【課題】閉断面部材の剛性を確保しつつ被取付面に取付部材を取付けることができるとともに、互いに重ね合わせた被接合面とパネル部材とが車両走行時に擦れることにより発生する異音を防止すること。
【解決手段】パネル部材53は、閉断面部材の上面部51aの車幅方向の外端から内側に向けて連続して延びる領域に、該上面部51aに対して前後各縁のフランジ部51af,51arを含めて上方から重合されるとともに、該前後各縁のフランジ部51af,51arにおいて溶接により接合され、パネル部材53と上面部51aとの重ね合わせ部分Mに、後面部51cと補機取付部材60とを取付けるための作業穴70を、閉断面部材51の外側と閉断面空間51sの側とが貫通するように形成し、重ね合わせ部分Mのうち、上面部51aのみに、該上面部51aの車幅方向外端と作業穴70との間を車幅方向に亘って開口する開口部72を設けた。
上記閉断面部と上記取付け部材とは、共にアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されたものであるとともに、上記被取付面に上記取付部材がリベット部材により押圧接合された
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の車体構造。
【背景技術】
【0002】
図7(a)は、車内空間の両サイド(
図7(a)は車両右側のみ図示)の側面部100に接合され、該側面部100との間に車両上下方向に延びる閉断面空間101sを有するガセット101と、これら両サイドのガセット101の上部を繋ぐように内部に車幅方向に延びる閉断面空間102sを有するクロスメンバとしての閉断面部材102と、を備えた従来の車体後部の一例を示している。
【0003】
詳しくは、
図7(a)は、車両右側のガセット101の上部と閉断面部材102の車幅方向の右端との結合部分およびその周辺部分の一例を模式的に示すものである。
【0004】
図7(a)に示すように、閉断面部材102の内部に有する閉断面空間102sは、上面部102a、下面部102bおよび車両前後方向の各側に有する側面部102c,102dによって画成されている。また、閉断面部材102の上面部102aには、前後夫々に対応する側壁部102c,102dよりも突出するフランジ部102f,102rが車幅方向に沿って一体形成されている。同様に、ガセット101の上面部101aには、前後夫々に対応する側壁部よりも突出するフランジ部101f,101rが車幅方向に沿って一体形成されている。
【0005】
このようなガセット101と閉断面部材102との結合部分には、これらガセット101と閉断面部材102とを連結するパネル部材103を備えている。
【0006】
詳しくは、パネル部材103は
図7(a)に示すように、ガセット101と、閉断面部材102の車幅方向の右側とに跨るように上方から配置されている。これにより、パネル部材103は、ガセット101の上面部101aと閉断面部材102の車幅方向の右側の上面部102aとに対して、夫々の上面部101a,102aに有する前後各側のフランジ部(101f,102f),(101r,102r)を含めて上方から重ね合わせるように配置されている。
【0007】
そして、パネル部材103は、ガセット101および閉断面部材102の各上面部101a,102aとの重合部分のうち、夫々に備えたフランジ部(101f,102f),(101r,102r)に対して溶接等により接合される(
図7(a)(b)中の溶接箇所を示す「×」参照)。
【0008】
これにより、パネル部材103は、ガセット101と閉断面部材102とを連結するためのブラケットとしてのみならず、結合部分を補強する補強部材も兼ねている。
【0009】
ところで、閉断面部材102は内部に閉断面空間102sを有する車体剛性部材であるため、閉断面部材102の周辺に配設される補機(車両部品)(図示省略)を、閉断面部材102における、例えば、側面部102c,102dや下面部102b等といった、パネル部材103を接合する上面部102a以外の構成面に、
図7(b)に示すように取付け部材104を介して取り付けることで、これら補機を閉断面部材102によって支持することができる。
【0010】
図7(b)は
図7(a)中のA−A線矢視断面図であって、閉断面部材102の後面に位置する側面部102dに対して、補機取付けブラケットとしての取付け部材104を取付けた構造を示す断面図である。
【0011】
図7(b)中の符号105は、閉断面部材102の側面部102dの取付け箇所に取付け部材104を取付けために、該取付け箇所に対して閉断面空間102sの側から作業者が工具等をアクセスするための作業穴であって、閉断面部材102の上面部102aに貫通形成されている。
【0012】
また、上述したパネル部材103は、車幅方向においてガセット101の側から作業穴105よりも車幅方向内側に至るまで形成されている。このため、パネル部材103においても作業穴105が貫通形成されている(
図7(b)参照)。このように、パネル部材103を作業穴105の周縁に至るまで形成することで、上面部102aの作業穴105の周縁の補強も兼ねている。
【0013】
しかし、パネル部材103をこのように車幅方向に広範囲に形成した場合、
図7(a)(b)に示すように、上面部102aとパネル部材103との重ね合わせ部分106であって、フランジ部102f,102rに相当する部位以外の部分(非接合領域106A)は、閉断面空間102sに面するため、溶接等によって互いに接合することができず、単に重なり合った状態となる。
【0014】
そうすると、車両走行時に非接合領域106Aにおける上面部102aとパネル部材103とが互いに擦れることにより異音が発生することが懸念される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態の車両は、押出成形されたアルミ合金製の複数のフレームを連結して車体骨格をなす、所謂、スペースフレーム構造を採用するとともに、側方ドアが2ドアタイプのセンターピラーレス構造を採用したスポーツカーである。このような車両の後部車体構造について、
図1から
図6を用いて説明する。但し、本実施形態の車両の後部車体構造は、左右対称形状であるため、車両右側の構造を中心に説明する。
【0030】
また、図示を明確にするため、図中において、リヤサスペンションや後輪等の図示を省略するとともに、
図1中において、ロアアーム支持部21a,21b(ロアアーム前側支持部21aおよびロアアーム後側支持部21b)、アッパアーム支持部22、並びにダンパ支持部23の詳細な図示を省略している。
【0031】
また、図中において、矢印Fは車両前方向を、矢印Rは車両右方向を、矢印Lは車両左方向を、矢印Uは車両上方向を、夫々示している。
【0032】
本実施形態の車両の車体構造は図示省略するが、左右両側に、左右夫々の後輪に対応して、ダブルウィッシュボーン式リヤサスペンションを備え、リヤサスペンションには、リヤサスダンパ、アッパアームおよびロアアームを備えている。
【0033】
さらに本実施形態の車両の後部車体構造は主に、リヤサイドフレーム1、リヤサイドハウジング10、サイドシル3、リヤピラー35、連結フレーム4、および上下各側のクロスメンバ51,52(
図2参照)を備えている。
【0034】
リヤサイドフレーム1は、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、車両前後方向に直線状に延びるとともに、長手方向の直交断面が略矩形の筒状体に形成されている。
【0035】
そしてリヤサイドフレーム1は、車体後部の両サイドにおいて、リヤサイドハウジング10の前側から該リヤサイドハウジング10の後端を越えて該後端よりも車両後方に突出するように車両前後方向と略平行になるように配設されている。
【0036】
リヤサイドフレーム1の後端には図示省略するが、セットプレートおよび取付けプレートを介して、衝突時の衝撃を吸収する筒状体等からなる左右一対のクラッシュカンの前端が接続されている。なお、左右一対のクラッシュカン8の後端は、バンパレインによって連結されている(図示省略)。
【0037】
リヤサイドハウジング10は、リヤサスペンションを車幅方向内側から支持可能に車両側面視でリヤサスペンション(図示省略)と略重複する位置に設けられ、例えばアルミニウム合金をダイキャスト成型することにより製造される。
【0038】
具体的には、リヤサイドハウジング10は、上側縦壁部12と、上側縦壁部12よりも車幅方向内側に離間した位置に有する下側縦壁部13と、上側縦壁部12の上端と上記下側縦壁部13の下端とを車幅方向に繋ぐように車幅方向に略水平に延びる段部14とを備えている。
【0039】
図1、
図3、
図5に示すように、リヤサイドハウジング10の上側縦壁部12の車両側面視で中央部には、車両内側へ膨出する膨出部18が形成されている。膨出部18は内部が車幅方向外側へ開口するように中空状に形成されている。
【0040】
図1に示すように、リヤサイドハウジング10の車幅方向外面の下部には、平面視A型のロアアーム(図示省略)を枢支するロアアーム前側支持部21aとロアアーム後側支持部21bとが設けられている。
【0041】
ロアアーム前側支持部21aは、ロアアームの車両前側の車幅方向内端を枢支するとともに、ロアアーム後側支持部21bは、ロアアームの車両後側の車幅方向内端を枢支するものであり、リヤサイドハウジング10の下側縦壁部13の下部において車両前後方向に互いに離間して設けられている。
【0042】
リヤサイドハウジング10の車幅方向外面における車両上下方向の中間かつ車両前側の位置、すなわち、リヤサイドハウジング10の上側縦壁部12の下部の前側の位置には、平面視I型のアッパアーム(図示省略)の車幅方向内端を枢支するアッパアーム支持部22が設けられている。
【0043】
リヤサイドハウジング10の上部、すなわち、リヤサイドハウジング10の上側縦壁部12の上部の車幅方向外面における、車両前後方向の中間位置には、車両上方程車幅方向内側に位置するように傾斜した姿勢で車両上下方向に沿って延びるリヤサスダンパ(図示省略)の上端部を枢支するダンパ支持部23が設けられている。
【0044】
なお
図1、
図3〜
図5に示すように、リヤサイドフレーム1は、リヤサイドハウジング10の上側縦壁部12と段部14とのコーナー部24に配設されている。
【0045】
また
図1〜
図3に示すように、リヤサイドハウジング10の前部は、後述する3本の連結フレーム4の各後端を車幅方向外面側から接合可能に構成されている。
【0046】
具体的には、リヤサイドハウジング10の前部かつ車両上下方向の中間部には、3本の連結フレーム4のうち、最も上方に位置する後述する第1上側フレーム41の後端を接合する第1上側フレーム後端接合部27が設けられている。
【0047】
リヤサイドハウジング10の前部かつ車両上下方向の中間部には、3本の連結フレーム4のうち、車両上下方向において他の2本の連結フレーム41,43の間に位置する後述する第2上側フレーム42の後端を接合する第2上側フレーム後端接合部28が設けられている。
【0048】
リヤサイドハウジング10の前部かつ下部には、3本の連結フレーム4のうち、最も下方に位置する後述する下側フレーム43の後端を接合する下側フレーム後端接合部29が設けられている。
【0049】
なお、第1上側フレーム後端接合部27と第2上側フレーム後端接合部28とは上述したように、共にリヤサイドハウジング10におけるアッパアーム支持部22の前側周辺部分において上下各側で互いに隣接するように設けられている(
図1〜
図3参照)。
【0050】
上述したリヤサイドハウジング10は、上側縦壁部12と下側縦壁部13と段部14とが、単一の部材であるアルミニウム合金により一体に形成されている。
換言すると、リヤサイドハウジング10は上述したように、アルミニウム合金をダイキャスト成型することにより、ロアアーム支持部21a,21b、アッパアーム支持部22、ダンパ支持部23、第1上側フレーム後端接合部27、下側フレーム後端接合部29、および第2上側フレーム後端接合部28を含めた略全体が単一の部材により一体に形成されている。
【0051】
また、上述したサイドシル3は、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、
図1、
図2に示すようにリヤサイドハウジング10に対して車両前方かつ車幅方向外側へ離間して配設されている。サイドシル3は、リヤサイドハウジング10の前方に車両底面を構成するフロアパネル(図示省略)の両サイドにおいて車両前後方向に沿って配設されている。
【0052】
サイドシル3は、上下各側に互いに離間して配設された閉断面部31,32と、これら上下各側の閉断面部31,32を連結する連結壁33とで形成されている。
【0053】
上下各側の閉断面部31,32(上側閉断面部31と下側閉断面部32の夫々)は共に、サイドシル3の車両前後方向の全長に沿って延びる閉断面空間を内部に有している。
【0054】
図2に示すように、サイドシル3の前端には、車両上下方向に沿って延びるヒンジピラー34が立設されている。ヒンジピラー34は、内部に車両上下方向に沿って直線状に延びる閉断面空間を有するように押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、車両上方程車両前方に位置するように傾斜した姿勢で上側閉断面部31から車両上方へ突き出すように下側閉断面部32に立設されている。
【0055】
図1、
図2、
図4、
図5に示すように、サイドシル3の後端には、車両上下方向に沿って延びるリヤピラー35(Cピラー)が立設されている。リヤピラー35は、内部に車両上下方向に沿って直線状に延びる閉断面空間を有するように押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、車両上方程車両後方に位置するように傾斜した姿勢で上側閉断面部31から車両上方へ突き出すように下側閉断面部32に立設されている。
そしてヒンジピラー34は、上側閉断面部31と下側閉断面部32と連結壁33との各対向部位においてアーク溶接等により一体に接合されている。
【0056】
ここで、以下の説明では一体に接合されたサイドシル3とリヤピラー35とを総称して結合体30とも称する。なお、
図1、
図2、
図4、
図5中の符号36a,36bは、リヤピラー35自体や、リヤピラー35とサイドシル3との接合部分を補強するサイドシル36である。
【0057】
続いて連結フレーム4について説明する。
連結フレーム4は、結合体30と、リヤサイドハウジング10との間において、これらを連結するように車両前後方向に沿って直線状に延びている。連結フレーム4は、複数本を備え、夫々車両上下方向に互いに離間するように配設されている。
【0058】
具体的に連結フレーム4は
図1〜
図3に示すように、車体後部の左右各側において、第1上側フレーム41、第2上側フレーム42および下側フレーム43の3本ずつを備えており、この順に車両上方から下方へ配設されている。
【0059】
第1上側フレーム41は、サイドシル3の上端よりも車両上方位置において、略水平に配設されている。そして、第1上側フレーム41の前端は、リヤピラー35のサイドシル3の上端よりも車両上方位置に該リヤピラー35の後面から接合されている。第1上側フレーム41の後端は、リヤサイドハウジング10における上述した第1上側フレーム後端接合部27に車幅方向外面側から接合されている。
【0060】
第2上側フレーム42は
図1に示すように、車両後方程車両上方に位置するように車両側面視で傾斜して延びている。そして、第2上側フレーム42の前端は、リヤピラー35のサイドシル3の車両上下方向における、上側閉断面部31の後端に相当する位置において、該リヤピラー35の後面から接合されている。第2上側フレーム42の後端は、リヤサイドハウジング10における上述した第2上側フレーム後端接合部28に車幅方向外面側から接合されている。
【0061】
下側フレーム43は、リヤピラー35のサイドシル3の下側閉断面部32の位置であって、ロアアーム前側支持部21aよりも下側位置において、側面視で水平に配設されている。下側フレーム43の前端は、サイドシル3の下側閉断面部32の後端に接合されている。下側フレーム43の後端は、リヤサイドハウジング10における上述した下側フレーム後端接合部29に車幅方向外面側から接合されている。
【0062】
上述した3本の連結フレーム4は、共に、車両後方程車幅方向内側に位置するように傾斜して直線状に延びるとともに、結合体30およびリヤサイドハウジング10の夫々に対して、例えばアーク溶接(ミグ溶接)により一体に接合されている。
【0063】
また
図2に示すように、左右一対のリヤサイドハウジング10間には、上下各側のクロスメンバ(上側クロスメンバ51、下側クロスメンバ52)を備えている。
【0064】
上下各側のクロスメンバ51,52は共に、車幅方向に直線状に延びる閉断面空間を有するように押出成形されたアルミ合金製の押出し部材である。上下各側のクロスメンバ51,52のうち、上側クロスメンバ51は
図2、
図4に示すように、車幅方向の外端が左右夫々に対応するリヤサイドハウジング10へ連結パネル53を介して接続されている。
【0065】
上側クロスメンバ51の上面部51aには、前面部51bの前上端よりも車両前方へ突出する前縁フランジ部51afおよび後面部51cの後上端よりも車両後方へ突出する後縁フランジ部51arが車幅方向の全長に亘って形成されている。
【0066】
図4、
図5に示すように、上側クロスメンバ51の上面部51aは、前後各縁のフランジ部51af,51arも含めて全体が平面状に形成されている。
【0067】
上側クロスメンバ51は、車幅方向外端を左右夫々に対応するリヤサイドフレーム1の上面部1aの前部に下面が載置されるようにしてリヤサイドフレーム1によって支持されている。これにより
図3に示すように、上側クロスメンバ51は、車両側面視でアッパアーム支持部22(
図1参照)の上側周辺部位、すなわち、第1上側フレーム後端接合部27と略一致する部位に配設されている。
【0068】
さらに本実施形態においては
図1〜
図5に示すように、上側クロスメンバ51の後方に、隔壁パネル54(
図1〜
図3参照)と補機取付部材60(
図3〜
図5参照)とを備えている。
【0069】
隔壁パネル54は
図2に示すように、デフ等の補機73(
図4参照)を収容する補機収容空間55と荷室空間56とを仕切る部材であって
図1〜
図3に示すように、上側クロスメンバ51の上面部51aの後縁フランジ部51arから車両後方へ水平に延びる水平部54aと、水平部54aの後端から下方へ垂下する縦壁部54bとで車両側面視でL字形状に一体形成されている。
【0070】
上側クロスメンバ51の前端(51af)よりも後方かつ上方、並びに縦壁部54bの後方は、荷室空間56として構成されている。水平部54aは上方の荷室空間56と下方の補機収容空間55とを仕切っており、上側クロスメンバ51の上面部51aは、荷室空間56の底面の前側部分として形成されている。荷室空間56における隔壁パネル54よりも後方には、水平部54aよりも一段低く形成された荷室凹状空間56uを有している(
図1、
図2参照)。隔壁パネル54の縦壁部54bは、荷室凹状空間56uの前壁として形成されている。
【0071】
図3〜
図5に示すように、補機取付部材60は、アルミ合金等の金属製のダイキャスト部材であり、車両平面視で上側クロスメンバ51と左右各側のリヤサイドフレーム1との車両平面視におけるコーナー部に夫々備えている。補機取付部材60は、上側クロスメンバ51に対して車両後方で隣接するように該上側クロスメンバ51と同じ高さにおいてリヤサイドフレーム1の上面部1aに載置するように配設される。
【0072】
本実施形態の補機取付部材60は、補機収容空間55に収容された補機73としてのデフを、デフマウント69(
図4において車両右側のみ図示)を介して取付け支持する。
【0073】
補機収容空間55は、上側クロスメンバ51の後方かつ、左右一対のリヤサイドフレーム1の車幅方向の間の空間に有している。なお、この補機収容空間55は上述したように、隔壁パネル54によって荷室空間56と仕切られている。これにより、隔壁パネル54の水平部54aは、左右一対の補機取付部材60も含めて補機73を上方から覆っている。
【0074】
図3〜
図5に示すように、補機取付部材60は、下部にマウント取付部62(
図4、
図5参照)が形成された本体部61と、車幅方向外側フランジ部63と上側フランジ部64(
図5参照)と前壁フランジ部65(
図4、
図5参照)と後壁フランジ部66(
図5参照)とで一体形成されている。
【0075】
図3に示すように、車幅方向外側フランジ部63は、本体部61の下端かつ車幅方向の外縁から車両前後方向に沿って車幅方向外側に突出形成されている。
図5に示すように、上側フランジ部64は、本体部61の上端かつ車幅方向内端から車両前後方向に沿って車幅方向内側に突出形成されている。
図4、
図5に示すように、前壁フランジ部65は、車幅方向外側フランジ部63および上側フランジ部64の各前端から本体部61の前壁を形成するように突出形成されている。
図5に示すように、後壁フランジ部66は、本体部61および上側フランジ部64の各後端から本体部61の後壁を形成するように突出形成されている。
【0076】
補機取付部材60は、前壁フランジ部65が上側クロスメンバ51の後面部51cに、上側フランジ部64および後壁フランジ部66が連結パネル53に(
図4、
図5参照)、車幅方向外側フランジ部63がリヤサイドフレーム1の上面部1aに(
図5参照)、夫々接合されている。
【0077】
これにより
図5に示すように、補機取付部材60は、リヤサイドフレーム1と上側クロスメンバ51との車両平面視におけるコーナー部において、マウント取付部62が下方に有する補機収容空間55を臨むように、リヤサイドフレーム1と上側クロスメンバ51と連結パネル53とに跨って取り付けられている。
【0078】
連結パネル53は、上側クロスメンバ51をリヤサイドハウジング10に連結するためのブラケットであるとともに車両走行時にリヤサスペンションに備えたリヤサスダンパ(図示省略)の上端部から荷重が入力されるダンパ支持部23を補強する補強部材を兼ねるものである。
【0079】
図2、
図4に示すように、連結パネル53は、平面部53aと縦面部53bと隆起部53cと段落ち面部53dと後面部53eを備えて金属により一体に形成されている。
【0080】
図4に示すように、平面部53aは、上側クロスメンバ51の上面部51aの前縁(51af)から補機取付部材60の後端との間において車両前後方向に延びるとともに、補機取付部材60の車幅方向内端とリヤサイドハウジング10の上側縦壁部12の車幅方向内面との間において車幅向に延びており、全体として平面状(平坦状)に形成されている。この平面部53aは、上側クロスメンバ51の車幅方向外側部分51ao(
図5参照)の上面部51a、第1上側フレーム41の後部側の上面部41u(
図4参照)、補機取付部材60の上側フランジ部64(
図5参照)に跨って上方から配置されており、これらとの対向部において互いに接合されている。
【0081】
段落ち面部53dは、平面部53aよりも車両後方において平面部53aに対して一段低い位置に配置され、リヤサイドフレーム1の上面部1aに接合されている(
図4参照)。
【0082】
後面部53eは、平面部53aの後端の車幅方向における、補機取付部材60の後壁フランジ部66(
図5参照)に相当する部位から下後方向へ傾斜して延び、該後壁フランジ部66に接合される(
図4参照)。
【0083】
縦面部53bは、平面部53a、段落ち面部53dおよび後述する隆起部53cの各車幅方向外端から縦壁状に形成され、リヤサイドハウジング10の上側縦壁部12および、第2上側フレーム42の上面部41uの車幅方向外端から上方へ突出されるリブ41tに車幅方向内面から接合される(
図4参照)。
【0084】
隆起部53cは
図2、
図4に示すように、リヤサイドフレーム1の上面部1aとリヤサイドハウジング10の上側縦壁部12とのコーナー部24において平面部53aおよび段落ち面部53dに対して上方かつ縦面部53bに対して車幅方向内側に隆起している。隆起部53cは、連結パネル53をリヤサイドハウジング10に接合した状態において、上側縦壁部12に設けた膨出部18(
図1、
図3参照)を内部に格納するように膨出部18の車幅方向外面に対して車幅方向内面から隣接して配されるように車幅方向外側程低くなるように傾斜して形成されている。
【0085】
ここで、ダンパ支持部23は、リヤサイドハウジング10における、膨出部18の車幅方向外面に設けられている。このため、車両走行時にリヤサスダンパからダンパ支持部23に入力される荷重に対して、該ダンパ支持部23を連結パネル53における特に隆起部53cによって車幅方向内側から補強することができる。
【0086】
ところで、連結パネル53の平面部53aは、その一部(前側部分)が上述したように、上側クロスメンバ51の上面部51aの車幅方向外側部分51aoに上方から配置されている(
図4参照)。
【0087】
ここで、上側クロスメンバ51の上面部51aにおける、連結パネル53の平面部53aが配置される車幅方向外側部分51aoは、該上面部51aの車幅方向外端から車幅方向内側へ延びる部分であって、少なくとも車両前後方向における補機取付部材60の車幅方向内端に相当する位置に至る部分に相当する(
図5参照)。
【0088】
そして
図4に示すように、上面部51aの車幅方向外側部分51aoにおける、車両前後方向の全長(前端と後端との間)に亘って平面部53aが上方から配置される。
【0089】
このような上面部51aと平面部53aとの重ね合わせ部分Mにおいて、上面部51aの前縁と平面部53aの前縁とは車幅方向に沿って車両前後方向に一致している。
【0090】
また
図6(a)(b)に示すように、重ね合わせ部分Mのうち、上面部51aの前縁フランジ部51afと後縁フランジ部51arとの夫々に相当する部位において、上面部51aと平面部53aとは、互いに接合されている。すなわち、上面部51aの前縁フランジ部51afと、これに重合する平面部53aの対応部分とは、車幅方向に沿ってアーク溶接により互いに接合されている(
図4、
図6(a)(b)中において溶接箇所を示す符号w参照)。同様に上面部51aの後縁フランジ部51arと、これに重合する平面部53aの対応部分とは、車幅方向に沿ってアーク溶接により互いに接合されている(同符号w参照)。
【0091】
一方
図4、
図5、
図6(a)(b)に示すように、上面部51aにおける、前縁フランジ部51afの後端と後縁フランジ部51arの前端との車両前後方向の間の部分(以下、「上面部閉断面構成部分51am」と称する。)は、上側クロスメンバ51の内部の閉断面空間51sの上面を画成する部分に相当する(
図4、
図5中のドットを付した領域参照)。
【0092】
重ね合わせ部分Mにおいて、上面部51aは上述したように平面部53aと面接触状態に重合しているが、上面部51aのうち、上面部閉断面構成部分51amは、前後各側のフランジ部51af,51arと異なり、平面部53aと接合されていない。すなわち、上面部閉断面構成部分51amは、閉断面空間51sに面しているため、平面部53aとの接合において、溶接等による接合が制限される。よって、上面部閉断面構成部分51amと、これに重合する上面部閉断面構成部分51amとの対応部分とは互いに接合されていない。以下、重ね合わせ部分Mのうち、後面部51c相当する部分を、「非接合部分Ma」と称する(
図4、
図6(a)(b)参照)。
【0093】
また
図2〜
図6(a)に示すように、非接合部分Maの車幅方向内側に相当する部位には、上側クロスメンバ51に補機取付部材60を取付けるに際して利用される作業穴70が貫通形成されている。
【0094】
作業穴70は、非接合部分Maの車幅方向内側における、平面部53aと上面部51aとの双方に貫通しており、上側クロスメンバ51の閉断面空間51sと、該閉断面空間51sの外側とを車両上下方向に連通するものである。
当例では、作業穴70は、車幅方向と比して車両前後方向に長い長穴形状に形成されている。
【0095】
ここで
図4、
図5、
図6(a)に示すように、補機取付部材60は、上述したように前壁フランジ部65が上側クロスメンバ51の後面部51cに接合されているが、リベット部材71を用いて接合されている。
この点について詳述すると、補機取付部材60の前壁フランジ部65を上側クロスメンバ51の後面部51cに接合するに際して、例えば、溶接により接合することが考えられる。
【0096】
しかしながら、上側クロスメンバ51と補機取付部材60とは共にアルミ二ウム合金製であり、しかも、上側クロスメンバ51は押出し部材であるのに対して補機取付部材60はダイキャスト部材である。このような部材の組み合わせの場合、溶接の相性が一般に低いとされていることから、上側クロスメンバ51と補機取付部材60との接合箇所の強度を確保する点で懸念される。
【0097】
また、補機取付部材60の前壁フランジ部65を上側クロスメンバ51の後面部51cに接合するに際して、例えば、スクリューを用いることも考えられる。
【0098】
しかしながら、スクリューを用いて前壁フランジ部65と後面部51cとの取付け箇所に穿孔する際に、前壁フランジ部65や後面部51cの表面に形成された防錆層が取付け箇所周辺において剥離することで、該取付け箇所周辺の防錆性を確保できないことが懸念される。
【0099】
このため、本実施形態においては、前壁フランジ部65を後面部51cに対してリベット部材71を用いて取り付ける構成を採用している。
前壁フランジ部65を後面部51cに対してリベット部材71を用いて取り付ける作業の一例について説明する。まず作業者は、一対のリベット部材取付工具(図示省略)のうち、一方を上側クロスメンバ51の後面部51cの側(すなわち閉断面空間51sの側)に、他方を補機取付部材60の前壁フランジ部65(すなわち閉断面空間51sの外側)に配する。
【0100】
そして、他方のリベット部材取付工具から前壁フランジ部65から後面部51cに向けてリベット部材71を打ち込みつつ、一方のリベット部材取付工具によって閉断面空間51sの側からリベット部材71を受け止める(図示省略)。
【0101】
これにより
図6(a)および
図6(a)のX部拡大部分としての
図6(b)に示すように、リベット部材71は、先端が前壁フランジ部65を貫通するが後面部51cを貫通することなく、これら65,51cに埋設した状態で突き刺さる。同時にリベット部材71の先端は、後面部51cの内部において拡径することで、該後面部51cにおける、リベット部材71の周辺部分に係合することができる。
【0102】
このようにして前壁フランジ部65を後面部51cに対してリベット部材71を用いて取り付けることで、強固な取り付け状態を得ることができつつ、リベット部材71は、取り付け箇所において前壁フランジ部65と後面部51cとの双方を貫通することがないため、取り付け箇所を通じた後面部51cの止水性も確保することができる。
【0103】
ところで、上述した非接合部分Maに形成した上記の作業穴70は、前壁フランジ部65を後面部51cに対してリベット部材71を用いて取り付け作業する際に利用する作業穴であって、作業者が、上側クロスメンバ51の上方から作業穴70を介して閉断面空間51sの側から後面部51cに一方のリベット部材取付工具をアクセスするための作業穴である。
【0104】
換言すると、本実施形態においては、非接合部分Maを含めた重ね合わせ部分Mの車幅方向内端が作業穴70よりも車幅方向内側に位置するように設定したものである。
【0105】
ここで、連結パネル53は、平面部53aを上側クロスメンバ51の上面部51aの車幅方向外端から作業穴70の位置よりも車幅方向内側に至るまで(当例では、作業穴70の車幅方向内側の周縁に至るまで)車幅方向に長く形成したものである。これにより、平面部53aと上面部51aとの接合面積を車幅方向に沿って大きく確保できるため、互いの接合強度を高めることができる。加えて、重ね合わせ部分Mの作業穴70の周辺部位についても上面部51aに対して平面部53aを重合させることで、上面部51aのみに作業穴70を貫通形成する場合と比して作業穴70の周辺部位の強度についても高めることができる。
【0106】
但し、上述したように、重ね合わせ部分Mのうち、非接合部分Maは、平面部53aと上面部閉断面構成部分51amとを重ね合わせただけの部分であって、上面部閉断面構成部分51amの車幅方向外端から作業穴70よりも車幅方向内側に至るまで車幅方向に広範囲に形成した部位である。
【0107】
このため、車両走行時における車体の振動により、非接合部分Maにおいて上面部閉断面構成部分51amと平面部53aとが擦れることで、異音の発生が懸念される。
【0108】
これに対して
図3、
図4、
図5、
図6(b)に示すように、本実施形態では、非接合部分Maのうち、上面部51aの車幅方向の外端と作業穴70との間に亘って開口(貫通)形成している。
【0109】
すなわち、非接合部分Maのうち、上面部51aの車幅方向の外端と作業穴70との間に亘って形成した開口部(72)は、この部分において、平面部53aが上面部51aと重合することを回避する重合回避開口部72として形成することができる。
【0110】
換言すると、上面部51aに形成された作業穴70と、上面部51aの車幅方向外端よりも外側の空間とは、重合回避開口部72を介して車幅方向に連通している。
【0111】
すなわち、上面部51aの左右両サイドには、左右夫々に対応する車幅方向外端から作業穴70に至るまで車幅方向内側へ切欠き状に開口する切欠き状開口部(70,72)が貫通形成されている。
【0112】
一方
図4、
図6(b)に示すように、非接合部分Maのうち、平面部53aについては車幅方向の外端と作業穴70との間に亘って開口(貫通)形成しておらず、重合回避開口部72を上方から塞ぐように形成されている。
なお、本実施形態においては、非接合部分Maのうち、上面部51aの側のみに重合回避開口部72を貫通形成したが、平面部53aの側のみに重合回避開口部72を貫通形成してもよい。
【0113】
但し、例えば、平面部53aの側のみに重合回避開口部72を貫通形成した場合には、平面部53aの重合回避開口部72に相当する部位に上面部51aを底面とする凹部が形成される(図示省略)。これに対して本実施形態のように、非接合部分Maのうち、上面部51aの側のみに重合回避開口部72を貫通形成することにより、平面部53aの重合回避開口部72に相当する部位に凹部が形成されず平面状に形成できるため、水が溜まるおそれがないメリットを有する。
【0114】
上述した本実施形態の車両の車体構造は、長手方向(延在方向)の直交断面において複数の構成面としての上面部51a、前面部51b、後面部51cを有して画成される閉断面空間51sを内部に有する上側クロスメンバ51(閉断面部材)と、複数の構成面51a,51b,51cのうち、前後各縁のフランジ部51af,51ar(接合フランジ部)を備えた面である上面部51a(被接合面)に接合される連結パネル53(パネル部材)と、複数の上記構成面51a,51b,51cのうち、上面部51aとは異なる面である後面部51c(被取付面)に取り付けられる補機取付部材60(取付部材)と、を備えた車両の車体構造において、連結パネル53は、上面部51aの車幅方向の外端から内側に向けて連続して延びる領域に、該上面部51aに対して前後各縁のフランジ部51af,51arを含めて上方から重合されるとともに、該前後各縁のフランジ部51af,51arにおいて溶接により接合され(
図2、
図4、
図6(a)(b)参照)、連結パネル53と上面部51aとの重ね合わせ部分Mに、後面部51cと補機取付部材60とを取付けるための作業穴70を、上側クロスメンバ51の外側と閉断面空間51sの側とが貫通するように形成し(
図2〜
図5、
図6(a)参照)、重ね合わせ部分Mのうち、上面部51aのみに、該上面部51aの車幅方向外端と作業穴70との間を車幅方向に亘って開口させる開口部72が設けられたものである(
図3、
図5、
図6(b)参照)。
【0115】
上記構成によれば、上側クロスメンバ51に補機取付部材60を取付けるにあたり、上面部51aに作業穴70を設けるが、この作業穴70を連結パネル53と上面部51aとの重ね合わせ部分Mに設けることで、作業穴70の周縁を連結パネル53によって補強することができる。よって、上面部51aに作業穴70を設けることに起因する上側クロスメンバ51の剛性低下を抑制できる。すなわち、上側クロスメンバ51の剛性を確保しつつ後面部51cに補機取付部材60を取付けることができる。
【0116】
さらに上記構成によれば、連結パネル53と上面部51aとの重ね合わせ部分Mのうち、前後各縁のフランジ部51af,51arを除く領域(非接合部分Ma)は、互いに接合されずに重なり合った状態となるため、車両走行時に擦れることに起因する異音の発生が懸念される。
【0117】
これに対して上述したように、上面部51aに、該上面部51aの車幅方向の外端と作業穴70と亘って開口する開口部72を設けることで、非接合部分Maにおける略全体において上面部51aと連結パネル53の平面部53aとの重なり合いを大幅に回避できる。
従って、車両走行時に上面部51aが連結パネル53と擦れることがなく、異音の発生を抑制することができる。
【0118】
この発明の態様として、上側クロスメンバ51が押出し成形により形成された押出し部材である(
図6(a)(b)参照)。
【0119】
上記構成によれば、上側クロスメンバ51は、上面部51aの前後各縁にフランジ部51af,51arを備えた、フランジ付の筒状に構成されているが、このような形状であっても押出し成形により形成することで、例えば、プレス成形により形成された複数のパネル部材を組み合わせて構成する場合と比して高剛性に構成することができる。
【0120】
さらに、上側クロスメンバ51は、内部に閉断面空間51sを有する車体剛性部材であるため、該上側クロスメンバ51の周辺に配設される補機73(車両部品)を、上側クロスメンバ51における、例えば、後面部51cに補機取付部材60を介して取り付けることで、これら補機73を上側クロスメンバ51によってしっかりと支持することができる。
【0121】
この発明の態様として、連結パネル53は、車幅方向の両側に離間して配設された車体構成部材としてのリヤサイドハウジング10と上側クロスメンバ51とを連結するブラケットとして構成され、前後各縁のフランジ部51af,51arと連結パネル53とは、上面部51aの車幅方向における少なくとも、車幅方向外端と作業穴70よりも車幅方向内側の位置との間に亘って互いに接合されたものである(
図4参照)。
【0122】
上記構成によれば、連結パネル53は、上側クロスメンバ51とリヤサイドハウジング10とを連結するブラケットおよび、これら51,10の連結部分の補強部材として、上面部51aの車幅方向における、外端から少なくとも作業穴70の周縁に至るまで車幅方向の広範囲に亘って接合することができる。
【0123】
これにより、車体構成部材と上側クロスメンバ51とを、ブラケットとしての連結パネル53を介して強固に接合できる。
【0124】
この発明の態様として、車体構成部材は、リヤサスペンションを支持するリヤサイドハウジング10で構成されたものである(
図1〜
図5参照)。
【0125】
上記構成によれば、車体構成部材を、サスペンションを支持するリヤサイドハウジング10で構成したものである。ここで、連結パネル53は上述したように、上側クロスメンバ51とリヤサイドハウジング10とを連結するブラケットおよび、これら連結部分の補強部材として、上面部51aの車幅方向の外端から少なくとも作業穴70の周縁に至るまで車幅方向において広範囲に亘って接合されている。
【0126】
よって、車両走行時に車輪からリヤサスペンションに加わる荷重を、連結パネル53を介してリヤサイドハウジング10から上側クロスメンバ51へと効率よく伝達することができ、結果として、リヤサスペンションの支持剛性を確保することができる。
【0127】
この発明の態様として、上側クロスメンバ51と補機取付部材60とは、共にアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されたものであるとともに、上側クロスメンバ51の後面部51cにおける補機取付部材60を取付ける取り付け箇所において、後面部51cと補機取付部材60の前壁フランジ部65とが、夫々の背反側からの押圧によって押圧接合部材としてのリベット部材71を用いて接合されたものである(
図4、
図6(a)参照)。
【0128】
上記構成によれば、後面部51cと前壁フランジ部65との取り付け箇所において、これら51c,65に跨るように埋設されたリベット部材71は先端が拡径するように圧潰した状態で埋設するため、後面部51cと前壁フランジ部65とを強固に接合できる。さらに後面部51cと前壁フランジ部65とを、例えば、スクリューやボルト等の締結部材を用いて接合する場合のように取り付け箇所に締結用の貫通孔が形成されることがないため、後面部51cと前壁フランジ部65との取り付け箇所を通じて上側クロスメンバ51の閉断面空間51sが被水することを回避することができる。
【0129】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。