【課題】 軽量・軟弱・長尺(さらにはほぼ扁平)といった特殊な包装体を所定個数纏めて箱詰めする場合であっても、確実に効率よく作業ができる箱詰め装置および箱詰め方法を提供できる。
【解決手段】 箱詰め装置300は、長尺の物品XA1を複数纏めて箱体YA1に収容するものであり、上流から搬送される複数の物品XA1を物品群XA3として支持する支持手段301と、支持手段301に支持される物品群XA3を外側から中心方向に向かって圧縮する圧縮手段302,306と、圧縮された状態の物品群の長手方向の一端側を支持して箱体YA1内に向かって押送する押送手段303と、を有する。
前記支持手段および前記圧縮手段は、前記物品群の押送経路に対して進退可能に構成され、該物品群の押送に伴い前記物品群および前記押送手段とは干渉しない位置に退避する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の箱詰め装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<集積・箱詰めシステム/全体構成>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る箱詰め装置300について説明する。箱詰め装置300は、物品(ここでは包装体)XA1を所定個数集積して物品群XA3とし、当該物品群XA3毎に箱体に収容する集積・箱詰めシステム10の一部に含まれる。
図1は、その集積・箱詰めシステム10の概要を示す図であり、同図(A)が全体構成の一例を示す側面図であり、同図(B)が搬送される物品XA1の一例を示す平面図、同図(C)が物品XA1の一例を示す側面図である。本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0014】
図1(A)を参照して、集積・箱詰めシステム10は、例えば、上流工程から個々に搬送される物品XA1を所定の第一個数(例えば、5個)ずつ集積して第一物品群XA2とする第一集積手段100と、第一集積手段100が集積する第一物品群XA2を更に所定の複数組(例えば、10組)集積し、第二物品群XA3とする第二集積手段200と、当該第二物品群XA3毎に纏めて(一括して)箱体(ここでは不図示)に収容する箱詰め装置300等を有する。
【0015】
図1(B),同図(C)を参照して物品(包装体)XA1は例えば、単一の被収容物品(ここではカテーテル)20を、台紙21および樹脂フィルム22で挟むように収容したブリスターパックである。物品XA1の外形状は平面視において短辺SLに比して長辺LLが大幅に長い(例えば、短辺SLに対して長辺LLが5倍以上など)の矩形状である。また、台紙21および樹脂フィルム22はいずれも柔軟で薄い材料であり、物品XA1最大高さは例えば被収容物品20の高さ(カテーテルの直径(例えば、0.3mm〜20mmなど))と略同等となる、略扁平の包装体である。
【0016】
再び
図1(A)を参照して、物品XA1は、個々に外観検査等が行なわれた後、第一搬送手段(例えば、ベルトコンベア)101により搬送される。
【0017】
第一集積手段100は例えば、第一搬送手段101の下流端部に配置される第二搬送手段102を有する。第二搬送手段102は例えば、バケット103を間欠移動させるバケットコンベアである。第一集積手段100は、バケット103を受け入れ位置で一旦停止させ、第一搬送手段101から例えば自然落下する物品XA1を複数個(例えば5個)ずつ受け入れた後、下流に搬送する。
【0018】
第二集積手段200は、第一集積手段100の下流に配置され、物品XA1の移載手段201と収容手段250を有する。移載手段201は例えば不図示のロボットアームとその先端に取り付けられたハンド202を有し、3次元空間内を任意に移動可能に構成される。移載手段201は、第一集積手段100のバケット103内の複数個の物品XA1(第一物品群XA2)を纏めて保持し、収容手段250に移載する。収容手段250は、複数個(複数組、例えば10組)のバケット103内の第一物品群XA2を受け入れ、第二物品群XA3として纏めて下流工程に移送する。具体的には、収容手段250は、所定のタイミングおよび位置において収容している複数の物品XA1(第二物品群XA3)を排出可能に構成されている。この例では、収容手段250は上下方向に移動可能に構成されるとともに、その底部251が開閉可能に構成される。収容手段250は、物品XA1が所定数(例えば、50個)になると下方に移動してその底部251を開放し、収容手段250の下方に配置される第三搬送手段260(例えば、バケットコンベア)に複数の物品XA1(第二物品群XA3)を移載する。第三搬送手段260は例えば、複数のバケット261を間欠移動させるバケットコンベアである。
【0019】
本実施形態の箱詰め装置300は、第三搬送手段260の下流に配置され、バケット261内の複数の物品(第二物品群XA3)を纏めて受け入れ、一括して箱体(ここでは不図示)に収容する。
【0020】
集積・箱詰めシステム10(第一集積手段100、第二集積手段200および箱詰め装置300)の各部は、制御ユニット(不図示)によって統括的に制御される。すなわち、集積・箱詰めシステム10の各部は、制御ユニットの制御下において動作して、その動作状況が制御ユニットによって管理されている。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROM等から構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0021】
<箱詰め装置>
<全体構成>
図2は、本実施形態に係る箱詰め装置300の概略を示す図である。ここで、本実施形態の箱詰め装置300は、長尺の物品XA1をその長尺方向に押送して箱体に収容するものであり、箱詰め装置300に関する以下の説明(
図2以降の図面)においては便宜上、長尺の物品XA1が箱体に収容される第一方向(物品XA1の長尺方向)を押送方向Tといい、第一方向(押送方向T)に垂直な第二方向を高さ方向Hといい、第一方向(押送方向T)と第二方向(高さ方向H)のいずれにも垂直な方向な第三方向を幅方向Wと称する。この例では、押送方向Tと幅方向Wは床面に対して水平な方向であり、高さ方向Hは鉛直方向である。
【0022】
また、箱詰め装置300が取り扱う物品群は、第二物品群XA3(例えば、50個の物品XA1)のみであるので、以下の説明においては、単に物品群XA3と称して説明する。
【0023】
図2(A)〜同図(C)が
図1に示す箱詰め装置300部分を抜き出して示す図であり、押送方向Tの一方(上流)側から見た正面図である。また同図(D)は、幅方向Wの一方(下流)側から見た側面図である。また、同図(E)〜同図(H)は、同図(A)〜同図(C)に示す箱詰め装置300の一部の構成を抜き出して示す長さL方向から見た正面図である。
【0024】
図1および
図2に示すように、本実施形態の箱詰め装置300は、長尺の物品XA1を複数纏めた物品群XA3をここでは不図示の箱体に収容するものであり、支持手段301と、圧縮手段302、306と、押送手段303とを有する。
【0025】
支持手段301は、例えば、不図示の駆動手段(例えばエアシリンダーなど)によって高さ方向Hに移動(昇降)可能に構成されたリフトであり、上流の第三搬送手段260(以下、単に「搬送手段260」と称する)によって搬送される物品群XA3を支持して箱詰め装置300に受け入れる。支持手段301は、例えば高さ方向Hの上方が開放した略コの字形状を呈している。
【0026】
具体的には、箱詰め装置300の支持手段301は、同図(A)に示す下降位置(例えば、支持手段301の上端の高さ位置が搬送手段260のバケット261下方の位置)と、同図(C)に示す上昇位置の間で上下(高さ方向H)に移動可能に構成される。同図(A)に示すように搬送手段260は、バケット261に収容した物品群XA3を、例えば同図(A)の左(上流)から右(下流)に向かって搬送する。支持手段301は下降位置で待機し、その上方にバケット261が位置すると上昇してバケット261内の物品群XA3を下方から支持するとともに上方に掬い上げる(同図(B))。引き続き支持手段301は上昇し、箱詰め装置300の押送経路上の初期位置(支持手段301の上昇位置)に物品群XA3を移動させる(同図(C))。
【0027】
物品群XA3は、初期位置において押送手段303によって支持され、押送方向Tの下流側に押送される。本実施形態の箱詰め装置300は、搬送面など、物品群XA3を載置してその上を滑らせるように移動させる部材は有しておらず、物品群XA3の一端側および又は外周の一部を支持しながら押送される。押送経路とは、空間内において押送手段303に支持された物品群XA3が箱体YA1内に収容されるまでの移動経路を言う。
【0028】
同図(D)は、支持手段301が物品群XA3を掬い上げる状態を示す搬送手段260の上流方向から見た側面図である。
【0029】
後述するが、支持手段301は、押送方向Tにおいて搬送手段260のバケット261を挟むように複数(分割して)設けられている。ここでは一例として、支持手段301は、押送方向Tの上流(上手、図示左側)と下流(下手、図示右側)に2個設けられている。また、バケット261は押送方向Tにおける両端から、物品XA1(物品群XA3)の押送方向Tの両端が突出するような長さに設定されている。
【0030】
そして、支持手段301(301A、301B)はその上方にバケット261が移動すると、下降位置から上昇し、バケット261の押送方向Tの両端から突出した物品群XA3を下方から支持し、そのまま上昇する。このようにしてバケット261から支持手段301に物品群XA3が受け渡される。
【0031】
なお、これも後述するが、押送手段303は、同図(D)では例えば上流(左側)の支持手段301の更に上流(左側)に配置されている。同図(C)に示す上昇位置では支持手段301が押送手段303の押送方向Tの下流(紙面の奥)側に配置されることになるので、押送手段303を破線で示している。
【0032】
同図(E)〜同図(H)は支持手段301と圧縮手段302、306を抜き出し、圧縮の様子を示す概要図である。
【0033】
圧縮手段302、306は、支持手段301に支持される物品群XA3を外側から中心方向(高さ方向の中心位置方向、柱状体(直方体)と見做した場合の(略)中心軸方向)に向かって圧縮する。
【0034】
圧縮手段302は、この例では、第一押圧部302と、第2押圧部306を含む。第一押圧部302は、支持手段301の少なくとも一部に対向して配置され、物品群XA3を一の方向(例えば、高さ方向Hの上方から下方)に押圧するアッパーである。つまり、第一押圧部302も、支持手段301に対応して上流側と下流側に配置される。また、第二押圧部306は、物品群XA3を第一押圧部(アッパー)302とは異なる他の方向(例えば、幅方向W)に押圧する。
【0035】
より具体的に説明すると、同図(E)は、支持手段301が物品群XA3を支持して上昇位置に移動した状態である。この状態で物品群XA3は、押送方向Tの上流側と下流側の2箇所で支持手段301によって支持されている(同図(D)参照)。そして、第一押圧部302は、支持手段301に対向するようにその上方に位置している。第一押圧部302は、同図(E)に示す退避位置と、その下方の圧縮位置(同図(F)参照)の間で、高さ方向Hに移動(昇降)可能に構成されている。
【0036】
同図(F)は、第一押圧部302が圧縮位置まで下降し、支持手段301が支持する物品群XA3を上方から下方に圧縮している状態を示している。このとき支持手段301は移動が規制されており、物品群XA3は第一押圧部302と支持手段301によって、押圧前の状態から少なくとも高さ方向H(図示上下方向)に圧縮される。2箇所(上流側と下流側)の第一押圧部302の移動は同期され、2箇所の支持手段301(上流側の支持手段301Aと下流側の支持手段301B)の移動は同期されている。
【0037】
第二押圧部306(306A,306B)は、押送経路上にある物品群XA3を挟んで幅方向Wの両側に対向配置される例えば一組のL字ガイドであり、幅方向W(左右)の第二押圧部306A,306Bが互いに近接・離間するように構成されている。具体的には、第二押圧部(L字ガイド)306A,306Bは、同図(F)に示す退避位置と、同図(G)に示す圧縮位置の間で移動可能に構成されている。そして、同図(F)に示すように、退避位置にある第二押圧部306は、第一押圧部302の下降(押圧)に合わせて圧縮位置に移動を開始する。
【0038】
同図(G)は、第二押圧部306(306A,306B)が圧縮位置に移動した状態を示す。圧縮位置では、第二押圧部306の側面は少なくとも幅方向Wにおいて支持手段301(破線で示す)の側面よりも内側に入り込むように構成されている。これにより物品群XA3は対向する第二押圧部306によって、支持手段301で支持されている状態(押圧前の状態)から少なくとも幅方向W(図示左右方向)に圧縮される。なお、この例では第一押圧部302は、下降時には支持手段301と共に物品群XA3を押圧するので、支持手段301も圧縮手段の一部といえる。同図(G)に示す、圧縮手段302、306によって圧縮された状態(圧縮状態)が物品群XA3が最もその中心方向に圧縮された状態である。圧縮状態では、纏められた内側の物品XA1が押送中に移動(離脱)しないよう、複数の物品XA1同士が互いに密着する程度に、圧縮手段302、306および支持手段301によって十分な圧縮が行われる。
【0039】
そして物品群XA3の圧縮状態において、押送手段303が物品群XA3を支持する。押送手段303は、第二押圧部(L字ガイド)306よりも押送方向Tの上流側に配置され、圧縮された状態の物品群XA3の長手方向の一端(上流)側を支持して、下流側に配置される箱体(ここでは不図示)内に向かって押送する。押送手段303は、押送方向Tに延びる押送軸304と、押送軸304の一端に固定された押送支持部305を有する。押送支持部305は、例えば、物品群XA3の一端側の外周を略矩形(略正方形)または略円形に囲む板(羽)状部を有する。当該板状部は、物品群XA3の一端側の外周部分に近接し、押送時に物品群XA3が離脱しないようにガイドする。また板状部は例えば、押送軸304を中心に略矩形(略正方形)または略円形の面積を拡張または縮小(拡径または縮径)するように移動可能に構成されてもよい。押送支持部305は板状部を縮小することで物品群XA3の一端側の外周部分により近接(又は密着)可能となり、押送時のガイドが確実となる。この例では押送支持部305は、押送手段303が初期位置にあるときには拡張され、押送を開始する際に押送支持部305を縮小してガイドする場合を例示するが、押送支持部305は拡径または縮径せずに物品群XA3をガイドする構成であってもよい。
【0040】
図3は、箱詰め装置300の全体の構成を示す概略図であり、同図(A)が幅方向Wの一方側から見た側面図、同図(B)が高さ方向Hの上方からみた平面図(上面図)である。同図(A)は左が押送方向Tの上流側、右が押送方向Tの下流側である。
【0041】
本実施形態の箱詰め装置300は、上述の構成に加えて、押送支持部305による物品群XA3の押送をガイドするガイド部材307、および、箱体YA1内への物品XA3の収容をガイドする収容ガイド部材308を備える。
【0042】
ガイド部材307は、物品群XA3の押送経路(押送手段303に支持された物品群XA3が箱体YA1内に移動するまでの経路、初期位置から押送方向Tに沿って水平に延びる経路、同図に大破線で示す)に対して進退可能に構成され、物品群XA3の押送に伴って進出して該物品群XA3をガイドする。
【0043】
ガイド部材307(307A,307B)は、搬送経路上にある物品群XA3を挟んで両側に対向配置され、例えば互いに対向側が開放される一組のC字ガイドであり、左右のガイド部材307A,307Bが互いに近接・離間するように構成されている。具体的には、ガイド部材307(C字ガイド)307A,307Bは、互いに離間する退避位置(同図(B)に破線で示す)と、互いに近接し、物品群XA3の外周を覆うガイド位置(同図(B)に実線で示す)の間で移動可能に構成されている。そして、ガイド位置にある場合に物品群XA3の押送をガイドする。
【0044】
さらにガイド部材307は、第一押圧部302(支持手段301)と同様に、押送方向Tにおいて、2箇所の第一押圧部302と交互になるように複数(分割して)設けられている。ここでは一例として、ガイド部材307は、押送方向Tの上流(図示左側)のガイド部材307A,307Bと,下流(図示右側)のガイド部材307C,307Dとを有する。下流側のガイド部材307C,307Dの動作及び構成は、上流側のガイド部材307A,307Bと同様である。
【0045】
収容ガイド部材308は、例えば、押送方向Tの両端にサイズの違う開放端O1、O2を有する四角錘台の筒状体である。大きい開放端O1を押送方向Tの上流側、小さい開放端O2を下流側に配置するとともに当該開放端O2を箱体YA1の開口部OPに挿入する。これにより、収容ガイド部材308は漏斗として機能し、長尺の物品群XA3が確実に箱体YA1内に収容されるようガイドする。
【0046】
このように、箱詰め装置300は一例として、その上流側(図示左)から押送手段303、第二押圧部306(306A,306B)、上流側の第一押圧部302Aと支持手段301A、上流側のガイド部材307(307A、307B)、下流側の第一押圧部302Bと支持手段301B、下流側のガイド部材307(306C,306D)、収容ガイド部材308がこの順で配置されている。
【0047】
押送手段303は、大破線で示す押送経路上を押送方向Tに沿って(図示左右方向に)往復移動する。第二押圧部306A,306Bは、同図(B)に示すように互いに近接する圧縮位置(実線で示す)と互いに離間する退避位置(破線で示す)に、幅方向Wに沿って往復移動する。上流側の第一押圧部302Aと支持手段301Aは、同図(A)に示すように、互いに近接する圧縮位置(実線で示す)と互いに離間する退避位置(破線で示す)に、高さ方向Hに沿って往復移動する。上流側のガイド部材307A、307Bは、同図(B)に示すように互いに近接するガイド位置(実線で示す)と互いに離間する退避位置(破線で示す)に、幅方向Wに沿って往復移動する。下流側の第一押圧部302Bと支持手段301Bは、同図(A)に示すように、互いに近接する圧縮位置(実線で示す)と互いに離間する退避位置(破線で示す)に、高さ方向Hに沿って往復移動する。下流側のガイド部材307C、307Dは、同図(B)に示すように互いに近接するガイド位置(実線で示す)と互いに離間する退避位置(破線で示す)に、幅方向Wに沿って往復移動する。
【0048】
また、収容ガイド部材308は、同図(A)に示すように、押送経路上のガイド位置(実線で示す)と押送経路から離れる退避位置(破線で示す)に、高さ方向Hに沿って往復移動する。また収容ガイド部材308は、同図(B)に示すように押送経路上に移動した状態で、押送方向Tに沿って(箱体YA1に近接離間するように)往復移動するように構成してもよい。
【0049】
上述のとおり、支持手段301および圧縮手段302、306(301)は、物品群XA3の押送経路に対して進退可能に構成される。そして押送手段303による物品群XA3の押送に伴い、支持手段301および圧縮手段302、306は退避位置に移動する。これらの退避位置はいずれも、物品群XA3および押送手段303とは干渉しない位置である。
【0050】
<箱詰め装置の動作(箱詰め方法)>
次に、
図4〜
図13を参照して、本実施形態の箱詰め装置300の動作(箱詰め方法)について説明する。なお、
図4以降においては、説明の便宜上、主要な構成のみを抜粋して記載し、一部構成の記載を省略している場合がある。
【0051】
図4は、上流の搬送手段260から物品群XA3を支持手段301に受け入れた状態を示す概略図であり、同図(A)は、箱詰め装置300の
図3(A)に対応する側面図であり、同図(B)は
図3(B)に対応する平面図(上面図)である。
【0052】
同図(A)に示すように、支持手段301は、上流から搬送される複数の物品XA1を物品群XA3として受け入れ、支持する。詳細には、物品群XA3は、上流側の支持手段301Aと下流側の支持手段301Bによって支持される。この状態では、第一押圧部302(302A,302B)は退避位置に移動している。また、例えば収容ガイド部材308も、押送経路の上方(退避位置)に退避している。
【0053】
また、同図(A)では図示を省略しているが、同図(B)に示すように第二押圧部306A,306Bは退避位置にあり、ガイド部材307も、上流側および下流側のいずれも退避位置にある。
【0054】
図5は、
図4に続く状態を示す側面図である。支持手段301(301A,301B)が上昇位置まで移動すると物品群XA3は、押送経路上の初期位置に配置される。同図(A)では、第一押圧部302(302A,302B)は未だ退避位置に位置している。また、図示は省略するが、収容ガイド部材308も、第二押圧部306(306A、306B)、ガイド部材307(307A〜307D)は、いずれも退避位置にある(
図4参照)。また、押送手段303は、押送経路上(物品群XA3の押送方向Tの延長線上)に位置するが、このタイミングでは物品群XA3と離間し、非支持の状態となっている。この押送手段303の位置を初期位置(復帰位置)という。
【0055】
その後、支持手段301に支持される物品群XA3を外側から中心方向に向かって圧縮手段によって圧縮する。具体的には、同図(B)に示すように、第一押圧部302(302A,302B)が下降し、圧縮位置に移動する。これにより、物品群XA3は、第一押圧部302(302A,302B)と支持手段301(301A,301B)によって、少なくとも高さ方向Hに圧縮される(
図2(F)参照)。図示を省略した構成は、
図4の状態と同様である。
【0056】
図6は、
図5に続く状態を示す概略図であり、同図(A)が側面図、同図(B)がその上面図である。支持手段301(301A,301B)と第一押圧部302(302A,302B)とによって物品群XA3が押圧されている状態で、第二押圧部306(306A、306B)が圧縮位置に移動し(同図(B))、物品群XA3は、高さ方向Hに加えて、幅方向Wにも圧縮される。第二押圧部306の圧縮位置は、L字状の第二押圧部306の側面が支持手段301の側面よりも内側に入る位置である(
図2(G)参照)。そしてこの状態が、物品群XA3が最も圧縮された状態であり、その外周(略直方体形状、略柱形状の外周面)の長さが最小となっている。そして、押送手段303によって物品群のXA3の一端部を収容できる位置まで前進する。
【0057】
このときガイド部材307(307A〜307D)も押送経路に向かって進出し、ガイド位置に移動する。ガイド部材307の端部には互いが嵌まり合う凹凸部が設けられており、オーバーラップしている。コの字状のガイド部材307がガイド位置に移動することにより、押送経路上に略トンネル(筒)状のガイドが形成される。なお、収容ガイド部材308(図示省略)は、退避位置にある。
【0058】
なお、第二押圧部306による圧縮は、第一押圧部302による押圧(
図5(B))と(略)同時のタイミングであってもよいし、それより早いタイミングであっても良い。
【0059】
図7は、
図6に続く状態を示す概略図であり、同図(A)が側面図、同図(B)がその上面図である。支持手段301(301A,301B)と第一押圧部302(302A,302B)、および第二押圧部306(306A,306B)とによって物品群XA3が最も圧縮され、その外周の長さが最小となっている状態で、押圧手段303が拡張している押送支持部305を縮小させて物品群XA3の上流側端部に近接させる。その後、押送支持部305が物品群XA3を支持すると、第二押圧部306(306A,306B)は、退避位置に移動する。
【0060】
図8は、
図7に続く状態を示す概略図であり、同図(A)が側面図、同図(B)がその上面図である。
【0061】
押送支持部305によって物品群XA3が支持(ガイド)されると、支持手段301(301A,301B)は下降位置に移動し、第一押圧部302(302A,302B)は、退避位置に移動する。つまり、この状態で物品群XA3は、支持手段301、第一押圧部302および第二押圧部306による支持(押圧)から開放される。以降、支持手段301は次の物品群XA3を受け入れるまで下降位置で待機し、圧縮手段302、306は退避位置で待機する。
【0062】
つまりこのタイミングでは、圧縮手段(支持手段301、第一押圧部302、および第二押圧部306)による物品群XA3の支持(保持、押圧)は開放され、物品群XA3はその一端が押送手段303に(搬送面などが設けられない空中において)片持ち状態で支持されている。個々の物品XA1は、軽量で軟弱な包装体であるので、押送手段303から押送方向Tの下流側に離れるにつれ、纏まりがなくなり広がり易くなる(重力で高さ方向Hの下方に撓み、広がり易くなる)。
【0063】
本実施形態では、物品群XA3の押送に伴いガイド部材307がガイド位置に進出する。つまり退避位置に移動する支持手段301および圧縮手段302、306に代わって、物品群XA3の外周がガイド部材307で囲まれるため、長尺の物品群XA3が高さ方向Hの下方にしなったり(撓んだり)、物品群XA3の他端側において各物品XA1がバラけるように広がることを回避でき、物品群XA3(の少なくとも一部)が押送経路から大きく離脱することを回避でき、引いては確実に箱体YA1内に収容できる。
【0064】
また、ガイド部材307は、物品群XA3が支持手段301および圧縮手段302、306で保持されている状態でガイド位置に移動する(物品群XA3が支持手段301および圧縮手段302、306による保持とガイド部材307によるガイドが重複するタイミングが存在する)ように構成されているため、支持手段301および圧縮手段302、306からガイド部材307への物品群XA3の受け渡しが確実に行なえる。
【0065】
さらに物品群XA3のガイドを確実に行なうために、
図8に示すように、上流側のガイド部材307の押送方向Tにおける位置は、押送開始時に押送手段303が支持する物品群XA3の他端(下流)側がガイド可能な程度(他端側またはそれよりも上流側の一部がガイド部材307に収容可能な程度)とすると好ましい。例えば、押送前の状態(同図)にある押送支持部305の後端部t1から下流流側のガイド部材307の上流側端部t2までの距離は、物品群XA3の長さよりも短い。
【0066】
収容ガイド部材308は例えばこのタイミングでガイド位置に移動する。しかしながら、収容ガイド部材308は、例えば、物品群XA3の下流方向の端部が下流側のガイド部材307から突出するタイミング(またはその直後)にガイド位置に移動するものであってもよい。
【0067】
図9は、
図8に続き、押送手段303が物品群XA3の押送している状態を示す図であり、同図(A)が側面図、同図(B)が上面図である。また、同図(C)は、同図(B)を押送方向Tの上流側から見た正面図である。
【0068】
同図(A),同図(B)に示すように、物品群XA3は、上流側および下流側のガイド部材307によってその外周を支持されながら押送される。押送手段303は物品群XA3を支持した状態で、ガイド部材307の内部を通過する。
【0069】
同図(C)に示すようにガイド部材307(例えば、ガイド部材307A,307B)は正面視において互いの対向面側が開放された略コの字(C字)状であり、ガイド位置に移動した場合に中空のトンネル(筒)状になるように構成されている。そして中空のサイズは、少なくとも物品群XA3およびこれを把持する押送手段303が、ガイド部材307に干渉することなく、その内部を通過可能な程度に設定されている。下流側のガイド部材307においても同様である。
【0070】
また、物品群XA3は、箱体YA1の開口部OPに挿入された漏斗状の収容ガイド部材308に案内され、他端側が保持されていない(束ねられていない)状態であっても、漏れなく確実に箱体YA1内に収容される。
【0071】
図10は、
図9に続く状態を示し、
図10(A)が側面図、(B)が上面図である。押送手段303は、物品群XA3の全体が箱体YA1内に収容されるまで前進する。物品群XA3の全体が箱体YA1内に収容されたら、押送手段303は(押送支持部305を縮小したままの状態で)初期位置に後退する。
【0072】
<変形例1>
以下、
図11〜
図13を参照して、本実施形態の箱詰め装置300の変形例について説明する。
【0073】
図11は、
図10に続く状態を示し、
図11(A)が側面図、同図(B)が上面図である。押送手段303は、押送開始時に押送支持部305を縮径して物品群XA3により近接させた場合、後退時において押送支持部305を押送時よりも拡張(拡径)してもよい。押送支持部305の拡張の程度は、箱体YA1の開口部OPを干渉することなく通過可能な程度である。つまり、
図11に示すように押送手段303は、押送支持部305を拡張した状態で、押送経路を逆方向(下流側から上流側)に移動する。
【0074】
図12は
図11に続く状態を示し、同図(A)が側面図、同図(B)が上面図である。本実施形態では、一例として、押送手段303が初期位置(
図5参照)に移動する期間も、ガイド部材307(307A〜307D)は、ガイド位置にある。つまり、押送手段303は、押送支持部305を拡張した状態ではあるが、ガイド部材307を通過し、初期位置に移動する。つまり、箱体YA1内における押送支持部305の拡張の程度は、箱体YA1の開口部OPとガイド部材307のいずれとも干渉することなく通過可能な程度とする。
【0075】
図13は、押送手段303の押送支持部305の形状を示す概要図であり、押送方向の上流側から見た正面図(
図1参照)である。同図(A)が初期位置(復帰位置)の押送支持部305の形状であり、同図(B)が物品群XA3を押送している状態の押送支持部305の形状であり、同図(C)が物品群XA3を箱体YA1内に収容後に初期位置に移動する状態の押送支持部305の形状である。
【0076】
同図(A)に示すように、初期位置にある押送支持部305は、物品群XA3を支持しておらず、押送支持部305は、例えば最大に拡張している。
【0077】
そして同図(B)に示すように、圧縮状態の物品群XA3を支持する際、押送支持部305を縮小し、物品群XA3の外周を支持(ガイド)する。そしてその状態で、ガイド位置に進出しているガイド部材307の内部を通過する。
【0078】
また、箱体YA1内で再び押送支持部305を拡張して物品群XA3を解放し、その状態で(押送支持部305の拡張を維持したまま)初期位置に移動する。このとき同図(C)に示すように、押送支持部305は同図(B)に示す支持状態よりも拡張するものの、ガイド位置に進出しているガイド部材307の内部を通過可能な程度に、同図(A)の最大の拡張よりは縮小している。
【0079】
このように本実施形態の押送手段303は、押送支持部305を(最大の)拡張状態(同図(A)、物品群XA3を支持可能な第一縮小状態(同図(B))、物品群XA3は解放可能であるがガイド部材307内部を通過可能な(同図(A)と同図(B)の間の)第二縮小状態(同図(C))に状態を変位可能である。
【0080】
なお、押送手段303が初期位置に移動する際には、ガイド部材307が退避位置に退避していてもよい。
【0081】
また、押送支持部305の拡張の程度を、ガイド部材307と干渉する程度に拡張してもよい。その場合、押送支持部305がガイド部材307を通過する前に、ガイド部材307と干渉しない程度に押送支持部305を縮小するようにしてもよい。
【0082】
本実施形態の箱詰め装置300によれば、軽量・軟弱・長尺(さらにはほぼ扁平)といった特殊な包装体を所定個数纏めて箱詰めする場合、特に、搬送面など物品群の全体を載置するような部材が無い場合であっても、物品群の押送経路からの離脱や意図しない広がり等を防ぎ、確実に効率よく箱詰めを行なうことができる。
【0083】
また、圧縮手段302,306(および支持手段301)によって十分に圧縮した状態で押送支持手段305によって一端部の外周を支持(ガイド)するため、軽量・軟弱な包装体を複数(50個などの多数)纏めて押送する場合であっても纏められた内側の物品XA1の離脱等を防ぎ、確実に物品群XA3を支持して押送することができる。
【0084】
<変形例2>
以下、本実施形態の箱詰め装置300の他の変形例について説明する。
【0085】
上述の例では、支持手段301はその形状が変化しない場合を例示したが、これに限らず、支持手段301が第二押圧部306と同様に、例えば略L字状の支持手段を対向配置させ、幅方向Wに進退可能に構成してもよい。その場合、第二押圧部306は、省略してもよい。この場合、支持手段301の底部は、平面視において段差または互いが嵌まり合う凹凸部を設けられており、オーバーラップするようにする。
【0086】
また、ガイド部材307は、ガイド位置に進出した場合には、物品群XA3の外周(略全周)を覆う構成としたが、一部のみを覆う構成であってもよい。例えば、ガイド部材307は、物品群XA3の高さ方向Hの上下、あるいは、幅方向Wの左右を挟むように対向配置される一組の板状体などであってもよい。またこの場合、例えば上流側のガイド部材307(307A、307B)は、物品群XA3の高さ方向Hの上下を挟み、下流側のガイド部材307(307C、307D)は、物品群XA3の幅方向Wの左右を挟むように対向配置される一組の板状体などであってもよいし、その逆であってもよい。
【0087】
また、1つの(上流側または下流側の)ガイド部材307は、対向配置する部材を押送経路に対して進退させる構成に限らず、単一の部材を進退させる構成であってもよい。例えば、例えば上流側および下流側のそれぞれにおいて、1つの円弧状(または板状)のガイド部材307を押送経路に対して進退させる構成であってもよく、その場合は、物品群XA3の高さ方向の下方をガイド可能に構成するとよい。押送手段303によって片持ち状態で物品群XA3を押送する場合には、下方側に個々の物品XA1の撓みや広がりが生じやすいからである。
【0088】
また、上流側と下流側のガイド部材307のそれぞれにおける進退のタイミングは、上流側と下流側とで同期させてもよいし、物品群XA3の押送に応じ、物品群XA3が確実に押送できるよう、進退のタイミングを異ならせてもよい。例えば、物品群XA3が上流側のガイド部材307を通過するタイミング(通過の直前から通過中のタイミング)で上流側のガイド部材307を退避位置からガイド位置に移動し、物品群XA3が下流側のガイド部材307を通過するタイミング(通過の直前から通過中のタイミング)で(上流側に遅れて)下流側のガイド部材307を退避位置からガイド位置に移動してもよい。
【0089】
また、ガイド部材307は上流側または下流側のいずれか一方のみに設けられても良い。
【0090】
また、押送手段303が箱体YA1内で物品群XA3を解放した後(押送手段303が初期位置に戻る際)には、ガイド部材307も退避位置に移動するように構成してもよい。
【0091】
また、下流側のガイド部材307は、支持手段301の上流側と下流側に一対のL字状の押圧部と、二対のL字状の押圧部の上方を覆う共通の第一押圧部302を配置するようにしてもよい。このような構成によれば、物品が非常に軟弱な場合であっても、押送手段303で物品群XA3を押送途中において、ガイド部材307間の物品群XA3が上方に膨らんでしまうのを防止することができる。
【0092】
また、押送支持部305は板状部による拡縮に限らず、例えば、棒状部材(リング状部材)による拡縮で物品群XA3を支持・解放する構成であってもよい。また、保持爪などによって物品群XA3を保持・解放する構成であってもよい。
【0093】
また、箱詰め装置300の押送方向Tは水平方向である場合を例示したが、鉛直方向であってもよい。
【0094】
また、支持手段301と第一押圧部302は、それぞれ複数設けられて対向配置される一対で物品群XA3を圧縮する構成を例示したが、例えば、複数の支持部材301に対して、対となる第一押圧部302は一つ(単一で)設けられる構成であってもよい。つまり、上記の例における上流側の第一押圧部302Aと下流側の第二押圧部302Bが連続して一体的に構成されており、それに対向して上流側の支持手段301Aと下流側の支持手段301Bが配置される構成であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では物品XA1が長尺で略扁平形状である場合を例示したが、物品XA1の形状はこれに限らず、例えば棒状であってもよい。
【0096】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0097】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。