特開2021-110420(P2021-110420A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社湘南合成樹脂製作所の特許一覧

特開2021-110420管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ
<>
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000003
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000004
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000005
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000006
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000007
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000008
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000009
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000010
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000011
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000012
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000013
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000014
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000015
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000016
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000017
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000018
  • 特開2021110420-管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-110420(P2021-110420A)
(43)【公開日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】管連結方法並びにこの方法に使用されるクランプ
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/036 20060101AFI20210705BHJP
【FI】
   F16L23/036
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-3883(P2020-3883)
(22)【出願日】2020年1月14日
(71)【出願人】
【識別番号】592057385
【氏名又は名称】株式会社湘南合成樹脂製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 達人
【テーマコード(参考)】
3H016
【Fターム(参考)】
3H016AA05
3H016AC04
3H016AD04
3H016AD14
(57)【要約】
【課題】フランジを簡単に結合でき、管を強度に連結する。
【解決手段】管10、20のフランジ11、21を留めるクランプ30は、リング管を周方向に3等分した円弧形状を有する。クランプには、両管のフランジを隙間をもたせて挿入できる幅Wを有する凹溝30aが形成される。管10を管20内にOリング13を介して嵌着させ、フランジを凹溝に挿入して両管のフランジを留め、まだ留められていないフランジを残る2つのクランプで留める。管内に発生する内圧により両管は離間し、両管のフランジが凹溝の対応する側面に密着する。これにより、両管は強度を持って連結される。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が第2の管から第1の管に流入する2つの管をそれぞれに取り付けられた外周が円形のフランジを突き合わせて連結する管連結方法であって、
リング管を周方向に等分割した円弧形状を有し、第1と第2の管のフランジを隙間をもたせて挿入できる幅を有する凹溝が管長方向中央に円弧全周に渡って形成されたクランプを用意する工程と、
第1の管を、第2の管内にシール材を介して嵌着させるとともに、両管のフランジを前記クランプの凹溝に挿入して両管のフランジを留める工程と、
まだ留められていない両管のフランジを、前記クランプで順次留めて各クランプを連結することにより両管のフランジ全周を留める工程と、を備え、
前記第1の管は、管内に発生する内圧により両管が離間して、それぞれのフランジが凹溝の対応する側面に密着するように、第2の管内に嵌着されることを特徴とする管連結方法。
【請求項2】
第1の管のフランジの第2の管側にリング管が取り付けられ、該リング管が第2の管内にシール材を介して嵌着されることを特徴とする請求項1に記載の管連結方法。
【請求項3】
前記シール材が前記リング管に形成されたリング溝に嵌入されるOリングであることを特徴とする請求項2に記載の管連結方法。
【請求項4】
前記クランプは、リング管を周方向に3等分した円弧形状であり、3個のクランプを用いて第1と第2の管のフランジ全周が留められることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の管連結方法。
【請求項5】
流体が第2の管から第1の管に流入する2つの管をそれぞれに取り付けられたフランジを突き合わせて連結する請求項1に記載の管連結方法に用いられるクランプであって、該クランプは、リング管を周方向に等分割した円弧形状を有し、該クランプには、第1と第2の管のフランジを隙間をもたせて挿入できる幅を有する凹溝が管長方向中央に円弧全周に渡って形成されるとともに、クランプの周方向両端部に、互いのクランプを連結するための連結板が取り付けられることを特徴とするクランプ。
【請求項6】
前記連結板に、互いのクランプを連結するための穴が形成されることを特徴とする請求項5に記載のクランプ。
【請求項7】
前記クランプは、リング管を周方向に3等分した円弧形状のクランプであることを特徴とする請求項5又は6に記載のクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が第2の管から第1の管に流入する2つの管をそれぞれに取り付けられたフランジを突き合わせて連結する管連結方法並びにこの方法に用いられるクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
下水管、水道管など、流体が流れる管部材を結合する場合、円盤、あるいは円盤と円筒を組み合わせた形状のフランジを管部材に設け、2つの管部材のフランジを突き合わせてボルトとナットで結合し、管部材を連結することが行われている(下記特許文献1、2)。
【0003】
また、反転容器内のライニング材を反転ノズルに導いて反転圧をライニング材に作用させ、ライニング材を老朽化した下水道に反転、挿入して下水道を更生することが行われている。このような反転容器には、取付管を介して反転ノズルが取り付けられる。この場合にも、取付管と反転ノズルにそれぞれフランジが設けられ、ボルトとナットを用いてフランジを結合することにより反転ノズルが反転容器に取り付けられる(下記特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−160344号公報
【特許文献2】特開2013−204636号公報
【特許文献3】特開2006−205722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
管部材をフランジを介して連結する場合、流体の圧力と管の断面積に応じた適切な厚みのフランジと、適切な数と寸法のボルトとナットを選ばなければならず、流体の圧力に対してフランジが薄いと変形し流体漏れが生じてしまう場合がある。また、フランジに形成されたボルト挿通穴をフランジ同士で整合させるのに手間がかかる、という問題があった。
【0006】
また、特許文献3に記載されたような反転装置では、ライニング材を反転容器内に収納するときは、反転ノズルを反転容器から取り外し、収納後は反転容器に取り付ける必要があり、反転ノズルが重いことから、反転ノズルの着脱作業が困難である、という問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、フランジを簡単に結合でき、管を強度に連結することが可能な管連結方法並びにこの連結方法に使用されるクランプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明(請求項1)は、
流体が第2の管から第1の管に流入する2つの管をそれぞれに取り付けられた外周が円形のフランジを突き合わせて連結する管連結方法であって、
リング管を周方向に等分割した円弧形状を有し、第1と第2の管のフランジを隙間をもたせて挿入できる幅を有する凹溝が管長方向中央に円弧全周に渡って形成されたクランプを用意する工程と、
第1の管を、第2の管内にシール材を介して嵌着させるとともに、両管のフランジを前記クランプの凹溝に挿入して両管のフランジを留める工程と、
まだ留められていない両管のフランジを、前記クランプで順次留めて各クランプを連結することにより両管のフランジ全周を留める工程と、を備え、
前記第1の管は、管内に発生する内圧により両管が離間して、それぞれのフランジが凹溝の対応する側面に密着するように、第2の管内に嵌着されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明(請求項5)は、
上記連結方法に用いられるクランプであって、該クランプは、リング管を周方向に等分割した円弧形状を有し、該クランプには、第1と第2の管のフランジを隙間をもたせて挿入できる幅を有する凹溝が管長方向中央に円弧全周に渡って形成されるとともに、クランプの周方向両端部に、互いのクランプを連結するための連結板が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、2つの管のフランジは、管長方向中央に凹溝が形成された円弧状のクランプにより留められる。クランプの凹溝には、両管のフランジを該凹溝に隙間をもって挿入できる幅があるので、両管のフランジは、隙間をもたせて凹溝に挿入でき、フランジを留める操作が容易になる。また、管内に発生する内圧により両管のフランジが凹溝の対応する側面に密着するので、クランプ力を増大させることができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】フランジが付いた連結される2つの管を示す斜視図である。
図2】連結前の2つの管の縦断面図である。
図3】2つの管のフランジを留めるクランプを示す斜視図である。
図4】クランプの正面図である。
図5】クランプの側面図である。
図6】3個のクランプを連結したときの斜視図である。
図7】2つの管のフランジをクランプで留める状態を示した斜視図である。
図8】3個のクランプで管を連結したときの斜視図である。
図9】3個のクランプで管を連結して一方の管を断面にして見たときの正面図である。
図10図9のA−A線に沿った断面図である。
図11】管の下方部の連結状態を示した断面斜視図である。
図12】内圧によりフランジが管長方向に移動する状態を示した説明図である。
図13】ライニング材を反転させる反転ノズルを示す斜視図である。
図14】反転ノズルを反転容器に取り付けたときの断面図である。
図15】反転ノズルを反転容器に取り付けて反転ノズルを断面にして見たときの正面図である。
図16】観察用のカバー管を反転容器に取り付けた状態を示す斜視図である。
図17図16のB−B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1には、金属製のフランジを介して連結される金属製の管10(第1の管)と管20(第2の管)が図示されている。管10、20は、例えば、給水管、排水管、ガス管など液体又は気体などの流体が流れて内圧が発生する中空の円筒部を有する管で、その端部には、外周が円形のフランジ11、21が一体に形成されるか、又は溶接などにより取り付けられる。
【0014】
管10、20は、図2に示したように、その内径がd1、d2で、それぞれ端部に段差部10a、20aが形成され、印籠構造となっている。本実施例では、管10の内径d1と管20の内径d2は等しくなっているが、矢印を管内を流れる流体の方向を示すものとして下流にある管10の内径d1は、管20の内径d2より小さい値であってもよい。フランジ11、21は、それぞれ厚さがt1、t2、管10、20の外表面からの高さがh1、h2であり、本実施例では、t1=t2、h1=h2となっているが、それぞれ許容範囲内で異なるようにすることもできる。
【0015】
管10の段差部10aには、幅w1、厚さh3、内径d3の金属製のリング管12が嵌め込まれ、溶接により段差部10aに固定される。リング管12の外周にはリング溝12aが形成され、このリング溝12a内には、シール材、例えばOリング13が嵌め込まれる。管20の段差部20aの内径d4は、リング管12の外径(d3+2*h3)とほぼ等しく、管10、20をフランジ11、21を突き合わせて結合するとき、リング管12は管20の段差部20a内に緊密に嵌着し、管10を管20内に嵌着させるときの嵌着部を構成する。また、リング管12に嵌め込まれたOリング13が管20段差部20aの内面に密着し、これによりシール機能が得られる(図12上段)。
【0016】
なお、リング管12のフランジ11からの突出量w2は、フランジ11、21が当接するまでリング管12が管20の段差部20aに嵌め込まれたとき、リング管12の端面と段差部20aの端面間に隙間w3ができるような値に設定される(図12上段)。また、本実施例では、リング管12の内径d3は、管10、20の内径d1、d2と同じ値に設定されるので、リング管12と管10、20の内周面には、段差が形成されることはない。
【0017】
図3から図6には、管10、20のフランジ11、21を留める金属製のクランプ30の構成が図示されている。管10、20の連結は、各フランジ11、21を、複数のクランプ30で留めることにより行われる。クランプ30は、図3図4に示したように、幅の短いリング管を周方向にα=120度に等分割した円弧形状を有し、クランプの管長方向中央に管10、20のフランジ11、21が突き合わされて挿入される凹溝30aが円弧全周に渡って形成される。クランプ30の外側円弧30bと内側円弧30c間の幅h4は、フランジ11、21の高さh1、h2より小さな値になっている(図12上段)。また、凹溝30aは、図5図12に示したように、フランジ11、21を周方向に等分割(3等分)した円弧形状の側面30d、30e並びに側面30d、30eに垂直な円弧形状の底面30fを有し、両管のフランジ11、21を隙間をもたせて挿入できる管長方向幅Wを有する。
【0018】
クランプ30の両端には、各クランプを連結するための金属製の連結板31が溶接されている。本実施例では、管10は、後述するように、内圧を受けて両管10、20が微少量Δ(例えば、約1mm)離れるように、管20内に嵌着されるので、図5図12に示した凹溝30aの管長方向幅Wは、この微少量Δを考慮して、W=t1+t2+Δに設定される。
【0019】
このようなクランプ30を3個用いてそれぞれの連結板31を合わせ、連結板31に形成された穴31aにワイヤー32を通して連結板31に巻き付けることにより、図6に示したように、リング管状になったクランプを構成することができる。連結板31の結合は、ワイヤー32に代えて、例えばシャコ万のようなクランプあるいはクリップなどを用いることもできる。また、連結板31の穴31aをボルト挿通穴として用い、ボルトとナットで連結板31を結合するようにしてもよい。
【0020】
このように構成されたクランプ30を用いて管10、20を連結する場合、まず管10のリング管12を管20内に嵌着させる。このとき、図12の上段に示したように、管10は、リング管12と管20の段差部20a部間にw3の隙間ができるように、管20内に嵌着されるので、管10、20はこの隙間部分で内圧を受けて離間することができる。続いて、図7に示したように、管10、20のフランジ11、21を合わせてクランプ30の凹溝30aに挿入し、両フランジ11、21の周縁部を留める。両管のフランジ11、21は、隙間(Δに相当)をもたせて凹溝30aに挿入できるので、フランジ11、21を留める操作が容易になる。
【0021】
続いて、図8図9に図示したように、まだ留められていない両管10、20のフランジ11、21を、2個のクランプ30を用いて両フランジ11、21の全周を留め、管10、20を連結する。各クランプ30は、隣接する連結板31をワイヤーにより相互に連結することにより固定することができる。このワイヤーによる、又はボルトとナットによるクランプの連結は、図8図9などでは、仮想線で簡略的に図示されている。なお、管10、20の連結の解除は、連結の順序と逆の順序で行うことができる。
【0022】
クランプ30は、リング管を周方向に120度に等分割した形状となっているが、180度に分割した形状、又は4個あるいはそれ以上の数で等分割した形状にすることができる。その場合、クランプに形成される凹溝30aの両側面30d、30eも、フランジを他の数で等分割したときの形状になる。本実施例のように、120度に等分割した形状の場合には、2つのクランプでフランジを留めると、240度形状のクランプとなるので、各クランプ30はフランジから外れず、一人の作業者で管10、20の連結を行うことができる。
【0023】
図10から図12には、連結された管10、20の断面が図示されている。管10、20は、例えば、管径が約200mmの泥水などを排水する排水管などで、1本の管長が5mとすると、10本の管をクランプ30を用いて連結すると、全長が50mとなる。管20の入り口側(図10で右側)には、送水ポンプ(不図示)が取り付けられており、図10で矢印の方向に、泥水を圧送(最大1.0Mpa)すると、仮定する。
【0024】
出口側(図10で左側)には、開閉バルブ(不図示)が取り付けられており、開閉バルブが全開の時は、内圧は0.002Mpa程度なので、管長方向には、約6kgf程度の僅かの力しか掛からず、図12の上段に示したように、管10、20のフランジ11、21は、移動せず、Oリング13のシール機能により、泥水がフランジ継手部分から漏水することはない。
【0025】
一方、開閉バルブが全閉すると、内圧が上昇し、管20の段差部20aに管長方向に、約3000kgfの力がかかり、両管10、20並びに両フランジ11、21がΔ離間し、フランジ11、21が凹溝30aの対応する側面30d、30eに強力に密着する。これにより、クランプ30のフランジ11、21への締付力(クランプ力)が増大し、管10、20の連結が強固になる。また、フランジ11、21間にΔの隙間が発生しても、Oリング13によるシール機能があるので、Δの隙間から漏水はなく、内圧が低下することはない。また、管内に発生する内圧により両管のフランジ11、21が離れる方向へ働く力は、凹溝30aを押し広げようとする。この時クランプ30の周方向の両端部に取り付けられた連結板31が、リブ(補強部材)として働き、凹溝30aが押し広がるのを防止する。更に、フランジ11、21が離れる方向へ働く力は、120度で分割された3個のクランプ30の凹溝30aの底面30fの管長方向への引張り力へ変換される。これによりクランプ30を薄い板にすることができ、軽量にできる、という利点が得られる。更に、クランプ30の凹溝30aの幅Wとフランジ11、21の幅の合計にはΔの差があるので、フランジ11、21を凹溝30aに嵌めやすい、という利点も得られる。
【実施例2】
【0026】
上述した実施例は、同径の管を連結する例であったが、異なる径の管を連結する場合も、クランプ30を利用することができる。この実施例が図13から図17に図示されている。
【0027】
地中に埋設された下水道管などの既設管が老朽化した場合に、硬化性樹脂を含浸したライニング材を反転容器から反転して既設管に挿入し、既設管を更生することが行われている。
【0028】
図13図14に図示したように、ライニング材61を反転させる反転ノズル40は、取付管50を介して反転容器60に取り付けられ、ライニング材61は、反転容器60から反転ノズル40の一端に折り返されて取り付けられ、反転容器60内に供給される圧縮エアーにより反転される。
【0029】
反転ノズル40は円筒形状で、実施例1の一方の管10に対応し、取付管50は、実施例1の他方の管20に対応する。反転ノズル40には、フランジ41とレジューサー42が取り付けられ、フランジ41の反転ノズル40と反転側の面には、Oリング44を収納するリング溝が形成されたリング管43が取り付けられる。この実施例では、反転ノズル40、フランジ41、レジューサー42、リング管43は、一体に形成されている。
【0030】
一方、取付管50の反転ノズル40側端面には、フランジ51が一体成形され、段差部50aが形成されている。反転ノズル40の内径が、取付管50の内径より小さいことから、フランジ41の面が大きくなっていることと、リング管43がフランジ41の面に取り付けられることを除き、各要素のサイズ、寸法は、図2に関連して説明した実施例1と同様である。
【0031】
反転ノズル40の取付管50への取り付けは、3個のクランプ30を用いて実施例1と同様に行われる。まず、反転ノズル40のリング管43を取付管50の段差部50aに嵌着し、フランジ41、51を合わせてクランプ30の凹溝30aに挿入し、両フランジ41、51の周縁部を留める。続いて、残りの2個のクランプ30を用いて両フランジ41、51の全周を留めると、図15に図したように、反転ノズル40が3個のクランプ30を介して取付管50に連結される。
【0032】
反転容器60内に圧縮エアーが供給されると、反転容器60の内圧が上昇し、ライニング材61が反転されるとともに、図14で矢印で示したように、反転ノズル40のフランジ41に力がかかり、反転ノズル40と取付管50並びにフランジ41、51がΔだけ離間し、フランジ41、51がそれぞれクランプ30の凹溝30aの側面30d、30eに強力に密着する。これにより、クランプ30のフランジ41、51への締付力が増大し、反転ノズル40と取付管50の連結が強固になる。また、フランジ41、51間にΔの隙間が発生しても、Oリング44によるシール機能があるので、Δの隙間からのエアー漏れはなく、ライニング材61を反転させる内圧が低下することはない。その他、2つのクランプ30でフランジ41、51を留めると、240度形状のクランプとなるので、各クランプ30はフランジ41、51から外れず、一人の作業者で重量のある反転ノズル40を取付管50に連結することができる。
【0033】
本実施例では、反転容器60において、クランプ30は、取付管50と反転ノズル40の連結だけでなく、他の管部材の連結にも利用される。図16図17に示したように、カバー管70が取付管62を介して反転容器60の上部に取り付けられる。カバー管70には、内部監察用に透明な強化ガラス74が嵌め込まれており、カバー管70は、実施例1の一方の管10に対応し、取付管62は、実施例1の他方の管20に対応する。
【0034】
カバー管70には、フランジ71が取り付けられ、フランジ71の反対側面には、Oリング73を収納する凹溝が形成されたリング管72が一体的に取り付けられる。一方、取付管62のカバー管70側端面には、フランジ63が一体的に取り付けられ、段差部62aが形成されている。カバー管70の内径が、取付管62の内径より小さいことから、フランジ71の面が大きくなっていることと、リング管72がフランジ71の面に一体的に取り付けられることを除き、各要素のサイズ、寸法は、図2に関連して説明した実施例1と同様である。
【0035】
カバー管70の取付管62への取り付けは、3個のクランプ30を用いて実施例1、2と同様に行われる。まず、カバー管70のリング管72を取付管62の段差部62aに嵌着し、フランジ71、63を合わせてクランプ30の凹溝30aに挿入し、両フランジ71、63の周縁部を留める。続いて、残りの2個のクランプ30を用いて両フランジ71、63の全周を留めると、図16に図示したように、カバー管70が3個のクランプ30を介して取付管62に連結される。
【0036】
反転容器60内に圧縮エアーが供給されると、反転容器60の内圧が上昇し、ライニング材61が反転されるとともに、図17で矢印で示したように、カバー管70のフランジ71に力がかかり、カバー管70と取付管62並びにフランジ71、63がΔだけ離間し、フランジ71、63がそれぞれクランプ30の凹溝30aの側面30d、30eに強力に密着する。これにより、クランプ30のフランジ71、63への締付力が増大し、カバー管70と取付管62の連結が強固になる。また、フランジ71、63間にΔの隙間が発生しても、Oリング73によるシール機能があるので、Δの隙間からのエアー漏れはなく、ライニング材61を反転させる内圧が低下することはない。その他、上述した実施例と同様な効果が得られる。
【符号の説明】
【0037】
10 管
11 フランジ
12 リング管
13 Oリング
20 管
21 フランジ
30 クランプ
30a 凹溝
30d、30e 側面
31 連結板
32 ワイヤー
40 反転ノズル
41 フランジ
42 レジューサー
43 リング管
44 Oリング
50 取付管
51 フランジ
60 反転容器
61 ライニング材
62 取付管
63 フランジ
70 カバー管
71 フランジ
72 リング管
73 Oリング
74 強化ガラス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17