特開2021-112384(P2021-112384A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-112384(P2021-112384A)
(43)【公開日】2021年8月5日
(54)【発明の名称】スーツケース
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/00 20060101AFI20210709BHJP
   A45C 5/14 20060101ALI20210709BHJP
   A45C 13/30 20060101ALI20210709BHJP
【FI】
   A45F3/00 400
   A45C5/14 A
   A45C13/30 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-6577(P2020-6577)
(22)【出願日】2020年1月20日
(71)【出願人】
【識別番号】519443745
【氏名又は名称】山原 久範
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】山原 久範
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045CE07
3B045CE08
3B045EA03
3B045EA06
3B045FB02
3B045GA02
3B045GA03
3B045GB01
3B045GB02
3B045GC01
3B045GC03
3B045GD02
3B045GD07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者がスーツケースを運搬する場合の利便性を向上できるスーツケースを提供する。
【解決手段】スーツケース1は、ケース本体2と、ケース本体2の開口を塞ぐカバー3と、ケース本体2の下面25に直接または近接して設けられ、ケース本体2の下面25を床面に向けた状態で、床面に接触し、ケース本体2の下面25側を支持するケース本体下面側キャスタ4a、4bと、カバー3の下面に直接または近接して設けられ、カバー3の下面35を床面に向けた状態で、当該床面に接触し、カバー3の下面35側を支持するカバー下面側キャスタ5bと、先端側に利用者が握るグリップ部61を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体2に設けられた伸縮ハンドル6と、前記ケース本体2に設けられ、前記ケース裏面21側に展開して、利用者の両肩に掛けられるベルト(肩掛けベルトセット8)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース裏面、上面、左右側面、及び下面より構成され、物入れの主体であるケース本体と、 ケース表面、上面、左右側面、及び下面より構成され、前記ケース本体の開口を塞ぐカバーと、 前記ケース本体の前記下面に直接または近接して設けられ、前記ケース本体の前記下面を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体の前記下面側を支持するケース本体下面側キャスタと、 前記カバーの前記下面に直接または近接して設けられ、前記カバーの前記下面を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバーの前記下面側を支持するカバー下面側キャスタと、 先端側に利用者が握るグリップ部を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体に設けられた伸縮ハンドルと、 前記ケース本体に設けられ、前記ケース裏面側に展開して、利用者の両肩に掛けられるベルトと、 を備えることを特徴とするスーツケース。
【請求項2】
ケース裏面、上面、左右側面、及び下面より構成され、物入れの主体であるケース本体と、 ケース表面、上面、左右側面、及び下面より構成され、前記ケース本体の開口を塞ぐカバーと、 前記ケース本体の前記下面に直接または近接して設けられ、前記ケース本体の前記下面を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体の前記下面側を支持するケース本体下面側キャスタと、 前記カバーの前記下面に直接または近接して設けられ、前記カバーの前記下面を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバーの前記下面側を支持するカバー下面側キャスタと、 先端側に利用者が握るグリップ部を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体に設けられた伸縮ハンドルと、 一端側が前記ケース本体の左上側に取り付けられ、他端側に第1の締結部が取り付けられた第1のベルトと、 一端側が前記ケース本体の左下側に取り付けられ、他端側に前記第1の締結部と締結及び分離可能な第2の締結部が取り付けられた第2のベルトと、 一端側が前記ケース本体の右上側に取り付けられ、他端側に第3の締結部が取り付けられた第3のベルトと、 一端側が前記ケース本体の右下側に取り付けられ、他端側に前記第3の締結部と締結及び分離可能な第4の締結部が取り付けられた第4のベルトと、 を備え、 前記第1のベルトは、利用者の左肩に掛けることが可能であり、 前記第3のベルトは、利用者の右肩に掛けることが可能であることを特徴とするスーツケース。
【請求項3】
前記第1の締結部は、前記第4の締結部と締結及び分離可能であり、 前記第3の締結部は、前記第2の締結部と締結及び分離可能であり、 第1乃至第4のベルトは、前記第1の締結部と前記第4の締結部が締結し、前記第3の締結部と前記第2の締結部が締結した状態で、利用者の胸側で交差することを特徴とする請求項2に記載のスーツケース。
【請求項4】
第1乃至第4のベルトは、前記ケース表面側に配置された他の荷物を括り付けることが可能であることを特徴とする請求項2または3に記載のスーツケース。
【請求項5】
前記第1の締結部及び前記第2の締結部の組み合わせは、第1のバックルと第1のタングの組み合わせであり、 前記第3の締結部及び前記第4の締結部の組み合わせは、第2のバックルと第2のタングの組み合わせであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のスーツケース。
【請求項6】
ケース裏面、上面、左右側面、及び下面より構成され、物入れの主体であるケース本体と、 ケース表面、上面、左右側面、及び下面より構成され、前記ケース本体の開口を塞ぐカバーと、 前記ケース本体の前記下面に直接または近接して設けられ、前記ケース本体の前記下面を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体の前記下面側を支持するケース本体下面側キャスタと、 前記カバーの前記下面に直接または近接して設けられ、前記カバーの前記下面を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバーの前記下面側を支持するカバー下面側キャスタと、 先端側に利用者が握るグリップ部を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体に設けられた伸縮ハンドルと、 前記ケース本体に設けられ、前記ケース裏面側に展開して、利用者の肩に掛けられるベルトと、 を備えることを特徴とするスーツケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者により牽引移動可能なスーツケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーツケースには、取っ手の他、キャリーシステムが付属されるものがある。キャリーシステムは、牽引移動時に引き出し、非牽引移動時に収納することができる。引き出すことにより、利用者が掴みやすい位置にグリップ部がくる。また、収納状態にすることにより、グリップ部が邪魔にならなくなる。
【0003】
キャリーシステムとして各種の構造が提案されてきた。 例えば、特許文献1には、物入れの主体であるケース本体と、このケース本体の開口を塞ぐカバーと、ケース本体の底及びカバーの底に設けられるキャスタと、ケース本体の上面に設けられる取っ手と、この取っ手とは別にケース本体に設けられる伸縮ハンドルとを備えるスーツケースが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−202138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された従来のスーツケースでは、利用者が比較的長い距離を自力で運搬する方法として、手で取っ手を握って持ち上げて移動する方法と、伸縮ハンドルを伸ばして手で牽引する方法とがあるが、何れも、移動中に利用者は、少なくとも片方の手を使わなければならす、子供の手を握る場合や、スマートフォン等の携帯通信機器の操作をする場合に不便であった。
【0006】
本発明は、利用者がスーツケースを運搬する場合の利便性を向上できるスーツケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明のスーツケースは、ケース裏面、上面、左右側面、及び下面より構成され、物入れの主体であるケース本体と、ケース表面、上面、左右側面、及び下面より構成され、前記ケース本体の開口を塞ぐカバーと、前記ケース本体の前記下面に直接または近接して設けられ、前記ケース本体の前記下面を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体の前記下面側を支持するケース本体下面側キャスタと、前記カバーの前記下面に直接または近接して設けられ、前記カバーの前記下面を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバーの前記下面側を支持するカバー下面側キャスタと、先端側に利用者が握るグリップ部を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体に設けられた伸縮ハンドルと、前記ケース本体に設けられ、前記ケース裏面側に展開して、利用者の両肩に掛けられるベルトと、を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明のスーツケースは、ケース裏面、上面、左右側面、及び下面より構成され、物入れの主体であるケース本体と、ケース表面、上面、左右側面、及び下面より構成され、前記ケース本体の開口を塞ぐカバーと、前記ケース本体の前記下面に直接または近接して設けられ、前記ケース本体の前記下面を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体の前記下面側を支持するケース本体下面側キャスタと、前記カバーの前記下面に直接または近接して設けられ、前記カバーの前記下面を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバーの前記下面側を支持するカバー下面側キャスタと、先端側に利用者が握るグリップ部を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体に設けられた伸縮ハンドルと、一端側が前記ケース本体の左上側に取り付けられ、他端側に第1の締結部が取り付けられた第1のベルトと、一端側が前記ケース本体の左下側に取り付けられ、他端側に前記第1の締結部と締結及び分離可能な第2の締結部が取り付けられた第2のベルトと、一端側が前記ケース本体の右上側に取り付けられ、他端側に第3の締結部が取り付けられた第3のベルトと、一端側が前記ケース本体の右下側に取り付けられ、他端側に前記第3の締結部と締結及び分離可能な第4の締結部が取り付けられた第4のベルトと、を備え、前記第1のベルトは、利用者の左肩に掛けることが可能であり、前記第3のベルトは、利用者の左肩に掛ける。
【0009】
請求項3に記載の発明のスーツケースは、請求項2に記載のスーツケースであって、前記第1の締結部は、前記第4の締結部と締結及び分離可能であり、前記第3の締結部は、前記第2の締結部と締結及び分離可能であり、第1乃至第4のベルトは、前記第1の締結部と前記第4の締結部が締結し、前記第3の締結部と前記第2の締結部が締結した状態で、利用者の胸側で交差することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明のスーツケースは、請求項2または3に記載のスーツケースであって、第1乃至第4のベルトは、前記ケース表面側に配置された他の荷物を括り付けることが可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明のスーツケースは、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のスーツケースであって、前記第1の締結部及び前記第2の締結部の組み合わせは、第1のバックルと第1のタングの組み合わせであり、前記第3の締結部及び前記第4の締結部の組み合わせは、第2のバックルと第2のタングの組み合わせであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明におけるスーツケースによって、利用者がスーツケースを運搬する場合の利便性を向上できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態にかかるスーツケースの斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態にかかる肩掛けベルトセットを示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態にかかるスーツケースのベルトを交差させた状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第2の実施の形態にかかる他の荷物を載置した状態のスーツケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明の第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態にかかるスーツケースを、図面に基づいて説明する。
【0015】
<スーツケースの全体構成> まず、本発明の第1の実施の形態にかかるスーツケースの構造について説明する。 図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるスーツケースの斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる肩掛けベルトセットを示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるスーツケースのベルトを交差させた状態を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、スーツケース1は、物入れの主体であるケース本体2と、ケース本体2の開口を塞ぐカバー3と、ケース本体下面側キャスタ4a、4bと、カバー下面側キャスタ5a、5bと、伸縮ハンドル6と、ケース本体の上面22に設けられる取っ手7と、肩掛けベルトセット8と、利用者の背中にかかる圧力を分散される上下のクッション11、12とから構成されている。
【0017】
ケース本体下面側キャスタ4a、4bと、カバー下面側キャスタ5a、5bと、伸縮ハンドル6とは、スーツケース1のキャリーシステムを構成している。
【0018】
ケース本体2は、ケース裏面21、上面22、左右側面23、24、及び下面25より構成される。
【0019】
カバー3は、ケース表面31、上面32、左右側面33、34、及び下面35より構成され、ケース本体2の開口26を塞ぐ。
【0020】
ケース本体下面側キャスタ4a、4bは、ケース本体2のケース裏面21と下面25の間の左右の角部に設けられ、ケース本体2の下面25を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、ケース本体2の下面25側を支持する。
【0021】
カバー下面側キャスタ5a、5bは、カバー3のケース表面31と下面35の間の左右の角部に設けられ、カバー3の下面35を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、カバー3の下面35側を支持する。
【0022】
伸縮ハンドル6は、先端側に利用者が握るグリップ部61を有し、中間部に伸縮可能な脚筒62を有している。グリップ部61のロック解除ボタン63は、利用者が操作することで脚筒62の伸縮をアンロック状態にする。
【0023】
肩掛けベルトセット8は、第1乃至第4のベルト81、82、83、84と、第1及び第2のタング85、86と、第1及び第2のバックル87、88と、第1及び第2のベルト巻き取り部89、90と、第1及び第2のリベット91、92とから構成される。
【0024】
第1のベルト81は、一端側が第1のベルト巻き取り部89を介して前記ケース本体2のケース裏面21の左上側に取り付けられ、他端側に第1のタング85が取り付けられている。
【0025】
第2のベルト82は、一端側が第1のリベット91により前記ケース本体2のケース裏面21の左下側に取り付けられ、他端側に第1のタング85と締結及び分離可能な第1のバックル87が取り付けられている。
【0026】
第3のベルト83は、一端側が第2のベルト巻き取り部90を介して前記ケース本体2のケース裏面21の右上側に取り付けられ、他端側に第2のタング86が取り付けられている。
【0027】
第4のベルト84は、一端側が第2のリベット92により前記ケース本体2のケース裏面21の右下側に取り付けられ、他端側に第2のタング86と締結及び分離可能な第2のバックル88が取り付けられる。
【0028】
第1及び第2のベルト巻き取り部89、90には、それぞれロック解除ボタン89a、90aが設けられている。
【0029】
第1及び第2のベルト巻き取り部89、90は、それぞれロック解除ボタン89a、90aが操作されていない状態で、それぞれ第1及び第3の第1のベルト81、83の巻き取りをロックする。
【0030】
また、第1及び第2のベルト巻き取り部89、90は、それぞれロック解除ボタン89a、90aが押圧操作されると、それぞれ第1及び第3の第1のベルト81、83を適度の力で巻き取る。
【0031】
従って、スーツケース1では、利用者によるロック解除ボタン89a、90aの操作と、第1及び第3の第1のベルト81、83に対する引き出し操作により、第1及び第3の第1のベルト81、83の長さを、利用者の体格に合わせて調整可能になっている。
【0032】
第1のベルト81は、第1のタング85と第1のバックル87を締結した状態で、利用者の左肩に掛けることが可能である。
【0033】
第3のベルト83は、第2のタング86と第2のバックル88を締結した状態で、利用者の右肩に掛けることが可能である。
【0034】
前記ケース本体2のケース裏面21の第1及び第2のベルト巻き取り部89、90より若干下側の位置には、横長のクッション11が取り付けられている。
【0035】
前記ケース本体2のケース裏面21の第1及び第2のリベット91、92より若干上側の位置には、横長のクッション12が取り付けられている。
【0036】
<肩掛けベルトセットの構成> 以下、図2を参照して肩掛けベルトセット8の詳細な構成について説明する。
【0037】
図2に示すように、第1のタング85のタングプレート93には、第1のベルト81の折り返し部81aが挿入されるスリット94が形成されている。タングプレート93のバックルに対向する側には挿入部95が形成され、挿入部95には、バックルにより係止される貫通部96が形成される。
【0038】
第1のバックル87のケース97は、基端側が第2のベルト82に先端側に取り付けられている。ケース97の先端側には、第1のタング85の挿入部95が挿入される挿入口98が形成されている。ケース97の表面には、第1のタング85に対する係止を解除するための解除ボタン99が設けられている。
【0039】
第1のベルト81の一端側は、ロック解除ボタン89aを操作することで、第1のベルト巻き取り部89により適度な力で巻き取られるようになっている。
【0040】
第2のベルト82の一端側は、第2のリベット91により回転可能な状態でのケース裏面21(図1参照)の左下側に取り付けられる。
【0041】
尚、図1に示した、第3及び第4のベルト83、84、第2のタング86、第2のバックル88、第2のベルト巻き取り部90、及び第2のリベット92の詳細な構造は、図2に示した第1及び第2のベルト81、82、第1のタング85、第1のバックル87、第1のベルト巻き取り部89、及び第1のリベット91の構造と同様になっている。
【0042】
図3において、第1のベルト81は、第1のタング85と第2のバックル88を締結した状態で、利用者の左肩に掛けることが可能である。
【0043】
第3のベルト83は、第2のタング86と第1のバックル87を締結した状態で、利用者の右肩に掛けることが可能である。
【0044】
肩掛けベルトセット8は、第1のタング85と第2のバックル88を締結することで、第1のベルト81を第4のベルト84を接続し、第2のタング86と第1のバックル87を締結することで、第2のベルト82を第3のベルト83を接続し、図示しない利用者の胸側で交差する。
【0045】
以下、このような本発明の第1の実施の形態の構成及び作用を纏めて説明すると、スーツケース1は、ケース裏面21、上面22、左右側面23、24、及び下面25より構成され、物入れの主体であるケース本体2と、ケース表面31、上面32、左右側面33、34、及び下面35より構成され、前記ケース本体2の開口を塞ぐカバー3と、前記ケース本体2の前記下面25に直接または近接して設けられ、前記ケース本体2の前記下面25を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体2の前記下面25側を支持するケース本体下面側キャスタ4a、4bと、前記カバー3の前記下面35に直接または近接して設けられ、前記カバー3の前記下面35を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバー3の前記下面35側を支持するカバー下面側キャスタ5a、5bと、先端側に利用者が握るグリップ部61を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体2に設けられた伸縮ハンドル6と、前記ケース本体2に設けられ、前記ケース裏面21側に展開して、利用者の両肩に掛けられるベルト(肩掛けベルトセット8)とを備える。
【0046】
また、スーツケース1は、ケース裏面21、上面22、左右側面23、24、及び下面25より構成され、物入れの主体であるケース本体2と、ケース表面31、上面32、左右側面33、34、及び下面35より構成され、前記ケース本体2の開口を塞ぐカバー3と、前記ケース本体2の前記下面25に直接または近接して設けられ、前記ケース本体2の前記下面25を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体2の前記下面25側を支持するケース本体下面側キャスタ4a、4bと、前記カバー3の前記下面35に直接または近接して設けられ、前記カバー3の前記下面35を前記床面または前記地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバー3の前記下面35側を支持するカバー下面側キャスタ5a、5bと、先端側に利用者が握るグリップ部61を有し、伸縮可能であるとともに、基端側が前記ケース本体2に設けられた伸縮ハンドル6と、一端側が前記ケース本体2の左上側に取り付けられ、他端側に第1の締結部(第1のタング85)が取り付けられた第1のベルト81と、一端側が前記ケース本体2の左下側に取り付けられ、他端側に前記第1の締結部(第1のタング85)と締結及び分離可能な第2の締結部(第1のバックル87)が取り付けられた第2のベルト82と、一端側が前記ケース本体2の右上側に取り付けられ、他端側に第3の締結部(第2のタング86)が取り付けられた第3のベルト83と、一端側が前記ケース本体2の右下側に取り付けられ、他端側に前記第3の締結部(第2のタング86)と締結及び分離可能な第4の締結部(第2のバックル88)が取り付けられた第4のベルト84とを備え、前記第1のベルト81は、利用者の左肩に掛けることが可能であり、前記第3のベルト83は、利用者の右肩に掛けることが可能である。
【0047】
前記第1の締結部(第1のタング85)は、前記第4の締結部(第2のバックル88)と締結及び分離可能であり、前記第3の締結部(第2のタング86)は、前記第2の締結部(第1のバックル87)と締結及び分離可能であり、第1乃至第4のベルト81、82、83、84は、前記第1の締結部(第1のタング85)と前記第4の締結部(第2のバックル88)が締結し、前記第3の締結部(第2のタング86)と前記第2の締結部(第1のバックル87)が締結した状態で、利用者の胸側で交差する。
【0048】
前記第1の締結部及び前記第2の締結部の組み合わせは、第1のバックル87と第1のタング85の組み合わせであり、前記第3の締結部及び前記第4の締結部の組み合わせは、第2のバックル88と第2のタング86の組み合わせである。
【0049】
このような、本発明の第1の実施の形態によれば、スーツケース1に両肩に掛けられるベルト(肩掛けベルトセット8)を設けることで、利用者は両手を自由に使用できる状態でスーツケース1を運搬することができ、この状態で、両手で子供の手を掴んだり、両手でスマートフォン等の携帯通信機器の操作をしたりすることが可能になり、結果的に、利用者がスーツケースを運搬する場合の利便性を向上できる。
【0050】
尚、第1の実施の形態では、肩掛けベルトセット8をケース本体2から取り外せない構造にしたが、利用者が肩掛けベルトセット8をケース本体2から取り外せる構造にしてもよい。
【0051】
肩掛けベルトセット8としては、前記ケース本体2に設けられ、前記ケース裏面21側に展開して、利用者の両肩に掛けられるという条件を満たせば、図1乃至図3に示した構成以外のものを各種適用可能である。このような例として、例えば、締結部を設けず、第1のベルト81と第1のベルト82を
一体化し、第3のベルト83と第4のベルト84を一体化する例や、第1のベルト81及び第2のベルト83の一端側を、ベルト巻き取り部の代わりに、リベットでケース裏面21に取り付ける例等がある。
【0052】
また、上下のクッション11、12は、スーツケース1の形状に合わせて設けなくすることも可能である。
【0053】
<本発明の第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態にかかるスーツケースを、図面に基づいて説明する。
【0054】
<スーツケースの全体構成> まず、本発明の第2の実施の形態にかかるスーツケースの構造について説明する。
【0055】
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる他の荷物を載置した状態のスーツケースの斜視図である。
【0056】
スーツケース101は、ケース裏面121、上面122、左右側面123、124、及び下面125より構成され、物入れの主体であるケース本体102と、ケース表面131、上面132、左右側面133、134、及び下面135より構成され、前記ケース本体102の開口を塞ぐカバー103と、前記ケース本体102の前記下面125に直接または近接して設けられ、前記ケース本体102の前記下面125を床面100または地面に向けた状態で、当該床面100または当該地面に接触し、前記ケース本体2の前記下面125側を支持するケース本体下面側キャスタ104a、104bと、前記カバー103の前記下面135に直接または近接して設けられ、前記カバー3の前記下面135を前記床面100または前記地面に向けた状態で、当該床面100または当該地面に接触し、前記カバー3の前記下面135側を支持するカバー下面側キャスタ105a、105bと、前記ケース本体2の前記上面122に直接または近接して設けられ、前記ケース本体2の前記ケース裏面121を前記床面100または前記地面に向けた状態で、当該床面100または当該地面に接触し、前記ケース本体102の前記上面122側を支持する前記ケース本体上面側キャスタ106a、106bと、伸縮ハンドル107と、図1に示した第1の実施形態と同様の肩掛けベルトセット8とを備える。
【0057】
伸縮ハンドル107は、先端側に利用者が握るグリップ部171を有し、基端側に第1及び第2の回動部172、173を有し、中間部に伸縮可能な脚筒174と、ロック解除ボタン175とを備えている。
【0058】
伸縮ハンドル107は、回動部172により前記ケース本体102に対して、左右方向の回転軸S1により、傾動可能に設けられている。回動部172は、伸縮ハンドル6を収納位置から、最大270°の角度調整が可能である。
【0059】
尚、回動部172による伸縮ハンドル107の角度調整の角度は、最大250°角度等、他の角度を適用可能である。
【0060】
また、伸縮ハンドル107は、回動部173により、回転軸S2を中心にして傾動可能に設けられている。
【0061】
伸縮ハンドル107は、前記ケース本体102の前記ケース裏面121を前記床面100または前記地面に向けた状態で、前記グリップ部171を利用者が握れる位置まで傾動させることが可能になっている。
【0062】
また、スーツケース101は、前記ケース本体102の前記ケース裏面121を前記床面または前記地面に向けた状態で、ケース表面131の上に、他の荷物201を配置し、他の荷物201の側で、第1のタング85(図3参照)と第2のバックル88(図3参照)を締結することで、第1のベルト81(図3参照)に第4のベルト84(図3参照)を接続し、第2のタング86(図3参照)と第1のバックル87(図3参照)を締結することで、第3のベルト83(図3参照)に第2のベルト82(図3参照)を接続する。
【0063】
この状態では、第1のベルト81を第4のベルト84の組み合わせと、第2のベルト82と第3のベルト83の組み合わせは、他の荷物201の上側で交差する。
【0064】
これにより、スーツケース101と他の荷物201は、利用者が、スーツケース101に他の荷物201を括り付けて、伸縮ハンドル107を牽引することで、輸送することができる。
【0065】
尚、伸縮ハンドル107を図4に示した位置で固定できるように構成することで、スーツケース101と他の荷物201は、利用者が伸縮ハンドル107を押すことで、輸送することができる。
【0066】
尚、第2の実施の形態において、肩掛けベルトセット8は、図1乃至図3に示した第1の実施の形態と同様に、利用者の両肩に掛けることも可能である。
【0067】
以下、このような本発明の第2の実施の形態の構成及び作用を纏めて説明すると、スーツケース101の肩掛けベルトセット8は、前記ケース表面31側に配置された他の荷物201を括り付けることが可能である。
【0068】
このような、本発明の第2の実施の形態によれば、スーツケース101に他の荷物201を括り付けて運搬することができ、利用者がスーツケースを運搬する場合の利便性を向上できる。
【0069】
尚、第2の実施の形態において、肩掛けベルトセット8としては、前記ケース表面31側に配置された他の荷物201を括り付けることが可能であるという条件を満たせば、第1の実施の形態と同様に、図4に示した構成以外のものを各種適用可能である。
【0070】
肩掛けベルトセット8を他の荷物201を括り付ける方法は、図4に示した方法以外、例えば、ベルトを平行にして括り付ける等、各種適用可能である。
【0071】
また、第2の実施の形態では、ケース本体下面側キャスタ104a、104bは、前記ケース本体2の前記ケース裏面121と前記下面125の間の左右の角部に設けたが、ケース本体下面側キャスタ104a、104bを設ける位置は、“前記ケース本体102の前記下面25に直接または近接して設けられ、前記ケース本体102の前記下面125を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体102の前記下面125側を支持する”という条件と、“前記ケース本体102の前記ケース裏面121を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体102の前記下面125側を支持する”という条件を満たせば、ケース裏面121と下面125の一方の側に設ける等、各種適用可能である。
【0072】
また、第2の実施の形態では、カバー下面側キャスタ105a、105bは、前記カバー3の前記ケース表面131と前記下面135の間の左右の角部に設けたが、カバー下面側キャスタ105a、105bが設けられる位置は、“前記カバー103の前記下面135を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記カバー3の前記下面135側を支持する”という条件を満たせば、ケース表面131と下面135の一方の側に設ける等、各種適用可能である。
【0073】
また、第2の実施の形態では、前記ケース本体上面側キャスタ106a、106bは、ケース本体102の前記ケース裏面121と上面22の間の左右の角部に設けたが、ケース本体上面側キャスタ106a、106bが設けられる位置は、“前記ケース本体102の前記ケース裏面121を床面または地面に向けた状態で、当該床面または当該地面に接触し、前記ケース本体102の前記上面22側を支持する”という条件を満たせば、ケース表面131と上面132の一方の側に設ける等、各種適用可能である。
【0074】
また、第1及び第2の実施の形態では、利用者が、左側の第1及び第2のベルト81、82と、右側の第3及び第4のベルト83、84との一方のみを、片方の肩にかけて、スーツケース1を運搬することも可能である。
【0075】
また、第1及び第2の実施の形態の変形例として、ベルトセット8として、左側の第1及び第3のベルト81、83、第1のタング85、第1のバックル87、第1のベルト巻き取り部89及び第1のリベット91の組み合わせと、右側の第2及び第4のベルト82、84、第2のタング86、第2のバックル88、第2のベルト巻き取り部90及び第2のリベット92の組み合わせとの内、一方の組み合わせのみを設けることも可能である。
【0076】
また、第2の実施の形態において、ケース本体102のケース裏面121を床面100または地面に向けた状態で、スーツケース101を運搬する際に、利用者が伸縮ハンドル107を牽引するようにしたが、利用者が第1及び第2のベルト81、82を牽引することで、スーツケース101を運搬するようにしてもよい。
【0077】
また、第2の実施の形態の変形例として、スーツケース101を牽引するためのベルトをベルトセット8から独立して設けてもよい。
【0078】
このように、本発明の、システム、手段、方法、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0079】
例えば、2つ以上のシステムを1つにすることも可能であるし、逆に、1つのシステムを2つ以上の別のシステムから構成して接続することも可能である。
【0080】
また、上記第1の実施の形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態またはそれに近い形態の1つにすぎない。
【符号の説明】
【0081】
1 :スーツケース
2 :ケース本体
3 :カバー
4a、4b:ケース本体下面側キャスタ
5a、5b:カバー下面側キャスタ
6 :伸縮ハンドル
7 :取っ手
8 :肩掛けベルトセット
21 :ケース裏面
22 :上面
23、24:左右側面
25 :下面
31 :ケース表面
32 :上面
33、34:左右側面
35 :下面
81、82、83、84:第1乃至第4のベルト87、88:第1及び第2のバックル89、90:第1及び第2のベルト巻き取り部91、92:第1及び第2のリベット
図1
図2
図3
図4