ピン穴49bに嵌入された固定ピン60に固定し、該1本の連結バネ50の下端52を、バネ穴39aに嵌入された固定ピン70に固定する。別の1本の連結バネ50の上端51を、ピン穴49cに嵌入された固定ピン60に固定し、該1本の連結バネ50の下端52を、バネ穴29bに嵌入された固定ピン70に固定する。残りの1本の連結バネ50の上端51を、ピン穴49dに嵌入された固定ピン60に固定し、該1本の連結バネ50の下端52を、バネ穴39bに嵌入された固定ピン70に固定する。
以上のようにして、図1及び図2に示したような、本支持具11によりコーン型標識具101を支持する構造が完成する。
なお、該構造を構成するには、上述の第1、第2及び第3の作業に限定されるものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、第1基礎部21及び第2基礎部31を分離させた状態で、4本の連結バネ50により、押さえ部40と、第1基礎部21及び第2基礎部31と、を連結する。その後、コーン型標識具101の本体部103を、押さえ部40の押さえ部穴41に内嵌した後、第1基礎部21及び第2基礎部31を基礎部20を形成するように組み付けるようにしてもよい。
【0035】
このようにして形成された本支持具11によるコーン型標識具101支持構造は、図1に示すように、従来のコーン型標識具と同様、道路面201に設置されて交通規制等の目的で使用できる。
このような図1のような状態において、車両や人がコーン型標識具101に衝突し、図8における矢印Eのような力がコーン型標識具101に加わると、コーン型標識具101が傾き、該力の方向と逆側に存する連結バネ50が引き伸ばされる(図8の状態)。この後、矢印Eの力が取り除かれると、該引き伸ばされた連結バネ50の付勢力(引っ張り力)により図1のような状態に戻る。
そして、図8よりも大きな力がコーン型標識具101に加わると、該力の方向と逆側に存する連結バネ50が大きく引き伸ばされ、固定ピン60の係止部61に対してピン本体部63に所定大きさ以上の力が加わることで係止部61からピン本体部63が分離(破壊)し、図9に示すように連結バネ50の上端51が解放される。加えて、該大きく引き伸ばされる連結バネ50により第1基礎部21を第2基礎部31から引き離すように所定以上の力が加わることで、凹部22及び楔部分32が変形して凹部22から楔部分32が外れ、第1基礎部21及び第2基礎部31が分離する(このように第1基礎部21及び第2基礎部31が分離しても、第2基礎部31と押さえ部40とは連結バネ50により連結されているので、押さえ部40及びそれに内嵌されたコーン型標識具101が飛んでいくことを防止する。)。このように大きな力がコーン型標識具101に加わると、固定ピン60の破壊による連結バネ50の上端51解放と、第1基礎部21及び第2基礎部31の分離と、により衝撃を吸収する。図9のように、固定ピン60が破壊されても、新しく準備した固定ピン60に連結バネ50の上端51を取り付けると共に、凹部22に楔部分32をはめ込むことで第1基礎部21及び第2基礎部31を組み付けて、本支持具11によるコーン型標識具101支持構造を再び構成できる。
【0036】
以上説明のように、本支持具11は、設置面(ここでは道路面201)に対し標識(ここではコーン型標識具101)を保持する標識保持具であって、設置面(道路面201)に載置される基礎部20と、標識(コーン型標識具101)と基礎部20とを直接的又は間接的に連結し、基礎部20に対する標識(コーン型標識具101)の相対的位置が所定位置(図1及び図2に示す位置)から変位(例えば図8)すると、標識(コーン型標識具101)が該所定位置(図1及び図2に示す位置)に変位する方向の力である復元力を標識(コーン型標識具101)に加える復元手段(ここでは押さえ部40、4本の連結バネ50、固定ピン60及び固定ピン70を含んでなる。)と、を備えてなる、標識保持具である。
【0037】
本支持具11においては、復元手段(押さえ部40、4本の連結バネ50、固定ピン60及び固定ピン70を含んでなる。)は、前記相対的位置が前記所定位置(図1及び図2に示す位置)から変位(例えば図8)すると、弾性変形によって復元力を生じる弾性部材(ここでは4本の連結バネ50)を含むものである。
本支持具11においては、前記弾性部材(ここでは4本の連結バネ50)は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材である。
本支持具11においては、標識(コーン型標識具101)が基礎部20の上面20aに載置される。
本支持具11においては、復元手段(押さえ部40、4本の連結バネ50、固定ピン60及び固定ピン70を含んでなる。)は、標識(コーン型標識具101)に係止される係止部(ここでは押さえ部40)と、係止部(押さえ部40)と基礎部20とを連結する前記弾性部材(4本の連結バネ50)と、を含む。
本支持具11においては、係止部(押さえ部40)は、標識(コーン型標識具101)に外嵌されることで、標識(コーン型標識具101)が少なくとも基礎部20から遠ざかる方向(ここでは上方)に移動することを制限する。
【0038】
本支持具11においては、標識(コーン型標識具101)は、頂点よりも底面(底面104b)が基礎部20に近い錐体(ここでは(直)円錐)の側面に沿った部分(本体部103の外周面)を有し、係止部(押さえ部40)は、錐体の側面に沿った該部分(本体部103の外周面)に外嵌される。また、ここでは標識が有する錐体の側面に沿った部分としては、該錐体の錐体面を一巡するものである(錐体は、平面P上の閉曲線Cが存し、平面P上にない点O(頂点)と曲線C上の各点とを結ぶ直線の軌跡である錐体面を考え、該錐体面と平面Pとによって規定される立体をいう。点Oから平面Pに下ろした垂線の上に存する異なる2点のうちの一点を含み平面Pに平行な平面Paと、該2点のうちの他点を含み平面Pに平行な平面Pbと、の両平面Pa、Pbとに挟まれた錐体側面(錐体面)の部分の全部を含む。)。
本支持具11においては、係止部(押さえ部40)は、錐体の側面に沿った前記部分(本体部103の外周面)を取り囲む。
本支持具11においては、前記弾性部材(ここでは4本の連結バネ50)は、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材であり、該伸縮部材は、錐体の側面に沿った前記部分(本体部103の外周面)を係止部(押さえ部40)が取り囲む異なる複数の位置(ここでは略等間隔であるピン穴49a、49b、49c、49dに対応する位置)それぞれに配設されるものである。
本支持具11においては、復元力が所定大きさを超えると、標識(コーン型標識具101)と基礎部20との前記直接的又は間接的な連結を解く(図9)ものである。
本支持具11においては、復元手段(押さえ部40、4本の連結バネ50、固定ピン60及び固定ピン70を含んでなる。)は、標識(コーン型標識具101)に係止される係止部(押さえ部40)と、前記相対的位置が前記所定位置(図1及び図2に示す位置)から変位すると、長手方向に引き伸ばされて収縮力を生じる伸縮部材(4本の連結バネ50)と、伸縮部材(4本の連結バネ50)の端部(ここでは上端51)を係止部(押さえ部40)又は基礎部20に固定する端部固定部(ここでは係止部(押さえ部40)に固定する固定ピン60)と、を含み、復元力が所定大きさを超えると、端部固定部(固定ピン60)の破壊により標識(コーン型標識具101)と基礎部20との連結を解く(図9)ものである。
【0039】
本支持具11においては、基礎部20が、組み付け及び分離が可能な一部(第1基礎部21)と残部(第2基礎部31)とを含んでなり、復元手段(押さえ部40、4本の連結バネ50、固定ピン60及び固定ピン70を含んでなる。)が、少なくとも該一部(第1基礎部21)と標識(コーン型標識具101)とを直接的又は間接的に連結し、復元力が所定大きさよりも大きくなると、該一部(第1基礎部21)が該残部(第2基礎部31)から分離(図9)するように形成されている。
本支持具11においては、前記一部(第1基礎部21)と前記残部(第2基礎部31)との一方(ここでは前記残部(第2基礎部31))が凸部(ここでは楔部分32)を有し、他方(ここでは前記一部(第1基礎部21))は該凸部(楔部分32)が嵌合可能な凹部(ここでは凹部22)を有し、凹部(凹部22)と凸部(楔部分32)とが嵌合することで前記一部(第1基礎部21)と前記残部(第2基礎部31)とが組み付けられる。
本支持具11においては、標識(コーン型標識具101)がコーン型標識具である。
本支持具11は、本支持具11と、前記標識(コーン型標識具101)と、を含んでなる、標識装置を構成する(図1図2)。
【符号の説明】
【0040】
11 本支持具
20 基礎部
20a 上面
21 第1基礎部
21a 上面
21b 下面
22 凹部
23 面
29a、29b バネ穴
31 第2基礎部
31a 上面
31b 下面
32 楔部分
33 面
39a、39b バネ穴
39a1 上部穴
39a2 下部穴
40 押さえ部
40a 上面
40b 下面
41 押さえ部穴
49a、49b、49c、49d ピン穴
49b1 下部穴
49b2 上部穴
50 連結バネ
51 上端
52 下端
60 固定ピン
61 係止部
63 ピン本体部
64 係止穴
70 固定ピン
71 係止部
73 ピン本体部
74 係止穴
101 コーン型標識具
103 本体部
104a 底面
104b 底面
105 つば部
201 道路面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9