【課題】電気分解により安定的に酸素水素混合ガスを発生させることができる酸素水素混合ガス発生装置、酸素水素混合ガス発生方法、酸素水素混合ガスを提供することを目的とする。
【解決手段】第1の電極11と第2の電極12を水に浸漬させて電気分解を行う電気分解装置10と、第1の電極11と第2の電極12に所定の電流を供給する電源装置50と、を有し、電極から発生する酸素ガスおよび水素ガスを混合して酸素水素混合ガスを発生させる酸素水素混合ガス発生装置1であって、電源装置50は、第1の電極11と第2の電極12の極性を交互に反転させることを特徴とする。
前記ナトリウム系化合物は、水酸化ナトリウムおよび/またはナトリウム系の炭酸塩とし、前記カリウム系の化合物は、カリウム系の炭酸塩とすることを特徴とする請求項6に記載の酸素水素混合ガス発生装置。
前記ナトリウム系の炭酸塩は、炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムとし、前記カリウム系の炭酸塩は、炭酸カリウムおよび/または重炭酸カリウムとすることを特徴とする請求項7に記載の酸素水素混合ガス発生装置。
前記電極に前記水を間欠的に供給する構成の水供給部を有し、前記電気分解装置は、前記電極に前記水を間欠的に供給する構成とすることを特徴とする請求項1に記載の酸素水素混合ガス発生装置。
前記電極は、板状とするとともに、前記板状の電極が所定の間隔を置いて複数並行して設けられ、更に、前記電極は、前記電極間において前記水が流通する水流通穴を設けるとともに、前記酸素水素混合ガスが流通するガス流通穴を設けることを特徴とする請求項1に記載の酸素水素混合ガス発生装置。
電極を用いて水の電気分解を行うとともに、前記電極に所定の電流を供給し、前記電極から発生する酸素ガスおよび水素ガスを混合して酸素水素混合ガスを発生させる酸素水素混合ガス発生方法であって、
間欠的な構成により、前記酸素水素混合ガスを発生させることを特徴とする酸素水素混合ガス発生方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した酸素水素混合ガスは、混合ガスを安定して発生させる観点から間欠的に発生させることが望まれる。
【0006】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させることができる酸素水素混合ガス発生装置、吸引装置、酸素水素混合ガス発生方法、および酸素水素混合ガスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る酸素水素混合ガス発生装置は、電極を用いて水の電気分解を行う電気分解装置と、前記電極に所定の電流を供給する電源装置と、を有し、酸素水素混合ガスを発生させる酸素水素混合ガス発生装置であって、間欠的な構成により、前記酸素水素混合ガスを発生させることを特徴とする。
本発明によれば、上記の構成により、酸素水素混合ガスを発生させることができる
【0008】
前記電流のオン時間を制御して前記電流を間欠的に供給する構成とすることができる。
【0009】
前記電流の極性を交互に反転させる極性反転部を有することとすれば、電極の極性を交互に反転させながら電気分解を行うことができ、電極への不純物の付着を低減させることができる。これにより、電気分解により安定的に酸素水素混合ガスを発生させることができる。
【0010】
前記電流の電流値が所定の制御目標値となるように印加電圧をコントロールする電流制御部を有することとすれば、電極に過度の電流が流れることによる腐食を低減することができる。
【0011】
前記水に前記電気分解を促進させる物質を添加することができる。
すなわち、前記電気分解を促進させる物質は、ナトリウム系化合物および/またはカリウム系化合物とすることができ、より詳しくは、前記ナトリウム系化合物は、水酸化ナトリウムおよび/またはナトリウム系の炭酸塩とし、前記カリウム系の化合物は、カリウム系の炭酸塩とすることができ、更に詳しくは、前記ナトリウム系の炭酸塩は、炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムとし、前記カリウム系の炭酸塩は、炭酸カリウムおよび/または重炭酸カリウムとすることができる。
【0012】
前記電極に前記水を間欠的に供給する構成の水供給部を有し、前記電気分解装置は、前記電極に前記水を間欠的に供給する構成とすることができる。
【0013】
前記電源装置は、前記電流のオン時間を制御して前記電流を間欠的に供給する構成とし、前記水供給部における前記水の間欠的な供給のタイミングと前記電流の間欠的な供給のタイミングとが一致または重複するように、前記供給タイミングを設定するタイミング設定部を有し、前記タイミング設定部により設定した前記水の供給タイミングに対応して前記電極に水を間欠的に供給することができる。
【0014】
前記電極は、前記水に浸漬するように設けられるとともに、前記電気分解装置は、前記電極を水に浸漬させて電気分解を行い前記電極から前記酸素水素混合ガスを発生させる構成とすることができる。
【0015】
請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の構成を第1の構成、請求項9に記載の構成を第2の構成、請求項10の構成を第3の構成とし、前記第1の構成乃至前記第3の構成から少なくともいずれかの構成を選択する選択部を有することができる。
【0016】
前記電極は、板状とするとともに、前記板状の電極が所定の間隔を置いて複数並行して設けられ、更に、前記電極は、前記電極間において前記水が流通する水流通穴を設けるとともに、前記酸素水素混合ガスが流通するガス流通穴を設けることとすれば、電極間において水および酸素水素混合ガスを流通させることができる。
【0017】
前記ガス流通穴は、前記酸素水素混合ガスの流通方向と交差する方向に沿って長尺状に延びることとすれば、電極間において酸素水素混合ガスの流通性を向上させることができる。
【0018】
前記隣接する電極間における辺縁部の間隙を閉塞して密閉する閉塞部を設けることができる。
前記電気分解装置から排出された酸素水素混合ガスを水と接触させる水接触部を有することができる。
前記水を貯留する水貯留部を有し、前記水貯留部を前記水接触部として機能させることができる。
【0019】
所定の燃焼反応器を有し、前記燃焼反応器は、前記酸素水素混合ガスを燃焼させて前記燃焼による燃焼炎を被写体に接触させることにより、前記被写体の核分裂反応を生じさせて前記被写体を一つの陽子および一つの電子からなる物質つまり水素に分裂させることとすれば、酸素水素混合ガスの燃焼炎により被写体を水素に分解し消失させることができ、酸素水素混合ガスから得られる燃焼炎の有効活用を図ることができる。
【0020】
前記燃焼反応器は、前記核分裂反応により分裂した水素により水素分子を生成することとすれば、酸素水素混合ガスの状態を安定させることができる。
前記燃焼反応器による核分裂反応を連続的に行い水素の全てを水素分子とすることとすれば、酸素水素混合ガスの状態を更に安定させることができる。
所定の発電機を有し、前記発電機は、前記燃焼反応器の核分裂反応により生じる熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行うこととすれば、発電機における発電効率を向上させることができる。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明に係る吸引装置は、請求項1乃至請求項35のいずれか一項に記載の酸素水素混合ガス発生装置により発生した酸素水素混合ガスを吸引する吸引具を有することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明に係る酸素水素混合ガスは、上記の酸素水素混合ガス発生装置により発生させることを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明に係る酸素水素混合ガス発生方法は、電極を用いて水の電気分解を行うとともに、前記電極に所定の電流を供給し、前記電極から発生する酸素ガスおよび水素ガスを混合して酸素水素混合ガスを発生させる酸素水素混合ガス発生方法であって、間欠的な構成により、前記酸素水素混合ガスを発生させることを特徴とする。
本発明によれば、上記の構成により、酸素水素混合ガスを発生させることができる
【0024】
上記目的を達成するために、本発明に係る酸素水素混合ガスは、上記の酸素水素混合ガス発生方法により発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、電気分解により安定的に酸素水素混合ガスを発生させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
[酸素水素混合ガス発生装置の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る酸素水素混合ガス発生装置の全体構成を示す図、
図2は、同酸素水素混合ガス発生装置の電気分解装置および水供給装置の構成を示す図、
図3は、電気分解装置の構成を拡大して示す拡大側面図、
図4は、電気分解装置の構成を拡大して示す
図3のAA断面正面図、
図5は、水供給装置の水の供給方法を示す図、
図6は、同酸素水素混合ガス発生装置の電源装置の構成を示す図、
図7は、同電源装置の第1の電路を示す図、
図8は、同電源装置の第2の電路を示す図、
図9は、同電源装置の電流の出力波形を示す図、
図10は、同電源装置の電流の出力波形を示す
図9に続く図、
図11は、同電源装置において極性反転回路をオフとしたときの電流の出力波形を示す図、
図12は、同電源装置においてパルスカット回路および極性反転回路をオフとしたときの電流の出力波形を示す図、
図13は、同酸素水素混合ガス発生装置における第1の構成を説明するための図、
図14は、同酸素水素混合ガス発生装置における第2の構成を説明するための図、
図15は、同酸素水素混合ガス発生装置における第3の構成を説明するための図である。なお、以下の説明においては、電極11,12におけるガス流通穴11b,12bが設けられる側を上方、水流通穴11a,12aが設けられる側を下方、長尺なガス流通穴11b,12bが延びる方向を側方、電気分解室10aから酸素水素混合ガスが排出される側を正面、電気分解室10aに水が供給される側を背面とし、各方向を図に示すものとする。
【0029】
図1および
図2を参照して本発明の実施形態に係る酸素水素混合ガス発生装置1の概要を説明すると、酸素水素混合ガス発生装置1は、電気分解装置10、水供給装置20、燃焼反応器30、発電機40、電源装置50、および選択部80を有しており、間欠的な構成により、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させることができる。
【0030】
電気分解装置10は、
図3および
図4に拡大して示すように、電気分解室10aおよび電極11,12を有し、電極11,12は、第1の電極11および第2の電極12を有している。電気分解装置10は、第1の電極11および第2の電極12を用いて水の電気分解を行うことができる。第1の電極11および第2の電極12は、矩形状かつ板状としており、板状の第1の電極11および第2の電極12が所定の間隔をおいて交互に対向するように複数並行して設けられている(以下、第1の電極11および第2の電極12は、単に電極11,12とする場合がある)。本実施形態にあっては、第1の電極11を7本、第2の電極12を7本とするとともに、第1の電極11と第2の電極12の間隔の寸法Zを2mmとし、これら電極11,12間において、酸素水素混合ガスを発生させることができる。第1の電極11および第2の電極12は、側方の寸法(幅方向の寸法)Xを90mm、高さ寸法Yを140mm、厚みを0.8mmとしている。
【0031】
隣接する第1の電極11と第2の電極12との間には、隣接する第1の電極11と第2の電極12における矩形状の辺縁部11´,12´の間隙を閉塞して密閉する閉塞部13が設けられており、閉塞部13は樹脂より詳しくはナイロン樹脂で構成されている。閉塞部13を設けることにより、隣接する第1の電極11と第2の電極12との間には、閉塞空間を形成することができる。
【0032】
板状の第1の電極11と第2の電極12には、下部側に水流通穴11a,12aが設けられている。水流通穴11a,12aは、電極11,12間において後述する水供給部22から供給される水を流通させるためのものである。水流通穴11a,12aは、円形をなしている。
【0033】
また、板状の第1の電極11と第2の電極12には、上部側にガス流通穴11b,12bが設けられている。ガス流通穴11b,12bは、電極11,12の間において発生した酸素水素混合ガスを流通させるためのものである。ガス流通穴11b,12bは、幅方向に沿ってより詳しくは酸素水素混合ガスの流通方向と交差する方向に沿ってスリット状にかつ長尺状に延びるように設けられている。ガス流通穴11b,12bは、数1に示す側方の寸法(幅方向の寸法)X´の電極11,12の側方の寸法(幅方向の寸法)Xに対する比Aを0.6〜0.9とすることが好ましく、Aを0.7〜0.8とすることが更に好ましく、数2に示す高さ寸法Y´の側方の寸法X´に対する比Bを0.02〜0.1とすることが好ましく、Bを0.04〜0.08とすることが更に好ましく、Bを更に好ましくは、Bを0.05〜0.07とすることが更に一層好ましく、数3に示す高さ寸法Y´の電極11,12間の間隙の寸法Zに対する比Cは、1〜5とすることが好ましく、Cを1.5〜2.5とすることが更に好ましい。
[数1]
A=X´/X
[数2]
B=Y´/X´
[数3]
C=Y´/Z
【0034】
すなわち、電気分解装置10は、
図3に示すように、電気分解室10aにおいて、水供給部22および穴11a,12aを介して水を供給することにより、電極11,12を上下方向の中間位置まで水に浸漬しつつ上部側は空気中に露出した構成とすることができる。つまり、電気分解装置10は、電極11,12に通電しながら水を下方から供給して水の電気分解を行うことができ、これにより、電気分解装置10は、電極11,12の上部側から酸素ガスおよび水素ガスを発生させることができる。電極11,12の上部側から発生した酸素ガスおよび水素ガスは、管24,12a´´を介して後述する第1の水貯留部21aに送られる。
【0035】
なお、本実施形態の酸素水素混合ガス発生装置1は、電極11,12の冷却を行う冷却装置100を有している。冷却装置100は、供給ファン101を有しており、空気を電極11,12に供給することにより、空冷により電極11,12の冷却を行うことができる。
【0036】
水供給装置20は、
図2に戻り、水貯留部21と水供給部22を有している。水貯留部21は、水を貯留する機能を有しており、第1の水貯留部21aと第2の水貯留部21bを有している。
【0037】
すなわち、水供給装置20は、第1の水貯留部21aに貯留した水を水供給部22により電気分解装置10の電極11,12に下方から供給することができる。第2の水貯留部21bは、第1の水貯留部21aの補給タンクとして機能し、第2の水貯留部21bに貯留した水をポンプ21´および管21a´,21a´´を介して第1の水貯留部21aに送り第1の水貯留部21aに水を補給することができる。
【0038】
水供給部22は、
図5(a)に示すように、電極11,12に下方から水を間欠的に供給することができ、電気分解装置10は、電極11,12に水を間欠的に供給して電気分解を行い電極11,12から酸素水素混合ガスを間欠的に発生させる構成とすることができる。
【0039】
すなわち、水供給部22は、水貯留部21に貯留した水を電気分解装置10の電極11,12に間欠的に供給する構成となっている。
つまり、水供給部22は、水が流通する管22aとポンプ22bを有している。ポンプ22bは、例えば、チューブポンプとすることができ、チューブポンプから脈動するように水を供給することにより、水の間欠的な供給が可能となっている。この間欠的な水の供給により、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させることができる。
【0040】
より詳しくは、酸素水素混合ガス発生装置1は、タイミング設定部22dを有しており、タイミング設定部22dは、水供給部22における水の間欠的な供給のタイミングと波形制御部53における直流電流の間欠的な供給のタイミングとが一致または重複するように同期させて、前記供給タイミングを設定することができる。
【0041】
ここで、水供給部22により電気分解室10aに供給される水より詳しくは電極11,12に供給される水は、電解液とすることができ、電解液は、水に電気分解を促進させる物質を添加することにより構成することができる。電気分解を促進させる物質は、ナトリウム系化合物および/またはカリウム系化合物とすることができ、ナトリウム系化合物は、水酸化ナトリウムおよび/またはナトリウム系の炭酸塩とし、カリウム系の化合物は、カリウム系の炭酸塩とすることができる。更に、ナトリウム系の炭酸塩は、炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムとし、カリウム系の炭酸塩は、炭酸カリウムおよび/または重炭酸カリウムとすることができる。
【0042】
また、水供給部22により供給される水は、クラスター処理されたクラスター水とすることができ、水供給装置20は、
図2に示すように、水のクラスター処理を行うクラスター処理部23を有している。
【0043】
クラスター処理部23は、クラスター板23aと銅板23bとを対向させて配置し、クラスター板23aと銅板23bとの間に水を満たして水のクラスター処理を行うことができる。クラスター処理部23は、水貯留部21より詳しくは第1の水貯留部21aの内壁面に配置することができる。
【0044】
なお、第1の水貯留部21aは、同じく
図2に示すように、第1のガス流通管21a´´(第1のガス流通管21a´´は、水を補給する管と兼用している)を有しており、第2の水貯留部21bは、第2のガス流通管21b´および第3のガス流通管21b´´を有している。
すなわち、第1のガス流通管21a´´は、電極11,12から発生した酸素水素混合ガスを電気分解装置10から第1の水貯留部21aに送ることができる。また、第2のガス流通管21b´は、第1の水貯留部21aに送られた酸素水素混合ガスを更に第1の水貯留部21aから第2の水貯留部21bに送ることができる。更に、第3のガス流通管21b´´は、第2の水貯留部21bに送られた酸素水素混合ガスを燃焼器反応器30に送ることができる。
【0045】
このようなガス流通管21a´´,21b´を設けることにより、電気分解装置10から排出された酸素水素混合ガスは、水と接触することができる。より詳しくは、酸素水素混合ガスは、ガス流通管21a´´,21b´を介して供給されることにより、第1の水貯留部21aおよび第2の水貯留部21bの水によりバブリングされて、余分な水分や不純物が除去される等、酸素水素混合ガスを精製することができる。水供給装置20の水貯留部21a,21bは、酸素水素混合ガスを水と接触させる水接触部としても機能する。
【0046】
燃焼反応器30は、所定の着火装置を有しており、第3のガス流通管21b´´を介して供給された酸素水素混合ガスを燃焼させることができる。燃焼反応器30は、酸素水素混合ガスの初期燃焼を補助するための補助燃料の供給系統を有することとしてもよい。
ここで、燃焼反応器30は、酸素水素混合ガスを燃焼させて、この燃焼による燃焼炎を被写体35(被写体35とは、燃焼反応器30により燃焼させる対象を指す)に接触させることにより、被写体35の核分裂反応を生じさせて被写体35を一つの陽子および一つの電子からなる物質つまり原子水素に分裂させることができる燃焼方法を提供する。
【0047】
酸素水素混合ガスの燃焼においてはオレンジ色の燃焼炎を発するが、この燃焼炎は被写体35に接触することにより青白い炎となり、様々な被写体35を瞬時に核分裂させて原子水素に分解し消失させることができる。被写体35は、各種の物質とすることができ、有害な物質や毒性のある物質であっても、本発明の酸素水素混合ガスの燃焼炎を接触させることにより、無害化することができる。また、大量の処理が必要な産業廃棄物等にあっても短時間で焼失させることができ、廃棄物処理の低コスト化を図ることができる。
更に、燃焼反応器30は、核分裂反応により分裂した原子水素同士、前記分裂した原子水素と酸素水素混合ガス中の原子水素、酸素水素混合ガス中の原子水素同士により水素分子を生成する燃焼方法を提供することができる。更にまた、燃焼反応器30は、核分裂反応を連続的に行ことにより、水素の全てを水素分子とすることができる。これにより、酸素水素混合ガスの状態を安定させることができる。
【0048】
発電機40は、燃焼反応器30の核分裂反応により生じる熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行うことができる。
【0049】
電源装置50は、
図6に示すように、交流電源51、直流変換部52より詳しくはAC/DCコンバータ回路52、波形制御部53より詳しくはパルスカット回路53、極性反転部54より詳しくは極性反転回路54、および電流制御部55より詳しくは電流制御回路55を有しており、電気分解装置10の第1の電極11と第2の電極12に所定のパルス電流を供給することができる。
【0050】
すなわち、AC/DCコンバータ回路52は、スイッチング素子、トランス、およびブリッジダイオードを含んでおり、交流電源51から供給される交流電流を直流電流に変換することができる。
【0051】
パルスカット回路53は、AC/DCコンバータ回路52から供給される直流電流のオンオフを繰り返し行うことにより直流電流のパルスカットを行い波形を制御することができる。パルスカット回路52は、所定の周波数のパルス波を形成することができる。
パルスカット回路53は、スイッチング素子を含み、同スイッチング素子のスイッチング操作により直流電流のオン時間およびオフ時間を制御して直流電流のオン状態およびオフ状態を交互に繰り返し行うことができる。これにより直流電流の波形の制御より詳しくはパルスカットを行い直流電流を間欠的に供給する構成とし所定の矩形状のパルス波形を形成することができる。
【0052】
すなわち、パルスカット回路53は、直流電流のオン状態において酸素水素混合ガスを発生させ、直流電流のオフ状態において酸素水素混合ガスの発生を休止することにより、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させる構成とすることができる。
【0053】
極性反転回路54は、直流電流のパルス波の極性より詳しくは正極と負極を交互に反転させつつ第1の電極11と第2の電極12の極性より詳しくは陽極と陰極を交互に反転させることができる。
【0054】
極性反転回路54は、スイッチング素子を含み、同スイッチング素子のスイッチング操作により第1の電路60および第2の電路70を切り換えながら第1の電路60および第2の電路70において直流電流のオン状態を交互に形成することができる。すなわち、第1の電極11および第2の電極12は、電源装置40の極性反転回路54により極性より詳しくは陽極と陰極を交互に反転させることができ、陽極から酸素ガスを、陰極から水素ガスを発生させることができる。
【0055】
より詳しくは、第1の電路60は、
図7に示すように、直流電流に基づく電流が第1の電極11から第2の電極12に流れて第1の電極11を陽極とし第2の電極12を陰極とする電路である。
【0056】
第2の電路70は、
図8に示すように、直流電流に基づく電流が第2の電極12から第1の電極11に流れて第1の電極11を陰極とし第2の電極12を陽極とする電路である。
【0057】
これら第1の電路11および第2の電路70を切り換えながら第1の電路60および第2の電路70において直流電流のオン状態を交互に形成することにより、第1の電極11と第2の電極12の極性を交互に反転させることができる。
【0058】
なお、極性反転回路54は、スイッチング素子のスイッチング操作により、第1の電路60による直流電流のオン状態と第2の電路70による直流電流のオン状態との間に、直流電流のオフ状態を介在させることができる。
【0059】
電流制御回路55は、電源装置50から供給される直流電流の制御することができる。より詳しくは、電流制御回路55は、電源装置50から供給される直流電流の電流値が所定の制御目標値となるように印加電圧をコントロールすることができる。なお、電流値の制御目標値は、電極11,12における電気分解の有効面積に対応して設定することができる。
【0060】
ここで、電源装置50によるパルス電流の形成方法は、次のように説明される。
すなわち、
図9(a)に示す交流電源51からの交流電流を、
図9(b)に示すように、AC/DCコンバータ回路52により直流電流に変換する。次いで、
図9(c)に示すように、平滑部(平滑回路)52aにより直流電流を平滑化する。次に、
図10(a)に示すように、パルスカット回路53のスイッチング操作によりパルスカットを行うとともに、極性反転回路54のスイッチング操作により極性の交互の反転を行う。続いて、
図10(b)に示すように、電流制御回路55により印加電圧をコントロールし直流電流の制御を行う。
【0061】
なお、
図11に示すように、電源装置50の極性反転回路54をオフ状態とすることにより、極性の反転のないパルス波形を形成することもできる。また、
図12に示すように、パルスカット回路53および極性反転回路54をオフ状態とすることにより、オン状態が終始継続する電流波形を形成することもできる。
【0062】
選択部80は、本酸素水素混合ガス発生装置1において、第1の構成乃至第3の構成を選択することができる。
すなわち、第1の構成は、
図13に示すように、上記構成の水供給装置20において、
図5(b)の如く、電極11,12に水を連続的に供給し(
図13(a))、上記構成の電源装置50において、
図10に示す如く、パルスカット回路53のスイッチング操作によりパルスカットを行うとともに、極性反転回路54のスイッチング操作により極性の交互の反転を行い(
図13(b))、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させる構成である(
図13(c))。なお、上記構成の電源装置50において、
図11に示す如く、電源装置50の極性反転回路54をオフ状態とすることにより、極性の反転のないパルス波形を形成することもできる。
【0063】
第2の構成は、
図14に示すように、上記構成の水供給装置20において、
図5(a)に示す如く、電極11,12に水を間欠的に供給し(
図14(a))、上記構成の電源装置50において、
図12に示す如く、パルスカット回路53および極性反転回路54をオフ状態とすることにより、オン状態が終始継続する電流波形を形成し(
図14(b))、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させる構成である(
図14(c))。
【0064】
第3の構成は、タイミング設定部22dにより所定のタイミングを設定する構成である。つまり、第3の構成は、
図15に示すように、上記構成の水供給装置20において、
図5(a)に示す如く、電極11,12に水を間欠的に供給し(
図15(a))、上記構成の電源装置50において、
図10に示す如く、パルスカット回路53のスイッチング操作によりパルスカットを行うとともに、極性反転回路54のスイッチング操作により極性の交互の反転を行い(
図15(b))、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させる構成である(
図15(c))。なお、上記構成の電源装置50において、
図11に示す如く、電源装置50の極性反転回路54をオフ状態とすることにより、極性の反転のないパルス波形を形成することもできる。
【0065】
次に、上記の如く構成された酸素水素混合ガス発生装置1による混合ガスの発生方法を
図16のフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
すなわち、まずステップS10において、選択部80が、第1の構成乃至第3の構成を選択する。
次いで、ステップS20において、水供給装置20により水の供給を行う。水の供給は、第1の構成においては、
図5(b)に示す如く、電極11,12に水を連続的に供給し、第2の構成および第3の構成においては、
図5(a)の如く、電極11,12に水を間欠的に供給する。
【0067】
続いて、ステップS30において、電源装置50が電極11,12に電流を供給する。電流の供給は、第1の構成、第3の構成においては、
図10に示す如く、パルスカット回路53のスイッチング操作によりパルスカットを行うとともに、極性反転回路54のスイッチング操作により極性の交互の反転を行いながら所定のパルス電流を供給し、第2の構成においては、
図12に示す如く、パルスカット回路53および極性反転回路54をオフ状態とすることにより、オン状態が終始継続する電流波形の電流を供給する。これにより、
図13(c)、
図14(c)、
図15(c)に示す如く、酸素水素混合ガスを間欠的に発生させる。酸素水素混合ガスの発生は、陽極から酸素ガスを、陰極から水素ガスを発生させて行うことができる。
【0068】
ここで、このように発生した酸素水素混合ガスを吸引することにより、体内で取り込まれた原子酸素は、体内から電子を受け取り自らは還元され体内の免疫力を促す酸素イオンとなり、原子水素は電子を放出し、細胞に還元力を与える水素イオンとなる。
【0069】
特に、水素イオンは、各種疾患の最大の原因として、知られているハイドロキシラジカル(OH
−)のみを効率的に中和する。同時にイオンになる際に電子を放出するため、細胞の還元、つまり老化を緩和する。あらかじめ、通常の電気分解で生成された水素イオン水はすでに、電子を放出した後であるため、ハイドロキシラジカルの中和は期待できるが、新たな電子の放出はないため還元力は期待できない。
【0070】
すなわち、本発明の酸素水素混合ガスにより、体内における原子酸素から酸素イオンに変わった際の免疫力のアップと原子水素が水素イオンに変わった際のハイドロキシラジカルの中和と、原子水素からの電子放出による、細胞の還元を図ることができる。
【0071】
ステップ30に続くステップS40において、ステップS30で発生した酸素水素混合ガスを燃焼反応器30により連続的に燃焼させ燃焼炎を被写体に接触させる。これにより、被写体の核分裂反応を生じさせて被写体を原子水素に分裂させ、核分裂した水素原子から水素分子を生成することができ、被写体を消失させることができる。
【0072】
次に、ステップS50において、発電機40が、燃焼反応器30の反応により生じた熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行う。燃焼反応器30の反応により生じた熱エネルギーは核分裂に伴うものであるから被写体の質量に応じて膨大な熱エネルギーを得ることができ、発電機40における発電効率を向上させることができる。
【0073】
以上説明したように、本発明の酸素水素混合ガス発生装置1および酸素水素混合ガス発生方法によれば、上記の構成により、酸素水素混合ガスを発生させることができる。
【0074】
また、電源装置50は、第1の電極11と第2の電極12の極性を交互に反転させることとしたので、第1の電極11と第2の電極12の極性を交互に反転させながら電気分解を行うことができ、電極への不純物の付着を低減させることができる。これにより、電気分解により安定的に酸素水素混合ガスを発生させることができる。
【0075】
更に、電源装置50から供給される直流電流の電流値が所定の制御目標値となるように印加電圧をコントロールする電流制御部55を有することとしたので、電極に過度の電流が流れることによる腐食を低減することができる。
【0076】
更にまた、電極11,12は、電極11,12間において水が流通する水流通穴11a,12aを下部側に設けるとともに、酸素水素混合ガスが流通するガス流通穴11b,12bを上部側に設けることとしたので、電極11,12間において水および酸素水素混合ガスを流通させることができる。
【0077】
また更に、ガス流通穴11b,12bは、酸素水素混合ガスの流通方向と交差する方向に沿って長尺状に延びるように設けることとしたので、電極11,12間において間欠的に発生する酸素水素混合ガスの流通性を向上させることができる。
【0078】
また、本発明の燃焼反応器30および燃焼方法によれば、酸素水素混合ガスの燃焼による燃焼炎を被写体35に接触させることにより、被写体35の核分裂反応を生じさせて被写体35を原子水素に分裂させることとしたので、酸素水素混合ガスの燃焼炎により被写体35を原子水素に分解し消失させることができ、酸素水素混合ガスから得られる燃焼炎の有効活用を図ることができる。
【0079】
[吸引装置の構成]
図17は、本発明の実施形態に係る吸引装置の構成を示す図、
図18は、同吸引装置の構成を示す別の図、
図19は、同吸引装置の吸引具の構成を示す図である。
【0080】
図17乃至
図19を参照して本発明の実施形態に係る吸引装置2の概要を説明すると、吸引装置2は、上述した酸素水素混合ガス発生装置1および吸引具90を有している。
図17および
図18の酸素水素混合ガス発生装置1は、燃焼反応器30および発電機40を除いた構成としており、電気分解装置10、水供給装置20、電源装置50、および選択部80を有している。
【0081】
吸引装置2は、酸素水素混合ガス発生装置1により発生した酸素水素混合ガスを吸引する器具であり、吸引具90は、供給管91および短尺な管93を有している。
【0082】
すなわち、供給管91は、酸素水素混合ガス発生装置1により発生した酸素水素混合ガスを流通させて所定の位置まで供給するための管である。供給管91は、酸素水素混合ガスを噴出させる噴出口92を有しており、噴出口92から酸素水素混合ガスを吸引することができる。
【0083】
短尺な管93は、噴出口92と連通するように供給管91の側周面に設けられており、短尺な管93から酸素水素混合ガスを吸引することができる。短尺な管93は、2本設けることとしており、鼻等に挿入することができる。
【0084】
なお、供給管91は、母管91´、第1の管91a、および第2の管91bを有している。母管91´は、始端側を酸素水素混合ガス発生装置1の第3のガス流通管21b´´と接続して連通している。第1の管91aおよび第2の管91bは、母管91´の終端側から二股に分岐した分岐管であり、始端側を母管91´の終端側とするとともに、噴出口92を終端側としている。第1の管91aおよび第2の管91bは、環状をなすように、終端側で接続して連通している。
【0085】
このような構成の吸引装置2を、第1の管91aおよび第2の管91bを回り込むようにユーザの顔に配置することにより、酸素水素混合ガスを鼻等から容易に吸引することができる。上述の如く、本発明の酸素水素混合ガスにより、体内における原子酸素から酸素イオンに変わった際の免疫力のアップと原子水素が水素イオンに変わった際のハイドロキシラジカルの中和と、原子水素からの電子放出による、細胞の還元を図ることができ、本発明の酸素水素混合ガスは、免疫力向上剤、免疫性疾患の治療剤または予防剤としても用いることができる。
【0086】
吸引装置2は、
図20に示すように、供給管91を分岐することなく一本として口および鼻を覆うマスク94に接続して連通し、ユーザが口や鼻から酸素水素混合ガスを吸引することとしてもよい。
【0087】
また、
図21に示すように、供給管91を分岐することなく一本として、その終端側を固定具95に接続して連通させる。固定具95は、ヘッドホンの如きユーザの頭に固定するためのものであり、固定具95には、J字状に伸びて所定に揺動する揺動管96が設けられている。揺動管96は、始端側96´を供給管91の終端側と接続して連通し、終端側に酸素水素混合ガスが噴出する噴出口92が設けられている。揺動管96は、始端側96´を支点として揺動させながら位置の調整を行うことができ、噴出口92をユーザの鼻の近傍に位置させてユーザは鼻からから酸素水素混合ガスを吸引することができる。
【0088】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく種々の応用実施、変形実施が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施形態にあっては、極性反転回路54は、スイッチング素子のスイッチング操作により、第1の電路60による直流電流のオン状態と第2の電路70による直流電流のオン状態との間に、直流電流のオフ状態を介在させることとしているが、
図22に示すように、オフ状態を実質的に介在させずに第1の電路60による直流電流のオン状態から第2の電路70による直流電流のオン状態に反転させることとしてもよい。
【0089】
この場合においては、第1の電路60による直流電流のオン状態では、第2の電路70は直流電流のオフ状態となり、第2の電路70による直流電流のオン状態では、第1の電路60は直流電流のオフ状態となり、第1の電路60および第2の電路70はそれぞれ電流を間欠的に供給する構成となっている。
【0090】
また、上述した実施形態にあっては、水供給装置20は、ポンプ22bをチューブポンプとして脈動させながら水を間欠的に供給することとしているが、
図23に示すように、水が流通する管22aにバルブ22cを設け、タイミング設定部22dにより所定のタイミングを設定しつつバルブ22cの開閉により水を間欠的に供給することとしても所要の効果を奏する。