【解決手段】シール装置1が、第1シーラー30と、フィルムに関して第1シーラー30の反対側に設けられる第2シーラー31と、第1シーラー30を駆動するアクチュエータ33、第1シーラー30を覆うと共に開閉可能に設けられたフード41,42と、シーラー30,31の近接に伴いフード41,42を開き、シーラー30,31の離間に伴いフード41,42を閉じる開閉機構49と、を備える。開閉機構49が、フード41,42にそれぞれ設けられ、開閉可能に設けられた一対の作動カム43,44と、第2シーラー31に設けられ、シーラー30,31の近接に伴い作動カム43,44の間に入り込み、シーラー30,31の離間に伴い作動カム43,44の間から抜けるカムフォロワ48と、フード41,42及び作動カム43,44を閉じる方向に付勢する板バネ46と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されているところ、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0017】
<第1の実施の形態>
図1及び
図2は、シール装置1の斜視図である。
図3及び
図4はシール装置1の要部の断面図である。
シール装置1は、第1シーラー30、第2シーラー31、アクチュエータ33、切断刃34、アクチュエータ35、第1ブロック36、第2ブロック37、第1基台38、第2基台39、フード41,42及び開閉機構49を備える。
【0018】
第1ブロック36及び第2ブロック37は、これらの長手方向が互いに平行となるように同一の部材又は別々の部材に取り付けられている。第1ブロック36及び第2ブロック37はこれらの間に間隔を置いて上下方向に互いに対向している。第1ブロック36の上面には第1基台38が取り付けられ、第1基台38の上面には第1シーラー30が取り付けられ、第1シーラー30と第1基台38と第1ブロック36が互いに固定されている。第2ブロック37の下部には、第2基台39が第2ブロック37に対して相対的に上下方向に移動可能となって取り付けられている。第2シーラー31が第2基台39の下面に固定されている。そのため、第2シーラー31は第2基台39と一緒になって第2ブロック37に対して相対的に上下方向に移動可能に設けられている。ここで、第1シーラー30及び第2シーラー31の長手方向は第1ブロック36及び第2ブロック37の長手方向に対して平行であり、第2シーラー31の移動方向は第1シーラー30、第2シーラー31、第1ブロック36及び第2ブロック37の長手方向に対して直交する。また、
図3及び
図4に示す断面は、第2シーラー31の移動方向に対して平行であるとともに、第1シーラー30、第2シーラー31、第1ブロック36及び第2ブロック37の長手方向に対して直交する。
【0019】
帯状のフィルムが第1シーラー30と第2シーラー31の間の領域を通過するように搬送される。フィルムの搬送方向は、第2シーラー31の移動方向及び長手方向に直交する方向である。フィルムは筒状に丸められた状態で搬送されてもよいし、丸められずに帯状の状態で搬送されてもよい。搬送されるフィルムとは別のフィルムが、第1シーラー30と第2シーラー31の間において、その搬送されるフィルムに重ねられていてもよい。
【0020】
第2シーラー31が下方の第1シーラー30に近接すると、フィルムが第1シーラー30と第2シーラー31との間に挟まれるとともに、熱シールされる。一方、第2シーラー31が第1シーラー30から上方へ離間すると、フィルムが第1シーラー30及び第2シーラー31から解放される。
【0021】
第2ブロック37には、第2シーラー31を上下方向に駆動するアクチュエータ33が取り付けられている。アクチュエータ33は、例えば、プランジャ、ピストン又はロッドを進出及び後退させるエアシリンダ又は電磁ソレノイドである。
【0022】
第2シーラー31の内部には、切断刃34が第2シーラー31に対して相対的に上下方向に移動可能となって収容されている。この切断刃34は、切断刃34を上下方向に駆動するアクチュエータ35に連結されている。アクチュエータ35は、第2シーラー31の上部に取り付けられている。
【0023】
第1ブロック36には、第1シーラー30を覆う一対のフード41,42が開閉可能に設けられている。具体的には、シャフト41a,42aの回転軸が第1シーラー30、第2シーラー31、第1ブロック36及び第2ブロック37の長手方向及び第2シーラー31の移動方向に対して直交するようにシャフト41a,42aが第1ブロック36の長手方向の両端部に取り付けられ、フード41の下端がシャフト41aによって第1ブロック36に回転可能に取り付けられ、フード42の下端がシャフト42aによって第1ブロック36に回転可能に取り付けられている。シャフト41a,42aには平歯車41b,42bがそれぞれ取り付けられ、これら平歯車41b,42bが互いに噛み合っている。フード41,42がそれぞれシャフト41a,42aを支点にして互いに離間する方向に揺動すると、フード41,42が開放して、第1シーラー30が露出する。フード41,42がそれぞれシャフト41a,42aを支点にして互いに近づく方向に揺動すると、フード41,42が閉鎖して、第1シーラー30がフード41,42によって覆われる。
【0024】
フード41,42は多数の放熱口41c,42cがそれぞれ形成されている。第1シーラー30の熱が放熱口41c,42cを通じて放散されることで、フード41,42の内部及び第1シーラー30の過加熱が防止されている。第1シーラー30がフード41,42の内面から離間しており、第1シーラー30の熱がフード41,42に直接熱伝導しない。フード41,42は耐熱性及び低熱伝導性を有する材料(例えば、樹脂又はセラミック)からなるが、ステンレス鋼又はアルミニウム等の金属材料からなってもよい。また、フード41,42の内面に、耐熱性及び低熱伝導性を有するシートが貼着されていてもよいし、耐熱性及び低熱伝導性を有する塗料が塗布されていてもよい。
【0025】
フード41,42の開閉は開閉機構49によって実現される。開閉機構49は、第1シーラー30と第2シーラー31の近接に伴いフード41,42を開き、第1シーラー30と第2シーラー31の離間に伴いフード41,42を閉じる。開閉機構49は作動カム43,44、板バネ46、ブラケット47及びカムフォロワ48を有する。
【0026】
フード41,42を開くために作動カム43,44は、フード41,42の長手方向の一端部にそれぞれ取り付けられている。フード41,42が閉じた状態では、作動カム43,44の下部43a,44aが互いに近接し、作動カム43,44の上部43b,44bがV字型に開いている。フード41,42が開いた状態では、作動カム43,44の下部43a,44aもV字型に開き、上部43b,44bの開きがより大きくなっている。
【0027】
板バネ46は第1ブロック36に設けられている。この板バネ46は、フード41,42及び作動カム43,44を互いに閉じる方向に付勢する付勢部である。
【0028】
第2基台39又は第2ブロック37の長手方向の一端部にはブラケット47が垂下するように取り付けられており、ブラケット47の下端にはカムフォロワ48が取り付けられている。第2シーラー31が第1シーラー30から上に離間した状態では、カムフォロワ48が作動カム43,44から上に離れている。第2シーラー31が第1シーラー30に接した状態では、カムフォロワ48が作動カム43,44の下部43a,44aの間に位置している。
【0029】
以下に、シール装置1の動作について説明する。
アクチュエータ33が進出方向に作動する。そうすると、第2シーラー31が第1シーラー30に近づくとともに、第2シーラー31と一緒にカムフォロワ48が下方に移動して、そのカムフォロワ48が作動カム43,44の上部43b,44bの間に入り込む。更にカムフォロワ48が下降すると、そのカムフォロワ48が作動カム43,44の下部43a,44aの間に入り込む。そうすると、作動カム43,44が板バネ46の弾性力に抗して開き、フード41,42も開く。そのため、第1シーラー30が露出する。
【0030】
そして、フィルムがこれらシーラー30,31の間に挟み込まれると、フード41,42が最も開いた状態となる。シーラー30,31の間に挟み込まれたフィルムは、シーラー30,31の熱によりシールされる。
【0031】
次に、アクチュエータ35が作動する。そうすると、切断刃34が第1シーラー30から第2シーラー31の凹所に突き出されて、フィルムが切断刃34によって切断される。その後、切断刃34がアクチュエータ35によって第1シーラー30内に引き込まれる。なお、切断刃34が第1シーラー30内に引き込まれるタイミングは、後述のように第2シーラー31が第1シーラー30から離れるタイミングと同じであってもよい。
【0032】
次に、アクチュエータ33が後退方向に作動する。そうすると、第2シーラー31が第1シーラー30から離れて、フィルムがシーラー30,31から解放される。第2シーラー31と一緒にカムフォロワ48が上方に移動して、そのカムフォロワ48が作動カム43,44の間から上方へ抜ける。そうすると、作動カム43,44が板バネ46の弾性力によって閉じ、フード41,42も閉じる。そのため、第1シーラー30がフード41,42によって覆われる。
【0033】
以下に、以上のように構成されたシール装置1の効果について説明する。
第1シーラー30がフード41,42によって覆われているため、作業者が手作業でフィルム4の交換を行う際に、手が誤って高温な第1シーラー30に触れることがない。そのため、フィルムの交換を安全に行える。また、フィルム4が高温な第1シーラー30に触れずに、フィルム4の交換作業を容易に行える。
シーラー30,31が近づく際には、フード41,42が開放されるため、フィルムがシーラー30,31の間に確実に挟まれる。
第2シーラー31を駆動するアクチュエータ33の動力を利用してフード41,42が開閉されるため、フード41,42開閉用のアクチュエータを別途設ける必要がなく、製造コストの増加を抑えられる。
【0034】
上述の実施形態では、第2シーラー31の移動によって、第2シーラー31が第1シーラー30に対して接離する。それに対して、第1シーラー30の移動によって、第1シーラー30が第2シーラー31に対して接離してもよいし、第1シーラー30と第2シーラー31の両方の移動によって第1シーラー30と第2シーラー31が互いに接離してもよい。
【0035】
<応用例>
図5は、シール装置1を用いたスプラサーの正面図である。
シール装置1の第1シーラー30は3体分、スプライサーに設けられているが、第1シーラー30が2体、4体又はそれ以上スプライサーに設けられていてもよい。第1ブロック36、第1基台38、フード41、フード42、作動カム43、作動カム44及び板バネ46についても同様である。
一方、シール装置1の第2シーラー31は1体分、スプライサーに設けられている。切断刃34、アクチュエータ35、第2ブロック37、第2基台39、ブラケット47及びカムフォロワ48についても同様である。アクチュエータ33は1組分、スプライサーに設けられている。
なお、スプライサーを見やすくするために、
図5において、シール装置1のうち、第1シーラー30及び第2シーラー31の以外の構成要素の図示を省略する。
【0036】
スプライサーの機枠80が内部空間を包囲するように箱状に設けられている。機枠80には引出ローラ10が回転可能に設けられ、その引出ローラ10がモータ11に連結されている。供給元ロール2から引き出される搬送フィルム4は引出ローラ10とピンチローラ12との間に挟まれる。
【0037】
引出ローラ10の右上において、第2ブロック37の長手方向の一端部が機枠80の前面に取り付けられている。第2シーラー31の移動方向は、後述の回転盤22の径方向である。
【0038】
引出ローラ10の右側において、円形状の開口81が機枠80の前面に形成されている。円盤状の回転盤22が鉛直な面内で回転するように開口81に嵌め込まれている。そのため、引出ローラ10は回転盤22の径方向外側に設けられている。
回転盤22が回転駆動機23に連結され、回転駆動機23が回転盤22を回転駆動する。
【0039】
第1シーラー30と同数の支持シャフト24が回転盤22の周方向に一定間隔を置いて回転盤22に取り付けられており、回転盤22の回転によって支持シャフト24が回転盤22の中心軸回りに公転する。支持シャフト24がそれぞれの中心軸回りに自転可能に設けられている。機枠80内において支持シャフト24がブレーキ25にそれぞれ連結され、自転中の支持シャフト24がブレーキ25から抵抗力を付与される。支持シャフト24には原反ロール2がそれぞれ装着される。なお、支持シャフト24の数は2本、4本又はそれ以上であってもよい。
【0040】
ここで、以下、3本の支持シャフト24のうち
図5中の右上の位置(以下、供給元位置Aという。)に配置された支持シャフト24を供給元シャフト24といい、右下の位置(以下、交換位置Cという。)に配置された支持シャフト24をセット用シャフト24といい、左の位置(以下、待機位置Bという。)に配置された支持シャフト24を待機シャフト24という。3体の原反ロール2のうち供給元シャフト24に装着された原反ロール2を供給元ロール2といい、セット用シャフト24に装着された原反ロール2を交換済みロール2といい、待機シャフト24に装着された待機ロール2という。また、供給元ロール2から引き出されるフィルム4を搬送フィルム4といい、待機ロール2から引き出されるフィルム4を待機フィルム4といい、交換済みロール2から引き出されるフィルム4を交換済みフィルム4という。
【0041】
3本の支持シャフト24の中で、待機シャフト24が引出ローラ10に最も近くに位置する。
【0042】
3本のガイドローラ26、3本の折り返しローラ27、3体の留め具28及び3体の第1シーラー30が回転盤22に設けられているため、これらガイドローラ26、折り返しローラ27、留め具28及び第1シーラー30が回転盤22の中心軸回りに公転する。
3本のガイドローラ26は回転盤22の周方向に等間隔で配列されている。これらガイドローラ26は、回転盤22の周方向において3本の支持シャフト24の間にそれぞれ配置されている。
3本のガイドローラ26と同様に、3本の折り返しローラ27も回転盤22の周方向に等間隔で配列されている。3体の留め具28及び3体の第1シーラー30についても同様である。
折り返しローラ27は支持シャフト24の径方向外側にそれぞれ配置されている。ガイドローラ26、留め具28及び第1シーラー30及びについても同様である。
【0043】
互いに近くに設けられた1体のガイドローラ26、1体の折り返しローラ27、1体の留め具28及び1体の第1シーラー30が1つのセットを構成し、合計3セットある。これらセットはそれぞれ原反ロール2の近くに設けられている。各セット内では、折り返しローラ27、第1シーラー30、留め具28及びガイドローラ26がこれらの順に1直線状に配列されており、折り返しローラ27がガイドローラ26から回転盤22の回転軸に関する反時計回りの方向に離れている。折り返しローラ27、第1シーラー30、留め具28及びガイドローラ26の1直線状の配列は、回転盤22の中心よりも外側において回転盤22の半径に対して直交する。また、待機位置Bに位置する待機ロール2の近くのセット内では、引出ローラ10までの距離は、折り返しローラ27、第1シーラー30、留め具28、ガイドローラ26の順に短い。ここで、第1ブロック36の長手方向一端部が回転盤22に取り付けられることによって、第1シーラー30が回転盤22に固定される。
【0044】
待機位置Bに位置する待機ロール2に最も近いセットの第1シーラー30が第2シーラー31から回転盤22の中心軸に関する径方向内側に離れて、第2シーラー31に対向配置されている。以下では、この第1シーラー30のことを特定第1シーラー30といい、特定第1シーラー30を覆う対のフード42,41を特定対のフード41,42といい、特定対のフード41,42にそれぞれ設けられた対の作動カム43,44を特定対の作動カム43,44といい、特定対のフード41,42及び作動カム43,44を閉じる方向に付勢する板バネ46を特定板バネ46という。
【0045】
供給元位置Aに位置する供給元ロール2から引き出される搬送フィルム4は、供給元位置Aと待機位置Bの間に位置するガイドローラ26から、特定第1シーラー30と第2シーラー31との間を通って引出ローラ10に掛け渡されている。
【0046】
待機位置Bに位置する待機ロール2から引き出された待機フィルム4は、待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27に巻き掛けられて、折り返されている。その待機フィルム4は待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28の間に架け渡されて、その待機フィルム4の先端部はその留め具28に留められている。従って、待機ロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28との間において、待機フィルム4と搬送フィルム4がこれらの間に僅かな隙間を置いて重なっている。よって、第2シーラー31がアクチュエータ33によって回転盤22の中心軸に関する径方向内側に駆動されると、待機フィルム4と搬送フィルム4が特定第1シーラー30と第2シーラー31との間に挟まれて、これらのフィルム4が接合される。
【0047】
交換位置Cに位置する原反ロール2から引き出された交換済みフィルム4は、交換済みロール2に最も近いセットの折り返しローラ27に巻き掛けられ、折り返されている。その交換済みフィルム4は交換済みロール2に最も近いセットの折り返しローラ27と留め具28の間に架け渡されて、その交換済みフィルム4の先端部がその留め具28に留められている。
【0048】
以上に構成されたスプライサーは、搬送ロール2から搬送フィルム4を包装装置に連続的に供給するものである。つまり、引出ローラ10がモータ11によって回転駆動されることによって、供給元ロール2から搬送フィルム4が包装装置に供給される。包装装置は例えばピロー包装機である。被包装物がフィーダーによって包装装置に順次供給され、包装装置がスプライサーから供給される搬送フィルム4により被包装物を順次包装することによって、包装物を順次作製する。
【0049】
その後、供給元ロール2に巻かれた搬送フィルム4が残り僅かになった場合に、引出ローラ10及びモータ11が一旦停止された上で、第2シーラー31が特定第1シーラー30に近接して、搬送フィルム4と待機フィルム4が特定第1シーラー30と第2シーラー31の間に挟まれる。そのため、搬送フィルム4と待機フィルム4が特定第1シーラー30及び第2シーラー31によって接合される。この際、カムフォロワ48が特定対の作動カム43,44の間に入り込むため、特定対のフード41,42及び作動カム43,44が開く。
【0050】
その後、その接合部が切断刃34によって切断される。その後、モータ11が引出ローラ10を回転駆動するとともに、アクチュエータ33が第2シーラー31を駆動する。そのため、待機フィルム4が引出ローラ10によって引き出されるとともに、第2シーラー31が特定第1シーラー30から回転盤22の径方向外側に離れる。この際、カムフォロワ48が特定対の作動カム43,44の間から抜けるため、特定対のフード41,42及び作動カム43,44が特定板バネ46の弾性力によって閉じる。
【0051】
その後、回転駆動機23が回転盤22を駆動すると、回転盤22が120°回転する。そのため待機ロール2が待機位置Bから供給元位置Aに、供給元ロール2が供給元位置Aから交換位置Cに、交換済みロール2が交換位置Cから帯域位置Bに公転する。そうすると、作業者は交換位置Cに移動した原反ロール2を新たな原反ロール2に交換することができる。交換の際、作業者の手が誤って高温な第1シーラー30に触れることがない。これは、第1シーラー30がフード41,42によって覆われているためである。
【0052】
<第2の実施の形態>
図6は、シール装置1Aの正面図である。
図6において、
図1に示すシール装置1の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付す。また、シール装置1Aについては、シール装置1と相違する点について主に説明し、シール装置1と一致する点についての説明を可能な限り省略する。
【0053】
シール装置1Aは、ボックスモーション式のエンドシール装置又は横シール装置ともいい、ピロー包装装置に設けられるものである。このシール装置1Aは、筒状のフィルムを周期的にシールすることによって横綴じ目を形成するものである。筒状のフィルムは、その中心線が
図6の紙面に対して垂直になってその紙面の垂直方向に搬送される。
【0054】
シール装置1Aは、第1シーラー30、第2シーラー31、駆動装置33A、切断刃34、アクチュエータ35、第1ブロック36、第2ブロック37、第1基台38、第2基台39、フード41,42及び開閉機構49を備える。開閉機構49は作動カム43,44、板バネ46、ブラケット47及びカムフォロワ48を有する。ここで、
図6において、フード42はフード41の裏側に隠れ、作動カム44が作動カム43の裏側に隠れているため、フード42及び作動カム44の図示を省略する。
【0055】
第1ブロック36及び第2ブロック37はこれらの間に間隔を置いて互いに平行に設けられ、第1ブロック36及び第2ブロック37の両端部が駆動装置33Aにそれぞれ連結されている。第1基台38が第1ブロック36の上面に取り付けられ、第1シーラー30が第1基台38の上面に取り付けられている。第2基台39が第2ブロック37の下面に取り付けられ、第2シーラー31が第2基台39の上面に取り付けられている。
【0056】
駆動装置33Aは、モータと、モータの回転動力を第1シーラー30及び第2シーラー31の運動に変換する運動変換機構(例えば、カム機構)とを備える。以下のように、駆動装置33Aは第1シーラー30及び第2シーラー31をボックスモーション式の軌跡に沿って運動させる。
【0057】
駆動装置33Aは、第1シーラー30及び第2シーラー31を互いに近接させた状態で、筒状フィルムの搬送速度及び搬送方向と同一速度及び同一方向に第1シーラー30及び第2シーラー31を移動させる。この際、筒状フィルムが第1シーラー30及び第2シーラー31の間に挟み込まれることによって、横綴じ目が形成される。
【0058】
その後、駆動装置33Aは、第1シーラー30及び第2シーラー31を互いに離間させた後に、第1シーラー30及び第2シーラー31を互いに近接させる。更に、駆動装置33Aは、第1シーラー30及び第2シーラー31が互いに離れた直後から、第1シーラー30及び第2シーラー31が筒状フィルムを挟む直前までの間、筒状フィルムの搬送方向とは逆方向に第1シーラー30及び第2シーラー31を移動させる。
【0059】
第1実施形態の場合と同様に、一対のフード41,42が開閉可能に第1ブロック36に取り付けられている。これらフード41,42が閉じた時には、第1シーラー30がこれらフード41,42によって覆われる。フード41,42が開くと、第1シーラー30が露出する。
【0060】
また、第1実施形態の場合と同様に、カムフォロワ48がブラケット47を介して第2基台39又は第2ブロック37の長手方向の一端部に取り付けられ、作動カム43,44がフード41,42の長手方向の一端部にそれぞれ取り付けられ、作動カム43,44及びフード41,42が板バネ36によって付勢されている。そのため、第1シーラー30及び第2シーラー31が互いに近づくと、カムフォロワ48が作動カム43,44の間に入り込み、作動カム43,44及びフード41,42が開く。第1シーラー30及び第2シーラー31が互いに離れると、カムフォロワ48が作動カム43,44の間から抜け、作動カム43,44及びフード41,42が板バネ36の弾性力によって閉じる。
【0061】
シール装置1Aが横ピロー包装装置に設けられている場合、第1シーラー30及び第2シーラー31が互いに接離する方向は鉛直方向であり、シール装置1Aが縦ピロー包装装置に設けられている場合、第1シーラー30及び第2シーラー31が互いに接離する方向は水平方向である。
【0062】
なお、第2シーラー31が第1シーラー30と同様に、一対のフードによって覆われてもよい。この場合、カムフォロワがブラケットを介して第1基台38又は第1ブロック36の長手方向の他端部に取り付けられ、一対の作動カムが一対のフードの長手方向の他端部にそれぞれ取り付けられ、作動カム及びフードが、第2ブロック又は第2基台39に取り付けられた板バネによって付勢されている。
【0063】
<応用例>
図7は、横ピロー包装装置の概略側面図である。この横ピロー包装装置100は、被包装物103をフィルム104により順次包装することによって、包装物106を順次作製する装置である。
【0064】
ピロー包装装置100は、搬送台128、受け板168、フィルム供給機110、製袋器118、被包装物供給機120、ベルトコンベヤ130、搬出ベルトコンベヤ135、センターシール装置160、シール装置1A及び上抑え装置150等を備える。
【0065】
搬送台128の前方には、受け板168が設けられている。搬送台128及び受け板168には、前後方向に延びるスリットが形成されている。搬送台128と受け板168との間には、製袋器118が設けられている。
【0066】
被包装物供給機120は、搬送台128上の被包装物103を所定間隔で製袋器118に供給する。被包装物供給機120は押送コンベヤであって、第1スプロケット121、第2スプロケット(図示略)、無端チェーン122、複数の押送部材123及びモータ124を備える。第1スプロケット121がモータ124によって回転駆動されると、無端チェーン122が走行する。無端チェーン122の走行によって、押送部材123が搬送台128のスリットを通って搬送台128の上へ突出した状態で第2スプロケットから第1スプロケット121に向かって移動する。そのため、搬送台128上の被包装物103はその後ろから押送部材123によって前へ押送されて、製袋器118に供給される。
【0067】
製袋器118の上方に原反ロール102がセッティングされている。その原反ロール102は、帯状のフィルム104が巻回されたものである。原反ロール102から繰り出されたフィルム104はフィルム供給機110のフィードローラ112を経由して製袋器118に案内される。フィードモータ113がフィードローラ112を回転駆動すると、フィルム104が原反ロール102から引き出される。これにより、フィルム104が製袋器118に連続的に供給される。
【0068】
フィルム供給機110によって供給されるフィルム104が製袋器118を通過する際に、フィルム104の両側部105(以下、縦綴じ目105という。)が製袋器118によって下方に曲げられて、フィルム104が製袋器118によって筒状に丸められる。フィルム104が筒状に丸められることによって、製袋器118に供給された被包装物103がフィルム104に包み込まれる。縦綴じ目105は製袋器118によって重ね合わされて垂下するようにフィン状に形成され、受け板168のスリットを通って受け板168の下へ突出する。
【0069】
製袋器118よりも下流側では、被包装物供給機120によって供給された複数の被包装物103が筒状フィルム104の内側において筒状フィルム104の長手方向に所定間隔を置いて配列されている。これら被包装物103は、それらの配列を保った状態で、受け板168及び後述のベルトコンベヤ130上で筒状フィルム104に従動して下流側へ搬送される。
【0070】
製袋器118の前方且つ受け板168の下方には、センターシール装置160が設けられている。このセンターシール装置160は、受け板168のスリットから下に突き出た縦綴じ目105を左右両側から挟み込みながら加熱することによって縦綴じ目105をシールする。
【0071】
センターシール装置160の前方には、ベルトコンベヤ130が設けられている。ベルトコンベヤ130の前方には、搬出ベルトコンベヤ135が設けられている。センターシール装置160によってシールされた筒状フィルム104はベルトコンベヤ130によって前方へ搬送される。
【0072】
ベルトコンベヤ130の上方には、ベルトコンベヤ130上の被包装物103を筒状フィルム104の外側から抑え付ける上抑え装置150が設けられている。
ベルトコンベヤ130の前端まで搬送された筒状のフィルム104及び被包装物103はベルトコンベヤ130から搬出ベルトコンベヤ135に載せ換えられる。
【0073】
ベルトコンベヤ130と搬出ベルトコンベヤ135との間には、
図6に示すシール装置1Aが設けられている。筒状フィルム104は、シール装置1Aのシーラー30,31によって周期的にシールされるとともに、切断刃34によって切断される。シール装置1Aがフィルム104のシール及び切断をするタイミングは、被包装物103がシール装置1Aを通過してから次の被包装物3がシール装置1Aを通過するまでの間である。つまり、フィルム104のうち隣り合う被包装物103の間の部位がベルトコンベヤ130から搬出ベルトコンベヤ135に載せ替えられる際に、その部位がシール装置1Aによりシールされるとともに切断される。これにより、包装物106が完成する。完成した包装物106は搬出ベルトコンベヤ315によって前へ搬送される。