【課題】入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアとを備えるフィルタ装置を含むフィルタシステム内に残留したろ過済み流体を回収する方法を改善すること。
【解決手段】本発明の方法は、(a)無菌ガスを、フィルタ装置の出口を通り、第1の中空導管の第1の内径部を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップと、(b)ろ過されるべき流体を、ろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させ、第1の外壁面と第2の内壁面との間の間隙を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップと、(c)無菌ガスを、ろ過済み流体受入容器から第1の中空導管の第1の内径部を通って流体流路に沿って送通させ、ハウジング内に送通させることを可能にして、残留したろ過済み流体をろ過済み流体受入容器内に押し出すステップとを含む。
前記無菌空気及び/又は前記無菌ガスを前記流体流路に沿って送通させる前に、空気及び/又はガスを滅菌グレード・多孔質フィルタメディアに送通させて前記無菌空気及び/又は前記無菌ガスを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0008]本発明の一実施形態は、入口及び出口を有し、入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアであって、上流側及び下流側を有する多孔質フィルタメディアと、を備えるフィルタ装置を含むフィルタシステム内に残留したろ過済み流体を回収する方法であって、フィルタシステムがさらに、出口の下流に配置されたろ過済み流体受入容器(「流体受入容器」、「受入容器」又は「容器」ともいう)と、出口とろ過済み流体受入容器との間の流体流路であって、第1の外壁面、第1の内壁面及び第1の内径部(導管内部)を有する第1の中空導管、並びに、第2の外壁面、第2の内壁面及び第2の内径部を有する第2の中空導管を備える流体流路とをさらに含み、第1の中空導管が第2の中空導管内に配置されるとともに、第1の外壁面と第2の内壁面との間に間隙が形成される状態で、第1の中空導管と前記第2の中空導管とが同軸に配置されている。方法を提供する。さらに本方法では、(a)無菌空気及び/又は無菌ガスを、フィルタ装置の出口を通り、第1の中空導管の第1の内径部を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップと、(b)ろ過されるべき流体を、ろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させ、第1の外壁面と第2の内壁面との間の間隙を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップであって、ある量のろ過済み流体が、多孔質フィルタメディアの下流側と出口との間のハウジング内に残留する、ステップと、(c)無菌空気及び/又は無菌ガスを、ろ過済み流体受入容器から第1の中空導管の第1の内径部を通って流体流路に沿って送通させ、出口を通りフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にし、もって残留したろ過済み流体を、第1の外壁面と第2の内壁面との間の間隙を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に押し出すステップとを含む。
【0009】
[0009]本方法の実施形態は、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体流路に沿って送通させる前に、空気及び/又はガスを滅菌グレード・多孔質フィルタメディアに送通させて無菌空気及び/又は無菌ガスを生成するステップを含むことができる。
【0010】
[0010]例えば、本方法の一実施形態では、フィルタ装置は滅菌グレード・フィルタ(sterilizing grade filter)を備え、空気及び/又はガスをろ過流路に沿って滅菌グレード・フィルタ装置に送通させることにより、無菌空気及び/又は無菌ガスをフィルタ装置の出口を通して送通させることができる。代替的に、又は追加として、本方法の一実施形態は、空気及び/又はガスを、上流滅菌グレード・フィルタ装置である追加のフィルタ装置に送通させ、無菌空気及び/又は無菌ガスを供給し、続いて、無菌空気及び/又は無菌ガスを、流体をろ過するために使用されるフィルタ装置に送通させるステップを含む。
【0011】
[0011]所望であれば、本方法はまた、流体をろ過流路に沿ってフィルタ装置に送通させる、流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させることにより流体をろ過しながら、ろ過済み流体により、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器内に押し出すステップであって、ある量のろ過済み流体が多孔質フィルタメディアの下流側と出口との間のハウジング内に残留する、ステップと、無菌空気及び/又は無菌ガスをろ過済み流体受入容器から流体流路に沿って送通させ、出口を通ってフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にし、残留したろ過済み流体をろ過済み流体受入容器内に押し出すステップと、を含むことができる。
【0012】
[0012]別の実施形態では、入口及び出口を有し、入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアであって、上流側及び下流側を有する多孔質フィルタメディアと、を備えるフィルタ装置を含むフィルタシステムに残留したろ過済み流体を回収する方法であって、フィルタシステムが、出口の下流に配置されたろ過済み流体受入容器と、出口とろ過済み流体受入容器との間の流体流路であって、第1の内径部を有する第1の中空導管、及び、第2の内径部を有する第2の中空導管を備える流体流路とをさらに含み、第2の中空導管が第1の中空導管内にある状態で第1の中空導管と第2の中空導管とが同軸に配置されている、方法が提供される。本方法は、(a)流体を、ろ過流路に沿ってフィルタ装置を送通させることによって流体をろ過し、ろ過された流体を、第1の外壁面と第2の内壁面との間の間隙を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に送通させるステップであって、ある量のろ過済み流体が、多孔質フィルタメディアの下流側と出口との間のハウジング内に残留する、ステップと、(b)無菌空気及び/又は無菌ガスを、ろ過済み流体受入容器から第1の中空導管の第1の内径部を通って流体流路に沿って送通させ、出口を通りフィルタ装置のハウジング内に送通させることを可能にし、もって残留したろ過済み流体を、第1の外壁面と第2の内壁面との間の間隙を通り流体流路に沿ってろ過済み流体受入容器内に押し出すステップと
を含む。
【0013】
[0013]本方法の実施形態は、フィルタ完全性試験の前に又は順方向流若しくはバブルポイント試験方法を使用するフィルタ完全性試験中に、又は任意のシステム漏れ試験手順の一部として、ガス及び/又は空気をフィルタシステム内に導入するステップを含むことができる。
【0014】
[0014]例えば、本方法の一実施形態においては、フィルタ装置は滅菌グレード・フィルタを備え、空気及び/又はガスを滅菌グレード・フィルタ装置に送通させることによって、フィルタ装置の出口を通過する無菌空気及び/又は無菌ガスをもたらす。また、代替的に、又は追加として、本方法の実施形態は、無菌空気及び/又は無菌ガスをもたらすために、上流滅菌グレード・フィルタ装置である追加のフィルタ装置に空気及び/又はガスを送通させ、続いて、流体をろ過するために用いられるフィルタ装置にその無菌空気及び/又は無菌ガスを送通させることを含む。
【0015】
[0015]典型的には、本方法の実施形態は、さらなる処理のためにろ過済み流体受入容器からろ過済み流体を送通させるステップをさらに含み、さらなる処理は、例えば、シリンジ、バイアル、アンプル、ボトル、バイオプロセス用のコンテナ、ボトル、及び/又はカーボイ(carbouys)などの充填容器も含む、クローズドシステムの継続的な使用を必要とする任意のプロセスの他の中間段階を含んでいてもよい。
【0016】
[0016]別の実施形態では、ろ過済み流体を回収するためのフィルタシステムが提供される。このフィルタシステムは、入口及び出口を有し、入口と出口との間のろ過流路を画定するハウジングと、ろ過流路を横切る多孔質フィルタメディアであって、上流側及び下流側を有する多孔質フィルタメディアとを備えるフィルタ装置、出口の下流に配置されたろ過済み流体受入容器、及び、出口とろ過済み流体受入容器との間の流体流路を備える。流体流路は、第1の内径部を有する第1の中空導管と、第2の内径部を有する第2の中空導管とを備え、第1の中空導管と第2の中空導管とは、第2の中空導管が第1の中空導管内にある状態で、同軸に配置される。
【0017】
[0017]好適には、本発明の実施形態は、フィルタ装置及びフィルタシステムの完全性試験を必要とするプロセスと互換性がある。
【0018】
[0018]本発明の実施形態は、クローズドシステムを含む様々なシステム、特にバイオプロセスシステムを含む様々なシステムでの使用に適している。
【0019】
[0019]本発明の実施形態は、薬物、ワクチン、及び静脈内輸液を含む、医薬品業界及び/又はバイオ医薬品業界向けの無菌又は低バイオバーデン流体、抗体(及び/又はタンパク質)含有流体、並びに/あるいは食品飲料業界向けの液体を調製する、ろ過されるべき様々な流体、例えば、細胞培養(例えば、懸濁液及び付着細胞株のバッチ操作及びフェッドバッチ操作(fed−batch operations)を含む)での使用に適している。
【0020】
[0020]様々なフィルタ装置、及び容器、典型的には可撓性(例えば、プラスチック)容器及び導管(市販のフィルタ装置、容器、及び導管を含む)は、本発明の実施形態での使用に適しており、当技術分野で知られている。適切なコネクタ、例えば、導管コネクタ、成形管類、及びクランプ、シール、バルブ、トランスファレッグクロージャ(transfer leg closures)などの流量制御装置が、当技術分野で知られている。
【0021】
[0021]以下の説明において、無菌ガスと無菌空気とは同等の意味に使用され得ることが理解されるべきであり、例えば、無菌ガスと呼ばれる実施形態は無菌空気の使用も包含し、逆もまた同様である。
【0022】
[0022]本明細書で使用される場合、「クローズド(closed)」という用語は、システムの中身をシステムが使用されている環境にさらすことなく、流体の収集及び処理(ろ過、及び、所望であれば、操作、例えば、複数の部分の分離、複数の構成要素への分離、貯蔵、及び保存を含む)を可能にするシステムを指す。クローズドシステムは、最初に作られた状態のものであってもよく、あるいは、無菌接続装置(sterile docking device)を含むサニタリ―接続のシステム構成要素によって構築される結果として生じるものであってもよい。
【0023】
[0023]次に、本発明の構成要素のそれぞれについて以下により詳細に説明するが、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0024】
[0024]
図1のFIG.1Aは、本発明による2つの実施形態に係るフィルタシステム11000、2000を示す。このシステムの一実施形態1000は点線の内側に示されている(
図1のFIG.1Bには分離して示されている)。このシステムの別の実施形態2000は、システムの実施形態1000を含み、任意の上流滅菌グレード・フィルタ装置700を有する追加の構成要素を含む。このシステムのこれらの実施形態について以下でより詳細に論じる。
【0025】
[0025]参照のために
図1のFIG.1Bを用いると、システム1000の図示の実施形態はフィルタ装置500を含み、このフィルタ装置500は、入口511及び出口512を有し入口と出口との間のろ過流路550を画定するハウジング510と、ろ過流路550を横切り、上流側501A及び下流側501Bを有する多孔質フィルタメディア501とを備える。フィルタ装置500は、通常、少なくとも細菌除去の格付けがなされた多孔質フィルタメディアを有し、滅菌グレード・多孔質フィルタメディアを有し得る。フィルタメディアは、平面、プリーツ、及び/又は中空円筒を含む様々な構成を有することができる。典型的には、フィルタ装置は、最大利用可能フィルタメディア表面が使用されるようにするとともに、システム内の空気又はガスの蓄積を防ぐために、液体の最初のろ過中にベントアップされる。フィルタ装置のハウジングが液体で満たされた後、通気口は閉じられる。好ましくは、空気又はガスが排出され得るように、フィルタ装置は通気口を含むか、又は通気口がフィルタ装置の上流及び/又は下流に配置され得る。
【0026】
[0026]導管10の一端がフィルタ装置の入口と流体連通状態で配置される。
【0027】
[0027]ろ過済み流体受入容器50は、出口512の下流に配置され、流体流路400は、第1の外壁面310A、第1の内壁面310B及び第1の内径部320を有する第1の中空導管300(第1の中空導管は、ろ過中に流体で満たされるのを避けるために、フィルタ装置の下流部分内に十分に延びている)と、第2の外壁面210A、第2の内壁面210B、及び第2の内径部220を有する第2の中空導管200(図示実施形態では、以下に説明するように、2つの導管セクションを有する)とを備え、第1の中空導管300が第2の中空導管200内に配置されるとともに、第1の外壁面と第2の内壁面との間に間隙450が形成される状態で、第1の中空導管と前記第2の中空導管とは同軸に配置されている。
【0028】
[0028]図示実施形態において、第2の中空導管200は、上部導管セクション201及び下部導管セクション202(コネクタ250によって接続される(あるいは、導管は一体的に成形することもできる)。いくつかの実施形態では、第2の中空導管は3つ以上の導管セクションを含む)を備え、出口512とろ過済み流体受入容器50との間に設けられる。各導管セクションは、外壁面(201A、202A)、内壁面(201B、202B)、及び内径部(211、212)有する。コネクタ250は任意的なものであり、導管315が存在する場合に設けられる。
【0029】
[0029]任意ではあるが、システムは追加の構成要素を含んでもよく、例えば、
図1は、流量制御装置402を示している。
【0030】
[0030]本方法及びシステムのいくつかの実施形態は、上流滅菌グレード・フィルタ装置の存在又は使用を必要としない。例えば、上述したように、フィルタ装置500は滅菌グレード・フィルタを備えることができ、空気及び/又はガスをろ過流路に沿って滅菌グレード・フィルタ装置に送通させることにより、無菌空気及び/又は無菌ガスはフィルタ装置の出口を通過することができる。代替的に又は追加として、エンドユーザは、供給者によって、予め組み立てられたシステムであり、満足のいく低バイオバーデンで製造され、かつ/又は、上流滅菌グレード・フィルタ装置が必要とされないようにエンドユーザの品質基準に対して十分に満足のいく清浄な状態で供給されたものを供給され得る。代替的に又は追加として、システムの組立てた供給者は、必要があるシステムの構成要素をシステムに組立てた後の最後に、出荷される前の処理として、システムを放射線、電子線等での照射/好ましい滅菌用ガスでの充填封入を実施したシステムとして供給され得る。
【0031】
[0031]上述したように、システムの実施形態2000は、システムの実施形態1000を含むとともに、追加の任意的な構成要素(任意的な上流滅菌グレード・フィルタ装置700、及び、ポンプ801、802と、コネクタ250と、導管315、301と、例えば処理中の次の段階への接続では、流量制御装置(クランプやバルブなど)401、403と、コネクタ701、702等を含む)を含む。
【0032】
[0032]本方法及びシステムのいくつかの実施形態は、流量制御装置の存在又は使用を必要としない。しかしながら、他のいくつかの実施形態では、流量制御装置が様々な導管に関連されており、その導管を通る流れを許容又は阻止するようになっている。まず、導管の流れを阻止するために、その様々な流量制御装置が閉じられる。
【0033】
[0033]本方法の一実施形態では、ろ過されるべき流体が入った供給源容器Aが導管10に接続される。システム1000の上部部分は実質的に垂直に配置される。好ましくは、ろ過済み流体受入容器50は、第1の流体流路がフィルタの出口と流体受入容器との間で自由排出状態となるようように配置される。
【0034】
[0034]内側導管(第1の導管)300は、回収が生じるのを妨げるであろう液体との接触がない状態で液体を回収するのに必要な量のガスを受け入れることを可能とする態様で、容器50内に延在すべきである。したがって、管は、液体と接触することができないような態様で、容器50の最も高い点でその容器50内にわずかに突出すべきであり、それによって、ガスが妨げられることなく、そこに流入し送通することができる。
【0035】
[0035]流体は、多孔質メディア501を通ってろ過流路550に沿って送通する際にろ過される。ろ過済み流体(ろ液)は、ろ過済み流体に先立ち、無菌空気を押し出し、押し出された空気及びろ過済み流体は、流体流路400に沿って、第1の外壁面310Aと第2の内壁面210Bとの間の間隙450を通ってろ過済み流体受入容器50内に流入する。
【0036】
[0036]流体がフィルタ装置500を送通するにつれて、無菌空気及び/又は無菌ガスは、ろ過済み流体受入容器から、流体流路に沿って第1の中空導管300の第1の内径部320を通り、出口512を通ってフィルタ装置のハウジング510内に入り、ろ過済み流体を、流体流路400に沿って第1の外壁面310Aと第2の内壁面210Bとの間の間隙450を通ってろ過済み流体受入容器50内に押し入れる。
【0037】
[0037]所望であれば、ろ過済み流体受入容器は、収集されたろ過済み流体を容器から取り出すことができる別の場所に移動される前に、導管から取り外され、必要であれば層流下でそのポートが封止され得る。
【0038】
[0038]本方法のいずれの実施形態においても、流体がろ過される前に、滅菌空気及び/又は滅菌ガスがシステムに導入される。例示的には、
図1Aに示される本発明のシステム2000の実施形態に関しては、滅菌グレード・フィルタ装置700が導管10と流体連通状態で配置されており、流量制御装置401が開かれ、ガス又は空気が滅菌フィルタ装置に通されて滅菌ガス及び/又は滅菌空気をもたらし、この滅菌ガス及び/又は滅菌空気は、その後、フィルタ装置500を通り、ろ過流路550に沿って多孔質フィルタメディア501を通って流体流路400に沿ってろ過済み流体受入容器50内に流入する。そして、流量制御装置401が閉じられる。
【0039】
[0039]ろ過されるべき流体を含む供給源容器Aが導管10と連通状態で配置される。典型的には、システムは、この容器及び滅菌フィルタ装置の両方が導管10と連通状態で配置され得るようなコネクタを含む。
【0040】
[0040]流体は、多孔質メディア501を通ってろ過流路550に沿って送通する際にろ過される。滅菌空気がシステム内に存在するので、ろ過済み流体(ろ液)は、ろ過済み流体に先立って滅菌空気を押し出し、押し出された空気及びろ過済み流体は、流体流路400に沿って、第1の外壁面310Aと第2の内壁面210Bとの間の間隙450を通って、ろ過済み流体受入容器50内に流入する。
【0041】
[0041]ろ過中、無菌空気及び/又は無菌ガスは、ろ過済み流体受入容器から、流体流路に沿って第1の中空導管300の第1の内径部320を通り、出口512を通ってフィルタ装置のハウジング510に入り、残留したろ過済み流体を、流体流路400に沿って第1の外壁面310Aと第2の内壁面210Bとの間の間隙450を通ってろ過済み流体受入容器50内に押しやる。
【0042】
[0042]所望であれば、ろ過済み流体受入容器は、収集されたろ過済み流体を容器から取り出すことができる別の場所に移動される前に、導管から取り外され、必要であれば層流下でそのポートが封止され得る。
【0043】
[0043]システムが導管301及び流量制御装置403を含む一実施形態では、流量制御装置403は、ろ過後に最初に閉じられる。そして、上述したように、残留したろ過済み流体がろ過済み流体受入容器に送られた後、流量制御装置403は開かれ、流体が導管301に沿って次の処理段階に送られるようにポンプ802が駆動される。
【0044】
[0044]別の実施形態では、流量制御装置401及び402が開けられ、流量制御装置403及び404が閉じられている間に、ガス又は空気を容器50に導入することができる。ガス又は空気が容器50に導入された後、流量制御装置401及び402を閉じ、流量制御装置404を開ける。使用前にフィルタ装置を噴射洗浄するために、少量の液体(水又は薬液)を少なくとも1回フィルタ装置500に流すことができ、流体を導管315に沿って噴射させることができる。
【0045】
[0045]続いて、流量制御装置404が閉じられ、流量制御装置402が開かれ、ろ過が進行し、ろ過済み流体が容器50に流入される。ガス又は空気は、ろ過済み流体受入容器50から、流体流路に沿って第1の中空導管300の第1の内径部320を通り、出口512を通ってフィルタ装置のハウジング510内に入り、流体流路400に沿って第1の外壁面210Aと第2の内壁面310Bとの間の間隙450を通って、残留したろ過済み流体を押しやり、ろ過済み流体受入容器50内に流入させる。
【0046】
[0046]流量制御装置403を開き、流体が導管301に沿って次の処理段階に進むようにポンプ802を動作させることができる。
【0047】
[0047]所望であれば、本発明の任意の実施形態によれば、ろ過済み流体を、ろ過済み流体受入容器から、さらなる処理のためのいかなる場所に送通させることができる。
【0048】
[0048]以下の実施例は本発明をさらに説明するものであるが、もちろん、本発明の範囲を何ら制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0049】
[0049]この実施例は、ろ過後にシステム内に残存するろ過済み流体が本発明の一実施形態に従って回収され得ることを実証している。
【0050】
[0050]システム2000は、
図1Bにより詳細に示されるシステム1000を含む、
図1Aに概略的に示されるようにセットアップされる。
【0051】
[0051]システムは、滅菌グレード・フィルタ装置700、500(500は、KLEENPAK(商標)カプセルフィルタ(Pall Corporation、ニューヨーク州ポートワシントン)である)、可撓性の管類10(それぞれ12.7mm及び15.1mmの公称内径及び外径)、201(それぞれ12.7mm及び15.1mmの公称内径及び外径)、202(それぞれ2.4mm及び4.0mmの公称内径及び外径)、及び300(それぞれ2.4mm及び4.0mmの公称内径及び外径)(、間隙450は約4.35mm)と、可撓性バッグ(ろ過済み流体受入容器50)とを含む。
【0052】
[0052]流量制御装置401を開き、ガスをエアコンプレッサーを介して滅菌グレード・フィルタ装置700に通し、滅菌ガスをフィルタ装置500を通して容器50に通す。そして、流量制御装置401が閉じられる。
【0053】
[0053]ろ過されるべき10Lの流体を含む可撓性バッグがシステムに取り付けられ、システムは、実質的に垂直に配置され、流体受入容器50は、第1の流体流路がフィルタの出口と流体受入容器との間を自由排出状態で配置される。
【0054】
[0054]システムは、フィルタ装置を通してベントアップされ、流体は、多孔質メディア501を通してろ過流路550に沿って送通する際にろ過される。滅菌空気がシステム内に存在するので、ろ過済み流体(ろ液)は、それに先立って滅菌空気を押し出し、押し出された空気及びろ過済み流体は、流体流路400に沿って、第1の外壁面310Aと第2の内壁面210Bとの間の間隙450を通ってろ過済み流体受入容器50内に流入する。
【0055】
[0055ろ過中、無菌空気及び/又は無菌ガスは、ろ過済み流体受入容器から、流体流路に沿って第1の中空導管300の第1の内径部320を通り、出口512を通ってフィルタ装置のハウジング510に入り、残留したろ過済み流体を、流体流路400に沿って第1の外壁面310Aと第2の内壁面210Bとの間の間隙450を通ってろ過済み流体受入容器50に押しやる。追加量約50mLのろ過済み流体が回収される。
【0056】
[0056]続いて、ろ過済み流体は、さらなる処理のために導管301に沿って送られる。
【0057】
[0057]本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれるように個別にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記述された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
[0058]本発明を説明する文脈での(特に下記の特許請求の範囲の文脈での)用語「1つの(a、an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの(at least one)」及び類似指示対象の使用は、本明細書内に特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。その後に1つ又は複数の項目のリストが続く用語「at least one」(例えば「AとBのうちの少なくとも1つの(at least one of A and B)」の使用は、本明細書内に特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、列挙項目(A又はB)から選択された1つの項目、あるいは列挙された項目(A及びB)の複数の任意組合せを意味すると解釈されるべきである。用語「備える、含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「包含する(containing)」は、特に断りのない限り、非限定的用語(すなわち、「including,but not limited to」)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書内に特に指示がない限り、その範囲内にあるそれぞれ別々の値を個々に参照する略記法として機能することを意図しているにすぎず、それぞれ別の値は、本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されている方法はすべて、本明細書内に特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、任意適当な順序で実行され得る。本明細書に提供されるあらゆる例、又は例示的な言い回し(例えば「のような、など(such as)」)の使用は、本発明をより分かりやすく説明することを意図しているにすぎず、特に請求されない限り本発明の範囲を限定するものではない。本明細書内の言い回しは、任意の非請求の要素を本発明の実施に必須なものと指摘していると解釈されるべきではない。
【0059】
[0059]本発明の好ましい実施形態が、本発明を実施するための本発明人に知られる最良の形態を含めて、本明細書に記載されている。そうした好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読んだときに当業者には明らかになり得る。本発明人は、当業者がかかる変形形態を必要に応じて使用することを期待し、本発明人は、本発明が本明細書に明確に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法で許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び均等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形形態における上記要素の任意の組合せは、本明細書で特に指示がない限り又は文脈により明瞭に矛盾しない限り、本発明によって包含される。