【実施例1】
【0015】
実施例1に係る発熱構造体につき、
図1から
図6を参照して説明する。尚、本実施例においては、
図3の紙面左奥側及び右手前側を左右方向として、紙面左手前側及び右奥側を前後方向、紙面上下方向を上下方向として説明する。
【0016】
図1に示されるように、ガソリンスタンドなどの屋根は、略水平に天板が配設されたキャノピー屋根と呼ばれる構造で建設されていることが多い。このようなキャノピー屋根Aは、豪雪地域において積雪によりキャノピー屋根Aの上面に荷重が掛かり、極端な場合、荷重を支え切れなくなった支柱Tが曲折したり、キャノピー屋根A自体が損壊・崩落する虞がある。このため、キャノピー屋根Aの上面に、土台3,…を等間隔に固定に配置し、該土台3,…の上面にレール2を敷設させ、発熱構造体としての融雪パネル4を複数枚並設し、融雪パネル4の上面を発熱することで、キャノピー屋根Aの上面での降雪作業等の煩雑な人手作業を伴うことなく融雪を可能とするものである。
【0017】
図2に示されるように、融雪パネル4は、上面視で略矩形に成形された板状のパネルであり、複数枚を縦横に整然と並列させて配置されている。また、融雪パネル4は、レール2によって裏面の後側が前側よりも若干高い位置にて支持されており、水平に形成されたキャノピー屋根Aの上面に対して同一方向且つ同一角度に傾斜させて設置されている。このことから、融雪により融雪パネル4上面に生じる融水を下方側へスムーズに移動させることが出来るようになっている。尚、融雪パネル4は、太陽光パネルを設置する際に利用される、土台及びレールを利用して配設させることができるようになっている。
【0018】
次に融雪パネル4の構造について説明する。
図3に示されるように、融雪パネル4は、上面視で略長その上部から下部に向けて順に、アルミニウム若しくはステンレス等の金属材から成形され下面が開放された箱状の上面体5(表面部材)と、後述するテープ状に成形された発熱体を貼着させた複数(本実施例では4枚)の発熱シート1A〜1Dと、アルミニウムを主成分としてシート状に成形させた遮熱シート6と、グラスウールやスタイロフォーム等の発泡系材料をシート状に成形させた断熱シート7(断熱材)と、上述した上面体5の下面に対して面一に嵌合可能なステンレス若しくはアルミニウム等の金属材から成形された下面板8(面状体)と、から主に構成されている。また、これら遮熱シート6、断熱シート7及び下面板8は、本発明の裏面部材を構成している。なお、上面体5は、必ずしも本実施例のように箱状に形成されるものに限られず、板状に形成されてもよい。また下面板8は、必ずしも本実施例のように金属材から成形されるものに限られず、ポリカーボネートやエポキシ等の合成樹脂製や、防水シート等の紙製で成形されてもよい。また、特に図示しないが、上記した発熱シート1A〜1Dの上下を、例えばシリコン等からなり防水性を備えた一対のシートで挟み込むとともに、これらのシートの周縁部同士を全周に亘り熱溶着等で密封状にシールしてもよく、このようにすることで、発熱シート1A〜1Dを完全防水仕様とすることができる。4枚の発熱シート1A〜1Dは、平面視で重なり合わないように縦横に並設されている。なお本実施例では、融雪パネル4の内部に4枚の発熱シート1A〜1Dが縦横に並設されているが、これに限らず例えば1枚のみ若しくは複数枚の発熱シートが適宜方向に並設されてもよい。
【0019】
複数の発熱シート1A〜1Dは、同じ構造であるため、以下では発熱シート1Aについてのみ説明し、その他の説明は省略する。
図4に示されるように、発熱シート1Aは、シート状に形成されたポリイミドフィルム1b上に、複数の半導体物質と酸化化合物とを練り合わせ圧延し、テフロン(登録商標)加工したことでテープ状に成形された発熱体1aを、幅方向に一定間隔の離間域Sを設けて複数枚略平行に貼着させる。それぞれの発熱体1aは、一定幅で且つ長手方向に延設されたテープ状(帯状)に形成されている。なお本実施例に限られず、発熱体1aは、所定幅で短手方向に延設されたテープ状(帯状)に形成されてもよいし、あるいは幅狭の帯状すなわち略線状に形成されてもよい。更に、ポリイミドフィルム1bと同一形状のポリイミドフィルム1dを上方から被覆することで発熱体1a,…を挟持し、真空密閉若しくはプレス密封させることで略面状に形成される。なお本実施例に限られず、発熱シート1Aは、発熱体1aに沿ってテープ状(帯状)に形成されてもよいし、あるいは幅狭の帯状すなわち略線状に形成されてもよい。また、それぞれの発熱体1aの両端部には銀ろうからなる電極が接続され、この電極に接続され発熱シート1Aの一方端部から延出されるコード1cを介し交流電源が供給されることで、それぞれの発熱体1aの温度が高まり、発熱シート1Aを発熱させるようになっている。更に、特に図示しないが、発熱体1a若しくは発熱シート1Aの適所に、当該発熱体1aの発熱温度を検知するサーミスタ若しくは熱電体等からなる検知部が設けられるとともに、この検知部に電気的に接続された配線がポリイミドフィルム1b,1dを貫通し、融雪パネル4の外方に延出されている。このようにすることで、融雪パネル4の内部の発熱体1aの温度情報を外部に導出できるため、発熱体1aの発熱温度に基づく制御を行うことができる。
【0020】
通電により発熱シート1A〜1Dの発熱体1a,…は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して発熱されるようになっており、当該発熱シート1A〜1Dの上下両面から放熱される。
図3に示されるように発熱シート1A〜1Dの下方側には、遮熱シート6が配設されているので、発熱シート1A〜1Dの下方側に放射された熱は、遮熱シート6の全面に亘り伝熱され、その熱エネルギーの一部が遮熱シート6の表面部6aにより上方側に向けて熱を反射させるようになっている。反射された熱は各発熱シート1A〜1Dの発熱体1a,…同士の間に形成されている離間域Sを通じて、上方の上面体5側に向けて放熱されるようになっている。
【0021】
また、遮熱シート6の裏面部6bまで伝導された熱は、その下方に配設されている断熱シート7により効果的に断熱されるようになっている。なお、発熱シート1A〜1Dと遮熱シート6との間に、図示しない短寸のスペーサを介設することで僅かな空隙を形成してもよく、このようにすることで、発熱シート1A〜1Dの下面から前記空隙を介し伝導された熱の大部分が、遮熱シート6の表面部6aにて反射され、発熱シート1A〜1Dの発熱体1a,…の間の離間域Sを通じて、上方の上面体5側に向けて放熱されるため、上面体5を加熱する熱効率を更に高めることができる。ここで発熱体1a同士の離間域Sの幅寸法は、発熱体1a自体の幅寸法よりも小寸であると好ましく、このようにすることで、発熱体1a自体からの発熱効率を妨げることなく、この発熱体1aよりも幅狭の離間域Sを利用して下方からの熱を上面体5側に向けて放熱することができる。なお、上記した実施例に限らず、発熱体1a同士の離間域Sの幅寸法が発熱体1a自体の幅寸法よりも大寸であってもよく、このようにすることで、発熱体1aの設置面積を極力抑えて省エネルギー化を達成することができる。
【0022】
融雪パネル4の成形の際には、上面体5の内部空間内に発熱シート1A〜1Dと、遮熱シート6と、断熱シート7とを、上下方向に重ね合わせ配設し、上面体5と下面板8とを図示しない無端状のパッキンを介して四辺を密封し、強力接着材によるプレス若しくはネジやビス等を用いて固定させる。また、発熱シート1A〜1Dから延出されたコード1c,…は、下面板8の端部に形成されている貫通孔8aから融雪パネル4の外方へ延出され、制御盤9を介して電源Pから交流電流の供給を受けるようになっている。なお、必ずしも本実施例のように、下面板8に貫通孔8aが形成されるものに限られず、例えばコード1c,…を延出させるための貫通孔が、箱状に形成された上面体5の側面部に形成されてもよい。さらになお、下面板を箱状に設けて側面部を形成し、若しくは上面体及び下面板の周縁に額縁状の側面部材を設け、上記した下面板の側面部若しくは前記側面部材に貫通孔を形成しても構わない。
【0023】
図5は、制御盤9の内部構造を示す概略図になっており、制御盤9は主に、発熱シート1から延出された複数のコード1cと連結される制御系端子台9aと、ブレーカ9dに連結される電源系端子台9bと、該制御系端子台9aと電源系端子台9bとブレーカ9dとに連結されるシーケンサ9cとを筐体の内部に配置して構成されており、制御盤9は、外部から工業用電源AC200Vの電源Pにより交流電流の供給を受けている。
【0024】
制御盤9内に電源Pから電気が供給されると、シーケンサ9cは、制御系端子台9aに接続された発熱シート1A〜1Dに対しての通電を制御するようになっている。制御態様においては、主に、初期運転と本運転とにより構成されている。以下に、シーケンサ9cにより制御される運転の態様について説明する。
【0025】
図6に示されるように、先ず、電源が供給された直後においては、シーケンサ9cにより初期運転が選択され、操作者が予め設定した初期運転時間M(例えば10分)、発熱シート1A〜1Dのすべてに連続的に通電させ、この初期運転時間において常時発熱させるようになっている。なお、例えば制御盤9の前面若しくは内部に、例えば、10分、20分、30分のいずれかの初期運転時間を設定可能なボタン等の設定部が配設されてもよい。
【0026】
次に、上記した初期運転時間、発熱シート1A〜1Dが通電された後、シーケンサ9cにより本運転が選択される。本運転は、発熱シート1A〜1Dに順次、通電状態と非通電状態を繰り返す運転であり、本実施例では、通電時間として0.5秒間ずつ発熱シート1A、1B,1C更に1Dの順に通電させるものである。すなわち各発熱シートは、0.5秒間の通電状態の後、他の発熱シートが通電される1.5秒間の非通電時間を経て、次の通電状態、更に非通電状態を繰り返すように設定されている。このことから、本運転に移行すると、各発熱シートには、2秒のうちの0.5秒のみ通電がされることになるため、初期運転時よりも省電力で融雪パネル4を稼働させることが出来るようになっている。
【0027】
また、シーケンサ9cは、電源系端子台9bとブレーカ9d,…に接続されているので、漏電や過度の発熱を検知したり、地震や火災などの異常を検知すると、ブレーカ9d,…が作動し、電気の供給を停止させることが出来るようになっている。
【0028】
なお、上述した本運転の通電時間及び非通電時間は、一例であり、操作者がシーケンサ9cを操作することによって、通電時間と非通電時間とを自由に変更することが可能である。また、1枚の融雪パネル4内に配設されている発熱シート1A〜1Dを通電・非通電させることとして説明したが、これに限られず例えば、複数枚の融雪パネル4が並列されているキャノピー天井Aにおいて、左列側・右列側とに制御盤9内でグループ化し、それぞれ通電・非通電を繰り替し行うことを本運転とすることとしてもよい。
【0029】
以上、説明したように、本実施例の融雪パネル4によれば、表面部材を構成する上面体5と、裏面部材を構成する遮熱シート6及び下面板8との間に、通電により発熱する発熱シート1A等を挟み込んで構成され、裏面部材として、発熱シート1A等から放射された熱を上面体5にのみ放熱する素材である遮熱シート6を用いたことから、発熱シート1A等の表面と裏面とから放射された熱は、上面体5側にのみ放熱されるため、高いエネルギー効率で発熱シート1A等の熱を利用することができる。
【0030】
また、裏面部材として、遮熱シート6及び下面板8と断熱シート6とから構成されていることで、遮熱シート6によって下面板8側からの外気温を断熱することができ、発熱体1aの高いエネルギー効率を維持することができる。
【0031】
また、上面体5と下面板8の外縁部同士をパッキンを介して全周に渡り密閉したことで、発熱シート1A等を融雪パネル4の内部に構成し、発熱シート1A等が内包される空間への水やゴミの侵入を防止して、屋外でも融雪パネル4を直接設置して利用することができる。
【0032】
また、発熱シート1A等に給電を行うコード1cが、下面板8に形成された貫通孔8aに挿通されていることから、発熱シート1A等から放射された熱を上面体5側にのみ放熱する素材の下面板8側に配線が引き出されるため、コード1cが発熱シート1A等の熱の影響を受けにくく、破損を防止できる。
【0033】
また、一対の表面部材としての上面体5と、裏面部材としての下面板8との間に、発熱体として複数の発熱シート1A〜1Dが並設されていることから、一対の上面体5と下面板8との間の空間内に複数の発熱シート1A〜1Dから放射される熱を分散させ、上面体5の面から均一に熱を放射することができる。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明に係る発熱構造体の実施例2について、
図7を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0035】
図7に示されるのは、実施例2における発熱構造体として、床暖房装置を構成する床暖パネル14の分解斜視図であり、主に、表面部材として木材を厚みのある略矩形に成形した化粧板15と、発熱シート11A,11Bと、裏面部材として、遮熱シート6及び、ウレタン等の発泡系材料を厚みのある矩形状に成形させたウレタンシート17と、から構成されている。
【0036】
床暖房装置は、主に、一般住宅における居間や寝室、または、教育施設や商業施設等における床面に用いられ、この床暖パネル14を対象となる床面の広さに応じて複数枚配設することで構成される。発熱シート11A,11Bが通電により発熱されることで、上方に配設されている化粧板15の下面15bに熱が伝導され、化粧板15の上面15aが床面として適した温度に温められるようになっている。
【0037】
発熱シート11A,11Bからは、コード11cが延出されており、ウレタンシート17に形成された貫通孔17aを挿通させて、図示しない制御盤に接続されている。床暖パネル14も、前述した実施例1の融雪パネル4と同様に、初期運転を経て本運転とするように設定させることや、詳細な温度を設定することが出来るようになっている。
【0038】
尚、床暖パネル14を構成する発熱シートは、11Aと11Bの2枚として説明したがこれに限られず、実施例1と同様に4枚としてもよいし、大判に形成させた1枚を化粧板15と遮熱シート6及びウレタンシート17間に挟持させることとしてもよい。
【0039】
以上、説明したように、本実施例の床暖パネル14によれば、表面部材を構成する化粧板15と、裏面部材を構成する遮熱シート6及びウレタンシート17との間に、通電により発熱する発熱シート11A等を挟み込んで構成され、裏面部材として、発熱シート11A等から放射された熱を化粧板15にのみ放熱する素材である遮熱シート6及びウレタンシート17を用いたことから、発熱シート11A等の表面と裏面とから放射された熱は、化粧板15側にのみ放熱されるため、高いエネルギー効率で発熱シート11A等の熱を利用することができる。
【0040】
また、発熱シート11A等に給電を行うコード11cが、ウレタンシート17に形成された貫通孔17aに挿通されていることから、発熱シート11A等から放射された熱を化粧板15側にのみ放熱する素材のウレタンシート17側に配線が引き出されるため、コード11cが発熱シート11Aの熱の影響を受けにくく、破損を防止できる。
【0041】
また、一対の表面部材としての化粧板15と、裏面部材としてのウレタンシート17との間に、発熱体として複数の発熱シート11A、11Bが並設されていることから、一対の化粧板15とウレタンシート17との間の空間内に複数の発熱シート11A、11Bから放射される熱を分散させ、化粧板15の面から均一に熱を放射することができる。
【0042】
(変形例)
次に、本発明に係る発熱構造体の変形例について、
図8を参照して説明する。尚、前記実施例1、2に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
図8に示されるのは、変形例における発熱構造体としての発熱パネル24の分解斜視図であり、主に、表面部材として樹脂を厚みのある略矩形に成形した樹脂板25Aと、発熱シート11A,11Bと、裏面部材として、発泡系材料をシート状に成形させた断熱シート7及び、樹脂板25Aと同形状の樹脂板25Bと、から構成されている。発熱樹脂板24は、樹脂板25A及び25Bにより、発熱シート11A,11Bと、断熱シート7とを挟持し、樹脂板25A,25Bの外縁部Y同士を熱溶着させることで形成されている。尚、樹脂板25Bには、コード11c,11cが挿通可能な貫通孔25aが形成されており、コード11c,11cは、貫通孔25aから発熱樹脂板24の外方へ延出され、図示しない制御盤を介して電源から電気の供給を受けるようになっている。発熱パネル24は、前述した融雪用や床暖用のパネルとして適用することができ、実施例の融雪パネル4や床暖パネル14と同様に、初期運転を経て本運転と設定することや、詳細な温度を設定することが出来るようになっている。
【0044】
樹脂板25A及び25Bは、耐熱性の高いポリフェニレンスルファイドやテフロン(登録商標)等から形成されている。更に、成形時においてグラスファイバーを混ぜ込むことで耐熱性を向上させることとしてもよい。
【0045】
発熱パネル24は、両面を樹脂板25A及び25Bによって溶着し密閉しているので、パッキン等が不要で湿度に強く、樹脂板25A及び25Bが外部からの衝撃を和らげるようになっており、床材、壁材に介在させることで暖房装置として利用することができる。
【0046】
以上、説明したように、本変形例の発熱パネル24によれば、表面部材を構成する樹脂板25Aと、裏面部材を構成する断熱シート7及び樹脂板25Bとの間に、通電により発熱する発熱シート11A等を挟み込んで構成され、裏面部材として、発熱シート11A等から放射された熱を樹脂板25Aにのみ放熱する素材である断熱シート7及び樹脂板25Bを用いたことから、発熱シート11Aの表面と裏面とから放射された熱は、樹脂板25A側にのみ放熱されるため、高いエネルギー効率で発熱シート11A等の熱を利用することができる。
【0047】
また、樹脂板25Aと樹脂板25Bの外縁部同士を熱溶着し密閉したことで、発熱シート11A等を発熱パネル24の内部に構成し、発熱シート11A等が内包される空間への水やゴミの侵入を防止して、屋外でも発熱パネル24を直接設置して利用することができる。
【0048】
また、発熱シート11A等に給電を行うコード11cが、樹脂板25Bに形成された貫通孔25aに挿通されていることから、発熱シート11A等から放射された熱を樹脂板25A側にのみ放熱する素材の断熱シート7及び樹脂板25B側に配線が引き出されるため、コード11cが発熱シート11A等の熱の影響を受けにくく、破損を防止できる。
【0049】
裏面部材は、合成樹脂製の板材としての樹脂板25Bと、該樹脂板25Bと発熱体としての発熱シート11A,11Bと間に配置される遮熱シートとしての断熱シート7とから構成されていることから、断熱シート7によって発熱シート11A,11Bの裏面側から放射される熱は表面側に反射され、発熱シート11A,11Bの表面側に放射された熱とともに、表面部材としての樹脂板25A側に集められるため、高いエネルギー効率で発熱シート11A,11Bの熱を利用することができる。
【0050】
また、一対の表面部材としての上面体5と、裏面部材としての下面板8との間に、発熱体として複数の発熱シート1A〜1Dが並設されていることから、一対の上面体5と下面板8との間の空間内に複数の発熱シート1A〜1Dから放射される熱を分散させ、上面体5の面から均一に熱を放射することができる。
【0051】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例1,2及び変形例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0052】
例えば、前記実施例では、制御盤9は、外部から工業用電源AC200Vの電源Pにより電気の供給を受けているとしたが、これに限られずAC100Vとしてもよいし、融雪パネルと太陽光パネルとを併設させ、蓄電させた電気を利用することとしてもよい。